JP2009074076A - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で、高い弾性率と耐衝撃性をあわせ持ったポリプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体であって、極性基含有量が0.1モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、イソタクチックトライアッドにて90%以上であるランダム共重合体(A)およびイソタクチックポリプロピレン(B)を含む樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い弾性率と衝撃強度を併せ持つ、プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体を含有するポリプロピレンを含む樹脂組成物に関する。
ポリプロピレンは安価で製造でき軽量な熱可塑性樹脂として広く用いられている。現在上市されているポリプロピレン系樹脂組成物は、一般的に0.2〜2GPa程度の弾性率を示し、衝撃強さは約30〜40MPa(アイゾット、ノッチ有)である。しかし、自動車用途などにおいてポリプロピレンの利用が拡大してきたことから、より高い弾性率と衝撃強度を持ち合わせた新しいポリプロピレン系樹脂の開発が望まれている。
従来技術により提供されるポリプロピレン系樹脂組成物としては、大きく分けて以下のようなものがある。
(1)エラストマー成分をブレンドしたもの(特許文献1)。耐衝撃性能は向上するが、弾性率は低下しゴム的な性質の樹脂となる。
(2)エラストマー成分および無機フィラーをブレンドしたもの(特許文献2、3、4)。エラストマー添加による弾性率の低下を無機フィラーによって抑制している。無機フィラーとしてはタルクが多く用いられている。この手法では、タルクとポリプロピレンの親和性が低いことから、効率的にフィラーを分散するために、さらに親和剤成分を添加することがある。
親和剤成分としてはカルボン酸などを用いてラジカル反応により極性を付与した変性ポリプロピレンの利用が、近年注目を集めている(特許文献5、6、7)。これらの樹脂では、弾性率の低下は防げるが、タルクによる比重の増加や、組成が複雑なためリサイクルが難しい等の課題がある。
(3)繊維をブレンドしたもの。ガラス繊維をブレンドしたGFRPなどは古くから知られているが、樹脂の廃棄・再利用の点で課題があった。近年では炭素繊維を利用した新たなFRPの開発も行われている(特許文献8)。
一方、高強度樹脂としてよく知られているものにアイオノマーがある(非特許文献1)。デュポン社により開発されたアイオノマー樹脂はポリエチレンをベースとして極性基および金属イオンを導入したものであり、ポリマーに結合した極性基同士がイオンとの相互作用を介し擬似的に架橋してポリマーネットワークをつくり、これが高い強度を発現していると考えられている。本技術では共重合によるポリエチレンへの極性基導入が要素技術である。対して、従来技術ではポリプロピレン系ではポリエチレン系に比べ共重合による極性基の任意な導入が困難であったため、同様な高強度樹脂は開発されていない。プロピレンと極性基含有モノマーの共重合による極性基含有ポリプロピレンの合成に関しては、本発明者らは既に、炭素数が3以上のα−オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとの共重合体であって、極性基含有モノマー単位の含有量が5%以上であり、かつ高い立体規則性(イソタクチック)を有するランダム共重合体の製造に成功している(特許文献9、10)。
特開2006−213917号公報 特開2007−91789号公報 特開2006−169424号公報 特開2005−336390号公報 特開2002−3692号公報 特開2002−146153号公報 特開平10−101890号公報 特開2006−124454号公報 特開2001−329023号公報 特開2005−105147号公報 アイオノマー・イオン性高分子材料(矢野紳一・平沢栄作、シーエムシー出版、2003年)
本発明は、軽量で、高い弾性率と耐衝撃性をあわせ持ったポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明者らは、鋭意検討を重ねた。その結果、プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとの立体規則性(イソタクチック)ランダム共重合体(A)が、軽量で、高い耐衝撃性能を有し、極性基を持たないランダム共重合体に比べ弾性率の低下が比較的少ないことを明らかにし、さらに、これをイソタクチックポリプロピレン(B)とブレンドすると、得られた樹脂組成物は、極性基含有ランダム共重合体およびポリプロピレンを単独で用いた場合のいずれと比較しても、高い弾性率と耐衝撃性をあわせ持った材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、この出願は以下の発明を提供するものである。
〈1〉極性基含有量が0.1モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、イソタクチックトライアッドにて90%以上である、プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体(A)と、イソタクチックポリプロピレン(B)を含有する樹脂組成物。
〈2〉プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体(A)における極性基含有モノマーが水酸基含有モノマー、あるいは水酸基含有モノマーと1種以上の他の極性基含有モノマーとの混合物である〈1〉に記載の樹脂組成物。
〈3〉極性基含有モノマーが、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、エステル基、エポキシ基、ニトリル基、チオール基、スルフィド基、スルホキシ基、スルホニル基及びスルホン基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基である〈2〉に記載の樹脂組成物。
本発明に係る、プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体(A)とポリプロピレン(B)を含有する樹脂組成物は、極性基含有ランダム共重合体およびポリプロピレンをそれぞれ単独で用いた場合のいずれと比較しても、高い弾性率と耐衝撃性をあわせ持った材料となる。また、軽量で、樹脂組成物中に極性基を含有することから極性物質との親和性を有する。これらの特徴から、染色性、接着性、相溶性に優れた高強度材料として利用しうる。
本発明の樹脂組成物は、極性基含有量が0.1モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、イソタクチックトライアッドにて90%以上である、プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体(A)と、イソタクチックポリプロピレン(B)を含有することを特徴としている。
本発明における樹脂組成物の一方の必須成分である、上記ランダム共重合体(A)は、プロピレンと、極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体であって、極性基含有量が0.1モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、イソタクチックトライアッドにて90%以上ものである。
このようなランダム共重合体(A)はたとえば、架橋メタロセン化合物と、アルキルアルミノキサンあるいは有機ホウ素化合物を含有する触媒の存在下に、プロピレンと、極性基含有ビニルモノマーとを共重合させることによる得ることができる。共重合の詳細な方法・態様などについては、特開2001−329023号公報、および特開2005−105147号公報に記載などの方法などを参考にすればよい。
極性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、含窒素基、含酸素基、含硫黄極性基などの極性基を有するビニルモノマーが使用される。極性基としては水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、エステル基、エポキシ基、ニトリル基、チオール基、スルフィド基、スルホキシ基、スルホニル基、スルホン基などが挙げられるが、水酸基が好ましく用いられる。
このような該極性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、3−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、7−オクテン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、12−トリデセン−2−オール、10−ウンデカノイック酸、メチル−9−デセネート、t−ブチル−10−ウンデセネート、1,1−ジメチル−2−プロペン−1−オール、9−デセン−1−オール、3−ブテン酸、3−ブテン−1−オール、N−(3−ブテン−1−イル)フタルイミド、5−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸メチル、5−ヘキセン−2−オン、アリルアルコール、アリルアミン、アリルメルカプタン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、または上記モノマーの少なくとも1種と任意の割合で混合しても良い。
本発明のプロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体(A)における極性基含有ビニルモノマー単位の含有量は、0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上であり、上限は90モル%、好ましくは50モル%である。該含有量が上記下限未満ではでは、優れた強度を付与することができず、上限を超えては優れた相溶性を付与できない。ここで、極性基含有ビニルモノマー単位の含有量とは、共重合体中(A)の全モノマー単位数に対する極性基含有ビニルモノマー単位の割合をパーセントで示したものである。
また、極性基含有ランダム共重合体(A)におけるオレフィン部分の立体規則性は、イソタクチックトライアドにて90%以上、好ましくは95%以上であり、上限は100%であり得る。ここでトライアドとは、同一のプロキラル面を選択して挿入された隣接するモノマー単位3個からなる連鎖状態をいい、かつ上記の値は、共重合体中(A)のオレフィン部分の全トライアド数に対するイソタクチックトライアド数の割合をパーセントで示したものである。イソタクチックトライアドが上記下限未満では、イソタクチックポリプロピレン基材との優れた相溶性等の機能を極性基含有ランダム共重合体に付与できない。
極性基含有ランダム共重合体(A)の数平均分子量は、上限が好ましくは500,000であり、より好ましくは300,000であり、下限が好ましくは5,000であり、より好ましくは10,000である。上記下限未満では、強度が劣り、上記上限を超えては成形性に劣る。
本発明における樹脂組成物の他方の必須成分はイソタクチックポリプロピレン(B)である。このイソタクチックポリプロピレン(B)は上記ランダム共重合体(A)により、弾性率や耐衝撃強度が著しく改善される。
このイソタクチックポリプロピレン(B)の立体規則性は、イソタクチックトライアドにて90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上であり、上限は100%であり得る。上記下限未満では、優れた弾性率等の物性を発現することができず、また、極性基含有ランダム共重合体との優れた相溶性を付与することができない。イソタクチックポリプロピレンの数平均分子量は、上限が好ましくは500,000であり、より好ましくは300,000であり、下限が好ましくは5,000であり、より好ましくは10,000である。上記下限未満では、強度が劣り、上記上限を超えては成形性に劣る。
本発明の上記樹脂組成物中における上記極性基含有ランダム共重合体(A)の割合は、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上であり、上限は、好ましくは95重量%、より好ましくは90重量%である。
上記下限未満あるいは上限を超えては優れた弾性率と耐衝撃性能を両立することができない。
本発明の樹脂組成物は、上記の極性基含有ランダム共重合体(A)とイソタクチックポリプロピレン(B)を必須成分とするが、その効果を阻害しない範囲で、汎用されている樹脂用添加剤を含んでも良い。添加剤としては、例えば酸化防止剤、造核剤、潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられる。添加剤量は樹脂組成物全体に対して好ましくは0.01重量%以上であり、また30重量%以下である。また、これらは単独で用いても良いし、または上記添加剤の少なくとも1種と任意の割合で混合して用いても良い。本発明の組成物は、JIS K7113規格の試験片により測定された引張弾性率が200から3000MPa、かつJIS K7160規格の試験片により測定された引張衝撃強さが50から1000kJ/m2とすることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
500mlのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分窒素置換した後、乾燥ヘキサン200mlおよびトリイソブチルアルミニウム100ml(397ミリモル)を導入した。反応系を−50℃に冷却し、5−ヘキセン−1−オール46ml(340ミリモル)を温度上昇に気をつけながら、ゆっくりと滴下した。攪拌しながら反応系を室温まで、自然上昇させた後、溶媒のヘキサンを減圧留去して目的のi−BuAl(OCCH=CH)を透明で粘稠な液体として90g得た(収率96%)。
[製造例2]
1000mlのガラス製反応容器に攪拌器および三方コックを接続した。系内を十分窒素置換した後、キシレン340ml、メチルアルモキサンのトルエン溶液(2.1モル/l)6.4mlおよび上記で合成したi−BuAl(OCCH=CH)10ml(36ミリモル)を導入した。−20℃に冷却し、プロピレン6gを導入した後、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/l)2mlを導入して重合開始とし、そのままプロピレン圧を一定に保ちながら、−20℃で半回分式にて5時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより脱アルミニウムおよび共重合体の沈殿を行った。沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体4.2gを得た。得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量が260,000、重量平均分子量が520,000であった。また、Hおよび13C−NMRにより解析したところ、共重合体中の5−ヘキセン−1−オールの含有量は、1.3モル%、およびプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は、98%であった。
[製造例3]
1000mlのガラス製反応容器に攪拌器および三方コックを接続した。系内を十分窒素置換した後、トルエン260ml、メチルアルモキサンのトルエン溶液(2.1モル/l)7.5mlおよび上記で合成したi−BuAl(OCCH=CH)5.9ml(21.2ミリモル)を導入した。−20℃に冷却し、プロピレン1.2gを導入した後、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.010モル/l)4mlを導入して重合開始とし、そのままプロピレン圧を一定に保ちながら、−20℃で半回分式にて8時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより脱アルミニウムおよび共重合体の沈殿を行った。沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体6.5gを得た。得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量が76,600、重量平均分子量が146,000であった。また、Hおよび13C−NMRにより解析したところ、共重合体中の5−ヘキセン−1−オールの含有量は、6.4モル%、およびプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は、98%であった。
[製造例4]
500mlのガラス製反応容器に攪拌器および三方コックを接続した。系内を十分窒素置換した後、トルエン182ml、メチルアルモキサンのトルエン溶液(2.1モル/l)8mlおよび上記で合成したi−BuAl(OCCH=CH)8ml(29.3ミリモル)を導入した。プロピレン0.8gを導入した後、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.010モル/l)2mlを導入して重合開始とし、そのままプロピレン圧を一定に保ちながら、室温で半回分式にて20分間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより脱アルミニウムおよび共重合体の沈殿を行った。沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体2.4gを得た。得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量が8,100、重量平均分子量が18,300であった。また、Hおよび13C−NMRにより解析したところ、共重合体中の5−ヘキセン−1−オールの含有量は11.9モル%、およびプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は、97%であった。
[製造例5]
1000mlのガラス製反応容器に攪拌器および三方コックを接続した。系内を十分窒素置換した後、トルエン400ml、メチルアルモキサンのトルエン溶液(2.1モル/l)8.0mlおよび上1−ヘキセン3.6g(42.7ミリモル)を導入した。室温でプロピレン7.8gを導入した後、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/l)2mlを導入して重合開始とし、そのままプロピレン圧を一定に保ちながら、室温で半回分式にて25分間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより脱アルミニウムおよび共重合体の沈殿を行った。沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体27.3gを得た。得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が115,000、分子量分布(Mw/Mn)が2.0であった。また、Hおよび13C−NMRにより解析したところ、共重合体中のヘキセンの含有量は、6.5モル%およびプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は、96%であった。
実施例1
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)80重量%および日本ポリケム株式会社製イソタクチックポリプロピレン(NOVATEC、PURE GRADE、数平均分子量:22万7千、重量平均分子量:65万3千)20重量%を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練した樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により樹脂フィルムを作成した。樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、664.4MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは90.9kJ/mであった。
実施例2
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)50重量%、およびALDRICH社製イソタクチックポリプロピレン427861−1KG(数平均分子量:9万7千、重量平均分子量:34万)50重量%を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により樹脂フィルムを作成した。樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、535.2MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは311.4kJ/mであった。
実施例3
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)50重量%、およびALDRICH社製イソタクチックポリプロピレン427853−1KG(数平均分子量:11万6千、重量平均分子量:58万)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、544.0MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは365.1kJ/mであった。
実施例4
上記の製造例2で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基1.3モル%)0.025重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、543.0MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは98kJ/mであった。
実施例5
上記の製造例2で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基1.3モル%)1重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、586.3MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは123.8kJ/mであった。
実施例6
上記の製造例2で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基1.3モル%)5重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、528.6MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは140.3kJ/mであった。
実施例7
上記の製造例2で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基1.3モル%)10重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、540.4MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは129.3kJ/mであった。
実施例8
上記の製造例2で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基1.3モル%)50重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、506.3MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは158.1kJ/mであった。
実施例9
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)0.025重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、539.0MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは180kJ/mであった。
実施例10
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)0.05重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、565.0MPaであった。
実施例11
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)0.5重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、577.0MPaであった。
実施例12
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)1重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、493.0MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは103kJ/mであった。
実施例13
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)2.5重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、602MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは142kJ/mであった。
実施例14
上記の製造例3で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基6.4モル%)50重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、535.0MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは365.0kJ/mであった。
実施例15
上記の製造例4で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基11.9モル%)0.025重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、575.0MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは138kJ/mであった。
実施例16
上記の製造例4で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基11.9モル%)0.1重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、552.0MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは146.0kJ/mであった。
実施例17
上記の製造例4で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基11.9モル%)0.5重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、547.3MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは118.9kJ/mであった。
実施例18
上記の製造例4で合成した水酸基含有ランダム共重合体(水酸基11.9モル%)5重量%、および日本ポリプロピレン株式会社製イソタクチックポリプロピレン ノバテックPP MA3(数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、東洋精機製ラボプラストミルに接続した2軸混練機を用いて、190℃、100rpm、5分間混練し樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物について、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムをJIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、524.1MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは145.9kJ/mであった。
比較例1
日本ポリケム株式会社製ポリプロピレン(NOVATEC、PURE GRADE)を、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムについて、JIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、弾性率は583.3MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは88.8MPaであった。
比較例2
ALDRICH社製イソタクチックポリプロピレン427861−1KG(数平均分子量:9万7千、重量平均分子量:34万)を、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムについて、JIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、弾性率は、413.5MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは241MPaであった。
比較例3
ALDRICH社製イソタクチックポリプロピレン427853−1KG(数平均分子量:11万6千、重量平均分子量:58万)を190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムについて、JIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、弾性率は431.4MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは349.8MPaであった。
比較例4
上記の製造例2で合成した水酸基含有ポリプロピレン(水酸基1.3モル%)を用いて、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により樹脂フィルムを作成した。樹脂フィルムの試験片をDSCにより10℃/分の条件で昇温して熱分析したところ、融点142.5℃、融解エンタルピー60.4J/gであった。JIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、Orientec製Tensilon10tにより25℃、引張速度10mm/minの条件で引張試験を行ったところ、降伏点応力26.6MPa、破断点伸度1334.1%、破断点応力50.3MPaであった。また、同様の試験片を用いてサン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、419.3MPaであった。同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは246.2kJ/mであった。
比較例5
上記の製造例3で合成した水酸基含有ポリプロピレン(水酸基6.4モル%)を用いて、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により樹脂フィルムを作成した。樹脂フィルムの試験片をDSCにより10℃/分の条件で昇温して熱分析したところ、融点111.1℃、融解エンタルピー33.2J/gであった。JIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、Orientec製Tensilon10tにより25℃、引張速度10mm/minの条件で引張試験を行ったところ、降伏点応力11.4MPa、破断点伸度1538.7%、破断点応力47.7MPaであった。また、同様の試験片を用いてサン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、342.3MPaであった。同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは803.0kJ/mであった。
比較例6
上記の製造例5で合成したプロピレン−ヘキセン共重合体(ヘキセン6.5モル%)を用いて、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により樹脂フィルムを作成した。樹脂フィルムの試験片をDSCにより10℃/分の条件で昇温して熱分析したところ、融点132.4℃、融解エンタルピー21.7J/gであった。JIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、Orientec製Tensilon10tにより25℃、引張速度10mm/minの条件で引張試験を行ったところ、降伏点応力7.1MPa、破断点伸度1389.8%、破断点応力33.0MPaであった。また、同様の試験片を用いてサン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、112.8MPaであった。同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは779.2kJ/mであった。
比較例7
日本ポリプロピレン株式会社製アイソタクチックポリプロピレン(NOVATEC PP MA3、数平均分子量:111,000、重量平均分子量:397,000)を、190℃、5MPaの条件でヒートプレス法により作成した樹脂フィルムについて、JIS K7113(ISO527)規格に切り出した試験片を用いて、サン科学製COMPAC-100IIにより25℃、引張速度10mm/minの条件で弾性率測定を行ったところ、弾性率は444MPaであった。さらに同様にして作成した樹脂フィルムからJIS K7160(ISO8256)規格に切り出した試験片を用いて、東洋精機製DG digital impact testerにより、ハンマーモーメント2.142N・m、ハンマーの負荷4J、回転軸中心-重心距離0.23m、ハンマー持上角度150°、周期0.962秒、25℃の条件で引張衝撃試験を行ったところ、引張衝撃強さは143MPaであった。
実施例1−3、および比較例1−6において得られた各樹脂および樹脂組成物の物性測定データを一覧にして表1に示す。また実施例4−18、および比較例7において得られたデータを一覧にして表2に示す。
Figure 2009074076
Figure 2009074076
本発明により提供されるポリプロピレンおよびプロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体から成る樹脂組成物は、弾性率を大きく向上させながら高い耐衝撃性能を付与しており、また、軽量で、樹脂組成物中に極性基を含有することから極性物質との親和性を有する。これより、高強度でありながら染色性、接着性、相溶性に優れた材料として、多くの用途が見込まれ、例えば、自動車用バンパー材、塗料用ベース材料、家電製品筐体等に有用である。

Claims (3)

  1. 極性基含有量が0.1モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、イソタクチックトライアッドにて90%以上である、プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体(A)と、イソタクチックポリプロピレン(B)を含有する樹脂組成物。
  2. プロピレンと極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合体(A)における極性基含有モノマーが水酸基含有モノマー、あるいは水酸基含有モノマーと1種以上の他の極性基含有モノマーとの混合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 極性基含有モノマーが、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、エステル基、エポキシ基、ニトリル基、チオール基、スルフィド基、スルホキシ基、スルホニル基及びスルホン基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基である請求項2に記載の樹脂組成物。
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JP2013087125A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Toho Titanium Co Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂成形体およびポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法

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