JP2009073987A - 高誘電樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接着フィルムの形態で、真空ラミネーターにより簡便にプリント配線板に高誘電絶縁層を導入することができ、また小粒径の誘電体粉末を使用した場合でも、該高誘電絶縁層上に、密着強度に優れたメッキ導体層が形成可能な、高誘電樹脂組成物の提供。
【解決手段】 (A)芳香族系エポキシ樹脂、(B)芳香族系シアネートエステル化合物、(C)フェノキシ樹脂及び(D)表面がシリカで被覆され、さらにカップリング剤で処理されている誘電体粉末、を含有する高誘電樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)芳香族系エポキシ樹脂、(B)芳香族系シアネートエステル化合物、(C)フェノキシ樹脂及び(D)表面がシリカで被覆され、さらにカップリング剤で処理されている誘電体粉末、を含有する高誘電樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、多層プリント配線板等の電子部品の高誘電絶縁部形成に有用な高誘電樹脂組成物に関する。また本発明は該高誘電樹脂組成物を使用して作成された接着フィルム、該接着フィルムを使用したコンデンサ内蔵多層プリント配線板の製造方法、及び該高誘電樹脂組成物の硬化物等により内蔵コンデンサ層等の高誘電絶縁部が形成されているプリント配線板等の電子部品にも関する。
近年、情報通信機器はますます高性能及び高機能化し、情報通信機器に使用される電子部品には、小型化、高密度実装化の要求が高まっている。情報通信機器では、演算処理速度の高速化に伴う電気的雑音から生じるデジタルICなどの電子部品の誤作動やノイズを防止するために、多量のチップコンデンサを配線板上に搭載しているが、実装密度の向上のため、多層プリント配線板の導体層間に高誘電絶縁層を設けることにより、コンデンサを多層プリント配線板内に内蔵させる方法が知られている。例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂中に誘電体粉末を配合した複合材料より高誘電絶縁層を形成する方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。また、特許文献3には、誘電体粉末を含有する高誘電樹脂組成物を接着フィルムの形態とし、真空ラミネーターにより簡便に多層プリント配線板に高誘電絶縁層を導入する方法が開示されている。
高誘電樹脂組成物の硬化物表面を粗化し、メッキにより導体層を形成する方法は、微細回路形成に適した方法と考えられる。また内蔵コンデンサ層の電気容量を大きくするため、高誘電絶縁層はできるだけ薄くするのが望ましいため、配合される誘電体粉末の平均粒径もある程度小さくする必要がある。一方、本発明者らの検討によれば、誘電体粉末の平均粒径を小さくすると、メッキ導体層の密着強度が低下し、メッキによる導体層形成が困難となることが分かった。さらに、誘電体粉末の平均粒径が大きいと、薄型化に不利なだけでなく、酸化剤で粗化後の硬化物表面の平均粗度(Ra)の値も大きくなり、微細配線形成にも不利となることが分かった。
従って、本発明の目的は、接着フィルムの形態で、真空ラミネーターにより簡便にプリント配線板に高誘電絶縁層を導入することができ、また小粒径の誘電体粉末を使用した場合でも、該高誘電絶縁層上に、密着強度に優れたメッキ導体層が形成可能な、高誘電樹脂組成物を提供することにある。さらには、該高誘電樹脂組成物を用いた接着フィルム、該接着フィルム等を用いたプリント配線板等の電子部品、並びにその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意研究した結果、(A)芳香族系エポキシ樹脂、(B)芳香族系シアネートエステル化合物、(C)フェノキシ樹脂及び(D)表面がシリカで被覆され、さらにカップリング剤で処理されている誘電体粉末、を含有する高誘電樹脂組成物が、接着フィルムの形態で、真空ラミネーターを使用して、基板上にラミネート可能であり、さらに小粒径の誘電体粉末を使用した場合でも、該組成物の硬化物(高誘電絶縁層)表面に、密着強度に優れたメッキ導体層を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
[1] (A)芳香族系エポキシ樹脂、(B)芳香族系シアネートエステル化合物、(C)フェノキシ樹脂及び(D)表面がシリカで被覆され、さらにカップリング剤で処理されている誘電体粉末、を含有する高誘電樹脂組成物。
[2] 誘電体粉末の平均粒径が0.1〜1.5μmである上記[1]記載の高誘電樹脂組成物。
[3] カップリング剤が、チタネート系カップリング剤及びシラン系カップリング剤からなる群より選択される1種以上のカップリング剤である、上記[1]又は[2]記載の高誘電樹脂組成物。
[4] 誘電体粉末がペロブスカイト構造を有し、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムネオジム、チタン酸バリウム錫及びチタン酸鉛からなる群より選択される1種以上の誘電体粉末である、上記[1]〜[3]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[5] フェノキシ樹脂がビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂である、上記[1]〜[4]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[6] 高誘電樹脂組成物中のエポキシ樹脂のエポキシ基とシアネート化合物のシアナト基の割合が1:0.5〜1:1.5であり、芳香族系エポキシ樹脂と芳香族系シアネートエステル化合物の合計量100重量部に対し、フェノキシ樹脂が3〜40重量部配合されている、上記[1]〜[5]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[7] 高誘電樹脂組成物中の誘電体粉末の含有割合が60〜95質量%である、上記[1]〜[6]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[8] 加熱硬化後の比誘電率及び誘電正接が、測定周波数1GHz及び温度23度の条件で、各々10以上、0.05未満となる、上記[1]〜[7]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[9] 上記[1]〜[8]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物が支持体上に層形成された接着フィルム。
[10] 以下の工程(1)〜(7)を含むコンデンサ内蔵多層プリント配線板の製造方法:
(1)上記[9]記載の接着フィルムを回路基板にラミネートする工程、
(2)支持体を除去するか、または除去しない工程、
(3)高誘電樹脂組成物を熱硬化する工程、
(4)支持体が存在する場合に該支持体を除去する工程、
(5)硬化物表面を、アルカリ性酸化剤水溶液で粗化する工程、
(6)粗化された硬化物表面にメッキにより導体層を形成する工程、および
(7)導体層に回路形成する工程。
[11] 上記[1]〜[8]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物の硬化物により内蔵コンデンサ層の一部または全部が形成されているコンデンサ内蔵多層プリント配線板。
[12] 上記[1]〜[8]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物の硬化物により高誘電絶縁部の一部または全部が形成されている電子部品。
[1] (A)芳香族系エポキシ樹脂、(B)芳香族系シアネートエステル化合物、(C)フェノキシ樹脂及び(D)表面がシリカで被覆され、さらにカップリング剤で処理されている誘電体粉末、を含有する高誘電樹脂組成物。
[2] 誘電体粉末の平均粒径が0.1〜1.5μmである上記[1]記載の高誘電樹脂組成物。
[3] カップリング剤が、チタネート系カップリング剤及びシラン系カップリング剤からなる群より選択される1種以上のカップリング剤である、上記[1]又は[2]記載の高誘電樹脂組成物。
[4] 誘電体粉末がペロブスカイト構造を有し、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムネオジム、チタン酸バリウム錫及びチタン酸鉛からなる群より選択される1種以上の誘電体粉末である、上記[1]〜[3]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[5] フェノキシ樹脂がビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂である、上記[1]〜[4]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[6] 高誘電樹脂組成物中のエポキシ樹脂のエポキシ基とシアネート化合物のシアナト基の割合が1:0.5〜1:1.5であり、芳香族系エポキシ樹脂と芳香族系シアネートエステル化合物の合計量100重量部に対し、フェノキシ樹脂が3〜40重量部配合されている、上記[1]〜[5]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[7] 高誘電樹脂組成物中の誘電体粉末の含有割合が60〜95質量%である、上記[1]〜[6]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[8] 加熱硬化後の比誘電率及び誘電正接が、測定周波数1GHz及び温度23度の条件で、各々10以上、0.05未満となる、上記[1]〜[7]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
[9] 上記[1]〜[8]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物が支持体上に層形成された接着フィルム。
[10] 以下の工程(1)〜(7)を含むコンデンサ内蔵多層プリント配線板の製造方法:
(1)上記[9]記載の接着フィルムを回路基板にラミネートする工程、
(2)支持体を除去するか、または除去しない工程、
(3)高誘電樹脂組成物を熱硬化する工程、
(4)支持体が存在する場合に該支持体を除去する工程、
(5)硬化物表面を、アルカリ性酸化剤水溶液で粗化する工程、
(6)粗化された硬化物表面にメッキにより導体層を形成する工程、および
(7)導体層に回路形成する工程。
[11] 上記[1]〜[8]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物の硬化物により内蔵コンデンサ層の一部または全部が形成されているコンデンサ内蔵多層プリント配線板。
[12] 上記[1]〜[8]いずれかに記載の高誘電樹脂組成物の硬化物により高誘電絶縁部の一部または全部が形成されている電子部品。
本発明の高誘電樹脂組成物は、小粒径の誘電体粉末を使用した場合でも、硬化物表面に密着強度に優れたメッキ導体層を形成することができるため、回路の微細配線化や高誘電絶縁層の薄型化に有利である。また、本発明の高誘電樹脂組成物は接着フィルムの形態で、真空ラミネーターにより基板上にラミネートすることができ、効率的に多層プリント配線板の導体層間に高誘電絶縁層(内蔵コンデンサ層)を設けることが可能である。
本発明における成分(A)の「芳香族系エポキシ樹脂」は、1分子中に2以上のエポキシ基を有し、かつ分子中に芳香環骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。芳香族系エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、さらにはこれらのリン変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの芳香族系エポキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物中の芳香族系シエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。芳香族系エポキシ樹脂の含有量が少なすぎると、硬化物の酸化剤による粗化性が十分に得られ難い傾向にある。含有量が多すぎると、硬化物が脆くなる傾向にある。
本発明における成分(B)の「芳香族系シアネートエステル化合物」は、1分子中に2以上のシアナト基を有し、かつ分子中に芳香環骨格を有するシアネート化合物であれば特に限定されない。芳香族系シアネートエステル化合物としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、それらが一部トリアジン化したプレポリマー等を挙げることができる。これらの芳香族系シアネートエステル化合物は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
高誘電樹脂組成物中の成分(A)の1分子中に存在するエポキシ基と成分(B)の1分子中に存在するシアナト基の割合は1:0.5〜1:1.5とするのが好ましい。この範囲を外れると硬化後に残存する未反応のエポキシ基またはシアナト基により、狙いの誘電正接値が得られない場合がある。さらに、未反応のエポキシ基やシアナト基が酸化劣化や吸湿することによって、形成されるコンデンサの容量安定性が損なわれる。なお、高誘電樹脂組成物中に成分(A)以外のエポキシ基を有する化合物、成分(B)以外のシアナト基を有する化合物が含まれる場合は、これらの成分も含めてエポキシ基とシアナト基の割合を上記の範囲内とする。すなわち、高誘電樹脂組成物中に存在するエポキシ基とシアナト基の割合を1:0.5〜1:1.5とするのが好ましい。
樹脂組成物中の芳香族シアネートエステル樹脂の含有量は、エポキシ樹脂の含有量によっても異なるが、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは15〜30質量%である。シアネートエステルの含有量が少なすぎると、耐熱性が低下する傾向、硬化物の表面粗度が大きくなる傾向にある。シアネートエステルの含有量が多すぎると、絶縁層にレーザー等によりビアホールを形成した際、酸化剤によるビア底のスミアの除去性が低下する傾向にある。
本発明における成分(C)である「フェノキシ樹脂」は、2官能エポキシ樹脂とビスフェノール化合物の反応生成物からなる高分子化合物である。「フェノキシ樹脂」としては、特にビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が、耐熱性、耐湿性の点で好ましい。フェノキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールAタイプのフェノトートYP50(東都化成(株)製)、E1256(ジャパンエポキシレジン(株)製)、ビフェニル型エポキシ樹脂YX4000(ジャパンエポキシレジン(株)製)と各種ビスフェノール化合物との反応生成物からなるフェノキシ樹脂である、YL6742BH30、YX6954BH30、YL6974BH30(ジャパンエポキシレジン(株)製)などを挙げることができる。これらのフェノキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
またフェノキシ樹脂としては、重量平均分子量が5000〜100000のフェノキシ樹脂がより好ましい。重量平均分子量が5000〜100000の範囲にあることで、本発明の高誘電樹脂組成物を接着フィルムの形態とした場合に、可とう性が向上し、接着フィルムの取り扱いを容易にするとともに、硬化物の機械的強度、可とう性も向上する。重量平均分子量が5000未満であると、上記の効果が充分でなく、100000を超えるとエポキシ樹脂及び有機溶剤への溶解性が著しく低下し使用が困難となる傾向にある。なお本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定した値である。GPC法による重量平均分子量は、具体的には、例えば、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルムを用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
成分(C)の配合量については、その種類によっても異なるが、好ましくは成分(A)のエポキシ樹脂と成分(B)のシアネート化合物との合計量100重量部に対し3〜40重量部の範囲で配合される。3重量部未満であると接着フィルムの形態で使用した場合に、可とう性が不十分で取り扱いが困難となる傾向にあり、また高誘電樹脂組成物の硬化物の酸化剤による粗化性が十分に得られ難い傾向にある。一方、40重量部を超えると、低い誘電正接値が得られない傾向、硬化物の粗度が増大する傾向にあり、微細回路形成には適さないなどの問題が生じる。
本発明における誘電体粉末は、表面がシリカで被覆され、さらに表面がシリカで被覆された誘電体粉末を、さらにカップリング剤で表面処理したものが使用される。
本発明における誘電体粉末としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムネオジム、チタン酸バリウム錫、チタン酸鉛等の誘電体の粉末を挙げることができる。これら誘電体粉末は、各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。誘電体粉末としては、ペロブスカイト結晶構造又は複合ペロブスカイト結晶構造を有するペロブスカイト型金属酸化物の粉末が比誘電率を大きくし易いことから好ましい。また、結晶内の一部の元素を他の元素で置換したり、結晶構造内に他の元素を侵入させたりしたものも使用することができる。この場合、置換、または侵入させる元素の種類、組み合わせ及び配合量は公知の方法に従えばよく、例えば、希土類元素、Mn、Mg、Nb、W等を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
表面がシリカで被覆され、さらに表面がシリカで被覆された誘電体粉末の調製は、例えば、特開平7−240117号公報記載の方法に準じて行うことができる。
また、例えば、誘電体粉末をエタノール等のアルコールに分散させてスラリーとし、テトラエトキシシラン等のアルコキシルシラン化合物を水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液中で反応させ、得られた生成物を固液分離後、加熱処理を行う方法等により表面がシリカで被覆された誘電体粉末を得ることができ、さらに該シリカ表面被覆誘電体粉末にカップリング剤を添加してヘンシェルミキサー等により攪拌させることにより、カップリング剤で表面処理することができる。
カップリング剤としては、チタネート系カップリング剤及びシラン系カップリング剤が好ましく、特にシラン系カップリング剤が好ましい。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の不飽和炭化水素基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
カップリング剤としては、本発明の高誘電樹脂組成物中での分散性の観点から、特にエポキシ基含有アルコキシシラン化合物が好ましい。
誘電体粉末の平均粒径は0.1〜1.5μmの範囲であるのが好ましく、さらには0.2〜1.0μmの範囲であるのが好ましい。平均粒径が小さすぎると粒子が凝集して、高誘電樹脂組成物中に誘電体粉末が分散し難くなる傾向にある。また、コンデンサ容量を大きくするには内蔵コンデンサ層を薄くする必要があり、通常10〜20μmの層厚が想定されるため、平均粒径が大きすぎると、内蔵コンデンサ層内の絶縁性や誘電体粉末の均一分散化の観点から好ましくない。さらに粒径の大きい誘電体粉末を使用した場合、粗化後の硬化物表面粗度の値が大きくなるため、微細配線の形成にも不利となる。
平均粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)写真観察から測定することが出来る。また他の手法として、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、誘電体粉末の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、誘電体粉末を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、株式会社堀場製作所製 LA−500等を使用することができる
ペロブスカイト構造を持つ誘電体粉末は、目的の平均粒径を有するものであれば、その調製方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法に従えばよく、湿式反応、固相反応などにより合成したものを使用することができる。湿式反応としては、共沈法、加水分解法、水熱合成法、常圧加熱反応法などが挙げられる。
誘電体粉末の粒子形状は特に限定されず、破砕された無定形のものでも球形のものでもよいが、球形の誘電体粉末の方が、樹脂組成物への含有量を上げることができ、それによって、より高誘電容量化を図ることができる点で好ましい。
本発明の高誘電樹脂組成物の誘電体粉末(成分D)の含有割合は、高誘電樹脂組成物を100質量%としたとき、好ましくは60質量%〜95質量%、さらに好ましくは70質量%〜85質量%である。誘電体粉末が95質量%を超えると樹脂組成物中への均一な分散やフィルム形成が困難となる傾向にある。一方、誘電体粉末が60質量%未満であると、高誘電材料として十分な性能が得られない傾向にある。
本発明における高誘電樹脂組成物は、必要により硬化時間を短縮する目的で、硬化触媒として有機金属化合物を添加してもよい。有機金属化合物としては銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅化合物、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛化合物、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト化合物などが挙げられる。有機金属化合物を添加する場合の添加量は通常、成分(B)「芳香族シアネート化合物」に対して金属換算で10〜500ppm、好ましくは25〜200ppmの範囲である。
本発明の高誘電樹脂組成物には、必要に応じて、他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、希釈剤としての単官能エポキシ樹脂の他、脂環式多官能エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤として酸無水物系化合物、ブロックイソシアネート樹脂、ラジカル発生剤と重合性樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
また本発明の高誘電樹脂組成物には、硬化物の機械強度の向上や難燃性の向上の為、有機フィラーや無機フィラーを添加することできる。有機フィラーとしては、コアシェル構造を有するアクリルゴム微粒子、シリコンパウダー、ナイロンパウダー等を挙げることができ、また無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、酸化アンチモン等を挙げることができる。これらの無機フィラーは上記と同様にシラン系カップリング剤等で表面処理されたものを使用してもよい。
本発明の高誘電樹脂組成物は、主として回路基板に代表される電子部品用の材料として好適に使用できる。本発明の高誘電樹脂組成物は、有機溶剤に溶解させてワニス状態とし、該樹脂ワニスを支持フィルムや銅箔上に塗布し、加熱や熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて高誘電樹脂組成物層を形成することで、接着フィルムの形態で用いることができる。本発明の高誘電樹脂組成物はこのようにフィルム化することができるため、多層プリント配線板等の電子部品の生産性を向上させることができ、また絶縁層厚を容易に薄くできるため、高誘電容量コンデンサを多層プリント配線板内に内蔵させるのに好適である。
樹脂ワニスの乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層への有機溶剤の含有割合が通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下となるように乾燥させるのが好ましい。例えば30〜60重量%の有機溶剤を含むワニスであれば、50〜150℃で3〜10分程度乾燥させることができる。乾燥条件は、簡単な実験により、適宜、好適な乾燥条件を容易に設定することができる。
樹脂ワニスの調製に用いられる有機溶剤は特に限定されないが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。これらの有機溶剤は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の接着フィルムにおける支持体の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類等を挙げることができる。特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。これらの支持フィルム表面は、マッド処理、コロナ処理の他、離型処理が施してあってもよい。支持体の厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。高誘電樹脂組成物層は保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。保護フィルムとしては上記支持体と同じ材料を用いることができる。保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
保護フィルムで高誘電樹脂組成物層が保護された、保護フィルム/高誘電樹脂組成物層/支持フィルムの層構成を有する接着フィルムは、ロール状に巻き取って貯蔵することもできる。
本発明の接着フィルムを用いて本発明のプリント配線板を製造する方法について説明する。樹脂組成物層が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、樹脂組成物層が回路基板に接するように、回路基板の片面又は両面に接着フィルムをラミネートする。ラミネートは真空ラミネーターを使用し減圧下で行うのが好ましい。ラミネート方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルムや回路基板を必要により加熱しておいてもよい。プレス温度を好ましくは70〜140℃、プレス圧力を好ましくは1〜11kgf/cm2(9.8×104〜107.9×104N/m2)とし、真空ラミネーター内の空気圧が20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートするのが好ましい。
真空ラミネートは市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製 バキュームアップリケーター、(株)名機製作所製 真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製 ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製真空ラミネーター等を挙げることができる。
本発明における回路基板としては特に限定されないが、主として、ガラスエポキシ、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面に回路が形成されたものをいう。また導体層(回路)と絶縁層が交互に層形成され、最外層の片面又は両面に回路形成された多層プリント配線板も本発明にいう回路基板に含まれる。なお導体回路層表面は黒化処理等により予め粗化処理が施されていた方が絶縁層の回路基板への密着性の観点から好ましい。
ラミネート工程後、回路基板にラミネートされた接着フィルムの樹脂組成物層を熱硬化により硬化する。熱硬化の条件は通常150℃〜220℃で20分〜180分の範囲で選択され、より好ましくは160℃〜200℃で30〜120分の範囲である。
次に必要により回路基板上に形成された絶縁層(硬化物)に穴開けを行いビアホールやスルーホールを形成する。穴あけは例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等の公知の方法により、またこれらの方法を組み合わせて行うことができるが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等のレーザーによる穴あけが最も一般的な方法である。
次いで、絶縁層表面をアルカリ性酸化剤水溶液により粗化処理を行う。穴開けをした場合は、本工程がホール内のデスミア工程も兼ねることになる。アルカリ性酸化剤水溶液としては、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の水溶液が挙げられる。アルカリ性酸化剤水溶液により、硬化物表面にメッキによる導体層形成に適した凹凸面を形成することができ、密着強度に優れるメッキ導体層を形成することができる。
硬化物表面に、無電解メッキと電解メッキを組み合わせた方法で導体層を形成することができる。導体層としては通常銅メッキにより銅層が形成される。また導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみで導体層を形成することもできる。なお導体層形成後、例えば150〜200℃で20〜90分間程度アニール処理を行ってもよい。導体層をパターン加工し回路形成する方法としては、例えば当業者に公知のサブトラクティブ法、セミアディディブ法などを用いることができる。
本発明の高誘電樹脂組成物は、コンデンサ内蔵の多層プリント配線板の他、発信器、共振器、コンデンサ、アンテナ、パワーアンプ、フィルタ、RFモジュール、インダクタ等の各種電子部品用の高誘電率絶縁材料として好適に用いることができる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<参考例1>
[シリカで表面を被覆した誘電体粉末の調製]
エタノール150重量部に、ペロブスカイト型複合酸化物としてチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末(平均粒径0.76μm 日本化学工業(株)製 (Ba0.92Ca0.08)(Ti0.71Zr0.29)O3))100重量部を添加し、充分に分散処理を行いスラリーを調製した。該スラリーを攪拌しながらテトラエトキシシランを5重量部となるように添加し、次いで20重量%水酸化テトラメチルアンモニア水溶液12重量部を添加し、50℃で3時間反応を行った。反応終了後、常法に従って固液分離後、更に、得られた分離ケーキをエタノール300重量部に分散させ、1時間攪拌した後再度固液分離し、加熱処理を行ってシリカで表面を被覆したペロブスカイト型複合酸化物を得た。(シリカ被覆量0.64重量%)
[シリカで表面を被覆した誘電体粉末の調製]
エタノール150重量部に、ペロブスカイト型複合酸化物としてチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末(平均粒径0.76μm 日本化学工業(株)製 (Ba0.92Ca0.08)(Ti0.71Zr0.29)O3))100重量部を添加し、充分に分散処理を行いスラリーを調製した。該スラリーを攪拌しながらテトラエトキシシランを5重量部となるように添加し、次いで20重量%水酸化テトラメチルアンモニア水溶液12重量部を添加し、50℃で3時間反応を行った。反応終了後、常法に従って固液分離後、更に、得られた分離ケーキをエタノール300重量部に分散させ、1時間攪拌した後再度固液分離し、加熱処理を行ってシリカで表面を被覆したペロブスカイト型複合酸化物を得た。(シリカ被覆量0.64重量%)
<参考例2>
[シリカで表面を被覆後、シラン系カップリング剤で表面処理されている誘電体粉末の調製]
参考例1で得られたシリカで表面を被覆したペロブスカイト型複合酸化物1000重量部をコーヒーミルに仕込み、攪拌しながらシランカップリング剤(信越化学工業(株)製 KBE−403)15重量部を1分間かけて添加し、さらに2分間攪拌した後、処理した粉末を取り出し再度コーヒーミルに仕込んで2分間攪拌した。この処理粉末を取り出して乾燥し、シリカで被覆したペロブスカイト型複合酸化物の粒子表面を、更にシラン系カップリング剤で被覆処理したペロブスカイト型複合酸化物を得た。(シランカップリング剤被覆量0.7重量%)
[シリカで表面を被覆後、シラン系カップリング剤で表面処理されている誘電体粉末の調製]
参考例1で得られたシリカで表面を被覆したペロブスカイト型複合酸化物1000重量部をコーヒーミルに仕込み、攪拌しながらシランカップリング剤(信越化学工業(株)製 KBE−403)15重量部を1分間かけて添加し、さらに2分間攪拌した後、処理した粉末を取り出し再度コーヒーミルに仕込んで2分間攪拌した。この処理粉末を取り出して乾燥し、シリカで被覆したペロブスカイト型複合酸化物の粒子表面を、更にシラン系カップリング剤で被覆処理したペロブスカイト型複合酸化物を得た。(シランカップリング剤被覆量0.7重量%)
<参考例3>
[シリカで表面を被覆後、チタネート系カップリング剤で表面処理されている誘電体粉末の調製]
参考例1で得られたシリカで表面を被覆したペロブスカイト型複合酸化物1000重量部にチタネート系カップリング剤(味の素ファインテクノ(株)製 プレンアクトKR−44)50重量部を添加して、実施例2と同様に処理を行い、シリカで被覆したペロブスカイト型複合酸化物の粒子表面を、更にシチタネート系カップリング剤で被覆処理したペロブスカイト型複合酸化物を得た。(チタネート系カップリング剤被覆量0.27重量%)
[シリカで表面を被覆後、チタネート系カップリング剤で表面処理されている誘電体粉末の調製]
参考例1で得られたシリカで表面を被覆したペロブスカイト型複合酸化物1000重量部にチタネート系カップリング剤(味の素ファインテクノ(株)製 プレンアクトKR−44)50重量部を添加して、実施例2と同様に処理を行い、シリカで被覆したペロブスカイト型複合酸化物の粒子表面を、更にシチタネート系カップリング剤で被覆処理したペロブスカイト型複合酸化物を得た。(チタネート系カップリング剤被覆量0.27重量%)
成分(A)としてビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 NC3000、エポキシ当量約291)30重量部、成分(B)としてビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製 BA230S75、シアネート当量約232、不揮発分75%のメチルエチルケトン(MEK)ワニス)30重量部、成分(C)としてビフェニル骨格含有フェノキシ樹脂ワニス(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX6954BH30、重量平均分子量38000、不揮発分30%のMEK/シクロヘキサノンワニス)20重量部、さらに成分(D)として参考例2で得られた、シリカで表面を被覆後、シランカップリング処理を施したチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部を添加し、完全に分散するまで攪拌してワニス状の高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
成分(A)としてビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 NC3000、エポキシ当量約291)30重量部、成分(B)としてビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製 BA230S75、シアネート当量約232、不揮発分75%のメチルエチルケトン(MEK)ワニス)30重量部、成分(C)としてビフェニル骨格含有フェノキシ樹脂ワニス(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX6954BH30、重量平均分子量38000、不揮発分30%のMEK/シクロヘキサノンワニス)20重量部、さらに成分(D)として参考例3で得られた、シリカで表面を被覆後、チタネート系カップリング処理を施したチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部を添加し、完全に分散するまで攪拌してワニス状の高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
<比較例1>
成分(C)のフェノキシ樹脂を含まないこと以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た。しかし、得られたフィルムは指触乾燥性に劣り、可とう性もなく、取り扱い性の点から使用に耐えうるものではなかった。
成分(C)のフェノキシ樹脂を含まないこと以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た。しかし、得られたフィルムは指触乾燥性に劣り、可とう性もなく、取り扱い性の点から使用に耐えうるものではなかった。
<比較例2>
成分(D)として参考例1で得られたシリカで表面を被覆しただけのチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部に変更する以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
成分(D)として参考例1で得られたシリカで表面を被覆しただけのチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部に変更する以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
<比較例3>
成分(D)としてシリカで表面を被覆せずに、シラン系カップリング剤で表面処理しただけのチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部に変更する以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
成分(D)としてシリカで表面を被覆せずに、シラン系カップリング剤で表面処理しただけのチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部に変更する以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
<比較例4>
成分(D)としてシリカで表面を被覆せずに、チタネート系カップリング剤で表面処理を施しただけのチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部に変更する以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
成分(D)としてシリカで表面を被覆せずに、チタネート系カップリング剤で表面処理を施しただけのチタンジルコン酸バリウムカルシウム粉末220重量部に変更する以外は実施例2記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
<比較例5>
成分(B)の芳香族シアネートエステルをトリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂のMEKワニス(大日本インキ化学工業(株)製 フェノライトLA−7052、不揮発分60%、不揮発分のフェノール性水酸基当量120)20重量部に変更する以外は実施例1記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
成分(B)の芳香族シアネートエステルをトリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂のMEKワニス(大日本インキ化学工業(株)製 フェノライトLA−7052、不揮発分60%、不揮発分のフェノール性水酸基当量120)20重量部に変更する以外は実施例1記載高誘電樹脂組成物と全く同様に高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
<参考例4>
成分(A)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート825、エポキシ当量176)30重量部、成分(B)の芳香族シアネートエステル化合物を使用せずに、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂のMEKワニス(大日本インキ化学工業(株)製 フェノライトLA−7052、不揮発分60%、不揮発分のフェノール性水酸基当量120)20重量部、成分(C)としてエピコート828とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂ワニス(ジャパンエポキシレジン(株)製、YL6747H30、重量平均分子量47000、不揮発分30%のシクロヘキサノンワニス)20重量部、さらに成分(D)としてチタン酸バリウム粉末(平均粒径2.0μm、日本化学工業(株)製)300重量部を添加し、完全に分散するまで攪拌してワニス状の高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PET略称する)フィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
成分(A)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート825、エポキシ当量176)30重量部、成分(B)の芳香族シアネートエステル化合物を使用せずに、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂のMEKワニス(大日本インキ化学工業(株)製 フェノライトLA−7052、不揮発分60%、不揮発分のフェノール性水酸基当量120)20重量部、成分(C)としてエピコート828とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂ワニス(ジャパンエポキシレジン(株)製、YL6747H30、重量平均分子量47000、不揮発分30%のシクロヘキサノンワニス)20重量部、さらに成分(D)としてチタン酸バリウム粉末(平均粒径2.0μm、日本化学工業(株)製)300重量部を添加し、完全に分散するまで攪拌してワニス状の高誘電樹脂組成物を作製した。該高誘電樹脂組成物ワニスを、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PET略称する)フィルム上に塗布し、70〜120℃で12分乾燥させ、高誘電樹脂組成物層の厚さが20μmの接着フィルムを得た(残留溶剤約1〜2重量%)。
[高誘電樹脂組成物の比誘電率(εr)、誘電正接(tanδ)の測定]
PETフィルム上に得られた接着フィルムの樹脂面同士を合わせて真空ラミネーターにより、温度80℃、圧力1kgf/cm2(9.8×104Pa)空気圧5mmHg(6.7×102Pa)以下の条件でラミネートした。ラミネート後PETフィルムを剥離し、さらに同接着フィルムの樹脂面同士を合わせて同条件でのラミネート、PETフィルム剥離、ラミネートを繰り返し行い、厚さ約1.2mmの樹脂板を作製した。この樹脂板を100mm×100mm×1mmの金型に入れ、150℃/30分+180℃/90分、50MPaの圧力で加圧真空プレス成型を行い、さらに180℃/60分のポストキュア後厚さ1mmの硬化物樹脂板を得た。
PETフィルム上に得られた接着フィルムの樹脂面同士を合わせて真空ラミネーターにより、温度80℃、圧力1kgf/cm2(9.8×104Pa)空気圧5mmHg(6.7×102Pa)以下の条件でラミネートした。ラミネート後PETフィルムを剥離し、さらに同接着フィルムの樹脂面同士を合わせて同条件でのラミネート、PETフィルム剥離、ラミネートを繰り返し行い、厚さ約1.2mmの樹脂板を作製した。この樹脂板を100mm×100mm×1mmの金型に入れ、150℃/30分+180℃/90分、50MPaの圧力で加圧真空プレス成型を行い、さらに180℃/60分のポストキュア後厚さ1mmの硬化物樹脂板を得た。
得られた硬化物樹脂板を長さ80mm、幅2mmに切り出し評価サンプルとした。この評価サンプルについてアジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社製HP8362B装置を用い空洞共振摂動法により測定周波数1GHz、測定温度23℃にて比誘電率、誘電正接を測定した。
[メッキ銅層の引き剥がし強さ(ピール強度)測定]
各接着フィルムについて、以下に従ってピール強度評価を行った。
(1)積層板の下地処理
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.8mm、松下電工(株)製R5715ES]の両面をマイクロエッチング剤(メック(株)製CZ8100)に浸漬して、銅表面のRzが2.0μmとなるよう粗化処理を行った。
各接着フィルムについて、以下に従ってピール強度評価を行った。
(1)積層板の下地処理
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.8mm、松下電工(株)製R5715ES]の両面をマイクロエッチング剤(メック(株)製CZ8100)に浸漬して、銅表面のRzが2.0μmとなるよう粗化処理を行った。
(2)接着フィルムのラミネート
実施例1〜2、比較例2〜5及び参考例4で作製した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(商品名、名機(株)製)を用いて、上記(1)で粗化処理した積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、圧力0.74MPaでプレスすることにより行った。
実施例1〜2、比較例2〜5及び参考例4で作製した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(商品名、名機(株)製)を用いて、上記(1)で粗化処理した積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、圧力0.74MPaでプレスすることにより行った。
(3)樹脂組成物層の硬化
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、170℃、30分の硬化条件で樹脂組成物層を硬化して、絶縁層を形成した。
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、170℃、30分の硬化条件で樹脂組成物層を硬化して、絶縁層を形成した。
(4)粗化処理
積層板を、膨潤液であるアトテックジャパン(株)のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリングディップ・セキュリガンドPに80℃で5分間浸漬し、次に、粗化液であるアトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で15分間浸漬し、最後に、中和液であるアトテックジャパン(株)のリダクションソリューション・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。
積層板を、膨潤液であるアトテックジャパン(株)のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリングディップ・セキュリガンドPに80℃で5分間浸漬し、次に、粗化液であるアトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で15分間浸漬し、最後に、中和液であるアトテックジャパン(株)のリダクションソリューション・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。
(5)セミアディティブ工法によるメッキ
積層板を、PdCl2を含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅メッキ液に浸漬した。150℃にて30分間加熱してアニール処理を行った後に、硫酸銅電解メッキを行い、25±5μmの厚さで銅層を形成した。次に、アニール処理を180℃にて30分間行った。この積層板について、メッキ銅層のピール強度の測定を行った。
積層板を、PdCl2を含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅メッキ液に浸漬した。150℃にて30分間加熱してアニール処理を行った後に、硫酸銅電解メッキを行い、25±5μmの厚さで銅層を形成した。次に、アニール処理を180℃にて30分間行った。この積層板について、メッキ銅層のピール強度の測定を行った。
(6)メッキ銅層の引き剥がし強さ(ピール強度)試験
上記(5)で得られた積層板のメッキ銅層に、幅10mm、長さ100mmの矩形の切込みを入れ、この切込みの長手方向の一方の端部を剥がしてつかみ具で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mm引き剥がした時の荷重を測定した。
上記(5)で得られた積層板のメッキ銅層に、幅10mm、長さ100mmの矩形の切込みを入れ、この切込みの長手方向の一方の端部を剥がしてつかみ具で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mm引き剥がした時の荷重を測定した。
[粗化後の表面粗さの測定]
非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして、粗化処理後の絶縁層表面のRa値(算術平均粗さ)を求めた。
非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして、粗化処理後の絶縁層表面のRa値(算術平均粗さ)を求めた。
表1から本発明の高誘電樹脂組成物は、小粒径の誘電体粉末を使用しているにもかかわらず、硬化物表面に密着強度に優れた銅メッキ層が形成されていることが分かる。誘電体粉末として、表面をシリカで被覆しただけのもの(比較例2)はメッキ工程で膨れが発生し、カップリング剤処理をしただけのもの(比較例3及び4)、芳香族系シアネートエステル化合物の代わりにフェノール系硬化剤を使用したもの(比較例5)は、十分な銅メッキのピール強度が得られなかった。また参考例4から、粒径の大きい誘電体粉末を使用した場合、銅メッキのピール強度には優れるものの、粗度の値が大きく、微細配線の形成に不利となることがわかる。
本発明の高誘電樹脂組成物、該該高誘電樹脂組成物を使用して作成された接着フィルムは、コンデンサ内臓多層プリント配線板等の電子部品の、高誘電絶縁部材料として好適に使用される。
Claims (12)
- (A)芳香族系エポキシ樹脂、(B)芳香族系シアネートエステル化合物、(C)フェノキシ樹脂及び(D)表面がシリカで被覆され、さらにカップリング剤で処理されている誘電体粉末、を含有する高誘電樹脂組成物。
- 誘電体粉末の平均粒径が0.1〜1.5μmである請求項1記載の高誘電樹脂組成物。
- カップリング剤が、チタネート系カップリング剤及びシラン系カップリング剤からなる群より選択される1種以上のカップリング剤である、請求項1又は2記載の高誘電樹脂組成物。
- 誘電体粉末がペロブスカイト構造を有し、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムネオジム、チタン酸バリウム錫及びチタン酸鉛からなる群より選択される1種以上の誘電体粉末である、請求項1〜3いずれか1項に記載の高誘電樹脂組成物。
- フェノキシ樹脂がビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂である、請求項1〜4いずれか1項に記載の高誘電樹脂組成物。
- 高誘電樹脂組成物中のエポキシ樹脂のエポキシ基とシアネート化合物のシアナト基の割合が1:0.5〜1:1.5であり、芳香族系エポキシ樹脂と芳香族系シアネートエステル化合物の合計量100重量部に対し、フェノキシ樹脂が3〜40重量部配合されている、請求項1〜5いずれか1項に記載の高誘電樹脂組成物。
- 高誘電樹脂組成物中の誘電体粉末の含有割合が60〜95質量%である、請求項1〜6いずれか1項に記載の高誘電樹脂組成物。
- 加熱硬化後の比誘電率及び誘電正接が、測定周波数1GHz及び温度23度の条件で、各々10以上、0.05未満となる、請求項1〜7いずれか1項に記載の高誘電樹脂組成物。
- 請求項1〜8いずれか1項に記載の高誘電樹脂組成物が支持体上に層形成された接着フィルム。
- 以下の工程(1)〜(7)を含むコンデンサ内蔵多層プリント配線板の製造方法:
(1)請求項9記載の接着フィルムを回路基板にラミネートする工程、
(2)支持体を除去するか、または除去しない工程、
(3)高誘電樹脂組成物を熱硬化する工程、
(4)支持体が存在する場合に該支持体を除去する工程、
(5)硬化物表面を、アルカリ性酸化剤水溶液で粗化する工程、
(6)粗化された硬化物表面にメッキにより導体層を形成する工程、および
(7)導体層に回路形成する工程。 - 請求項1〜8いずれかに記載の高誘電樹脂組成物の硬化物により内蔵コンデンサ層の一部または全部が形成されているコンデンサ内蔵多層プリント配線板。
- 請求項1〜8いずれかに記載の高誘電樹脂組成物の硬化物により高誘電絶縁部の一部または全部が形成されている電子部品。
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