JP2009074540A - スクロール圧縮機の製造方法 - Google Patents

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Hiroyuki Kono
博之 河野
Takushi Sasa
卓士 佐々
Taisei Kobayakawa
大成 小早川
Takashi Morimoto
敬 森本
Noboru Iida
飯田  登
Daisuke Funakoshi
大輔 船越
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Abstract

【課題】スクロールの鏡板のラップ側の面に均一に微小な窪みを形成することで、性能低下を抑え信頼性を向上させる。
【解決手段】旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面に、硬質微粒子を含んだ液体を、長手方向の長さが旋回スクロール15の鏡板15a外径より長いノズル34の噴射孔からガス圧力により均一に噴射し、ノズル34を旋回スクロール15の鏡板15aの中心を中心として回転することにより、ラップ15bの高さが高く、硬質微粒子が鏡板15aのラップ側の面のラップ15bの巻き始め部15cに当たりにくい場合でも、ラップ15bの巻き始め部15cでのノズル34の移動速度が、鏡板外周平面15dよりも遅くなるため、単位面積当たりの処理時間を長くでき、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面に均一に硬質微粒子を噴射でき、微小な窪み33を均一に加工できる。
【選択図】図3

Description

本発明は固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの円軌道運動により圧縮室が外周部から中心部に容積を小さくしながら移動するのを利用して流体の吸入、圧縮、吐出を繰り返し行うスクロール圧縮機の製造方法に関するものである。
従来、この種のスクロール圧縮機の製造方法は、摺動面にショットピーニング加工により微小な窪みを多数設けている(例えば、特許文献1参照)。また、摺動面にビームを照射し表面を隆起させ面加工することで微小な窪みを多数設けている(例えば、特許文献2参照)。
図10は、特許文献2に記載された従来のスクロール圧縮機の旋回スクロールの斜視図を示すものである。図に示すように、旋回スクロール1の摺動面1aに微小な窪み2を形成し潤滑油を保持し信頼性を向上させている。
特開平4−321701号公報 特許第3426720号公報
しかしながら、前記従来の製造方法では、スクロールの鏡板のラップの巻き始め部にはショットピーニングが当たりにくく、スクロールの鏡板の外周部では逆にショットピーニングが強く当たるため、鏡板に均一に微小な窪みを形成することができず、また、加工により鏡板形状が変化し、信頼性低下や性能低下という課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、スクロールの鏡板のラップ側に均一に微小な窪みを形成することで、高効率で信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機の製造方法は、スクロールの鏡板のラップ側に、硬質微粒子を含んだ液体を、スクロールの鏡板外径より幅の広いノズルの噴射孔から噴射するものである。
これによって、スクロールの鏡板のラップ側の面に均一に硬質微粒子を噴射することができ、ラップの巻き始め部から鏡板外周平面まで均一に潤滑油保持のための多数の微小な窪みを設けようとするものである。
本発明のスクロール圧縮機の製造方法は、スクロールの鏡板のラップの巻き始め部から鏡板外周平面まで、均一に潤滑油保持のための多数の微小な窪みを形成することができるため、性能低下や加工性の悪化を抑えながら信頼性を向上することができる。
第1の発明は、密閉容器内に、圧縮機構部と電動機を配し、前記圧縮機構部は、鏡板に渦巻状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールのラップに対向して噛み合うラップを有する旋回スクロールにより複数の圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを
前記固定スクロールとにより挟む位置に設けられた主軸受部材と、前記旋回スクロールの鏡板に設けられた旋回軸受部に嵌合し旋回スクロールを旋回運動させる旋回軸を有するクランクシャフトを有し、前記旋回スクロールの旋回運動により前記圧縮室の中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行い、吐出孔から圧縮されたガスを吐出するスクロール圧縮機の製造方法であって、前記固定または旋回の少なくともいずれかの一方のスクロールの鏡板のラップ側の面に、硬質微粒子を含んだ液体を噴射することで表面に潤滑油保持のための多数の微小な窪みを設け、前記硬質微粒子を含んだ液体を噴射するノズルの噴射孔の幅を、前記スクロールの鏡板外径より大きくしたことにより、スクロールの鏡板のラップ側の面に均一に硬質微粒子を噴射することができ、ラップの巻き始め部から鏡板外周平面まで均一に潤滑油保持のための多数の微小な窪みを設けることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明のノズルが、前記スクロールの鏡板の中心を中心として回転することにより、ラップ高さが高く、硬質微粒子が鏡板のラップの巻き始め部に当たりにくい場合でも、ラップの巻き始め部でのノズルの移動速度が、鏡板外周平面よりも遅くなるため、単位面積あたりの処理時間を長くすることができ、スクロールの鏡板のラップ側の面に均一に硬質微粒子を噴射することができる。
第3の発明は、密閉容器内に、圧縮機構部と電動機を配し、前記圧縮機構部は、鏡板に渦巻状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールのラップに対向して噛み合うラップを有する旋回スクロールにより複数の圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを前記固定スクロールとにより挟む位置に設けられた主軸受部材と、前記旋回スクロールの鏡板に設けられた旋回軸受部に嵌合し旋回スクロールを旋回運動させる旋回軸を有するクランクシャフトを有し、前記旋回スクロールの旋回運動により前記圧縮室の中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行い、吐出孔から圧縮されたガスを吐出するスクロール圧縮機の製造方法であって、前記固定または旋回の少なくともいずれかの一方のスクロールの鏡板のラップ側の面に、硬質微粒子を含んだ液体を噴射することで表面に潤滑油保持のための多数の微小な窪みを設け、前記硬質微粒子を含んだ液体を噴射するノズルの噴射孔の幅を、前記スクロールの鏡板外径より大きくし、前記スクロールの鏡板の中心が、前記硬質微粒子を含んだ液体が噴射される位置になるように設置し、前記スクロールを鏡板の中心を中心として回転させたことにより、加工設備の構造を複雑にすることなく、ラップ高さが高く、硬質微粒子が鏡板のラップの巻き始め部に当たりにくい場合でも、鏡板外周平面に対してノズルの移動速度が遅くなるため、単位面積あたりの処理時間を長くすることができ、スクロールの鏡板のラップ側の面に均一に硬質微粒子を噴射することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明のノズルの噴射孔の幅を広くし、複数のスクロールを同時に設置することにより、一度に複数のスクロールを処理することができるため、生産性を向上することができる。
第5の発明は、特に、第2〜4のいずれか1つの発明のノズルから噴射される液体が、前記渦巻状のラップに対して、相対的に渦巻きの内側から外側へ移動する方向に、前記ノズルまたは前記スクロールを回転させたことにより、液体が鏡板のラップの巻き始め部に滞留しにくくなり、液体の滞留により硬質微粒子が鏡板に当たりにくくなることを防ぐことができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明のノズルから噴射される液体が、前記スクロールの鏡板のラップ側の面に対して、斜めに当たることにより、スクロールの鏡板のラップ側の面に垂直に噴射した場合に硬質微粒子が当たりにくいラップの根元部に硬質微粒子が当てることができる。
第7の発明は、特に、第2〜6のいずれか1つの発明のノズルとスクロールの鏡板のラップ側の面との距離が、前記スクロールの中心部の方が前記スクロールの外周部より大きいことにより、スクロールの鏡板外径が大きく中心部と外周部での処理速度の差が大きく外周部に対して中心部での処理時間が長くなりすぎる場合でも、中心部での単位時間当たりの処理能力を抑えることができるため中心部での過剰処理を防止することができる。
第8の発明は、特に、第2〜6のいずれか1つの発明のノズルとスクロールの鏡板のラップ側の面との距離が、前記スクロールの中心部の方が前記スクロールの外周部より小さいことにより、スクロールの鏡板外径が小さく中心部と外周部での処理速度の差が小さく外周部に対して中心部での処理時間があまり長くできない場合でも、中心部での単位時間当たりの処理能力を向上することができるため、中心部での処理不足を防止することができる。
第9の発明は、特に、第3〜6のいずれか1つの発明のノズルを、前記スクロールの鏡板の中心を挟んで、ノズルの長手方向に直交する方向に往復移動させたことにより、スクロールの鏡板外径が大きく中心部と外周部での処理速度の差が大きく外周部に対して中心部での処理時間が長くなりすぎる場合でも、中心部に絶えず噴射されることを防止できるため処理時間を抑えることで中心部での過剰処理を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスクロール圧縮機の縦断面図を示すものである。また、図2は、本発明の第1の実施の形態における旋回スクロールとノズルの関係図を示す模式図である。
図1において、密閉容器11内に溶接や焼き嵌めなどで固定した、クランクシャフト12の主軸受部材13と、この主軸受部材13上にボルト止めした固定スクロール14との間に、固定スクロール14と噛み合う旋回スクロール15を挟み込んでスクロール式の圧縮機構16を構成し、旋回スクロール15と主軸受部材13との間に旋回スクロール15の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転防止機構17を設け、クランクシャフト12の上端にある旋回軸部12aを旋回スクロール15に設けた旋回軸受18に嵌合させている。固定スクロール14の外周部には冷媒ガスを吸入するための吸入室19が設けられ、密閉容器11外に通じた吸入パイプ20が嵌合されている。
クランクシャフト12の下端は密閉容器11の下部のオイル溜まり21に達して、密閉容器11内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受部材22により安定に回転できるように軸支されている。
電動機23は主軸受部材13と副軸受部材22との間に位置して、密閉容器11に溶接や焼き嵌めなどして固定された固定子23aと、クランクシャフト12の途中の外まわりに一体に結合された回転子23bとで構成され、回転子23bの上下端面の外周部分には、回転子23bおよびクランクシャフト12が安定して回転し、旋回スクロール15を安定して円軌道運動させるため、ピン24により止め付けられたバランスウェイト25a、25bが設けられている。
給油機構はクランクシャフト12の下端で駆動されるポンプ26によって構成され、オイル溜まり21内のオイルを供給するため、クランクシャフト12には軸方向に貫通して
いる給油通路27を形成している。
旋回スクロール15外周部には背圧室28が固定スクロール14と主軸受部材13により形成され、旋回軸部12aと旋回スクロール15の間に形成される旋回軸受部空間29から半径方向に背圧室28まで貫通した給油経路30が旋回スクロール15の鏡板15a内に設けられている。
旋回スクロール15の鏡板15aの主軸受部材13側は主軸受部材13に配設した断面が矩形のシール材31により仕切られており、内側は高圧、外側は背圧室28となり背圧室28と吸入室19は吸入連通路32により連通し、吸入連通路32内には背圧制御機構が設けられている。
図2において、旋回スクロール15はアルミニウムで構成され、鏡板15aに渦巻状のラップ15bを有し、鏡板のラップ側の面には表面に潤滑油保持のための多数の微小な窪み33を設けている。
微小な窪み33の加工方法は次の手順である。硬質で球状の例えばアルミナの微粒子を含んだ水をガス圧力により噴射させて、鏡板15aのラップ側の面に当てる。ノズル34には、長手方向の長さが旋回スクロール15の鏡板15a外径より長いスリット状の噴射孔が設けられ、噴射孔からは均一の圧力で微粒子が噴射される。ノズル34を旋回スクロール15上で往復させることで、鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで同時に均一に加工できる。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動機23によりクランクシャフト12が回転駆動されるに伴い、クランクシャフト12の上端にある旋回軸部12aが偏心駆動することにより旋回スクロール15を円軌道運動させ、これにより固定スクロール14と旋回スクロール15との間に形成している圧縮室35が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器11外に通じた吸入パイプ20および固定スクロール14の外周部の吸入室19から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール14の中央部の吐出孔36から吐出バルブ37を押し開いて容器内吐出室38に吐出させることを繰り返す。
吐出された冷媒ガスは、圧縮機構部16を貫通する吐出ガス通路39を通り回転子23b上部に到達し、回転子23bに貫通している回転子ガス通路40を通って密閉容器11の下部に導かれ、固定子23a外周に配した固定子ガス通路41、圧縮機構部16外周に配した圧縮機構部切り欠き42を通って密閉容器11の上部に到達し、吐出管43から密閉容器11外へ吐出される。
また、オイル溜まり21内のオイルはポンプ26によりクランクシャフト12を軸方向に貫通している給油通路27を通じて旋回軸受部空間29に供給される。供給されたオイルは2系統に分岐され、1系統は旋回軸受18と旋回軸部12aを潤滑し、主軸部12bと主軸受44を潤滑した後、主軸受部材13の下に滴下し、最終的にオイル溜まり21に回収される。
もう1系統は、旋回軸受部空間29と背圧室28との差圧により給油経路30を通って背圧室28に導かれる。
ここで、背圧室28に到達したオイルは旋回スクロール15と固定スクロール14との
スラスト面に供給され、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面の多数の微小な窪み33にはオイルが保持される。
以上のように本実施の形態においては、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面に、長手方向の長さが旋回スクロール15の鏡板15a外径より長いノズル34の噴射孔から硬質微粒子例えばアルミナを含んだ水をガス圧力により均一に噴射し、ノズル34を旋回スクロール15上で往復させることにより、鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで、同じ処理圧力、同じ処理時間で処理できるため、多数の微小な窪み33を同時に均一に加工することができ、窪み33に保持したオイルによるシール効果と潤滑効果により、性能低下を抑えながら信頼性を向上することができる。
なお、ノズル34の噴射孔の長手方向の長さをさらに長く、また、ノズル34の往復距離を大きくすることで多数の旋回スクロール15を同時に加工することが可能である。
また、図3のように、ノズル34を、旋回スクロール15の鏡板15aの中心を中心として回転することで、ラップ15bの高さが高く、硬質微粒子が鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cに当たりにくい場合でも、鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cでのノズル34の移動速度が、鏡板外周平面15dよりも遅くなるため、単位面積当たりの処理時間を長くすることができ、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで均一に硬質微粒子を噴射し、微小な窪み33を均一に加工することができるため、性能低下を抑えながら信頼性を向上することができる。
なお、ここでは旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面に窪み33を形成した場合を示したが、固定スクロール14の場合でも同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるスクロール圧縮機の縦断面図を示すものである。また、図5は、本発明の第2の実施の形態における旋回スクロールとノズルの関係図を示す模式図である。
図4において、密閉容器11内に溶接や焼き嵌めなどで固定した、クランクシャフト12の主軸受部材13と、この主軸受部材13上にボルト止めした固定スクロール14との間に、固定スクロール14と噛み合う旋回スクロール15を挟み込んでスクロール式の圧縮機構16を構成し、旋回スクロール15と主軸受部材13との間に旋回スクロール15の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転防止機構17を設け、クランクシャフト12の上端にある旋回軸部12aを旋回スクロール15に設けた旋回軸受18に嵌合させている。固定スクロール14の外周部には冷媒ガスを吸入するための吸入室19が設けられ、密閉容器11外に通じた吸入パイプ20が嵌合されている。
クランクシャフト12の下端は密閉容器11の下部のオイル溜まり21に達して、密閉容器11内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受部材22により安定に回転できるように軸支されている。
電動機23は主軸受部材13と副軸受部材22との間に位置して、密閉容器11に溶接や焼き嵌めなどして固定された固定子23aと、クランクシャフト12の途中の外まわりに一体に結合された回転子23bとで構成され、回転子23bの上下端面の外周部分には、回転子23bおよびクランクシャフト12が安定して回転し、旋回スクロール15を安
定して円軌道運動させるため、ピン24により止め付けられたバランスウェイト25a、25bが設けられている。
給油機構はクランクシャフト12の下端で駆動されるポンプ26によって構成され、オイル溜まり21内のオイルを供給するため、クランクシャフト12には軸方向に貫通している給油通路27を形成している。
旋回スクロール15外周部には背圧室28が固定スクロール14と主軸受部材13により形成され、旋回軸部12aと旋回スクロール15の間に形成される旋回軸受部空間29から半径方向に背圧室28まで貫通した給油経路30が旋回スクロール15の鏡板15a内に設けられている。
旋回スクロール15の鏡板15aの主軸受部材13側は主軸受部材13に配設した断面が矩形のシール材31により仕切られており、内側は高圧、外側は背圧室28となり背圧室28と吸入室19は吸入連通路32により連通し、吸入連通路32内には背圧制御機構が設けられている。
図5において、旋回スクロール15はアルミニウムで構成され、鏡板15aに渦巻状のラップ15bを有し、鏡板15aのラップ側の面には表面に潤滑油保持のための多数の微小な窪み33を設けている。
微小な窪み33の加工方法は次の手順である。硬質で球状の例えばアルミナの微粒子を含んだ水をガス圧力により噴射させて、鏡板15aのラップ側の面に当てる。ノズル34には、長手方向の長さが旋回スクロール15の鏡板15a外径より長いスリット状の噴射孔が設けられ、噴射孔からは均一の圧力で微粒子が噴射される。噴射される位置に旋回スクロール15の鏡板15aの中心がくるように旋回スクロール15を設置し、ノズル34を固定し旋回スクロール15を鏡板15aの中心を中心として回転させることで鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで同時に均一に加工できる。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動機23によりクランクシャフト12が回転駆動されるに伴い、クランクシャフト12の上端にある旋回軸部12aが偏心駆動することにより旋回スクロール15を円軌道運動させ、これにより固定スクロール14と旋回スクロール15との間に形成している圧縮室35が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器11外に通じた吸入パイプ20および固定スクロール14の外周部の吸入室19から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール14の中央部の吐出孔36から吐出バルブ37を押し開いて容器内吐出室38に吐出させることを繰り返す。
吐出された冷媒ガスは、圧縮機構部16を貫通する吐出ガス通路39を通り回転子23b上部に到達し、回転子23bに貫通している回転子ガス通路40を通って密閉容器11の下部に導かれ、固定子23a外周に配した固定子ガス通路41、圧縮機構部16外周に配した圧縮機構部切り欠き42を通って密閉容器11の上部に到達し、吐出管43から密閉容器11外へ吐出される。
また、オイル溜まり21内のオイルはポンプ26によりクランクシャフト12を軸方向に貫通している給油通路27を通じて旋回軸受部空間29に供給される。供給されたオイルは2系統に分岐され、1系統は旋回軸受18と旋回軸部12aを潤滑し、主軸部12b
と主軸受44を潤滑した後、主軸受部材13の下に滴下し、最終的にオイル溜まり21に回収される。
もう1系統は、旋回軸受部空間29と背圧室28との差圧により給油経路30を通って背圧室28に導かれる。
ここで、背圧室28に到達したオイルは旋回スクロール15と固定スクロール14とのスラスト面に供給され、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面の多数の微小な窪み33にはオイルが保持される。
以上のように本実施の形態においては、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面に、長手方向の長さが旋回スクロール15の鏡板15a外径より長いノズル34の噴射孔から硬質微粒子例えばアルミナを含んだ水をガス圧力により均一に噴射し、噴射される位置に旋回スクロール15の鏡板15aの中心がくるように旋回スクロール15を設置し、ノズル34を固定し旋回スクロール15を鏡板15aの中心を中心として回転させることで、ラップ15bの高さが高く、硬質微粒子が鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cに当たりにくい場合でも、鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cでのノズル34の移動速度が、鏡板外周平面15dよりも遅くなるため、単位面積当たりの処理時間を長くすることができ、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで均一に硬質微粒子を噴射し、微小な窪み33を均一に加工することができるため、窪み33に保持したオイルによるシール効果と潤滑効果により、性能低下を抑えながら信頼性を向上することができる。さらに、ノズル34を固定して加工できるため、加工設備を簡素化できる。
また、ノズル34の噴射孔の長手方向の長さをさらに長くし、複数の旋回スクロール15を同時に設置することにより、一度に複数の旋回スクロール15を処理することができるため、生産性を向上することができる。
また、ノズル34から噴射される水が、渦巻状のラップ15bに対して相対的に渦巻きの内側から外側へ移動する方向に、ノズル34または旋回スクロール15を回転させたことにより、水が鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cに滞留しにくくなり、水の滞留により硬質微粒子が鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cに当たりにくくなることを防ぐことができるため、水が滞留しやすい鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから、水が滞留しにくい鏡板外周平面15dまで、均一に硬質微粒子を噴射し、微小な窪み33を均一に加工することができるため、性能低下を抑えながら信頼性を向上させることができる。
また、図6のように、ノズル34を傾けて、ノズル34から噴射される水が、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面に対して斜めに当てることにより、垂直に噴射した場合に硬質微粒子が当たりにくいラップ15bの根元部に硬質微粒子に当てることができるため、ラップ15bの根元まで微小な窪み33を均一に加工することができ、性能低下を抑えながら信頼性を向上することができる。
また、図7のように、ノズル34と旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面との距離を、旋回スクロール15の中心部の方が外周部より大きくすることにより、旋回スクロール15の鏡板外径が大きく中心部と外周部での処理速度の差が大きく外周部に対して中心部での処理時間が長くなりすぎる場合でも、中心部での単位時間当たりの処理能力を抑えることができるため中心部での過剰処理を防止することができ、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで均一に硬質微粒子を噴射し、微小な窪み33を均一に加工することができるため、性能低
下を抑えながら信頼性を向上することができる。
逆に、図8のように、ノズル34と旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面との距離を、旋回スクロール15の中心部の方が外周部より小さくすることにより、旋回スクロール15の鏡板外径が小さく中心部と外周部での処理速度の差が小さく外周部に対して中心部での処理時間があまり長くならない場合でも、中心部での単位時間当たりの処理能力を向上することができるため中心部での処理不足を防止することができ、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで均一に硬質微粒子を噴射し、微小な窪み33を均一に加工することができるため、性能低下を抑えながら信頼性を向上することができる。
また、図9のように、ノズル34を旋回スクロール15の鏡板15aの中心を挟んで、ノズル34の長手方向と直交する方向に往復移動させることにより、旋回スクロール15の鏡板外径が大きく中心部と外周部での処理速度の差が大きく外周部に対して中心部での処理時間が長くなりすぎる場合でも、中心部に絶えず噴射されることを防止できるため処理時間を抑えることで中心部での過剰処理を防止することができ、旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面のラップの巻き始め部15cから鏡板外周平面15dまで均一に硬質微粒子を噴射し、微小な窪み33を均一に加工することができるため、性能低下を抑えながら信頼性を向上することができる。
なお、ここでは旋回スクロール15の鏡板15aのラップ側の面に窪み33を形成した場合を示したが、固定スクロール14の場合でも同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機の製造方法は、スクロールの鏡板のラップ側の面に、微小な窪みを均一に加工することができるため、性能低下を抑えながら信頼性を向上することが可能となるので、高効率で信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することができる。さらに、製品であるルームエアコン等の空調機やヒートポンプ式給湯機として、より省エネで環境に優しい快適な製品とすることが可能である。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールとノズルの関係を示す模式図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールとノズルの関係を示す模式図 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールとノズルの関係を示す模式図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールとノズルの関係を示す模式図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールとノズルの関係を示す模式図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールとノズルの関係を示す模式図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールとノズルの関係を示す模式図 従来のスクロール圧縮機の旋回スクロールを示す斜視図
符号の説明
11 密閉容器
12 クランクシャフト
12a 旋回軸部
12b 主軸部
13 主軸受部材
14 固定スクロール
15 旋回スクロール
15a 鏡板
15b ラップ
15c 巻き始め部
15d 鏡板外周平面
16 圧縮機構
17 自転防止機構
18 旋回軸受
19 吸入室
20 吸入パイプ
21 オイル溜まり
22 副軸受部材
23 電動機
23a 固定子
23b 回転子
24 ピン
25a、25b バランスウェイト
26 ポンプ
27 給油通路
28 背圧室
29 旋回軸受部空間
30 給油経路
31 シール材
32 吸入連通路
33 窪み
34 ノズル
35 圧縮室
36 吐出孔
37 吐出バルブ
38 容器内吐出室
39 吐出ガス通路
40 回転子ガス通路
41 固定子ガス通路
42 圧縮機構部切り欠き
43 吐出管
44 主軸受

Claims (9)

  1. 密閉容器内に、圧縮機構部と電動機を配し、前記圧縮機構部は、鏡板に渦巻状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールのラップに対向して噛み合うラップを有する旋回スクロールにより複数の圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを前記固定スクロールとにより挟む位置に設けられた主軸受部材と、前記旋回スクロールの鏡板に設けられた旋回軸受部に嵌合し旋回スクロールを旋回運動させる旋回軸を有するクランクシャフトを有し、前記旋回スクロールの旋回運動により前記圧縮室の中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行い、吐出孔から圧縮されたガスを吐出するスクロール圧縮機の製造方法であって、前記固定または旋回の少なくともいずれかの一方のスクロールの鏡板のラップ側の面に、硬質微粒子を含んだ液体を噴射することで表面に潤滑油保持のための多数の微小な窪みを設け、前記硬質微粒子を含んだ液体を噴射するノズルの噴射孔の幅を、前記スクロールの鏡板外径より大きくしたことを特徴とするスクロール圧縮機の製造方法。
  2. ノズルを、スクロールの鏡板の中心を中心として、回転させることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  3. 密閉容器内に、圧縮機構部と電動機を配し、前記圧縮機構部は、鏡板に渦巻状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールのラップに対向して噛み合うラップを有する旋回スクロールにより複数の圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを前記固定スクロールとにより挟む位置に設けられた主軸受部材と、前記旋回スクロールの鏡板に設けられた旋回軸受部に嵌合し旋回スクロールを旋回運動させる旋回軸を有するクランクシャフトを有し、前記旋回スクロールの旋回運動により前記圧縮室の中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行い、吐出孔から圧縮されたガスを吐出するスクロール圧縮機の製造方法であって、前記固定または旋回の少なくともいずれかの一方のスクロールの鏡板のラップ側の面に、硬質微粒子を含んだ液体を噴射することで表面に潤滑油保持のための多数の微小な窪みを設け、前記硬質微粒子を含んだ液体を噴射するノズルの噴射孔の幅を、前記スクロールの鏡板外径より大きくし、前記スクロールの鏡板の中心が、前記硬質微粒子を含んだ液体が噴射される位置になるように設置し、前記スクロールを鏡板の中心を中心として回転させたことを特徴とするスクロール圧縮機の製造方法。
  4. スクロールを複数同時に設置することを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  5. ノズルから噴射される液体が、渦巻状のラップに対して、相対的に渦巻きの内側から外側へ移動する方向に、前記ノズルまたはスクロールを回転させたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  6. ノズルから噴射される液体を、前記スクロールの鏡板のラップ側の面に対して斜めに当てることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  7. 前記ノズルと前記スクロールの鏡板のラップ側の面との距離が、前記スクロールの中心部の方が前記スクロールの外周部より大きいことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  8. 前記ノズルと前記スクロールの鏡板のラップ側の面との距離が、前記スクロールの中心部の方が前記スクロールの外周部より小さいことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  9. 前記ノズルを、前記スクロールの鏡板の中心を挟んで、ノズルの長手方向に直交する方向
    に移動させたことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
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