JP2009077751A - 内視鏡洗浄装置および内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの内視鏡が複数種類の内視鏡洗浄装置に対応する複数のICタグを持つ場合でも、内視鏡洗浄装置に搭載されたRFID送受信デバイスが、通信対象とすべきICタグのみと通信することを可能にし、各洗浄装置における洗浄消毒の履歴管理を適切に行うことのできる内視鏡洗浄装置および内視鏡を提供する。
【解決手段】内視鏡を収容する洗浄槽の内面に設けられた、内視鏡の外部に取り付けられその内視鏡の洗浄消毒履歴に関する情報を記憶するタグが配置されるタグ配置部と、前記タグ配置部に配置された前記タグのみと通信を行う通信部と、を有することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2
【解決手段】内視鏡を収容する洗浄槽の内面に設けられた、内視鏡の外部に取り付けられその内視鏡の洗浄消毒履歴に関する情報を記憶するタグが配置されるタグ配置部と、前記タグ配置部に配置された前記タグのみと通信を行う通信部と、を有することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2
Description
本発明は、内視鏡を自動洗浄消毒する内視鏡洗浄装置および内視鏡に関し、詳しくは、異なる機種の装置ごとに洗浄消毒履歴を管理可能な内視鏡洗浄装置および内視鏡に関する。
周知のように、内視鏡は、人体等の生体内に挿入されて、臓器の診断や治療、標本の採取等に使用される。内視鏡は、複数の患者に共用され、かつ、繰り返し使用される。そのため、使用後の内視鏡は、徹底した衛生管理を行う必要があり、内視鏡を媒体とする細菌の感染等を防止するために、1回使用する毎に入念な洗浄(洗滌)および消毒を行う必要がある。
内視鏡洗浄装置は、内視鏡の洗浄消毒を自動で行うものである。内視鏡洗浄装置によれば、正確な洗浄消毒を行うことができ、作業者の労力を低減できる。また、作業者が使用後の内視鏡に付着した細菌に感染する可能性を極めて低くして、作業の安全性を確保することができる。
内視鏡洗浄装置による洗浄消毒のトレーサビリティ(履歴管理)や洗浄消毒プログラム管理を目的として、内視鏡に個別のICタグ(RFIDタグ、無線タグ)を持たせるとともに、内視鏡洗浄装置にRFID送受信デバイスを搭載したものが知られている。
内視鏡洗浄装置による洗浄消毒のトレーサビリティ(履歴管理)や洗浄消毒プログラム管理を目的として、内視鏡に個別のICタグ(RFIDタグ、無線タグ)を持たせるとともに、内視鏡洗浄装置にRFID送受信デバイスを搭載したものが知られている。
例えば、特許文献1には、装置の使用者に関する使用者情報を記録する使用者IDタグ、および内視鏡に取り付けられた内視鏡に関する内視鏡情報を記録するスコープIDタグと通信する、無線ID送受信部を具備する内視鏡洗浄消毒装置が記載されている。無線ID送受信部は、装置本体の上面または正面に設けられており、スコープIDタグは、内視鏡のコネクタ部に内蔵されている。そして、内視鏡のコネクタ部が無線ID送受信部の無線通信範囲内に位置するように、内視鏡が洗浄消毒槽内に収納配置されることにより、無線ID送受信部とスコープIDタグとの無線通信が可能とされている。内視鏡洗浄消毒装置の制御部は、無線ID送受信部によって受信したスコープIDタグおよび使用者IDタグからの情報と、実行した洗浄消毒の情報とを関連付けてメモリに記憶する。
また、特許文献2には、洗浄消毒の対象物である内視鏡のユニバーサルコネクタや処置具等にRFIDタグを設け、洗浄消毒装置の内部、表面または外側に、洗浄消毒の対象物が洗浄室にセットされたときにそのRFIDタグと通信可能になるRFID送受信回路本体を設けることが記載されている。この自動洗浄消毒装置では、RFIDタグとの間のデータ通信により取得した洗浄消毒対象物の識別データに基づいて、複数の洗浄消毒プログラムから適切なプログラムを選択し、選択されたプログラムを起動して、その対象物の洗浄消毒を行っている。
上記従来技術によれば、内視鏡が持つICタグに記録されたその内視鏡の識別情報を用いて、洗浄消毒履歴を管理することや、洗浄消毒プログラムを選択することができる。洗浄消毒履歴の管理において、洗浄消毒履歴をICタグに書き込むことも考えられる。しかしながら、現状では、洗浄消毒履歴データ等の管理形式が内視鏡洗浄装置メーカー間で異なっているため、1つの内視鏡の洗浄消毒に複数種類の洗浄装置を用いる場合、内視鏡には洗浄装置の種類の数だけICタグを持たせる必要がある。
ここで問題となるのは、内視鏡に複数のICタグを持たせると、洗浄装置のRFID送受信デバイスにおいてICタグの混信が生じることである。洗浄装置のRFID送受信デバイス(RFIDリーダ/ライタ)で同時に複数のタグを認識した場合、RFID送受信デバイスは、どのICタグと通信を行えば良いかを判別できない。例えば、RFID送受信デバイスが、誤って不適切なICタグ、すなわちその洗浄装置に対応するICタグではないものにデータを書き込んでしまった場合、本来データを書き込むべきICタグには、その洗浄装置における洗浄消毒の履歴データが欠落し、履歴管理が適切に行われなくなる。また、誤ってデータを書き込まれたICタグに関しては、管理形式の異なるデータが書き込まれることにより、そのICタグに対応する洗浄装置における洗浄消毒の履歴管理や管理システムに支障を与える可能性もある。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、1つの内視鏡が複数種類の内視鏡洗浄装置に対応する複数のICタグを持つ場合でも、内視鏡洗浄装置に搭載されたRFID送受信デバイスが、通信対象とすべきICタグのみと通信することを可能にし、各洗浄装置における洗浄消毒の履歴管理を適切に行うことのできる内視鏡洗浄装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、内視鏡を収容する洗浄槽の内面に設けられた、内視鏡の外部に取り付けられその内視鏡の洗浄消毒履歴に関する情報を記憶するタグが配置されるタグ配置部と、前記タグ配置部に配置された前記タグのみと通信を行う通信部と、を有する内視鏡洗浄装置を提供する。
ここで、前記通信部は、前記タグと無線通信を行うものであり、前記洗浄槽の内表面またはその近傍に、前記タグ配置部以外に配置された前記タグと前記通信部との通信を遮断する通信遮断層を有するのが好ましい。
また、前記タグ配置部は、前記洗浄槽の底に設けられ、前記通信部は、前記洗浄槽の底または蓋に設けられ、前記通信遮断層は、前記通信部の前記タグ配置部以外の通信領域を覆うように、前記洗浄槽の内表面、または、前記通信部と前記洗浄槽の内表面との間に配置されるのが好ましい。
また、前記洗浄槽の底面に、内視鏡の所定の場所に取り付けられた前記タグが前記タグ配置部に配置されるように前記内視鏡を位置決めする位置決め部材を有するのが好ましい。
また、前記タグは、内視鏡洗浄機の種類ごとに異なる形状とされており、前記タグ配置部は、その内視鏡洗浄装置に専用の前記タグと嵌合する形状の凹部を有するのが好ましい。
また、前記タグは、内視鏡洗浄機の種類ごとに異なる形状とされており、前記タグ配置部は、その内視鏡洗浄装置に専用の前記タグと嵌合する形状の凹部を有するのが好ましい。
また、本発明は、第1の内視鏡洗浄装置に専用の第1タグ、および、第2の内視鏡洗浄装置に専用の前記第1タグとは形状が異なる第2タグが、通信遮断部材を挟んで表裏となるように一体的に構成された、組合せタグが外付けされており、前記第1タグに嵌合する第1装着穴、および、前記第2タグに嵌合する第2装着穴を有するタグホルダーを備えることを特徴とする内視鏡を提供する。
さらに、本発明は、第1の内視鏡洗浄装置に専用の第1タグを内蔵するとともに、第2の内視鏡洗浄装置に専用の第2タグが外付けされており、前記第2の内視鏡洗浄装置で洗浄消毒を行うときは、前記第1のタグの通信を遮断する位置に通信遮断部材が取り付けられることを特徴とする内視鏡を提供する。
本発明によれば、内視鏡洗浄装置の洗浄槽内部に内視鏡のICタグを配置するタグ配置部を設け、通信部がそのタグ配置部に配置されたICタグのみと通信を行う構成としたことにより、あるいは、内視鏡を、複数のICタグのうちいずれか1つを外部と無線通信可能にする構成としたことにより、1つの内視鏡が複数種類の内視鏡洗浄装置に対応する複数のICタグを持つ場合でも、内視鏡洗浄装置に搭載された通信部(RFID送受信デバイス)は、通信対象とすべきICタグのみと通信することができ、各洗浄装置における洗浄消毒の履歴管理を適切に行うことができる。通信対象のICタグと非通信対象のICタグとは、いずれも内視鏡に外付けされていてもよいし、いずれか1つが内視鏡に内蔵されていてもよい。
本発明に係る内視鏡洗浄装置および内視鏡を、添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
まず、本発明の第1の態様である内視鏡洗浄装置について説明する。
図1および図2に、本発明の内視鏡洗浄装置の第1実施形態の概略図を示す。図1(A)は内視鏡洗浄装置10の斜視図、図1(B)は側面図である。また、図2は、図1の内視鏡洗浄装置10の蓋を開けた状態を示す上面図である。
図1に示す内視鏡洗浄装置10(以下、単に、洗浄装置10という。)は、内視鏡100の自動洗浄を行う装置である。この洗浄装置10は、内視鏡100を収容して洗浄消毒を行う洗浄槽14として、第1洗浄槽14aおよび第2洗浄槽14bの2つの洗浄槽(以下、両者を代表して洗浄槽14ともいう。)を有し、2台の内視鏡100を、同時に、かつ非同期(独立して)で洗浄することが可能な装置である。
なお、本発明の内視鏡洗浄装置は、洗浄槽14を1つのみ有するものであってもよく、あるいは、3以上の洗浄槽14を有するものであってもよい。また、ここでは、好ましい形態として、洗浄槽14が縦長の長方形に構成され、その底面22が傾斜する洗浄装置10を例に説明するが、本発明はこれには限定されない。
図1および図2に、本発明の内視鏡洗浄装置の第1実施形態の概略図を示す。図1(A)は内視鏡洗浄装置10の斜視図、図1(B)は側面図である。また、図2は、図1の内視鏡洗浄装置10の蓋を開けた状態を示す上面図である。
図1に示す内視鏡洗浄装置10(以下、単に、洗浄装置10という。)は、内視鏡100の自動洗浄を行う装置である。この洗浄装置10は、内視鏡100を収容して洗浄消毒を行う洗浄槽14として、第1洗浄槽14aおよび第2洗浄槽14bの2つの洗浄槽(以下、両者を代表して洗浄槽14ともいう。)を有し、2台の内視鏡100を、同時に、かつ非同期(独立して)で洗浄することが可能な装置である。
なお、本発明の内視鏡洗浄装置は、洗浄槽14を1つのみ有するものであってもよく、あるいは、3以上の洗浄槽14を有するものであってもよい。また、ここでは、好ましい形態として、洗浄槽14が縦長の長方形に構成され、その底面22が傾斜する洗浄装置10を例に説明するが、本発明はこれには限定されない。
洗浄装置10は、第1洗浄槽14aおよび第2洗浄槽14bにおいて、内視鏡100を収容し、洗浄液による洗浄(洗浄工程)、水道水によるすすぎ(洗浄後のすすぎ工程)、消毒液による消毒(消毒工程)、および、水道水によるすすぎ(消毒後のすすぎ工程)の4つの工程を行って、内視鏡100の洗浄消毒を行う。洗浄装置10は、洗浄消毒処理に必要な各種の処理液を保管するタンクや、処理液を洗浄槽14a,14bに供給するためのポンプおよび配管経路を、図示しない装置本体内部に備えている。また、洗浄装置10は、洗浄槽14a,14bにおける洗浄消毒の工程を制御する制御部を備えている。
洗浄槽14の上面には、洗浄槽14を開放および閉塞する蓋体20が備えられている。蓋体20は、図1(B)に示すように、洗浄装置10の正面(操作面、図1(B)において左側の面)からみて洗浄槽14の奥側(図1(B)において右側)の端部に設けられた支点24を中心に回動して、洗浄槽14の手前側からその上面を開閉する。
蓋体20は、図1(B)に破線で示すように、蓋体20を閉じて洗浄槽14を閉塞したときに、蓋体20の下面の奥側の一部、すなわち内視鏡100の挿入部102およびユニバーサルコード104のみが収容され部分が、傾斜した底面22と略平行になる形状を有している。このように、蓋体20の下面に、底面22の傾斜と同方向に傾斜を有する構成により、蓋体20が傾斜を有さず水平な下面を有する場合よりも、洗浄消毒処理時の洗浄槽14の内容積が小さくなっている。そのため、洗浄装置10は、少ない処理液での内視鏡100の洗浄消毒が可能であり、ランニングコストおよび環境性能に優れている。
蓋体20は、洗浄液や消毒液等の処理液に対して十分な耐性を有するものであれば、各種の材料で形成することができる。また、蓋体20は、一部または全部を透明とし、洗浄槽14の蓋をした状態で、オペレータが洗浄槽14の内部を目視できるようにするのが好ましい。
洗浄装置10の正面には、洗浄装置10の操作や洗浄装置10の操作および洗浄消毒に関する情報の表示をする表示・操作パネル26、内視鏡洗浄のスタートボタン28、蓋体20を開閉するためのフットペダル30(第1洗浄槽14a用のペダル30aおよび第2洗浄槽14b用のフットペダル30b)などの、洗浄装置10において定常的な洗浄で使用する操作手段が設けられている。
図示例の洗浄装置10において、第1洗浄槽14aおよび第2洗浄槽14bは、基本的に同様の構成を有しているので、各洗浄槽における同一の構成要素には同じ符号を付し、以下では両方の洗浄槽14a,14bを代表して洗浄槽14として説明する。
図1(A)および図2に示すように、洗浄槽14は、正面(操作面)から見て縦長の形状を有しており、図1(B)に示すように、洗浄槽14の底面22が奥へ向かって下がるように傾斜している。内視鏡100は、図2に示すように、挿入部102やユニバーサルコード104が二つ折り(長い内視鏡の場合にはつづら折り)にされ、操作部106およびコネクタ108を手前側にして洗浄槽14に収容され、洗浄槽14の底面(床面)22に載置される。
このような洗浄装置10では、オペレータが内視鏡100の洗浄槽14内へのセットを簡易かつ迅速に行うことができる。すなわち、通常、オペレータは、内視鏡100を持ち運ぶ際には、床面等に内視鏡100が接触することが無いように、挿入部102やユニバーサルコード104を二つ折り(長い内視鏡の場合にはつづら折り)にして、一方の手に操作部106とコネクタ108とを持ち、他方に、挿入部102およびユニバーサルコード104の折り曲げた部分あるいはその近傍部を持って、内視鏡を持ち運ぶ場合が多いが、縦長の洗浄槽14を持つ洗浄装置10では、オペレータは、持ち運んできた内視鏡100を、持ち運んできた状態のまま、洗浄槽14にセットすることができる。しかも、洗浄槽14の底面22が傾斜しているので、内視鏡100を、二つ折りにした端部側から、重力を利用して落とし込むようにして洗浄槽14内に挿入できるので、簡易に、かつ、少ない力で、適正に洗浄槽14内に内視鏡100をセットすることができる。
洗浄槽14の底面22には、内視鏡100を洗浄槽14内の所定位置に位置決めするための位置決め部材が備えられている。図2に示すように、洗浄層14には、正面側(図2中下側)の底面22に、内視鏡100の操作部106に係合して位置決めする係合部34(34aおよび34b)と、コネクタ108に係合して位置決めする係合部材36(36aおよび36b)とが立設されている。係合部34および係合部材36は、底面22の傾斜によって落下しようとする操作部10およびコネクタ108を下方から支持する機能も有している。内視鏡100は、係合部材34によって操作部106を位置決めされ、係合部材36によってコネクタ108を位置決めされて、洗浄槽14(底面22)の所定位置にセットされる。
なお、内視鏡100の位置決め部材は、上記のような係合部材以外の構成、例えば、操作部等の所定部位を遊嵌あるいは収容する凹部、内視鏡100の各部を固定する部材、操作部等を引っ掛けるフック等により構成してもよい。また、上記位置決め手段は、洗浄槽14の側面(側壁)に設けてもよい。
内視鏡100には、洗浄装置の種類に対応するICタグが外付けされる。例えば、内視鏡100を用いる医療機関が、メーカーの異なる2種類の洗浄装置を導入している場合のように、1つの内視鏡100を2種類の洗浄装置で洗浄消毒する場合であって、洗浄装置の種類によって、洗浄消毒履歴の管理形式が異なっている場合、内視鏡100には、洗浄装置の種類に対応する2種類のICタグが付される。図2の例では、内視鏡100の操作部106に、洗浄装置10に対応する第1タグ110と、他の洗浄装置に対応する第2タグ112が、紐で括り付けられている。第1タグ110と第2タグ112とは、互いに異なる形状を有している。
洗浄槽14の底面22には、内視鏡100の操作部106の、第1タグ110が取り付けられている位置の近くに、第1タグ110を配置するためのタグ嵌め込み部38(タグ配置部)が設けられている。タグ嵌め込み部38は、第1タグ110の外形よりわずかに大きい凹部であり、第1タグ110の一部または全部をぴたりと嵌め込むことができる。また、第1タグ110と第2タグ112との形状の違いにより、第2タグ112は、タグ嵌め込み部38に嵌め込むことができない。
タグ嵌め込み部38の近傍には、通信部であるRFIDリーダ/ライタ40が設けられている。リーダ/ライタ40は、RFID(Radio Frequency Identification System)によりICタグ(RFIDタグ)と無線通信を行うもので、内蔵するアンテナを介して内視鏡100のICタグと通信を行い、ICタグからそのICタグの識別情報(または内視鏡100の識別情報)や内視鏡100の過去の洗浄消毒履歴情報を読み出したり、ICタグに今回実施した洗浄消毒に関する情報を書き込んだりすることができる。
洗浄槽14の底面22は、タグ嵌め込み部38の部分以外の表面が通信遮断シート74で覆われており、リーダ/ライタ40がタグ嵌め込み部38に嵌め込まれたICタグのみと通信を行うように構成されている。図2には、リーダ/ライタ40が示されているが、実際は、リーダ/ライタ40は通信遮断シート74で覆われている。タグ嵌め込み部38、リーダ/ライタ40および通信遮断シート74の構成については、後に詳述する。
リーダ/ライタ40による情報の読み取りや書き込みは、図4に示して後述する洗浄装置10の制御部16によって制御される。リーダ/ライタ40は、ICタグから読み取ったデータを制御部16へ送り、また、制御部16から送られたデータをICタグへ書き込む。これにより、ICタグ、洗浄装置10、または洗浄装置10が接続される外部のシステムサーバにおいて、洗浄装置10における内視鏡100の洗浄消毒履歴が管理される。
また、洗浄装置10は、リーダ/ライタ40とは別に、オペレータが保持するICタグとの通信を行うリーダ/ライタを備え、そのリーダ/ライタによって、内視鏡100の洗浄を担当するオペレータの識別情報が入力されたICタグと通信し、オペレータの識別情報を読み出し、また、そのオペレータが担当した洗浄の履歴をオペレータのICタグに書き込むようにしてもよい。オペレータのICタグと通信するためのリーダ/ライタは、オペレータの操作性を考慮して、洗浄装置10の表示・操作パネル26や、蓋体20など、装置正面近傍の外面付近を通信領域とする部分に設けるのが好ましい。
あるいは、リーダ/ライタ40としてアンテナを2つ保持するものを用い、1つのアンテナ(アンテナ1)をタグ嵌め込み部38の直下に配置し、もう1つのアンテナ(アンテナ2)を洗浄装置10の表示・操作パネル26や、蓋体20など、装置正面近傍に配置してもよい。この場合は、図3に示すように、タグ嵌め込み部38の直下に配置したアンテナ40cと、装置正面近傍に配置したアンテナ40dとを切り替えるアンテナ切替部40bを設け、制御部16の制御によって、内視鏡100のICタグを読む場合と、オペレータのICタグを読む場合でアンテナ40c,40dを切り替えて使用すればよい。リーダ/ライタ部40aは、アンテナ切替部40bによって切り替えられたアンテナ40cおよび40dによって、内視鏡100のICタグおよびオペレータのICタグと通信する。
また、図示しないが、洗浄槽14の内部には、鉗子チャンネルや送気/送水チャンネル等の内視鏡100の各チャンネル(その口金や接続部)を接続するためのポート、および、洗浄水等の処理液を洗浄槽14内に導入するための導入口等が設けられている。
図4は、制御部16の回路構成の概略を示すブロック図である。制御部16は、洗浄槽14(14a,14b)における洗浄消毒の工程を制御する。また、制御部16は、洗浄槽14において洗浄消毒を行った内視鏡の洗浄消毒履歴データの管理のためのデータの送受信および記録等を制御する。図4に示すように、制御部16は、CPU42、RAM44、ROM46、I/O制御回路48、通信I/F回路50、パネルI/F回路52、クロック54、リセット回路56、負荷駆動回路58、センサI/F回路60、および、A/D変換回路62を有する。
CPU42は、洗浄装置10における洗浄消毒処理および洗浄消毒履歴管理の制御をするために、洗浄装置10の各部を制御するもので、2つの洗浄槽14a,14bに対して1つのCPU32が用いられている。洗浄装置10における洗浄消毒の各工程は、制御部16が制御する。制御部16は、予め設定された洗浄消毒プログラムに従って、内視鏡洗浄装置10のポンプ、バルブ、弁、センサ等の各部を制御して、洗浄消毒の各工程を実行する。
ROM46は、洗浄消毒処理制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムを記憶する。ROM46には、洗浄装置10が備える洗浄槽の数に対応する洗浄消毒処理制御プログラムのみを記憶させておき、CPU42が常にそのプログラムを読み出すようにしてもよい。あるいは、ROM46に、1槽から任意の複数槽の各構成に対応する複数の洗浄消毒処理制御プログラムを記憶させておき、CPU42が実際の構成に対応するプログラムを選択してROM46から読み出すようにしてもよい。また、洗浄消毒処理制御プログラムのバリエーションを用意してROM46に記憶させておき、オペレータからの指示により、または装置構成に対応するCPU42の選択により、CPU42が適切なプログラムを選択して読み出すようにしてもよい。
ROM46に記憶された洗浄プログラムを含む各種アプリケーションプログラムは、CPU42によってROM46から読み出され、RAM44にセットされる。CPU42は、RAM34にセットしたプログラムに従って洗浄消毒処理を実行する。また、ROM46は、洗浄装置10における洗浄消毒の履歴データを記憶する。
負荷駆動回路58は、内視鏡洗浄消毒を実行するためのポンプ類、電磁バルブ、およびヒータの駆動回路である。
センサI/F回路60は、タンクや洗浄槽の水位を検出するレベルセンサ、洗浄槽14の蓋体20の開閉を検出するセンサ、その他の洗浄装置10に設けられる各種センサのインターフェースである。
A/D変換回路62は、洗浄装置10における温度センサや圧力センサのアナログの出力値をA/D変換する。
センサI/F回路60は、タンクや洗浄槽の水位を検出するレベルセンサ、洗浄槽14の蓋体20の開閉を検出するセンサ、その他の洗浄装置10に設けられる各種センサのインターフェースである。
A/D変換回路62は、洗浄装置10における温度センサや圧力センサのアナログの出力値をA/D変換する。
パネルI/F回路52は、洗浄装置10の表示・操作パネル26およびスタートボタン28とのインターフェースである。パネルI/F回路52は、オペレータの操作による表示・操作パネル26およびスタートボタン28からの入力信号をCPU42へ送る。また、パネルI/F回路52は、CPU42から送られてきた洗浄装置10における洗浄消毒に関する情報等を表示・操作パネル26に表示する。
通信I/F回路50は、洗浄装置10に備えられたLAN接続部64、RFIDリーダライタ(R/W)40、およびプリンタ66との通信インターフェース回路である。CPU42は、通信I/F回路50を介してプリンタ66から洗浄消毒履歴データをプリントすることができる。このプリンタ66は、洗浄装置10に搭載されたものでもよいし、外部のプリンタでもよい。また、CPU42は、通信I/F回路50を介してリーダ/ライタ40によるICタグとの情報の送受信、LAN接続部64による病院内のネットワーク等とのデータの送受信を行うことができる。
図5は、洗浄装置10による洗浄消毒履歴の管理システムの概略構成を示す概念図である。図5には、図2に示した内視鏡100と同様に2種類のICタグ(第1タグ110および第2タグ112)が外付けされた内視鏡100Aと、2種類のICタグのうちの一方(内蔵タグ114)が内視鏡に内蔵され、もう一方(第1タグ110)が外付けされた内視鏡100Bとが示されている。内視鏡100Aまたは内視鏡100Bが洗浄装置10の洗浄槽14にセットされると、リーダ/ライタ40は、その内視鏡100A,100Bに取り付けられたICタグのうち、タグ配置部(タグ嵌め込み部38)に配置された第1タグ110のみと通信する。
RFIDリーダ/ライタ40がICタグから読み取った情報、および、洗浄装置10において行った洗浄消毒の情報は、洗浄消毒履歴データとしてROM46に記憶される。また、これらの情報は、LAN接続部64を介して病院内のネットワーク等のサーバ70に送信することができる。また、リーダ/ライタ40は、内視鏡100A,100Bの第1タグ110に、洗浄装置10において行った洗浄消毒に関する情報を洗浄消毒履歴データとして書き込む。オペレータのICタグからオペレータの識別情報を読み取るリーダ/ライタを設ける場合は、そのリーダ/ライタも通信I/F回路50に接続すればよく、その場合は、オペレータの識別情報も洗浄消毒履歴データに含めることができる。
次に、本発明の特徴とする部分である、底面22のタグ配置部およびタグ通信部の構成について説明する。図6(A)〜(C)は、第1タグ110およびタグ嵌め込み部38近傍の構成を示す模式的斜視図であり、図6(A)は第1タグ110の斜視図、図6(B)は底面22のタグ嵌め込み部38近傍の斜視図、図6(C)は、第1タグ110をタグ嵌め込み部38に嵌めこんだ状態を示す斜視図である。また、図7(A)〜(C)は、タグ嵌め込み部38近傍の構成例を示す断面図である。
タグ嵌め込み部38は、第1タグ110を嵌めこむことができる形状の凹部である。このタグ嵌め込み部38の下方には、リーダ/ライタ40が配置されている。また、図7(A)〜(C)に示すように、リーダ/ライタ40とタグ嵌め込み部38に嵌め込まれた第1タグ110との通信領域以外の領域は、底面22の本体72の下層または表層に、通信遮断層を構成する通信遮断シート74が設けられている。
通信遮断シート74は、リーダ/ライタ40およびICタグからの磁束または電磁波を遮断する部材で、例えば、金、銀、銅、アルミ等から成る導電性材料で構成することができる。通信遮断シート74において使用する導電性材料の影響で、対象のICタグの通信に支障をきたすようであれば、嵌め込み部38と通信遮断シート74との間に隙間を設けても良い。また、フェライト等からなるシート形状の磁性体材料を、タグ嵌め込み部38の直下や、通信遮断シート74の周辺、ICタグ面等に取り付け、通信時における磁路の形成を助長してもよい。
通信遮断シート74は、それ自体が洗浄装置10における洗浄消毒の処理液に対し耐性を有している場合には、図7(B)および(C)のように、底面22の表面に配置することができる。通信遮断シート74が洗浄消毒の処理液に対し耐性を有さない場合には、図7(A)のように、底面22の内部に設けられるリーダ/ライタ40と同じ位置に、またはそれよりも表面側に通信遮断シート74を設け、底面22の表面には処理液に対して耐性のある部材を配置すればよい。
通信遮断シート74を設けることにより、リーダ/ライタ40の通信領域が制限され、リーダ/ライタ40は、タグ嵌め込み部38に嵌め込まれたICタグのみと通信可能とされている。また、タグ嵌め込み部38は、第1タグ110の形状のものがちょうど嵌め込める形状とされており、また、ICタグは洗浄装置の種類ごとに異なる形状とされるため、他の洗浄装置および洗浄消毒管理システム用のICタグはタグ嵌め込み部38に嵌め込むことができない。したがって、洗浄装置10は、内視鏡100が第1タグ110以外に、外付けの第2タグ112や内蔵タグ114など複数のタグを有している場合でも、リーダ/ライタ40が第1タグ110以外のICタグと通信を行うことを防ぎ、複数のICタグによる混信を防止することができる。
通信遮断シート74およびリーダ/ライタ40の構成例としては、例えば、図7(A)に示すように、タグ嵌め込み部38の下方にリーダ/ライタ40を配置し、リーダ/ライタ40と同じ層の、リーダ/ライタ40以外の領域に通信遮断シート74を設けてもよいし、図7(B)に示すように、タグ嵌め込み部38の下方にリーダ/ライタ40を配置し、リーダ/ライタ40のタグ嵌め込み部38に対面する部分以外の領域において、底面22の表層に、通信遮断シート74を設けてもよい。また、図7(C)に示すように、タグ嵌め込み部38の底部にリーダ/ライタ40を配置し、タグ嵌め込み部38の側面と、底面22のタグ嵌め込み部38の部分以外の全面とを通信遮断シート74で覆うようにしてもよい。何れの場合も、リーダ/ライタ40は、タグ嵌め込み部38に嵌め込まれた第1タグ110のみと通信を行うことができるので、内視鏡100の他のICタグとの混信を防止することができる。
なお、通信遮断シート74は、少なくとも、リーダ/ライタ40の通信領域のうち、タグ嵌め込み部38に嵌め込まれたICタグとの通信領域以外を覆うように設ければよい。すなわち、底面22の、タグ嵌め込み部38から離れたリーダ/ライタ40の通信領域外の部分には、通信遮断シート74を設けなくてもよい。また、通信電磁波の回り込みを考慮して、あるいは構造上の理由等により、洗浄槽14の側壁や、蓋体20の下面にも、通信遮断シート74を設けてもよい。
また、図8に示すように、直方体の第1タグ110に代えて、棒状のタグ116を内視鏡100に取り付けることとし、洗浄槽14には、その内面の、洗浄槽14にセットされる内視鏡100のタグ116の取り付け位置に近い部分、例えば、装置正面側の内壁である前壁76や、側壁78に、棒状のタグ116が挿入される形状のタグ嵌め込み部80を設け、タグ嵌め込み部80近傍の本体72内部にリーダ/ライタを配置してもよい。
また、図9に示すように、カード状のタグ118を用い、このカード状のタグ118が挿入される形状のタグ嵌め込み部82を洗浄槽14の内面(図9では前壁76)に設け、タグ嵌め込み部82近傍の本体72内部にリーダ/ライタを配置してもよい。
また、図9に示すように、カード状のタグ118を用い、このカード状のタグ118が挿入される形状のタグ嵌め込み部82を洗浄槽14の内面(図9では前壁76)に設け、タグ嵌め込み部82近傍の本体72内部にリーダ/ライタを配置してもよい。
図8および図9の例においても、前壁76の内表面またはその近傍に通信遮断シート74を配すればよいが、リーダ/ライタの通信領域が内視鏡100に取り付けられた他のICタグに及ばない場合には、通信遮断シート74を設けなくてもよい。
また、上記の第1実施形態の種々の例では、ICタグをタグ嵌め込み部38に嵌め込むように構成しているので、タグとリーダ/ライタとを接触または接続することにより通信可能とするように構成することもできる。この場合には、通信遮断シート74は不要である。
また、上記の第1実施形態の種々の例では、ICタグをタグ嵌め込み部38に嵌め込むように構成しているので、タグとリーダ/ライタとを接触または接続することにより通信可能とするように構成することもできる。この場合には、通信遮断シート74は不要である。
次に、本発明の内視鏡洗浄装置の第2実施形態について説明する。図10は、本発明の内視鏡洗浄装置の第2実施形態の要部を示す図であり、洗浄槽14の底面22とそこに載置された内視鏡100の斜視図である。第2実施形態が上述の第1実施形態と異なる点は、第1実施形態のタグ嵌め込み部38に代えて、第1タグ110よりも大きい凹部のタグ配置部84を有している点である。
第1実施形態の洗浄装置10と同様に、洗浄槽14において、内視鏡100は、適宜設けられた係合部材34a等によって位置決めされて、底面22に載置される。底面22には、内視鏡100の第1タグ110が付される位置に対応する部分に、第1タグ110よりも大きい凹部のタグ配置部84が形成される。そして、内視鏡100が洗浄槽14に収容されたとき、第1タグ110が自然にタグ配置部84へ収まるように、あるいは収まり易いようにしてある。
なお、図10には、操作部106の位置を定める係合部34aのみが示されているが、位置決め部材は、ほかにも、内視鏡100の位置を定められるように、洗浄槽14の底面22や側壁の適切な場所に複数設けてもよい。
なお、図10には、操作部106の位置を定める係合部34aのみが示されているが、位置決め部材は、ほかにも、内視鏡100の位置を定められるように、洗浄槽14の底面22や側壁の適切な場所に複数設けてもよい。
タグ配置部84の近傍には、第1実施形態のリーダ/ライタ40と同様のリーダ/ライタ86が配置されている。また、底面22の表面またはその近傍には通信遮断シート74が設けられており、タグ配置部84以外の領域が通信遮断シート74で覆われている。これにより、リーダ/ライタ86がタグ配置部84に配置されたタグのみと通信可能となり、その他の場所のタグとは通信不可能とされている。
この第2実施形態によれば、リーダ/ライタ86が通信対象とすべきでない他の洗浄装置用のICタグが、内視鏡100に内蔵されており、その内蔵位置が分からない場合でも、リーダ/ライタ86は、タグ配置部84に配置される第1タグ110のみと通信を行うので、複数のICタグによる混信を防止することができる。また、他の1つまたは複数のICタグが、内視鏡100の、第1タグ110とは異なる箇所に外付けされている場合も、他のICタグがタグ配置部84に配置されることがないので、リーダ/ライタ86は、第1タグ110のみと通信を行うことができ、複数のICタグによる混信を防止することができる。
次に、本発明の第2の態様である内視鏡について説明する。本発明の内視鏡は、通信対象とされるICタグを切り替える構成を有する。
図11は、本発明の内視鏡の第1実施形態の概略を示す斜視図である。図11の内視鏡100Cには、2種類の洗浄装置に対応する2種類の第1タグ120Aおよび第2タグ120Bが表裏に貼り合わされた組合せタグ120が外付けされている。第1タグ120Aと第2タグ120Bとは、形状が異なっている。図示例では、第1タグ120Aは三角形、第2タグ120Bは円形(コイン型)である。また、内視鏡100Cの操作部106の、内視鏡操作に支障のない箇所に、第1タグ120Aおよび第2タグ120Bそれぞれに適合する2つのタグ装着穴122A,122Bを備えるタグホルダー122が取り付けられている。
図11は、本発明の内視鏡の第1実施形態の概略を示す斜視図である。図11の内視鏡100Cには、2種類の洗浄装置に対応する2種類の第1タグ120Aおよび第2タグ120Bが表裏に貼り合わされた組合せタグ120が外付けされている。第1タグ120Aと第2タグ120Bとは、形状が異なっている。図示例では、第1タグ120Aは三角形、第2タグ120Bは円形(コイン型)である。また、内視鏡100Cの操作部106の、内視鏡操作に支障のない箇所に、第1タグ120Aおよび第2タグ120Bそれぞれに適合する2つのタグ装着穴122A,122Bを備えるタグホルダー122が取り付けられている。
図12(A)〜(D)に、タグ120およびタグホルダー122の構成を示す。図12(A)に示すように、第1タグ120Aおよび第2タグ120Bの間には、通信遮断部材120Cが設けられており、2つのタグが、通信遮断部材120Cを挟んで表裏となるように一体的に構成されて、組合せタグ120を構成している。図12(A)の例では、第1タグ120Aおよび第2タグ120Bのそれぞれが、同じ形状、すなわち三角形及び円形の通信遮断部材120Cを備えており、それぞれの通信遮断部材120Cを向き合わせて貼り合わされている。
通信遮断部材120Cは、金、銀、銅、アルミ等から成る導電性材料と、フェライト等から成る磁性材料で構成される。図12(D)に示すように、第1タグ120A側の通信遮断部材120C、および、第2タグ120B側の通信遮断部材120Cは、それぞれ、他の通信遮断部材120Cと対向する部分に導電性材料120Eを有し、ICタグ側に磁性材料120Dを有している。すなわち、両面ICタグ120A,120Bの間において、通信遮断部材120C,120Cは、導電性材料120Eを磁性材料120D,120Dで挟み込んだ形態となっている。
導電性材料120Eは、発生磁界を打ち消し、非通信対象のICタグ側へ磁界を発生させないためのものである。磁性材料120Dは、リーダ/ライタからの発生磁界を引き込んで放射する効果を有している。磁性材料120Dが配されていないと、リーダ/ライタに正対して直接磁界を受けるICタグでも、ICタグを通過した磁界が導電性材料に相殺されてしまい通信ができない。なお、図示例では、磁性材料120Dと導電性材料120Eを同様の面形状としているが、磁性材料120Dは、導電性材料120Eよりも小さい形状とするのが好ましい。
また、図12(B)および(C)に示すように、タグホルダー122の第1タグ装着穴122Aおよび第2タグ装着穴122Bは、それぞれ、第1タグ120Aおよび第2タグ120Bの一方を嵌め込むことができる形状を有している。
タグホルダー122の本体は、タグホルダー122の内側に向けられたタグと洗浄装置10のリーダ/ライタとの通信を遮断する部材で構成するのが好ましい。また、図12(B)および(C)では、構成を分かり易く示すために、タグホルダー122の内側に向けられたタグ120A,120Bがタグホルダー122のタグ装着穴122A,122Bの上に出ているが、タグ120A,120Bがタグ装着穴122A,122Bに嵌め込まれた状態では、タグ120A,120Bは完全にタグ装着穴122A,122Bの内部に収容されるのが好ましい。
この内視鏡100Cを第1の洗浄装置で洗浄消毒するときは、タグ120の第2タグ120Bが第2タグ装着穴122Bに嵌め込まれ、第1タグ120Aが表側にくるようにして、洗浄槽14に収容される。また、内視鏡100Cを第2の洗浄装置で洗浄消毒するときは、タグ120の第1タグ120Aが第1タグ装着穴122Aに嵌め込まれ、第2タグ120Bが表側にくるようにして、洗浄槽14に収容される。第1タグ120Aおよび第2タグ120Bは形状が異なっているので、第1タグ120Aを第2タグ装着穴122Bに嵌め込むことや、第2タグ120Bを第1タグ装着穴122Aに嵌め込むことはできない。
内視鏡100Cを洗浄消毒する洗浄装置は、タグホルダー122に嵌め込まれたタグを通信領域とするリーダ/ライタを備えていればよく、例えば、図14に示す洗浄装置10Aのように、蓋体20にリーダ/ライタ88を備えていてもよいし、図15に示す洗浄装置10Bように、洗浄槽14の底面22にリーダ/ライタ88を備えていてもよい。リーダ/ライタ88は、内視鏡100Cのタグホルダー122に嵌めこまれた組合せタグ120の外側に向いたタグのみと通信を行うことができ、内側に向いたタグとは通信できないので、2つのタグによる混信を防止することができる。なお、図14および図15は、洗浄装置10aおよび10bの洗浄槽14の近傍を部分断面図で示している。
図13(A)および(B)は、本発明の内視鏡の第2実施形態を示す斜視図である。同図の内視鏡100Dは、2種類のICタグの一方を内蔵し、他方が外付けされる。図13(B)に示すように、内視鏡100Dは操作部106の一角に内蔵タグ124を備えている。また、図13(A)および(B)に示すように、この操作部106の一角には、内蔵タグ124のある部分を覆う形状の通信遮断部材128が取り付けられるようになっている。通信遮断部材128の外面には、別の種類のタグ126が設けられている。
通信遮断部材128は、通信遮断シート74と同様に、リーダ/ライタ40およびICタグからの磁束または電磁波を遮断する部材であり、内蔵タグ124の通信電波を阻止または減衰できる素材で作られている。通信遮断部材128は、キャップ状のものでも、フィルム状のものでもよい。通信遮断部材128の形状は、図13(A)の形状には限定されず、例えば、操作部106の内蔵タグ124の部分に嵌めるリング状のものであってもよい。また、通信遮断部材128の形状は、タグ126の内蔵される位置に応じて、タグ126の通信を妨げるように覆う形状とする。
内視鏡100Dを内蔵タグ124に対応する第1の洗浄装置で洗浄消毒するときは、内視鏡100Dに通信遮断部材128を取り付けずに、そのまま洗浄槽14に収容する。第1の洗浄装置のリーダ/ライタは、内蔵タグ124だけと通信を行うので、混信は生じない。
一方、内視鏡100Dをタグ126に対応する第2の洗浄装置で洗浄消毒するときは、操作部106に通信遮断部材128を取り付けて、洗浄槽14に収容する。第2の洗浄装置のリーダ/ライタは、通信遮断部材128で覆われた内蔵タグ124とは通信できず、通信遮断部材128の外側のタグ126のみと通信を行うので、混信は生じない。
一方、内視鏡100Dをタグ126に対応する第2の洗浄装置で洗浄消毒するときは、操作部106に通信遮断部材128を取り付けて、洗浄槽14に収容する。第2の洗浄装置のリーダ/ライタは、通信遮断部材128で覆われた内蔵タグ124とは通信できず、通信遮断部材128の外側のタグ126のみと通信を行うので、混信は生じない。
内視鏡100Dを洗浄消毒する洗浄装置は、上述の内視鏡100Cのときと同様に、内蔵タグ124およびタグ126の置かれる位置を通信領域とするリーダ/ライタを備えていればよく、蓋体20にリーダ/ライタ88を備えたもの(図14の洗浄装置10A参照。)や、洗浄槽14の底面22にリーダ/ライタ88を備えたもの(図15の洗浄装置10B参照。)などが利用できる。
また、通信遮断部材128とタグ126とを一体化する形態は、通信遮断部材128による内蔵タグ124の通信の遮断と、通信対象とすべきタグ126の取り付けを同時に行える点で好ましいが、内視鏡100Dに取り付ける通信遮断部材128とタグ126とを一体化することなく、通信遮断部材128で内蔵タグ124の通信を遮断し、それとは別に、外付けのタグ126を内視鏡100Dの他の部分に取り付けることも可能である。
以上、本発明の内視鏡洗浄装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
10、10A、10B (内視鏡)洗浄装置
14 洗浄槽
14a 第1洗浄槽
14b 第2洗浄槽
16 制御部
20 蓋体
22 底面
24 支点
26 操作パネル
28 スタートボタン
30 フットペダル
34,36 係合部材
38、80、82、タグ嵌め込み部
40、86、88 リーダ/ライタ
70 サーバ
72 本体
74 通信遮断シート
76 前壁
78 側壁
84 タグ配置部
100、100A、100B 内視鏡
102 挿入部
104 ユニバーサルコード
106 操作部
108 コネクタ
110、120A 第1タグ
112、120B 第2タグ
114、124 内蔵タグ
116、118、120 タグ
120C、128 通信遮断部
122 タグホルダー
122A 第1タグ装着穴
122B 第2タグ装着穴
126 タグ
14 洗浄槽
14a 第1洗浄槽
14b 第2洗浄槽
16 制御部
20 蓋体
22 底面
24 支点
26 操作パネル
28 スタートボタン
30 フットペダル
34,36 係合部材
38、80、82、タグ嵌め込み部
40、86、88 リーダ/ライタ
70 サーバ
72 本体
74 通信遮断シート
76 前壁
78 側壁
84 タグ配置部
100、100A、100B 内視鏡
102 挿入部
104 ユニバーサルコード
106 操作部
108 コネクタ
110、120A 第1タグ
112、120B 第2タグ
114、124 内蔵タグ
116、118、120 タグ
120C、128 通信遮断部
122 タグホルダー
122A 第1タグ装着穴
122B 第2タグ装着穴
126 タグ
Claims (7)
- 内視鏡を収容する洗浄槽の内面に設けられた、内視鏡の外部に取り付けられその内視鏡の洗浄消毒履歴に関する情報を記憶するタグが配置されるタグ配置部と、
前記タグ配置部に配置された前記タグのみと通信を行う通信部と、を有する内視鏡洗浄装置。 - 前記通信部は、前記タグと無線通信を行うものであり、
前記洗浄槽の内表面またはその近傍に、前記タグ配置部以外に配置された前記タグと前記通信部との通信を遮断する通信遮断層を有する請求項1に記載の内視鏡洗浄装置。 - 前記タグ配置部は、前記洗浄槽の底に設けられ、
前記通信部は、前記洗浄槽の底または蓋に設けられ、
前記通信遮断層は、前記通信部の前記タグ配置部以外の通信領域を覆うように、前記洗浄槽の内表面、または、前記通信部と前記洗浄槽の内表面との間に配置される請求項2に記載の内視鏡洗浄装置。 - 前記洗浄槽の底面に、内視鏡の所定の場所に取り付けられた前記タグが前記タグ配置部に配置されるように前記内視鏡を位置決めする位置決め部材を有する請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡洗浄装置。
- 前記タグは、内視鏡洗浄機の種類ごとに異なる形状とされており、
前記タグ配置部は、その内視鏡洗浄装置に専用の前記タグと嵌合する形状の凹部を有する請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡洗浄装置。 - 第1の内視鏡洗浄装置に専用の第1タグ、および、第2の内視鏡洗浄装置に専用の前記第1タグとは形状が異なる第2タグが、通信遮断部材を挟んで表裏となるように一体的に構成された、組合せタグが外付けされており、
前記第1タグに嵌合する第1装着穴、および、前記第2タグに嵌合する第2装着穴を有するタグホルダーを備えることを特徴とする内視鏡。 - 第1の内視鏡洗浄装置に専用の第1タグを内蔵するとともに、第2の内視鏡洗浄装置に専用の第2タグが外付けされており、
前記第2の内視鏡洗浄装置で洗浄消毒を行うときは、前記第1のタグの通信を遮断する位置に通信遮断部材が取り付けられることを特徴とする内視鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007247061A JP2009077751A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | 内視鏡洗浄装置および内視鏡 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012026176A1 (ja) | 2010-08-23 | 2012-03-01 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 内視鏡 |
CN102894946A (zh) * | 2011-07-26 | 2013-01-30 | 中国人民解放军第二军医大学 | 一种消化内镜清洗消毒全程智能化质量控制系统 |
-
2007
- 2007-09-25 JP JP2007247061A patent/JP2009077751A/ja not_active Withdrawn
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