JP2009073589A - ライン記録方式の画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

ライン記録方式の画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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JP2009073589A JP2007241921A JP2007241921A JP2009073589A JP 2009073589 A JP2009073589 A JP 2009073589A JP 2007241921 A JP2007241921 A JP 2007241921A JP 2007241921 A JP2007241921 A JP 2007241921A JP 2009073589 A JP2009073589 A JP 2009073589A
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Abstract

【課題】記録媒体を比較的簡単な構成で搬送できるうえ、記録手段により記録が施される
ときに記録媒体を安定に搬送して高い記録位置精度を得ることができるライン記録方式の
画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】大径のドラム13と小径のローラ14とに無端状のベルト15が巻き掛けら
れている。ベルト15上を搬送される記録紙Pに対して印刷を施すライン記録方式の記録
ヘッド19Y,19M,19C,19Kは、ドラム13の外周面のうちベルト15が巻き
付く領域に対向して配置されている。印刷時には、ドラム13が一定速度で回転駆動され
ることで記録紙Pが一定速度で搬送されつつ、記録紙Pのドラム13に巻き付く部分に対
しインク滴が吐出され印刷が施される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばラインプリンタのようにライン記録方式の記録手段を用いて、ベルト
で搬送される記録媒体に文字や画像の記録を施すとともにライン記録方式の画像形成装置
及び画像形成方法に関する。
例えば特許文献1には、印刷時における記録紙の搬送速度を安定させるために、回転す
るドラム状に記録紙を貼り付けて、一定速度で回転搬送しながらその記録紙上にインクジ
ェット方式の記録ヘッドにより文字や画像を記録するプリンタが開示されている。このプ
リンタでは、記録紙の先端を保持するグリップ機構などが設けられていた。また、記録紙
全体をドラムに密着させて搬送するために、コロナチャージャーにより帯電させる構成と
なっており、その記録紙をドラムから分離して排出するために、グリップ機構を解放する
と同時に剥離チャージャーを作動させて除電する構成となっていた。また、実際に記録紙
を排出するためには、さらにバキュームベルトトランスポートなどの付加機構が設けられ
ていた。
また、特許文献2、3には、ローラ対に巻き掛けられたベルト上を記録紙が搬送される
ラインプリンタ(ライン型インクジェット記録装置)が開示されている。このラインプリ
ンタでは、複数のラインヘッドがローラ間におけるベルト上面と対向する位置に配列され
ていた。そして、ベルト上に帯電吸着又は負圧吸着された記録紙に対してラインヘッドか
らインク滴が吐出されることで、記録紙に印刷が施されるようになっていた。
特開2003−94615号公報(例えば明細書段落[0029]〜[0041]等、図4等) 特開2005−280192号公報(例えば明細書段落[0013][0014]、図2) 特開2007−76872号公報(例えば明細書段落[0018]〜[0021]等、図1等)
しかしながら、特許文献1に示されたプリンタでは、記録紙の先端を保持するグリップ
機構などの大がかりな構成が必要であった。また、記録紙全体をドラムに密着させて搬送
するためには、コロナチャージャーにより帯電させる必要があり、その記録紙をドラムか
ら分離して排出するためには、グリップ機構を解放すると同時に剥離チャージャーを作動
させて除電するなどの煩雑な手続が必要であった。また、実際に記録紙を排出するために
は、さらにバキュームベルトトランスポートなどの付加機構が必要であって、紙搬送系全
体として大型化が避けられないものであった。
また、特許文献2、3のプリンタでは、記録紙はベルト上に吸着されるものの、記録紙
に対してはベルトのローラ間に張設された部分に載置された箇所に印刷が施されるため、
ベルトが比較的振動しやすく、振動する記録紙に対してインク滴が着弾されることになっ
ていた。また、そもそもベルトをローラ間に張設した構造では、記録紙を支えて搬送する
ベルトやローラに大きなイナーシャを期待することができないため、速度変動が起きやす
いものであった。これらの理由により、インクドットの位置精度がばらつきやすく、高い
印刷品質が得られにくいという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体を比較的簡
単な構成で搬送できるうえ、記録手段により記録が施されるときに記録媒体を安定に搬送
して高い記録位置精度を得ることができるライン記録方式の画像形成装置及び画像形成方
法を提供することにある。
本発明は、ライン記録方式の画像形成装置であって、ドラムと、前記ドラムより小径の
ローラと、前記ドラムと前記ローラとに巻き掛けられた無端状のベルトと、前記ドラムを
回転駆動させることにより前記ベルトを搬送させる駆動源と、前記ベルトの前記ドラムに
巻き掛けられた部分の外周面上を搬送されるように記録媒体を給送する給送手段と、前記
ベルトの前記ドラムに巻き掛けられた部分の外周面上に載った部分の前記記録媒体に記録
を施すことが可能に当該ドラムの外周面に対向して配置されたライン記録方式の記録手段
とを備えたことを要旨とする。
この発明によれば、ライン記録方式の記録手段は、給送手段により給送された記録媒体
に対し、ベルトのドラムに巻き掛けられた部分の外周面上に載った部分に記録を施す。ド
ラムはローラに比べ大径でイナーシャが大きいため、一定速度で回転する場合、安定な回
転が得られる。このため、記録媒体のベルトを介してドラム上に載って搬送される部分は
、振動や速度変動などがなく安定に搬送され、この安定に搬送される部分に対して記録が
施されるので、高い記録位置精度が確保される。また、記録媒体をベルトにより搬送する
構成なので、搬送のための構成が簡単である。なお、シリアル記録方式を採用した場合は
、記録媒体を間欠搬送するためにドラムを間欠駆動させる必要があり、この場合、イナー
シャが大きいことが返って停止位置精度の悪化をもたらす。しかし、ライン記録方式の記
録手段で採用するため、記録中において、ドラムを一定速度で回転すればよいので、記録
媒体の安定な搬送が可能となり、上記の優れた効果が得られる。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、前記ドラムは、前記ローラの径の3
〜10倍の範囲内の径を有することが好ましい。
この発明によれば、ドラムの径が、ローラの径の3〜10倍の範囲であるので、ドラム
の大径化に伴う装置の過度の大型化を回避しつつ、ローラに比べドラムのイナーシャを十
分大きく確保して、ドラムに巻き掛けられた部分の記録媒体を安定に搬送できる。従って
、記録媒体の搬送位置精度が高まり、記録媒体への記録位置精度を効果的に高めることが
できる。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、前記ベルトにおける少なくとも前記
ドラムに巻き掛けられた部分において前記記録媒体を負圧吸着させる負圧手段を更に備え
たことが好ましい。
この発明によれば、ベルトにおける少なくともドラムに巻き掛けられた部分において、
記録媒体は負圧手段の負圧によりベルト上に吸着されるので、安定駆動されるドラムの外
周面に対する記録媒体の位置ずれを効果的に回避できる。このため、記録媒体のドラム(
又はベルト)に対する位置ずれを効果的に回避して、高い記録位置精度が得られやすくな
る。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、前記記録手段による記録が施された
後の前記記録媒体は、前記ベルト上を前記ローラに巻き掛けられた部分まで搬送されて曲
率分離されることが好ましい。
この発明によれば、記録手段による記録が施された後の記録媒体は、ベルト上に載った
状態で該ベルトがローラに巻き掛けられた部分まで搬送されて、ベルトの曲率を利用した
曲率分離によりベルトから分離される。このため、記録媒体をベルトから分離するための
複雑な分離機構を設けなくても、記録媒体を簡単に分離することができる。好ましくは、
ローラの径はドラムの径の1/3〜1/10の範囲と充分に小さくすることにより、ベル
トがローラに巻回される部分での曲率分離が確実に行われる。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、前記曲率分離される位置又は該位置
より搬送方向下流側の近傍位置には、前記記録媒体を前記ベルトから剥離するための剥離
手段が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、剥離手段が曲率分離位置に設けられている場合、記録媒体がローラ
に対応する位置で曲率分離される際に、剥離手段によりその分離が補助される。また、剥
離手段が曲率分離位置より搬送方向下流側の近傍位置に設けられている場合は、仮に記録
媒体に曲率分離されない部分が発生しても、その部分は剥離手段によりベルトから確実に
剥離される。よって、剥離手段がいずれの位置に設けられている場合も、記録媒体のベル
トからの分離をより確実なものとすることができる。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、前記負圧手段は、前記ドラムの内部
の気体を吸引排出するものであり、前記ドラムと前記ベルトには、前記ドラム内の負圧に
基づく吸着力を前記ベルト上の記録媒体に及ぼすための吸引孔がそれぞれ形成されている
ことが好ましい。
この発明によれば、負圧手段により、ドラムの内部の気体が吸引排出されてドラム内が
負圧になり、ドラムとベルトに形成された吸引孔に及ぶ負圧に基づく吸着力により、ベル
ト上に載った記録媒体がベルト上に吸着される。よって、記録媒体のドラムに巻き掛けら
れた部分のベルトへの吸着を比較的簡単な構成で実現できる。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、前記ベルトの内周面より内側であっ
てかつ前記ドラムの外側となる空間部分には、前記ドラムの吸引孔を通じて該ドラム内へ
気体が排出されて生じた負圧に基づき、前記ドラムに巻き掛けられた部分を通り過ぎた前
記ベルトの部分が前記ローラに巻き掛けられた部分に至る部分における前記ベルトの吸引
孔に吸着力が及ぶように前記空間部分のうち負圧が及ぶ部分を区画する隔壁部が設けられ
、少なくとも隔壁部とベルトとにより囲まれた空間は略密閉状態に封止されていることが
好ましい。
この発明によれば、ベルトの内周面より内側であってかつ前記ドラムの外側となる空間
部分(ドラムのうちベルトが巻き掛けられていない部分の吸引孔が連通することができる
ベルトの内側の空間部分)が隔壁部により区画され、ベルトのドラムに巻き掛けられた部
分よりも下流側でローラに巻き掛けられている箇所までの間で記録媒体が搬送される範囲
のベルト部分の吸引孔に負圧を集中させることができる。よって、記録が施された後、ベ
ルトから分離されるまでの間、搬送される記録媒体をベルト上にしっかり吸着させておく
ことができる。このため、記録媒体のうち記録が施された後の搬送中の部分に何らかの外
力(例えば気流等)が及んでその部分がベルトから分離したことが原因で、ドラムに巻き
掛けられたベルト上に載った部分の記録媒体の位置がずれ、記録位置精度が低下するなど
の不都合を回避できる。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、前記隔壁部は、前記ドラムに巻き掛
けられた部分を通り過ぎて前記ローラに巻き掛けられた部分に至る部分における前記ベル
トの吸引孔に及ぶ負圧を、搬送方向下流側ほど小さく調整するように、前記空間部分を区
画する形状を有していることが好ましい。
この発明によれば、ドラムに巻き掛けられた部分を通り過ぎてローラに巻き掛けられた
部分に至る部分におけるベルトの吸引孔に及ぶ負圧は、空間部分を区画する隔壁部の形状
等により、搬送方向下流側ほど小さくなるように調整される。このため、記録が施された
後の記録媒体をベルトに吸着させた状態を維持して搬送できるうえ、曲率分離箇所では弱
まった吸着力によりベルトからの曲率分離を確実なものとすることができる。
本発明のライン記録方式の画像形成装置において、大径のドラムと小径のローラとに巻
き掛けられた無端状のベルトの前記ドラムに巻き掛けられた部分に載って搬送されるよう
に記録媒体を給送する給送ステップと、前記給送された記録媒体に対して前記ベルトの前
記ドラムに巻き掛けられた部分に載った部分にてライン記録方式の記録手段により記録を
施す記録ステップと、前記記録後の記録媒体を前記ベルトから前記ローラに巻き掛けられ
て曲率が大きく変化する部分にて曲率分離させる媒体分離ステップと、を備えたことを要
旨とする。この発明によれば、上記画像形成装置の発明と同様の作用効果を得ることがで
きる。
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1、図2に基づいて説明する。
図1は、インクジェット方式のラインプリンタの模式側面図を示し、図2は、ラインプ
リンタの平面図を示す。なお、図1及び図2において左側が用紙搬送方向下流側である。
また、図2では記録紙が印刷開始後間もない搬送位置にある状態で、図1は記録紙の先端
がベルト上から排出されているときの搬送位置にある状態を示している。
図1及び図2に示すように、画像形成装置としてのラインプリンタ(以下、単にプリン
タ11という)は、記録紙Pを搬送するためのベルト搬送装置12を備えている。ベルト
搬送装置12は、用紙搬送方向上流側に設けられた駆動ドラム(以下、ドラム13と称す
)と、用紙搬送方向下流側に設けられた従動ローラ(以下、ローラ14という)と、ドラ
ム13及びローラ14に渡って巻き掛けられた無端状の搬送ベルト(以下、単にベルト1
5と称す)とを有している。なお、ドラム13とローラ14との各回転軸13a,14a
は、図示しない軸受により回転可能に支持されている。
ドラム13には、図2に示す電動モータ16の出力軸が直接又は減速機構(図示省略)
を介して動力伝達可能に連結されている。電動モータ16が正転駆動されると、ドラム1
3が回転駆動し、ベルト15が記録紙Pを上流側から下流側(図1、図2における右側か
ら左側)へ搬送可能な方向に回転する。ベルト搬送装置12の搬送方向上流側であって、
ドラム13の外側下方近傍位置には、給送手段を構成する一対のゲートローラ17が設け
られ、記録紙Pはゲートローラ17の回転によりベルト15のドラム13に巻き掛けられ
た部分の上を搬送されるようにベルト15上へ給送される。なお、ゲートローラ17は、
記録紙Pをローラ面に突き当てることで記録紙Pのスキューを補正し、また駆動開始タイ
ミングを図ることで、記録紙Pをベルト15上の目標位置に載せるようにタイミングを合
わせて記録紙Pを送り出す。例えばベルト15は、帯状のベルト材の両端部を接続して無
端状にしたものであり、記録紙Pがベルト15の継ぎ目にかからないように給送される。
ドラム13の外側上方位置(図1における右上)には、記録手段として4個のライン記
録方式の記録ヘッド(以下、ラインヘッド19Y,19M,19C,19Kと称す)が、
ドラム13の外周面と対向するように配置され、それぞれドラム13の外周面に沿うよう
にその周方向(搬送方向)に所定の間隔を置いて配列されている。4個のラインヘッド1
9Y,19M,19C,19Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブ
ラック(K)の4色のインク滴をそれぞれ吐出するものであって、吐出すべきインクは各
色のインクタンク(不図示)からインク供給チューブを通じて供給される。
各ラインヘッド19Y,19M,19C,19Kは、最大紙幅分の記録が可能な長さに
渡り、記録紙Pの搬送方向と交差(直交)する方向(ノズル列方向)に、複数のノズルが
形成されており、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量のインク滴を吐出すること
により、記録紙P上に微小なインクドットを形成する。これを各色毎に行うことにより、
ベルト15上の記録紙Pをラインヘッド19Y,19M,19C,19Kとベルト15間
の搬送路上を一度通過させるだけのワンパスで、記録紙Pへの文字や画像等の印刷を行う
ことが可能となっている。なお、必要な色数のラインヘッド19Y,19M,19C,1
9Kは、1本のヘッドにより構成されてもよいし、ラインヘッドとしての機能を果たすよ
うに複数個の単位ヘッドが搬送方向と交差する方向にライン状に配列されて構成されるマ
ルチヘッドにより構成するもともできる。さらには、複数個の単位ヘッドが搬送方向と交
差する方向(紙幅方向)においてそれぞれ異なる位置に配置されてこれら複数個の単位ヘ
ッドにより紙幅全域の印字が可能である限りにおいて、少なくとも一部の単位ヘッドが搬
送方向に異なる位置に配置されていても構わない。なお、ラインヘッド19Y,19M,
19C,19Kについては、特にインク色を区別しない場合は、総括してラインヘッド1
9と記す場合がある。
図2に示すように、ベルト15の一側縁部には、磁気式リニアエンコーダ20が設けら
れている。磁気式リニアエンコーダ20は、ベルト全周に亘って形成された磁気リニアス
ケール21と、磁気リニアスケール21上に一定ピッチで着磁された磁気パターンを検出
し再生する磁気センサ22とにより構成される。磁気センサ22は、ベルト15の回転量
に比例する数のパルスからなるエンコーダ信号(パルス)を出力する。プリンタ11に設
けられた制御手段としてのコントローラ23は、磁気センサ22から入力したエンコーダ
信号に基づいて電動モータ16を、そのときの印刷モードに応じた一定速度に駆動制御す
るとともに、エンコーダ信号を基に内部回路で生成した印字基準パルス(噴射タイミング
信号)に基づき用紙搬送位置に合わせた適切なタイミングでインク滴の噴射制御を行う。
図1及び図2では、ドラム13及びローラ14の各径の比率を模式的に描いており、実
際には、本実施形態のドラム13は、ローラ14の径の3〜10倍の範囲内の径を有して
いる。例えばローラ径が3cmである場合、ドラム13の径は9〜30cm程度の範囲と
するのが好ましい。このような径の比率に設定するのは、ドラム13については大径にし
て大きなイナーシャを確保して安定な回転を得る目的と、ドラム外周面上で印字を行うラ
インヘッド19Y,19M,19C,19Kの配列エリアを確保する目的のためである。
また、記録紙Pがベルト15上を搬送されてローラ14に到達した際に、記録紙Pをベ
ルト15上から剥離する必要があるが、本例では、ベルト15のローラ14に巻き掛けら
れた部分の曲率によって、記録紙Pを自らの剛性によって曲率分離させるようにしている
。記録紙Pの剛性等から曲率分離させるために必要なベルト15の曲率が決まり、この曲
率が得られるようにローラ14の径を決めている。記録紙Pの曲率分離箇所よりも搬送方
向下流側近傍位置には、記録紙Pを強制的に分離させるための剥離爪24が配置されてい
る。剥離爪24は、ベルト15の幅方向に複数個並んで配設されており、曲率分離されな
かった記録紙Pにその紙幅方向複数箇所にて当接して記録紙Pをベルト15から剥離させ
る。なお、曲率分離箇所と同じ箇所に剥離爪24を設けても構わない。
このように構成されたプリンタでは、印刷が開始されると、図1における搬送方法上流
側にあるドラム13上に、ゲートローラ17から記録紙Pがまず給送される。記録紙Pは
、ベルト上に載置され、ベルト15がゴム製であることから、その表面に粘着性があるの
で、記録紙Pはベルト15上に密着する(貼り付く)。
駆動側のドラム13の力でベルト15は駆動され、ドラム13の動きにベルト15がつ
いていくようにベルト15は回転する。ドラム13上では、ベルト15の動きはドラム1
3に依存するため、その上に載った記録紙Pの動きも、ドラム13に依存する。ここで、
イナーシャの大きなドラム13は、一定速度で回転させる場合は安定に回転するため、仮
に、従動ローラ側で速度変動等が生じても、ドラム13上ではベルト15の回転は安定し
、ベルト15の振動の原因になり難い。よって、ベルト搬送は格段に安定し、高速印字で
の高画質の達成に寄与する。
また、ベルト15の向きは、ドラム13とローラ14のうち巻き付き量の大きいドラム
13側に依存するので、仮に、径の小さな従動ローラ側で速度変動等が生じても、ベルト
15の回転は安定して、蛇行なども起きにくい。
また、ベルト15がドラム13に対して斜行しても、記録紙Pはドラム13との間でベ
ルト15を間に介するものの、あくまでドラム13に倣って回転する。つまり、ドラム1
3に対してベルト15が斜行していて、記録紙Pが、斜行するベルト15に対して傾いて
載っても、ドラム13に対しては傾かずに載るので、記録紙Pが正しい姿勢・位置でドラ
ム13上へ給送されれば、たとえ記録紙Pが載ったベルト15が斜行していても、あくま
でドラム13に倣って安定に搬送される。
プリンタ11は、ライン記録方式のラインヘッド19で印字する構成なので、ドラム1
3を一定回転速度で回転させながら印刷を進める。これに対し、仮にシリアル記録方式を
採用すると、シリアル式の記録ヘッドが走査のためにドラムのスラスト方向へ移動する度
に、イナーシャの大きなドラムは駆動・駆動停止を繰り返すことになり、ドラムの停止位
置精度が悪くなる。ラインヘッドであれば、ドラム13を一定速度で回転させながら印字
ができるので、ドラム13の安定した回転により、記録紙Pの搬送位置精度が高まり、記
録紙Pに高画質の印刷を施すことができる。このとき、印刷は高速で行われ、例えばドラ
ム13が1回転〜2回転するうち(例えば1〜5秒程度)に一枚の印刷が終了してゆく。
こうして印刷後の記録紙Pは、図1の搬送方向下流側に位置するローラ14に対応する
位置までベルト15上に載って搬送され、ローラ14の径に応じて曲率の大きく変化した
ベルト15の曲面にて記録紙Pは曲率分離されて外部へ排出される。ベルト15に付着し
た記録紙を曲げてその剛性のみでベルト15から分離(曲率分離)して、記録紙Pをベル
ト15から剥離する。また、記録紙Pに曲率分離されなかった部分が発生しても、その部
分は剥離爪24により剥離される。
以上、詳述したように第一実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)給送された記録紙Pにおいて、大径でイナーシャが大きく安定な回転が得られる
ドラム13上にある部分に対し、ラインヘッド19による印刷が施されるので、高い印刷
位置精度で印刷することができる。また、記録手段がラインヘッド19であるので、ドラ
ム13を一定速度で回転させつつ印刷を進められるので、印刷位置精度向上に寄与する。
例えばシリアル記録方式であると、ドラムを間欠駆動させる必要があり、イナーシャの大
きいドラムの停止位置精度(用紙搬送位置精度)の悪化により、印刷精度が低下してしま
う。これに対し、ライン記録方式であるため、イナーシャの大きなドラム13を印刷中に
おいて、印刷位置精度の悪化の原因となる停止をさせることなく、一定速度で回転させ続
ければよいので、ドラムの安定な回転が得られ、高い印刷位置精度を確保できる。
(2)記録紙Pの搬送にはベルト15を利用しているので、ベルト15により簡便な搬
送ができる。また、記録紙Pはドラム13の外周面上に直接載る訳でなく、ベルト15を
介してドラム13上に載る構成となるものの、ベルト15のドラム13の外周面に巻き掛
けられている部分はドラム13に倣うので、記録紙Pの安定な搬送を実現でき、高画質の
印刷を行うことができる。
(3)ベルト15が巻き掛けられるドラム13と対をなす回転体として小径のローラ1
4を配置しているので、印刷後にベルト15上に載った状態で搬送された記録紙Pを、ロ
ーラ14と対応して曲率の大きくなったベルト曲面部分でベルト15から簡単に曲率分離
することができる。例えば特許文献1に記載された発明において、記録紙をドラムから剥
がすために設けられていた複雑なグリップ機構等を設ける必要がない。
(4)ドラム13の径を、ローラ14の径の3〜10倍の範囲内の値に設定しているの
で、ドラム13の大径化に伴うプリンタ11の大型化を回避しつつ、ローラ14に比べド
ラム13のイナーシャを十分大きく確保して、記録紙Pの搬送安定性と、記録紙Pへの印
刷位置精度の向上とを実現できる。
(5)曲率分離位置より搬送方向やや下流側の位置に剥離爪24を設けたので、仮に記
録紙Pにベルト15から曲率分離できない部分が発生しても、その部分は剥離爪24によ
りベルト15から半ば強制的に剥離できる。
(6)継ぎ目のあるベルト15を用いても、ゲートローラ17の駆動開始タイミングを
コントローラ23により制御することにより、記録紙Pをベルト15上の継ぎ目を避けた
位置に載せるよう給紙できる。よって、ベルト15のドラム13に巻き掛けられた部分の
上面に載った記録紙Pの平坦度を確保でき、印刷画質の向上を図りやすい。
(7)ドラム13及びローラ14間でベルト15の宙に浮いた部分が振動したり、イナ
ーシャの小さなローラ14の速度変動に起因してベルト15がその速度変動の周期で揺れ
したりしても、記録紙Pのドラム13に巻き掛けられている部分にはその種の振動や揺れ
等が伝わらないので、印刷品質の向上に寄与する。
(第二実施形態)
次に第二実施形態のプリンタについて図3〜図5に基づいて説明する。
図3は、ラインプリンタの模式側断面図を示し、図4は、その模式側面図を示す。また
、図5は、ラインプリンタの平面図を示す。第二実施形態のラインプリンタは、ベルトに
負圧吸着方式を採用している点が、前記第一実施形態と異なる特徴部分である。
図3に示すラインプリンタ(以下、単にプリンタ31という)が備えるドラム13には
、多数個の吸引孔13bがその外周面全域に亘って点在するように形成されている。また
、ベルト15にも多数個の吸引孔15aが面全域に亘って点在するように形成されている
。ベルト15がドラム13に巻き掛けられた部分において、ドラム13に対するベルト1
5の巻き付き位置が多少ずれても、ドラム13側の吸引孔13bとベルト15側の吸引孔
15aとが少なくとも一部必ず連通するように構成されている。例えば、ドラム13とベ
ルト15のそれぞれにランダムに吸引孔13b,15aが形成されていたり、ドラム13
とベルト15のうち一方の吸引孔が他方の吸引孔に比べ十分大きく形成されていたりすれ
ばよい。
図4、図5に示すように、プリンタ11の両側面(図4の紙面に直交する方向の両側)
は、ドラム13から空気を排出する部分以外は、空気が漏れないように、左右両側の側板
32により塞がれている。また、側板32と、ドラム13、ローラ14、ベルト15等の
可動部分との隙間は、例えば接触シール又はラビリンス構造による公知のシール手段を用
いてシールされている。
図5に示すように、一方の側板32(図5における上側)には、ドラム13の内部と連
通する配管33の一端部が接続されており、この配管33の他端部はファン装置34と接
続されている。コントローラ23によりファン装置34が回転駆動されることで、ドラム
13内の空間で構成されるドラム室35の空気が外部へ吸引排出され、ドラム13内が負
圧に保たれるようになっている。そして、ベルト15、左右の両側板32、ドラム13及
びローラ14により囲まれた略閉塞空間であるベルト室36は、ドラム13内と吸引孔1
3bを介して連通しているため、ドラム13内が負圧状態にあるときには、ベルト室36
内も負圧状態となる。そして、ベルト室36内の負圧により、ベルト15の吸引孔15a
には、ベルト15の外周面側からベルト室36側へ向かう吸引気流が発生し、印刷後の記
録紙Pはベルト15の上側部分上面に吸着された状態で搬送される。よって、例えば記録
紙のうちベルト15の上側部分に載って搬送される印刷後の部分は、所定の風力の気流(
風)を受けても、ベルト15の上面から捲り上がることなく、安定に搬送される。このた
め、記録紙Pにおいて印刷を終えた部分がベルト15から捲り上がることに起因して、記
録紙Pの印刷を行っている部分やこれから印刷を行う部分がドラム13に対して位置ずれ
することを回避可能な構成となっている。
また、記録紙Pをベルト15上に吸着させる構成であり、ベルト15に対して重力方向
下側となる吸着面にも記録紙Pを載せることができるので、ゲートローラ17が第一実施
形態における配置位置よりも、よりドラム13の下側に配置されている。この結果、ドラ
ム13に対する記録紙Pの給紙位置がドラム13の外周面におけるより下側位置へシフト
し、ドラム13の周方向における記録紙Pのドラム巻き付き量がより広く確保されるよう
になっている。
さて、このプリンタ11においては、ファン装置34の駆動によりドラム13の内側か
ら空気を排出し、ドラム13及びベルト15に開口する吸引孔13b,15aの外周側か
ら内周側に向かう空気流が生じることで、記録紙Pはベルト15上に吸着された状態で搬
送される。これにより、記録紙Pのドラム13に対する位置ずれがまずなくなるため、確
実で安定した記録紙Pの搬送が実現される。
記録紙Pは、搬送方向下流側(図3における左側)に位置するローラ14に対応する位
置まで搬送されると、ローラ14に巻き掛けられた部分のベルトの吸引孔15aがローラ
14の外周面に塞がれてベルト15上の記録紙Pに対する吸引力が働かなくなる。このた
め、吸引孔15aの閉塞による吸引力の消滅と、ローラ14による曲率分離との両効果に
より、記録紙Pをベルト15から容易に分離できる。なお、前記第一実施形態と同様に、
剥離爪24(分離爪)が設けられているので、記録紙Pに仮に曲率分離されない部分が生
じても、その非分離箇所を剥離爪24により確実に分離できる。
この第二実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(8)ドラム13内をファン装置34の駆動により負圧にし、ドラム13とベルト15
双方に形成した吸引孔13b、15aを通じて、ドラム13に巻き掛けられた部分のベル
ト15上に記録紙Pを吸着するので、ドラム13に対する記録紙Pの位置ずれをより確実
に回避できる。従って、記録紙Pに対する印刷位置精度を高く維持できる。
(9)ドラム13内(ドラム室35)と吸引孔13bを通じて連通するベルト室36も
負圧になるので、印刷後の記録紙Pをベルト15上に吸着された状態で搬送できる。しか
も、記録紙Pが曲率分離される箇所では、ベルト15の吸引孔15aがローラ14の外周
面に塞がれてベルト15上の記録紙Pに吸引力が及ばなくなるので、記録紙Pを容易に曲
率分離できる。
(10)記録紙Pはベルト15上に吸着されるので、ベルト15に対して重力方向下側
となる吸着面にも記録紙Pを載せることができ、ドラム13の外周面に対するベルト15
及び記録紙Pの巻き付き量(巻き付き長)をドラム13の周方向に広く(長く)確保でき
る。よって、ドラム13の外周面に対する記録紙Pが巻き付けられる部分に対向配置すべ
きラインヘッド19のドラム13の周方向に沿った方向における配設可能エリアを広く確
保できる。よって、色数が5色以上に増えるなどより多くの個数のラインヘッド19の配
置が必要になっても対応できるうえ、個数が増えない場合においては、ラインヘッド19
の配置位置の選択の自由度を増やすことができる。
(第三実施形態)
第三実施形態のプリンタについて説明する。この第三実施形態は、前記第二実施形態と
同様に、負圧吸着方式を採用するが、ドラム室内に負圧を導入するためのドラムの支持構
造が異なる例である。図6はプリンタの模式側断面図、図7はプリンタの平面図を示す。
図6に示すように、本例のラインプリンタ(以下、単にプリンタ41という)が備える
ドラム13は、その軸線を通るように内部に連通された支持パイプ42に対してベアリン
グ43(例えばボールベアリング)を介して回転自在な状態で支持されている。ベアリン
グ43は、支持パイプ42の外周面に嵌着されたインナ部材43aと、ドラム13の内周
面に嵌着されたアウタ部材43bと、インナ部材43aとアウタ部材43bとの間に介装
された複数個のボール43cとにより構成されている。支持パイプ42は図示しないブラ
ケットにより両端部で支持されている。支持パイプ42の外周面上には内外を連通する複
数の孔42aが開口しており、これら孔42aを通じて支持パイプ42の内部はドラム1
3内の空間と連通している。ベアリング43は、支持パイプ42の両端部に二個設けられ
ており、それら二個の間における支持パイプ42とドラム13との間の空間部分は、ドラ
ム13の外側から吸引孔13bを通じて吸引された吸引気流が支持パイプ42の孔42a
を通じて支持パイプ42内へ流入するときの気流流路となる。
図7に示すように、支持パイプ42の一端部(図7における下端部)には、電動モータ
16の駆動軸が動力伝達可能な状態に接続されており、その他端側は、図7における上側
の側板32を外側へ貫通して、その先端部がファン装置34と接続されている。なお、左
右の側板32は、ベルト15の側方、及びドラム13の側方を略閉塞するように配置され
ている。側板32とベルト15の間、側板32と回転軸13a,14aとの間など、側板
と可動部分との間のシールには、第二実施形態と同様に、接触シール又はラビリンス構造
などが採用されている。なお、支持パイプ42とドラム13との間の空間がドラム室とな
っている。
この支持パイプ42は、ドラム13を回転可能に支持する支持軸機能と、ドラム13内
を負圧にするためにドラム13内の空気を外側へ吸引排出させるための流路機能との両方
を有しており、複数機能を備える割に簡素な構造にすることができる。
また、図6に示すように、ベルト15の内周側空間内には、隔壁板46(仕切り板)が
、ドラム13の下側近傍位置からローラ14の上側近傍位置に亘って斜状に配置され、ベ
ルト15の内周側空間を二つに区画し、そのうちドラム13の吸引孔13bと連通されて
いる上側の区画空間部分が、ベルト室47となっている。
また、支持パイプ42の内部が負圧導入室44となっており、コントローラ23により
ファン装置34が駆動されると、負圧導入室44が負圧状態になる。そして、孔42aを
通じて連通するドラム13内のドラム室も負圧状態になり、さらに吸引孔13bを通じて
連通するベルト室47も負圧状態になる。
このとき、ベルト室47内の空気の流れが、隔壁板46により制御されることで、負圧
に基づく吸着力を、主としてドラム13上及びベルト15の上側部分における必要箇所に
重点的に付与できる。このため、ファン装置34の吸引能力の割に、比較的強い吸着力を
確保できる。また、ローラ14の外周面で吸引孔15aが塞がれる箇所より少し上流側位
置においても隔壁板46の配置により吸引力が及ばなくなるので、記録紙Pの分離箇所に
おける分離を確実に行うことが可能となる。
この第三実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(11)支持パイプ42を設け、ドラム13を回転可能に支持する支持軸機能と、ドラ
ム内及びベルト15の内周側空間(ベルト室47)内の空気を外側へ吸引排出する流路の
機能とを、支持パイプ42により両立させたので、両機能を備える割に構造を簡単にする
ことができる。
(12)第二実施形態では、ベルト15の下側部分(記録紙Pが載らない部分)でも吸
引孔15aを通じて吸引力が及ぶが、本実施形態では隔壁板46を配置することにより、
ベルト15における記録紙Pが載るほぼ必要箇所のみに吸引力が及ぶ構成なので、負圧を
必要部分に集中させて用いることができる。必要な吸引力を確保するために必要なファン
装置34のサイズを比較的小型に済ませられる。
(第四実施形態)
次に第四実施形態について図8に基づいて説明する。図8は、前記第三実施形態で示し
た隔壁板の別の形態を示す。
図8に示すラインプリンタ(以下、単にプリンタ51という)では、隔壁板52が、側
面視において、ドラム13の下端近傍位置から上方へゆくに連れてドラムの外周面との距
離を徐々に離間させるように湾曲した形状の湾曲板部52aと、湾曲板部52aの上端部
から搬送方向下流側へ屈曲するとともに搬送方向下流側へゆくに連れてベルト15の下面
との距離を徐々に狭めるように、ローラ14の上側近傍位置へ向かって斜状に延出する斜
状板部52bとを有している。
隔壁板52を図8に示す形状にすると、ベルト室53は、ベルト15の上側部分に沿っ
て搬送方向下流側へゆくに連れて、斜状板部52bとベルト15との距離が徐々に狭まり
、空気の流路抵抗が徐々に大きくなるので、吸引力はドラム13の上部分及びベルト15
の上側部分の搬送方向上流側部位にさらに重点的に配分される。
記録紙Pを分離排出するローラ14に対応する位置近くまで記録紙Pの吸着効果が継続
されるとともに、図8に示すように、ローラ14に近づくに連れて急激に流路抵抗が高ま
る構造なので、記録紙Pのベルト15からの分離排出を確実に行うことができる。
この第四実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(13)分離位置まで搬送される過程で吸引孔15aを通じて記録紙Pに及ぶ吸着力が
徐々に弱まるように、搬送方向下流側ほど流路抵抗を大きくすべくベルト室53が徐々に
狭くなる斜状板部52bを形成した。よって、搬送中は記録紙Pをベルト15上に確実に
吸着させることができるうえ、記録紙Pをベルト15から確実に分離させることができる
なお、実施形態は、上記に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
(変形例1)ラインヘッド19は四色分の四個に限定されない。ラインヘッドを5色以
上の多数個配置してもよい。また、ライン方式の記録手段は、最大記録紙の幅全域に亘っ
てノズルが配置されている限りにおいて、1本のラインヘッドである構成に限定されない
。例えば最大記録紙の幅方向における一部のエリアに亘ってノズルが配置された記録ヘッ
ドを、媒体搬送方向と交差する紙幅方向に位置を違えて複数個配置し、複数個の記録ヘッ
ドにより記録紙の紙幅方向全域に亘る同一色の印字を可能とする構成でも構わない。この
場合、同一種(同一色)の液体(インク)を噴射する複数個の記録ヘッドは、少なくとも
1個が媒体搬送方向に異なる位置に配置されても構わず、例えば複数個の記録ヘッドが媒
体幅方向に沿う方向に千鳥配置してもよい。
(変形例2)前記各実施形態においてドラム13の表面をヒータ(発熱体)で加熱する
ことで、記録紙Pに印刷されたインクの乾燥を促進させる構成も採用できる。この構成の
場合、ドラム13の材料は金属が適している。また、ヒータはドラム13の内側に配置し
てもよいし、ドラム13の内周面又は外周面にヒータ配線を形成してもよい。
(変形例3)剥離手段としての剥離爪24の配置位置は、曲率分離箇所と同じ位置に設
けてもよい。この場合、記録紙Pを曲率分離と同時に剥離爪24による剥離作用を及ぼし
てベルト15から確実に分離させることができる。
(変形例4)一枚の帯状のベルト15を採用したが、記録紙を搬送できる限りにおいて
、ベルトは適宜な構成を採用できる。例えば細めのベルトがドラム及びローラに複数本巻
き掛けられた構成や、一枚のベルトの所々に孔が開口する構成なども採用できる。
(変形例5)ベルトにはドラムに巻き付く部分においてのみ負圧に基づく吸着力が及ぶ
構成でもよい。
(変形例6)ドラム表面に対してベルト15の滑りが発生する虞がある場合は、ドラム
13に表面粗度を高める表面処理を施してもよい。
(変形例7)前記各実施形態では、カット紙を用いた印刷の例で示したが、ロール紙を
使用してもよい。
(変形例8)磁気式リニアエンコーダ20に替え、光学式リニアエンコーダを用いても
よい。この場合、透過型と反射型のどちらを採用してもよい。また、ドラム等の回転を検
出するロータリエンコーダも採用できる。
(変形例9)インクジェット式プリンタに限定されない。ラインプリンタである限りに
おいて、熱転写式プリンタにも採用できる。また、コピー機にも適用できる。
(変形例10)流体噴射方式の画像形成装置は、インクジェット式プリンタに限定され
ない。インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる
液状体、ゲルのような流状体、流体として流して噴射できる固体(例えばトナー等を含む
粉粒体)を含む)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に具体化することもできる。
例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光
ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または
溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、さらに光通信素子等に用いられる
微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基
板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッ
チング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状
体噴射装置であってもよい。なお、これらの各装置のように、噴射した流体を基板等の記
録媒体上に着弾させて形成した所定パターン(配線パターン、電極パターン、画素パター
ン、エッチングパターン、配列パターンを含む)も、本明細書では記録により形成される
画像に含まれる。なお、「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、例
えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、粉
粒体、流状体などが含まれる。
第一実施形態におけるプリンタの概略構成を示す模式側面図。 プリンタの模式平面図。 第二実施形態におけるプリンタの模式側断面図。 プリンタの模式側面図。 プリンタの模式平面図。 第三実施形態におけるプリンタの模式側断面図。 プリンタの模式平面図。 第四実施形態におけるプリンタの模式側断面図。
符号の説明
11…画像形成装置としてのラインプリンタ、13…ドラム、13b…吸引孔、14…
ローラ、15…ベルト、15a…吸引孔、16…駆動源として電動モータ、17…給送手
段としてのゲートローラ、19Y,19M,19C,19K…記録手段を構成するライン
ヘッド(記録ヘッド)、23…制御手段としてのコントローラ、24…剥離手段としての
剥離爪、27…負圧手段としてのファン装置、31…ラインプリンタ、32…側板、33
…配管、35…ドラム室、36…ベルト室、41…ラインプリンタ、42…支持パイプ、
46…隔壁部としての隔壁板、52…隔壁部としての隔壁板。

Claims (9)

  1. ドラムと、
    前記ドラムより小径のローラと、
    前記ドラムと前記ローラとに巻き掛けられた無端状のベルトと、
    前記ドラムを回転駆動させることにより前記ベルトを搬送させる駆動源と、
    前記ベルトの前記ドラムに巻き掛けられた部分の外周面上を搬送されるように記録媒体
    を給送する給送手段と、
    前記ベルトの前記ドラムに巻き掛けられた部分の外周面上に載った部分の前記記録媒体
    に記録を施すことが可能に当該ドラムの外周面に対向して配置されたライン記録方式の記
    録手段と
    を備えたことを特徴とするライン記録方式の画像形成装置。
  2. 前記ドラムは、前記ローラの径の3〜10倍の範囲内の径を有することを特徴とする請
    求項1に記載のライン記録方式の画像形成装置。
  3. 前記ベルトにおける少なくとも前記ドラムに巻き掛けられた部分において前記記録媒体
    を負圧吸着させる負圧手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のライン
    記録方式の画像形成装置。
  4. 前記記録手段による記録が施された後の前記記録媒体は、前記ベルト上を前記ローラに
    巻き掛けられた部分まで搬送されて曲率分離されることを特徴とする請求項3に記載のラ
    イン記録方式の画像形成装置。
  5. 前記曲率分離される位置又は該位置より搬送方向下流側の近傍位置には、前記記録媒体
    を前記ベルトから剥離するための剥離手段が設けられていることを特徴とする請求項4に
    記載のライン記録方式の画像形成装置。
  6. 前記負圧手段は、前記ドラムの内部の気体を吸引排出するものであり、前記ドラムと前
    記ベルトには、前記ドラム内の負圧に基づく吸着力を前記ベルト上の記録媒体に及ぼすた
    めの吸引孔がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項5に記載のライン記録方式
    の画像形成装置。
  7. 前記ベルトの内周面より内側であってかつ前記ドラムの外側となる空間部分には、前記
    ドラムの吸引孔を通じて該ドラム内へ気体が排出されて生じた負圧に基づき、前記ドラム
    に巻き掛けられた部分を通り過ぎた前記ベルトの部分が前記ローラに巻き掛けられた部分
    に至る部分における前記ベルトの吸引孔に吸着力が及ぶように前記空間部分のうち負圧が
    及ぶ部分を区画する隔壁部が設けられ、少なくとも隔壁部とベルトとにより囲まれた空間
    は略密閉状態に封止されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のライン記録方式
    の画像形成装置。
  8. 前記隔壁部は、前記ドラムに巻き掛けられた部分を通り過ぎて前記ローラに巻き掛けら
    れた部分に至る部分における前記ベルトの吸引孔に及ぶように前記吸着力を搬送方向下流
    側ほど小さく調整するように、前記空間部分のうち負圧が及ぶ部分を区画することを特徴
    とする請求項7に記載のライン記録方式の画像形成装置。
  9. 大径のドラムと小径のローラとに巻き掛けられた無端状のベルトの前記ドラムに巻き掛
    けられた部分に載って搬送されるように記録媒体を給送する給送ステップと、
    前記給送された記録媒体に対して前記ベルトの前記ドラムに巻き掛けられた部分に載っ
    た部分にてライン記録方式の記録手段により記録を施す記録ステップと、
    前記記録後の記録媒体を前記ベルトから前記ローラに巻き掛けられて曲率が大きく変化
    する部分にて曲率分離させる媒体分離ステップと、
    を備えたことを特徴とするライン記録方式の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019517968A (ja) * 2016-05-17 2019-06-27 レオンハード クルツ シュティフトゥング ウント コー. カーゲー 金属搬送ベルトを有する、基板の表面処理装置

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