JP2009083519A - 航空機用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、航空機用空気入りラジアルタイヤ、特にダウンプライに弛みが生じず、高内圧および高撓みの状態であってもカーカスプライ引き抜けに対し優位であり、タイヤの耐圧性及び耐久性を向上させた航空機用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビードコア4と、ラジアルカーカス6とを具え、このラジアルカーカス6が、一枚以上のターンアッププライ8と、一枚以上のダウンプライ9とを有し、横断面形状が多角形をなす一対のビードコア4が、適用リムRのビードシート部と平行な底辺を有し、ダウンプライ9を形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率が、ターンアッププライ8を形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率より2〜8%大きいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空機用空気入りラジアルタイヤ、特に、タイヤの製造時にカーカスプライに弛みが生じず、製品タイヤへの、高内圧および高撓みの作用状態にあってもカーカスプライの引き抜けに対して高い抗力を発揮し、しかも、タイヤの耐圧性、及びビード部の変形に対する耐久性を向上させた航空機用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
航空機用空気入りラジアルタイヤは、有機繊維コードからなるカーカスプライの複数枚を重畳配置して、ラジアルカーカスを構成することにより、タイヤへの、高い耐圧性と高度な信頼性の要求とを満足させている。
また、航空機用空気入りラジアルタイヤは、円滑な離着陸およびタキシングを担保するため、タイヤの許容撓み量が非常に大きく設定されている。
これがため、航空機用空気入りラジアルタイヤでは通常、カーカス構造につき、各ビードコアの周りに、タイヤ幅方向の内側から外側へ巻上げたターンアッププライと、ターンアッププライの巻上げ部分を覆って半径方向内方に延びるダウンプライとを有するいわゆるアップダウン構造を採用することとしている。
これによれば、理論上は、空気圧、荷重等の外力の作用に際して、ターンアッププライとダウンプライとの両プライに働くビードコア周りの張力の釣り合いにより、高内圧、高撓みの使用条件下で、カーカスプライがビードコアから引き抜けるのを有効に防止することができる。
ところが、このようなアップダウン構造を有するタイヤを製造するに当っては、生タイヤの成型工程および、その生タイヤの加硫工程でのいわゆるシェーピングによる、一対のビードコアの近接変位を伴う、ビード部相当部分の、図4(a)に矢印Aで例示するような、生タイヤの幅方向外側に向く曲げ変形に当り、ダウンプライ素材21がその曲がりの中立軸の内側に存在することになる。生タイヤのビード部相当部分で、ダウンプライ素材21に子午線断面内の圧縮力が作用することになるため、同断面内でダウンプライ素材21に、図4(b)に例示するような、弛みが発生するおそれがあった。
これに対し、特許文献1に開示されているように、有機繊維コードを係留するビードコアが円形断面形状を有するいわゆるケーブルビードとした場合には、生タイヤに対する同様のシェーピングに際して、ダウンプライ素材21に生じることになるその弛みを、ターンアッププライ素材22と、ダウンプライ素材21との間の張力差に基いて、円形断面形状を有するケーブルビードそれ自体を、図4(c)に例示するように、それの横断面内で回動変位させることによって、吸収することができる。
しかるに、この特許文献1に記載された航空機用ラジアルタイヤでは、ケーブルビードの、横断面内で回動変位しやすい特性により、製品タイヤへの荷重の作用時のビード部の倒れ込み変形量が多くなるおそれがあった。
しかも、航空機用ラジアルタイヤは、着陸時に作用する多大な接線力に対してタイヤがリムに対して滑らないように、リムとの十分な接触圧が必要である。特許文献1に記載されたケーブルビードでは、そのビードコアの半径方向の内周部分と、適用リムのビードシート部とにより、所要の接触圧の発生を担保することが必要であるため、ビードコア直下のゴムに局部的に高い接触圧が作用するおそれがあった。
特開平6−171326号公報
そこで、本発明の目的は、特に、タイヤの製造時にダウンプライに弛みが生じず、製品タイヤへの高内圧および高撓みの作用状態にあっても、カーカスプライの引き抜けに対して高い抗力を発揮し、しかも、タイヤの耐圧性を向上させるとともに、ビード部の耐久性を、そこへの変形を有利に抑制することで向上させた航空機用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
この発明にかかる航空機用空気入りラジアルタイヤは、横断面形状が多角形をなす一対のビードコアと、これらビードコア間にトロイド状に延在し、タイヤ赤道面に対して75〜90°の範囲の角度で延びる複数本の有機繊維コードからなる少なくとも二枚のカーカスプライにて構成したラジアルカーカスとを具え、このラジアルカーカスが、各ビードコアの周りに、タイヤ幅方向の内側から外側へ巻上げた一枚以上のターンアッププライと、ターンアッププライの巻上げ部分を覆って半径方向内方に延びて、少なくとも、ビードコアの半径方向内方まで延在する一枚以上のダウンプライとを有するものであり、横断面形状が多角形をなす一対のビードコアが、適用リムのビードシート部と平行な底辺を有し、ダウンプライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率が、ターンアッププライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率より2〜8%大きいことを特徴とするものである。
ここで、熱収縮率とは、有機繊維コードを177℃で2分間加熱したときのコード長さの収縮率をいうものとする。
このようなタイヤでより好ましくは、ビードコアの形状が、六角形であるものとする。
また好ましくは、ダウンプライを形成する有機繊維コードがポリケトン繊維コードであり、ターンアッププライを形成するの有機繊維コードがポリアミド繊維コードであるものとする。
より好ましくは、ポリケトン繊維コードは、最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexであるものとする。
そしてまた好ましくは、ポリケトンは、一酸化炭素と少なくとも一種の炭素数2以上の不飽和炭化水素との共重合体であるものとする。
そしてより好ましくは、不飽和炭化水素が、エチレンであるものとする。
本発明に係るタイヤでは、ラジアルカーカスが、各ビードコアの周りに、タイヤ幅方向の内側から外側へ巻上げた一枚以上のターンアッププライと、ターンアッププライの巻上げ部分を覆って半径方向内方に延びて、少なくとも、ビードコアの半径方向内方まで延在する一枚以上のダウンプライとを有するアップダウン構造を採用することから、先にも述べたように、両プライに働くビードコア周りの張力の釣り合いにより、高内圧、高撓みの使用条件下で、カーカスプライが引き抜けるのを有効に防止することができる。
その結果として、航空機用空気入りラジアルタイヤに求められる耐圧性、耐荷重性等を十分に確保することができる。
またここでは、ビードコアの横断面形状を、多角形とし、それの底辺を適用リムのビードシート部と平行として、それらの間に挟み込まれるゴムにより、リム滑りに対抗する所要の接触圧を発生させることにより、ビードコアの中心直下での接触圧を有効に緩和することができる。これがため、ビードコア直下部分と、ビードシート部との間に挟み込まれるゴムの劣化を遅らせる事ができる。
しかも、横断面形状が、多角形をなすビードコアは、ケーブルビードに比べ、角部の存在の故に回動変位を大きく拘束されるので、荷重時のビードコアの倒れ込み量が少なくなり、ビード部の耐久性が向上する。
その上、このタイヤでは、ダウンプライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率が、ターンアッププライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率より2〜8%大きくしたことにより、加硫工程で加熱する前の段階の工程で、生タイヤのビード部相当部分がタイヤ幅方向の外側に曲げ変形されて、曲がりの中立軸より内側に存在するダウンプライ素材が、図4に関連して述べたような圧縮変形を受けて、それに弛みを生じることがあっても、ダウンプライ素材の有機繊維コードの、加硫時の熱収縮によって、その弛みを、ビードコアからの独立下で十分に吸収させることにより、ダウンプライへの弛みの残存のおそれ十分に取り除くことができる。これにより、ダウンプライに、アップダウン構造に固有の張力の釣り合いの機能を有効に発揮させることができる。
従って、断面内で回動変位しない、横断面形状が多角形をなすビードコアの適用が可能になる。
さらにここでは、ダウンプライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率が、ターンアッププライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率の2%未満では、加硫時のダウンプライの弛みの吸収が不十分で、製品時に弛みが残存する。一方、8%を越えると、加硫時にダウンプライが熱収縮によって成型時の弛みを吸収する以上に引張られ、アップダウン構造固有の張力の釣り合いが取れなくなる。
以下に、図面を参照しながら本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤを詳細に説明する。
図1は、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤの一の実施形態を示す幅方向断面図である。図2(a)は生タイヤの加硫工程前のビード部相当部分を拡大した略線図、図2(b)は図1のビード部を拡大した略線図である。
図中1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を、3は各サイドウォール部2の内周側に連続させて設けたビード部をそれぞれ示す。
ここに示すタイヤは、一対のビード部3内に埋設した、横断面形状が六角形のビードコア4と、両ビードコア間に、タイヤ赤道面に対して75〜90°の範囲の角度で延びる複数本の有機繊維コードからなる。三枚のカーカスプライ5をトロイド状に延在させて構成したラジアルカーカス6と、このラジアルカーカス6のクラウン域の外周側に配設した、四枚のベルト層からなるベルト7とを具える。
なお、図示はしないが、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤでは、ベルト7と、トレッド部1のトレッドゴム1aとの間に、例えば、タイヤ周方向に延びるジグザグ状コード等からなるベルト保護層を設けることもできる。
ここにおけるラジアルカーカス6は、三枚のカーカスプライ5のうち、側部部分を各ビードコア4の周りに、タイヤ幅方向の内側から外側へ巻上げてなる二枚のターンアッププライ8と、これらのターンアッププライ8の、ビードコア4に対する巻上げ部分を覆って半径方向内方に延びて、少なくとも、ビードコア4の半径方向内方まで延在する、図では一枚のダウンプライ9とからなる、いわゆるアップダウン構造を有する。
このようなアップダウン構造とすることにより、ターンアッププライ8およびダウンプライ9のそれぞれに作用する張力を、それら相互の引き抜け拘束力の下で、両プライに働くビードコア4の周りの張力の釣り合いにより、高内圧、高撓みの使用条件下で、カーカスプライ5が引き抜けるのを有効に防止することができる。
また、ここにおけるビードコア4の横断面形状を多角形、図では六角形とし、その底辺を、適用リムのビードシート部と平行に位置させる。
また、ビードコア4とラジアルカーカス6以外の部分について、その詳細な構造は一般の航空機用空気入りラジアルタイヤの構造に準ずるものとする。
ビードコア4をこのように配設した場合には、ビードコア4と、ビードシート部との間のゴムとの接触圧は、図3(a)に例示するような関係を有することになり、ビードコア4の横断面形状を、六角形とし、それの底辺を適用リムのビードシート部10と平行とした図3(a)によれば、それらの間に挟み込まれるゴムによって、リム滑りに対抗する場合は、横断面形状が楕円のビードコア4を用いた場合を示す図3(b)および、ケーブルビードを用いた場合を示す図3(c)、に比べ、ビードコア4の中心直下での接触圧を有効に緩和することができる。
これがため、ビードコア直下部分と、ビードシート部10との間に挟み込まれるゴムの劣化を遅らせる事ができる。
また、ビードコア4の形状が、六角形であることより、幅方向断面内で回転変形しにくくなり、製品タイヤへの荷重の作用時のビード部3の倒れ込み変形量が少なくなることにため、ビード部3の歪を減らし耐久性を向上させることができる。
その上、図1に示すのタイヤでは、ダウンプライ9を形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率が、ターンアッププライ8を形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率より2〜8%大きくすることにより、加硫工程で加熱する前の段階の工程で、生タイヤのビード部相当部分がタイヤ幅方向の外側に曲げ変形されて、曲がりの中立軸より内側に存在するダウンプライ素材21が圧縮変形を受けて、それに弛みを生じることがあっても、ダウンプライ素材21、直接的には有機繊維コード材料の、加硫時の熱収縮によってその弛みを、ビードコア4からの独立下で十分に吸収させることにより、製品タイヤにおけるダウンプライ9への弛みの残存のおそれ十分に取り除くことができる。これにより、ダウンプライ9に、アップダウン構造に固有の張力の釣り合いの機能を有効に発揮させることができる。
とりわけここでは、ダウンプライ9を形成する有機繊維コード材料の熱収縮率が、ターンアッププライ8の有機繊維コードの熱収縮率の2%未満では、加硫時の熱収縮によるダウンプライ9の弛みの吸収が不十分で、製品タイヤにおけるダウンプライ9への弛みが残存する。一方、8%を越えると、加硫時の熱収縮によってダウンプライ9の弛みを吸収する以上に引張られ、アップダウン構造固有の張力の釣り合い機能が発揮できない。
上記条件を満足する、ダウンプライ9用の有機繊維コード材料および、ターンアッププライ用の有機繊維コード材料としては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊維、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリベンゾアゾール、ポリケトン等の合成高分子繊維が好適に用いられる。これらの繊維は、単独であるいは複数の繊維を混合して使用することができる。
特に、ダウンプライ9を形成する有機繊維コードがポリケトン繊維コードであり、ターンアッププライ8を形成する有機繊維コードがポリアミド繊維コードであることにより、両者の熱収縮率差が適正に保たれ、加硫時のダウンプライ9の弛みが吸収されるとともに、アップダウン構造特有の張力特有の張力の釣り合いが確保できる傾向がある。
ポリケトン繊維コードは、好ましくは最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtex、より好ましくは0.4〜1.6cN/dtex、さらに好ましくは0.6〜1.4cN/dtexの範囲である。
それが0.1cN/dtex未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が低下し、タイヤとしての強度が不十分となる傾向がある。一方、1.8cN/dtexを超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが収縮するため、加硫後のタイヤの形状が悪化する傾向がある。
ターンアッププライ8を形成する有機繊維コードの脂肪族ポリアミドとしては、6−ナイロン、6、6−ナイロン等が挙げられ、芳香族ポリアミドとしては、コポリパラフェニレン−3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド又はポリパラフェニレンテレフタルアミド等が挙げられる。特にコポリパラフェニレン−3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミドを好適に用いることができ、市販品の、デュポン社製ケブラー(登録商標)として入手することができる。
ダウンプライ9を形成する有機繊維コードがポリケトン繊維コードでは、下記式1で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトン製の繊維よりなる。
Figure 2009083519
ポリケトンは、一酸化炭素COと不飽和炭化水素との共重合体であり、例えば、高分子鎖中で各CO単位の隣に、エチレン単位等が一つずつ位置する交互共重合体である。また、ポリケトンは、一酸化炭素と特定の不飽和炭化水素の一種との共重合体であってもよく、一酸化炭素と不飽和炭化水素の二種以上との共重合体であってもよい。式中のAを形成する不飽和炭化水素としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、アセチレン、アレン等の不飽和炭化水素化合物や、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン、スルニルホスホン酸のジエチルエステル、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
特にポリマーの力学特性や耐熱性等の点から、不飽和炭化水素としてエチレンを主体とするものを用いたポリケトンが好ましい。
また、ポリケトン繊維コードの原料のポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和炭化水素由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和炭化水素由来の部分とケトン基が交互に配列している部分の割合が97質量%以上であることが好ましい。
更に、ポリケトンの重合度としては、下記式:
Figure 2009083519
(式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及びヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である)で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8の範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
ここで、ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載のようなヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載のような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられる。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン、エタノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、イソオクタン、アセトン、メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、更に脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
また、例えば特開平2−112413号公報に記載の方法に従って、ポリマーを例えばヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール等に0.25〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン、エタノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、イソオクタン、アセトン、メチルエチルケトン等の非溶剤浴、好ましくはアセトン浴中で溶剤を除去、洗浄して紡糸原糸を得、さらに(融点−100℃)〜(融点+10℃)、好ましくは(融点−50℃)〜(融点)の範囲の温度で延伸処理する溶液紡糸法を採用することができる。
得られたポリケトンの未延伸糸は、(1)多段熱延伸を行い、多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度及び倍率で延伸する方法や、(2)熱延伸を行い、熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)又は(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、更に、未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲が好ましく、総延伸倍率は、10倍以上であることが好ましい。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。ここで、熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留が大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
有機繊維コードは、例えば、ポリケトンからなるフィラメント束を複数本、好ましくは2本又は3本撚り合わせてなり、これも例えば、ポリケトンからなるフィラメント束に下撚りをかけ、次いで、これを複数本合わせて、逆方向に上撚りをかけることで、双撚り構造の撚糸コードとして得ることができる。
また、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤで、タイヤ内に充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を変えた空気、もしくは窒素等の不活性ガスを用いることができる。
なお、上述したところは、本発明の代表的な実施形態を示したにすぎず、請求の範囲で種々の変更を加えることができる。本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤは、ラジアルカーカス6を構成する少なくとも二枚のカーカスプライ5の枚数は特に制限されない。コード強力の利用効率を上げるために、総てのカーカスプライ5を構成するコードの弾性率を揃えることもできる。
次に、図1に示すような構造を有する、サイズが46×17R20 30PRのラジアルタイヤを試作し、表1に示すように、それぞれの諸元を変化させた実施例タイヤ1、実施例タイヤ2、および比較例タイヤ1〜比較例タイヤ6のそれぞれにつき、プライ性状を、評価した。
熱収縮率は、コードを177℃で2分加熱した場合のコ−ド長さの収縮率である。
耐リム滑り性能を同じにするために、ビードコアはビード下面全体の接触圧×接触面積の積分値である接触力が同じになるように設置する。
ところで、本発明では、ビード部以外のタイヤ構造については改変を要しないため、従来のラジアルタイヤの構造とほぼ同様とした。
Figure 2009083519
(プライ性状)
実施例タイヤ1および実施例タイヤ2、比較例タイヤ1〜比較例タイヤ6のそれぞれにつき、タイヤ断面で、ダウンプライの性状を評価した。その評価結果を表2に示す。
Figure 2009083519
表2の結果から、実施例タイヤ1、2および、比較例タイヤ1〜3はダウンプライの弛みがないが、比較例タイヤ4〜6は弛みが発生し、アップダウン構造のタイヤとして成立しない。
(ビード耐久性)
実施例タイヤ1および実施例タイヤ2、比較例タイヤ1〜比較例タイヤ6のそれぞれを、リムサイズ46×16のリムに装着し、内圧を1530kPaとし、ドラム試験機上に取り付け、荷重20870kg、試験速度64km/h、走行距離10km/1サイクル、1サイクル60分で繰り返し走行させ、ビード部が故障するまでの試験回数をビード部の耐久性の指標として、表3に示す。
比較例タイヤ1の値を100として指数表示した。数値が大きいほど、ビード部の耐久性が良好であることを示す。
Figure 2009083519
表3の結果から、実施例タイヤ1および実施例タイヤ2は、比較例タイヤ1〜比較例タイヤ6に対し、ビード部の耐久性が優れていた。
(ビードコア直下の接触圧のピーク値)
実施例タイヤ1および実施例タイヤ2、比較例タイヤ1〜比較例タイヤ6のそれぞれを、リムサイズ46×16に装着して内圧1530kPaを充填した際の、ビードコア直下に作用する接触圧力のピークを評価して、表4に示す。数値が小さいほど、ゴムの変形が少なく劣化に対して優位である。
Figure 2009083519
表4の結果から、実施例タイヤ1および実施例タイヤ2は、比較例タイヤ1〜比較例タイヤ6に対し、ビードコア直下での最大接触圧が低かった。
表2〜表4の結果から、実施例タイヤ1および実施例タイヤ2に対し、比較例タイヤ1〜比較例タイヤ3は、アップダウン構造としての特徴を有するが、ビードコアが丸くて荷重時に回転し易く、ビード耐久性が劣る上、点接触のためのビードコア下の接触圧が高く、この部分のゴムの耐久性が劣った。比較例タイヤ4〜比較例タイヤ6はアッププライコードとダウンプライコードとの熱収縮率差がないため、ダウンプライコードが弛み、アップダウン構造のタイヤとして成立しなかった。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤの一の実施形態を示す幅方向断面図である。 (a)生タイヤの加硫工程前のビード部相当部分を拡大した略線図、(b)図1のビード部を拡大した略線図である。 (a)多角形をなし、適用リムのビードシート部と平行な底辺を有する、横断面形状が六角形のビードコア、(b)横断面形状が楕円のビードコア、(c)ケーブルビードによるそれぞれの接触圧を示した図である。 (a)ビードコアの横断面形状が六角形である、ビード部相当部分の略線図(b)図4(a)を矢印Aで曲げ変形した略線図、(c)ビードコアがケーブルビードであるビード部の略線図である。
符号の説明
1 トレッド部
1a トレッドゴム
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカスプライ
6 ラジアルカーカス
7 ベルト
8 ターンアッププライ
9 ダウンプライ
10 ビードシート部
21 ダウンプライ素材
22 ターンアッププライ素材
R 適用リム

Claims (6)

  1. 横断面形状が多角形をなす一対のビードコアと、これらビードコア間にトロイド状に延在し、タイヤ赤道面に対して75〜90°の範囲の角度で延びる複数本の有機繊維コードからなる少なくとも二枚のカーカスプライにて構成したラジアルカーカスとを具え、このラジアルカーカスが、各ビードコアの周りに、タイヤ幅方向の内側から外側へ巻上げた一枚以上のターンアッププライと、ターンアッププライの巻上げ部分を覆って半径方向内方に延びて、少なくとも、ビードコアの半径方向内方まで延在する一枚以上のダウンプライとを有してなる航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    横断面形状が多角形をなす一対のビードコアが、適用リムのビードシート部と平行な底辺を有し、ダウンプライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率が、ターンアッププライを形成する有機繊維コードの生タイヤ時の熱収縮率より2〜8%大きいことを特徴とする航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  2. ビードコアの形状が、六角形である請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  3. ダウンプライを形成する有機繊維コードがポリケトン繊維コードであり、ターンアッププライを形成するの有機繊維コードがポリアミド繊維コードである請求項1または2に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  4. ポリケトン繊維コードは、最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexである請求項3に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  5. ポリケトンは、一酸化炭素と少なくとも一種の不飽和炭化水素との共重合体である請求項3または4に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 不飽和炭化水素が、エチレンである請求項5に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
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