以下に添付図面を参照して、この発明にかかる充電システム、充電装置、および携帯機器の最良な実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、本発明の携帯機器を電子時計に適用した例をあげて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる充電システムの全体を示す斜視図である。図2は、第1の実施形態にかかる充電システムの全体を示す上面図である。図1、2に示すように、第1の実施形態の充電システムは、電源900に接続され、電子時計200に充電を行う充電装置100と、振動可能な電子時計200とから構成されている。また、電子時計200を充電する場合は、図1に示すように、充電装置100上の充電装置100からの充電を受けることが可能な位置として充電装置100上のほぼ中央にある充電位置に電子時計200を載置している。ただし、これに限定されるものではなく、充電装置100上のいずれの位置を充電位置として構成してもよい。第1の実施形態の充電システムは、充電装置100が電子時計200を充電するとともに、電子時計200の振動の種類である振動パターンを、充電装置100側の切替スイッチ104で切替えることができるものである。
図3は、第1の実施形態にかかる充電システムの構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の充電システムは、1次側となる充電装置100と、当該充電装置100により充電される2次側となる電子時計200と、を備えている。
本実施形態の充電システムでは、充電装置100と電子時計200との近接により、充電装置100の1次アンテナ101と電子時計200の2次アンテナ201との間で電磁誘導、電磁結合又は電磁波による作用が生じ、これら電磁的な作用により充電装置100から電子時計200への送電と、両機器間での情報の伝送(通信)が非接触で行われるようになっている。
まず、充電装置100の詳細について説明する。充電装置100は、切替スイッチ104と、パターン記憶部150と、制御部110と、変調回路103と、1次アンテナ101と、受信回路102と、により主に構成されており、電源900に接続されることで電力が供給される。
切替スイッチ104は、利用者により押下されることで、電子時計200の振動パターンの切替えを受け付ける。具体的には、切替スイッチ104は、利用者により押下される度に、予め定められた順序に従って、複数ある振動パターンの切替えを受け付ける。
パターン記憶部150は、複数種類の電子時計200の振動パターン、すなわち、後述する電子時計200に設けられた振動モータ205の振動パターンを記憶するメモリなどの記憶媒体である。ここで、振動パターンは、パターン記憶部150内の記憶領域に格納されており、各振動パターンは、各記憶領域の位置を示すアドレスで識別される。
図4は、パターン記憶部に記憶された振動パターンと振動パターンが記憶されている記憶領域のアドレスとを示す説明図である。図4に示すように、パターン記憶部150には、アドレスAの記憶領域に振動パターン1が、アドレスBの記憶領域に振動パターン2が、アドレスCの記憶領域に振動パターン3が記憶されている。ここでは、説明を容易にするために、図4に示すような振動パターンを示しているが、実際には、振動パルスのパルス幅を固定として、パルス間隔(時間)とパルスの振幅値としての駆動電圧の大きさ等の値が記憶されている。本実施形態では、パターン記憶部150に記憶された振動パターンは3種類であるが、これに限定されることなく、2種類または4種類以上の振動パターンを記憶してもよい。
制御部110は、充電装置100の動作を統括的に制御するマイコンやCPU等の制御手段であって、さらに、パターン読込部111と、発振部112とから構成されている。
パターン読込部111は、切替スイッチ104から利用者により振動パターンの切替えを受け付けた場合、パターン記憶部150を参照して、現在の押下回数(何回目の押下か)と、予め定められたアドレス参照順序に従い、次の順序のアドレスの記憶領域から振動パターンを読み込む。具体的には、例えば、図4のような3種類の振動パターンがパターン記憶部150に記憶されている場合に、パターン読込部111が参照するアドレスの順序を、アドレスA、アドレスB、アドレスC、アドレスA、アドレスB…と繰り返すように定めておく。そして、パターン読込部111は、振動パターンの切替えを受け付けると、2回目の切替えであればアドレスBを参照し、3回目の切替えであればアドレスCを参照する等、上記のように定めた順序に従って、参照するアドレスを決定し、決定したアドレスに対応する振動パターンを読み込む。ここで、「予め定められたアドレス参照順序」と「現在の押下回数」は、図示しないメモリ等の記憶媒体に保持されており、利用者からの切替えを受け付けた場合に、当該メモリを参照して、振動パターンの読み込みを行う。
発振部112は、100KHz等の高周波電流を発生し、この高周波電流を変調回路103に出力する。
また、制御部110は、パターン読込部111が振動パターンを読み込むと、この振動パターン(デジタルデータ)を変調回路103に出力する。また、制御部110は、受信回路102から入力される電気信号から、当該電気信号に重畳された各種のデータを重畳方式に適した復調方式で復元する。また、制御部110は、電気信号に重畳された充電満了信号を復元すると、この充電満了信号をトリガとして、発振部112を停止させ、省電力モードへと移行する。
変調回路103は、発振部112から入力される高周波電流を変調し、制御部110から入力される振動パターン等の各種デジタルデータを、1次アンテナ101が発生する交流電磁界(充電電力)に重畳させることで、振動パターン等の各種デジタルデータを電子時計200に送信する。
ここで、デジタルデータの交流電磁界への重畳方法は、公知の技術を用いることが可能である。例えば、FSK(Frequency Shift Keying)やPSK(Phase Shift Keying)を用い、デジタルデータの“1”及び“0”のデータに応じて交流電磁界の周波数若しくは位相を変化させることでデジタルデータを重畳させる態様としてもよい。また、ASK(Amplitude Shift Keying)やOOK(On-Off-Keying)を用い、デジタルデータの“1”及び“0”を、交流電磁界の波形の変化で表すことでデジタルデータを重畳させる態様としてもよい。さらには、これらの組み合わせやBPSK(Binary Phase Shift Keying)やQBPSK(Quadrature Binary Phase Shift Keying)等、他の方法を用いた態様としてもよい。
1次アンテナ101は、フェライトコアに巻き線を施したコイル等により構成され、変調回路103で変調された高周波電流の通電により交流電磁界を発生することで、電子時計200の2次アンテナ201に交流電磁界(誘導起電力)を誘起する。また、1次アンテナ101は、2次アンテナ201に発生する交流電磁界を検出し、当該交流電磁界に応じた誘導起電力を発生する。
受信回路102は、1次アンテナ101に発生した交流の誘導起電力を、電気信号として制御部110に出力する。
次に、電子時計200の詳細について説明する。電子時計200は、2次アンテナ201と、受信回路202と、変調回路203と、表示部204と、パターン記憶部250と、制御部210と、振動モータ205と、蓄電回路230とにより主に構成されている。
2次アンテナ201は、1次アンテナ101と同様に、フェライトコアに巻き線を施したコイル等により構成され、1次アンテナ101に発生した交流電磁界を検出し、当該交流電磁界に応じた誘導起電力を発生する。また、2次アンテナ201は、変調回路203により変調された交流電磁界を発生することで、充電装置100の1次アンテナ101に交流電磁界を誘起する。
受信回路202は、2次アンテナ201に発生した交流の誘導起電力を直流の電力(充電電力)や電気信号に変換し、制御部210に出力する。
変調回路203は、2次アンテナ201の交流電流磁界を変調することで、制御部210から入力された充電満了信号等のデジタルデータを当該交流電流磁界に重畳させ、1次アンテナ101に送信する。
表示部204は、時刻を示す数字をデジタル表示するものである。具体的には、表示部204は液晶表示部として構成される。なお、本実施形態では、本発明の携帯機器として電子時計を例にあげて説明しているが、携帯機器がアナログ時計の場合には、表示部204は、時刻を示す長針、短針、および秒針等を表示するように構成すればよい。
パターン記憶部250は、充電装置100から受信した振動パターンを記憶するメモリ等の記憶媒体である。
制御部210は、電子時計200の動作を統括的に制御する制御手段であって、さらに、蓄電制御部211と、パターン書込部212と、振動制御部213と、タイマ214と、計時部215とを備えている。
また、制御部210は、受信回路202から入力される電気信号から、当該電気信号に重畳された振動パターン等のデジタルデータを重畳方式に適した復調方式で復元する。
蓄電制御部211は、受信回路202により変換された充電電力を蓄電回路230の蓄電素子231に供給することで、蓄電回路230を充電する。また、蓄電制御部211は、後述する充電状態検出回路233から充電満了信号が入力されると、この充電満了信号を変調回路203に出力する。
パターン書込部212は、充電装置100から受信して復元した振動パターンを、パターン記憶部250に上書きして書き込む。この書き込みによって、パターン記憶部250に上書きされた振動パターンが現在設定されている振動パターンとなる。
タイマ214は、不図示の操作部から利用者により設定された電子時計200を振動させる振動時刻を計測する。
振動制御部213は、タイマ214の計測によって振動時刻になった場合、パターン記憶部250に記憶された振動パターンに基づいて、振動モータを駆動するものである。すなわち、パターン記憶部250に記憶された振動パターンのパルス間隔や駆動電圧の値に対応したパルスを発生させることで振動モータを駆動する。
計時部215は、RTC(Real Time Clock)等によって時刻を計時し、表示部204に対する時刻のデジタル表示の制御を行う。なお、本実施形態では、本発明の携帯機器として電子時計を例にあげて説明しているが、携帯機器がアナログ時計の場合には、計時部215は、図示しない運針モータを駆動することで、表示部204に表示された長針、短針、および秒針等を移動させるように構成すればよい。
振動モータ205は、振動制御部213の指示に従って振動するものであり、この振動によって電子時計200自体を振動させて、設定された振動時刻を利用者に気付かせるものである。
蓄電回路230は、さらに蓄電素子231と、スイッチ回路232と、充電状態検出回路233と、を備え、蓄電制御部211から供給される電力は蓄電素子231に蓄電させるようになっている。
蓄電素子231は、コンデンサや2次電池等の蓄電器や蓄電池であって、蓄電制御部211から供給される電力を蓄電するとともに、制御部210や振動モータ205に電力を供給する。
スイッチ回路232は、充電状態検出回路233の制御により、蓄電素子231と蓄電回路230との電気的な接続をオン状態(導通状態)とオフ状態(不導通状態)とに切替える。なお、デフォルトの状態はオン状態であるものとする。
充電状態検出回路233は、蓄電素子231の蓄電量を検出し、当該蓄電量が所定量を上回ったと判定した場合に、スイッチ回路232をオフ状態にして蓄電素子231を蓄電回路230から切り離すとともに、充電満了信号を制御部210に出力する。ここで、所定量とは、例えば、85%の蓄電量や95%の蓄電量等、任意の値を設定できるものとする。
次に、このように構成された第1の実施形態にかかる充電システムによる振動パターン切替処理について、図5、6を参照して説明する。図5は、第1の実施形態における充電装置側の振動パターン切替処理の流れを示すフローチャートである。図6は、第1の実施形態における電子時計側の振動パターン切替処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図5により充電装置100側の処理を説明する。制御部110は、利用者により切替スイッチ104が押下されたか否かの判断をする(ステップS10)。切替スイッチ104が押下されていない場合(ステップS10:No)、ステップS10の処理を繰り返す。一方、切替スイッチ104が押下された場合(ステップS10:Yes)、パターン読込部111は、切替スイッチ104の押下の回数により、パターン記憶部150内の参照するアドレスを決定する(ステップS11)。
そして、パターン読込部111は、パターン記憶部150を参照して、決定したアドレスの記憶領域から振動パターンを読み込む(ステップS12)。そして、制御部110が、読み込んだ振動パターンを変調回路103に出力し、変調回路103が、振動パターンを1次アンテナ101が発生する交流電磁界に重畳させることで、振動パターンを電子時計200に送信する(ステップS13)。
次に、図6により電子時計200側の処理を説明する。受信回路202が、2次アンテナ201に発生した交流の誘導起電力を電気信号に変換して制御部210に出力し、制御部210が、当該電気信号に重畳された振動パターンを重畳方式に適した復調方式で復元することで、充電装置100から振動パターンを受信する(ステップS20)。
次に、パターン書込部212は、パターン記憶部250に、受信した振動パターンを上書きして書き込む(ステップS21)。振動制御部213は、タイマ214の計測により振動時刻になったか否かの判断をする(ステップS22)。振動時刻になっていない場合(ステップS22:No)、振動時刻になるまで待機する。一方、振動時刻になった場合、振動制御部213は、パターン記憶部250に記憶された振動パターンに基づいて、振動モータを駆動する(ステップS23)。これによって、電子時計200が振動して、振動時刻を利用者に気付かせる。
このように、第1の実施形態では、充電装置100において利用者により切替られた振動パターンを電子時計200に送信することで、予め定められた振動時刻になった場合、電子時計200は、受信した振動パターンによって振動する。従って、利用者にとって感知しやすい電子時計の振動パターンを設定でき、充電装置側に振動パターンを切替える機能を備えたことにより、利用者に鋭敏かつ適当な振動を伝えることができ、電子時計の大型化やデザインの自由度の低下等を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態の充電システムは、充電装置が電子時計を充電するとともに、電子時計の振動パターンを、充電装置側で切替えることができるものであった。本実施形態およびその変形例では、充電装置上の充電位置に電子時計が載置されている状態では、振動時刻になった場合でも振動しないようにする充電システムについて説明する。充電装置上の充電位置に電子時計が載置されている状態の一つの例として、第2の実施形態では、電子時計の充電中は、振動時刻になった場合でも振動しないようにする充電システムである。
本実施形態の充電システムは、第1の実施形態と同様、充電装置300から電子時計400への送電と、両機器間での情報の伝送(通信)が非接触で行われる。
ここで、本実施形態の充電システムに関する技術背景を述べる。上述したような非接触による充電方法は、充電装置側の1次アンテナと電子時計側の2次アンテナとの配置関係によって充電をする際の効率が異なり、本来は一番効率の良い場所に電子時計を置いて充電を開始するのが理想である。しかしながら、電子時計を充電している最中に利用者の設定した振動時刻になると電子時計が振動し、一番効率の良い充電場所から電子時計がずれてしまうことがあった。
このように電子時計がずれないような対策として、充電装置と電子時計の位置を固定して充電する方法が開示されている(特開2006−349499参照)。しかしながら、この方法では、電子時計が振動する際に充電装置も一緒に振動し、例えば、充電装置を机の上に置いていた場合、充電装置ごと机から落下する恐れがあり、充電ができないことはもちろん、最悪の事態として火災などの2次災害を起こしてしまう可能性があった。
ここで、充電装置本体の重量を増やすことで、電子時計の振動に対して充電装置が動かないようにする方法が考えられるが、この方法では、充電装置の製造コストが増加する上、充電装置の携帯性も低下してしまう。従って、本実施形態では、振動時刻になった場合でも、充電中には電子時計が振動しない充電システムについて説明する。
図7は、第2の実施形態にかかる充電システムの構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の充電システムは、充電装置300と、当該充電装置300により充電される電子時計400と、を備えている。
まず、電子時計400の詳細について説明する。電子時計400は、2次アンテナ201と、受信回路202と、変調回路203と、表示部204と、パターン記憶部250と、RAM(Random Access Memory)450と、制御部410と、振動モータ205と、蓄電回路230とにより主に構成されている。
ここで、2次アンテナ201と、受信回路202と、変調回路203と、表示部204と、パターン記憶部250と、振動モータ205と、蓄電回路230の構成および機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
RAM450は、予め定められた振動時刻の数分前から振動時刻までの蓄電素子231に蓄電された充電電力の電圧値、および蓄電回路230が充電中か否かを示す充電状態を記憶する揮発性の半導体メモリである。図8は、RAMに記憶された充電電力の電圧値の説明図である。図8に示すように、RAM450には、時間t1、t2、t3等と電圧値が示されている。時間t1、t2、t3を比較すると、時間の経過と共に電圧が上昇していることがわかる。この電圧の変化により後述する充電判定部417が充電中か否かの判定をする。
制御部410は、電子時計400の動作を統括的に制御する制御手段であって、さらに、蓄電制御部211と、パターン書込部212と、振動制御部413と、タイマ214と、計時部215と、充電状態監視部416と、充電判定部417と、準備部418とを備えている。
ここで、蓄電制御部211と、パターン書込部212と、タイマ214と、計時部215の機能および構成は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
充電状態監視部416は、準備部418の指令により、予め定められた振動時刻の数分前、例えば9分前から振動時刻までの間、蓄電回路230の蓄電素子231を所定の間隔で監視し、蓄電素子231の電圧値を取得してRAM450に書き込むものであり、例えばA/Dコンバータなどである。
充電判定部417は、RAM450に記憶された電圧値を参照して、電子時計400が現在充電中であるか否かを判定し、判定結果である充電状態をRAM450に書き込む。具体的には、例えば、充電判定部417は、所定間隔の時間におけるそれぞれの電圧値を比較した場合に、その電圧値が上昇傾向にある場合は充電中であると判定し、下降傾向にある場合は充電中ではないと判定する。例えば、図8のような電圧値の場合、時間t1、t2、t3を比較すると電圧値が上昇傾向にあるため、その間は充電中であることがわかる。そして、充電中か否かの充電状態をRAM450に書き込む。
準備部418は、タイマ214の計測によって、予め定められた振動時刻の数分前になった場合、充電状態監視部416に対して蓄電素子231の監視指令を送る。また、準備部418は、タイマ214の計測によって振動時刻になった場合に、RAM450を参照し電子時計400が充電中であった場合、電子時計400が充電中である旨の充電信号を、変調回路203を介して充電装置300に送信する。
振動制御部413は、準備部418が送信した充電信号の応答として、充電装置300から振動モータ205を駆動させない指示である振動抑制信号を、受信回路202を介して受信した場合、振動モータ205を駆動しない。つまり、振動モータ205を駆動しないことで、充電中には電子時計400が振動しないことになる。
次に、充電装置300の詳細について説明する。充電装置300は、切替スイッチ104と、パターン記憶部150と、制御部110と、変調回路103と、1次アンテナ101と、受信回路102と、振動制御回路305により主に構成されており、電源900に接続されることで電力が供給される。
ここで、切替スイッチ104と、パターン記憶部150と、制御部110と、変調回路103と、1次アンテナ101と、受信回路102の構成および機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
振動制御回路305は、電子時計400から充電信号を受信した場合、振動抑制信号を1次アンテナ101が発生する交流電磁界に重畳させることで、振動抑制信号を電子時計400に送信する。
次に、このように構成された第2の実施形態にかかる充電システムによる振動抑制処理について、図9−1、9−2を参照して説明する。図9−1は、第2の実施形態における電子時計側の振動抑制処理の流れを示すフローチャートである。図9−2は、第2の実施形態における充電装置側の振動抑制処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図9−1により電子時計400側の処理を説明する。予め定められた振動時刻の数分前になると、準備部418の指令により、充電状態監視部416は、蓄電素子231の電圧値を取得し(ステップS30)、取得した電圧値をRAM450に書き込む(ステップS31)。
次に、充電判定部417は、RAM450に記憶された電圧値を参照することで電子時計400が充電中であるか否かの判定を行い(ステップS32)、判定した充電状態をRAM450に書き込む(ステップS33)。そして、準備部418は、タイマ214の計測により振動時刻になったか否かの判断をする(ステップS34)。振動時刻になっていない場合(ステップS34:No)、ステップS30に戻って処理を繰り返す。
一方、振動時刻になった場合(ステップS34:Yes)、準備部418は、RAM450を参照し電子時計400が充電中であるか否かの判断をする(ステップS35)。充電中でない場合(ステップS35:No)、振動制御部413は、パターン記憶部250に記憶された振動パターンに基づいて、振動モータを駆動する(ステップS36)。
一方、充電中である場合(ステップS35:Yes)、準備部418は、充電信号を充電装置300に送信する(ステップS37)。そして、充電装置300から振動抑制信号を受信すると(ステップS38)、処理を終了する。つまり、振動抑制信号を受信した場合は、振動制御部413は、振動モータ205を駆動しないことで、充電中には電子時計400が振動しないようになる。
次に、図9−2により充電装置300側の処理を説明する。振動制御回路305は、電子時計400から充電信号を受信する(ステップS40)。そして、充電信号を受信すると、振動制御回路305は、振動抑制信号を1次アンテナ101が発生する交流電磁界に重畳させることで、振動抑制信号を電子時計400に送信する(ステップS41)。
このように、第2の実施形態では、電子時計400が充電中である場合には、充電装置から電子時計に振動抑制信号を送信することにより、振動時刻になっても電子時計を振動させない。従って、電子時計400の充電中に無駄な電力を消費することなく、かつ安全性が向上する。
(第2の実施形態の変形例)
第2の実施形態の充電システムは、電子時計の充電中では、振動時刻になっても電子時計が振動しないものである。そうすると、電子時計の充電が満了した後に、電子時計が充電装置上の充電位置に載置されたままの場合は、充電が満了しているので電子時計は充電中ではなく、振動時刻になると電子時計が振動してしまい、上述したように、充電装置ごと机から落下する恐れ等がある。そこで、充電装置上の充電位置に電子時計が載置されている状態の他の例として、第2の実施形態の変形例では、充電装置上の充電位置に電子時計が載置されている状態であって、充電中の状態が完了して充電が満了している場合は、振動時刻になっても電子時計が振動しない充電システムについて説明する。
本実施形態では、第2の実施形態における図7を参照して、第2の実施形態と異なる構成を説明する。まず、電子時計400のRAM450、充電判定部417、準備部418、振動制御部413について説明する。
RAM450は、予め定められた振動時刻の数分前から振動時刻までの蓄電素子231に蓄電された充電電力の電圧値、および蓄電回路230が充電満了の状態か否かを示す充電状態を記憶する揮発性の半導体メモリである。
充電判定部417は、第2の実施形態の機能に加え、RAM450に記憶された電圧値を参照して、電子時計400の充電が満了している状態か否かを判定し、判定結果である充電状態をRAM450に書き込む。具体的には、例えば、充電判定部417は、所定間隔の時間におけるそれぞれの電圧値を比較して、その電圧値が予め不図示のメモリ等に記憶しておいた満了充電の電圧値(Vmax)を一定時間保っている場合は充電満了の状態と判定する。そして、充電満了か否かの充電状態をRAM450に書き込む。
準備部418は、第2の実施形態の機能に加え、タイマ214の計測によって振動時刻になった場合に、RAM450を参照し電子時計400が充電満了の状態であった場合、電子時計400が充電満了である旨の充電満了信号を、変調回路203を介して充電装置300に送信する。
振動制御部413は、第2の実施形態の機能に加え、準備部418が送信した充電満了信号の応答として、充電装置300から振動モータ205を駆動させない指示である振動抑制信号を、受信回路202を介して受信した場合、振動モータ205を駆動しない。つまり、振動モータ205を駆動しないことで、充電が満了している場合にも電子時計400が振動しないことになる。
次に、充電装置300の振動制御回路305について説明する。
振動制御回路305は、第2の実施形態の機能に加え、電子時計400から充電満了信号を受信した場合、振動抑制信号を1次アンテナ101が発生する交流電磁界に重畳させることで、振動抑制信号を電子時計400に送信する。
次に、このように構成された第2の実施形態の変形例にかかる充電システムによる振動抑制処理について、図10−1、10−2を参照して説明する。図10−1は、第2の実施形態の変形例における電子時計側の振動抑制処理の流れを示すフローチャートである。図10−2は、第2の実施形態における充電装置側の振動抑制処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図10−1により電子時計400側の処理を説明する。ここで、電圧値の取得からRAM450への充電状態の書き込みまでの処理(ステップS130〜ステップS133)は、第2の実施形態の処理と同様であるため説明を省略する(ステップS30〜ステップS33)。
次に、準備部418は、タイマ214の計測により振動時刻になったか否かの判断をする(ステップS134)。振動時刻になっていない場合(ステップS134:No)、ステップS30に戻って処理を繰り返す。
一方、振動時刻になった場合(ステップS134:Yes)、準備部418は、RAM450を参照し電子時計400が充電満了の状態であるか否かの判断をする(ステップS135)。充電満了の状態でない場合(ステップS135:No)、振動制御部413は、パターン記憶部250に記憶された振動パターンに基づいて、振動モータを駆動する(ステップS136)。
一方、充電満了の状態である場合(ステップS135:Yes)、準備部418は、充電満了信号を充電装置300に送信する(ステップS137)。そして、充電装置300から振動抑制信号を受信すると(ステップS138)、処理を終了する。つまり、振動抑制信号を受信した場合は、振動制御部413は、振動モータ205を駆動しないことで、充電満了の状態では電子時計400が振動しないようになる。また、振動抑制信号を受信しなかった場合は、電子時計400は振動を行うようになる。
次に、図10−2により充電装置300側の処理を説明する。振動制御回路305は、電子時計400から充電満了信号を受信する(ステップS140)。そして、充電満了信号を受信すると、振動制御回路305は、振動抑制信号を1次アンテナ101が発生する交流電磁界に重畳させることで、振動抑制信号を電子時計400に送信する(ステップS141)。
このように、第2の実施形態の変形例では、電子時計400が充電満了の状態である場合には、充電装置300から電子時計400に振動抑制信号を送信することにより、振動時刻になっても電子時計400を振動させない。従って、電子時計400の充電が満了している状態において、無駄な電力を消費することなく、かつ安全性が向上する。また、第2の実施形態の変形例では、電子時計400の充電が満了している場合に、充電装置300からの振動抑制信号を送信することにより、充電装置300の充電位置に、電子時計400が載置されていることを確認することができる。従って、充電装置300の充電位置に電子時計400が載置されている場合は、電子時計400は振動しないことになる。一方、充電装置300の充電位置に電子時計400が載置されていない場合は、電子時計400は振動抑制信号を受信しないため、振動時刻になると振動することになる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態の充電システムは、充電装置が電子時計を充電するとともに、電子時計の振動パターンを充電装置側で切替えることができるものであった。また、第2の実施形態では、さらに、電子時計の充電中は、振動時刻になった場合でも振動しないようにするものであった。本実施形態では、さらに、充電装置側において電子時計の振動パターンが生成できる充電システムである。
ここで、本実施形態の充電システムに関する技術背景を述べる。電子時計を設定した振動時刻に振動させる場合、振動時刻になった瞬間、利用者に振動を感知させる必要がある。しかし、人間の触感は、その人のバイオリズムや疲れ等にも起因して変化するため、同じ振動であっても必ずしも振動した瞬間に利用者が感知できるわけではなかった。例えば、出張前にある程度の振動量で電子時計の振動を感知できた利用者が、出張で疲れが溜まると、同じ振動量では感知できなくなるということが考えられる。仮に目覚まし等に使用した場合でも、疲れが溜まっている時と、溜まっていない時では同じ振動で起きられるか否かの結果が変わる場合がある。
ここで、従来例(特開平8−320384号公報)にあるように、電子時計に外部スイッチを備え、振動制御回路から直接振動パターンを読み込み、利用者が所望する振動パターンに変更できる機能を備えた電子時計が知られている。しかしながら、このような振動制御回路を電子時計自身に備えることは、電子時計の大型化やデザインの自由度が低下するという問題があった。従って、本実施形態では、利用者が所望する振動パターンを充電装置側で生成できる充電システムについて説明する。
図11は、第3の実施形態にかかる充電システムの全体を示す斜視図である。図11に示すように、第3の実施形態の充電システムは、電源900に接続され、電子時計400に充電を行う充電装置500と、振動可能な電子時計400とから構成されている。この充電システムは、利用者による充電装置500に設けられた回転数ダイヤル506および間隔ダイヤル507の操作に基づいて振動パターンを生成する。また、本実施形態の充電システムは、第1の実施形態と同様、充電装置500から電子時計400への送電と、両機器間での情報の伝送(通信)が非接触で行われる。
図12は、第3の実施形態にかかる充電システムの構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施形態の充電システムは、充電装置500と、当該充電装置500により充電される電子時計400と、を備えている。ここで、電子時計400の構成および機能は、第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
次に、充電装置500の詳細について説明する。充電装置500は、切替スイッチ504と、回転数ダイヤル506と、間隔ダイヤル507と、パターン記憶部150と、制御部510と、変調回路103と、1次アンテナ101と、受信回路102と、振動制御回路305により主に構成されており、電源900に接続されることで電力が供給される。
ここで、パターン記憶部150と、変調回路103と、1次アンテナ101と、受信回路102と、振動制御回路305の構成および機能は、第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
切替スイッチ504は、利用者により押下されることで、電子時計400の振動パターンの切替えを受け付ける。具体的には、切替スイッチ504は、第1の実施形態と同様に、利用者により押下される度に、予め定められた順序に従って、複数ある振動パターンの切替えを受け付ける。また、利用者により所定時間継続して押下されることで、すなわち、いわゆる長押しされることで、振動パターンを生成するための回転数ダイヤル506および間隔ダイヤル507の操作入力の受け付けが可能となる。
回転数ダイヤル506は、利用者からの操作入力によりダイヤル値の変更を受け付けるものである。この回転数ダイヤル506により変更されるダイヤル値は、振動パターンの振幅値としての電子時計400に設けられた振動モータ205の駆動電圧、すなわち回転数を変更するための値である。ここでは、駆動電圧を調整して振動パターンを生成しているが、電流を調整して振動パターンを生成するよう構成してもよい。
間隔ダイヤル507は、利用者からの操作入力によりダイヤル値の変更を受け付けるものである。この間隔ダイヤル507により変更されるダイヤル値は、振動パターンのパルス間隔を長くしたり、短く設定するための値である。なお、ここで、本実施形態では、パルス幅が固定値として考えている。
制御部510は、充電装置500の動作を統括的に制御するマイコンやCPU等の制御手段であって、さらに、パターン読込部111と、発振部112と、パターン生成部513とにより構成されている。ここで、パターン読込部111と発振部112の構成および機能は、第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
パターン生成部513は、利用者からの回転数ダイヤル506および間隔ダイヤル507で変更された各ダイヤル値に基づいて、電子時計400の振動パターンを生成する。具体的には、回転数ダイヤル506により調整された駆動電圧の値を振幅値とし、間隔ダイヤル507により調整されたダイヤル値でパルス間隔を定めたパルスの振動パターンを生成する。そして、パターン生成部513は、生成した振動パターンをパターン記憶部150に書き込む。
また、制御部510は、パターン生成部513が振動パターンを生成すると、この振動パターン(デジタルデータ)を変調回路103に出力する。
次に、このように構成された第3の実施形態にかかる充電システムによる振動パターン生成処理について、図13を参照して説明する。図13は、第3の実施形態における充電装置側の振動パターン生成処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部510は、利用者により切替スイッチ504が押下されたか否かの判断をする(ステップS50)。切替スイッチ504が押下されていない場合(ステップS50:No)、ステップS50の処理を繰り返す。一方、切替スイッチ504が押下された場合(ステップS50:Yes)、制御部510は、利用者による切替スイッチ504の押下が所定時間継続されたか否かの判断をする(ステップS51)。
切替スイッチ504の押下が所定時間継続されなかった場合の(ステップS51:No)、パターン読込部111による参照するアドレスを決定から、制御部510による振動パターンの電子時計200への送信までの処理(ステップS52〜54)は、第1の実施形態の処理と同様であるため説明を省略する(図5:ステップS11〜13参照)。
一方、切替スイッチ504の押下が所定時間継続された場合(ステップS51:Yes)、利用者から回転数ダイヤル506および間隔ダイヤル507の操作入力を受け付け(ステップS55)、パターン生成部513は、回転数ダイヤル506および間隔ダイヤル507への操作入力に基づいて、電子時計400の振動パターンを生成する(ステップS56)。
次に、パターン生成部513は、生成した振動パターンをパターン記憶部150に書き込む(ステップS57)。そして、制御部510が、生成した振動パターンを変調回路103に出力し、変調回路103が、生成した振動パターンを1次アンテナ101が発生する交流電磁界に重畳させることで、生成した振動パターンを電子時計400に送信する(ステップS58)。
そして、パターン読込部111により読み込んだ振動パターンを電子時計400に送信した場合(ステップS54)、およびパターン生成部513により生成した振動パターンを電子時計400に送信した場合(ステップS58)に、送信された振動パターンで電子時計400を振動させる処理については、第1の実施形態の処理と同様であるため説明を省略する(図6参照)。
このように、第3の実施形態では、充電装置500において利用者から受け付けた操作入力に基づいて生成された振動パターンを電子時計400に送信することで、予め定められた振動時刻になった場合、電子時計200は、充電装置500で生成された振動パターンによって振動する。従って、利用者は、その時の体調などに合わせて振動パターンを生成することで、電子時計の振動を感知しやすくすることができる。更に、充電装置側に振動パターンを生成する構成を備えたことにより、電子時計の大型化やデザインの自由度の低下等を防ぐことができる。
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態では、充電装置側において振動パターンを生成して電子時計に送信することで、電子時計が当該生成された振動パターンにより振動するものであったが、生成した振動パターンを電子時計の記憶媒体に複数記憶しておき、電子時計側で振動パターンを切替えて振動する構成にしてもよい。
図12を参照して具体的に説明すると、充電装置500側において利用者による操作入力に基づく振動パターンを生成し、生成した振動パターンを電子時計400に送信する。そして、電子時計400では、既存の振動パターンに加え、充電装置において生成された振動パターンをパターン記憶部250に記憶しておく。
図14は、切替スイッチを備えた電子時計の外観を示す図である。図14に示すように、電子時計400には、切替スイッチ490が設けられている。この切替スイッチ490を押下する度に、予め定められた順序に従って、パターン記憶部250に記憶された複数の振動パターンの切替えを受け付ける。そして、振動時刻になった場合に、電子時計400側で切替えられた振動パターンによる振動を行う。
このように、充電装置側に振動パターンを生成する構成を備えたことにより、電子時計の大型化やデザインの自由度の低下等を防ぐことができる。さらに、充電装置を所持していない場合でも、予め振動パターンを生成して電子時計に記憶させておけば、生成した振動パターンに切替えることができる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態の充電システムは、充電装置が電子時計を充電するとともに、電子時計の振動パターンを充電装置側で切替えることができるものであった。また、第2の実施形態では、さらに、電子時計の充電中は、振動時刻になった場合でも振動しないようにするものであった。また、第3の実施形態の充電システムでは、さらに、充電装置側において電子時計の振動パターンが生成できる充電システムであった。そして、本実施形態では、さらに、現在設定されている振動パターンを電子時計に視覚的に表示するものである。
ここで、本実施形態の充電システムに関する技術背景を述べる。利用者にとって最も感知しやすい振動パターンとは人それぞれ異なっている。従って、電子時計の利用者は、状況などに応じて自分に最も適した振動パターンを生成するが、従来例(特開平8−320384号公報)では、人が肌で感じつつ、その感覚を頼りに振動パターンを生成していたため、振動パターンを生成することが困難な場合もあった。
また、圧力センサーによる肌との密着具合から振動パターンを自動的に生成する記載もあるが、この場合は、利用者によってそれが最適な振動パターンであるか否かは、利用者の状況や状態などによって異なるため、必ずしも最適な振動パターンとはいえなかった。従って、本実施形態では、現在の振動パターンがどのような振動パターンなのかを視覚的に把握することができることで、次の振動パターンの生成が行いやすくなる充電システムについて説明する。
図15は、第4の実施形態にかかる充電システムの構成を示すブロック図である。図15に示すように、本実施形態の充電システムは、充電装置700と、当該充電装置700により充電される電子時計800と、を備えている。また、本実施形態の充電システムは、第1の実施形態と同様、充電装置700から電子時計800への送電と、両機器間での情報の伝送(通信)が非接触で行われる。
まず、充電装置700の詳細について説明する。充電装置700は、切替スイッチ504と、回転数ダイヤル506と、間隔ダイヤル507と、パターン記憶部150と、画像記憶部750と、制御部710と、変調回路103と、1次アンテナ101と、受信回路102と、振動制御回路305により主に構成されており、電源900に接続されることで電力が供給される。
ここで、切替スイッチ504と、回転数ダイヤル506と、間隔ダイヤル507と、パターン記憶部150と、変調回路103と、1次アンテナ101と、受信回路102と、振動制御回路305の構成および機能は、第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
画像記憶部750は、パターン生成部513により生成された振動パターンと、該生成された振動パターンを視覚的に示す画像であるパターン画像とを対応付けて記憶するメモリ等の記憶媒体である。
制御部710は、充電装置700の動作を統括的に制御するマイコンやCPU等の制御手段であって、さらに、パターン読込部111と、発振部112と、パターン生成部513と、パターン画像生成部714とにより構成されている。ここで、パターン読込部111と、発振部112と、パターン生成部513の構成および機能は、第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
パターン画像生成部714は、パターン生成部513によって生成された振動パターンに基づいて、生成された振動パターンを視覚的に示す画像であるパターン画像を生成する。以下に、パターン画像の生成方法の詳細を説明する。
図16は、パターン画像の生成方法に関する説明図である。例えば、パターン生成部513によって振動パターンを生成する場合、駆動電圧の大きさを示す3段階の設定値(ダイヤル値)「0」「1」「2」と、振動パターンのパルス間隔を示す3段階の設定値(ダイヤル値)「0」「1」「2」とを用いて調整するよう設計する。そして、生成された振動パターンの駆動電圧をAとし、パルス間隔をTとすると、
駆動電圧の設定値×n=A (式1)
パルス間隔の設定値×n=T (式2)
という2式で表すことができる。ここで、式1、2のnとは、任意の長さ単位をあらわしており、例えば、図16で示す1マスの縦および横の長さに相当する。
仮に、利用者により駆動電圧の設定値を「2」、パルス間隔の設定値を「2」とする操作入力された場合に、上記式1、2にそれらの値を代入すると、
A=2n
T=2n
と表すことができ、図16に示すようなパターン画像が生成される。このようにして、パターン画像生成部714は、パターン画像を生成する。ここで、駆動電圧の設定値を「0」とすると、パルス間隔の設定値に関わらず、電子時計は振動しないことになる。
また、制御部710は、パターン生成部513が振動パターンを生成すると、この振動パターン(デジタルデータ)を変調回路103に出力し、パターン画像生成部714がパターン画像を生成すると、このパターン画像を変調回路103に出力する。
次に、電子時計800の詳細について説明する。電子時計800は、2次アンテナ201と、受信回路202と、表示部804と、パターン記憶部250と、RAM450と、画像記憶部850と、制御部810と、振動モータ205と、蓄電回路230と、により主に構成されている。
ここで、2次アンテナ201と、受信回路202と、パターン記憶部250と、RAM450と、振動モータ205と、蓄電回路230の構成および機能は、第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
表示部804は、時刻を示す数字をデジタル表示するものである。具体的には、表示部804は液晶表示部として構成される。なお、本実施形態では、本発明の携帯機器として電子時計を例にあげて説明しているが、携帯機器がアナログ時計の場合には、表示部804は、時刻を示す長針、短針、および秒針等を表示する。さらに、表示部804は、パターン表示部807を備えている。
パターン表示部807は、電子時計800が現在設定されている振動パターンに対応するパターン画像を表示するもので、LCD(Liquid Crystal Display)などである。図17は、電子時計に設けられたパターン表示部の説明図である。図17に示すように、パターン表示部807は、表示部804内に設けられている。
図18は、パターン表示部に表示されたパターン画像の一例を示す図である。図18に示すように、パターン画像は、表示A、表示B、表示Cのように表示される。表示Aのパターン画像は、表示Bのパターン画像と比較すると、駆動電圧が小さく、パルス間隔が長いことがわかる。このようなパターン画像を視覚的に確認することによって、次回これらのパターン画像を参考にして振動パターンを生成することができる。また、表示Cは、充電中におけるパターン画像を示しており、第2の実施形態で説明したように、充電中には電子時計は振動しない旨を表している。図19は、パターン表示部に表示されたパターン画像の他の一例を示す図である。図19に示すように、パルス間隔や駆動電圧を表示D、表示Eのように表示してもよい。
画像記憶部850は、パターン記憶部250に記憶されている既存の振動パターンと、その振動パターンを視覚的に示す画像であるパターン画像とを対応付けて記憶するメモリなどの記憶媒体である。また、画像記憶部850は、充電装置700において生成された振動パターンと、その生成された振動パターンに基づいて生成されたパターン画像とを対応付けて記憶する。
制御部810は、電子時計800の動作を統括的に制御する制御手段であって、さらに、蓄電制御部211と、パターン書込部812と、振動制御部413と、タイマ214と、計時部215と、充電状態監視部416と、充電判定部417と、準備部418と、表示制御部819とを備えている。また、制御部210は、2次アンテナ201に発生した交流電磁界(誘導起電力)に重畳された振動パターン等のデジタルデータを重畳方式に適した復調方式で復元する。
ここで、蓄電制御部211と、振動制御部413と、タイマ214と、計時部215と、充電状態監視部416と、充電判定部417と、準備部418の構成および機能は、第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
パターン書込部812は、充電装置700から受信して復元した振動パターンを、パターン記憶部250に上書きして書き込む。この書き込みによって、パターン記憶部250に上書きされた振動パターンが現在設定されている振動パターンとなる。また、パターン書込部812は、充電装置700から受信して復元したパターン画像を、振動パターンと対応付けて画像記憶部850に書き込む。
表示制御部819は、充電装置700から既存の振動パターンを受信した場合、画像記憶部850を参照して、受信した振動パターンに対応するパターン画像をパターン表示部807に表示する。また、表示制御部819は、充電装置700で生成された振動パターンを受信した場合、画像記憶部850を参照して、生成された振動パターンに対応するパターン画像をパターン表示部807に表示する。
次に、このように構成された第4の実施形態にかかる充電システムによる振動パターン生成処理について、図20、21、22を参照して説明する。図20は、第4の実施形態における充電装置側のパターン画像生成処理の流れを示すフローチャートである。図21および図22は、第4の実施形態における電子時計側のパターン画像生成処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図20により充電装置700側の処理を説明する。制御部710による切替スイッチ504の押下の判断から、パターン生成部513による振動パターンの生成までの処理(ステップS60〜66)は、第3の実施形態の処理と同様であるため説明を省略する(図13:ステップS50〜56)。
パターン画像生成部714は、パターン生成部513によって生成された振動パターンに基づいて、生成された振動パターンに対応するパターン画像を生成する(ステップS67)。次に、パターン生成部513は、生成した振動パターンをパターン記憶部150に書き込む(ステップS68)。また、パターン画像生成部714は、生成したパターン画像を画像記憶部750に書き込む(ステップS69)。
そして、制御部710が、生成した振動パターンと生成したパターン画像とを変調回路103に出力し、変調回路103が、振動パターンとパターン画像とを1次アンテナ101が発生する交流電磁界に重畳させることで、振動パターンとパターン画像を電子時計800に送信する(ステップS70)。
次に、図21により、既存の振動パターンを電子時計800に送信した場合(図20:ステップS64)の、電子時計800側の処理を説明する。受信回路202が、2次アンテナ201に発生した交流の誘導起電力を電気信号に変換して制御部810に出力し、制御部810が、当該電気信号に重畳された振動パターンを重畳方式に適した復調方式で復元することで、充電装置700から振動パターンを受信する(ステップS80)。
次に、パターン書込部812は、パターン記憶部250に、受信した振動パターンを上書きして書き込む(ステップS81)。表示制御部819は、画像記憶部850を参照して、受信した振動パターンに対応するパターン画像をパターン表示部807に表示する(ステップS82)。振動制御部413による振動時刻の判断から、振動制御部413による振動モータの駆動までの処理(ステップS83、84)は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する(図6:ステップS22、23)。
また、図22により、生成した振動パターンと生成したパターン画像を電子時計800に送信した場合(図20:ステップS70)の、電子時計800側の処理を説明する。受信回路202が、2次アンテナ201に発生した交流の誘導起電力を電気信号に変換して制御部810に出力し、制御部810が、当該電気信号に重畳された振動パターンとパターン画像とを重畳方式に適した復調方式で復元することで、充電装置700から振動パターンとパターン画像とを受信する(ステップS90)。
次に、パターン書込部812は、パターン記憶部250に、受信した振動パターンを上書きして書き込み(ステップS91)、画像記憶部850に、受信した振動パターンに対応付けて受信したパターン画像を書き込む(ステップS92)。
表示制御部819は、画像記憶部850を参照して、受信した振動パターン、すなわち充電装置700で生成された振動パターンに対応するパターン画像をパターン表示部807に表示する(ステップS93)。振動制御部413による振動時刻の判断から、振動制御部413による振動モータの駆動までの処理(ステップS94、95)は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する(図6:ステップS22、23)。
このように、第4の実施形態では、充電装置700において生成された振動パターンに対応するパターン画像を生成し、振動パターンとパターン画像とを電子時計800に送信する。そして、電子時計800では、受信したパターン画像を表示し、振動時刻には受信した振動パターンによって振動する。また、充電装置700から既存の振動パターンを電子時計800に送信した場合、電子時計800では、受信した振動パターンに対応するパターン画像を画像記憶部850から取得して表示する。つまり、電子時計800は、現在設定されている振動パターンに対応するパターン画像を表示する。従って、利用者は現在設定している電子時計の振動パターンを容易に把握できるとともに、次回このパターン画像を参考にして、その利用者が感知しやすい振動パターンを生成することができる。さらに、充電中であるパターン画像を把握できるため、電子時計が充電されていることに容易に気付くことができ、充電を行っていたつもりが実は行われていなかった等の充電に関する誤認を防ぐことができる。
第4の実施形態では、電子時計にパターン表示部を設けて、パターン画像を表示していたが、充電装置にパターン画像を表示してもよい。すなわち、充電装置の任意の場所にパターン表示部を設けて、パターン読込部により読み込んだ振動パターンを電子時計に送信した場合は、その振動パターンに対応するパターン画像を記憶部から取得して表示すればよい。また、パターン生成部により生成した振動パターンを電子時計に送信した場合は、パターン画像生成部により生成された、生成した振動パターンに対応するパターン画像を表示すればよい。
なお、以上説明した実施形態では、本発明の携帯機器として電子時計を例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、携帯機器としてアナログ時計、携帯音楽プレーヤ、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)等の携帯端末など、非接触方式により充電可能でかつ振動機能を有するものであればいずれにも適用することが可能である。また、充電装置は、本実施形態のような形体に限定されることなく、電子時計を載置して充電が可能なものであればよく、例えば、シート状、板状などの形体の充電装置を使用してもよい。