JP2009082034A - パン類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な食感、具体的には、良好なしっとり感、口どけ感、及びモチモチ感が維持されるパン類の製造方法を提供する。
【解決手段】フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物をパン類材料に添加することを特徴とするパン類の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物をパン類材料に添加することを特徴とするパン類の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、保存後も優れた食感が維持されるパン類の製造方法に関する。
一般に、パン類は、製造直後はソフトで風味及び食感が良好であるが時間の経過とともに老化し、硬くなりパサついて商品価値が急速に落ちる。このため、パン類の食感を改善するための研究が行われている。
天然由来原料、特に海藻類を使用した品質改良剤として、特許文献1は、フノリ原藻を水洗し、漂白、乾燥して得られたフノリ乾燥物を主体とした液状、粉末状又は顆粒状の食品添加用フノリを開示している。また、特許文献2は、寒天製造に使用される原料海藻から抽出して得られる、0.5〜2w/w%濃度の水溶液が10〜40℃の温度範囲においてチキソトロピー挙動を示す海藻抽出多糖体を開示している。
しかし、これらの品質改良剤を使用してパン類を製造しても、実用上十分に食感が改善されない。
特開平08−000228号公報
特開2002−212201号公報
天然由来原料、特に海藻類を使用した品質改良剤として、特許文献1は、フノリ原藻を水洗し、漂白、乾燥して得られたフノリ乾燥物を主体とした液状、粉末状又は顆粒状の食品添加用フノリを開示している。また、特許文献2は、寒天製造に使用される原料海藻から抽出して得られる、0.5〜2w/w%濃度の水溶液が10〜40℃の温度範囲においてチキソトロピー挙動を示す海藻抽出多糖体を開示している。
しかし、これらの品質改良剤を使用してパン類を製造しても、実用上十分に食感が改善されない。
本発明は、保存後にも良好な食感が維持されるパン類の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物をパン類に含有させることにより上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物をパン類材料に添加することを特徴とするパン類の製造方法。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物をパン類材料に添加することを特徴とするパン類の製造方法。
本発明方法により製造されたパン類は、食感、具体的には、しっとり感、口どけ感、及びモチモチ感に優れており、保存してもこれらの良好な食感が損なわれ難い。
本発明のパン類の製造方法は、フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物をパン類材料に添加することを特徴とする方法である。
フノリ科に属する海藻のゾルの乾燥物
本発明において、フノリ科に属する海藻は、紅藻類カクレイト目フノリ科に属する海藻であり、例えばマフノリ、フクロフノリ又はハナフノリ等が挙げられる。フノリ科に属する海藻は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、フノリ科に属する海藻とともに、ゾル化させ得る他の海藻を併用することもできる。併用可能な海藻としては、紅藻類に属する他のノリ科海藻、例えばスギノリ科ツノマタ、キリンサイ、オゴノリ科オゴノリ、ウシケノリ科ウシケノリ、ウシケノリ科スサビノリ、テングサ科ユイキリ、カクレイト科ムカデノリ、カクレイト科カタノリ又はカクレイト科ツルツル等が挙げられる。
フノリ科に属する海藻のゾルの乾燥物
本発明において、フノリ科に属する海藻は、紅藻類カクレイト目フノリ科に属する海藻であり、例えばマフノリ、フクロフノリ又はハナフノリ等が挙げられる。フノリ科に属する海藻は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、フノリ科に属する海藻とともに、ゾル化させ得る他の海藻を併用することもできる。併用可能な海藻としては、紅藻類に属する他のノリ科海藻、例えばスギノリ科ツノマタ、キリンサイ、オゴノリ科オゴノリ、ウシケノリ科ウシケノリ、ウシケノリ科スサビノリ、テングサ科ユイキリ、カクレイト科ムカデノリ、カクレイト科カタノリ又はカクレイト科ツルツル等が挙げられる。
フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物、好ましくは該乾燥物の粉末は、以下の3工程で製造し得る。
工程1:フノリ科に属する海藻をゾル化し、ゾル状の海藻入り溶液を得る工程。
工程2:得られたゾル状の海藻入り溶液を乾燥し、乾燥物を得る工程。
工程3:工程2で得た乾燥物を細かく砕いて粉末形状とし、乾燥物の粉末を得る工程。
工程1:フノリ科に属する海藻をゾル化し、ゾル状の海藻入り溶液を得る工程。
工程2:得られたゾル状の海藻入り溶液を乾燥し、乾燥物を得る工程。
工程3:工程2で得た乾燥物を細かく砕いて粉末形状とし、乾燥物の粉末を得る工程。
工程1において、ゾル化する海藻は、全藻のまま用いてもよく、例えばチョッパー等で細切されたものを用いてもよく、あるいは細切されたものを更にマスコロイダー等で粉砕したものを用いてもよい。また、海藻は、生の海藻を用いてもよく、乾燥海藻を用いてもよい。乾燥海藻を用いる場合には、ゾル化に先立ち、乾燥海藻を例えば食塩水等に約10分〜2時間浸し膨潤させた後、食塩水で洗浄してから用いるのが好ましい。
本工程においては、フノリ科に属する海藻が水と混合されることによりゾル状の海藻入り溶液となればよく、加熱によりゾル化するのが好ましい。ゾル化させるとき、公知の手段、例えばプロペラ攪拌機等を用いて撹拌するのが好ましい。ここで、フノリ科に属する海藻をゾル化する時に加える水の量は、海藻100質量部(乾燥物換算)に対して、通常約500〜3,000質量部、好ましくは約800〜2,500質量部とすればよい。上記範囲であれば、海藻をゾル化させることができ、かつ次工程で実用的な時間内に乾燥させることができる。
加熱によりゾル化する場合、加熱温度は、通常約60〜100℃、好ましくは約80〜100℃とすればよく、加熱時間は、通常約30〜360分、好ましくは約60〜360分とすればよい。上記範囲であれば、十分に海藻をゾル化することができる。
本工程においては、フノリ科に属する海藻が水と混合されることによりゾル状の海藻入り溶液となればよく、加熱によりゾル化するのが好ましい。ゾル化させるとき、公知の手段、例えばプロペラ攪拌機等を用いて撹拌するのが好ましい。ここで、フノリ科に属する海藻をゾル化する時に加える水の量は、海藻100質量部(乾燥物換算)に対して、通常約500〜3,000質量部、好ましくは約800〜2,500質量部とすればよい。上記範囲であれば、海藻をゾル化させることができ、かつ次工程で実用的な時間内に乾燥させることができる。
加熱によりゾル化する場合、加熱温度は、通常約60〜100℃、好ましくは約80〜100℃とすればよく、加熱時間は、通常約30〜360分、好ましくは約60〜360分とすればよい。上記範囲であれば、十分に海藻をゾル化することができる。
工程2において、乾燥を行なう手段としては、公知の手段を用いてよく、例えば常圧ドラム乾燥法又は真空ドラム乾燥法等のいずれの手段を用いてもよい。コスト、生産性等の面から常圧ドラム乾燥法が好ましい。
常圧ドラム乾燥法とは、常圧下で、例えばスチーム等の熱媒体により加熱され回転するドラム表面に、ゾル化させた海藻の溶液(被乾燥処理材料)をフィルム状に付着させ、ドラムが1回転する間に被乾燥処理材料を迅速に蒸発乾燥させる方法をいう。ドラム表面で乾燥した乾燥物は、スクレーパーナイフ等によりドラム表面から簡単にかき取られ得る。この常圧ドラム乾燥法を用いる場合、ドラム表面温度は特に限定されないが、通常約80〜200℃、好ましくは約100〜180℃、より好ましくは約120〜160℃とすればよい。上記範囲であれば、ゾル化した海藻溶液を焦がすことなく十分に乾燥させることができる。
上記常圧ドラム乾燥法における乾燥時間は、特に限定されないが、数秒〜数分間という短時間乾燥が好ましい。乾燥時間は、好ましくは約1分間以下、より好ましくは約45秒以下、さらに好ましくは約6〜30秒間とすればよい。上記時間範囲であれば、風味や色調などの品質が変化し難い。このため、常圧ドラムの回転数は、特に限定されないが、通常約1〜10rpm(revolution per minute;毎分回転数)、好ましくは約2〜10rpmである。
上記常圧ドラム乾燥法は、例えばドラムドライヤー(回転熱ドラム式蒸発乾燥装置)等を用いることにより実施し得る。
常圧ドラム乾燥法とは、常圧下で、例えばスチーム等の熱媒体により加熱され回転するドラム表面に、ゾル化させた海藻の溶液(被乾燥処理材料)をフィルム状に付着させ、ドラムが1回転する間に被乾燥処理材料を迅速に蒸発乾燥させる方法をいう。ドラム表面で乾燥した乾燥物は、スクレーパーナイフ等によりドラム表面から簡単にかき取られ得る。この常圧ドラム乾燥法を用いる場合、ドラム表面温度は特に限定されないが、通常約80〜200℃、好ましくは約100〜180℃、より好ましくは約120〜160℃とすればよい。上記範囲であれば、ゾル化した海藻溶液を焦がすことなく十分に乾燥させることができる。
上記常圧ドラム乾燥法における乾燥時間は、特に限定されないが、数秒〜数分間という短時間乾燥が好ましい。乾燥時間は、好ましくは約1分間以下、より好ましくは約45秒以下、さらに好ましくは約6〜30秒間とすればよい。上記時間範囲であれば、風味や色調などの品質が変化し難い。このため、常圧ドラムの回転数は、特に限定されないが、通常約1〜10rpm(revolution per minute;毎分回転数)、好ましくは約2〜10rpmである。
上記常圧ドラム乾燥法は、例えばドラムドライヤー(回転熱ドラム式蒸発乾燥装置)等を用いることにより実施し得る。
フノリゾルの乾燥物は、そのまま使用することができるが、粉砕して用いることにより、パン類原料に均一に混合し易くなるため、好ましい。
工程3において、工程2においてかき取られた乾燥物を細かく砕いて粉末形状とする手段としては、公知の手段を用いることができる。例えば、粉砕機又は乳鉢等を用いて細かく砕いて粉末形状とすることができる。粉末形状とすることにより、製パン材料との均一な混合を容易に行なうことができる。得られた粉末は、例えば約3.5〜100メッシュ(篩目開約5.6mm〜150μm)、好ましくは約20〜100メッシュ(篩目開約0.85mm〜150μm)の篩を用いて篩分されるサイズであることが好ましい。
工程3において、工程2においてかき取られた乾燥物を細かく砕いて粉末形状とする手段としては、公知の手段を用いることができる。例えば、粉砕機又は乳鉢等を用いて細かく砕いて粉末形状とすることができる。粉末形状とすることにより、製パン材料との均一な混合を容易に行なうことができる。得られた粉末は、例えば約3.5〜100メッシュ(篩目開約5.6mm〜150μm)、好ましくは約20〜100メッシュ(篩目開約0.85mm〜150μm)の篩を用いて篩分されるサイズであることが好ましい。
パン類の製造工程
フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末は、パン類製造工程のいずれかの段階で、パン類材料に添加される。
通常は、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末をパン類原料に添加してパン生地を得、パン生地を発酵させ、さらに加熱調理することによりパン類が製造される。
具体的には、穀粉類を主原料とし、穀粉類以外の原材料を加え、さらにフノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末を加え、加水し、混捏してパン生地を調製すればよい。
パン生地は、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末に穀粉類とその他の原料を加えることにより調製してもよく、また、穀粉類に、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末を加え、その後にその他の原材料を加えることにより調製してもよい。また、穀粉類とその他の原材料の混合物に、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末を水でゾル化状とした溶液を加えてもよい。
調製したパン生地を発酵させ、成形して、加熱調理する。加熱調理方法は、パン類の種類によって異なり、焼く、蒸す、蒸し焼きにする、油で揚げるなどの方法が挙げられる。
フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末は、パン類製造工程のいずれかの段階で、パン類材料に添加される。
通常は、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末をパン類原料に添加してパン生地を得、パン生地を発酵させ、さらに加熱調理することによりパン類が製造される。
具体的には、穀粉類を主原料とし、穀粉類以外の原材料を加え、さらにフノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末を加え、加水し、混捏してパン生地を調製すればよい。
パン生地は、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末に穀粉類とその他の原料を加えることにより調製してもよく、また、穀粉類に、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末を加え、その後にその他の原材料を加えることにより調製してもよい。また、穀粉類とその他の原材料の混合物に、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末を水でゾル化状とした溶液を加えてもよい。
調製したパン生地を発酵させ、成形して、加熱調理する。加熱調理方法は、パン類の種類によって異なり、焼く、蒸す、蒸し焼きにする、油で揚げるなどの方法が挙げられる。
また、パン生地を発酵させた後、又は発酵させつつ、フノリ科に属する海藻をゾル化した後乾燥させた乾燥物又はその粉末をパン類材料に添加することもできる。本発明において、パン類材料には、加工を加えないパン類原料そのものの他、パン生地にしたものや、発酵させたものも含まれる。
本発明方法に使用される穀粉類としては、一般に製パン原料となり得る穀粉類であれば特に限定されず使用し得る。穀粉類としては、例えば、小麦粉(例えば、強力粉、薄力粉、準強力粉、中力粉等)、大麦粉、ライ麦粉、そば粉、とうもろこし粉、米粉、あわ粉、ひえ粉、又ははと麦粉等が挙げられる。中でも、小麦粉が好ましく、強力粉がより好ましい。穀粉類は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
穀粉類以外のパン類の原材料としては、イースト、イーストフード、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等)、水、化工澱粉、乳製品、食塩、卵製品、糖類、乳化剤、調味料(グルタミン酸ソーダ類や核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、アミノ酸、化学膨張剤、フレーバー等が挙げられる。
本発明方法に使用される穀粉類としては、一般に製パン原料となり得る穀粉類であれば特に限定されず使用し得る。穀粉類としては、例えば、小麦粉(例えば、強力粉、薄力粉、準強力粉、中力粉等)、大麦粉、ライ麦粉、そば粉、とうもろこし粉、米粉、あわ粉、ひえ粉、又ははと麦粉等が挙げられる。中でも、小麦粉が好ましく、強力粉がより好ましい。穀粉類は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
穀粉類以外のパン類の原材料としては、イースト、イーストフード、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等)、水、化工澱粉、乳製品、食塩、卵製品、糖類、乳化剤、調味料(グルタミン酸ソーダ類や核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、アミノ酸、化学膨張剤、フレーバー等が挙げられる。
本発明方法では、中種法によりパン類を製造することが好ましい。標準中種法の食パンの一般的な作製方法例として以下の方法が挙げられる。小麦粉の一部にイースト、イーストフード、水を混捏して中種生地とする。中種生地を所定の時間、温度、湿度で発酵させた後、残りの小麦粉、糖類、食塩、脱脂粉乳などの原材料とフノリ科に属する海藻の乾燥物と共に混捏して、ある程度生地が作製できた後にショートニング、マーガリン、バター等の油脂組成物を加え、さらに混捏して本捏生地を作製する。この本捏生地を所定の重量に分割した後、生地の形を整えて型に詰め、所定の時間、温度、湿度にて発酵を行なう。その後、焼成を行なうことで食パンが作製される。
フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物の使用量は、製パン原料の穀粉類100質量部に対して、乾燥重量換算で、約0.1〜4質量部が好ましく、約0.2〜2質量部がより好ましく、約0.5〜2質量部がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分に食感改善効果が得られ、かつ海藻臭が強くなり過ぎることがない。
フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物の使用量は、製パン原料の穀粉類100質量部に対して、乾燥重量換算で、約0.1〜4質量部が好ましく、約0.2〜2質量部がより好ましく、約0.5〜2質量部がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分に食感改善効果が得られ、かつ海藻臭が強くなり過ぎることがない。
フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物、好ましくは該乾燥物の粉末は、パン類原料に混合するだけで、パン類の良好な食感を保持できる。しかし、フノリ科に属する海藻をゾル化させることなく乾燥し、粉砕した海藻の乾燥物を同様に製パン原料に混合しても、また仕込み水に分散させた状態で製パン原料に用いても、このような本発明の効果は得られない。
本発明の製造方法により得られるパン類としては、食パン、ロールパン、菓子パン、ドーナツ、調理パン等が挙げられる。食パンとしては白食パン、フランスパン、バラエティーブレッド、イングリッシュマフィン等が挙げられ、ロールパンとしては、テーブルロール、バターロール、ドックロール(コッペパン)、スィートロール、バンズ等が挙げられ、菓子パンとしては、アンパン、クリームパン、ジャムパン、カレーパン等のフィリング類をパンに詰めたもの、レーズンパン、メロンパン、クロワッサン、デニッシュペストリー、ブリオッシュ等が挙げられ、ドーナツとしては、アンドーナツ、カレードーナツ等のイーストドーナツ等が挙げられ、調理パンとしては、ハンバーガー、ホットドック、ピザ等が挙げられる。中でも、本発明方法は、食パンの製造に適している。
本発明の製造方法により得られるパン類としては、食パン、ロールパン、菓子パン、ドーナツ、調理パン等が挙げられる。食パンとしては白食パン、フランスパン、バラエティーブレッド、イングリッシュマフィン等が挙げられ、ロールパンとしては、テーブルロール、バターロール、ドックロール(コッペパン)、スィートロール、バンズ等が挙げられ、菓子パンとしては、アンパン、クリームパン、ジャムパン、カレーパン等のフィリング類をパンに詰めたもの、レーズンパン、メロンパン、クロワッサン、デニッシュペストリー、ブリオッシュ等が挙げられ、ドーナツとしては、アンドーナツ、カレードーナツ等のイーストドーナツ等が挙げられ、調理パンとしては、ハンバーガー、ホットドック、ピザ等が挙げられる。中でも、本発明方法は、食パンの製造に適している。
実施例
以下、実施例及び比較例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に記載の%は、質量%を示す。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に記載の%は、質量%を示す。
[製造例1]ゾル化フノリ粉末の製造
乾燥フクロフノリ(長崎産、水分13.8%)1000gに、10%食塩水10Lを加え、1時間浸し膨潤させた。その後、ステンレス製ザルで水切りし、得られたフクロフノリをチョッパーで約6mmに裁断した。裁断したフクロフノリを新たに10%食塩水10Lで洗浄した後、ステンレス製ザルで水切りを行い5.5kgの裁断したフクロフノリを得た。得られた裁断したフクロフノリを90℃の熱水(15L)中に入れ、1時間加熱混合しながらゾル化させた後、マスコロイダー(型式:MKZA6−5;増幸産業社製)で細かく粉砕した。得られたゾル状の海藻入り溶液を80℃に保ちながらドラムドライヤー(型式:30型;カツラギ工業社製)を用いて、ドラム表面温度150℃で、回転数3.5rpmで乾燥した。得られた乾燥物を、超遠心粉砕機(型式:ZM100;レッチェ社製)で粉砕し、20メッシュ(JIS規格)で篩別し、フノリ粉末(製造例品1)900g(水分5.0%)を得た。
乾燥フクロフノリ(長崎産、水分13.8%)1000gに、10%食塩水10Lを加え、1時間浸し膨潤させた。その後、ステンレス製ザルで水切りし、得られたフクロフノリをチョッパーで約6mmに裁断した。裁断したフクロフノリを新たに10%食塩水10Lで洗浄した後、ステンレス製ザルで水切りを行い5.5kgの裁断したフクロフノリを得た。得られた裁断したフクロフノリを90℃の熱水(15L)中に入れ、1時間加熱混合しながらゾル化させた後、マスコロイダー(型式:MKZA6−5;増幸産業社製)で細かく粉砕した。得られたゾル状の海藻入り溶液を80℃に保ちながらドラムドライヤー(型式:30型;カツラギ工業社製)を用いて、ドラム表面温度150℃で、回転数3.5rpmで乾燥した。得られた乾燥物を、超遠心粉砕機(型式:ZM100;レッチェ社製)で粉砕し、20メッシュ(JIS規格)で篩別し、フノリ粉末(製造例品1)900g(水分5.0%)を得た。
[製造例2] フノリ粉末の製造
乾燥フクロフノリ(長崎産、水分13.8%)1000gを、ガス式棚型乾燥機(細山熱器社製)にて水分6〜10%程度となるまで乾燥し、超遠心粉砕機(型式:ZM100;レッチェ社製)で粉砕後、20メッシュ(JIS規格)で篩別しフノリの粉砕粉末(製造例品2)880g(水分7.0%)を得た。
乾燥フクロフノリ(長崎産、水分13.8%)1000gを、ガス式棚型乾燥機(細山熱器社製)にて水分6〜10%程度となるまで乾燥し、超遠心粉砕機(型式:ZM100;レッチェ社製)で粉砕後、20メッシュ(JIS規格)で篩別しフノリの粉砕粉末(製造例品2)880g(水分7.0%)を得た。
[実施例1]中種法による食パン製造
竪型ミキサー(型式:マイティ60:30Lボウル使用;愛工舎製作所社製)に、後掲の表1に示す20倍量の中種原材料を入れ、ボウルを氷水で冷やし生地の温度が24℃になるように調整しながら、低速3分間、中速1分間で混捏して中種生地とした。この生地を27℃、75%RHの発酵室にて、4時間放置(発酵)させた。次に、上記発酵させた中種生地およびショートニング以外の表1の20倍量の本捏原材料を竪型ミキサーに入れ、ボウルを氷水で冷やし生地温度を27℃に調整しながら、低速3分、中速2分、高速1分混捏後、表1の20倍量のショートニングを添加し、低速2分、高速4分混捏して本捏生地とした。
本捏生地を27℃の発酵室で20分間放置(フロアータイム)後、分割機(型式:DQE;オシキリ社製)を使用して250gに分割し、ラウンダー(型式:RQ;オシキリ社製)を使用し、生地の丸めを行なった。この生地を20分間室温(20℃)にて放置(ベンチタイム)後、モルダー(型式:WF;オシキリ社製)使用し、成形を行ない、容積6300mlの食パン型に250gの生地を6個型詰めした。
成形した生地を38℃ 80%RHの発酵室に入れ、パン生地が型の体積の85%に到達するまで発酵させた後、発酵室から取り出し、型に蓋をつけオーブン(型式:ニューコンポ;三幸機械社製)を使用し、上火200℃、下火210℃の条件下、35分間焼成しパンを作製した。
竪型ミキサー(型式:マイティ60:30Lボウル使用;愛工舎製作所社製)に、後掲の表1に示す20倍量の中種原材料を入れ、ボウルを氷水で冷やし生地の温度が24℃になるように調整しながら、低速3分間、中速1分間で混捏して中種生地とした。この生地を27℃、75%RHの発酵室にて、4時間放置(発酵)させた。次に、上記発酵させた中種生地およびショートニング以外の表1の20倍量の本捏原材料を竪型ミキサーに入れ、ボウルを氷水で冷やし生地温度を27℃に調整しながら、低速3分、中速2分、高速1分混捏後、表1の20倍量のショートニングを添加し、低速2分、高速4分混捏して本捏生地とした。
本捏生地を27℃の発酵室で20分間放置(フロアータイム)後、分割機(型式:DQE;オシキリ社製)を使用して250gに分割し、ラウンダー(型式:RQ;オシキリ社製)を使用し、生地の丸めを行なった。この生地を20分間室温(20℃)にて放置(ベンチタイム)後、モルダー(型式:WF;オシキリ社製)使用し、成形を行ない、容積6300mlの食パン型に250gの生地を6個型詰めした。
成形した生地を38℃ 80%RHの発酵室に入れ、パン生地が型の体積の85%に到達するまで発酵させた後、発酵室から取り出し、型に蓋をつけオーブン(型式:ニューコンポ;三幸機械社製)を使用し、上火200℃、下火210℃の条件下、35分間焼成しパンを作製した。
[比較例1] 中種法による食パン製造
製造例1で得られたフノリ粉末を、製造例2で得られたフノリの粉砕粉末に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ってパンを製造した。
1)強力粉:カメリア(日清製粉社製)
2)イースト:オリエンタルイースト(オリエンタル酵母工業社製)
3)イーストフード:C・オリエンタルフード(オリエンタル酵母工業社製)
4)ショートニング:スーパーアトランタ(豊年リーバ社製)
製造例1で得られたフノリ粉末を、製造例2で得られたフノリの粉砕粉末に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ってパンを製造した。
2)イースト:オリエンタルイースト(オリエンタル酵母工業社製)
3)イーストフード:C・オリエンタルフード(オリエンタル酵母工業社製)
4)ショートニング:スーパーアトランタ(豊年リーバ社製)
<評価方法・結果>
得られたパンを焼成後1時間常温に放置した後、ビニール袋に密閉し、20℃で3日間放置した後、厚さ20mmにスライスし、後掲の表2に示す評価基準に従い、保湿感、口溶け感、及びモチモチ感を評価した。
官能試験は、男性10人、女性10人の計20人のパネラーで行ない、結果は20名の評点の平均値として求め、後掲の表3の基準に従って記号化した。結果を表4に示す。
得られたパンを焼成後1時間常温に放置した後、ビニール袋に密閉し、20℃で3日間放置した後、厚さ20mmにスライスし、後掲の表2に示す評価基準に従い、保湿感、口溶け感、及びモチモチ感を評価した。
官能試験は、男性10人、女性10人の計20人のパネラーで行ない、結果は20名の評点の平均値として求め、後掲の表3の基準に従って記号化した。結果を表4に示す。
Claims (1)
- フノリ科に属する海藻をゾル化して乾燥させた乾燥物をパン類材料に添加することを特徴とするパン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007254004A JP2009082034A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | パン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007254004A JP2009082034A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | パン類の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009082034A true JP2009082034A (ja) | 2009-04-23 |
Family
ID=40656365
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JP2007254004A Withdrawn JP2009082034A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | パン類の製造方法 |
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JP (1) | JP2009082034A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101787002B1 (ko) * | 2015-10-30 | 2017-10-18 | 이재욱 | 빵 제조용 반죽의 제조방법 및 이로부터 제조된 반죽 |
KR102669994B1 (ko) | 2021-10-12 | 2024-05-29 | 권옥재 | 메밀을 이용한 피자 도우 및 이의 제조방법 |
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2007
- 2007-09-28 JP JP2007254004A patent/JP2009082034A/ja not_active Withdrawn
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KR101787002B1 (ko) * | 2015-10-30 | 2017-10-18 | 이재욱 | 빵 제조용 반죽의 제조방법 및 이로부터 제조된 반죽 |
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