JP2009083820A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の旋回中の制動操作に対して、車両の安定性を確保することができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】自車のスリップ率が、自車に対応するタイヤマップにおいて設定された所定のスリップ率を超えたときに自車のスリップ率が前記目標スリップ率付近となるように制動トルクを制御するアンチロックブレーキ制御モードに設定する。また、自車のスリップ率が、前記自車に対応するタイヤマップが示すタイヤ前後力及びタイヤ横力の交点となる位置のスリップ率を越えたときに、前記アンチロック制御モードに設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、4輪をモータにより独立に駆動する電気自動車などの電動車両に搭載される車両制御装置に関する。
従来より、自動車などにおいて、急制動時に車輪のロックを防いで、車両の安定性、操舵性を維持できるようにしたアンチロックブレーキ制御(以下、ABS制御という)を行う車両制御装置が知られている(特許文献1、非特許文献1参照)。このような車両制御装置では、自車のタイヤと路面との間の摩擦係数(以下、路面μともいう)とスリップ率との対応関係を示す摩擦係数−スリップ率マップを複数記憶している。スリップ率とは、車輪速と車体速とに基づいて算出される値である。
車両制御装置は、自車の路面μと自車のスリップ率とを算出し、自車の路面μと自車のスリップ率とに基づいて、複数記憶している摩擦係数−スリップ率マップの中から、対応する摩擦係数−スリップ率マップを取得する。そして、その摩擦係数−スリップ率マップが示す路面μが最大となるスリップ率を目標スリップ率とし、車輪のスリップ率が目標スリップ率付近になるように制御している。これにより、急制動時においても、車輪をロックさせることなしに減速させることができる。
特開昭62−99249号公報 山海堂自動車用ABSの研究(日本エービーエス(株)編)
一方、車両の旋回時における安定性を高めるため、車両の旋回力を機械的に制御するヨーモーメントの制御が行われている。このヨーモーメント制御は、車輪のスリップ率を低くすることでタイヤ横力を大きくし、車両をより曲がりやすくするものである。従来、ヨーモーメント制御とABS制御との切り替えは、車輪が滑ったとき、すなわちタイヤのスリップ率が100%に近づいたときに切り替えるものがほとんどであった。このため、例えば車両の旋回中に運転者が制動操作をした場合には、車両の安定性が確保できなくなる可能性があった。
本発明の目的は、車両の旋回中の制動操作に対して、車両の安定性を確保することができる車両制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係わる発明は、4輪をモータで独立に駆動する電動車両の車両制御装置であって、自車のタイヤ前後力及びタイヤ横力を算出するタイヤ力演算部と、自車のスリップ率を算出するスリップ率演算部と、 自車の車輪を回転させるモータのトルクに基づいて自車の車輪トルクを算出する車輪トルク演算部と、自車の車輪に作用する荷重を算出する変動輪荷重演算部と、前記自車の車輪トルク及び前記自車の車輪に作用する荷重に基づいて、自車の車輪と路面との間の摩擦係数である自車の路面μを算出する路面μ演算部と、タイヤ前後力及びタイヤ横力とスリップ率との関係を示すタイヤマップを複数記憶するタイヤマップ記憶部と、前記自車の路面μ及び前記自車のスリップ率に基づいて、自車に対応するタイヤマップを前記タイヤマップ記憶部から取得するタイヤマップ取得部と、前記自車に対応するタイヤマップに基づいて自車の目標スリップ率を設定する目標スリップ率設定部と、前記自車のスリップ率が前記自車に対応するタイヤマップにおいて設定された所定のスリップ率を超えるときは、自車のスリップ率が前記目標スリップ率付近となるように制動トルクを制御するアンチロックブレーキ制御モードに設定する制御モード設定部とを備えることを特徴とする。
請求項2に係わる発明は、請求項1において、前記制御モード設定部は、前記自車のスリップ率が、前記自車に対応するタイヤマップが示すタイヤ前後力及びタイヤ横力の交点となる位置のスリップ率を超えたときに、前記アンチロックブレーキ制御モードに設定することを特徴とする。
本発明に係わる車両制御装置によれば、車両の旋回中に運転者が制動操作をした場合において、算出されたスリップ率がタイヤマップに設定された所定のスリップ率を超えたときには、より制動しやすくなるアンチロックブレーキ制御モードに設定されるので、止まろうとしている運転者の意思に応じた制御を行うことができる。
また、算出されたスリップ率が、タイヤマップが示すタイヤ前後力とタイヤ横力の交点となる位置のスリップ率を超えたとき、即ち、タイヤ横力が急激に低下する状態となったときに、旋回よりも制動に重点を置くアンチロックブレーキ制御モードに設定されるため、より安全で運転者に対して違和感の少ない制御を行うことができる。
したがって、本発明に係わる車両制御装置によれば、車両の旋回中の制動操作に対しても、車両の安定性を確保することができる。
以下、本発明に係わる車両制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る車両制御装置1の構成を示すブロック図である。車両制御装置1は、図示しない電気自動車(以下、自車とも称する)に搭載され、油圧センサ2、モータトルクセンサ3、操舵角センサ4、前後Gセンサ5、横Gセンサ6、ヨーレートセンサ7、車体速センサ8、車輪速センサ9、ブレーキセンサ10、主制御装置11とを備え、制動装置21に接続されている。
主制御装置11は、あらかじめ設定されたプログラムに従って演算処理やデータの入出力等を実行するコンピュータ装置であり、例えば中央演算ユニット(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力インターフェース(I/Oインターフェース)等のハードウェア構成を備えたマイクロコンピュータにより構成することができる。
これらハードウェア構成のうち、ROMは、タイヤマップ記憶部19として機能する他、主制御装置11の動作に必要なプログラムを記憶する。RAMは、CPUによる作業領域として使用される。CPUは、ROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して逐次実行することにより、車輪トルク演算部12、変動輪荷重演算部13、スリップ角演算部14、タイヤ力演算部15、スリップ率演算部16、目標スリップ率演算部(及び制御モード設定部)17、路面μ演算部18、タイヤマップ取得部20の各機能を実現している。なお、本実施形態では、目標スリップ率演算部に制御モード設定部の機能を持たせた例について説明するが、制御モード設定部を独立した機能手段として構成してもよい。
図2は、本実施形態で使用される実座標系や各種の物理量を示す平面図である。図2において、flは自車の左前輪のタイヤ、frは自車の右前輪のタイヤ、rlは自車の左後輪のタイヤ、rrは自車の右後輪のタイヤである。本実施形態で使用される実座標系は、自車の重心を原点とし、路面に平行で、且つ自車の前後方向に伸びる軸をx軸とし、路面に平行で、且つ自車の左右方向に伸びる軸をy軸とする。βは、自車のスリップ角であり、自車の進行方向ベクトルvと、x軸とのなす角で示される。図2における反時計回りの方向がスリップ角の正方向であり、時計回りの方向がスリップ角の負方向である。δは、自車の操舵角であり、車輪の回転軸に垂直な平面とx軸とのなす角で示される。図2は、操舵角の一例として、左前輪の操舵角を示す。自車のステアリングホイールが左に回転したときに車輪が動く方向が操舵角の正方向であり、自車のステアリングホイールが右に回転したときに車輪が動く方向が操舵角の負方向である。lfは、前輪の回転軸のx座標を絶対値で表した値であり、lrは、後輪の回転軸のx座標を絶対値で表した値である。dは前輪(または後輪)の回転中心間の距離である。
自車の各車輪には、図示しない油圧ブレーキ(以下、ブレーキという)が設けられている。油圧センサ2は、ブレーキ毎に設けられ、それぞれのブレーキに作用する油圧を検出し、その結果に関する信号を車輪トルク演算部12に出力する。
モータトルクセンサ3は、各モータに設けられ、それぞれのモータに流れる電流iを検出する。そして、モータに流れる電流と、以下の式(1)とに基づいて、モータトルクを算出する。
Tm=i・k…(1)
Tm:モータトルク、i:モータに流れる電流、k:トルク係数
ここで、電流iの符号は、加速又は低速走行時にモータに流れる方向を正方向とし、減速時にモータに流れる方向を負方向とする。なお、自車は減速時には回生ブレーキも作動させるため、減速時には、加速又は低速走行時とは逆方向の電流がモータに流れる。トルク係数は、モータにより定まる定数である。モータトルクセンサ3は、算出されたモータトルクに関する信号を車輪トルク演算部12に出力する。
操舵角センサ4は、自車の操舵角を検出し、その結果に関する信号をスリップ角演算部14と、目標スリップ率演算部17とに出力する。
前後Gセンサ5は、自車の加速度のうち、x軸方向の加速度を検出し、その結果に関する信号を変動輪荷重演算部13に出力する。
横Gセンサ6は、自車の加速度のうち、y軸方向の加速度を検出し、その結果に関する信号をスリップ角演算部14と、変動輪荷重演算部13とに出力する。
ヨーレートセンサ7は、自車のヨーレートを検出し、その結果に関する信号をスリップ角演算部14に出力する。図2における反時計回りの方向がヨーレートの正方向であり、時計回りの方向がヨーレートの負方向である。
車体速センサ8は、自車の車体速(車輪以外の部分の速度)を検出し、その結果に関する信号をスリップ角演算部14、スリップ率演算部16に出力する。
車輪速センサ9は、自車の各車輪に設けられ、車輪速センサ9が設けられた車輪の回転速度、即ち自車の車輪速を検出し、その結果に関する信号をスリップ率演算部16に出力する。
ブレーキセンサ10は、ブレーキペダルの操作量を検出し、その結果に関するブレーキペダル信号を目標スリップ率演算部17に出力する。なお、ブレーキペダルの操作量の代わりに、ブレーキ踏力やブレーキ液圧を検出するようにしてもよい。
上記各センサは、運転者の操作により、車両の動力源や電源が稼動している間、検出及び信号の出力を常時行っている。
タイヤマップ記憶部19は、多数のタイヤマップを記憶している。タイヤマップは、タイヤ前後力とスリップ率との対応関係、即ち各スリップ率におけるタイヤ前後力を示す。図3は、タイヤマップの一例を示す説明図である。図3に示す曲線L1,L2は、あるタイヤマップが示すデータを、横軸をスリップ率、縦軸をタイヤ力とした座標系にプロットしたものである。タイヤ前後力(L1)は、タイヤが受ける力、即ちタイヤ力のうち、x軸方向の力である。また、タイヤ横力(L2)は、タイヤ力のうち、y軸方向の力である。スリップ率は、車輪速と車体速とに基づいて算出される値である。
タイヤ前後力とスリップ率との対応関係は、タイヤの種類(例えば、ラジアルタイヤやスノースパイクタイヤ等)及び路面状況(例えば、乾燥したアスファルト、濡れたアスファルト、新雪面、濡れた氷上等)に応じて変わりうる。そこで、本実施形態では、タイヤの種類及び路面状況の様々な組合せに対してタイヤ前後力とスリップ率との対応関係を測定し、測定結果をタイヤマップとしてタイヤマップ記憶部19に記憶させている。
図3において、タイヤ前後力の曲線L1が示すように、タイヤマップは、あるスリップ率でタイヤ前後力が最大値を取る。このスリップ率以下のスリップ率の範囲は安定領域と称され、このスリップ率を超えるスリップ率の範囲は不安定領域と称される。本実施形態では、タイヤ前後力が最大値となるスリップ率を最大スリップ率S1と称し、このスリップ率S1よりも所定値だけ小さいスリップ率を最小スリップ率S2と称し、最大スリップ率S1から最小スリップ率S2までの範囲を基準範囲と称する。車両制御装置1では、自車のタイヤ横力と自車の操舵角とに応じて、基準範囲内で自車の目標スリップ率を設定する。また、タイヤ横力はスリップ率が小さいほど大きくなるが、タイヤ前後力は最大スリップ率以下のスリップ率の範囲であれば、スリップ率が大きくなるほど大きくなる。
なお、本実施形態では、後述するように、算出されたスリップ率が、タイヤ前後力の曲線L1とタイヤ横力の曲線L2の交点となる位置のスリップ率Sxを超えるときにABS制御モードに設定されるため、目標スリップ率の基準範囲は一般的な基準範囲よりも狭くなる。
次に、車両制御装置1を構成する各部の機能と処理動作を図4に示すフローチャートに沿って説明する。なお、車両制御装置1は、以下に説明する処理を車輪毎に行う。ここでは、一例として、左前輪に関する処理を説明する。
ステップS1において、スリップ角演算部14は、左前輪に設けられた油圧センサ2から与えられる信号に基づいて、ブレーキが作動したか否かを判定し、ブレーキが作動するまで待機する。
ステップS2において、スリップ角演算部14は、操舵角センサ4、横Gセンサ6、ヨーレートセンサ7、及び車体速センサ8から与えられた信号と、以下の式(1)とに基づいて、自車のスリップ角を算出し、その結果に関する信号をタイヤ力演算部15に出力する。
β=∫(αy/V−γ)dt…(2)
β:自車のスリップ角、αy:自車の横G、γ:自車のヨーレート、V:自車の車体速
ステップS3において、変動輪荷重演算部13は、前後Gセンサ5及び横Gセンサ6から与えられた信号と、以下の式(3)とに基づいて、左前輪に作用する荷重Fflを算出し、その結果に関する信号をタイヤ力演算部15と路面μ演算部18に出力する。
Ffl=m・g・lr/2/(lf+lr)-m・αx・h/2/(lf・lr)-m・αy・h・lr/d/(lf+lr)…(3)
m:自車の質量、g:重力加速度、h:自車の重心から路面までの距離、αx:自車の前後G、αy:自車の横G
なお、右前輪に作用する荷重Ffrは以下の式(4)で、左後輪に作用する荷重Frlは以下の式(5)で、右後輪に作用する荷重Frrは以下の式(6)でそれぞれ表される。
Ffr=m・g・lr/2/(lf+lr)-m・αx・h/2/(lf・lr)+m・αy・h・lr/d/(lf+lr)…(4)
Frl=m・g・lf/2/(lf+lr)+m・αx・h/2/(lf・lr)-m・αy・h・lf/d/(lf+lr)…(5)
Frr=m・g・lf/2/(lf+lr)+m・αx・h/2/(lf・lr)+m・αy・h・lf/d/(lf+lr)…(6)
ステップS4において、スリップ率演算部16は、車体速センサ8及び左前輪に設けられた車輪速センサ9から与えられた信号に基づいて、左前輪のスリップ率を算出し、その結果に関する信号をタイヤ力演算部15、目標スリップ率演算部17及びタイヤマップ取得部20に出力する。
ステップS5において、車輪トルク演算部12は、モータトルクセンサ3から与えられた信号と、以下の式(7)とに基づいて、左前輪の車輪トルクを算出する。
Tt=(Tm−lm)dω/dt…(7)
Tt:車輪トルク、lm:車輪の慣性モーメント、ω:車輪の角速度
なお、ωの符号は自車前進時の回転方向を正方向とし、後退時の回転方向を負方向とする。車輪トルク演算部12は、算出した左前輪トルクに関する信号を路面μ演算部18へ出力する。
ステップS6において、路面μ演算部18は、車輪トルク演算部12及び変動輪荷重演算部13から与えられた信号と、以下の式(8)とに基づいて、左前輪の路面μ(自車の路面μ)を算出する。
μ=(Tt/rt)/Fz1…(8)
Fz1:車輪に作用する荷重(ここでは、左前輪に作用する荷重Ffl)、rt:車輪半径
路面μ演算部18は、左前輪の路面μに関する信号を生成して、タイヤマップ取得部20へ出力する。
ステップS7において、タイヤ力演算部15は、変動輪荷重演算部13、スリップ角演算部14、及びスリップ率演算部16から与えられた信号と、タイヤモデル(例えば、マジックフォーミュラ)とに基づいて、左前輪に作用するタイヤ力を算出し、その結果に関する信号を目標スリップ率演算部17に出力する。
ステップS8において、タイヤマップ取得部20は、スリップ率演算部16及び路面μ演算部18から与えられた信号に基づいて、左前輪に作用するタイヤ前後力(即ち、自車のタイヤ前後力)と左前輪のスリップ率(即ち、自車のスリップ率)とに対応する左前輪のタイヤマップ(即ち、自車に対応するタイヤマップ)をタイヤマップ記憶部19から取得する。
具体的には、タイヤマップ取得部20は、各タイヤマップについて、左前輪のスリップ率に対応するタイヤ前後力を把握し、把握されたタイヤ前後力と、左前輪のタイヤ前後力とを比較する。この結果、タイヤマップ取得部20は、左前輪のタイヤ前後力に最も近いタイヤ前後力を示すタイヤマップを、左前輪のタイヤマップとして取得する。したがって、左前輪のタイヤマップは、左前輪に作用するタイヤ前後力と左前輪のスリップ率との対応関係を示すことになる。タイヤマップ取得部20は、左前輪のタイヤマップに関する信号を目標スリップ率演算部17に出力する。
ステップS9において、目標スリップ率演算部17では、制御モード設定部の機能として、スリップ率演算部16から与えられた信号と、タイヤマップ取得部20から与えられたタイヤマップとに基づいて車両の制御モードを設定する。
具体的には、図5に示すように、算出されたスリップ率と、タイヤマップが示すタイヤ前後力の曲線L1とタイヤ横力の曲線L2の交点となる位置のスリップ率Sxとを比較し、算出されたスリップ率がスリップ率Sxを超えるときは、ABS制御モードに設定してステップS10へ進む。一方、算出されたスリップ率Sxに満たないときは、ヨーモーメント制御モードに設定してステップS11へ進む。
ステップS10において、目標スリップ率演算部17は、タイヤマップ取得部20から与えられた信号に基づいて、左前輪の目標スリップ率を設定する。左前輪の目標スリップ率は、左前輪のタイヤマップが示す路面μが極大値となるスリップ率である。目標スリップ率演算部17は、左前輪の目標スリップ率に関する信号を生成し、制動装置21に出力する。その後、車両制御装置1は本処理を終了する。
制動装置21は、スリップ率演算部16及び目標スリップ率演算部17から与えられた信号に基づいて、各輪のスリップ率がその車輪の目標スリップ率付近となるように各輪の制動トルクを制御する、アンチロックブレーキ制御を行う。アンチロックブレーキ制御の具体的な内容は従来と同様であるので、説明を省略する。
一方、ステップS9からステップS11へ進んだときは、図示しないヨーモーメント制御の機能実行部において、ヨーモーメント制御を実行する。ヨーモーメント制御の具体的な内容は従来と同様であるので、説明を省略する。
以上のように、本実施形態に係わる車両制御装置1では、算出されたスリップ率がタイヤマップに設定された所定のスリップ率を超えるときはABS制御モードに設定し、また算出されたスリップ率がタイヤマップに設定された所定のスリップ率に満たないときはヨーモーメント制御モードに設定している。これは、車両の旋回中に運転者が制動操作をした場合に、算出されたスリップ率が大きければ、運転者が止まろうとしている可能性が高く、算出されたスリップ率が小さければ、運転者が曲がろうとしている可能性が高いと考えられるためである。
したがって、車両の旋回中に運転者が制動操作をした場合に、算出されたスリップ率が大きいときはABS制御モードに設定することで、より制動しやすくなるため、止まろうとしている運転者の意思に応じた制御を行うことができる。また、算出されたスリップ率が小さいときはヨーモーメント制御モードに設定することで、より旋回しやすくなるため、曲がろうとしている運転者の意思に応じた制御を行うことができる。
このように、本実施形態に係わる車両制御装置1によれば、運転者の意思に応じた制御モードの設定を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、図3に示すように、算出されたスリップ率が、タイヤマップが示すタイヤ前後力の曲線L1とタイヤ横力の曲線L2の交点となる位置のスリップ率Sxを超えるときはABS制御モードに設定し、スリップ率Sxに満たないときはヨーモーメント制御モードに設定するようにしている。これによれば、算出されたスリップ率がスリップ率Sxに満たない場合は、旋回に必要なタイヤ横力が得られているため、旋回に重点を置くヨーモーメント制御モードとすることで、旋回中における車両の安定性を高めることができる。一方、算出されたスリップ率がスリップ率Sxを超える場合は、図3に示すように、タイヤ横力は急激に低下するため、旋回よりも制動に重点を置くABS制御モードとすることで、より安全で運転者に対して違和感の少ない制御を行うことができる。このように、タイヤマップが示すスリップ率Sxと、算出されたスリップ率との関係に基づいて制御モードを設定することにより、運転者に対してより違和感の少ない制御モードの設定を行うことが可能となる。
したがって、本実施形態に係わる車両制御装置1によれば、車両の旋回中の制動操作に対しても、車両の安定性を確保することができる。
実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図。 実施形態で使用される実座標系や各種の物理量を示す平面図。 タイヤマップの一例を示す説明図。 車両制御装置による処理の手順を示すフローチャート。 タイヤマップにおける制御モードの設定領域を示す説明図。
符号の説明
1…車両制御装置
2…油圧センサ
3…モータトルクセンサ
4…操舵角センサ
5…前後Gセンサ
6…横Gセンサ
7…ヨーレートセンサ
8…車体速センサ
9…車輪速センサ
10…ブレーキセンサ
11…主制御装置
12…車輪トルク演算部
13…変動輪荷重演算部
14…スリップ角演算部
15…タイヤ力演算部
16…スリップ率演算部
17…目標スリップ率演算部
18…路面μ演算部
19…タイヤマップ記憶部
20…タイヤマップ取得部
21…制動装置

Claims (2)

  1. 4輪をモータにより独立に駆動する電動車両に搭載される車両制御装置であって、
    自車のタイヤ前後力及びタイヤ横力を算出するタイヤ力演算部と、
    自車のスリップ率を算出するスリップ率演算部と、
    自車の車輪を回転させるモータのトルクに基づいて自車の車輪トルクを算出する車輪トルク演算部と、
    自車の車輪に作用する荷重を算出する変動輪荷重演算部と、
    前記自車の車輪トルク及び前記自車の車輪に作用する荷重に基づいて、自車の車輪と路面との間の摩擦係数である自車の路面μを算出する路面μ演算部と、
    タイヤ前後力及びタイヤ横力とスリップ率との関係を示すタイヤマップを複数記憶するタイヤマップ記憶部と、
    前記自車の路面μ及び前記自車のスリップ率に基づいて、自車に対応するタイヤマップを前記タイヤマップ記憶部から取得するタイヤマップ取得部と、
    前記自車に対応するタイヤマップに基づいて自車の目標スリップ率を設定する目標スリップ率設定部と、
    前記自車のスリップ率が前記自車に対応するタイヤマップにおいて設定された所定のスリップ率を超えるときは、自車のスリップ率が前記目標スリップ率付近となるように制動トルクを制御するアンチロックブレーキ制御モードに設定する制御モード設定部と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記制御モード設定部は、前記自車のスリップ率が、前記自車に対応するタイヤマップが示すタイヤ前後力及びタイヤ横力の交点となる位置のスリップ率を超えたときに、前記アンチロックブレーキ制御モードに設定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
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