JP2009072303A - ノズル装置及び消火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水系消火剤を放出するノズルの開口部が、液化消火ガスの冷却効果によって詰まることがないノズル装置、及び前記ノズル装置を備えた消火装置を提供すること。
【解決手段】液化消火ガスが消火ガスノズルから噴出することにより生じる消火ガスと前記消火ガスノズルに近接配置された水系消火剤ノズルから噴出する水系消火剤との混合物を噴出するノズル装置であって、液化消火ガスの噴出による冷却によって氷結可能な領域における、少なくとも機材表面が撥水性樹脂で形成されて成るノズル装置、及び、前記ノズル装置と、液化消火ガスを収容する液化消火ガス貯留部と、水系消火剤を収容する水系消火剤貯留部と、前記液化消火ガス貯留部と前記ノズル装置における消火ガスノズルとに接続されて成る消火ガス配管と、前記水系消火剤貯留部と前記水系消火剤ノズルとに接続されて成る水系消火剤配管とを有する消火装置。
【選択図】 図2

Description

この発明は、ノズル装置及び消火装置に関し、さらに詳しくは、水系消火剤を放出するノズルの開口部が氷結により閉塞することのないノズル装置及びこのノズル装置を備えて成る消火装置に関する。
従来、知られている消火方法として、水系消火剤を用いた消火方法及びガス系消火剤を用いた消火方法がある。水系消火剤を用いた消火方法は、最も広く使用されている消火方法であるが、大量の水系消火剤例えば水が放出されるので、この放出された水による損害が生じていた。二酸化炭素、窒素などのガス系消火剤は、被消火物の周辺の酸素及び可燃性ガスの濃度を低下させることにより、消火効果を発揮する方法であるが、被消火物周辺の酸素濃度が低下するので、被消火物周辺に人がいた場合には、人体を危険な状態に曝すことになる。また、二酸化炭素及び窒素は消火効果を発揮する為に被消火対象物周辺を高濃度の消火ガス雰囲気にする必要が有るので、消火ガスの貯蔵量及び貯蔵スペースが大規模になってしまう懸念点があった。ハロゲン系消火剤は被消火物の燃焼反応を化学反応により抑制する効果を発揮する方法であり、周辺の酸素濃度は高く安全な状態を保持できるが、消火ガスのコストが前述した窒素及び二酸化炭素と比較して高価であるので、より少ないガス量で消火性能を発揮できるハロゲン系消火剤が望まれていた。
そこで、上記各々の消火方法の欠点に対処する方法として、水系消火剤とガス系消火剤とを混合して使用する方法として、特許文献1において、「液化二酸化炭素及び水系消火剤を、噴射合流させて霧化し、放射する事を特徴とする消火方法。」(特許文献1の請求項1参照)が、提案されている。
この特許文献1においては、「・・・水系消火剤の容器からの放射には、・・・ベンチェリの原理を利用したニ酸化炭素ガス流による減圧吸引と、加圧押出が考えられる。減圧法では、二酸化炭素と水系消火剤の混合をノズル内でおこなうことになるので、液化二酸化炭素の蒸発に伴う極低温によって、水は直ぐに凍結しノズルをつまらせやすい」(特許文献1の段落番号0007参照)との指摘が、なされている。前記減圧法における前記欠点を解消するために、特許文献1では、「加圧型放射システム」として、「3は二酸化炭素経路からのバイパスであり、水系消火剤容器2を加圧するためのものである。加圧された容器2からは、サイホンを経てノズル5から水系消火剤を放射する。又ノズル4からは液化二酸化炭素が放射され、ノズル口直近で衝突して霧化した混合消火剤として放射される。」ことが実施例として開示されている(特許文献1の段落番号0010参照)。この特許文献1においては、その段落番号0007欄にて指摘されている減圧法による消火方法についての具体的開示が、ない。
特許文献1に記載されているところの、加圧押出による消火方法又は消火装置にあっては、水系消火剤を貯留する容器の内部を、液化二酸化炭素容器内からバイパスを通じて供給される二酸化炭素で加圧することにより、水系消火剤をノズルから噴射させるのであるから、液化二酸化炭素のノズルと水系消火剤のノズルとを近接して設置する必要があり、しかも液化二酸化炭素容器内の二酸化炭素が水系消火容器に移動可能な配管を設けなければならない。また、特許文献1に記載された消火装置及び消火方法にあっては、液化二酸化炭素を放射するノズルと水系消火剤を放射するノズルとが近接しているときには、液化二酸化炭素の気化熱による吸熱及び断熱膨張により水系消火剤が凍結してしまうので、この凍結した水系消火剤により水系消火剤のノズルが詰まってしまう恐れがある。その結果、消火処理が完了する前に、水系消火剤が放出されなくなる恐れがある。
特開平7−24080号公報
この発明が解決しようとする課題は、消火ガスと水系消火剤との混合物を噴出するノズル装置において、水系消火剤を放出するノズルの開口部が、液化消火ガスの冷却効果によって詰まることがないノズル装置を提供することであり、このようなノズル装置を備えた消火装置とすることにより、消火をするのに十分な時間連続して、消火ガスと水系消火剤との混合物を噴射することのできる消火装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、
「液化消火ガスが消火ガスノズルから噴出することにより生じる消火ガスと前記消火ガスノズルに近接配置された水系消火剤ノズルから噴出する水系消火剤との混合物を噴出するノズル装置であって、
液化消火ガスの噴出による冷却によって氷結可能な領域における、少なくとも機材表面が撥水性樹脂で形成されて成ることを特徴とするノズル装置。」
であり、
請求項2は、
「前記撥水性樹脂は、フッ素樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のノズル装置。」であり、
請求項3は、
「前記請求項1又は2に記載のノズル装置と、液化消火ガスを収容する液化消火ガス貯留部と、水系消火剤を収容する水系消火剤貯留部と、前記液化消火ガス貯留部と前記ノズル装置における消火ガスノズルとに接続されて成る消火ガス配管と、前記水系消火剤貯留部と前記水系消火剤ノズルとに接続されて成る水系消火剤配管とを有することを特徴とする消火装置。」であり、
請求項4は、
「前記消火ガス配管は、水系消火剤貯留部に結合されていない前記請求項3に記載の消火装置。」である。
本発明に係るノズル装置は、液化消火ガスの噴出により生じる消火ガスと水系消火剤との混合物を噴出するノズル装置であって、液化消火ガスの噴出による冷却によって氷結可能な領域における機材表面が撥水性樹脂で形成されて成るので、水系消火剤が放出される水系消火剤ノズルの例えば開口部が氷結により詰まるのを防ぐことができる。このようなノズル装置を備えて成る消火装置とすることにより、水系消火剤が放出される水系消火剤ノズルの開口部が氷結により詰まることがないので、消火をするのに十分な時間連続して、消火ガスと水系消火剤との混合物を噴射することができる。
液化消火ガスの噴出による冷却によって氷結可能な領域における機材表面が、フッ素樹脂により形成されている場合には、フッ素樹脂は、特に撥水性が高く静摩擦係数が低いので、消火ガスの噴出により、水系消火剤が氷結して微細な氷の種結晶が生じたとしても、消火ガスの噴出圧により、フッ素樹脂である機材表面に付着するこの氷の種結晶が容易に除去されてしまい、氷が成長するのを防ぐことができる。したがって、水系消火剤が放出される水系消火剤ノズルの例えば開口部を初めとする機材表面が氷結してしまうことにより水系消火剤と消火ガスとの混合物の噴出阻害を防ぐことができる。
本発明に係る消火装置の一例を説明するための概略説明図を図1に示す。本発明に係る消火装置は、消火ガスと水系消火剤とを被消火物又は消火領域(以下において、被消火物及び消火領域を合わせて単に被消火物と称する。)に混合噴射することにより、被消火物を消火する。この消火装置1は、液化消火ガスが収容される液化消火ガス貯留部2と、前記液化消火ガス貯留部2に接続されて成る消火ガス配管3と、前記消火ガス配管3に接続されて成る消火ガスノズル4と、前記消火ガス配管3に設置されて成る、消火ガスの流通を制御するための手段の一例である開閉弁5と、水系消火剤が収容されて成る水系消火剤貯留部6と、前記水貯留部6に接続されて成る水系消火剤配管7と、前記水系消火剤配管7に接続されて成る水系消火剤ノズル8とを有する。ここで、消火ガスノズル4と消火ガス配管3とはそれぞれ別体として形成されているが、一体に形成されていても良い。同様に、水系消火ノズル8と水系消火剤配管7とはそれぞれ別体として形成されているが、一体に形成されていても良い。なお、水系消火剤配管7には、図1には図示されていないが、開閉弁が設けられている。図1から明らかなように、液化消火ガス貯留部2と水系消火剤貯留部2とは配管で結合されず、したがって、水系消火剤貯留部2内に貯留されている水系消火剤は、液化消火ガスにより加圧されることがない。
消火ガス開閉弁5を開放することにより、液化消火ガスが液化消火ガス貯留部2から消火ガス配管3を流通し、消火ガスノズル4の開口部9から噴出する。この消火ガスの噴出流及び/又は噴出圧により、水系消火剤ノズル8の内部が負圧にされることにより、水系消火剤が水系消火剤貯留部6から水系消火剤配管7を流通して水系消火剤ノズル8の開口部10から噴出し、消火ガスと水系消火剤とが均一に混合されて成る混合物が、被消火物に向かって噴射される。
本発明に係る消火装置の一部であるノズル装置は、図1に示す例においては、消火ガスノズル4と水系消火剤ノズル8とが近接して配置しており、所望のように消火ガスと水系消火剤とを混合して生じるこれらの混合物を噴射させることができる構造を有する。ノズル装置には、消火ガスと水系消火剤とが混合されて流通する気液混合部、及び前記消火ガス配管及び前記水系消火剤配管及び/又は気液混合部の近傍に設置され、所望のように消火ガス及び/又は水系消火剤を噴出するための種々の機能を有する機械、器具及び装置などが含まれることもある。
液化消火ガスが噴出する消火ガスノズルの開口部と水系消火剤が噴出する水系消火剤ノズルの開口部とは、消火ガスの噴出流及び/又は噴出圧を利用して水系消火剤ノズルの内部を負圧にすることにより、水系消火剤ノズルの開口から水系消火剤が噴出されるように配置されて成る。図1に示す例においては、消火ガスノズル4と水系消火剤ノズル8とを互いに直交させて設置して、消火ガスノズル4の開口部9と水系消火剤ノズル8の開口部10とを近接させて消火ガスノズル4の開口部9からの延長線と水系消火剤ノズル8の開口部10からの延長線とが互いに交わるようにする直交配置としている。この他にも、消火ガスノズルと水系消火剤ノズルとを互いに並行に設置して、消火ガスノズルの開口部と水系消火剤ノズルの開口部とを近接させて同一方向に向ける並行配置、及び消火ガスノズルの開口部と水系消火剤ノズルの開口部とを近接させて消火ガスノズルの開口部からの延長線と水系消火剤ノズルの開口部からの延長線とが互いに交わるように設置し、かつ消火ガスノズルの中心軸線と水系消火剤ノズルの中心軸線とにより形成される内角が鋭角となるような鋭角配置を採用することもできる。
また、前記直交配置、平行配置、及び鋭角配置において、消火ガスノズルと水系消火剤ノズルとを合流させて混合物を形成し、その混合物を一定方向に一定の立体角度で噴射することができるようにする気液混合部を設けることにより、消火ガスと水系消火剤とを混合した後に、気液混合部に設けられた噴出口より消火ガスと水系消火剤との混合物を噴射させるようにすることもできる。このとき、消火ガスノズル及び水系消火剤ノズルとは別体として気液混合部を形成し、気液混合部に設けられた消火ガスノズル取り付け孔及び水系消火剤ノズル取り付け孔に、それぞれ消火ガスノズルと水系消火剤ノズルとを接続するように形成し、消火ガスノズル取り付け孔に対面する一端に噴射口を設けて、消火ガスと水系消火剤との気液混合物を噴射させても良いし、消火ガスノズルの周側面部に水系消火剤ノズル取り付け孔を設けて、この水系消火剤ノズル取り付け孔に水系消火剤ノズルを接続するように形成し、消火ガスと水系消火剤とを合流させて、消火ガスノズルの開口部から消火ガスと水系消火剤との気液混合物を噴射させても良い。なお、気液混合部が設けられている場合、水系消火剤ノズル及び気液混合部がこの発明における機材となる。
前記直交配置、平行配置、及び鋭角配置のいずれの配置状態に消火ガスノズルの開口部と水系消火剤ノズルの開口部とを設置することにより、消火ガスの噴出流及び/又は噴出圧を利用して水系消火剤ノズルの開口から水系消火剤を噴出させることができるので、水系消火剤ノズルの開口から水系消火剤を噴出させるための配管及び加圧源が不要となるため、消火装置の製造コストを低く抑えることができる。換言すると、配管を簡略化すると共に加圧源を不要とした構造のノズル装置を目的とする場合には、液化消火ガス貯留槽内の液化消火ガスを水系消火剤貯留槽に供給する配管を省略すると共に、水系消火剤ノズルと消火ガスノズルとを近接配置してなるノズル装置が好適である。もっとも、この発明に係るノズル装置にあっては、水系消火剤を、消火ガスの噴出による減圧にて水系消火剤ノズルから噴出させることのほかに、適宜の加圧源により水系消火剤を水系消火剤ノズルから噴出するようにしても良い。
以上のように、消火ガスノズルの開口部と水系消火剤ノズルの開口部とを近接して配置する場合には、水系消火剤ノズルの開口より噴出された水系消火剤は、消火ガスノズルの開口より噴出された消火ガスに衝突して霧状になる。霧状の水系消火剤と消火ガスとが混合されて噴出されると、霧状ではない水系消火剤を噴射する場合と比べて、水系消火剤の表面積が増加することにより消火性能が高まり、消火に必要な水系消火剤の噴出量を少なくすることができるので、水損を最小限に抑えることができて有利である。また、水系消火剤貯留部の容量を小さくできるので、本発明に係る消火装置は省スペースに設置することができる。
一方、液化消火ガス貯留部に収容されていた液化消火ガスが消火ガス配管を通って消火ガスノズルの開口部より噴出されると、液化消火ガスの気化熱による吸熱と断熱膨張とにより、消火ガスノズルの開口部近傍が0℃より低い温度に冷却される。消火ガスノズルの開口部に近接設置されている水系消火剤ノズルの開口部から噴霧された水系消火剤が、この消火ガスの吸熱反応の影響により冷却されて、微細な氷の種結晶を生成する。この微細な氷は、液体の水系消火剤よりも温度が低く、被消火物を冷却する効果が高いので、被消火物を消火するのに有利である。従来は、この微細な氷の種結晶が、たちまち水系消火剤ノズルの開口部に付着して、水系消火剤ノズルの開口部を塞いでしまうことがあった。また、水系消火剤配管を流通する水系消火剤が水系消火剤ノズルの開口部から噴出する前に冷却されて固化することにより、水系消火剤ノズル及び水系消火剤配管の内周側面に氷の層が生成して、水系消火剤が流通する水系消火剤ノズル及び水系消火剤配管の内部空間を閉塞してしまうことがあった。しかし、本発明に係るノズル装置は、この消火ガスの噴出による冷却により、微細な氷の種結晶が付着するおそれのある領域、つまり、水系消火剤ノズルの少なくとも機材表面が撥水性樹脂により形成されて成るので、たとえ水系消火剤が氷結したとしても、この氷結した水系消火剤が水系消火剤ノズルの開口端部及び/又は水系消火剤ノズルの内周側面に付着するとしても、水系消火剤の噴出圧及び/又は消火ガスの噴出圧によって直ちに除去されてしまう。したがって、水系消火剤から生成した氷の種結晶が成長することにより、水系消火剤ノズルの開口径が狭められたり、水系消火剤ノズルの開口部及び/又は水系消火剤ノズルの内部が閉塞されることがない。
消火ガスは、消火作用のあるガスである限り特に限定されず、特に、本発明に係るノズル装置においては、消火ガスノズルから消火ガスが噴出する際に、気化熱による吸熱及び/又は断熱膨張が生じることにより、ノズル装置の一部が氷結されるおそれのあるガスが使用される。このような消火ガスとして、例えば、ヘプタフルオロプロパン(「HFC−227ea」として市販されている。)、ブロモトリフルオロメタン(「ハロン1301」として市販されている。)、ブロモクロロジフルオロメタン(「ハロン1211」として市販されている。)、トリフルオロメタン(「HFC−23」として市販されている。)などのハロゲン化物、二酸化炭素などを挙げることができる。ハロゲン化物は、燃焼の反応を抑えて消火する作用があるので好適に使用される。二酸化炭素は、酸素の濃度を下げるのと同時にガスの比熱による冷却効果により消火する作用があるので好適に使用される。
消火ガスの流量は、混合噴射される水系消火剤と消火ガスとの相乗効果により、被消火物を消火することのできる流量であれば良く、また、通常、0.5〜100m/分、特に1〜10m/分であるのが好ましい。このような流量範囲であると、機材の表面に付着形成される氷の種結晶及び付着した氷を消火ガスの噴出により効果的に除去することができる。
消火ガスの噴出圧は、消火ガスノズルの開口から噴射される消火ガスと、この消火ガスの噴出流及び/又は噴出圧とにより水系消火剤ノズルの開口から噴出する水系消火剤との混合物を、被消火物に到達可能な噴出圧を有していればよい。
水系消火剤は、消火作用のある、水を主成分とする液体である限り特に限定されず、例えば、炭酸カリウム、界面活性剤及び多糖類及びリン酸塩などが水に添加されて成る強化液、水道水、及び純水などを挙げることができる。
水系消火剤の流量は、混合噴射される消火ガスと水系消火剤との相乗効果により、被消火物を消火することができるように適宜調整されれば良い。水系消火剤の流量は、水系消火剤ノズルの開口部と消火ガスノズルの開口部とが設置される位置、水系消火剤ノズルの開口径等により調整できる。
この発明においては、液化消火ガスの急速気化により冷却されて氷結可能な機材表面が撥水性樹脂で形成される。なお、機材表面が撥水性樹脂で形成されていればよいので、機材の表面が撥水性樹脂でコーティングされた撥水性樹脂層、又は撥水性樹脂被膜で形成されていても、また機材自体が撥水性樹脂で形成されていても良い。撥水性樹脂で形成される機材表面の領域としては、消火ガスノズルの開口から噴出される消火ガスの、気化熱による吸熱及び断熱膨張により水系消火剤が氷結される可能性のある領域を挙げることができる。図1に示す例においては、水系消火剤ノズル8の開口端面、内周側面、及び外周側面が撥水性樹脂により被覆されて成る。撥水性樹脂により形成されるノズル装置の領域は、この実施例に特に限定されず、ノズル装置の構造により、適宜撥水性樹脂により形成される領域を選択すればよい。例えば、ノズル装置が、消火ガスノズルと水系消火剤ノズルとが接合され、消火ガスと水系消火剤とが混合される気液混合部を有している場合には、水系消火剤が流通する領域、つまり、水系消火剤ノズルと気液混合部の内周側面が、撥水性樹脂により被覆されるのが好ましい。また、水系消火剤ノズル及び気液混合部の内周側面を撥水性樹脂により被覆する方法だけでなく、水系消火剤ノズルと気液混合部とを、撥水性樹脂そのもので形成しても良い。
撥水性樹脂は、耐熱性を有し、静摩擦係数が小さく、撥水性の高い樹脂である限り特に限定されない。静摩擦係数は、0.01〜0.1の範囲内、より好ましくは0.01〜0.05の範囲内である樹脂が好ましい。撥水性については、撥水性の指標となる、水との接触角が90°以上の範囲内、より好ましくは110°以上の範囲内である樹脂が好ましい。このような樹脂として、フッ素樹脂を挙げることができる。
フッ素樹脂は、接触角が100〜115°であり、静摩擦係数が0.02〜0.06であり、耐熱性、耐食性、及び耐油性を有し、さらに金属より熱伝導率が低いので特に好ましい。例えば、熱伝導率(W/m・K)は、銅が390、鉄が84、ステンレス鋼が15〜18であるのに対し、フッ素樹脂は、0.1〜0.25である。
フッ素樹脂で水系消火剤ノズルの開口部の端面、内周側面、及び外周側面が被覆されて成る場合には、水系消火剤ノズルの開口部周辺が冷却された場合に、熱伝導率が金属より低いので、この冷却熱が水系消火剤配管まで伝わり難くなる。したがって、水系消火剤が水系消火剤ノズルの開口部に到達する前の配管内で凍るのを防ぐことができる。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフクオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオロライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)などを挙げることができる。この中でも特に、入手の容易性、また耐熱性や低摩擦性という点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。
前記ノズル装置を備えて成る消火装置は、消火のために使用する大量の水による損害、つまり、水損を最小限に抑えたい場所、消火のために使用する大量の消火ガスに対する安全性の確保が要請される場所、また消火の為に使用する水や消火ガスの貯蔵設備スペースを小さくしたい場所、及び油火災が生じる可能性のある場所において、好適に使用される。このような場所としては、例えば、電子機器、及び半導体などを製造する室内、油火災が起こりえる場所、例えば、家庭の台所、有機溶剤を製造または使用する工場などが挙げられる。
次に、この発明に係るノズル装置を更に具体的に説明する、
本発明に係るノズル装置の一実施例を示す概略断面図を図2に示す。このノズル装置21は、気液混合部22と炭酸ガスノズル23と水系消火剤ノズル24とを有する。気液混合部22は、両端を開口する筒状体に形成されて成る。気液混合部22の一端開口部は、内部から外部へと開口面積が広がるように内周面がテーパ状25に形成された噴出開口部26を、有する。他端開口部は、内周面に雌ネジ27が形成され、かつ円筒状に形成された炭酸ガスノズル用開口部28を有する。気液混合部22の内部は、円筒状の混合部29が形成され、混合部29の中心軸線と噴出開口部26の中心軸線とが一致するように形成されている。なお、炭酸ガスノズルは本発明における消火ガスノズルに相当する。
気液混合部22の炭酸ガスノズル用開口部28には炭酸ガスノズル23が取り付けられており、炭酸ガスノズル用開口部28の内周面に形成された雌ネジ27と炭酸ガスノズル23の外周面に形成された雄ネジ30とを螺合することによって、炭酸ガスノズル23と気液混合部22とが一体に形成されている。
炭酸ガスノズル23の内周面は、直径の小さな細径部31と直径の大きな太径部32とにより円筒状に形成されている。前記細径部31と前記太径部32とは中心軸線を共有するように、形成される。細径部31の内部空間を備えた一端面には、炭酸ガス噴出口33が開設されている。他端部には太径部32の内部空間を備えた開口部34が形成されており、この太径部32の開口部34には炭酸ガス配管(図示せず。)が結合されており、その炭酸ガス配管が炭酸ガス貯留部(図示せず。)に結合されている。この炭酸ガス貯留部は、本発明における消火ガス貯留部に相当する。
気液混合部22は、その内部空間を形成する円筒形内周面の適宜の場所に、円筒状に形成された水系消火剤ノズル用開口部35を有する。その水系消火剤ノズル用開口部35の内周面には雌ネジ36が形成されている。
水系消火剤ノズル24は、基体37と高さ調節部38と水導入管39とを備える。基体37は、気液混合部22に形成された水系消火剤ノズル用開口部35に取り付け可能な直径を有する取り付け端部40を備え、その取り付け端部40の外周面には、雄ネジ41が形成されていて、この雄ネジ41と気液混合部22の水系消火剤ノズル用開口部35の内周面に形成された雌ネジ36とが螺合することによって、基体37と気液混合部22とは一体に結合されている。基体37には軸線に沿って貫通孔42が形成されていて、貫通孔42の、取り付け端部40とは反対側の他端開口部には高さ調節部38が螺合されている。円筒形の高さ調節部38の一端外周面に形成された雄ネジ43と基体37の他端開口部に形成された雌ネジ44とが螺合することによって、高さ調節部38と基体37とが一体に結合されている。高さ調節部38には一端から他端へと貫通する貫通孔45が形成され、この貫通孔45には水導入管39が固定的に取り付けられている。高さ調節部38の雄ネジ43と基体37の雌ネジ44とで螺合されているネジを、締めたり緩めたりすることによって、水導入管39の混合部29内に突出する高さを調節することができる。この水導入管39の混合部29内に突出する高さを調節することにより、炭酸ガスに対する水の混合割合を調節することができる。水導入管39の他端は水系消火剤配管(図示せず。)に結合されており、その水系消火剤配管が水系消火剤貯留部(図示せず。)に結合されている。
気液混合部及び水導入管は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により形成することができる。水系消火剤ノズルの基体及び高さ調節部、炭酸ガスノズルは、C3604(真鍮)により形成することができる。
ノズル装置21は消火の必要な場所、例えば、電子機器などが製造される部屋の天井部に設置される。消火の必要が生じた場合には、適宜の電気的手段又は機械的手段によって、炭酸ガス貯留部の開閉弁を開放することにより、液化炭酸ガスが炭酸ガス貯留部から炭酸ガス配管を通って、炭酸ガスノズル23へと送り込まれる。炭酸ガスノズル23における太径部32へ所定の圧力で液化炭酸ガスが送り込まれると、太径部32から細径部31へと流通した液化炭酸ガスは、細径部31でさらに圧力が高められ、その結果、炭酸ガス噴出口33から混合部29内に高圧で炭酸ガスが噴出する。この炭酸ガスの噴出流及び/又は噴出圧により、水導入管39の内部が負圧にされることにより、水が水系消火剤貯留部から水系消火剤配管を通って水導入開口部46から噴出し、混合部29において炭酸ガスと衝突した水は霧状になって噴出開口部26から噴出する。この霧状の水と炭酸ガスとは、混合部29で混合された状態となって噴出開口部26からテーパの形状にしたがって略円錐状に広がって噴出する。この実施例におけるノズル装置21は、気液混合部22を有するので、消火ガスと水系消火剤との混合物に方向性を持たせて被消火物に対して放射することができ、また消火ガスと水系消火剤との混合物が広範囲に拡散して放射されることがなく、被消火物に的を絞って直進的に噴射することができる。
ところで、炭酸ガスが炭酸ガス噴出口から噴出されると、炭酸ガスの気化熱による吸熱及び断熱膨張とにより、水導入開口部周辺の温度が、0℃以下に冷却される。それによって、水導入開口部46の端部47、内周側面部48、及び外周側面部49、気液混合部22の内周側面部50及び噴出開口部26に氷の種結晶ができて付着する。しかし、この発明においては、水が氷結して微細な氷の種結晶が付着するおそれのある領域、すなわち、水導入管39及び気液混合部22がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により形成されており、かつ、炭酸ガス噴出口33から炭酸ガスが高速で噴出するので、その噴出圧によって吹き飛ばされて氷の種結晶が氷となって成長することがない。したがって、水導入開口部46の内周側面部48及び水導入管39の内周側面部51に氷が成長して水導入開口部46が閉塞されることがない。また、気液混合部22の内周側面部50及び噴出開口部26にも氷が成長して噴出開口部46が閉塞されることがない。その結果、炭酸ガスと水との混合物を所定時間噴出することができるので、水が流通する水導入開口部46及び噴出開口部26とが閉塞されることがなく、確実に消火活動を行うことができる。
図1は、本発明の一例である消火装置の説明図である。 図2は、本発明の一例であるノズル装置の概略断面図である。
符号の説明
1 消火装置
2 液化消火ガス貯留部
3 消火ガス配管
4 消火ガスノズル
5 開閉弁
6 水系消火剤貯留部
7 水系消火剤配管
8 水系消火剤ノズル
9、10、34 開口部
21 ノズル装置
22 気液混合部
23 炭酸ガスノズル
24 水系消火剤ノズル
25 テーパ状
26 噴出開口部
27、36、44 雌ネジ
28炭酸ガスノズル用開口部
29 混合部
30、41、43 雄ネジ
31 細径部
32 太径部
33 炭酸ガス噴出口
35 水系消火剤ノズル用開口部
37 基体
38 高さ調節部
39 水導入管
40 取り付け端部
42、45 貫通孔
46 水導入開口部
47 端部
48 内周側面部
49 外周側面部
50、51 内周側面部

Claims (4)

  1. 液化消火ガスが消火ガスノズルから噴出することにより生じる消火ガスと前記消火ガスノズルに近接配置された水系消火剤ノズルから噴出する水系消火剤との混合物を噴出するノズル装置であって、
    液化消火ガスの噴出による冷却によって氷結可能な領域における、少なくとも機材表面が撥水性樹脂で形成されて成ることを特徴とするノズル装置。
  2. 前記撥水性樹脂は、フッ素樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のノズル装置。
  3. 前記請求項1又は2に記載のノズル装置と、液化消火ガスを収容する液化消火ガス貯留部と、水系消火剤を収容する水系消火剤貯留部と、前記液化消火ガス貯留部と前記ノズル装置における消火ガスノズルとに接続されて成る消火ガス配管と、前記水系消火剤貯留部と前記水系消火剤ノズルとに接続されて成る水系消火剤配管とを有することを特徴とする消火装置。
  4. 前記消火ガス配管は、水系消火剤貯留部に結合されていない前記請求項3に記載の消火装置。
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