JP2009079281A - 高強度高導電性二相銅合金 - Google Patents

高強度高導電性二相銅合金 Download PDF

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Abstract

【課題】強度と耐熱性に優れた高強度高導電性二相銅合金を提供する。
【解決手段】質量%でFeを4%以上10%以下含有し残部Cu及び不可避的不純物からなり、Cu母相と第二相とからなる二相銅合金であって、Feを主体とする析出物がCu母相に析出している。
【選択図】図1

Description

本発明は強度と導電性に優れ、例えば電子機器用のばね材に好適に適用できる高強度高導電性二相銅合金に関する。
コネクタ製品の高密度化,小型化が飛躍的に進んでいることから、コネクタ用材料には充分な接触圧を持ちつつ,曲げ半径が小さいこと、つまり強度と曲げ加工性の両立が要求されている。また,自動車に使用されるコネクタやCPUソケットに使用される端子は高温環境下にさらされることが多く,そのような環境下において接触圧が低下することは特に自動車用コネクタにおいて問題となる。
一般に、Cuに強化元素を添加して高強度化すると導電率が低下し、一方で導電率を上昇させるためCu純度を高めると低強度となる関係がある。そこで、Cu母相中に第二相を晶出させた合金系(複相合金)が開発された。この合金は、強加工することにより第二相がファイバ状に分散され、りん青銅と同等の強度を持ちつつ、母相はCuであるため、導電率が60%IACS(international annealed copper standard、焼鈍標準軟銅に対する電気伝導度の比)を超える高導電性材が得られている。この複相合金系としては、Cu-Cr、Cu-Agなどが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。又、Cu-Fe系合金も報告されている(特許文献4参照)。
特開平9-249925号公報 特開平06-279894号公報 特開平10-53824号公報 特開平11-213761号公報
しかしながら、従来のCu-Fe系複相合金の場合、Fe10-30%まで添加した例がほとんどであり、強度はFe濃度に比例して高くなる傾向が見られる。また、Cu-Ag系と比較するとCu-Fe系合金は第2元素(Fe)の濃度による効果が少なく,他の複相合金と比較して導電率が低い。これは,Fe濃度が高くなるにつれて溶解温度が高くなり,晶出相が粗大になるためである。このようなことから、Fe濃度が10%を超えても強度はほとんど向上せず効果が飽和する。
また、複相合金の圧延材においては、曲げ加工性や耐熱性が劣るという問題がある。特に、第二相を微細に分散させて強度を向上させることを目的として複相合金を強加工すると、曲げ加工性が低下する。
一方、強加工により低下した曲げ加工性を回復させるために歪取り焼鈍を行うと、第二相が分断されて(pinching-off)強度が低下し、耐熱性が劣化する。そして,従来の複相合金は耐熱性に劣るために歪取り焼鈍後に強度と曲げ加工性を両立することができなかった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、強度と耐熱性に優れた高強度高導電性二相銅合金の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、Cu-Fe系二相合金を採用し、さらに第二相の他にFeを主体とする析出物をCu母相に析出させることで、強度と耐熱性が向上することを見出した。強度が上昇する理由は、析出強化及びCu母相の強化によって第二相が延伸しやすくなるためであり、また,この析出物により異相界面での転位の移動が抑制されるため,熱処理の際に第二相の球状化が抑制され,耐熱性が向上すると考えられる。
耐熱性が向上すると,曲げ加工性の回復を目的として歪取り焼鈍を行った際に強度が低下せず、結果として強度と曲げ加工性を両立させることができる。
上記の目的を達成するために、本発明の高強度高導電性二相銅合金は、質量%でFeを4%以上10%以下含有し残部Cu及び不可避的不純物からなり、Cu母相と第二相とからなる二相銅合金であって、Feを主体とする析出物が前記Cu母相に析出している。
さらに、Ag及び/又はCrの合金中の合計濃度が質量%で0.1〜4%であり、かつAg及び/又はCrから主としてなる第2析出物が前記Cu母相に析出していることが好ましい。
さらに、質量%で0.01〜0.5%のMg及び/又は0.01〜0.1%のPが合金中に固溶しているか又は化合物(Mg-Pの化合物)として析出していることが好ましい。
さらに、質量%でSn及び/又はZnが合計0.01〜1.5%合金中に固溶していることが好ましい。
前記析出物及び/又は前記第2析出物の粒径が20〜100nmであり、圧延直角断面から見たときの前記第二相の厚みが1μm以下であることが好ましい。
圧延直角断面から見たとき、隣接する前記第二相の間隔が3μm以下であることが好ましい。
本発明の高強度高導電性二相銅合金において、歪取り焼鈍がされていると曲げ加工性に優れる。
本発明によれば、強度と耐熱性に優れた高強度高導電性二相銅合金が得られる。
以下、本発明に係る高強度高導電性二相銅合金の実施の形態について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
[Fe]
上記銅合金はFeを4%以上10%以下含有する。Feが4%以上含有されるとCu母相中に第二相として晶出し、いわゆる「複相合金」を構成する。Fe含有量が4%未満であると、第二相による複合強化の効果が少ない。Fe含有量が10%を超えても合金の特性(特に強度)はほとんど上昇せず効果が飽和する。
なお、Cu-Fe系複相合金は第二相となるFeが球状化しにくく、耐熱性の向上の点で有利であるものの、Feを10%以上添加しないと一般の銅合金程度の強度が得られないとされてきた。しかしながら、多量(15%程度)のFeを添加すると溶解温度が高くなり、冷却時間が長くなるためにFe晶出物が粗大となるという問題があり、Cu-Fe系合金は実際には製造が困難であるとされてきた。一方、溶解温度を低減するにはFe添加量を 4-6%程度に低減することが有効であるが、この場合には第二相による強度向上効果が不充分となる。
そこで本発明においては,第二相を晶出させるために添加したFeの一部をCu母相中に微細に析出(自己析出)させ、析出効果によって合金の強度向上に成功した。
[第二相]
第二相は、Cu及び他の化学成分を含む合金溶湯から鋳造時にこれらの元素が晶出したものであり、晶出の際、第二相にFeが多く分配される。Cu,Feは互いに固溶する元素であり,Cu母相中に晶出する第二相はCuとFeを含むが、X線による定性分析によれば、第二相中のFe濃度は約80%以上と考えられる。但し、これに限定されるものではない。
又、第二相は,Cu母相内に例えば針状に晶出するが,晶出形態はこれに限定されない。第二相は、最終工程終了後の圧延組織の断面を研磨した後、SEM(走査型電子顕微鏡)のBSE(反射電子)像により、母相と異なる組成として観察することができる。組織が観察しにくい場合は、エッチング又は電解研磨を行ってもよい。
[Feの自己析出]
本発明においては、合金中に添加したFeがCuと二相合金を形成するだけでなく、Feの一部がCu母相に析出し、合金を析出強化させる。又、このFe析出物は、歪取り焼鈍によって第二相が球状化するのをピン止め効果によって防止するため耐熱性が向上する。従って、歪取り焼鈍によって曲げ加工性が向上すると共に強度が低下せず、強度と曲げ加工性を両立することができる。
歪取り焼鈍は曲げ加工性の回復及びばね性の向上が目的であるため,条件は特に限定されず、必要に応じてその条件を変えてよいが、250〜500℃の範囲で行い、高温の場合は短時間で,低温の場合は長時間となるよう設定すればよい。例えば、250℃の場合、焼鈍時間を3〜15時間程度とすることができ、500℃の場合、焼鈍時間を5〜30秒程度とすることができる。
なお、Feが第二相として晶出した際に、Cu母相にもFeが所定濃度で固溶するが、その後に熱処理(時効処理)することにより、Cu母相中に分配されたFeが析出する。なお、二元系合金の状態図によれば、Cu中に固溶するFeの固溶限は、1094℃において、最大で約3.8%となるが、溶解鋳造時の冷却速度によってFeの晶出量及び析出量は変化する。本発明者らの検討によれば、実質的に4%以上のFe濃度で二相合金が形成されることを確認している。従って、本発明の二相合金を形成する際,最大で3.8%程度の濃度でFeが銅中に固溶しており,このうち一部のFeが熱処理(時効処理)によって析出することになる。
Feを主体とする上記析出物の粒径は20〜100nmであることが好ましい。析出物の粒径が20nm未満であると、その後の加工等によって析出物が母相内に再固溶し、100nmを超えると析出強化に寄与しない傾向にある。析出物は曲げ加工の際に破断の起点となる。
特に、本発明において、第二相を微細化して厚みt1を1μm以下にした場合、析出物の粒径をそれより1桁小さい100nm以下とすることが好ましい。
析出物の粒径は、例えば最終冷間圧延前の合金条を圧延方向に平行に厚み直角に切断し、断面の析出物を走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡により10視野程度観察して求めることができる。析出物の大きさが5〜50nmの場合は50万倍〜70万倍の倍率、100〜2000nmの場合は5〜10万倍で撮影を行うとよい。そして、撮影した写真の画像を画像解析装置(例えば、株式会社ニレコ製、商品名ルーゼックス)を用いて大きさ5nm以上の析出物のすべてについて個々に長径a、短径b,及び面積を測定し、それらの平均値から析出物の粒径を計算することができる。
析出のための熱処理(時効処理)は、その後に得られた合金の特性と組織観察結果により判断すればよく、例えば300℃〜600℃の温度で0.5〜100時間行うことができ、これにより析出物を微細化することができる。なお、この熱処理(時効処理)を冷間加工後に行うと,固溶した析出元素の拡散が促進され,析出し易くなるので望ましい。又、加工度が大きい時点で熱処理(時効処理)をすると、その後に冷間加工しても強度が向上し難いため,できるだけ低加工度における熱処理(時効処理)が望ましい。一方,加工前に熱処理(時効処理)をすると固溶した析出元素が析出しにくくなるが,15時間程度の長時間の熱処理(時効処理)を行えば微細に析出し,析出強化の効果が得られるので、加工前に熱処理(時効処理)をしてもよい。
[第2析出物]
本発明においては、合金中にAg及び/又はCrを合計濃度0.1〜4%で添加することにより、Ag及び/又はCrから主としてなる第2析出物がCu母相に析出し、合金を析出強化させる。なお、AgとCrはお互いに影響を及ぼすことが無く,AgとCrを複合添加するとより大きな効果が得られる。例えば、Cu-Fe系複相合金においては,Feの腐食が問題となる場合があるが、Crの添加によって耐食性が向上する。また,Agの銅母相への固溶は3%程度であり,このうち一部が熱処理(時効処理)によって析出するが,固溶しているAgは導電率の低下への影響がほとんど無く,Feの延伸を容易にする効果が認められる。
なお、第2析出物も上記したFe析出物と同様、歪取り焼鈍によって第二相が球状化するのをピン止め効果によって防止し、耐熱性を向上させる。従って、析出物の種類(Fe,Ag,Cr)によらず、ピン止め効果が生じればよい。
Agの添加濃度を0.1%以上3%以下とすることが好ましい。ここで、Agを3%以下添加した場合、Agは晶出せずに銅母相中に固溶するが、その後の熱処理(時効処理)で析出物として析出する。Agの添加量が0.1%未満であると、充分な析出強化が生じない。
Crの添加濃度を0.1%以上1.0%以下とすることが好ましい。Crの添加量が0.1%未満であると、充分な析出強化が生じず、Crの添加量が1.0%を超えると溶解温度が高くなり,Crの溶解が困難となる。
なお、第2析出物の好ましい粒径、及び第2析出物を析出させるための熱処理(時効処理)条件は、上記したFe析出物の場合と同様である。
ところで、複相合金は,複合則を利用し、又は異相界面の面積を増加させることで強化する合金であり、異相界面の面積を増加することによる効果が大きい。このため、i)第二相が合金中に数多く分散している(同じ体積分率なら微細に分散している)ほど、ii)第二相が引き伸ばされやすいほど、iii)加工度が大きくなるほど、高強度化される。これらの理由から,第二相の形状及び大きさを制御するとより高い強度が得られる。
上記i)については,後述するMgを合金中に添加することにより、溶解鋳造時の晶出物を微細化することで実現できる。本発明者らは、溶解鋳造時のデンドライトアームスペースが1μm以下となることを観察している。ii)については,第二相が延伸し易くなるよう、Fe以外の添加元素の組成を選定することで実現できる。具体的には、Crを添加した場合、Crが銅母相へ固溶し,固溶強化によりFe相の延伸を容易にする。又、Crは熱処理(時効処理)によって析出するが,析出によって強化された銅母相によってもFe相の延伸が容易になる.また,Agは銅母相への固溶量が3%程度であり,Crと同様にCu母相を固溶強化してFe相の延伸を容易にする。また,SnやZnは銅母相への固溶強化によってFe相を延伸し易くする。Mgは銅母相へ固溶してFe相を延伸し易くするとともに,Fe相を微細化する効果がある。Pは,銅母相へ固溶してFe相を延伸し易くするとともに,Fe析出物を微細化する効果がある。iii)については,従来の複相合金と同様、加工度を大きくすればよい。
以上のことから、Cu母相に所定の元素を固溶又は析出させることによっても、強度と耐熱性が向上する。耐熱性が向上する理由は、Cu母相に所定の元素が固溶することにより、銅母相の再結晶温度が高くなるためと考えられる。又、Cu母相に元素を固溶又は析出させることにより、Cu母相が強化されてFe相が延伸しやすくなり、Fe相とCu母相の異相界面の界面積が大きくなり、複合則により合金強度が向上する。特にMgを添加した場合に強度の向上効果が大きい。
[Mg,P]
0.01〜0.5%のMg及び/又は0.01〜0.1%のPを合金中に添加すると、これらの元素が主にCu母相に固溶し、第二相を微細化する。
MgはFe晶出物(第二相)を微細化し合金強度を向上させる。Mgの添加濃度を0.01〜0.5%とする。Mgの添加濃度が0.01%未満であると、Fe第二相を微細化する効果が得られず、0.5%を超えるとMgがCu母相へ固溶し難くなって酸化物(MgOなど)として晶出する。なお、Mgの添加濃度が0.3%を超えると粗大な粒子(酸化物、ノロ)が発生するので、好ましくは0.3%以下とする。
Pは、合金溶湯中でCu母相に固溶し、Fe析出物を微細化する。又、溶製後に熱処理(時効処理)をしない限り、Pは合金中に固溶したままであるが、本発明においてはFeを析出させるため熱処理(時効処理)するので,Pの一部はFe-P系析出物として合金中に析出する。しかしながら,結果としてFe-P系析出物が析出するものの、大部分のPはFe析出物の微細化効果に寄与すると考えられる。なお、Mgの一部もMg-Pとして析出する場合がある。
Pの添加濃度を0.01〜0.1%とする。Pの添加濃度が0.01%未満であると、Fe析出物を微細化する効果が得られず、0.1%を超えると熱間割れの問題を引き起こす。
なお、MgとPを複合添加した場合、Mg-P系化合物がCu母相に析出し、その析出物の粒径は上記したように20〜100nmの範囲にある。
[Sn,Zn]
さらに、本発明の合金に、Sn及び/又はZnを合計で0.01%以上1.5%以下含有することが好ましい。上記元素はCu母相内に主に固溶し、銅合金を固溶強化させ、又、銅合金の再結晶温度を上昇させるので、耐熱性(半軟化温度)が向上する。
添加元素の合計濃度が0.01%未満の場合、固溶強化が充分でなく、1.5%を超えると導電率が低下すると共に曲げ加工性も劣化する。なお、40%IACS以上の導電率を得るためには、添加元素の合計濃度を1.0%以上とすることが好ましい。
合金中の析出物(第2析出物)の含有割合(濃度)は、例えば得られた材料の表面又は断面をオージェ電子分光分析法(AES:Auger Electron Spectroscopy)により分析し、元素定量を行うことで求めることができる。この場合、予め、各元素の純物質に対して検量線を作成しておき、定量を行えばよい。なお、同一供試材においても析出物の含有割合には、ばらつきがある。そこで、例えば1つの合金試料において50点(50の晶出物)に対し析出物の含有割合を測定し,その最大値を析出物の含有割合とすることができる。
又、析出元素の合金中の濃度を例えば湿式法で測定することもできる。
二種以上の析出物を含有している場合は、それらの合計量を含有割合とする。
上記析出物は主としてCu母相に析出するが、析出せずに合金中に固溶しているものもあるため、合金中の濃度で規定している。
合金中の固溶元素の含有割合の測定方法は、上述した析出元素の含有割合の測定方法と同様とすることができる。
上記銅合金中の不可避的不純物の含有量は、JISに規格する無酸素銅と同一であるのが好ましい。例えば、JIS H 2123に規格する無酸素形銅C1011における、不純物の含有量と同等にすることができる。
これらの不純物としては、Gd,Y,Yb,Nd,In,Pd,Teを挙げることができる。
次に、第二相の形態について説明する。図1は、本発明の合金の圧延材組織を模式的に示したものである。この図において、圧延材組織は、Cu母相2のマトリクス中に第二相4が分散されている。そして、「板幅方向を「圧延直角方向T」とし、板の長手方向を「圧延平行方向L」とする。本発明においては、好ましくは第二相は圧延平行方向の長さが厚みtの10倍以上であり、例えばリボン状(舌片状)の形態を示す。
[第二相の厚み]
図1において、圧延直角断面から見たとき、第二相の厚み(圧延方向の第二相長さに相当)t1とし、隣接する第二相の間隔(圧延方向の距離)をdとする。圧延直角断面とは、圧延直角方向Tに沿い圧延表面に垂直な面で圧延材を切断した時の断面をいう。圧延平行方向は、例えば圧延表面に形成された圧延ロールの目を圧延平行方向と定めればよい。
第二相の厚みt1が小さくなるほど、強度が高くなる。又、dは、圧延加工度を高くすることで小さくすることができる。本発明の合金の場合、t1を3μm以下とすることで、より高い強度が得られ、t1を1μm以下とするとさらに好ましい。t1が1μm以下であれば、析出物の粒径に近い大きさとなるため、転位障害による析出強化機構がより発揮され易いからである。
t1を小さくすると、強度が向上する理由についてさらに説明する。複相合金は複合則を利用した強化機構であり,通常、複合則では材料の強度(σ:応力)は、第一相及び第二相の体積分率(それぞれV1,V2)に依存するが(σ=V1σ1+V2σ2)、第二相の体積分率よりはむしろ分散した第二相間の距離の方が強度への寄与が大きい。つまり、第二相同士の間隔が加工によって狭まること、つまりCu母相と第二相の異相界面の面積を増大させること、すなわち、Cu母相厚みが薄くなることが最も高強度化につながる。
そして、第二相同士の間隔を狭めるためには、個々の第二相が微細となり、その厚みも小さくなっていることが必要である。すなわち、複相合金を強化するためには,第二相の初期晶出物を微細とさせ、さらにその後の加工により第二相を変形させて厚みを小さくして互いに近接させることが重要である。
[隣接する第二相の間隔]
又、上記したように、圧延直角断面から見て、隣接する第二相の間隔dが小さいほど高強度が得られるため、dを3μm以下とすることが好ましい。厚さt1が減少するのと同様の理由により、強度は界面積に依存する。すなわち,組織写真上の第二相の積層方向(圧延による圧下がかかる方向)に垂直に線を引いた際、この線を通過する母相と第二相(リボン状組織)の界面の数に強度が依存する。そして、加工した際に第二相がすべて剪断されるだけの強度がこの材料の強度を示し、上記界面の数が多いほど強度が高くなると考えられる。
dを1μm以下とするとさらに好ましい。これは、後述するように析出物の粒径を20〜100nmとすると、dが1μm以下であれば、析出物の粒径に近い大きさとなるため、転位障害による析出強化機構がより発揮され易いからである。
[t1及びdを制御する方法]
tを1μm以下に制御する方法としては,例えば冷間圧延の加工度が90%以上になるよう、低加工度で熱処理を実施することが挙げられる。例えば、後述の実施例では,30%の冷間加工後に500℃の熱処理をし,その後99.7%の冷間圧延を実施している。
又、第二相となる晶出物を微細化するよう、溶解鋳造時の冷却速度を調整することによってt1を制御することもできる。例えば、凝固の際に発生する熱量を鋳型の熱容量が上回るように調整することが望ましく,好ましくは鋳型の熱容量が大きいほど良い。又、鋳型の冷却速度が速ければ速いほど,晶出物は微細になり、従来強加工によってしか得られなかったのと同様な微細組織を溶解鋳造で得ることが容易となる。従って、その後の加工と熱処理とを組み合わせることによって,t1及びdを制御可能である。
なお、上記のように制御することにより、第二相の圧延平行方向の長さを厚みtの10倍以上にすることができる。
以上のようにして、第二相の間隔dを3μm以下とし、微細な析出物を母相に析出させることで、0.2%耐力が700MPa以上の銅合金が得られる。
[製造]
電気銅又は無酸素銅を主原料とし、上記化学成分その他を添加した組成を溶解炉にて溶解し、インゴットを作製する。インゴットを例えば均質化焼鈍、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延、焼鈍(歪取り焼鈍)を順次行うことで、圧延材が得られる。冷間圧延は、例えば加工度η=3.5以上で行うことが好ましい。但し、製造方法は上記に限定されない。
又、析出物を析出させるための熱処理(時効処理)を行った後、圧延し、さらに歪取り焼鈍を行う。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。
本発明の銅合金は、ばね用材料(条)、箔等の種々の形態とすることができる。例えば、本発明の銅合金をばね材用の条とした場合、コネクタ等の電子機器に適用可能である。コネクタとしては、公知のあらゆる形態、構造のものに適用できるが、通常はオス(ジャック、プラグ)とメス(ソケット、レセプタクル)からなっている。端子は、例えば串状の多数のピンが並設され、他のコネクタと嵌合した際に端子同士が電気的に接触するよう、適宜折り曲げられてバネのようになっていることがある。そして、通常、コネクタの端子が上記電子機器用銅合金で構成されている。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.試料の作製
電気銅に表1、表2に示す組成の元素をそれぞれ添加して真空溶解してインゴットを鋳造し、これを800℃の温度で3時間の条件で均質化焼鈍し、950℃で溶体化処理後、熱間圧延を施した。さらに面削して冷間圧延を行い、析出物による析出強化を目的として500℃の焼鈍を行い、仕上げ冷間圧延を行い、板厚0.1mmのばね材用試料を作製した。冷間圧延の間に時効処理(500℃で15時間)を施した。冷間圧延の総圧延加工度を99.7%とした。最後に500℃で15秒の歪取り焼鈍を行った。
又、第二相の形態(厚みt1、d)は、試料の断面SEMのBSE像から求めた。析出物の粒径は、最終冷間圧延前の合金条を圧延方向に平行に厚み直角に切断し、断面の析出物を走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡により10視野観察して求めた。析出物の大きさが5〜50nmの場合は50万倍〜70万倍の倍率、100〜2000nmの場合は5〜10万倍で撮影を行った。そして、撮影した写真の画像を画像解析装置(株式会社ニレコ製、商品名ルーゼックス)を用い、大きさ5nm以上の析出物のすべてについて個々に長径a、短径b,及び面積を測定し、それらの平均値から析出物の粒径を計算した。
<試料の評価>
(1)強度の評価
JIS-Z2241に従い、試料の引張強度を測定し、0.2%耐力(YS:yielding strength)を求めた。試料はJISに従って作製した。
(2)導電性の評価
四端子法にて、試料の導電率を求めた。単位の%IACS(international annealed copper standard)は、焼鈍標準軟銅に対する電気伝導度の比である。ただし、合金に上記添加元素(Sn等)を含む場合,導電率が低下するので、添加元素を含まない場合は50%IACS以上,添加元素を含む場合は45%IACS以上であれば、導電性が良好であると評価した。
(3)曲げ加工性の評価
日本伸銅協会技術標準(JBMA T307)に従ってW曲げ試験を行った。圧延直角方向に延びる10mm幅の試料(t:試料厚さ)について最小曲げ半径(MBR)を求めた。そして、以下の基準で各実験例及び比較例の試料を評価した。
○:MBR/tの値が基準例の値より小さいもの
△:MBR/tの値が基準例の値より大きいもの
×:MBR/tの値が基準例の値よりかなり大きいもの
基準例のMBR/tは1程度である。
得られた結果を表1〜表4に示す。
Figure 2009079281
Figure 2009079281
Figure 2009079281
Figure 2009079281
なお、表1〜4の析出物の粒径は、Fe,Ag,Cr等の析出物の組成を区別せず、観察されたすべての粒子の平均値を求めた。
表1〜表3から明らかなように、各実施例の場合、0.2%耐力が700MPa以上に向上すると共に、曲げ加工性に優れ、導電率も40%IACSであった。
一方、熱処理(時効処理)を行わなかった比較例1の場合、析出物が析出せず、強度が低下した。
Feの含有量が4%未満である比較例2,4の場合、二相合金が得られず、強度が低下した。
Feの含有量が10%を超えた比較例3,5の場合、第二相が粗大化し(厚さ5μm以上)、強度が低下した。
Mgの含有量が0.5%を超えた比較例6の場合、酸化物が大量に発生して100nmを超える粗大粒が析出し、曲げ加工性が低下した。
Crの含有量が1.0%を超えた比較例7の場合、固溶しないCrが合金中に残って100nmを超える粗大粒が析出し、曲げ加工性が低下した。
Sn又はZnの含有量がそれぞれ1.5%を超えた比較例8、9の場合、いずれも導電率が著しく低下した。
総加工度を低く(70%)した比較例10の場合、第二相が微細化せず、強度が低下した。
熱処理(時効処理)温度を低く(200℃)した比較例11の場合、析出物が20nm未満となり、析出物が加工中に固溶したために導電率が低下した。
熱処理(時効処理)温度を高く(700℃)した比較例12の場合、析出物が100nmを超えて粗大化し、強度が低下した。
実施例1、15、32、比較例1については表4に示すように、歪取り焼鈍前後の評価を行った。表4から明らかなように、実施例1、15、32の場合、歪取り焼鈍によって曲げ加工性が向上すると共に、歪取り焼鈍前の強度の低下が少なかった。一方、比較例1の場合、歪取り焼鈍によって曲げ加工性が向上したが強度が大幅に低下した。これは、析出物が存在しないために、歪取り焼鈍によって第二相が球状化したためと考えられる。
本発明の合金の圧延材組織を模式的に示した図である。
符号の説明
2 Cu母材
4 第二相

Claims (7)

  1. 質量%でFeを4%以上10%以下含有し残部Cu及び不可避的不純物からなり、Cu母相と第二相とからなる二相銅合金であって、Feを主体とする析出物が前記Cu母相に析出している高強度高導電性二相銅合金。
  2. さらに、Ag及び/又はCrの合金中の合計濃度が質量%で0.1〜4%であり、かつAg及び/又はCrから主としてなる第2析出物が前記Cu母相に析出している請求項1に記載の高強度高導電性二相銅合金。
  3. さらに、質量%で0.01〜0.5%のMg及び/又は0.01〜0.1%のPが合金中に固溶しているか又は析出している請求項1又は2に記載の高強度高導電性二相銅合金。
  4. さらに、質量%でSn及び/又はZnが合計0.01〜1.5%合金中に固溶している請求項1〜3のいずれかに記載の高強度高導電性二相銅合金。
  5. 前記析出物及び/又は前記第2析出物の粒径が20〜100nmであり、圧延直角断面から見たときの前記第二相の厚みが1μm以下である請求項2に記載の高強度高導電性二相銅合金。
  6. 圧延直角断面から見たとき、隣接する前記第二相の間隔が3μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の高強度高導電性二相銅合金。
  7. 歪取り焼鈍がされている請求項1〜6のいずれかに記載の曲げ加工性に優れた高強度高導電性二相銅合金。
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