JP2009076678A - 熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不純物を含む半導体層の均一な熱処理を可能とする熱処理装置、熱処理方法、及びこの熱処理装置を用いた半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 溶融金属と、前記溶融金属に光を照射する手段と、被処理体の少なくとも一部が前記溶融金属と接触するように被処理体を保持する手段とを具備し、前記光を照射する手段により前記溶融金属に光を照射することにより、前記溶融金属を加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として被処理体の熱処理を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 溶融金属と、前記溶融金属に光を照射する手段と、被処理体の少なくとも一部が前記溶融金属と接触するように被処理体を保持する手段とを具備し、前記光を照射する手段により前記溶融金属に光を照射することにより、前記溶融金属を加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として被処理体の熱処理を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱処理装置及び熱処理方法に係り、特に、シリコン基板又はガラス基板上に形成した半導体装置の熱処理装置及び熱処理方法に関する。
液晶表示装置等の表示装置として、マトリクス状に配置された多数の画素を、画素毎に駆動するために、各画素に薄膜半導体装置である薄膜トランジスタ(TFT)を設けたアクティブマトリクス型の表示装置が知られている。かかる用途に用いられるTFTの製造プロセスは、以下の通りである。
まず、ガラス基板上に所定のパターンの能動層として機能する半導体層を形成する。次いで、この半導体層上に、ゲート絶縁膜及びパターニングしたゲート電極を順次形成し、このゲート電極をマスクとして、半導体層に対し不純物イオンを注入し、ソース領域、ドレイン領域を形成する。
不純物イオンの注入後、層間絶縁膜を形成し、炉アニールにより、ソース領域、ドレイン領域の不純物の活性化を行う。次に、層間絶縁膜を貫通して半導体層に達するコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内及び層間絶縁膜上に、ソース領域及びドレイン領域に接続するソース電極及びドレイン電極を形成して、TFTが完成する。
以上のような方法で製造される液晶表示装置のTFTでは、素子の微細化が進んでいる。素子を微細化すると、電流が流れる各部の断面積が小さくなり、結果として抵抗の上昇をもたらす。そのため、特にソースおよびドレイン領域は活性化の状態によって抵抗率に差が生じるため、特に上記TFTでは効率のよい活性化のための熱処理を行うことが求められている。
しかし、上述したようなソース領域、ドレイン領域の不純物の活性化のための炉アニールでは、ガラス基板の歪点が670℃程度であることが制約となり、活性化及び不純物の注入で損傷したソース領域、ドレイン領域の再結晶化の促進に有効な温度例えば1000℃以上での熱処理ができない。そのためソースおよびドレイン領域の抵抗率が十分に下がらないという問題が生じている。
上記点に対処して活性化率を向上するひとつの方法として本発明者は、フラッシュランプを光源に用いて、このランプ光を被照射物に瞬時に照射し、光を吸収する半導体層を局所的に1000℃以上の高温まで昇温する方法を開発している。
この方法によると、光を吸収する半導体層を約1400℃に加熱することができるので、短時間で効果的にポリシリコン層に含まれる不純物の活性化を行うことができる。この工程では、半導体層がほとんど入射光を吸収し、ガラス基板は光を吸収しないため、加熱されず、歪みを生ずる600℃には到達しないことがわかった。
しかし、上記TFTのフラッシュランプ光の照射による活性化工程では、ガラス基板だけでなく、半導体層に隣接するSiO2からなる下地絶縁膜及びゲート絶縁膜も上記ランプ光を吸収しないため加熱されず、その結果、半導体層と絶縁膜との間の温度勾配が大きくなって、半導体層の周辺部から絶縁膜への熱の移動により、半導体層の周辺部の温度がその内側よりも低くなり、均一な熱処理ができないという問題が生ずる。即ち、上記フラッシュランプ光の照射による活性化工程では、比較的低温となるソース・ドレイン領域周辺部の充分な活性化処理を実施できない課題があった。
この問題を解決するため、ゲート電極を覆う層間絶縁膜上に光吸収層を設け、光照射による半導体層の加熱を均一に行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法によると、半導体装置の機能上不要な光吸収層を形成する成膜工程及び剥離工程が余分に必要となり、製造コストの増加を招いてしまう。
特開2000−138177号公報
本発明は、以上のような事情の下になされたもので、不純物を含む半導体層の均一な熱処理を可能とする熱処理装置、熱処理方法、及びこの熱処理装置を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、熱処理する薄膜トランジスタ回路基板の歪点以下の融点を持つ金属をあらかじめ溶融状態にした溶融金属と、薄膜トランジスタ回路基板の少なくとも一部が前記溶融金属と接触するように薄膜トランジスタ回路基板を保持する手段と、前記溶融金属に光を照射する手段とを具備し、前記光を照射する手段により前記溶融金属に光を照射することにより、前記溶融金属を加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として薄膜トランジスタ回路基板の熱処理を行うことを特徴とする熱処理装置を提供する。
以上のような熱処理装置において、前記溶融金属を収容する容器を透明容器とし、この透明容器の底部を通して光を溶融金属に照射することができる。また、前記被処理体薄膜トランジスタ回路基板を保持する手段は、前記被処理体と前記透明容器の底部との距離を変化させる機構を備えることができる。
前記金属として、融点が前記薄膜トランジスタ回路基板の歪点以下であるもの、例えば、融点が670℃以下であるものを用いることができる。また、沸点が前記薄膜トランジスタ回路基板の融点以上であるもの、例えば沸点が1400℃以上であるものを用いることができる。
特に、前記金属として、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、タリウム、鉛、ビスマス及び少なくともそのいずれかの金属を含む合金からなる群から選ばれた一種を用いることができる。
前記光を照射する手段としては、フラッシュランプを好ましく用いることができる。
また、本発明の第1の態様に係る熱処理装置は、ヒーター加熱手段、ランプ加熱手段、及び電磁誘導加熱手段からなる群から選ばれた少なくとも1つからなる前記金属を溶融する手段を更に具備することができる。
本発明の第2の態様は、薄膜トランジスタ回路基板に接触する溶融金属に光を照射して溶融金属を加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として前記薄膜トランジスタ回路基板を加熱処理することを特徴とする熱処理方法を提供する。
本発明の第3の態様は、基板上に半導体膜を形成する工程、前記半導体膜を島状半導体膜に形成する工程と、前記島状半導体膜を含む前記基板上にゲート絶縁膜を形成する工程、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜に不純物を注入する工程、及び上述の熱処理装置の前記溶融金属に前記基板の少なくとも一部が接触するように前記基板を設け、フラッシュランプ光を前記溶融金属に照射してこの溶融金属を熱処理温度に加熱し、この加熱温度により前記基板上に設けられた島状半導体膜に熱処理を施し、前記半導体膜中の不純物を活性化する工程を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜に不純物を注入する工程、及び上述の熱処理装置の前記溶融金属に前記基板の少なくとも一部が接触するように前記基板を設け、フラッシュランプ光を前記溶融金属に照射してこの溶融金属を熱処理温度に加熱し、この加熱温度により前記基板上に設けられた島状半導体膜に熱処理を施し、前記半導体膜中の不純物を活性化する工程を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の熱処理装置、熱処理方法及び半導体装置の製造方法によれば、薄膜トランジスタ回路基板に接触する溶融金属に光を照射して溶融金属を加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として前記薄膜トランジスタ回路基板を加熱処理することにより、薄膜トランジスタ回路基板の均一な熱処理を行うことができる。その結果、半導体層に導入された不純物の均一な活性化を効率よく行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る熱処理装置は、基板の歪点以下の温度で溶融する溶融金属と、溶融金属に光を照射する手段とを備え、この溶融金属に薄膜トランジスタ回路基板を接触させた状態で溶融金属にフラッシュランプ光を照射して加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として薄膜トランジスタ回路基板の各薄膜トランジスタの均一な加熱を実現することを特徴とする。
このような熱処理装置によると、溶融金属を光吸収体として機能させ、同時にこれを伝熱媒体として薄膜トランジスタ回路基板の各薄膜トランジスタを加熱するものであるため、何ら薄膜トランジスタ回路基板上に光吸収膜を形成する必要がなく、溶融金属と薄膜トランジスタ回路基板は接触しているだけであり、従って光吸収膜を剥離する工程を必要とすることもなく、簡単な装置及び簡単な工程での熱処理が可能である。
このような熱処理装置において、次のようにして熱処理工程を実施する。溶融金属を透明容器に入れ、被処理体である薄膜トランジスタ回路基板の裏面の少なくとも一部分を基板ホルダーに密着させて保持する。その後、薄膜トランジスタ回路基板および基板ホルダーを溶融金属へ浸漬し、透明容器の底面側からフラッシュランプ光を照射して溶融金属を瞬時熱処理温度に加熱し、加熱された溶融金属により薄膜トランジスタ回路基板を加熱する。このような薄膜トランジスタ回路基板を溶融金属へ浸漬する装置構成を用いることにより、溶融金属の自重によって溶融金属と被処理体の表面との間に圧力がかかるため、被処理体の表面における溶融金属の弾きが防止され、溶融金属と被処理体の表面とが均一に接触することにより、均一な加熱および熱処理工程が実現される。
このような熱処理装置において、被処理体と透明容器の底部との距離を変化させる機構を備えることにより、被処理体と透明容器の底部との間に挟まれた溶融金属の量を変化させることができ、この量の変化に伴う被処理体と透明容器の底部との間に挟まれた溶融金属の熱容量の変化により、加熱による昇温速度および降温速度を変化させることができるので、加熱条件の選択の幅を広げることが可能となる。
被処理体と透明容器の底部との距離を変化させるために用いる基板ホルダー駆動系(3−2)は、基板の搬送時に基板ホルダーを数十mm移動させる機能と、被処理体9と透明容器2の底部との距離を調節する機能を必要とする。そのため、数十mmの駆動距離を備えるとともに、その位置決め分解能は10μm以下であることが望ましい。その要求を満たすものとして、ステッピングモーター及び超音波モーターを用いた駆動系がある。ステッピングモーターを用いた駆動系では約5μmの位置決め分解能が実現可能であり、超音波モーターを用いた駆動系では10nm程度まで位置決め分解能を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置の概略を示す図である。図1において、処理室1内には、透明容器2、基板ホルダー3、基板ホルダー駆動系3a、フラッシュランプ4、及びリフレクター5が配置されている。
処理室1は、熱処理工程により薄膜トランジスタ回路基板の露出部が酸化するのを防止するために非酸化雰囲気を形成するために非酸化ガス例えば窒素ガスのパージ雰囲気を形成できる気密構造のチャンバーである。このチャンバーには、例えばパージガス流入口、排出口、被処理体のローディング、アンローディング口などが設けられている。
透明容器2は、例えば石英で形成される。石英は被処理体9の発熱に寄与するフラッシュランプ光の波長に対して透明な材料であり、熱処理温度に加熱される溶融金属を収容する耐熱性の容器である。
溶融金属は、基板の歪点以下の温度で溶融する金属であり、熱処理を実施する前にあらかじめ溶融状態にされており、入射するフラッシュランプ光を吸収して、瞬時熱処理温度の1400℃の温度を発熱する特性を有する金属である。
基板ホルダー3及び基板ホルダー駆動系3aは、被処理体例えば薄膜トランジスタ回路基板を保持して被処理体の少なくとも一部が溶融金属に接触するように自動的にハンドリングするための機構を備えている。
フラッシュランプ4は、溶融金属が吸収特性を示す波長の光を瞬時に発光するランプで石英容器2の例えば底面を照射する位置に設けられている。
リフレクター5は、フラッシュランプ4から放射されたランプ光を被処理体方向に反射するように形状加工された指向性を持った反射板である。
処理室1にはガス導入口6および排気口7が設けられている。石英容器2内には溶融金属8が収容されており、基板ホルダー3は、加熱処理される被処理体9を保持している。溶融金属8及び被処理体9の酸化を防止するため、処理室1内の雰囲気は、ガス導入口6から導入された常圧の窒素で満たされている。なお、排気口7を排気ポンプ(図示せず)に接続することにより減圧された雰囲気での処理が可能であり、それによって酸化防止効果を更に高めることができる。
フラッシュランプ4及びリフレクター5は、本実施形態では処理室1内に配置されているが、処理室1の外に配置し、処理室1の底面に設けた光導入窓(図示せず)あるいは処理室1の底部として用いられて処理室1と気密接続された石英容器2の底部を通して溶融金属8に光を照射しても良い。基板ホルダー3は可動機構を備えており、保持する被処理体9の表面と石英容器2の底部との距離を任意に設定できるようにされている。この距離を変えると、被処理体9の表面と接する溶融金属8の量が変わり、それに伴って溶融金属8の単位面積あたりの熱容量が変わるため、同じ光照射条件においても温度変化プロファイルが変化する。すなわち、基板ホルダー3が可動機構を備えることにより、温度変化プロファイルの制御をおこなうことが可能となる。
石英容器2の底面には基板の歪点以下の温度で溶融する金属を溶融する温度例えば300℃で発熱するヒーター10が配置されており、ヒーター電源11より電力を供給されたヒーター10の発熱によって、石英容器2内の溶融金属8は、溶融状態が維持されている。溶融金属8は、融点が被処理体9の歪点以下であり、沸点が被処理体である薄膜トランジスタ回路基板9の融点以上であることが望ましい。溶融金属8がこのような物性を備えることで、被処理体9に歪を生じさせることなく溶融金属8を溶融状態に保つことができ、また、溶融金属8を蒸発させることなく被処理体9の熱処理に必要な温度まで溶融金属8の温度を高めることができる。
被処理体9としてシリコン薄膜を成膜したガラス基板を用いる場合には、ガラス基板の歪点が約670℃であり、シリコン薄膜の融点が約1400℃なので、溶融金属8の融点は670℃以下であること、および溶融金属8の沸点が1400℃以上であることが望ましい。このような条件を満たす溶融金属8の材料として、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、タリウム、鉛、ビスマス、及び少なくともそのいずれかの金属を含む合金が挙げられる。
被処理体9の加熱処理は次のように進められる。まず、あらかじめヒーター10による加熱によって溶融状態に保たれた溶融金属8に被処理体9を浸漬する。このとき、被処理体である薄膜トランジスタ回路基板9の裏面(ガラス基板)は基板ホルダー3と密着させ、被処理体9の裏面(ガラス基板)が溶融金属8と接触しないようにすることが望ましい。浸漬された薄膜トランジスタ回路基板9は溶融金属8と同じ温度になるまで予熱される。薄膜トランジスタ回路基板9の表面と石英容器2の距離、すなわち溶融金属層の厚さは概ね0.1mm以下にすることが望ましい。
その後、フラッシュランプ4を発光させ、石英容器2の底面を通して溶融金属8へ光を照射する。溶融金属8は照射された光を吸収して発熱する。その熱は溶融金属8中を伝わり、被処理体9の表面付近を加熱する。即ち、溶融金属8は、被処理体9への熱の伝熱媒体として働く。
なお、溶融金属8に照射された光の一部分は溶融金属8の表面で反射されて失われる。この反射による光の損失を低減するには、石英容器2の内壁面にカーボン膜などの反射率の低い光吸収膜を設ければよい。この光吸収膜を設ける場合には、光吸収膜が溶融金属8中に溶け込まないように光吸収膜と溶融金属8とを酸化シリコンなどの保護膜で隔てることが有効である。フラッシュランプ光に照射された溶融金属は、効率的に光を吸収して発熱し、被処理体9の瞬時に熱処理温度例えば1400℃に加熱される。加熱された溶融金属は瞬時に全面がほぼ均一な温度になる。
このような熱処理装置を用いることにより、被処理体9へ溶融金属8を介して熱が均一に供給されるので、島状半導体薄膜と周囲の絶縁膜がほぼ同じ温度に加熱されるため、島状半導体薄膜周囲部の加熱温度低下が生じることはない。また、同一体積での溶融金属8、例えばスズの熱容量はSiO2の約70%であるため、0.1mm厚程度の溶融金属8はガラス基板に対して相対的に小さな熱容量となるので、光照射による加熱の温度プロファイルへの影響は小さい。そのゆえに、光照射による均一な極短時間の熱処理が可能となる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る熱処理装置を示す断面図である。図1に示す熱処理装置では、溶融金属8の溶融状態を維持するための加熱手段としてヒーター10を用いたが、本実施形態に係る熱処理装置では、溶融金属8の溶融状態を維持するための加熱手段としてハロゲンランプ12を用いている。ハロゲンランプ12は、フラッシュランプ4からの光を照射を妨げないように、隣接するフラッシュランプ4の間隙に配置することができる。
図2に示す熱処理装置によっても、被処理体9の加熱処理は同様にして進められる。即ち、あらかじめハロゲンランプ12の照射による加熱によって溶融状態に保たれた溶融金属8に被処理体9を浸漬し、被処理体9を溶融金属8と同じ温度になるまで予熱する。次いで、その後、フラッシュランプ4を発光させ、石英容器2の底面を通して溶融金属8へ光を照射する。溶融金属8は照射された光を吸収して発熱し、被処理体3の熱処理温度、例えば1400℃まで上昇させる。その熱は溶融金属8中を伝わり、被処理体9を加熱する。
このように、図2に示す熱処理装置を用いることによっても、被処理体9へ熱が溶融金属8を介して均一に供給されるので、被処理体3の処理面内において光照射による極短時間の均一な熱処理が可能となる。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る熱処理装置を示す断面図である。図1に示す熱処理装置では、溶融金属8の溶融状態を維持するための加熱手段としてヒーター10を用いたが、本実施形態に係る熱処理装置では、溶融金属8の溶融状態を維持するための加熱手段として高周波コイル13を用いている。高周波コイル13は、石英容器2の底部に埋め込まれ、高周波電源14に接続されている。高周波電源14から高周波コイル13に印加した高周波電力により、溶融金属8内に誘導電流を生じさせることによって加熱を行うものである。
図3に示す熱処理装置によっても、被処理体9の加熱処理は同様にして進められる。即ち、あらかじめ高周波コイル13による加熱によって溶融状態に保たれた溶融金属8に被処理体9を浸漬し、被処理体9を溶融金属8と同じ温度になるまで予熱する。次いで、その後、フラッシュランプ4を発光させ、石英容器2の底面を通して溶融金属8へ光を照射する。溶融金属8は照射された光を吸収して発熱する。その熱は溶融金属8中を伝わり、被処理体9を加熱する。
このように、図3に示す熱処理装置を用いることによっても、被処理体である薄膜トランジスタ回路基板9の各薄膜トランジスタ全面へ熱が溶融金属8を介して瞬時に均一に供給されるので、ガラス基板でも光照射による極短時間の均一な熱処理が可能となる。
次に、以上説明した熱処理装置を用いた熱処理を、ソース・ドレイン領域の活性化工程に適用した実施形態について説明する。
図4の実施例の薄膜トランジスタ回路基板9は、ゲート電極25をマスクとしてTFT回路基板の製造工程で半導体薄膜のソース・ドレイン領域に不純物が注入された後の被処理基板であり、一つの薄膜トランジスタが拡大して示されている。図4において、基板例えば2m角の方形状ガラス基板21上には、この基板21からの不純物の浸透を防止するための例えばSiO2からなる下地絶縁膜22がプラズマCVD法により成膜されている。この下地絶縁膜22上には、非単結晶半導体薄膜例えばアモルファスシリコン膜がプラズマCVD法により成膜されている。このアモルファスシリコン膜は、結晶化するためのエネルギー光により照射されて多結晶化された後、予め定められたTFTを形成する位置のパターンをマスクとして島状に残してプラズマエッチングされて、島状多結晶半導体薄膜23に加工されている。
この島状多結晶半導体薄膜23および露出した下地絶縁膜22上には、例えばSiO2からなるゲート絶縁膜24がプラズマCVD法により形成されている。このゲート絶縁膜24上にはゲート電極を形成するための導電体例えば金属薄膜がスパッタ法により成膜され、予め定められたTFTを形成する位置のパターンをマスクとして島状に残してプラズマエッチングされて、ゲート電極25が形成されている。島状多結晶半導体薄膜23にソースおよびドレイン領域を形成するための不純物注入はゲート電極25をマスクとして行う。不純物注入後に、例えばSiO2からなる層間絶縁膜26がプラズマCVD法により形成される。次に、この不純物を活性化するために、図1〜図3に示す熱処理装置による熱処理を行う。
図1〜3に示す熱処理装置において、処理室1内には石英容器2が配置され、石英容器2内には、ヒーター10等により加熱、例えば300℃に加熱されて溶融状態にされた溶融金属8が収容されている。本実施形態では、金属として、233℃の融点を有するスズを用いた。
上述した図4に示す被処理体9のガラス基板21の底面が、基板ホルダー3の表面に接して取り付けられ、基板ホルダー3は、被処理体9のゲート電極25とゲート酸化膜24の上面を溶融金属8に浸漬するように移動し、そこで被処理体9は300℃に全面が均一に予熱される。なお、予熱時間は、被処理体9の温度が溶融金属8と同じ温度になるまで行われる。溶融金属8は、金属であるため全体が均一温度である。
その後、フラッシュランプ4を点灯駆動するための駆動電力が印加され、フラッシュランプ4を点灯させ、石英容器2の底面を通して溶融金属8へ光を照射する。受光した溶融金属8は照射された光を吸収して発熱し、その熱は照射光ムラが存在しても溶融金属8中を伝わり溶融金属8全体が均一な熱処理温度となり、被処理体9を全面均一に加熱する。このときの溶融金属8の最高温度は、約1400℃であった。換言すれば、被処理体9全面は、溶融金属8の温度1400℃で活性化処理される。
ランプユニット6を構成する複数のフラッシュランプ4としては、例えば棒状のキセノンフラッシュランプを用いることができる。キセノンフラッシュランプは、その内部にキセノンガスが封入され、その両端にコンデンサーに接続された陽極及び陰極が配置され、更にトリガー電極がガラス管外壁近傍に配置された石英ガラス管であり、トリガー電極に高電圧が加えられ、ガラス管内のキセノンガスの一部が電離して陽極と陰極間の絶縁が破壊されることで駆動電源回路のコンデンサーに蓄えられた電荷が電流として陽極と陰極間に流れガラス管内のキセノンガスを励振することにより、光が放出される。
フラッシュランプ光の発光波長域は、紫外域から赤外域におよび、発光時間は0.1ms〜100msである。
このキセノンフラッシュランプ4の点灯により、溶融金属8に瞬時に光を照射し、溶融金属8を約1400℃に加熱し、溶融金属8からの熱によりゲート電極25が形成された島状多結晶半導体薄膜23の熱処理を行うことで、均一なアニール処理を行い、短時間で不純物イオンの活性化を行うことができる。
このようにして活性化工程を終了する。この工程を1周期として複数回実行してもよい。活性化工程を終了した被処理体2は、気密容器1外に搬出される。
次に、以上説明した熱処理装置を用いて多結晶半導体薄膜23に含まれる不純物の活性化を行った、液晶表示装置を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)の製造方法について説明する。図5及び図6は、この薄膜トランジスタ(TFT)の製造方法を工程順に示す断面図である。
まず、被処理基板31を用意する。この実施形態では、被処理基板31としてガラス基板32上にSiO2からなる下地絶縁層33が形成された基板を用いている。このガラス基板31上(下地絶縁層33上)の略全面に層厚が例えば50nmとなるようにアモルファスシリコン層34を形成する。その後、温度500℃の雰囲気中でアニール処理を施し、このアモルファスシリコン層34中の水素を離脱させる(図5(a))。
次いで、例えばELA(Excimer Laser Anneal)法により、このアモルファスシリコン層34を結晶化して、ポリシリコン層35とする(図5(b))。
次に、PEP(Photo Engraving Process、いわゆるフォトリソグラフィー)によりポリシリコン層35上に所定の形状のレジストマスクを形成し、このレジストマスクをマスクとして、CDE(Chemical Dry Etching)法によりポリシリコン層35にエッチングを施すことによって、ポリシリコン層35を島形状に加工する(図5(c))。
その後、PE−CVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法を用いて、島形状に加工されたポリシリコン層(島状多結晶半導体薄膜)35及び下地絶縁層33を覆うように、SiO2からなるゲート絶縁膜36を形成する(図5(d))。
次に、ゲート絶縁膜36上の略全面に金属層、例えばモリブデンタングステン層37形成する(図6(a))。そして、モリブデンタングステン層37上にPEPにより所定の形状のレジストマスクを形成した後、このレジストマスクをマスクとして反応性イオンエッチング法により、モリブデンタングステン層の不要部分を除去し、ゲート電極38を形成する(図6(b))。
次に、ゲート電極層38をマスクとして、ポリシリコン層35に不純物領域、例えばソース領域及びドレイン領域形成のために不純物イオン(リンもしくはボロン等)を注入する(図6(c))。次いで、全面にSiO2からなる層間絶縁膜39を形成する(図6(d))。
その後、図1に示す熱処理装置を用いて、図6(d)に示す構造を、ランプユニット6による光加熱により熱処理し、ポリシリコン層35に含まれる不純物を活性化し、ソース領域及びドレイン領域を形成する。
その後は、通常の薄膜トランジスタの製造工程に従って、ソース領域の一部及びドレイン領域の一部を露出させるように、コンタクトホールを形成し、次いで、コンタクトホールを埋めるように金属の配線層を形成しパターニングすることにより、ソース電極及びドレイン電極を形成して、TFTが完成する。
以上のようにして製造された液晶表示装置駆動用TFTでは、光を照射することにより溶融金属を加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として用いているため、ポリシリコン層35の加熱を均一に行うことができ、ポリシリコン層35中の不純物を効率よく活性化することが可能である。
なお、以上の実施形態では、光を照射する手段としてフラッシュランプを用いたが、フラッシュランプによる光の照射の代わりにCW−YAGレーザー光を照射、例えば走査してもよい。
1…処理室、2…石英容器、3…基板ホルダー、3a…基板ホルダー駆動系、4…フッシュランプ、 5…リフレクター、6…ガス導入系、 7…排気系、 8…溶融金属、 9…被処理体、 10…ヒーター、11…ヒーター電源、12…ハロゲンランプ、13…高周波コイル、14…高周波電源、21,32・・・ガラス基板、22,33・・・下地絶縁膜、23・・・島状多結晶半導体薄膜、24,36・・・ゲート絶縁膜、25,38・・・ゲート電極、26,39・・・層間絶縁層、35・・・ポリシリコン層。
Claims (11)
- 薄膜トランジスタ回路基板の熱処理を行う熱処理装置であって、前記薄膜トランジスタ回路基板の歪点以下の融点を持つ金属をあらかじめ溶融状態にした溶融金属と、前記薄膜トランジスタ回路基板の少なくとも一部が前記溶融金属と接触するように前記薄膜トランジスタ回路基板を保持する手段と、前記溶融金属に光を照射する手段とを具備し、前記光を照射する手段により前記溶融金属に光を照射することにより、前記溶融金属を加熱し、加熱された溶融金属を伝熱媒体として被処理体の熱処理を行うことを特徴とする熱処理装置。
- 前記溶融金属を収容する容器は透明容器であり、この透明容器の底部を通して光を溶融金属に照射することを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
- 前記被処理体を保持する手段は、前記被処理体と前記透明容器の底部との距離を変化させる機構を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理装置。
- 前記金属の沸点が前記被処理体の融点以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理装置。
- 前記金属の融点が670℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱処理装置。
- 前記金属の沸点が1400℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理装置。
- 前記金属がアルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、タリウム、鉛、ビスマス及び少なくともそのいずれかの金属を含む合金からなる群から選ばれた一種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱処理装置。
- 前記光を照射する手段がフラッシュランプであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱処理装置。
- ヒーター加熱手段、ランプ加熱手段、及び電磁誘導加熱手段からなる群から選ばれた少なくとも1つからなる前記金属を溶融する手段を更に具備することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱処理装置。
- 融点以上に加熱してあらかじめ溶融状態にした溶融金属を被処理体に接触させ、前記溶融金属に光を照射して前記溶融金属を加熱し、加熱された前記溶融金属を伝熱媒体として前記被処理体を加熱処理することを特徴とする熱処理方法。
- 基板上に半導体膜を形成する工程、
前記半導体膜を含む前記基板上にゲート絶縁膜を形成する工程、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜に不純物を注入する工程、及び
請求項1〜9のいずれかに記載の熱処理装置を用いて前記半導体膜に熱処理を施し、前記半導体膜中の不純物を活性化する工程を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2007244299A JP2009076678A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | 熱処理装置及び熱処理方法 |
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-
2007
- 2007-09-20 JP JP2007244299A patent/JP2009076678A/ja active Pending
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