JP2009073166A - 光学部材の成形方法及び成形装置ならびに光学部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機微粒子が熱可塑性樹脂に結合されてなるナノコンポジット樹脂を含む溶液から、光学特性の安定した光学部材を成形することができる光学部材の成形方法および成形装置ならびに光学部材を提供する。
【解決手段】第一光学面形状19aと雰囲気開放面12とを提供する容器17にナノコンポジット樹脂を含む溶液61を投入する溶液投入工程と、第二光学面形状45aを有する光学適用形状面形成部材45を第一光学面形状19aから所望距離位置に配置する形成部材配置工程と、溶液61の溶媒を雰囲気開放面12から蒸発させて固形化し、第一光学面形状19a及び第二光学面形状45aによって光透過光学部材65の光学適用形状面65a、65bを形成する蒸発工程と、によりナノコンポジット樹脂を含む溶液61から光透過光学部材65を成形する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材の成形方法及び成形装置ならびに光学部材に関し、より詳細には、ナノコンポジット樹脂を用いて光学特性の優れた光学部材を形成することができる光学部材の成形方法及び成形装置ならびに光学部材に関する。
近年の携帯カメラやDVD,CD,MOドライブといった光情報記録機器の高性能化、小型化、低コスト化に伴って、これら記録機器に用いられる光学レンズやフィルタ等の光学部材に対しても、優れた材料や工程の開発が強く望まれている。
プラスチックレンズは、ガラスなどの無機材料に比べ軽量で割れにくく、様々な形状に加工でき、また、ガラス製レンズよりもコスト面で有利となるため、眼鏡レンズのみならず、上記の光学レンズとしても急速に普及しつつある。これに伴い、レンズを小型・薄肉化するために素材自体を高屈折率化することや、光学屈折率を熱膨張や温度変化に対して安定化させること等が求められるようになっており、その一つの解決策としてプラスチック樹脂中に金属酸化物微粒子などの無機微粒子を均一に分散させたナノコンポジット樹脂とし、光学屈折率を向上させ、熱膨張率や光学屈折率の温度変化を抑える試みが種々行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
このようなナノコンポジット樹脂を用いて光学部材を成形する場合、高度の透明性を要求される光学部材に対しては、無機微粒子を分散させる際、光散乱を低減するために無機微粒子の粒径を少なくとも使用する光の波長よりも小さくする必要がある。さらに、レイリー散乱による透過光強度の減衰を低減するためには、粒子サイズが15nm以下に揃ったナノ粒子を調整して分散する必要がある。また、光学屈折率を効果的に向上させるためには、無機微粒子を均一に分散させることが要求される。
プラスチック樹脂中に無機微粒子を分散させたナノコンポジット素材を作製するには、次の手法が挙げられる。
(1)プラスチック樹脂に無機微粒子を直接投入して混ぜ込む。
(2)溶媒となる液中で無機微粒子を混合させた後、溶媒を熱などによって取り除く。
(3)モノマーと無機微粒子を混合させた後、モノマーを重合させて無機微粒子を含有させる。
特開2006−343387号公報 特開2003−147090号公報 特開平5−90645号公報
このようにして製作されたナノコンポジット樹脂を所望形状の光学部材に成形するには、(1)射出成形による方法。(2)バルクを大きく塑性変形させる方法。(3)流動化させた樹脂を型に流し込んで転写する方法(注型成形法)。などがある。(1)の方法では、ナノコンポジット樹脂は高温にしても流動性が悪く、射出成形が困難であるばかりでなく、微粒子が局所的に凝集したりして、分散密度が一定にならず透明とならない。また、光学部材は高品質が求められるため、射出成形でランナーに残った材料は品質劣化のため再利用せず廃棄している。そのため、全投入量の9割程度の材料をロスし、ナノコンポジット樹脂のような高付加価値材料においてはコストがかかっている。(2)の方法では、歪みが残り、光学特性に影響を及ぼす。(3)の方法では、加熱してもナノコンポジット樹脂は十分転写可能なまで流動化しないため、溶剤を加え溶液状態にして注型することになるが、この場合、従来のような型では溶媒除去とともに起こる体積減少が製品部に及ばないようにゲート部分を長くするため、拡散長が大きくなり、形状変化が起こらない残留溶媒量にするまで長い時間がかかる。これを解決する手段として、例えば特許文献3に記載されるような、製品を片面ずつ2度に分けて注型成形する方法によって拡散長を短くする方法が挙げられるが、この方法では、光学部材内部に発生した界面で光が反射する、光学軸ずれが起き易いなどの問題があった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、無機微粒子が熱可塑性樹脂に含有するナノコンポジット樹脂を含む溶液から、光学特性の安定した光学部材を成形することができる光学部材の成形方法および成形装置ならびに光学部材を提供することを目的としている。
本発明の上記目的は、下記光学部材成形方法によって達成される。
(1)無機微粒子が熱可塑性樹脂に含有するナノコンポジット樹脂を材料とする光透過光学部材を成形する光学部材成形方法であって、少なくとも光学面形状と雰囲気開放面とを提供する容器に前記ナノコンポジット樹脂を含む溶液を投入する溶液投入工程と、前記溶液の溶媒を前記雰囲気開放面から蒸発させ、前記光透過光学部材の光学面を最終形状まで固化・形成する光学部材形成工程と、を備える光学部材成形方法。
上記の光学部材成形方法によれば、ナノコンポジット樹脂が均一に分散した溶液が、そのままの均一分散状態で固形化して光学部材となるので、従来、成形が困難であったナノコンポジット樹脂から光学部材を成形することができる。
そして、ナノコンポジット樹脂が均一に分散した溶液から光学部材を成形するので、プラスチック樹脂中に金属酸化物微粒子などの無機微粒子を均一に分散させて得られる高屈折率を有し光学特性の優れた光学部材の成形が可能となる。
(2)前記溶液投入工程で、前記光学面形状が容器内底面の第一光学面形状とその第一光学面形状から溶液中の所望距離位置となる第二光学面形状とからなる状態で溶液投入する上記(1)に記載の光学部材成形方法。
上記の光学部材成形方法によれば、前記溶液投入工程で、前記光学面形状が容器内底面の第一光学面形状とその第一光学面形状から溶液中の所望距離位置となる第二光学面形状とからなる状態で溶液投入することで、1回の成形工程によって2面の光学面(第一光学面形状と第二光学面形状)を有する光学部材を成形することができる。これによって、それぞれの片面に光学形状面が形成された一対の光学部材を貼り合わせて1つの光学部材をする場合と比較して、高精度の光学部材を短時間で容易に成形することができる。
(3)前記溶液投入工程での溶液投入後、前記ナノコンポジット樹脂が略光学面形状を維持できる固形状態となる前に、前記容器の底面に配置された第一光学面形状から所望距離位置の溶液中に第二光学面形状形成部材を挿入する上記(1)に記載の光学部材成形方法。
上記の光学部材成形方法によれば、容器に投入した溶液の溶媒が蒸発してナノコンポジット樹脂が固形状態となる前まで、第二光学面形状を有する光学面形状部材の挿入を待つので、雰囲気開放面における開放面積を広くすることができ、拡散長を大幅に短くでき、乾燥時間を早くすることができる。
(4)前記溶液投入工程は、前記光学部材を成形可能な前記ナノコンポジット樹脂量を含むように前記溶液を計量して投入する上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光学部材成形方法。
上記の光学部材成形方法によれば、少なくとも光学適用形状転写面と雰囲気開放面とを提供する容器に、光学部材を成形するのに十分な量のナノコンポジット樹脂を含む溶液を計量して投入するようにしたので、溶液中の溶媒を蒸発させることによって確実に光学部材を成形することができる。
(5)前記光学部材形成工程で、減圧下において、ナノコンポジット樹脂溶液の溶媒の沸点Tb(℃)≧蒸発時溶媒温度T(℃)の関係である請求項1〜4のいずれか1項に記載される光学部材成形方法。
上記の光学部材成形方法によれば、乾燥温度T(℃)がナノコンポジット樹脂溶液の溶媒の沸点Tb(℃)に関して、大気圧下においてTb≧Tとすることにより、乾燥温度がTbより大きくなった場合に、成形品内に気泡が発生し、望みの形状が得られないといった状態を回避できる。ここで、望ましくはTb−30≧Tであり、Tb−30℃程度で気泡がほとんど発生しなくなる。更に、より望ましくはTb−50≧Tであり、Tb−50℃では気泡が全く発生しなくなる。
(6)前記溶液投入工程での溶液の投入が、減圧下において行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載される光学部材成形方法。
上記の光学部材成形方法によれば、溶液の投入を減圧下で行うことによってどのような型形状でも液を十分に容器内へ行き渡らせることができる。
また、上記目的は、下記の光学部材成形装置によって達成される。
(7)無機微粒子が熱可塑性樹脂に含有するナノコンポジット樹脂を材料とする光透過光学部材を成形する光学部材成形装置であって、前記光学部材の一方の光学面を形成する第一光学面形状を底面に備えると共に雰囲気開放面を提供する容器状下型と、前記光学部材の他方の光学面を形成する第二光学面形状を備える第二光学面形状形成部材を有して前記第一光学面形状からの所望距離位置に配置される上型と、を備える光学部材成形装置。
上記構成の光学部材成形装置によれば、光学部材の一方の光学面形成用の第一光学面形状と雰囲気開放面とを提供する容器状下型と、他方の光学面形成用の第二光学面形状が備えられた第二光学面形状形成部材を有する上型との構成により、第一光学面形状と第二光学面形状とを所望距離位置に配置し、容器状下型内にナノコンポジット樹脂を含む溶液を投入して溶媒を蒸発させることにより、両面に略光学面形状面が形成された光学部材を容易に成形することができる。
(8)前記第一光学面形状の部分および前記第二光学面形状の部分の少なくとも一方がガラス製である上記(7)に記載の光学部材成形装置。
(9)前記第一光学面形状の部分および前記第二光学面形状の部分の少なくとも一方がガラスモールドによって作られた上記(7)または(8)に記載の光学部材成形装置。
上記構成の光学部材成形装置によれば、工業的にレンズを製造する場合、容器を大量に並べて時間当たりのレンズ製造数を稼ぐことが考えられる。この場合、第一、第二光学面形状を金属等で大量に作ると光学研磨などがかさみコストがかかる。そこでこのような場合では、光学面形状部分を低コストで作ることが要求される。本手法では、光学面形状をガラスモールドで作ることで、大量に、低コストに成形装置を製造することができる。
また、上記目的は、下記の光学部材によって達成される。
(10)上記(1)〜上記(6)のいずれか1項記載の光学部材成形方法により形成された光学部材。
(11)上記(10)記載の光学部材であって、前記光学部材がレンズ基材である光学部材。
上記の光学部材によれば、光学部材がレンズ基材であるので、高屈折率で優れた光学特性を有するレンズ基材を容易に作成することができる。
本発明によれば、無機微粒子が熱可塑性樹脂に含有するナノコンポジット樹脂を含む溶液から、光学特性の安定した光学部材を成形することができる光学部材の成形方法および成形装置ならびに光学部材を提供できる。
以下、本発明に係る光学部材成形方法及び成形装置に好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態である光学部材成形装置の概略構成を示す縦断面図、図2は図1における光学部材成形装置によりナノコンポジット樹脂を含む溶液から光学部材が成形される工程を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、光学部材成形装置100は、容器状下型11と、凸状上型13と、ディスペンサ装置15を備え、乾燥室9内に配設されている。容器状下型11は、上面に雰囲気開放面12が設けられて外部に開放される略円筒容器17と、円筒容器17の底面17aの中心に設けられたコア穴17bに摺動自在に嵌合するコア19と、エジェクタピン21とを備える。光学部材の形状によっては、凸状上型13の形状を凹状にする場合もあるが、この場合においても本発明は実施可能である。コア穴17bの範囲外である底面17aは光学部材のフランジ部を成形することとなる。
コア19は、その上面に半球状凹面に形成された第一光学面形状19aが形成されている。第一光学面形状19aは、その形状を後述する光透過光学部材65に転写して、一方の光学面形状面(凸面)65aを形成する(図2(d)参照)。また、光学部材の形状によっては、第一光学面形状19aの形状を凸状にする場合もあるが、この場合においても本発明は実施可能である。
エジェクタピン21は、図中、上下方向に移動可能な可動板23に固定されており、円筒容器17の底面17aに設けられたピン穴17cに摺動自在に嵌合する。また、可動板23の上面には、コア19が固定されており、可動板23の移動に伴ってエジェクタピン21と共に上下方向に移動する。
円筒容器17は、スペーサ25を介して基台27の上面に配置された重量センサ29上に載置されている。重量センサ29は、例えば、負荷される重量をセンサ素子の歪みとして精度よく検出可能なロードセルであり、容器状下型11(スペーサ25を含む)及び容器状下型11内に投入されるナノコンポジット樹脂を含む溶液61の重量を測定する。
可動板23の下方には、ピストン33を可動板23に対向させてシリンダ31が基台27に配設されている。ピストン33がシリンダ31内に引き込まれたとき、ピストン33と可動板23との間には隙間Cが形成されて、接触しないようになっている。これにより、重量センサ29は、容器状下型11と溶液61の重量の測定が可能となる。
凸状上型13は、溶液投入穴41が形成された板状部材43と、板状部材43の下面に下方に突出して固定された第二光学面形状形成部材である略円柱状の上型45とを有する。凸状上型13は、容器状下型11に対して上下方向に移動自在となっている。上型45は、その下面に半球状凸面に形成された第二光学面形状45aが設けられている。第二光学面形状45aは、その形状を光学部材65に転写して、他方の光学形状面(凹面)65bを形成する。コア19の軸心と、上型45の軸心とは、一致して配置される。
容器状下型11(円筒容器17、コア19、エジェクタピン21)及び凸状上型13(上型45)に使用される材料は、必要とされる面粗さ(少なくとも、第一光学面形状19a、及び第二光学面形状45aは、鏡面とするのが好ましい)に加工可能な材料であれば特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、スタバックスなどの金属材料、セラミック、ガラス、テフロン(登録商標)などの樹脂材料などが使用可能である。
ディスペンサ装置15は、その先端部15aがノズル状に形成されており、ナノコンポジット樹脂を含む溶液61を貯留する溶液タンク(図示せず)にチューブなどを介して接続されている。溶液タンクには濃度管理された溶液が入っており、ディスペンサ装置15で体積計量することで所望のナノコンポジット樹脂量を容器上下型11に供給することができる。先端部15aは、板状部材43に接近または離間する方向に移動自在であり、先端部15aを板状部材43の溶液投入穴41に当接させて、ナノコンポジット樹脂を含む溶液61を容器状下型11に供給する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本実施形態の作用を説明する。図1及び図2に示すように、シリンダ31のピストン33を下降させてピストン33と可動板23とを離間した後、重量センサ29によって空状態の容器状下型11(スペーサ25を含む)の重量を測定する。次いで、ディスペンサ装置15の先端部15aを板状部材43の溶液投入穴41に当接させて、成形する光学部材65によって予め決められた重量のナノコンポジット樹脂を含む溶液61を容器状下型11に供給した後、再び、重量センサ29によって重量を測定して所定重量の溶液61が供給されたことを確認する(溶液投入工程)。
このとき、ナノコンポジット樹脂を含む溶液61がエジェクタピン17cと底面17aのクリアランスに入り込まないことが好ましく、溶液の濃度を、5wt%以上にすることが必要である。さらにハンドリングし易さ、乾燥にかかる時間の観点から溶液の濃度を、好ましくは10〜60wt%、さらに好ましくは20〜50wt%にすると製造上有利である。
そして、光学部材形成工程では、上型45を下降させてその先端部(第二光学面形状45a)を溶液61中に浸入させ、コア19の第一光学面形状19aと上型45の第二光学面形状45aとの距離を所定距離Aに、また位置を所望位置に配置して固定する。ここで、所定距離Aとは、成形する光学部材65の厚さによって決まる距離であり、溶液蒸発中での体積減少や収縮を考慮して設定される。この所望位置とは、光学部材65の光学形状面65a、65bの相対位置と同じ位置であり、光学部材65の光軸Lに対して対向配置される(図2(d)参照)。
更に、光学部材形成工程では、図2(b)、(c)に示すように、光学部材成形装置100が設置されている乾燥室9内の環境を、例えば、溶媒にメチルエチルケトンを使用し、投入ナノコンポジット樹脂濃度36wt%、A=1mm、上型直径8mm、円筒容器内径10mm、底面17a−液面間距離2.8mm、温度30℃、大気圧とし、100時間以上放置乾燥すると、溶液61中の溶媒が、円筒容器17内での溶液61の雰囲気開放面12から蒸発して次第に固形化し、やがて光学面形状を維持できる固形状態の光透過光学部材65となる。つまり、コア19の第一光学面形状19a及び上型45の第二光学面形状45aが光透過光学部材65の光学形状面65a、65bとして転写される。
ここで、乾燥時温度T(℃)がナノコンポジット樹脂溶液の溶媒の沸点Tb(℃)に関して、大気圧下においてTb≧Tとすることが好ましい。このような条件により、乾燥温度TがTbより大きくなって成形品内に気泡が発生し、望みの形状が得られないといった状態を回避できる。ここで、この条件として、望ましくはTb−30≧Tであり、このようにするとTb−30℃程度で気泡がほとんど発生しなくなる。更に、より望ましくはTb−50≧Tであり、Tb−50℃では気泡が全く発生しなくなる。
また、固形化状態、即ち、光学面形状を維持できる状態まで固形化したかどうかは、目視、接触などによる触診以外にも、重量センサ29によって現在の重量を測定し、溶液蒸発開始前の重量から減算して求められる減少重量から容易に判断が可能である。
最後に、シリンダ31を作動させ、ピストン33により可動板23を介してコア19、エジェクタピン21を押し上げて、図2(d)に示すように、円筒容器17から取り出す。
ここで、必要であれば、取り出された光学部材65を、温度40℃及び真空度10-1Paに維持した乾燥室9内に放置して、更に溶媒を蒸発させて完全乾燥するようにしてもよい。
図3は、光学部材成形過程におけるナノコンポジット樹脂を含む溶液の重量変化を経時的に示すグラフである。上記の説明においては、溶液61を容器17に供給した直後に、上型45を下降させて溶液61中に浸入させるように説明し、図3の実線73に示すような曲線に従って蒸発・固形化する。一方で、溶液61の供給と上型45の下降のタイミングは、これに限定されず、溶液61を供給した状態(上型45を下降させない)でしばらく溶媒を蒸発させ、溶液61が半固形状態となる直前(図3のm1)で上型45を下降させるようにしてもよい。こうすることにより、上型45の面積分だけ広い面積(雰囲気開放面)から溶媒が蒸発して、重量がm1となる時間t1までは図3の一点鎖線71に示す曲線に従って重量が低下し、上型45の下降後は、点線75に従って重量が低下するので、結果的に蒸発時間が短縮される。
また、上記実施形態では、容器17内でコア19に備えられた第一光学面形状19aと、上型45に備えられた第二略光学面形状45aにより光透過光学部材65を成形しているが、レンズの最も基本的な形としては、第1略光学面形状19aのみでよく、上型45を不要とする構成でも良い。
更に、この上型45に関する方法の他の構成として、溶液61を容器17に供給する前から上型45の位置を容器17内の所定位置に配置しておき、その後の処理工程は同じである構成とすることもできる。
この場合、乾燥時の雰囲気露出面が狭くなるので、溶媒の蒸発時間が長めになるが、溶液の投入は無理なく実施されるので、雰囲気がトラップされて溶液の中に入り込むことも無く、従って上型45を溶液の中に移動挿入する上記実施形態に比較して、上型45の形状の自由度が増すこととなる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。また、本発明を適用可能な光学部材としては、各種レンズだけでなく、液晶ディスプレイなどの導光板、偏光フィルムや位相差フィルムなどの光学フィルム、などが挙げられる。
例えば、ディスペンサー15の代わりにぺリスターポンプなどの送液系で送液してもよい。
また、上記実施形態ではディスペンサー15における溶液投入量は、重量による調整であるが、これ以外にも体積・容量などで調整しても良い。また、溶液供給ノズルは図1で示した2箇所に制約されることはない。
また、溶液の供給は上型13の上面からに限らず、上型13と下型11のすきま、円筒容器17の側面、下型11の底面などから供給してもよい。また、光透過光学部材65の形状によっては上型13・下型11の数は複数であっても良い。
更に、工業的にレンズを製造する場合、容器を大量に並べて時間当たりのレンズ製造数を稼ぐことが考えられるが、第一、第二光学面形状を提供する基部を金属等で大量に作ると光学研磨などがかさみコストがかかる。そこで、上型13・下型11の第一光学面形状部分、第二光学面形状部分をガラス製とすることで、光学面形状部分を研磨を省いて低コストで作ることができる。この場合、光学面形状をガラスモールドにより作成することができ、大量且つ低コストに成形装置を製造することができる。
また、図1では上型13は上から垂直に挿入されているが、この角度は垂直に限らず、どの向きにしても良い。また、下型11も同様に向きはどの向きでも良い。また、エジェクタ19,21はコア19も含め図1では3箇所あるが、この数は3箇所に規定されない
。また、図1では重量を2箇所のセンサ29で計測しているが、この数は2箇所に限らない。また、センサは1種類に限らず、複数の種類を組み合わせても良い。また、シリンダ31は空圧、電動、油圧などどれでも良い。
また、乾燥雰囲気は大気・減圧雰囲気圧以外にも、真空雰囲気下、窒素雰囲気下、二酸化炭素雰囲気下、アルゴンなど希ガス雰囲気下などの気体雰囲気下で行っても良い。溶液の投入を真空下で行うことによってどのような型形状でも液を十分に容器内へ行き渡らせることができる。
また、最良の形態ではプレス金型の加熱方法はコイルによる誘導過熱方式としたが、この他にも、ヒーターによる伝熱や、ハロゲンランプなどによる光加熱、などの方式で加熱を行っても良い。
〈ナノコンポジット素材〉
以下に、本発明の光学部材の材料となるナノコンポジット素材(無機微粒子が熱可塑性樹脂に結合されたナノコンポジット素材)について、以下に詳細に説明する。
[無機微粒子]
本発明に用いられる有機無機複合材料には、数平均粒子サイズが1〜15nmの無機微粒子としている。無機微粒子の数平均粒子サイズは、小さすぎると該微粒子を構成する物質固有の特性が変化する場合があり、逆に大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となり、有機無機複合材料の透明性が極端に低下する場合がある。従って、本発明における無機微粒子の数平均粒子サイズは1〜15nmにすることが必要であり、好ましくは2〜13nmであり、より好ましくは3〜10nmである。
本発明に用いられる無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子等が挙げられる。より具体的には、チタニア微粒子、酸化亜鉛微粒子、ジルコニア微粒子、酸化錫微粒子、硫化亜鉛微粒子等を挙げることができ、好ましくは、チタニア微粒子、ジルコニア微粒子、硫化亜鉛微粒子であり、より好ましくはチタニア微粒子、ジルコニア微粒子であるが、これらに限定されるものではない。本発明では、1種類の無機微粒子を用いてもよいし、複数種の無機微粒子を併用してもよい。
本発明に用いられる無機微粒子の波長589nmにおける屈折率は、1.70〜3.00であることが好ましく、1.70〜2.70であることがより好ましく、2.00〜2.70であることがさらに好ましい。屈折率が1.70以上である無機微粒子を用いれば屈折率が1.65より大きい有機無機複合材料を作成しやすくなり、屈折率が3.00以下の無機微粒子を用いれば透過率が80%以上の有機無機複合材料を作成しやすい傾向がある。なお、本発明における屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ社DR−M4)にて波長589nmの光について25℃で測定した値である。
[熱可塑性樹脂]
本発明で用いられる熱可塑性樹脂の構造には特に制限がなく、たとえば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルカルバゾール、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリチオエーテ、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の公知の構造を有する樹脂を例示することができるが、本発明では少なくとも、高分子鎖末端、または側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する熱可塑性樹脂が特に好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、
(1)高分子鎖末端、または側鎖に下記から選ばれる官能基を有する熱可塑性樹脂
Figure 2009073166
[R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、あるいは、置換または無置換のアリール基を表す。]、−SO3H、−OSO3H、−CO2H、または−Si(OR15m116 3-m1[R15、R16はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、あるいは、置換または無置換のアリール基を表し、m1は1〜3の整数を表す。];
(2)疎水性セグメントおよび親水性セグメントで構成されるブロック共重合体;
が好ましい例として挙げられる。
以下、熱可塑性樹脂(1)について、詳細に説明する。
熱可塑性樹脂(1)
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(1)は、高分子鎖末端、側鎖に無機微粒子と化学結合を形成しうる官能基を有する。ここで、「化学結合」とは、例えば、共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合等が挙げられ、官能基が複数存在する場合は、それぞれ無機微粒子と異なる化学結合を形成しうるものであってもよい。化学結合を形成しうるか否かは、有機溶媒中において熱可塑性樹脂と無機微粒子とを混合したときに、熱可塑性樹脂の官能基が無機微粒子と化学結合を形成しうるか否かで判定する。熱可塑性樹脂の官能基は、そのすべてが無機微粒子と化学結合を形成していてもよいし、一部が無機微粒子と化学結合を形成していてもよい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するコポリマーであることが特に好ましい。このようなコポリマーは、下記一般式(2)で表わされるビニルモノマーを共重合することにより得ることができる。
一般式(1)
Figure 2009073166
一般式(2)
Figure 2009073166
一般式(1)および一般式(2)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Xは−CO2−、−OCO−、−CONH−、−OCONH−、−OCOO−、−O−、−S−、−NH−、および、置換または無置換のアリーレン基からなる群より選ばれる2価の連結基を表し、より好ましくは−CO2−またはp−フェニレン基である。
Yは炭素数が1〜30である2価の連結基を表す。炭素数は1〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。具体的には、アルキレン基、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、アリーレンオキシカルボニル基、およびこれらを組み合わせた基を挙げることができ、好ましくはアルキレン基である。
qは0〜18の整数を表す。より好ましくは0〜10の整数であり、さらに好ましくは0〜5の整数であり、特に好ましくは0〜1の整数である。
Zは、前記[化1]に示される官能基である。
以下に一般式(2)で表されるモノマーの具体例を挙げるが、本発明で用いることができるモノマーはこれらに限定されるものではない。
Figure 2009073166
本発明において一般式(2)で表わされるモノマーと共重合可能な他の種類のモノマーとしては、Polymer Handbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience (1975) Chapter 2 Page 1〜483に記載のものを用いることができる。
具体的には、例えば、スチレン誘導体、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、イタコン酸ジアルキル類、前記フマール酸のジアルキルエステル類またはモノアルキルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(1)の重量平均分子量は1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜300,000であることがさらに好ましく、10,000〜100,000であることが特に好ましい。前記熱可塑性樹脂(1)の重量平均分子量を500,000以下とすることにより、成形加工性が向上する傾向にあり、1,000以上とすることにより力学強度が向上する傾向にある。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(1)において、無機微粒子と結合する上記官能基はポリマー鎖1本あたり平均0.1〜20個であることが好ましく、0.5〜10個であることがより好ましく、1〜5個であることが特に好ましい。前記官能基の含有量がポリマー鎖一本あたり平均20個以下であれば、熱可塑性樹脂(1)が複数の無機微粒子に配位して溶液状態で高粘度化やゲル化が起こるのを防ぎやすい傾向がある。また、ポリマー鎖一本あたり平均官能基の数が0.1個以上であれば、無機微粒子を安定に分散させやすい傾向がある。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(1)のガラス転移温度は80℃〜400℃であることが好ましく、130℃〜380℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が80℃以上の樹脂を用いれば十分な耐熱性を有する光学部品が得られやすくなり、また、ガラス転移温度が400℃以下の樹脂を用いれば成形加工が行いやすくなる傾向がある。
上記のように、本発明に係る光学部材の材料であるナノコンポジット素材は、特定の構造を有する単位構造を樹脂中にもたせることにより、無機微粒子が分散している有機無機複合材料の高屈折性と高透明性を損なうことなく、成形金型からの離型性を向上させることができる。
上記の材料によれば、優れた離型性と高屈折性と透明性とを併せ持つ有機無機複合材料、およびそれを含んで構成される、高精度と高透明性と高屈折性とを併せ持つ光学部材が提供できる。
本発明の実施形態である光学部材成形装置の概略構成を示す縦断面図である。 図1における光学部材成形装置によりナノコンポジット樹脂を含む溶液から光学部材が成形される工程を模式的に示す説明図である。 光学部材成形過程におけるナノコンポジット樹脂を含む溶液の重量変化を経時的に示すグラフである。
符号の説明
11 容器状下型
12 雰囲気開放面
13 凸状上型
17 円筒容器
17a 底面
19 コア
19a 第一光学面形状
45 上型(光学面形状形成部材)
45a 第二光学面形状
61 溶液
65 光学部材(レンズ基材)
65a 光学部材の一方の光学適用形状面
65b 光学部材の他方の光学適用形状面
100 光学部材成形装置
L 光学部材の光軸

Claims (11)

  1. 無機微粒子が熱可塑性樹脂に含有するナノコンポジット樹脂を材料とする光透過光学部材を成形する光学部材成形方法であって、
    少なくとも光学面形状と雰囲気開放面とを提供する容器に前記ナノコンポジット樹脂を含む溶液を投入する溶液投入工程と、
    前記溶液の溶媒を前記雰囲気開放面から蒸発させ、前記光透過光学部材の光学面を最終形状まで固化・形成する光学部材形成工程と、を備える光学部材成形方法。
  2. 前記溶液投入工程で、前記光学面形状が容器内底面の第一光学面形状とその第一光学面形状から溶液中の所望距離位置となる第二光学面形状とからなる状態で溶液投入する請求項1に記載の光学部材成形方法。
  3. 前記溶液投入工程での溶液投入後、前記ナノコンポジット樹脂が略光学面形状を維持できる固形状態となる前に、前記容器の底面に配置された第一光学面形状から所望距離位置の溶液中に第二光学面形状形成部材を挿入する請求項1に記載の光学部材成形方法。
  4. 前記溶液投入工程は、前記光学部材を成形可能な前記ナノコンポジット樹脂量を含むように前記溶液を計量して投入する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材成形方法。
  5. 前記光学部材形成工程で、大気圧下において、ナノコンポジット樹脂溶液の溶媒の沸点Tb(℃)≧蒸発時溶媒温度T(℃)の関係である請求項1〜4のいずれか1項に記載される光学部材成形方法。
  6. 前記溶液投入工程での溶液の投入が、減圧下において行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載される光学部材成形方法。
  7. 無機微粒子が熱可塑性樹脂に含有するナノコンポジット樹脂を材料とする光透過光学部材を成形する光学部材成形装置であって、
    前記光学部材の一方の光学面を形成する第一光学面形状を底面に備えると共に雰囲気開放面を提供する容器状下型と、
    前記光学部材の他方の光学面を形成する第二光学面形状を備える第二光学面形状形成部材を有して前記第一光学面形状からの所望距離位置に配置される上型と、を備える光学部材成形装置。
  8. 前記第一光学面形状の部分および前記第二光学面形状の部分の少なくとも一方がガラス製である請求項7に記載の光学部材成形装置。
  9. 前記第一光学面形状の部分および前記第二光学面形状の部分の少なくとも一方がガラスモールドによって作られた請求項7または8に記載の光学部材成形装置。
  10. 請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の光学部材成形方法により形成された光学部材。
  11. 請求項10記載の光学部材であって、前記光学部材がレンズである光学部材。
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