JP2009074649A - 送りねじ装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

送りねじ装置および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】減速比を大きくでき、しかも、ボールねじ装置における転動ボールを循環させることに伴う問題を排除できる送りねじ装置および電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】外周面にはすば状のおねじ21と第1歯車22を形成した軸動部材13と、偏心軸受27、28を介して軸動部材の軸心に対して偏心した偏心軸線の回りに回転可能に支承され内周面におねじと噛合うはすば状のめねじ23と第1歯車と噛合う第2歯車24を形成したロータ25とを備え、めねじは多条ねじからなり、おねじはめねじの条数よりも少ない多条ねじからなるとともに、おねじおよびめねじの条間のピッチが等しくなるように設定され、かつ第1歯車は、第2歯車の歯数よりも少ない歯数に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、送りねじ装置およびその送りねじ装置を備えた電動パワーステアリング装置に関するものである。
一般に、電動パワーステアリング装置は、例えば、特許文献1に記載されているように、ステアリングシャフトの回転によって軸方向移動されるラック軸と、ラック軸と同軸的に配設され、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいてモータシャフトを回転駆動する電動モータと、モータシャフトの回転運動をラック軸の軸方向運動に変換するボールねじ装置とを備えている。かかる電動パワーステアリング装置は、電動モータおよびボールねじ装置がラック軸上に配設されている関係で、コンパクトに製造でき、電動モータと他の装置などとの干渉が問題となることが少ない利点がある。
特開2006−131038号公報
しかしながら、上記した電動パワーステアリング装置においては、電動モータの回転をボールねじ装置によってラック軸の軸方向運動に変換する構成であるため、減速比を大きくすることが難しい問題がある。減速比を大きくするためには別途減速機構等の追加が必要となり、コンパクトさが損なわれる結果を招く。
しかも、ボールねじ装置を用いているために、ボールねじ軸とボールナットとの間に介在された転動ボールを循環させるデフレクタに形成した循環通路と、ボールねじ軸に形成したねじ溝との境界部を転動ボールが通過する際に、転動ボールの接触状態の変化等に起因して、操舵に伴って異音や引っ掛かりが発生することがあり、それらを低減するために、ボールねじ装置を高精度に製造する必要がある等の問題があった。
本発明は、上記した従来の問題点を解消するためになされたもので、減速比を大きくでき、しかも、ボールねじ装置における転動ボールを循環させることに伴う問題を排除できる送りねじ装置およびその送りねじ装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る送りねじ装置の発明の特徴は、外周面にはすば状のおねじと第1歯車を形成した軸方向移動可能な軸動部材と、回転可能な回転筒部材内に設けられる偏心軸受を介して前記軸動部材の軸心に対して偏心した偏心軸線の回りに回転可能に支承され内周面に前記おねじと噛合うはすば状のめねじと前記第1歯車と噛合う第2歯車を形成したロータとを備え、前記ロータに形成されたはすば状のめねじは、多条ねじからなるとともに、前記軸動部材に形成されたはすば状のおねじは、前記めねじの条数よりも少ない多条ねじからなり、前記おねじおよびめねじの条間のピッチが等しくなるように設定され、かつ前記軸動部材に形成された前記第1歯車は、前記ロータに形成された前記第2歯車の歯数よりも少ない歯数に設定されていることである。
請求項2に係る送りねじ装置の発明の特徴は、請求項1において、前記第1歯車は、前記おねじの山頂部分に凹み部を前記おねじの全長に亘って円周上等角度間隔に複数凹設することにより形成され、前記第2歯車と前記めねじは、前記ロータの内周面に軸方向に並設して同軸上に形成されていることである。
請求項3に係る電動パワーステアリング装置の発明の特徴は、ギヤハウジングと、該ギヤハウジングに軸方向に移動可能に貫挿されラックピニオン機構を介して入力軸に連結されるラック軸と、該ラック軸と同軸的に前記ギヤハウジング内に配置された電動モータと、該電動モータによって回転されるモータシャフトと、該モータシャフトの回転を前記ラック軸の軸方向運動に変換する送りねじ装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記送りねじ装置は、前記ラック軸の外周面に形成されたはすば状のおねじおよび第1歯車と、前記モータシャフトに偏心軸受を介して前記ラック軸の軸心に対して偏心した偏心軸線の回りに回転可能に支承されたロータと、該ロータの内周面に形成され前記おねじと噛合うはすば状のめねじおよび前記第1歯車と噛合う第2歯車とによって構成され、前記ロータに形成されたはすば状のめねじは、多条ねじからなり、前記ラック軸に形成されたはすば状のおねじは、前記めねじの条数よりも少ない多条ねじからなり、前記おねじおよびめねじの条間のピッチが等しくなるように設定され、かつ前記ラック軸に形成された前記第1歯車は、前記ロータに形成された前記第2歯車の歯数よりも少ない歯数に設定されていることである。
請求項1に係る送りねじ装置の発明によれば、ロータに形成されたはすば状のめねじは、多条ねじからなり、軸動部材に形成されたはすば状のおねじは、めねじの条数よりも少ない多条ねじからなり、おねじおよびめねじの条間のピッチが等しくなるように設定され、かつ軸動部材に形成された第1歯車は、ロータに形成された第2歯車の歯数よりも少ない歯数に設定されているので、回転筒部材の回転によるロータの公転運動に伴う軸動部材の軸方向移動と、ロータの自転運動に伴う軸動部材の軸方向移動との差によって、軸動部材が軸方向移動されるようになり、かつロータの公転運動に伴う軸動部材の軸方向移動は、おねじとめねじのリード差によって発生されるので、従来のボールねじ装置に比較して減速比を大きくすることが容易となる。しかも、ボールねじ装置におけるようなボールの循環作用が不要であるので、それに起因する異音や引っ掛かりを防止することができる。
請求項2に係る送りねじ装置の発明によれば、第1歯車は、おねじの山頂部分に凹み部をおねじの全長に亘って円周上等角度間隔に複数凹設することにより形成され、第2歯車とめねじは、ロータの内周面に軸方向に並設して同軸上に形成されているので、おねじに重畳して第1歯車を軸動部材に容易に形成することができる。
請求項3に係る電動パワーステアリング装置の発明によれば、上記した構成の送りねじ軸を備えているので、モータシャフトの回転量に対するラック軸の軸方向移動量を小さくでき、減速比を大きくすることができる。従って、コンパクトでありながら、アシスト能力を増大させることができる。しかも、ボールねじ装置におけるようなボールの循環作用が不要であるので、それに起因する異音や引っ掛かりを防止することができ、操舵フィーリングを向上することができる。
以下本発明の第1実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態の送りねじ装置を備えた電動パワーステアリング装置10の全体を示すもので、当該電動パワーステアリング装置10は、車両の左右方向に延在して配設されたハウジング11を備え、ハウジング11には、図略のステアリングホイールによって回転されるピニオン軸12と、ピニオン軸12に噛合うラック歯13aを形成したラック軸13と、ラック軸13と同軸的に配設した電動モータ14と、電動モータ14の回転運動をラック軸13の軸方向運動に変換する送りねじ装置15(図2参照)等が備えられている。
ハウジング11は、円筒状のモータハウジング16と、モータハウジング16の両端に同軸上に嵌合された中空状のラックハウジング17、18からなり、ラックハウジング17、18に形成された取付部17a、18aを介して図略の車体ボディに支持されるようになっている。
ハウジング11には、ラック軸13が軸方向に摺動可能に貫挿され、ラック軸13の両端は、タイロッドを介して左右の操向車輪に連結され、ラック軸13の軸動によって操向車輪が左右方向に操向されるようになっている。
電動モータ14は、送りねじ装置15を介してラック軸13に軸方向のアシスト力を付与するもので、中空状のロータからなるモータシャフト41とステータ42とから構成されている。モータシャフト41は、軸方向に離間した一対の軸受43を介してハウジング11(モータハウジング16およびラックハウジング17)にラック軸13と同心的に回転可能に軸承され、このモータシャフト41の中空穴内にラック軸13が同軸的に貫挿されている。モータシャフト41の外周には平板状の永久磁石45が複数接着され、この永久磁石45に対向するようにステータ42がモータハウジング16の内周に装着されている。ステータ42は複数のコイル46を備え、コイル46への通電によって発生する磁束を永久磁石45に作用させることにより、モータシャフト41が回転されるようになっている。
送りねじ装置15は、図2および図3に示すように、外周面にはすば状のおねじ(はすば歯車)21と平歯車からなる第1歯車22を形成したラック軸13と、内周面にはすば状のめねじ(はすば歯車)23と平歯車からなる第2歯車24を形成したロータ25と、ロータ25の両端部をモータシャフト41に対して偏心支持する偏心軸受27、28等によって構成されている。
ラック軸13に形成されるおねじ21は、多条ねじからなり、ラック軸13の軸方向に所定長さに亘って形成されている。おねじ21の山頂部分には、図5および図6に示すように、凹み部21aがおねじ21の全長に亘って円周上等角度間隔に複数形成され、これによって、ラック軸13上には、おねじ21に重畳するようにして第1歯車22が形成されている。
偏心軸受27、28は、図2に示すように、ロータ25を挟持してモータシャフト41内に装着され、締付けナット30によるねじ締めによってモータシャフト41内に固定されるようになっている。偏心軸受27、28の互いに対向する面、すなわち、ロータ25の両端面に対向する面には、図4に示すように、ラック軸13の軸心O1に対して偏心した偏心穴27a、28aが形成され、この偏心穴27a、28aにロータ25の両端部がころがり軸受31、32を介して、ラック軸13の軸心O1に対して所定量偏心した偏心軸線O2の回りに回転のみ可能に支持されている。
ロータ25は、図7、図8および図9に示すように、リング状をなし、その内周面には、ラック軸13に形成されたおねじ21および第1歯車22にそれぞれ円周上一部分で噛合うめねじ23および第2歯車24が軸方向に並設して形成されている。これにより、ロータ25は、モータシャフト41と一体的に回転する偏心軸受27、28の回転により、おねじ21とめねじ23との噛合いおよび第1および第2歯車22、24同士の噛合いを維持しながらラック軸13の回りを公転することになる。
ロータ25に形成されためねじ23は、多条ねじからなり、ラック軸13に形成したおねじ21のリード角と同じリード角を有している。ラック軸13のおねじ21およびロータ25のめねじ23の条数は、条間のピッチの寸法をおねじ21とめねじ23で同じになるように、互いの条数の関係が選択されている。本実施の形態においては、ねじ径の大きなロータ25に形成されるめねじ23の条数を「3」に、ねじ径の小さなラック軸13に形成されるおねじ21の条数を「2」に設定している。すなわち、めねじ23は、第1、第2および第3の3つのねじ山を有し、おねじ21は、第1および第2の2つのねじ山を有している。
換言すれば、ロータ25のめねじ23の条数を「3」、ラック軸13のおねじ21の条数を「2」とする場合に、同じリード角でかつ条間のピッチの寸法が同じになるように、ラック軸13のねじ径に対するロータ25のねじ径を設定するようにしている。
このように、ラック軸13のおねじ21とロータ25のめねじ23の関係を上記したように構成したことにより、ロータ25がラック軸13の回りを回転(公転)するのに伴っておねじ21とめねじ23が接近離間する。この場合、おねじ21とめねじ23のリード角が等しいので、ある接近領域においておねじ21とめねじ23の各ねじ歯のうち、一歯ずつが噛合う。ただし、おねじ21とめねじ23のねじ径が異なり、リード(一条分のピッチ)も異なる場合には、それ以外の接近領域では一般的に噛合いが成立しないことになる。
しかしながら、本実施の形態においては、おねじ21とめねじ23の条間ピッチを互いに等しくしているので、ロータ25がラック軸13の回りを1回転公転運動すると、おねじ21とめねじ23の噛合う相手の条が入れ替わる(偏心によりねじ歯が離れている位相内で条がずれる)ことにより、各接近領域にて噛合いが成立するようになる。
これにより、モータシャフト41の回転によるロータ25の公転運動に伴い、ロータ25に形成されためねじ23と、ラック軸13に形成されたおねじ21の噛合い位置が順次変化し、めねじ23とおねじ21の条数の差異に基づくリード差によって、ラック軸13が軸方向に移動されるようになる。このように、モータシャフト41の回転運動が、ラック軸13のおねじ21とロータ25のめねじ23とのリード差によって、ラック軸13の軸方向運動に変換される。
また、ロータ25に形成された第2歯車24の歯数は、ラック軸13に形成された第1歯車23の歯数よりも僅かに多く設定されている。本実施の形態においては、ロータ25に形成された第2歯車24の歯数を「14」、ラック軸13に形成された第1歯車22の歯数を「12」としている。
これにより、モータシャフト41の回転により、ロータ25がラック軸13の回りを図10の矢印方向に公転されると、ラック軸13およびロータ25の第1および第2歯車22、24の歯数差に基づき、ロータ25がモータシャフト41とは異なる回転量で、公転方向と同じ方向に自転する。ロータ25の自転量(deg)は、上記したようにラック軸13およびロータ25の第1および第2歯車22、24の歯数をそれぞれ「12」、「14」とした場合、モータシャフト41の1回転当たり、((14−12)/14)×360degとなる。
ロータ25が自転すると、ラック軸13のおねじ21と、ロータ25のめねじ23との噛合いによって、ラック軸13が軸方向に移動される。すなわち、ロータ25の自転運動は、ラック軸13のおねじ21とロータ25のめねじ23のねじ作用によって、ラック軸13の軸方向運動に変換される。
このように、上記した構成の送りねじ装置15によれば、ラック軸13の軸方向移動は、ロータ25の公転運動に伴うおねじ21とめねじ23の条数の差異に基づくリード差によって発生されるとともに、ロータ25の自転運動に伴うおねじ21とめねじ23のねじ作用によっても発生される。そして、ロータ25の公転運動に伴うラック軸13の軸方向移動と、ロータ25の自転運動に伴うラック軸13の軸方向移動は、互いに移動方向が反対となる。従って、モータシャフト41が回転されると、ロータ25の公転運動に伴って発生されるラック軸13の軸方向移動量(S1)と、ロータ25の自転運動に伴って発生されるラック軸13の軸方向移動量(S2)との差分(S1−S2)だけ、ラック軸13が軸方向移動されることになる。
上記した構成の送りねじ装置15によれば、モータシャフト41の回転によるロータ25の公転運動に伴うラック軸13の軸方向移動と、ロータ25の自転運動に伴うラック軸13の軸方向移動との差によって、ラック軸13が軸方向移動されるようになり、しかも、ロータ25の公転運動に伴うラック軸13の軸方向移動は、単にねじのリードではなく、おねじ21とめねじ23のリード差によって発生されるので、従来のボールねじ装置に比較して、減速比を大きくとることができるようになる。
上記したラック軸13は、請求項における軸動部材を構成し、モータシャフト41は、請求項における回転筒部材を構成している。なお、本実施の形態における多条とは、「2」以上の条数を表している。
次に、上記のように構成された送りねじ装置15を備えた電動パワーステアリング装置10の動作について説明する。図略のステアリングホイールを操舵すると、操舵トルクが図略の入力軸に伝達され、ピニオン軸12とラック歯13aとによるラックピニオン機構を介してラック軸13が軸方向に移動される。
入力軸に与えられた操舵トルクは図略のトルクセンサにより検出され、また、図略の回転角検出センサによって電動モータ14のモータシャフト41の回転位置等が検出される。これら操舵トルクおよびモータシャフト41の回転位置等に基づいて電動モータ14が制御され、アシスト力が発生される。電動モータ14のモータシャフト41の回転は、送りねじ装置15によってラック軸13の軸方向移動に変換され、これによって、運転者によるステアリングホイールの操舵力がアシストされる。
すなわち、電動モータ14のモータシャフト41が回転されると、偏心軸受27、28が一体的に回転され、偏心軸受27、28に回転支持されたロータ25が偏心運動される。ロータ25には、ラック軸13の外周に形成された第1歯車22に噛合う第2歯車24が形成されており、この第2歯車24は第1歯車22と歯数を異にしているため、モータシャフト41の回転に伴ってロータ25は、ラック軸13およびロータ25に形成したおねじ21とめねじ23の噛合い、および第1および第2歯車22、24の噛合いを維持しながら、ラック軸13の回りを公転するとともに、自転する。
ロータ25の公転運動により、ロータ25のめねじ23とラック軸13のおねじ21の噛合い位置が変化し、ロータ25がラック軸13の回りを1回転公転すると、ロータ25のめねじ23の噛合うラック軸13のおねじ21の条が切り替わるようになる。このような、異なる条数のおねじ21とめねじ23の噛合いの切り替わりにより、めねじ23とおねじ21の条数の差異に基づくリード差によって、ラック軸13が図2の矢印方向に軸方向移動される。同時に、ロータ25の自転運動により、ロータ25のめねじ23とラック軸13のおねじ21のねじ係合作用によって、ラック軸13が図2の反矢印方向に軸方向移動される。
その結果、ラック軸13は、ロータ25の公転運動に伴う図2の矢印方向への移動量(S1)から、ロータ25の自転運動に伴う図2の反矢印方向への移動量(S2、ただし、S2<S1)を減算した量だけ、図2の矢印方向へ移動されるようになる。
このような減速比の大きな送りねじ装置15を用いた電動パワーステアリング装置10によれば、モータシャフト41の回転量に対するラック軸13の軸方向移動量を小さくでき、コンパクトである優位性を維持しながら、アシスト能力を増大させることが可能となる。しかも、ボールねじ装置におけるようなボールの循環作用が不要であるので、それに起因する異音や引っ掛かりが発生しない利点がある。
次に本発明の第2の実施の形態を図11に基づいて説明する。第2の実施の形態の第1の実施の形態と異なる点は、ラック軸13上の第1歯車22を、ロータ25に形成した第2歯車124に直接噛合わせることなく、カラー部材50を介して噛合わせるようにしたものである。従って、以下においては、第1の実施の形態と異なる点を説明し、同一構成部分については同一部品に同一の参照番号を付し、説明を省略する。
第2の実施の形態においては、ラック軸13上にカラー部材50を摺動のみ可能に嵌合し、このカラー部材50の外周に、ロータ25に形成した第2歯車124に部分的に噛合う第1歯車122を形成したものである。なお、カラー部材50は、第1および第2歯車122、124が噛合った状態で、ロータ25に軸方向移動を規制して支持されている。
上記した第2の実施の形態によれば、ラック軸13の外周にカラー部材50を嵌合し、このカラー部材50の外周に形成した第1歯車122に噛合う第2歯車124をロータ25に形成した構成であるので、第1および第2歯車122、124の歯車径および歯数を、ラック軸13の径に制約されることなく、自由に設計することができ、設計の自由度を増すことができるとともに、第1歯車122の強度を増大することができるようになる。
さらに、図12は本発明の第3の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態と異なる点は、ラック軸13のたわみを防止するステディレスト手段60を追加したものである。ステディレスト手段60は、モータシャフト41にベアリング61を介して回転のみ可能に支持されたレスト部材62を備え、レスト部材62の中心部にはラック軸13のおねじ21に全周で螺合するめねじ62aが形成されている。
ステディレスト手段60は、送りねじ装置15に隣接してモータシャフト41内に配置され、回転可能なレスト部材62によってラック軸13の半径方向変位を規制する。なお、モータシャフト41の回転によってラック軸13が軸方向に移動されると、レスト部材62はベアリング61によってモータシャフト41内を相対回転される。
上記した第3の実施の形態によれば、ステディレスト手段60によってラック軸13の半径方向変位を規制できるので、ラック軸13のたわみを抑制でき、ラック軸13に形成したおねじ21および第1歯車22と、ロータ25に形成しためねじ23および第2歯車24(図2参照)との噛合いを常に適正に維持できるようになる。
上記した第1の実施の形態においては、ラック軸13のおねじ21およびロータ25のめねじ23の条数を、それぞれ「2」および「3」に設定するとともに、ラック軸13の第1歯車22およびロータ25の第2歯車24の歯数を、それぞれ「12」および「14」に設定したが、それらの条数および歯数は、本実施の形態の一例を示したにすぎないものであり、下記不等式の条件を満足するものであればよい。
「おねじ21の条数<めねじ23の条数<第2歯車24の歯数<第1歯車22の歯数」
斯様に、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得ることは勿論である。
本発明の第1の実施の形態を示す送りねじ装置を備えた電動パワーステアリング装置の全体図である。 図1の2−2線に沿って切断した送りねじ装置を示す断面図である。 図2の3−3線に沿って切断した断面図である。 図2の4−4線に沿って切断した断面図である。 ラック軸の外観を示す図である。 図5の6−6線に沿って切断したラック軸の断面図である。 ロータを示す断面図である。 図7の8−8線に沿って切断したロータの断面図である。 図7の9−9線に沿って切断したロータの断面図である。 ラック軸の第1歯車とロータの第2歯車の噛合い状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態を示す送りねじ装置の要部断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す送りねじ装置の要部断面図である。
符号の説明
10…電動式パワーステアリング装置、13…軸動部材(ラック軸)、14…電動モータ、15…送りねじ装置、21…おねじ、22…第1歯車、23…めねじ、24…第2歯車、25…ロータ、27、28…偏心軸受、30…締付けナット、41…回転筒部材(モータシャフト)。

Claims (3)

  1. 外周面にはすば状のおねじと第1歯車を形成した軸方向移動可能な軸動部材と、回転可能な回転筒部材内に設けられる偏心軸受を介して前記軸動部材の軸心に対して偏心した偏心軸線の回りに回転可能に支承され内周面に前記おねじと噛合うはすば状のめねじと前記第1歯車と噛合う第2歯車を形成したロータとを備え、
    前記ロータに形成されたはすば状のめねじは、多条ねじからなるとともに、前記軸動部材に形成されたはすば状のおねじは、前記めねじの条数よりも少ない多条ねじからなり、前記おねじおよびめねじの条間のピッチが等しくなるように設定され、
    かつ前記軸動部材に形成された前記第1歯車は、前記ロータに形成された前記第2歯車の歯数よりも少ない歯数に設定されていることを特徴とする送りねじ装置。
  2. 請求項1において、前記第1歯車は、前記おねじの山頂部分に凹み部を前記おねじの全長に亘って円周上等角度間隔に複数凹設することにより形成され、
    前記第2歯車と前記めねじは、前記ロータの内周面に軸方向に並設して同軸上に形成されていることを特徴とする送りねじ装置。
  3. ギヤハウジングと、該ギヤハウジングに軸方向に移動可能に貫挿されラックピニオン機構を介して入力軸に連結されるラック軸と、該ラック軸と同軸的に前記ギヤハウジング内に配置された電動モータと、該電動モータによって回転されるモータシャフトと、該モータシャフトの回転を前記ラック軸の軸方向運動に変換する送りねじ装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記送りねじ装置は、前記ラック軸の外周面に形成されたはすば状のおねじおよび第1歯車と、前記モータシャフトに偏心軸受を介して前記ラック軸の軸心に対して偏心した偏心軸線の回りに回転可能に支承されたロータと、該ロータの内周面に形成され前記おねじと噛合うはすば状のめねじおよび前記第1歯車と噛合う第2歯車とによって構成され、
    前記ロータに形成されたはすば状のめねじは、多条ねじからなり、前記ラック軸に形成されたはすば状のおねじは、前記めねじの条数よりも少ない多条ねじからなり、前記おねじおよびめねじの条間のピッチが等しくなるように設定され、
    かつ前記ラック軸に形成された前記第1歯車は、前記ロータに形成された前記第2歯車の歯数よりも少ない歯数に設定されていることを特徴とする送りねじ装置を備えた電動パワーステアリング装置。
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