本発明は、入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力する際に触覚を提示する情報処理装置や、携帯電話機、携帯端末装置等に適用して好適な振動体、触覚機能付きの入力装置及び電子機器に関する。
詳しくは、ハウジングの底部に中間部を可動支点として固定された一対の支持部材を備え、当該支持部材の一方の端部がハウジング内に延在されてヨークを支持するとともに、他方の端部がハウジング外に延在されて信号入力用の引出電極をなすようにして、可動支点、支持部材及び引出電極を一の部材で構成できるようにするとともに、振動体の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できるようにしたものである。
近年、ユーザ(操作者)は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に様々なコンテンツを取り込み、それを利用するようになってきた。これらの携帯端末装置には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルが使用される場合が多い。
これらの入力装置のうちタッチパネルは、表示部の表示内容を変更して多種の操作性を実現できるとともに、携帯端末装置の小型化、軽量化に寄与するものであり、現在、最も注目されている。しかし、タッチパネルには、ユーザが機械的な操作ボタンを押したりなぞったりした場合に感じるクリック感のようなフィードバックがなく、ユーザが操作性に違和感を感じるという問題がある。そこで、例えば携帯電話機の振動告知用のアクチュエータにより表示部を振動させ、電気的にフィードバックを発生させるようにした入力装置も開発されている。
この種の入力装置に適用可能なアクチュエータとして、特許文献1には、電気音響変換ユニットが開示されている。この電気音変換ユニットによれば、基端部が配線基板の導体箔に半田付けされた弾性線材でなる端子を備え、当該端子が外部回路接続用のリード線の役割を担うようにしている。このように構成することで、配線基板にリード線を半田付けする必要がなくなるので、リード線とコネクタが削減できるようになるというものである。
また、振動告知用のアクチュエータに、スピーカー、レシーバ等の機能を兼用させる場合がある。スピーカーとしての機能を兼ね備えたアクチュエータに関して、特許文献2に示すような多機能型発音体が開示されている。この多機能型発音体によれば、カバーにインサート成形された振動用の弾性サスペンションである環状の支持板と、同様にカバーにインサート成形された支持板とは別部材による接続端子及び接地端子を備え、接続端子の端部に外部回路と接触させるための接点部を設けている。また、環状の支持部材は、4本の腕があることでバネ性を有している。このように構成すると、接点部からの駆動信号に応じて発音又は振動の動作をすることができるとともに、接地端子で接地することで静電気を防止できるようになるというものである。
実用新案登録第2596383号公報(第2及び4頁 図2)
特開2001−45594号公報(第3及び4頁 図1)
ところで、携帯電話機のような携帯端末装置に使用されるスピーカー及びアクチュエータには、小型化、軽量化、低コスト化が常に求められている。
特許文献1に係る従来の電気音響変換ユニットによれば、接続端子の取付部が樹脂フレーム(ヨーク)と配線基盤の間に動かないように挟持されている。しかし、樹脂フレームをケース内で可動自在に支持する支持部材は別途必要であり、小型化の妨げになっている。
一方、特許文献2に係る多機能型発音体によれば、環状の支持部材の構造が比較的複雑で、製造コストが高くなるおそれがある。また、支持部材と接続端子とが別部材から構成されており、上述の特許文献1と同様の問題がある。
そこで、この発明はこのような課題を解決したものであって、携帯端末装置の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できるようにした振動体、触覚機能付きの入力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題は、所定部位に開口部を有する蓋部材と、蓋部材が係合される部材収納部と、有底状の凹部を有して、部材収納部内に可動自在に配される振動用の有底部材と、部材収納部の底部に固定され、部材収納部内で有底部材を可動自在に支持する一対の支持部材と、支持部材に可動自在に支持される有底部材の凹部に固定された磁性体と、巻き軸部を有して磁性体の周囲に可動自在に配されたコイルと、コイルの巻き軸部の一方の側に取り付けられて、蓋部材と部材収納部で挟持される振動板とを備え、支持部材の各々は、中間部が部材収納部の底部に固定されて可動支点をなし、一方の端部が部材収納部内に延在されて有底部材を支持するとともに、他方の端部が部材収納部外に延在されてコイルの引出電極をなすことを特徴とする振動体によって解決される。
本発明に係る振動体によれば、部材収納部の底部に中間部を可動支点として固定された一対の支持部材の一方の端部が、部材収納部内に延在されて有底部材を支持するとともに、他方の端部が部材収納部外に延在されてコイルの引出電極をなすものである。従って、可動支点、支持部材及び引出電極を一の部材で構成できる。
本発明に係る触覚機能付きの入力装置は、情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚機能付きの入力装置であって、入力検出手段と、入力検出手段の入力操作に基づいて操作体に触覚を提示する振動体とを備え、振動体は、所定部位に開口部を有する蓋部材と、蓋部材が係合される部材収納部と、有底状の凹部及び被支持用の一対の腕部を有して、部材収納部内に可動自在に配される振動用の有底部材と、部材収納部の底部に固定され、部材収納部内で有底部材を可動自在に支持する一対の支持部材と、支持部材に可動自在に支持される有底部材の凹部に固定された磁性体と、巻き軸部を有して磁性体の周囲に可動自在に配されたコイルと、コイルの巻き軸部の一方の側に取り付けられて、蓋部材と部材収納部で挟持される振動板とを備え、支持部材の各々は、中間部が部材収納部の底部に固定されて可動支点をなし、一方の端部が部材収納部内に延在されて有底部材を支持するとともに、他方の端部が部材収納部外に延在されてコイルの引出電極をなすことを特徴とするものである。
本発明に係る触覚機能付きの入力装置によれば、本発明に係る振動体を備えるので、入力装置の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できる。
本発明に係る電子機器は、情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、入力検出手段と、入力検出手段の入力操作に基づいて操作体に触覚を提示する振動体とを有する触覚機能付きの入力装置を備え、振動体は、所定部位に開口部を有する蓋部材と、蓋部材が係合される部材収納部と、有底状の凹部及び被支持用の一対の腕部を有して、部材収納部内に可動自在に配される振動用の有底部材と、部材収納部の底部に固定され、部材収納部内で有底部材を可動自在に支持する一対の支持部材と、支持部材に可動自在に支持される有底部材の凹部に固定された磁性体と、巻き軸部を有して磁性体の周囲に可動自在に配されたコイルと、コイルの巻き軸部の一方の側に取り付けられて、蓋部材と部材収納部で挟持される振動板とを備え、支持部材の各々は、中間部が部材収納部の底部に固定されて可動支点をなし、一方の端部が部材収納部内に延在されて有底部材を支持するとともに、他方の端部が部材収納部外に延在されてコイルの引出電極をなすことを特徴とするものである。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る触覚機能付きの入力装置を備えるので、電子機器の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できる。
この発明に係る振動体によれば、部材収納部の底部に中間部を可動支点として固定された一対の支持部材を備え、当該支持部材の一方の端部が部材収納部内に延在されて有底部材を支持するとともに、他方の端部が部材収納部外に延在されてコイルの引出電極をなすものである。
この構成によって、可動支点、支持部材及び引出電極を一の部材で構成できるので、当該振動体にかかる部品数を削減できるとともに、製造工程を削減できる。これにより、振動体の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できる。
本発明に係る触覚機能付きの入力装置によれば、本発明に係る振動体を備え、振動体にかかる部品数及び製造工程を削減するようになされる。この構成によって、入力装置の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できる。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る触覚機能付きの入力装置を備え、入力装置に用いられる振動体にかかる部品数及び製造工程を削減するようになされる。この構成によって、電子機器の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できる。
続いて、この発明に係る振動体、触覚機能付きの入力装置及び電子機器の実施例について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、本発明に係る振動体を適用した第1の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー100の構成例を示す上面破砕の斜視図である。図2は、その正面の構成例を補足する断面図であり、図3は、側面の構成例を補足する図2のY1−Y1矢視断面図である。
図1に示すアクチュエータ機能付きの超小型なスピーカー100は、本発明に係る振動体(スピーカー機能付きのアクチュエータ)を適用したものであり、スピーカー機能の他に、触覚を発生させることのできるアクチュエータ機能を有している。このスピーカー100は、入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力する際に操作者に対して触覚を提示する情報処理装置や、携帯電話機、携帯端末装置等に適用可能なものである。
スピーカー100は、部材収納部の一例を構成するハウジング部6を有しており、ハウジング部6には、構成部品が組み入れられた後に蓋部材1が係合される。ハウジング部6の大きさは、長さをLとし、その幅をWとし、その高さをHとしたとき、L=15[mm]程度、幅W=5[mm]程度、高さH=3[mm]程度である。蓋部材1には所定部位に開口部が設けられている。この例では、音が外部に漏れ出るように4個の開口部1a,1b,1c,1dを有している(図2参照)。蓋部材1には、例えば、樹脂成型品が使用される。
ハウジング部6の内部には有底部材の機能を構成する振動用のヨーク5が配置されている。ヨーク5は中央部に有底筒状の凹部5aを有しており、ハウジング部6内に可動自在に配される。
この例のヨーク5は、ハウジング部6の内部で2つの導電性の板バネ101,102によって長さ方向の両端部を支持される。ヨーク5は有底筒状の凹部5aの両側に延設された左アーム5b及び右アーム5c(以後、両者を合わせて単にアーム5b,5cともよぶ。)を有していて、左アーム5bを板バネ101に支持されるとともに、右アーム5cを板バネ102に支持される。
板バネ101,102は一対の支持部材の一例を構成し、各々がハウジング部6の長手方向の両端部に配される。板バネ101,102は、弾性を有するように湾曲された導電性の帯部材から構成される。
板バネ101,102は、中間部101c,102cがハウジング部6の底部に固定されて可動支点をなし、一方の端部101a,102aがハウジング部6の内部に延在されてヨーク5を支持するとともに、他方の端部101b,102bがハウジング部6の外部に延在されて、後述するコイル3の引出電極をなすものである。
ここで、中間部101c,102cは、板バネ101,102の長さ方向の中点を含む場合もあるが、含まない場合もある。つまり、端部101aと101bとは、同じ長さに限られない。
また、この例の板バネ101,102は、端部101a,102aの最端部101a’,102a’が屈曲されていて、中間部101c,102cと同様にハウジング部6の底部に固定されている(図3参照)。このようにすることで、ハウジング部6の内部の端部101a,102aが、両方の端部をハウジング部6の底部に固定されるので、板バネ101,102がヨーク5を略水平に支持できるようになるとともに、ヨーク5がハウジング部6の内部で高さ方向に平行に振動できるようになる。
更にこの例では、左アーム5bの側の板バネ101が、絶縁シール7を介してヨーク5に接着されている。絶縁シール7は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)フィルムのような絶縁性の部材から構成され、左アーム5bの上面、側面、下面を覆うように貼付されている。板バネ101はヨーク5と電気的に絶縁されている。
他方、右アーム5cの側の板バネ102は、ヨーク5に直接接着又は溶接されている。板バネ102はヨーク5と電気的に導通されている。
また、ヨーク5の凹部5aには、磁性体の一例を構成するマグネット4(永久磁石)が固定されている。マグネット4には、例えば、角柱状を有したネオジウムが使用される。マグネット4の周囲には可動用のコイル3(ボイスコイル)が可動自在に配されている。コイル3は巻き軸部を有している。コイル3には音声信号や、振動発生信号等が供給される。
上述のコイル3の巻き軸部の一方の側には、振動板2が取り付けられており、振動板2の外縁部位は蓋部材1とハウジング部6とで挟持するようになされる。
図2に示す断面図において、ハウジング部6の底面外部に設けられた2つの板バネ101,102の間であって、ハウジング部6の底面部には、例えば、2個の開口部6a,6bが設けられている。この2個の開口部6a,6bの外部側には、メッシュシール8a,8bが貼付されている。メッシュシール8aは開口部6aを覆うように、また、メッシュシール8bは開口部6bを覆うように設けられる。このメッシュシール8a,8bの機能は、ハウジング部6の内側と外側における呼吸機能を確保するためである。
板バネ101,102には、其々、コイル3の引出線である端部3a,3bが接続される。コイル3から引き出された一方の端部3aは、振動板2の下面及びハウジング部6の内壁に沿うように延在されて、板バネ101の端部101aに接続される。ここで、端部3aが延在される側のヨーク5の左側面は、絶縁シール7に覆われているので、端部3aとヨーク5とは電気的に短絡しない。
また、コイル3から引き出された他方の端部3bは、振動板2の下面に沿い、コイル3との絶縁距離を保てる位置でヨーク5の上面に至り、ヨーク5に接続されている。ここで、ヨーク5と板バネ102とは導通しているので、端部3bと板バネ102とが電気的に導通される。こうして、板バネ101,102はコイル用のバネ端子を構成し、板バネ101と102との端子間に、コイル3へ供給されるべき音声信号や、振動発生信号等を入力できるようになる。
また、ヨーク5の左右のアーム5b,5cの下面には、おもり9a,9bが接合されている。左アーム5bの下面には、接着剤を使用して、おもり9aを接合する。右アーム5cの下面にも、接着剤を使用して、おもり9bを接合する。おもり9a,9bの重さは、例えば、いずれも0.597[g]程度である。これらのおもり9a,9bの厚みは、いずれも2mm前後であり、左右のアーム5b,5cの各々の下面からハウジング部6の底面に至る間の距離にほぼ等しい。おもり9a,9bの下面とハウジング部6の底面との間には、極わずかな隙間を設けている。これは、おもり9a,9bの重さを確保しつつ、コイル巻き軸部の方向におけるヨーク5の上・下間のストローク(空間)を確保するためである。この例では、ヨーク5の板バネ101,102の内側に、おもり9a,9bが連結される。
図3の図2のY1−Y1矢視断面図に示す左アーム5bの側の板バネ101は、中間部101cと、最端部101a’とが、ハウジング部6の底部に埋め込まれるとこでハウジング部6に固定されている。この例では、最端部101a’が、中間部101cとともに、端部101aの可動支点を構成する。板バネ101とハウジング部6とは、埋込一体構造を有している。
ハウジング部6の内部に延在された端部101aは、弧状に湾曲された形状を有し、湾曲された上部側の部位に、ヨーク5の連結部となる平面部101eが設けられている。平面部101eは、ハウジング部6の底面と略平行になされる。また、平面部101eの両端には、端部101aの上下方向の弾性力及び振動幅を大きくするための屈曲部101dが設けられている。ここでいう上下方向とは、ハウジング部6の高さ方向である。
一方、ハウジング部6の外部に延在された端部101bは、最端部101b’が湾曲されていて、湾曲された外面が外部電極に接触するようになされる。端部101bは、ハウジング部6の底面に対して斜めに延在されることで弾性力を有し、最端部101b’は、外部電極に対する好適な接触部を構成する。
このようにして、板バネ101が、支持部材と引出電極の機能を兼ね備えるようになる。また、右アーム5cの側の板バネ102も同様に構成され、支持部材と引出電極の機能を兼ね備えている。
また、板バネ101の側に接続されるコイル3の端部3aは、この例では、平面部101eと絶縁シール7との間に挟持されて板バネ101に接続されている。このようにすると、コイル3の端部3aが、板バネ101とヨーク5との間でより強固に接続状態を保持される。
図4は、アクチュエータ機能付きのスピーカー100の組立例を示す分解斜視図である。図4に示すアクチュエータ機能付きのスピーカー100によれば、まず、ハウジング部6を準備する。この例では、底部に開口部6a,6b有し、その内部には、板バネ101,102の取り付け用を兼ねた揺れ規制用の筐体補強部6e,6fを有したハウジング部6が得られる所定の金型を作成し、この金型にABS樹脂等を注入して樹脂成形品を形成する。ABS樹脂に代えてPC樹脂でもよい。
このとき、板バネ101,102は、圧入方法により、ハウジング部6の内部の筐体補強部6e,6fに取り付けても、また、板バネ101,102を金型に組み込んでハウジング部6と同時にインサート成形としてもよい。
板バネ101,102には弾性を有するように湾曲された導電性の帯部材が使用される。板バネ101,102には、例えば、厚み0.5mm程度のリン青銅板を板金プレス加工したものが使用される。板バネ101,102には、メッキが施される。例えば、2〜3μm程度のNiメッキ、1〜3μm程度のNi−pdメッキ、0.03μm程度のCuメッキが板バネ101,102を構成する部材に施される。これにより、振動用の部品等を収容可能な容器としてのハウジング部6が得られる。
次に、ヨーク5にマグネット4、おもり9a,9bを取り付ける。ヨーク5には、中央部に有底筒状の凹部5aを有し、左右にアーム5b,5cを有したものを使用する。ヨーク5の大きさは、長さをL’とし、その幅をW’とし、その高さをH’としたとき、L’=10[mm]程度、幅W’=3[mm]程度、高さH’=1.5[mm]程度である。この例では、厚み0.3mm程度のステンレス板(SUS301)を板金プレス加工して、中央部に有底筒状の凹部5aをなし、左右にアーム5b,5cをなしたヨーク5を形成する。
ここで左アーム5bには、絶縁シール7が貼付又は接着される。絶縁シール7には、例えば、一方の面に粘着性を有する厚さ25μm程度のPET(Polyethylene terephthalate)フィルム(シール)が使用される。ここで、絶縁シール7は、左アーム5bの上面、側面、下面を覆うように貼付される。
マグネット4は、ヨーク5の有底筒状の凹部5aの底面に接合する。例えば、ウレタン系の接着剤を使用して接合する。マグネット4にはネオジウム等の角柱状を有した磁性部材が使用される。
左アーム5bの下面には、接着剤を使用して、おもり9aを接合する。右アーム5cの下面にも、接着剤を使用して、おもり9bを接合する。おもり9a,9bの重さは、例えば、いずれも0.597[g]程度である。接着剤にはウレタン系のものを使用する。これにより、ハウジング部6の内部に収容可能な振動用の部品が得られる。
次に、振動板2とコイル3とを接合してボイスコイル部品を形成する。振動板2には、蓋部材1とほぼ同程度の大きさを有した厚み25μm程度のフィルム部材を使用する。フィルム部材にはPEN又はPET等が使用され、振動板2はコーン形状に加工される。コイル3には、0.05mm程度の銅線が使用される。コイル3は、所定回数だけ銅線を角柱状に巻いた中空状をなすように形成される。
振動板2とコイル3とが準備できたら、振動板2の裏面中央部に角柱状のコイル3の一方の側を接合する。このとき、振動板2とコイル3とは、ウレタン系の接着剤を使用して接合する。これにより、ハウジング部6の上部に取り付け可能なボイスコイル部品が得られる。
上述の振動用の部品及びボイスコイル部品が準備できたら、これらを例えば、板バネ101,102付きのハウジング部6に収納して、アクチュエータ機能付きのスピーカー100を組み立てる。
この例では、収納する際に、ハウジング部6の内部において、板バネ101の端部101aに、コイル3の端部3aを半田付けする。端部3aは、板バネ101の平面部101eの上面に接続することが好ましいが、組立効率を考慮して、板バネ101の他の部位に接着するようにしてもよい。
又は、板バネ101の中間部101cと電気的に接続する導電性の薄膜をハウジング部6の内壁に印刷などで形成しておいて、端部3aを当該薄膜に半田付けするようにしてもよい。
また同様に、ハウジング部6の内部において、コイル3の引出線3bをヨーク5の右アーム5cの上面に半田付けして接続する。
その後、ヨーク5をハウジング部6に装着する。このとき、板バネ101,102の平面部101e,102eの上面に、ヨーク5の左右のアーム5b,5cの下面を接着する。絶縁シール7が貼付された左アーム5bには、絶縁性の接着剤、接着部材などで板バネ101を接着するとよい。また、右アーム5cには、導電性の接着剤、接着部材、若しくは半田付けなどで板バネ102を接着(溶着)するとよい。
その後、コイル3が接合された振動板2をハウジング部6の上部から嵌合する。このとき、コイル3の巻き軸部がマグネット4を覆い被さるように組み込む。その後、蓋部材1とハウジング部6とを位置合わせし、振動板2の外縁部位が蓋部材1とハウジング部6とで挟持されるように接着剤等を使用して外縁部位を接合する。これにより、図1に示したような、ハウジング部6の内部でヨーク5が可動自在なアクチュエータ機能付きのスピーカー100が完成する。
このように、この発明の第1の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー100によれば、ハウジング部6の底部に中間部を可動支点として固定された一対の板バネ101,102を備え、当該板バネ101,102の一方の端部がハウジング部6内に延在されてヨーク5を支持するとともに、他方の端部がハウジング部6外に延在されて信号入力用の引出電極をなすものである。
この構成によって、可動支点、支持部材及び引出電極を一つの部材で構成できるので、スピーカー100にかかる部品数を削減できる。これにより、スピーカー100の小型化、軽量化、低コスト化に貢献できる。
また、例えば、メッキされたリン青銅板を板金プレス加工して得られる、簡単な構造でなる部品で、支持部材及び引出電極を構成できる。更に、ハウジング部6の射出形成時に、板バネ101,102をインサート成形することで、板バネ101,102をハウジング部6に固定できるので、製造工程を削減できる。
なお、図5A及びBは、スピーカー100に適用可能な、その他の実施例としてのおもり9’及び9''の構成例を示す斜視図である。図5Aに示すおもり9’は、ヨーク5’の下面に接着されることで、第1の実施例のおもり9a及び9bの機能を兼ね備えるものである。
図5Aに示すヨーク5’は、有底部材の一例を構成し、中央部に有底状の凹部5a’を有している。ヨーク5’には、凹部5a’の長手方向の両端部にアーム部5b’,5c’が設けられ、短手方向の両端部にフランジ部5d’,5e’が設けられている。
おもり9’は、ヨーク5’の外形と略同形状の外形を有し、中央部には孔部9a’が開口されている。孔部9a’は、凹部5a’を嵌合可能な大きさになされる。孔部9a’の長手方向の両端部には、アーム部9b’,9c’が延設され、短手方向の両端部にはフランジ部9d’,9e’が延設されている。
孔部9a’に凹部5a’が嵌合された状態で、アーム部5b’,5c’及びフランジ部5d’,5e’の下面に、アーム部9b’,9c’及びフランジ部9d’,9e’の上面が接着されることで、おもり9’とヨーク5’とが連結される。
一方、図5Bに示すおもり9''も、第1の実施例のおもり9a及び9bの機能を兼ね備えるものである。おもり9''は、孔部9a''、アーム部9b'',9c''及びフランジ部9d'',9e''を有して構成される。おもり9''には、ヨーク5''が連結される。
図5Bに示すヨーク5''は、有底部材の一例を構成し、マグネット4及びコイル3を収納可能な有底状の凹部5a''を有している。ヨーク5''は、アーム部及びフランジ部に相当する部位を有しない。おもり9''の孔部9a''にヨーク5''が嵌合されて接着されることで、おもり9''とヨーク5''とが連結される。
このようなおもり9’,9''を板バネ101及び102で支持するには、おもり9’,9''の下面に、板バネ101及び102の端部101a,102aの上面を接着するようにするとよい。その際には、例えば、アーム部5b’及び9b’,9b''の上面、側面、下面を覆うように絶縁シール7を貼付する。
このように、その他の実施例に係るおもり9’及び9''によれば、おもり9’及び9''のアーム部の下面に、板バネ101,102を接着できるので、図2に示したヨーク5のように、板バネ101,102の内側におもり9a,9bを接着する必要がなくなる。従って、スピーカー100の長手方向の長さを削減できる。
また、おもり9’及び9''のような一の部材で、左右のおもり9a,9bを兼用できるので、部材数を削減できるとともに、製造工程を簡略化できる。
こうして、アクチュエータ機能付きのスピーカー100の小型化を図ることができる。これにより、超小型のアクチュエータ機能付きのレシーバ(受話器)を提供できるようになり、特に、当該レシーバを携帯電話機(端末装置)の表示部側の触覚機能付きの入力装置に十分応用できるようになる。
図6は、第2の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー200の構成例を示す分解斜視図である。
この例のスピーカー200は、第1の実施例と異なる構成のヨーク205と、ハウジング部206と、板バネ201,202とを備えている。スピーカー200では、ハウジング部206の長手方向の中央部で、ヨーク205を可動自在に支持するようになされる。なお、この例で、第1の実施例と同じ符号及び同じ名称のものは、同じ機能、同じ構造を有するので、その説明を省略する。
図6に示すヨーク205は、有底部材の一例を構成し、中央部に有底状の凹部205aを有している。凹部205aの長手方向の両端部には、アーム部205b,205cが延設されているとともに、短手方向の両端部にはフランジ部205d,205eが延設されている。この例では、アーム部205b,205c及びフランジ部205d,205eは、連続する一の面から構成されている。
ヨーク205は、略C字状に湾曲された板バネ201,202によって下面から支持される。板バネ201,202は、一対の支持部材の一例を構成し、第1の実施例の板バネ101,102と同様に、厚み0.5mm程度のリン青銅板などから構成される。板バネ201,202は、フランジ部205d,205eの下面に連結される。
板バネ201,202は、中間部201c,202cをハウジング部206の底部に埋め込まれて固定されるとともに、一方の端部201a,202aをハウジング部206の内部に延在され、他方の端部201b,202bをハウジング部206の外部に延在される。
ハウジング部206の内部の端部201a,202aは、最端部を屈曲されてハウジング部206の底部に固定されるとともに、上面に平面部201e,202eを有し、当該平面部201e,202eの上に接着されるヨーク205を支持する。
板バネ201の平面部201eの上面には、ヨーク205のフランジ部205dの下面が接着され、板バネ202の平面部202eの上面には、ヨーク205のフランジ部205eの下面が接着される。ここで、板バネ201の側のフランジ部205dには、その上面、側面、下面を覆うように、絶縁シール7が貼付される。
板バネ201は、ヨーク5と電気的に絶縁された状態でコイルの端部3aを接着されて、第1の実施例の板バネ101に相当する極性の引出電極を構成する。板バネ202は、ヨーク5と電気的に導通された状態で端部3bを接着され、第1の実施例の板バネ102に相当する極性の引出電極を構成する。
また、ハウジング部206の外部に延在された板バネ201,202の端部201b,202bは、最端部を湾曲されて引出電極としてのバネ端子を構成する。湾曲された部位の外面は、弾性力を有して外部電極に押圧され、好適な接触部をなす。
一方、板バネ201,202が固定されるハウジング部206は、部材収納部の一例を構成し、その底部の短手方向の両端側に、板バネ201,202の取り付け用を兼ねた揺れ規制用の筐体補強部206e,206fを有している。
板バネ201,202は、中間部201c,202c及び端部201a,202aの最端部が、筐体補強部206e,206fに埋め込まれることによって、ハウジング206と埋込一体構造を有する。
板バネ201,202によって可動自在に支持されるヨーク205は、長手方向のアーム部205b,205cの裏面側におもり9a,9bを連結される。こうして、ヨーク205の長手方向の両端部が、上下方向(高さ方向)に効率よく振動するようになる。
このように、この発明の第2の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー200によれば、板バネ201及び202が、ハウジング部206の長手方向の中央部で、ヨーク205の中央部を支持するようになされる。従って、おもり9a,9bを連結されたアーム部205b,205cの振動が阻害されないので、ヨーク205の長手方向の両端部が効率よく大きい振れ幅で振動できるようになる。
また、板バネ201,202がハウジング部206の両端部に配されないので、スピーカー200の長手方向の長さを削減できる。これにより、超小型のアクチュエータ機能付きのレシーバ(受話器)を提供できるようになり、第1の実施例と同様にして、当該レシーバを携帯電話機(端末装置)の表示部側の触覚機能付きの入力装置に十分応用できるようになる。
図7は、第3の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー300の側面の構成例を示す断面図である。図8は、板バネ301(302)の構成例を補足する斜視図である。
この例のスピーカー300は、例えば、ヨーク5の長手方向の振動幅を拡大するために、第1の実施例の板バネ101,102に替えて、S字形状の板バネ301(302)を有している。なお以下で、第1の実施例と同じ符号及び同じ名称のものは、同じ機能及び構造を有するので、その説明を省略する。
図7に示すスピーカー300によれば、ヨーク5の長手方向の両端部が、S字状に湾曲された板バネ301(302)に下面から支持される。板バネ301,302は、一対の支持部材の一例を構成し、第1の実施例の板バネ101,102と同様に、厚み0.5mm程度のリン青銅板などから構成される。図8に示すように、板バネ301,302は、所定の幅を有する導電性の帯部材が、例えばプレス加工されることによって形成される。
板バネ301,302は、中間部301c,302cをハウジング部6の底部に埋め込まれて固定されるとともに、一方の端部301a,302aをハウジング部6の内部に延在され、他方の端部301b,302bをハウジング部6の外部に延在される。
左アーム5bの側を支持する板バネ301は、ハウジング部6の内部の端部301aを弧状に湾曲されて、この例では、湾曲された最端部301a’を固定されずに、ハウジング部6内で浮かせている。
端部301aは、湾曲された部位の上部側に平面部301eを設けられ、ヨーク5を下面から可動自在に支持するようになされる。また、左アーム5bには第1の実施例と同様に絶縁シール7が貼付され、平面部301eには、コイル3の端部3aが接続されている。
ハウジング部6の外部に延在された板バネ301の他方の端部301bは、端部301aと反対方向に湾曲され、湾曲された外面が引出電極用のバネ端子をなしている。このようにして、板バネ301が、ヨーク5の支持部材と端部3aの引出電極の機能を兼ね備えるようになる。
また、右アーム5cの側の板バネ302は、301と略同様に構成され、右アーム5cに導通可能に接続されている。第1の実施例と同様に、コイル3の端部3bがヨーク5に接続されることで、板バネ302が、ヨーク5の支持部材と端子3bの引出電極の機能を兼ね備えている。
このように、第3の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー300によれば、S字形状の板バネ301,302が、ハウジング部6の内部の最端部301a’,302a’を開放された状態でヨーク5を支持するものである。従って、ヨーク5のアーム5b,5cが効率よく大きい振動幅で振動できるようになる。
また、板バネ301,302の可動支点となる中間部301c,302cが、第1及び第2の実施例に比べて大きく傾斜しているので、中間部301c,302cが、ハウジング部6へ埋め込まれる長さを長くできる。従って、板バネ301,302が、ハウジング部6に安定して固定される。
これにより、板バネ301,302の小型化が可能になり、超小型のアクチュエータ機能付きのレシーバ(受話器)を提供できるようになる。従って、第1の実施例と同様にして、当該レシーバを携帯電話機(端末装置)の表示部側の触覚機能付きの入力装置に十分応用できるようになる。
図9は、第4の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー400の正面の構成例を示す断面図である。この例のスピーカー400は、ヨーク5を可動自在に支持する支持部材として、第1の実施例のバネ端子101,102に替えて、スプリング端子401,402を有している。なおこの例で、第1の実施例と同じ符号及び同じ名称のものは、同じ機能及び構造を有するので、その説明を省略する。
一方のスプリング端子401は、一対の棒体の一例を構成する上部端子401a及び下部端子401bと、管体の一例を構成する管部401cとから構成される。同様に、他方のスプリング端子402は、一対の棒体の一例を構成する上部端子402a及び下部端子402bと、管体の一例を構成する管部402cとから構成される。
スプリング端子401,402は、中間部の管部401c,402cがハウジング部6の底部に固定されて可動支点をなし、上部端子401a,402aがハウジング部6の内部に延在されてヨーク5を支持するとともに、下部端子401b,402bがハウジング部6の外部に延在されてコイル3の引出電極をなすものである。
図9に示すスピーカー400のヨーク5には、左アーム5bにナット嵌合部5b’が開口されていて、右アーム5cにネジ孔部5c’が開孔されている。この例では、ナット嵌合部5b’には絶縁ナット7aが嵌合される。
絶縁ナット7aは、絶縁性の部材で構成された所定の大きさのナットであり、外形がナット嵌合部5b’の内形と略同じ形状及び大きさに設定されている。絶縁ナット7aは、例えばヨーク5との一体成型や、接着剤などによって左アーム5bに固定される。絶縁ナット7aの中央には、ネジ孔部5c’と略同形状のネジ孔部7bが開孔されている。ネジ孔部7bにはスプリング端子401の上部端子401aが連結される。
スプリング端子401の上部端子401aは、ネジ部411と、ナット管部421とで構成される。ネジ部411は、導電性を有する金属製の部材でなるネジであって、頭部と軸部とを有して構成される。軸部の外周面にはネジ溝が切られている。
ナット管部421は、上面にネジ孔を開孔されるとともに、下面を開放された筒状を有している。ナット管部421のネジ孔の内周面にはネジ部411と螺合可能なネジ溝が切られている。
上部端子401aは、ネジ部411がヨーク5の上側からネジ孔部7bに軸部を通されてから、アーム5bの下側に配されたナット管部421の上面のネジ孔に螺合されることで、左アーム5bに固定される。ここで、スプリング端子401は、絶縁ナット7aによってヨーク5と電気的に絶縁されている。
一方、右アーム5cのネジ孔部5c’にはスプリング端子402の上部端子402aが連結される。上部端子402aは、導電性を有する金属製の部材から構成された頭部と軸部とでなるネジ部412と、上面にネジ孔を開口されるとともに、下面を開放された筒状のナット管部422とで構成される。ネジ部412とナット管部422のネジ孔とは、互いに螺合可能になっている。
スプリング端子402の上部端子402aは、ネジ部412がヨーク5の上側からネジ孔部5c’に軸部を通されてから、アーム5cの下側に配されたナット管部422の上面のネジ孔に螺合されることで、右アーム5cに固定される。ここで、スプリング端子402とヨーク5とは電気的に導通される。
また、ハウジング部6の底部には、スプリング端子401,402の中間部であって、支持部として機能する管部401c,402cが埋め込まれている。管部401c,402cは、上部端子401a,402aと、下部端子401b,402bの位置をハウジング部6に対して、可動自在に保持するものである。
管部401c,402cは、両方の管端部が内側に傾斜して開口部が小さく狭まる形状を有している。管部401c,402cは、例えば、一体成型により、ハウジング部6の長手方向の両端部付近に、それぞれの管端部がハウジング部6の内側と外側に開口するように固定される。
ハウジング部6の左側に固定された管部401cの上側の開口部には、上部端子401aの下部側が抜けないように係合されている。上部端子401aは、ナット管部421の下部側を管部401cの管内に挿入され、挿入されたナット管部421の下部側の開口部が、管部401cの管内で外側に大きく広がる形状を有していることで、管部401cの開口部から抜けないようになっている。
同様に、ハウジング部6の右側に固定された管部402cの上側の開口部には、スプリング端子402の上部端子402aが伸縮可能、かつ、抜けないように係合されている。
また、スプリング端子401の下部端子401bは、ネジ部431、ナット管部441から構成され、スプリング端子402の下部端子402bは、ネジ部432、ナット管部442から構成される。下部端子401b,402bは、上部端子401a,402aと略同様に構成され、其々が、管部401c,402cの下側の開口部に、伸縮可能、かつ、抜けないように係合される。
つまり、下部端子401b,402bも、ナット管部441,442の開口部の管部401c,402cに挿入された部分が、管部401c,402cの内側で広がる形状を有することで、管部401c,402cから抜けないようになっている。
また、スプリング端子401の上部端子401aのネジ部411と、下部端子401bのネジ部431とは、スプリング401dによって伸縮可能、かつ、導通可能に接続されている。スプリング401dは、管部401cに対して、上部端子401aと下部端子401bとを伸縮可能に接続するスプリングバネである。
スプリング401dは、互いに連通する管部401c、ナット管部421,441の管内に挿入された状態で、両端部にネジ部411及び431の軸部が連結又は接触される。こうして、ネジ部411及び431が電気的にも接続される。
同様に、スプリング端子402の上部端子402aのネジ部412と、下部端子402bのネジ部432とは、スプリング402dによって伸縮可能、かつ、導通可能に接続される。
また、コイル3の端部3aは、ヨーク5に触れないようにネジ部411の頭部に接続される。ここで、端部3aが接続されるスプリング端子401は、絶縁ナット7aによって、ヨーク5と電気的に絶縁されている。絶縁ナット7aの外形は、ネジ部411に接続された端部3aが、ヨーク5に接触しないような所定の大きさに設定される。
また、絶縁ナット7aに替えて、ヨーク5の左アーム5bの所定部を絶縁性の部材で構成するようにしてもよい。又は、ネジ孔部7bが開孔された左アーム5bを、絶縁性の部材でコーティングしてもよい。このようにして、スプリング端子401が、ヨーク5の支持部材と、端部3aの引出電極用のバネ端子の機能を兼ね備えるようになる。
一方、コイル3の端部3bは、ネジ部412の頭部に接続される。若しくは、第1の実施例と同様に、ヨーク5の上面に接続される。スプリング端子402は、ヨーク5の支持部材と、端部3bの引出電極用のバネ端子の機能を兼ね備えている。
この例のスピーカー400を組み立てる場合、上部端子側のネジ部411,412を外した状態のスプリング端子401,402を、ハウジング部6の射出形成時にインサート成形しておき、ネジ部411,412を螺合することで、ハウジング部6の側の部材にヨーク5を連結するようにするとよい。
その際、スプリング401dとネジ部411とは、互いに押圧されることで電気的に接触できる。又は、ネジ部411とナット管部421とは互いに螺合されることで、連結/導通されるので、スプリング401dの上側の端部をナット管部421の上部側に連結しておいてもよい。
若しくは、スプリング401dの端子をナット管部421のネジ孔部から引き出して、ネジ部411に半田付けなどで連結してから、ネジ部411をナット管部421に螺合するようにしてもよい。
このように、第4の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー400によれば、ハウジング部6の高さ方向に伸縮自在、かつ、振動自在なスプリング端子401,402が、ヨーク5の長手方向の両端部を可動自在に支持するとともに、コイル3の引出電極を構成するものである。
従って、ヨーク5の左右のアーム5b,5cが、スプリング401d,402dの弾性力に応じて所定の振れ幅で振動するので、使用されるスプリングバネを適宜変更することで、容易に振れ幅を調整できる。これにより、ヨーク5の振れ幅の大きさを制御しやすい。また、スプリング端子401,402がハウジング部6の高さ方向に平行に伸縮するので、ヨーク5の振動方向が安定する。
また、ヨーク用の支持部材と、コイル用の引出電極とを棒形状に係合された一の部材から構成できる。これにより、超小型のアクチュエータ機能付きのレシーバ(受話器)を提供できるようになり、第1の実施例と同様にして、当該レシーバを携帯電話機(端末装置)の表示部側の触覚機能付きの入力装置に十分応用できるようになる。
図10は、本発明に係る入力装置90を備えた第5の実施例としての触覚入力機能付きの携帯電話機500の構成例を示す斜視図である。
この実施例では、第1、第2、第3、又は第4の実施例に係る超小型のアクチュエータ機能付きのレシーバ(スピーカー36b)を備え、表示手段上の入力検出面において、操作体が押下した位置の加圧力に対応した振動パターンに基づいて当該入力検出面を振動し、その入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を付与できるようにすると共に、表示手段に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようにしたものである。
図10に示す携帯電話機500は電子機器の一例を構成し、情報入力操作時に操作体(ユーザ)に触覚を提示するものである。携帯電話機500は、表示画面上の入力検出面を摺動接触操作される触覚機能付きの入力装置90を有している。携帯電話機500は下部筐体10及び上部筐体20を備え、これらの筐体10及び20間は、例えば、回転レンジ機構11(スライドタイプ)によって可動自在に係合されている。この回転レンジ機構によれば、下部筐体10の操作面の一端に設けられた図示しない軸部と、下部筐体10の裏面の一端に設けられた図示しない軸受け部とが回転自在に係合され、上部筐体20は下部筐体10に対して角度±180°の回転自由度を有して面結合されている。
下部筐体10には、複数の押しボタンスイッチ12からなる操作パネル18が設けられる。押しボタンスイッチ12は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。下部筐体10において、操作パネル面の下方には、通話用のマイクロフォン13が取り付けられ、送話器として機能するようになされる。
また、下部筐体10の下端部には、モジュール型のアンテナ16が取り付けられ、その上端内部側面には、大音響用のスピーカー36aが設けられ、着信メロディ等を放音するようになされる。下部筐体10には、バッテリー14や回路基板17等が設けられ、下部筐体10の裏面にはカメラ34が取り付けられている。
上述の下部筐体10に対して、回転レンジ機構11によって可動自在に係合された上部筐体20には、その表面の上方に超小型のアクチュエータ機能付きのスピーカー36bがが設けられ、通話用のレシーバ(受話器)と触覚提示用のアクチュエータの機能を兼ね備えている。スピーカー36bには、本発明に係るアクチュエータ機能付きのスピーカー100,200,300又は400が適用される。
例えば、スピーカー36bには、図2に示した所定部位に開口部1a,1b,1c,1dを有した蓋部材1と、蓋部材1が係合されるハウジング部6と、有底筒状の凹部5aを有してハウジング部6内に可動自在に配された振動用のヨーク5と、ハウジング部6内でヨーク5を可動自在に支持するバネ端子101,102と、そのハウジング部6内で可動自在に支持されるヨーク5の底部に固定されたマグネット4と、巻き軸部を有してマグネット4の周囲に可動自在に配されたコイル3と、このコイル3の巻き軸部の一方の側に取り付けられて、蓋部材1とハウジング部6で挟持される振動板2とを有したものが使用される。
しかも、バネ端子101は、図3に示したように、湾曲された導電性の帯形状を有して、中間部101cがハウジング部6の底部に固定されて可動支点をなし、一方の端部101aがハウジング部6の内部に延在されてヨーク5を支持するとともに、他方の端部101bがハウジング部6の外部に延在されてコイル3の引出電極をなすものである。
上部筐体20のスピーカー取り付け面の下方には、触覚機能付きの入力装置90が設けられる。入力装置90は、入力検出手段45及び表示手段29を有しており、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を与える(提示する)ものである。表示手段29には、複数のボタンアイコン等の入力情報が表示される。
図11は、触覚機能付きの入力装置90の構成例を示す斜視図である。図11に示す入力装置90は、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のアイコンの1つに接触して当該表示画面上で入力操作される装置であって、このような情報入力操作時に操作者の指(操作体)に触覚を提示するものである。
入力装置90は上部筐体20内に備えられる。上部筐体20は、基板側ケース20aと、パネル側ケース20bとを有して構成される。入力装置90は、入力検出手段45と、この入力検出手段45の入力操作に基づいて操作者の指に触覚を提示するアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを備えている。スピーカー36bは、パネル側ケース20bに取り付けられ、基板側ケース20aと、パネル側ケース20bとで挟み込むよにして実装される。
この例で、パネル側ケース20bには、2つの部品配置スペースI,IIが設けられる。部品配置スペースIはスピーカー用であり、スピーカー36bの上下方向及び右側方向への移動を規制するようになされている。この例では、パネル側ケース20b内には、一対のL字状のリブ62a,62bが立設される。この2つのL字状のリブ62a,62bの間には、爪状の係合部材63が設けられる。図中、開口部67はレシーバ用の孔である。
部品配置スペースIIは被振動体用であり、入力手段24及び表示手段29の上下方向及び左側方向への移動を規制するようになされている。この例では、パネル側ケース20b内には、一対の直線状のリブ64a,64bが立設される。この2つの直線状のリブ64a,64bの間であって、2つのリブ64a,64bと直交する部分には、直線状のリブ64cが設けられる。
なお、パネル側ケース20bには、所定の大きさを有した表示窓部61が設けられる。表示窓部61には、それよりも大きな表示面を有した入力手段24及び表示手段29が設けられる。入力検出手段45は入力手段24及び力検出手段55a〜55dを有して構成される。この例では、入力検出手段45の入力検出面の一方をX方向とし、当該X方向と直交する他方をY方向とし、X及びY方向と直交する方向をZ方向とする。
入力手段24はボタンアイコンの選択位置を検出するようになされる。入力手段24から得られる入力情報には位置検出情報が含まれる。位置検出情報はボタンアイコン押下時の位置検出信号S1により得られ、制御系に出力される。入力手段24は蓄積電極となる透明電極をマトリクス状に配置したタッチパネルが使用される。タッチパネルは、静電容量シートとしての静電容量方式の入力デバイスである。
図11に示す入力手段24の上方には同程度の大きさの表示手段29が配置される。表示手段29には液晶表示装置が使用される。液晶表示装置には図示しないバックライトが備えられる。入力手段24や表示手段29は被振動体を構成する。表示手段29は、入力手段24から得られる位置検出情報D1及び制御系から供給される表示信号Svに基づいてアイコンを表示するように動作する。
また、基板側ケース20aの四隅には、例えば、正方形状の力検出手段55a〜55dが設けられ、入力手段24に対する操作者の指の押圧力(加圧力)を検出して力検出情報を出力すると共に、当該押下位置に表示された入力情報を確定する。
力検出手段55aは、右下隅の入力量(Z方向の押圧力)として、例えば、当該アイコン選択時の力検出信号Sfaを検出する。同様にして、力検出手段55bは、右上隅の入力量(力)として、当該アイコン選択時の力検出信号Sfbを検出し、力検出手段55cは、左上隅の入力量(力)として、当該アイコン選択時の力検出信号Sfcを検出し、力検出手段55dは、左下隅の入力量(力)として、当該アイコン選択時の力検出信号Sfdを各々検出する。
これら4個の力検出手段55a〜55dは、並列に接続され、これら4つの力検出信号Sfa+Sfb+Sfc+Sfdを制御系に出力する。以下、この合算した信号を入力検出信号S2とする。入力検出信号S2は制御系に出力される。
上述の入力手段24、表示手段29は、基板側ケース20aとパネル側ケース20bとに収納されて保護される。基板側ケース20aとパネル側ケース20bは厚さ0.3mm程度のステンレスの筐体から構成され、入力手段24を露出する窓部を有しており、基板側ケース20a及びパネル側ケース20bが形成する内部空間内に設けられた入力検出手段45及び表示手段29を覆うようになされる。
図12及び図13は、上部筐体20におけるスピーカー36bの取付例(その1、2)を示す上面図及び断面図である。
図12Aに示す基板側ケース20aには、電子部品実装用の基板65が設けられる。基板65には、スピーカー用の平板電極(ランド電極)66a,66bが設けられ、音声信号や振動発生信号を印加するようになされる。
この例で、入力手段24及び表示手段29は、図12Bに示すパネル側ケース20b内において、表示手段29の不図示のバックライト側を上部に向けた状態で、上下の直線状のリブ64a,64b及び左側の直線状のリブ64cで支持され、右側方向への移動が可能な取り付け構造となされている。この例で、入力手段24及び表示手段29は、その右面側がスピーカー36bの側面に当接する(押し当てる)ように実装される。
スピーカー36bは、パネル側ケース20b内において、引出電極107a,107bを上部に向けた状態で、紙面において、上下のL字状のリブ62a,62b及び右側の爪状の係合部材63で支持され、左側方向への移動が可能な取り付け構造となされている。ここで、引出電極107a,107bは、第1の実施例のバネ端子101,102に相当するものであって、スピーカー36bのヨーク用の支持部材とコイル用の引出電極を兼ね備えている。この例で、スピーカー36bは、その左面側が入力手段24及び表示手段29の側面(木口面)に当接する(押し当てる)ように実装される。
その後、図13に示すように、基板側ケース20aとパネル側ケース20bとが位置合わせされて係合される。このとき、平板電極66aと、引出電極107aとが当接及び接触されて電気信号的に導通される。同様にして、平板電極66bと、引出電極107bとが当接及び接触されて電気信号的に導通される。これにより、入力検出手段45が表示画面上で入力操作する操作者の接触位置を検出すると、ハウジング部6内で振動発生信号に基づいてヨーク5が振動することにより、入力手段24及び表示手段29へ振動を伝達できるようになる。このとき、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bは、入力検出手段45から得られる位置情報に基づいて表示画面を側面方向から振動するようになる。
次に、触覚入力機能付きの携帯電話機500について説明をする。図14は、携帯電話機500の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
図14に示す携帯電話機500は、下部筐体10の回路基板17に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図10〜図13に示した各部及び手段と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機500は、制御手段15、操作パネル18、受信部21、送信部22、アンテナ共用器23、入力検出手段45、表示手段29、電源ユニット33、カメラ34、マイクロフォン13、記憶手段35、着信メロディ用のスピーカー36a、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bを有している。
図14に示す入力検出手段45は、図13では静電容量方式の入力デバイスを説明したが、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でもよく、例えば、抵抗膜方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであってもよく、好ましくは位置検出情報と力検出情報を制御手段15に与えられる構成の入力デバイスであればよい。上述の入力検出手段45は操作者30の指30aを介して少なくとも位置検出信号S1及び入力量(押圧力;加圧力F)となる入力検出信号S2が入力される。
制御手段15は制御系を構成し、画像処理部26、A/Dドライバ31、映像&音声処理部44、CPU32及びメモリ部37を有している。A/Dドライバ31には、入力検出手段45からの位置検出信号S1及び入力検出信号S2が供給される。A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1及び入力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置検出情報D1又は入力検出情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。記憶手段35には当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶手段35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの位置検出情報D1、入力検出情報D2及びフラグデータD3(以下単に入力データともいう)を受けて所定の指令データDを電源ユニット33や、カメラ34、記憶手段35、メモリ部37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部22へ送信データを転送するように制御する。
この例で、CPU32は、入力検出手段45から得られる入力検出情報D2と予め設定された押下判定閾値Fthとを比較し、当該比較結果に基づいてアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを振動制御するようにメモリ部37を読み出し制御する。例えば、入力検出手段45の押下位置における入力検出面から伝播される触覚をA及びBとすると、触覚Aは、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力検出面を低周波数かつ小振幅の振動パターンから、高周波数かつ大振幅の振動パターンに変化させることによって得られる。また、触覚Bは、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力検出面を高周波数かつ大振幅の振動パターンから、低周波数かつ小振幅の振動パターンに変化させることよって得られる。
上述のCPU32には記憶手段35が接続され、入力項目選択用の表示画面を、例えば、3次元的に表示するための表示情報D4や、当該表示情報D4に対応したアイコンの選択位置及び振動モードに関する制御情報Dc等が表示画面毎に記憶される。制御情報Dcには、表示手段29におけるアプリケーション(3次元的な表示や、各種表示内容)に同期した複数の異なった触覚を発生でき、その触覚を発生せしめる複数の具体的な振動波形、及び、アプリケーション毎の具体的な触覚発生モードを設定するアルゴリズムが含まれる。記憶手段35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。
この例でCPU32は、A/Dドライバ31から出力される位置検出情報D1、入力検出情報D2及びフラグデータD3に基づいて表示手段29の表示制御及び、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bの出力制御をする。例えば、制御手段15は、入力手段24から得られる位置検出信号S1及び力検出手段55a〜55dから得られる入力検出信号S2に基づいて記憶手段35から制御情報Dcを読み出して、メモリ部37へアクセスし、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bに振動発生信号Sout2を供給するような制御がなされる。
例えば、CPU32は、入力検出手段45が押下判定閾値Fthを越える入力検出情報D2を検出したとき、触覚Aを起動し、その後、押下判定閾値Fthを下回る入力検出情報D2を検出したとき、触覚Bを起動するように、メモリ部37を読み出し制御する。このようにすると、操作者の指30a等の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる。
CPU32にはメモリ部37が接続され、CPU32からの制御情報Dcに基づいて振動発生データDaを読み出す。振動発生データDaは、正弦波形からなる出力波形を有している。メモリ部37には映像&音声処理部44が接続され、各々の振動発生データDaが映像&音声処理部44に供給され、その振動発生データDaが音声処理(デジタル・アナログ変換・増幅等)され、振動発生信号Sout2となってアクチュエータ機能付きのスピーカー36bに供給される。スピーカー36bは、振動発生信号Sout2に基づいて振動するようになされる。
この例で、メモリ部37は、各アプリケーションに対応する押下判定閾値Fthを記憶する。例えば、押下判定閾値Fthはトリガーパラメータとして記憶手段35に設けられたROM等に予め格納される。記憶手段35は、CPU32の制御を受けて、入力検出情報D2を入力し、予め設定された押下判定閾値Fthと、入力検出情報D2から得られる加圧力Fとを比較し、Fth>Fの判定処理や、Fth≦F等の判定処理を実行する。
例えば、押下判定閾値Fth=100[gf]をメモリ部37に設定すると、クラシックスイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。また、押下判定閾値Fth=20[gf]を設定すると、サイバースイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。
CPU32にはメモリ部37の他に画像処理部26が接続され、ボタンアイコン等を3次元的に表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示手段29に供給するようになされる。この例で、CPU32は、表示画面中のボタンアイコンを奥行方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示手段29を表示制御する。
このように構成された入力装置90は、例えば、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のボタンアイコンの1つを押下(接触)して当該表示画面上で入力手段24をZ方向に押下すると触覚を伴って画面入力操作されるものである。操作者30は、指30aに振動を受けて触感として、ボタンアイコン毎の振動を感じる。
表示手段29の表示内容は操作者の目30bによる視覚により、スピーカー36a,36b等からの放音は、操作者の耳30cによる聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル18が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示手段29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図14に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部21が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部21には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Sout1を出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には大音響用を構成するスピーカー36a及び、受話器を構成するアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが接続される。スピーカー36aは、着呼時、音響信号Sout1に基づいて着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、音声信号Sout2を入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。また、スピーカー36bは、触覚提示時、振動発生信号Sout2に基づいて振動するようになされる。
この映像&音声処理部44にはスピーカー36a,36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン13が接続され、操作者の声を集音して音声信号Sinを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
CPU32には受信部21の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。カメラ34は上部筐体20の背面側に設けてもよい。電源ユニット33は、バッテリー14を有しており、CPU32、操作パネル18、受信部21、送信部22、表示手段29、カメラ34、記憶手段35、メモリ部37、映像&音声処理部44及び入力検出手段45にDC電源を供給するようになされる。なお、この例で、メモリ部37を映像&音声処理部44とは別個に設ける場合について説明したが、映像&音声処理部44に備え付けの記憶装置を兼用するようにしてもよい。部品点数が低減できる。
このように、第5の実施例としての触覚機能付きの入力装置を応用した携帯電話機500によれば、本発明に係るアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられるので、触覚機能付きの携帯電話機500の小型化、低コスト化を図ることができる。また、表示手段29上の入力検出面における操作者の指30aの押下操作に対応した、アナログスイッチや、サイバースイッチ等の触覚を取得できるようになる。従って、触覚入力機能付きの電子機器のコストダウンに寄与するところが大きい。
図15は、本発明に係る入力装置を備えた第6の実施例としてのビデオカメラ600の構成例を示す斜視図である。
図15に示すビデオカメラ600は電子機器の他の一例を構成し、情報入力操作時に操作体(者)に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、被写体像を撮像し、かつ、周囲の音響を録音するものである。ビデオカメラ600には、第5の実施例で説明した入力装置90を備え、この入力装置90には本発明のアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが応用されるものである。
ビデオカメラ600は、外装を構成するケース602を有しており、ケース602の前面上部には撮影光学系604が組み込まれたレンズ鏡筒603が設けられている。レンズ鏡筒603の後端には、撮影光学系604によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子(不図示)が組み込まれている。
ケース602の後面、上面、側面には、電源スイッチ、撮影スタート/ストップスイッチ、ズームスイッチなど種々の操作スイッチ605が設けられている。ケース602の左側面には、タッチパネルディスプレイ装置601がヒンジ606を介して開閉可能にケース602に連結され、不図示の撮像素子で撮像した画像を表示するようになされる。
タッチパネルディスプレイ装置601には、第5の実施例で説明した入力装置90及びアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられる。
例えば、タッチパネルディスプレイ装置601内のスピーカー36bには、図2に示した所定部位に開口部1a,1b,1c,1dを有した蓋部材1と、この蓋部材1が係合されるハウジング部6と、有底筒状の凹部5aを有してハウジング部6内に可動自在に配された振動用のヨーク5と、ハウジング部6内でヨーク5を可動自在に支持するバネ端子101,102と、そのハウジング部6内で可動自在に支持されるヨーク5の底部に固定されたマグネット4と、巻き軸部を有してマグネット4の周囲に可動自在に配されたコイル3と、このコイル3の巻き軸部の一方の側に取り付けられて、蓋部材1とハウジング部6で挟持される振動板2とを有したものが使用される。
しかも、バネ端子101は、図3に示したように、湾曲された導電性の帯形状を有して、中間部101cがハウジング部6の底部に固定されて可動支点をなし、一方の端部101aがハウジング部6の内部に延在されてヨーク5を支持するとともに、他方の端部101bがハウジング部6の外部に延在されてコイル3の引出電極をなすものである。
この例で、タッチパネルディスプレイ装置601のモニタ用の表示手段29に表示された入力操作用のアイコン画像を指で操作すると、スピーカー36bからクリック音(サイバースイッチ操作音)と共に、表示画面上を触れている操作者の指に触覚を提示するようになされる。この入力操作により、ビデオカメラ600においても、表示手段29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようになる。なお、図中、孔67はクリック音漏れ出し用の開口部である。
このように、第6の実施例としてのビデオカメラ600によれば、本発明に係る触覚機能付きの入力装置90を備えるので、スピーカー36bのマグネット4の周囲に可動自在に配されたコイル3にクリック音信号を入力すると、「ピッ」という効果音(クリック音)を発生させることができ、使用者の機器の操作に応じて、比較的音量の小さな効果音を出力するクリック音出力用のスピーカーとして機能させることができる。
また、入力検出手段45の入力操作に基づいて当該コイル3に触覚提示用の低周波数信号(約200Hz)を入力すると、ヨーク5を振動させることができる。
従って、ビデオカメラ600でタッチパネルディスプレイ装置601を操作する者の指に触覚を提示できるようになる。これにより、超小型のアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを搭載した触覚機能付きの入力装置90を備えるビデオカメラ600(電子機器)を提供できるようになる。しかも、スピーカー36bとアクチュエータとが兼用されるので、電子機器の小型化を図ることができる。
上述の例では、電子機器に関して、触覚機能付きの入力装置を応用したスライドタイプの携帯電話機500及びビデオカメラ600について説明したが、これらに限られることはなく、通常の2軸ヒンジタイプの携帯電話機や、ストレートタイプの携帯電話機、上部筐体10及び下部筐体20の両方に表示画面を備えた携帯端末装置、デジタルカメラ等に適用できることはいうまでもない。
この発明は、入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力する際に触覚を提示する情報処理装置や、携帯電話機、携帯端末装置等に適用して極めて好適である。
本発明に係る第1の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー100の構成例を示す上面破断の斜視図である。
アクチュエータ機能付きのスピーカー100の正面の構成例(断面)を補足する断面図である。
アクチュエータ機能付きのスピーカー100の側面の構成例(断面)を補足する断面図である。
アクチュエータ機能付きのスピーカー100の組立例を示す分解斜視図である。
(A)及び(B)は、その他の実施例としてのおもり9’及び9''の構成例を示す斜視図である。
第2の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー200の構成例を示す分解斜視図である。
第3の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー300の側面の構成例を示す断面図である。
板バネ301(302)の構成例を補足する斜視図である。
第4の実施例としてのアクチュエータ機能付きのスピーカー400の正面の構成例を示す断面図である。
本発明に係る入力装置90を備えた第5の実施例としての触覚入力機能付きの携帯電話機500の構成例を示す斜視図である。
触覚機能付きの入力装置90の構成例を示す斜視図である。
(A)及び(B)は、上部筐体20におけるスピーカー36bの取付例(その1)を示す上面図である。
上部筐体20におけるスピーカー36bの取付例(その2)を示す断面図である。
携帯電話機500の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
本発明に係る入力装置90を備えた第6の実施例としてのビデオカメラ600の構成例を示す斜視図である。
符号の説明
1・・・蓋部材、2・・・振動板、3・・・コイル、4・・・マグネット(磁性体)、5・・・ヨーク(有底部材)、6・・・ハウジング部(部材収納部)、7・・・絶縁シール、8a,8b・・・メッシュシール、9a,9b,9’,9''・・・おもり、10・・・下部筐体、11・・・回転レンジ機構、15・・・制御手段、20・・・上部筐体、21・・・受信部、22・・・送信部、24・・・入力手段、29・・・表示手段、32・・・CPU(制御手段)、35・・・記憶手段、36a・・・スピーカー、36b・・・アクチュエータ機能付きのスピーカー(振動体)、44・・・映像&音声処理部、45・・・入力検出手段、55a〜55c・・・力検出センサ、90・・・触覚機能付きの入力装置、100,200,300,400・・・アクチュエータ機能付きのスピーカー(振動体)、500・・・携帯電話機(電子機器)、600・・・ビデオカメラ(電子機器)