JP2009078470A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形素材に存する部分的な欠陥を光学有効径外に位置させる。
【解決手段】この光学素子の成形方法は、部分的な欠陥を有するプリフォーム38を上型23及び下型24間に配置し加熱加圧して光学素子39を成形するものであり、プリフォーム38を加圧して変形させ、欠陥138が成形後の光学素子39の光学有効径D1,D2外に位置するように、上型23及び下型24間にプリフォーム38を配置する工程を有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ガラス製又は樹脂製からなるレンズやプリズム等の光学素子の成形方法に関する。
一般に、光学素子の成形において、成形素材をそのガラス転移点以上に加熱加圧してから冷却して成形品を得る場合、複屈折や残留応力の全くない成形品を得ることは難しい。この複屈折や残留応力が、成形された光学素子の有効径内に含まれると、屈折率が変化するなど光学性能に影響を与える。
例えば、樹脂の射出成形品の場合、そのゲート部近傍は射出圧力の掛かり方が他の部分とは異なり、圧力差が残留応力として残り易い。そして、この部分には内部歪が現れ、屈折率が他とは異なってくる。
これを解消すべく、例えば特許文献1には、樹脂の射出成形品をプリフォームとして再加熱し光学素子を成形する際に、加熱温度をその荷重たわみ温度以上でかつそのガラス転移点未満にして成形することで、内部応力を発生させないようにした技術が開示されている。
特開平5−177725号公報
しかしながら、特許文献1では、射出成形品に元々存在する部分的な内部歪等の欠陥を除去することは困難である。なぜなら、樹脂製の射出成形品をプリフォームとして圧縮成形により再成形する場合、ガラス転移点未満の温度では、成形により再加熱し、変形させた後も、樹脂の分子配向や密度を完全に均一にすることは難しく、すなわち、内部歪等を完全に除去することは難しいためである。
このため、プリフォームに元々存在する内部歪等の欠陥が、成形後の光学素子の光学有効径内に含まれると、光学性能に影響を与えてしまう。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、成形素材に存する部分的な欠陥を光学有効径外に位置させるようにした光学素子の成形方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
部分的な欠陥を有する成形素材を成形型間に配置し加熱加圧して光学素子を成形する光学素子の成形方法において、
前記成形素材を加圧して変形させ、前記欠陥が成形後の前記光学素子の光学有効径外に位置するように、前記成形型間に前記成形素材を配置する工程を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光学素子の成形方法において、
前記成形素材は、少なくとも前記光学有効径を含む部分の体積及び前記欠陥を含む部分の体積を加えた体積を有することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の光学素子の成形方法において、
前記成形素材を前記成形型間に配置した際に前記光学有効径よりも内側に位置していた前記欠陥が、成形後に前記光学有効径外に押し出されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子の成形方法において、
前記成形素材は、少なくとも一方の光学機能面側に形成された球面部と、該球面部の外周に連続して形成された平面部とを備え、前記平面部に前記欠陥を有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子の成形方法において、
前記欠陥が、キズ、カケ、付着物などの表面欠陥、又は、泡、内部応力、内部歪、複屈折などの内部欠陥であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子の成形方法において、
前記成形素材は、樹脂材料からなる射出成形品であり、前記欠陥が、ゲートカット部及びその近傍に存在する泡、内部応力、内部歪、複屈折などの内部欠陥であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の光学素子の成形方法において、
前記成形素材を配置する工程は、
前記成形素材を前記成形型とは別体の載置皿にランダムに載置する工程と、
該載置された前記成形素材を特定方向に位置合わせする工程と、
該位置合わせされた前記成形素材をその位置関係を保持したまま前記載置皿から取り出して前記成形型間に配置する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、部分的な欠陥を有する成形素材を成形型間に位置決め配置することで、成形後には前記欠陥を光学有効径外に位置するようにし、光学有効径内には欠陥のない所望の光学性能を有する光学素子を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[成形装置の構成]
図1は、本実施形態に係る光学素子の成形装置の全体構成を示す図である。
この成形装置10は、成形室12内に収容された加熱工程部14、成形工程部16、徐冷却工程部18、及び急冷却工程部20を備えている。
加熱工程部14は、上下に対向配置された一対の上ヒータブロック30及び下ヒータブロック30と、上ヒータブロック30を上下方向に加圧する加圧手段としての加圧部材(シリンダロッド)32と、を備えている。上ヒータブロック30及び下ヒータブロック30には、それぞれ通電により加熱される加熱手段としてのヒータ33、33が内蔵されている。
上ヒータブロック30には、断熱板34、冷却板36、及び加圧部材32が一体的に連結されている。同様に、下ヒータブロック30にも、断熱板34、冷却板36が一体的に連結されている。冷却板36、36には、上ヒータブロック30及び下ヒータブロック30を冷却可能に、冷却水を流す水管が配設されている。成形開始時には、入口シャッタ11が開いて下ヒータブロック30には、後述する型セット22が搬入載置されるようになっている。また、成形終了時には、出口シャッタ13が開いて型セット22が搬出されるようになっている。
加熱工程部14では、加圧部材32を加圧して、上ヒータブロック30を下ヒータブロック30との対向方向(以下、「上下方向」という)に移動させることにより、型セット22の挟持、解放の動作が行われる。そして、ヒータ33、33に通電された後に、上ヒータブロック30及び下ヒータブロック30間に型セット22が載置されて挟持される。
こうして、挟持された型セット22には、上ヒータブロック30及び下ヒータブロック30からの熱が伝達されて加熱される。これにより、型セット22に収容された成形素材としてのプリフォーム38(図2参照)が所定温度に加熱される。
成形工程部16は、上下に対向配置された一対の上ヒータブロック40及び下ヒータブロック40と、上ヒータブロック40を上下方向に加圧する加圧部材42と、を備えている。上ヒータブロック40及び下ヒータブロック40には、前述と同様にヒータ43、43が内蔵されている。
この成形工程部16では、上ヒータブロック40と下ヒータブロック40との間に、加熱工程部14で加熱された後の型セット22が搬入される。そして、この成形工程部16において、加圧部材42を介して上ヒータブロック40を加圧して、型セット22の挟持、押圧、解放等の動作が行われる。これにより、型セット22内のプリフォーム38が所定形状に成形される。
上ヒータブロック40には、断熱板44、冷却板46、及び加圧部材42が一体的に連結されている。同様に、下ヒータブロック40には、断熱板44、冷却板46が一体的に連結されている。冷却板46、46には、上ヒータブロック40及び下ヒータブロック40を冷却可能に、冷却水を流す水管が配設されている。
徐冷却工程部18は、上下に対向配置された一対の上ヒータブロック50及び下ヒータブロック50と、上ヒータブロック50を上下方向に加圧する加圧部材52と、を備えている。上ヒータブロック50及び下ヒータブロック50には、前記と同様に、ヒータ53、53が内蔵されている。上ヒータブロック50と下ヒータブロック50の間には、成形工程部16で成型された後の型セット22が搬入される。
また、上ヒータブロック50には、断熱板54、冷却板56、及び加圧部材52が一体的に連結されている。同様に、下ヒータブロック50には、断熱板54、冷却板56が一体的に連結されている。冷却板56、56には、上ヒータブロック50及び下ヒータブロック50を冷却可能に、冷却水を流す水管が配設されている。
この徐冷却工程部18において、加圧部材52を介して上ヒータブロック50が上下移動することにより、型セット22の挟持、解放の動作が行われる。そして、上ヒータブロック50及び下ヒータブロック50間に型セット22が挟持されると、型セット22は冷却板56、56から熱を奪われる。これに伴い、内部の光学素子39(図4参照)は所定温度に冷却される。
急冷却工程部20は、上下に対向配置された一対の上ブロック60及び下ブロック60と、上ブロック60を上下方向に加圧する加圧部材62と、を備えている。上ブロック60と下ブロック60の間には、冷却工程部18で冷却された後の型セット22が搬入される。
また、上ブロック60、および下ブロック60には、上ブロック60及び下ブロック50を冷却可能に、冷却水を流す水管が配設されている。
この急冷却工程部20において、加圧部材62を介して上ブロック60が上下移動することにより、型セット22の挟持、解放の動作が行われる。そして、上ブロック60及び下ブロック60間に型セット22が挟持されると、型セット22は上ブロック60、および下ブロック60から熱を奪われる。これにより、型セット22は、成形室12から取り出し可能な所定温度に冷却される。
なお、本実施形態では、加熱工程部14、成形工程部16、徐冷却工程部18、及び急冷却工程部20を備えた連続工程による成形を例として説明したが、これに限らず、一工程で光学素子を成形する一発成形であってもよい。
[型セットの構成]
次に、図2は、型セット22の全体構成を示している。
同図に示すように、型セット22は、鍔付き円筒状の上型23及び下型24と、円筒状のスリーブ25とを有している。上型23及び下型24は、スリーブ25の内部で、夫々の凹状の成形面23a,24aが対向するようにスリーブ25の両端側から嵌挿されている。上型23は、スリーブ25の軸方向に摺動可能となっている。上型23の成形面23aと下型24の成形面24aとの間には、成形素材としてのプリフォーム38が配置されている。
なお、上型23、下型24、及びスリーブ25は、例えばタングステンカーバイド(WC)等の超硬合金を研削、研磨して製作されている。また、プリフォーム38は、例えば球形状のガラス素材又は樹脂素材が用いられている。なお、説明の便宜上、ガラス素材のプリフォームも樹脂素材のプリフォームも「プリフォーム38」として説明する。
また、以下の図面では、便宜上、スリーブ25の図示を省略するとともに、上型23及び下型24は鍔のないものについて説明する。
成形装置10によるプリフォーム38の成形時には、加熱工程部14、成形工程部16、及び徐冷却工程部18における全ての上下ヒータブロック30、40、50のヒータ33、43、53に通電される。これにより、夫々の上下ヒータブロック30、40、50は、夫々の工程に応じて予め設定された温度に加熱される。この加熱後、加圧部材32、42、52が、夫々の工程で設定された距離(寸法)だけ加圧方向に移動される。
[第1の実施の形態]
図3及び図4に基づき、第1の実施の形態の光学素子の成形方法を説明する。図3は、プリフォーム38を上型23及び下型24間にセットした状態を示し、図4は、プリフォーム38を成形完了した後の状態を示している。
本実施の形態では、ガラスのプリフォーム38を用いて光学素子としての両凸レンズ39を成形するものである。このガラスのプリフォーム38は、表面に部分的な欠陥138を有する。そして、この欠陥138が、成形後の欠陥139として両凸レンズ39の光学有効径D1,D2外に位置するように、プリフォーム38を上型23及び下型24間に配置する。
具体的には、欠陥138が下型24の成形面24aの外周側に位置するように位置決めして配置する。なお、両凸レンズ39の光学有効径D1,D2は略等しい場合を例示している。
図3では、プリフォーム38を上型23及び下型24間に配置した際は、プリフォーム38の部分的な欠陥138が光学有効径D1,D2内に存在している。これを成形すると、図4に示すように、成形後の欠陥139が光学有効径D1,D2外に押し出されたコバ付の両凸レンズ39が得られる。
このように、プリフォーム38の成形型へのセット時には欠陥138が光学有効径D1,D2内にあったとしても、成形された結果、光学素子39の欠陥139が光学有効径D1,D2外にあるのであれば問題ないとの考え方である。
本実施形態では、プリフォーム38の部分的な欠陥138が、成形に伴いプリフォーム38が加熱加圧されることで変形(流動)して光学有効径D1,D2外に押し出されるような位置にプリフォーム38を位置決めして下型24の成形面24a上に載置する。例えば、部分的な欠陥138がプリフォーム38の表面に存在する場合は、その欠陥138が下型24の軸中心Oからできるだけ離れた位置にセットする。
なお、欠陥138とは、プリフォーム38のキズ、欠け、付着物等の表面欠陥、又は泡、応力、内部歪等の内部欠陥をいう。内部歪の場合は、光学性能的に問題のある欠陥であり、例えば平行ニコル法で検査することが可能である。
図5(a)〜(d)には、部分的な欠陥138を有するガラスのプリフォーム38の種類を示している。
図5(a)は、球状のプリフォーム38であり外周面に部分的な欠陥138が存在している場合を示している。また、図5(b)は、プリフォーム38がコバなしで光学機能面側に両凸部(球面状)64,64を有し、外周面に部分的な欠陥138が存在している場合を示している。さらに、図5(c)は、プリフォーム38がコバ部65と光学機能面側に両凸部(球面状)66,66を有し、コバ部65の外周面に部分的な欠陥138が存在している場合を示している。また、図5(d)は、円柱状のプリフォーム38の一方の面に球面状の凹部65を有し、かつ円柱面に部分的な欠陥138がある場合を示している。
ガラスのプリフォーム38の表面に部分的な欠陥138があるか否かは、目視で外観検査する。そして、特に一番大きな欠陥138を見つける。この場合、部分的な欠陥138が複数あってもそれらが球状のプリフォーム38の略同一円周上にあればよい。複数の部分的な欠陥138の夫々を、下型24の軸中心Oからできるだけ離れた位置にセットすればよい。なお、プリフォーム38が球形状の場合は安定して下型24の成形面24a上に載置するのが困難な場合もあるが、このような場合は、一時的に補助具を用いる等の工夫も必要となる。
図6(a)は、ガラスのプリフォーム38の形状を示す図、(b)は、成形された光学素子の形状を示す図、(c)は、光学素子39の分解図を示す図である。
なお、当然のことながら、成形前のガラスのプリフォーム38の体積は、成形後の光学素子39の体積に等しい。
すなわち、成形された光学素子39は、光学有効径D1,D2を包含する部分39の体積と、余裕部分39,39’の体積と、欠陥部分39、39’の体積と、を含んでいる。
具体的には、成形された光学素子39の体積は221mmであり、成形素子39の光学有効径を包含する部分39の体積は120mmである。このため、欠陥部分39、39’の体積と余裕部分39,39’の体積の合計は、101mmとなる。
よって、前述したように、プリフォーム38に部分的な欠陥138があったとしても、成形後の光学素子39の欠陥139が光学有効径D1,D2外にあれば問題ない。また、余裕部分39,39’の体積が大きいほど、大きい欠陥138であっても、あるいは、位置決め配置に誤差が生じた場合であっても、救うことができる。
次に、成形条件について説明する。
成形の際には、下型24の成形面24aにプリフォーム38を載置する。この際、プリフォーム38にある部分的な欠陥138が下型24の軸中心Oからできるだけ離れた位置(金型の外周位置)にくるように位置決めする。
この状態で、成形装置10内にプリフォーム38を収容した型セット22を搬入する。以後、不図示の制御盤の制御により、型セット22が搬出されるまで、全て自動で前述した各工程部14,16、18、20における成形作業が行われる。
具体的には、使用したガラスの球状のプリフォーム38は、直径φが7.5mmで、ガラス転移点Tgは506℃である。また、成形される光学素子39は、中心肉厚が2.5mm、光学有効径φが8.5mm、外径φが12mmの両凸レンズである。
加熱工程部14では、上ヒータブロック30及び下ヒータブロック30をTg+20℃に加熱する。この加熱により、プリフォーム38は所定粘度に軟化する。
成形工程部16では、Tg+20℃に加熱されたプリフォーム38を、所望の中心肉厚まで押圧変形させる。
徐冷却工程部18では、プリフォーム38を転移点以下のTg−20℃まで冷却する。ここでは、必要に応じて所定の荷重も付加する。ここでの冷却により、所定形状に成形されたプリフォーム38が固化する。
急冷却工程部20では、プリフォーム38を取り出し可能な200℃にまで冷却する。
最後に、光学素子39を含む型セット22を成形室12から搬出する。
こうして得られた光学素子39は、元々の欠陥138に相当する欠陥139が光学素子39の光学有効径外に押し出されたもので、光学性能上の問題は存在しない。さらに、成形後の欠陥139を含む部分は、成形後は例えば鏡枠への取付け基準面として使うことができる。
本実施形態によれば、研磨が難しく部分的な欠陥138を有するガラス素材(難加工硝材)に関して、歩留まりが悪いこともあるが、プリフォーム38を下型24にセットするときに、部分的な欠陥138を下型24の外周部に配置することで、良品として救うことができる。
すなわち、成形後の欠陥139を含む部分が光学素子39の光学有効径内には存在しないので、所望の光学性能を有する良品の光学素子として使用することができる。
[第2の実施の形態]
次に、図7及び図8に基づき、第2の実施の形態の光学素子の成形方法を説明する。図7は、プリフォーム38を上型23及び下型24間にセットした状態を示し、図8は、プリフォーム38を成形完了した後の状態を示している。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態では、樹脂製でコバ付のプリフォーム38を射出成形によって得られたものの成形方法について説明する。射出成形で得られたプリフォーム38には、そのゲートカット部分に部分的な欠陥138がある場合が多い。
例えば、図7に示すように、プリフォーム38は、両方の光学機能面側に球面部68,68を有し、その外周に連続して平面部(コバ部)69を有している。そして、この平面部69に欠陥138を有している。そこで、この平面部69が下型24の軸中心Oに水平になるように成形面24aに位置決め配置する。このとき、欠陥138は、そもそも光学有効径D1,D2外に位置している。
なお、一般的に射出成形で得られたプリフォーム38の場合は、欠陥138の有無とその存在箇所はプリフォーム38の形状、ゲートの配置などによって、決まっている場合が多い。このため、部分的な欠陥138が、成形前の時点で、そもそも光学有効径内には入らないようにプリフォームの形状やゲートの配置などを設計しておけば、下型24への位置決めは簡単である。さらに、全数検査をする必要はなく、ロット毎に数個を抜き取って欠陥138の有無と箇所を検査すればよい。
なお、成形条件については、第1の実施の形態で説明した場合と同様である。
本実施形態で使用した樹脂のプリフォーム38(図7参照)は、中心肉厚が3.55mm、外径φが10mmでコバ付の両凸の樹脂であって、ガラス転移点Tgは139℃である。また、図8に示すように、成形される光学素子39は、中心肉厚が2.5mm、光学有効径φが8.5mm、外径φが12mmのコバ付の両凸レンズである。
本実施形態によれば、樹脂製のプリフォーム38を下型24にセットしたときに、欠陥138が光学有効径内には存在しないので、簡単に所望の光学性能を有する良品の光学素子を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、図9〜図16に基づき、第3の実施の形態の光学素子の成形方法を説明する。本実施形態では、射出成形により得られた樹脂製の球状のプリフォームを用いる。
図9(a)(b)は、射出成形によって得られた球状のプリフォーム38の形状を示す図である。また、図10は、プリフォーム38を上型23及び下型24間にセットした状態を示し、図11は、プリフォーム38を成形完了した後の状態を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
プリフォーム38には、図9(a)に示すように、ゲートカット部を切除して平面としたものと、図9(b)に示すように、ゲートカット部を残して凸部を有するものとが代表例である。このプリフォーム38は、球形状ではあるが、ゲートカット部が目印となる。このため、上型23及び下型24間に配置する場合に、どこを下型24の外周方向に向けるかは明らかである。なお、欠陥138は、ゲートカット部とその近傍の内部歪とする。
本実施形態では、図10に示すように、プリフォーム38の部分的な欠陥138は光学有効径内に存在し、成形後は光学有効径外へ欠陥139として押し出されるものとする。
次に、図12〜図16に基づき成形方法について説明する。
図12及び図13は、プリフォーム38をパレット(載置皿)70にランダムに配置する工程を示す図、図14は、プリフォーム38を位置合わせする工程を示す図、図15は、プリフォーム38をパレット70から取り出す工程を示す図、図16は、プリフォーム38を下型24に配置した状態を示す図である。
まず、射出成形により成形された球状のプリフォーム38を取り出し、図9(b)に示すように、ゲートカット部を一部残した欠陥138を有する状態でゲートカットする。
次に、図12に示すように、ゲートカットされたプリフォーム38を、パレット70上にランダムに配置する。すなわち、この時点ではプリフォーム38の位置決めは行われていない。
パレット70には、プリフォーム38よりも若干小さい径に形成された受け穴71と、プリフォーム38のゲートカット部に対応した凹み72が形成されている。次いで、図13に示すように、パレット70を超音波で振動させて、プリフォーム38を受け穴71内で自由に回転させる。すると、図14に示すように、プリフォーム38のゲートカット残りの凸部(欠陥)138がパレットのくぼみ72にはまり、姿勢が決まる。
次いで、図15に示すように、オートハンド(真空吸着部)73によりプリフォーム38を保持し、下型24の成形面24a上に配置する。
パレット70上でプリフォーム38の姿勢は一定であるため、金型に配置したときに、必ずゲートカット部を外周に向けて位置決め配置することができる。
なお、ゲートカット部が図9(a)に示すように、平面部(欠陥)138である場合は、パレット70に凸部を形成し、同様に姿勢を決めることができる。
また、射出成形機から取り出される成形品の姿勢は一緒である。
よって、自動で取り出しからゲートカット、パレット70への配置を行えば、向きをそろえることもできる。下型24への配置は、上記同様、オートハンドにより行う。
本実施形態によれば、射出成形により得られた球状のプリフォーム38の場合、欠陥138がゲート部分にあるので、オートハンド(真空吸着部)73等を用いて人手を介さずに自動によりパレット70への配置、下型24への位置決めを行うことができる。
本実施形態に係る光学素子の成形装置の全体構成を示す図である。 型セットの全体構成を示す図である。 プリフォームを上型及び下型間にセットした状態を示す図である。 プリフォームを成形完了した後の状態を示す図である。 (a)は、部分的な欠陥を有する球状のプリフォームを示す図、(b)は、コバなしで光学機能面側に両凸部を有し外周面に部分的な欠陥を有するプリフォームを示す図、(c)は、光学機能面側に両凸部を有しコバ部の外周面に部分的な欠陥を有するプリフォームを示す図、(d)は、円柱状の一方の面に凹部を有しかつ円柱面に部分的な欠陥があるプリフォームを示す図である。 (a)は、夫々ガラスのプリフォーム38の形状を示す図、(b)は、成形された光学素子の形状を示す図、(c)は、光学素子39の分解図を示す図である。 プリフォームを上型及び下型間にセットした状態を示す図である。 プリフォームを成形完了した後の状態を示す図である。 (a)(b)は、それぞれ射出成形によって得られた球状のプリフォームの形状を示す図である。 プリフォームを上型及び下型間にセットした状態を示す図である。 プリフォームを成形完了した後の状態を示す図である。 プリフォームをパレットにランダムに配置する工程を示す図である。 プリフォームをパレットにランダムに配置する工程を示す図である。 プリフォームを位置合わせする工程を示す図である。 プリフォームをパレットから取り出す工程を示す図である。 プリフォームを下型に配置した状態を示す図である。
符号の説明
10 成形装置
11 入口シャッタ
12 成形室
13 出口シャッタ
14 加熱工程部
16 成形工程部
18 冷却工程部
20 急冷却工程部
22 型セット
23 上型
23a 成形面
24 下型
24a 成形面
25 スリーブ
30 上ヒータブロック
30 下ヒータブロック
32 加圧部材
33 ヒータ
33 ヒータ
34 断熱板
34 断熱板
36 冷却板
36 冷却板
38 プリフォーム
39 光学素子
39 有効径部分
39 余裕部分
39’ 余裕部分
39 欠陥部分
39’ 欠陥部分
40 上ヒータブロック
40 下ヒータブロック
42 加圧部材
43 ヒータ
43 ヒータ
44 断熱板
44 断熱板
46 冷却板
46 冷却板
50 上ヒータブロック
50 下ヒータブロック
52 加圧部材
53 ヒータ
53 ヒータ
54 断熱板
54 断熱板
56 冷却板
56 冷却板
60 上ヒータブロック
60 下ヒータブロック
62 加圧部材
64 凸部
65 コバ部
66 凸部
67 凹部
68 球面部
69 平面部
70 パレット
71 受け穴
72 くぼみ
73 オートハンド
138 欠陥
139 欠陥
D1 光学有効径
D2 光学有効径

Claims (7)

  1. 部分的な欠陥を有する成形素材を成形型間に配置し加熱加圧して光学素子を成形する光学素子の成形方法において、
    前記成形素材を加圧して変形させ、前記欠陥が成形後の前記光学素子の光学有効径外に位置するように、前記成形型間に前記成形素材を配置する工程を有する
    ことを特徴とする光学素子の成形方法。
  2. 前記成形素材は、少なくとも前記光学有効径を含む部分の体積及び前記欠陥を含む部分の体積を加えた体積を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形方法。
  3. 前記成形素材を前記成形型間に配置した際に前記光学有効径よりも内側に位置していた前記欠陥が、成形後に前記光学有効径外に押し出される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の成形方法。
  4. 前記成形素材は、少なくとも一方の光学機能面側に形成された球面部と、該球面部の外周に連続して形成された平面部とを備え、前記平面部に前記欠陥を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子の成形方法。
  5. 前記欠陥が、キズ、カケ、付着物などの表面欠陥、又は、泡、内部応力、内部歪、複屈折などの内部欠陥である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子の成形方法。
  6. 前記成形素材は、樹脂材料からなる射出成形品であり、
    前記欠陥が、ゲートカット部及びその近傍に存在する泡、内部応力、内部歪、複屈折などの内部欠陥である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子の成形方法。
  7. 前記成形素材を配置する工程は、
    前記成形素材を前記成形型とは別体の載置皿にランダムに載置する工程と、
    該載置された前記成形素材を特定方向に位置合わせする工程と、
    該位置合わせされた前記成形素材をその位置関係を保持したまま前記載置皿から取り出して前記成形型間に配置する工程と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形方法。
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