JP2009083136A - 熱転写受像シート、画像形成方法及び印画物 - Google Patents

熱転写受像シート、画像形成方法及び印画物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性に極めて優れる印画物を得ることができ、印画物に光退色による外観不良が生じない熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】基材シートの一方の面に染料受容層を備えた熱転写受像シートであって、上記染料受容層は、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃であるベンジルメタクリレート重合体と、表面処理されたシリカ粒子とを含有することを特徴とする熱転写受像シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写受像シート及び画像形成方法に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に該染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。
昇華型熱転写方式にて用いられる受像シート(熱転写受像シート)は、表面に塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂と、シリコーンオイル等の離型剤との組成物からなるインク受容層が設けられたものが一般的である。このような受容層を設けることで、表面の平滑性を上げて印画のザラツキを防止する、高い染料の受容能力を発現させて高濃度の画像を得る、印画時のインクリボンとの剥離を円滑に行うことができる等の物性を付与することができる。
近年、昇華型熱転写方式は、デジタル写真の印画技術としての注目度が高まりつつあり、更に高いレベルの基本性能が要求されるようになってきており、特に、より高い耐光性を有する印画物が得られることが求められている。
印画物の耐光性を向上させる方法として、例えば、(1)使用する染料自体の耐光性を向上させる方法(特許文献1参照)、(2)画像保護層に紫外線吸収剤や光安定剤を添加する方法(特許文献2参照)、(3)受容層に紫外線吸収剤や光安定剤を添加する方法(特許文献3参照)といった方法が提案されている。
これらの方法のうち、(1)の方法は、画像退色の原因である色素自体の脆弱性の補強であり、根本的な耐光性に対する原因の解決と言える。しかしながら、昇華型熱転写方式において、用いられる染料としては熱拡散性を持つことが優先されるため、耐光性の高い染料の選択には限界があった。耐光性の高い染料としては、例えば、高分子量の染料が知られているが、このような染料は、熱拡散係数が著しく小さくなものであるため、得られる印画物の最高到達濃度が非常に低くなってしまうといった問題があった。
上述の(2)や(3)の方法は、色素の退色の主要因子が紫外線による色素の劣化であることから、紫外線を遮断することで耐光性を向上させることができる。しかしながら、これらの方法での耐光性の向上には限界があり、紫外線吸収剤等の添加量を増加させたとしても、一定以上の耐光性の向上は望めないという問題があった。更に、昇華型熱転写方式では、これまでにも添加剤の添加による耐光性の改善は種々検討されてきたことから、これらの方法による耐光性のこれまで以上の改善は困難であった。
特許第03596922号公報 特許第03395090号公報 特開2002−19305号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、耐光性に極めて優れる印画物を得ることができ、印画物に光退色による外観不良が生じない熱転写受像シートを提供することにある。
本発明は、基材シートの一方の面に染料受容層を備えた熱転写受像シートであって、上記染料受容層は、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃であるベンジルメタクリレート重合体と、表面処理されたシリカ粒子とを含有することを特徴とする熱転写受像シートである。
上記ベンジルメタクリレート重合体は、ベンジルメタクリレートに由来する共重合単位と(メタ)アクリル酸誘導体とに由来する共重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記ベンジルメタクリレート重合体は、ベンジルメタクリレートに由来する共重合単位が50〜95質量%であることが好ましい。
上記表面処理されたシリカ粒子は、表面が疎水処理されたシリカ粒子であることが好ましい。
上記染料受容層は、乾燥時塗布量が1.0〜10.0g/mであることが好ましい。
本発明は、上述の熱転写受像シートと、熱移行性染料とバインダーとを含有する染料層を設けた熱転写シートとを重ね、熱移行性染料を熱移行させることにより上記熱転写受像シートに画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。
本発明は、上記画像形成方法を行うことにより得られることを特徴とする印画物である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、熱転写受像シートについて鋭意検討した結果、染料受容層が、所定のガラス転位温度(Tg)を有するベンジルメタクリレート重合体と、表面処理されたシリカ粒子とを含有するものとすることで、耐光性が極めて優れたものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の熱転写受像シートは、基材シートの一方の面に染料受容層を備えたものである。
以下、本発明の熱転写受像シートを各層ごとに詳述する。
(基材シート)
上記基材シートとしては特に限定されず、例えば、紙類、プラスチックフィルム等が使用できる。
上記紙類では、各種紙単体であってもよいし、合成紙であってもよく、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙等が挙げられる。
上記合成紙としては、ポリスチレン系合成紙やポリオレフィン系合成紙が好ましい。
上記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂フィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム;硬質ポリ塩化ビニルフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリアミドフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム;ポリメタクリレートフィルム;ポリエーテルエーテルケトンフィルム;ポリエーテルスルフォンフィルム;ポリアリレートフィルム等が挙げられる。
上記プラスチックフィルムは、透明なフィルムであってもよいし、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルムであってもよいし、発泡させたフィルムであってもよい。これらの材料は、それぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
また、上記基材シートは、透明性を有する基材である場合、延伸ポリプロピレンフィルム又は延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
上記基材シートは、表面及び又は裏面に易接着処理がなされていいてもよい。基材シートとその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面に易接着処理やコロナ放電処理を施すことが好ましい。
上記基材シートの厚みは、通常3〜300μm程度であり、機械的適性等を考慮し、75〜175μmであることが好ましい。
(染料受容層)
上記染料受容層は、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃であるベンジルメタクリレート重合体と表面処理シリカ粒子とを含有するものである。
このような組成の染料受容層は、耐光性が極めて優れたものとなる。
これは、所定のTgを有するベンジルメタクリレート重合体は、染料が拡散しやすく「染料同士の相互作用で染料が分解していく」という機構の印画物の退色を抑制できる骨格構造にできること、及び、シリカ粒子を上記表面処理シリカ粒子とすることによって、色素耐光性への阻害因子の発生を抑制することができるためであると考えられる。
更に、上記染料受容層が上記表面処理シリカ粒子を含有することで、本発明の熱転写受像シートは、優れた耐熱性をも有することとなる。
上記染料受容層において、上記ベンジルメタクリレート重合体は、Tgが45〜80℃である。上記範囲のTgを有することで、最高到達濃度が高い印画物を得ることができるとともに、染料が拡散しやすく「染料同士の相互作用で染料が分解していく」という機構の印画物の退色を抑制できる骨格構造を実現できる。好ましい下限は50℃、好ましい上限は64℃である。
本明細書において、Tgは、剛体振り子型レオメータ(エー・アンド・デイ社製、RPT−3000)の対数減衰ピーク温度として測定したものである。測定条件は以下の通りである。
振子:FRB−400
エッジ:RBP−020
慣性能率:19100(重りの数と量で調整)
測定温度:25℃→150℃
昇温速度:7.5℃/min
塗布基材:アルミ板
乾燥条件:110℃×5min
乾燥膜厚:10μm
上記ベンジルメタクリレート重合体としては、単量体成分としてベンジルメタクリレートのみを有するものであってもよいが、ベンジルメタクリレート以外の単量体成分を含有することが好ましい。ベンジルメタクリレート以外の単量体成分の種類や含有量を調整することにより上述した範囲にTgを調整することができ、本発明の熱転写受像シートにより得られる印画物の耐光性が極めて優れたものとなる。よって、上記ベンジルメタクリレート重合体は、ベンジルメタクリレートに由来する共重合単位と、それ以外の単量体成分に由来する共重合体とを有するベンジルメタクリレート共重合体であることが好ましい。
上記ベンジルメタクリレート共重合体としては、上述の耐光性に優れるという点で、ベンジルメタクリレートに由来する共重合単位と(メタ)アクリル酸エステル誘導体に由来する共重合単位とを含むことが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル誘導体としては、例えば、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート等が挙げられる。
上記ベンジルメタクリレート共重合体は、ベンジルメタクリレートに由来する共重合単位が50〜95質量%であることが好ましい。この範囲内であることで、上述の得られる印画物の耐光性を優れたものとすることができる。
なお、本明細書において、上記共重合単位の含有量は、モノマーの質量%によるものである。
上記表面処理シリカ粒子としては、表面が疎水処理されたシリカ粒子であることが好ましい。光照射によって発生する一重項酸素等の耐光性阻害物質の発生を抑制する効果があるからである。
上記疎水性処理としては、例えば、メタクリロキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラン等のシラン化合物でシリカ粒子の表面を処理する方法や、シリコーンオイルでシリカ粒子の表面を処理(撥水処理)する方法が挙げられる。なかでも、シリコーンオイルでシリカ粒子の表面を処理する方法が好ましい。
上記表面処理シリカ粒子としては市販されているものを用いることもできる。
市販されている疎水性処理シリカ粒子としては、例えば、R−972、R−974、RX−300、RY−300(以上、いずれも日本エアロジル社製)等が挙げられる。
上記表面処理シリカ粒子は、平均一次粒径が5〜100nmであることが好ましい。5nm未満であると、本発明の熱転写受像シートを用いた場合の印画動作が不充分となり、100nmを超えると、インキ状態での安定性が悪くなり、粒子成分が沈降しやすくなる。より好ましい下限は7nm、より好ましい上限は16nmである。
なお、本明細書において、上記平均一次粒径は、レーザー回折・散乱型粒度分布系(日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分布計「MT3000」)により測定したものである。
上記染料受容層における表面処理シリカ粒子の含有量としては、上記ベンジルメタクリレート重合体100質量部に対して、5〜35質量部であることが好ましい。5質量部未満であると、本発明の熱転写受像シートを使用した印画時の動作安定性が不充分となることがあり、35質量部を超えると、最高到達濃度が高い印画物とすることができないことがある。より好ましい下限は7質量部、より好ましい上限は17質量部である。
上記染料受容層は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述のベンジルメタクリレート重合体以外のその他の樹脂を含有するものであってもよい。
上記その他の樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が挙げられる。
本発明において、染料受容層は、また、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために離型剤を配合してなるものであってもよい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特にシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等、変性シリコーンオイルが好ましい。
上記離型剤は、上述の各共重合体100質量部に対して、例えば、0.5〜30質量部となるよう添加することが好ましい。
上記染料受容層は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等、公知の添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記ベンジルメタクリレート重合体と、表面処理シリカ粒子とを含有する染料受容層は、乾燥時塗布量が1.0〜10.0g/mであることが好ましい。1.0g/m未満であると、充分な濃度の印画物を得ることができないことがあり、10.0g/mを超えると、乾燥に必要な熱量が非常に大きくなり、印刷工程内での乾燥が不充分になり、これに起因した不具合が発生するので好ましくない。
なお、上記染料受容層の塗布量は、例えば、染料受容層のふき取り前後の重量差分からの計算により算出することができる。
上記染料受容層のふき取り前後の重量差の測定方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
すなわち、(1)PETフィルム等の溶剤不溶性フィルム上に受容層溶液を塗布して10cm×10cmに切り取って重量を測定する。(2)トルエン/MEK=1/1溶液をしみ込ませたペーパータオル(キムタオル(登録商標)等)にて受容層をふき取り、その重量を測定する。(3)(1)と(2)の重量差分を計算し、単位面積(m)あたりの塗布量を求める。
上記染料受容層は、上述のベンジルメタクリレート重合体及び表面処理シリカ粒子、更に、必要に応じて離型剤、添加剤等を溶剤に添加し、混練することにより染料受容層塗工液を製造する工程と、該染料受容層塗工液を、上記基材シートの一方の面に塗布し、乾燥する工程とを含む方法により形成することができる。
上記染料受容層塗工液は、固形分濃度が5質量%以上であることが好ましい。該固形分濃度の上限は、高濃度になりすぎると粘度が高くなり、レベリングの悪化等が起こるため、通常50質量%以下である。
上記溶剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、エタノール、プロパノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド;メチルエチルケトン、トルエン、これらの混合物等の有機溶剤が挙げられる。
上記染料受容層塗工液は、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来公知の方法で塗布することができる。
上記染料受容層塗工液の乾燥は、一般に50〜150℃の温度で行うことができる。
(中間層)
本発明の熱転写受像シートは、染料受容層と基材シートの間に、必要に応じて中間層を設けることができる。
上記中間層としては、その目的により如何なる材料を用いてもよい。例えば、樹脂に各種の白色顔料を加えたものを用いることにより、高い白色度を得ることができる。更に、蛍光増白剤や帯電防止剤等を必要に応じて添加することができる。また、基材シートと染料受容層との間の接着性を向上させる目的で、必要に応じて中間層を設けてもよい。また、該接着性を向上させるために、基材シートの染料受容層と形成する側の面に予めコロナ放電処理、オゾン処理等の中間層を設けるための前処理を施してもよい。
このような中間層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基含有のプレポリマーをイソシアネート等で硬化させた樹脂等を使用することができる。これらの樹脂には、必要に応じて白色性や隠蔽性等の機能を付与するために、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、その他公知の無機顔料や有機フィラー、蛍光増白剤等の添加剤を加えることができる。その塗布厚みは乾燥状態で0.5〜30g/m程度が好ましい。
上記中間層は、上述の樹脂や必要に応じて添加する添加剤を溶剤に溶解させた中間層塗工液を製造する工程と、該中間層塗工液を上述の染料受容層塗工液と同様の方法で塗布し、乾燥する工程とを含む方法により形成することができる。
(裏面層)
本発明の熱転写受像シートは、基材シートの染料受容層を設けた面と反対の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上や、カール防止等のために、裏面層を設けることができる。上記裏面層として、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等の有機系フィラー、及び、二酸化珪素や金属酸化物等の無機フィラーを加えたものが使用できる。
上記裏面層として、上述の樹脂を硬化剤により硬化したものを使用することがさらに好ましい。
上記硬化剤としては、一般的に公知のものが使用できるが、中でもイソシアネート化合物が好ましい。裏面層の樹脂はイソシアネート化合物等と反応しウレタン結合を形成して硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤性が向上し、さらには、基材シートとの密着も良くなる。
上記硬化剤の添加量は、裏面層の樹脂1反応基当量に対して1〜2が好ましい。1未満であると、硬化終了するまでの時間が長くかかることがあり、また、耐熱性、耐溶剤性が悪くなることがある。また、2より大きいと、成膜後に経時変化が起こったり、裏面層用塗工液の寿命が短いという不具合が生じることがある。
上記裏面層に、添加剤として、有機フィラー又は無機フィラーを添加してもよい。これらのフィラーの働きで、プリンター内での熱転写受像シートの搬送性が向上し、ブロッキングを防ぐ等熱転写受像シートの保存性も向上することができる。
上記有機フィラーとして、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等があげられる。この中では、特にポリアミド系フィラーが好ましい。
上記ポリアミド系フィラーとしては、分子量が10万〜90万で、球状であり、平均粒子径は0.01〜30μmが好ましい。上記ポリアミド系フィラーとしては、ナイロン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化がないためより好ましい。
上記無機フィラーとして、二酸化珪素や金属酸化物等が挙げられる。
(帯電防止層)
本発明の熱転写受像シートは、染料受容層面若しくは裏面、又は、両面の最表面に帯電防止層を設けてもよい。
上記帯電防止層は、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等の帯電防止剤を溶剤に溶解又は分散させたものを塗工して、形成することができる。帯電防止層の塗工量は、乾燥時0.001〜0.1g/mが好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおける中間層、裏面層及び帯電防止層を形成する方法としては特に限定されないが、例えば、上述の構成成分からなる塗工液を調製して塗工する方法等が挙げられる。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、上述の熱転写受像シートと熱移行性染料とバインダーとを含有する熱転写シートとを重ね、上記熱移行性染料を熱移行させることにより上記熱転写受像シートに画像を形成するものである。
上記熱転写シートは、上記熱移行性染料と樹脂バインダーとを含有する染料層を基材シート上に設けたものであり、従来公知のものを用いることができる。
上記熱転写シートは、必要に応じ、耐熱滑性層を設けたものであってもよい。
上記染料層における熱移行性染料は、従来公知のものであれば特に限定されず、例えば、ジアリールメタン系色素;トリアリールメタン系色素;チアゾール系色素;メロシアニン系色素;ピラゾロンメチン等のメチン系色素;インドアニリン系色素;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系色素;キサンテン系色素;オキサジン系色素;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノメチレン系色素;チアジン系色素;アジン系色素;アクリジン系色素;ベンゼンアゾ系色素;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系色素;スピロピラン系色素;インドリノスピロピラン系色素;フルオラン系色素;ローダミンラクタム系色素;ナフトキノン系色素;アントラキノン系色素;キノフタロン系色素等が挙げられる。
上記染料層におけるバインダーとしては特に限定されず、従来公知の樹脂バインダーを使用することができる。
上記樹脂バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;フェノキシ樹脂;等が好ましい。
上記染料層は、イエロー、マゼンタ、シアンの何れか1色又は2色の染料の層のみであってもよいし、各色の層を全て備えたものであってもよいし、必要に応じブラックの層を追加したものであってもよい。
上記熱転写シートにおける基材シートとしては特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
本発明の画像形成方法において、上記画像形成は、上述の本発明の熱転写受像シートを被転写体とする以外は特に限定されず、公知の熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)にて行うことができる。
このような本発明の画像形成方法を行うことにより得られる印画物もまた、本発明の一つである。
本発明の熱転写受像シートは、上記構成よりなるので、耐光性に極めて優れたものとなり、得られた印画物が光退色を引き起こすことを好適に防止することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
実施例1
基材シートとして、微細空隙層の39μm厚ミクロボイドフィルムの後述する染料受容層を形成する面とは反対側の面に、下記組成の接着剤層塗工液を塗布、乾燥し、下記条件で裏面層を片側に設けた支持体であるコート紙(186.1g/m)の裏面層が積層されていない側の面に、貼着してしたものを使用した。この基材シートの染料受容層塗布面に下記組成のプライマー層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が2.0g/mになるように塗布、乾燥して、プライマー層を形成した。
そのプライマー層の上に、下記組成の染料受容層塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が5.0g/mになるように塗布、乾燥(110℃、1分間)して、染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを作製した。
<接着剤層塗工液>
多官能ポリオール(タケラックA−969V、三井化学ポリウレタン(株)製) 30部
イソシアネート(タケネートA−5、三井化学ポリウレタン(株)製) 10部
酢酸エチル 60部
<裏面層形成条件>
坪量157g/mのコート紙を用い、その片面にコロナ放電処理を施した後、その面に裏面層として高密度ポリエチレンを押し出しコート法にて塗布(坪量29.1g/m)することによってコート紙に裏面層を設けた。
<プライマー層塗工液>
ポリエステルポリオール(東洋モートン(株)製、アドコート) 20.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
<染料受容層塗工液1>
ベンジルメタクリレート−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ヘキシルアクリレート=75/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=64℃) 17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
疎水処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
上記ベンジルメタクリレート−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂は、ベンジルメタクリレート/ヘキシルアクリレート(混合比75/25(モル%))のモノマー混合物100部とアゾビスイソブロニトリル0.1部とを酢酸エチル100部で希釈し、窒素ガス置換を行いながら、反応容器を80℃に維持し、10時間反応させることにより得られたものである。
なお、後述のその他の共重合体も、モノマー混合物の種類を得られる樹脂の組成と同じものに変更する以外は、上記方法と同様に調製した。
実施例2
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液2>
ベンジルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ブチルアクリレート=75/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=69℃)
17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
疎水処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
実施例3
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液3>
ベンジルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/40(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=50℃)
17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
疎水処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
実施例4
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液4を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液4>
ベンジルメタクリレート−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ヘキシルアクリレート=75/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=64℃) 17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
疎水処理シリカ粒子(平均粒径7nm、商品名RY−300、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例1
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液5を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液5>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(重量平均分子量=10万、Tg=70℃、商品名ソルバインC、日信化学工業社製) 19.0部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例2
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液6を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液6>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(重量平均分子量=10万、Tg=70℃、商品名ソルバインC、日信化学工業社製) 17.0部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
紫外線吸収剤(チヌビン900、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 2.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例3
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液7を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液7>
メチルメタクリレート重合体樹脂(重量平均分子量=20万、Tg=90℃)17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
疎水処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例4
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液8を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液8>
ベンジルメタクリレート/ブチルアクリレート重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ブチルアクリレート=50/50(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=30℃)
17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
疎水処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例5
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液8を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液9>
ベンジルアクリレート/ヘキシルアクリレート重合体樹脂(ベンジルアクリレート/ヘキシルアクリレート=75/25(質量%)(重量平均分子量=20万、Tg=64℃)
19.0部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例6
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液10を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例6の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液10>
ベンジルメタクリレート−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ヘキシルアクリレート=75/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=64℃) 17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
未処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−130、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例7
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液11を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例7の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液11>
ベンジルメタクリレート−エチルメタクリレート(EMA)−ブチルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/EMA/ブチルアクリレート=40/30/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=90℃) 17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
未処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製) 1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例8
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液12を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例8の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液12>
ベンジルメタクリレート−エチルメタクリレート(EMA)−ブチルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/EMA/ブチルアクリレート=40/30/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=90℃) 17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
未処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−130、日本アエロジル社製)
1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例9
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液13を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例9の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液13>
ベンジルメタクリレート−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ヘキシルアクリレート=75/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=64℃) 18.4部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
未処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製)
0.6部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例10
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液14を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例10の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液14>
ベンジルメタクリレート−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ヘキシルアクリレート=75/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=64℃) 11.4部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
未処理シリカ粒子(平均粒径16nm、商品名R−972、日本アエロジル社製)
7.6部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
比較例11
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液15を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例11の熱転写受像シートを作製した。
<染料受容層塗工液15>
ベンジルメタクリレート−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂(ベンジルメタクリレート/ヘキシルアクリレート=75/25(質量%)、重量平均分子量=20万、Tg=64℃) 17.5部
カルボキシル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3701E) 1.0部
未処理シリカ粒子(平均粒径1500nm、商品名サイリシア310P、富士シリシア化学社製) 1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
試験例
以下の方法で、各実施例及び比較例の熱転写受像シートについて、最高到達濃度と印画適性とカスレとを評価した。各試験結果を表1に示す。
<耐光性>
各熱転写受像シートを用いて、メガピクセルIII(アルテックエーディーエス社製)にて階調パターンを印画して印画物を作製した。なお、印画パターンは、18ステップの階調、インクリボンは純正品を使用した。得られた印画物をグレタグスペクトロリノ(Ansi−A D65)にて測色した後、スガ試験機社製の光照射試験機にて2万luxの光照射保存試験を行い、保存後も同様に測色をした。このブラックのO.D.値が1.0付近の保存前後におけるa値とb値の幾何学的距離を計算し、以下の基準にて耐光性の評価を行った。なお、以下の数値は、小さいほど耐光性に優れることを意味する。
◎:2.0以下
○:2.0を超え、3.5以下
△:3.5を超え、4.5以下
×:4.5を超える
<印画適性>
上記画像形成の際の剥離音について、以下の評価基準に基づき評価した。
(評価基準)
○:静かに印画可能。
△:若干剥離音がある。
×:かなりの剥離音が発生。
−:印画不可能(印画途中で動作ストップ)
<印画濃度>
各熱転写受像シートを用いて、メガピクセルIII(アルテックエーディーエス社製)にて画像形成を行い、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層において同条件の印加エネルギーを加えて、イエロー、マゼンタ、シアンの順に、その3色を重ねてブラックのベタ状の熱転写画像を得た。得られたブラックのベタ画像の反射濃度をブラックフィルター(グレタグマクベス社製)にて測定した。
(評価基準)
◎:最高到達濃度 2.20以上
○:最高到達濃度 2.15〜2.19
△:最高到達濃度 2.05〜2.14
×:最高到達濃度 2.04以下
Figure 2009083136
各実施例の熱転写受像シートを用いて画像形成すると、耐光性、印画適性及び印画濃度のいずれも好結果であった。一方、各比較例の熱転写受像シートを用いて画像形成すると、耐光性、印画適性及び印画濃度のいずれもが好結果となったものは得られなかった。
本発明の熱転写受像シートは、耐光性に極めて優れる印画物を得ることができ、印画物に光退色による外観不良が生じない熱転写受像シートを提供することができる。

Claims (7)

  1. 基材シートの一方の面に染料受容層を備えた熱転写受像シートであって、
    前記染料受容層は、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃であるベンジルメタクリレート重合体と、表面処理されたシリカ粒子とを含有する
    ことを特徴とする熱転写受像シート。
  2. ベンジルメタクリレート重合体は、ベンジルメタクリレートに由来する共重合単位と(メタ)アクリル酸エステル誘導体とに由来する共重合単位とを含む共重合体である請求項1記載の熱転写受像シート。
  3. ベンジルメタクリレート重合体は、ベンジルメタクリレートに由来する共重合単位が50〜95質量%である請求項2記載の熱転写受像シート。
  4. 表面処理されたシリカ粒子は、表面が疎水処理されたシリカ粒子である請求項1、2又は3記載の熱転写受像シート。
  5. 染料受容層は、乾燥時塗布量が1.0〜10.0g/mである請求項1、2、3又は4記載の熱転写受像シート。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の熱転写受像シートと、熱移行性染料とバインダーとを含有する染料層を設けた熱転写シートとを重ね、前記熱移行性染料を熱移行させることにより前記熱転写受像シートに画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項6記載の画像形成方法を行うことにより得られることを特徴とする印画物。
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