JP2009071134A - 鉄心の製造方法および鉄心の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時の作業性が向上される鉄心の製造方法および鉄心の製造装置、を提供する。
【解決手段】鉄心の製造方法は、複数枚の珪素鋼板31を積層することによってヨーク鉄心ブロック11Bを形成する工程と、複数枚の珪素鋼板31を積層することによってレグ鉄心ブロック13Bを形成する工程と(図4(A))、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bの相互で珪素鋼板31を珪素鋼板31間の隙間35に挿入することによって、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程と(図4(B)〜図4(D))を備える。ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程は、磁気誘導により、積層された珪素鋼板31間に反発力を生じさせ、珪素鋼板31間の隙間35を拡張する工程(図4(B)および図4(C))を含む。
【選択図】図4
【解決手段】鉄心の製造方法は、複数枚の珪素鋼板31を積層することによってヨーク鉄心ブロック11Bを形成する工程と、複数枚の珪素鋼板31を積層することによってレグ鉄心ブロック13Bを形成する工程と(図4(A))、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bの相互で珪素鋼板31を珪素鋼板31間の隙間35に挿入することによって、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程と(図4(B)〜図4(D))を備える。ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程は、磁気誘導により、積層された珪素鋼板31間に反発力を生じさせ、珪素鋼板31間の隙間35を拡張する工程(図4(B)および図4(C))を含む。
【選択図】図4
Description
この発明は、一般的には、鉄心の製造方法および鉄心の製造装置に関し、より特定的には、複数枚の磁性鋼板を積層して製造する鉄心の製造方法および鉄心の製造装置に関する。
従来の鉄心の製造方法に関して、たとえば、特開平10−223466号公報には、鉄心積層ブロックに確実に継鉄鉄心素片を挿入して、接合部分で互いに重なり合わせ、閉磁気回路を構成することを目的とした電磁誘導機器の鉄心の製造方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された鉄心の製造方法は、鉄心積層ブロックの接合間隔に拡間部材を挿入し、接合間隔を予め保持する第1工程と、継鉄鉄心素片を接合間隔に挿入する第2工程と、拡間部材を次の接合間隔に連通する切り欠き部に移動する第3工程とを含む。
特開平10−223466号公報
変圧器やリアクトルなどの電磁誘導機器に、複数枚の磁性鋼板を積層した鉄心が用いられている。この鉄心は、環状の形状を有するため、複数のブロックが互いに接合されて構成されている。
このような鉄心を製造する方法として、まず、一方のブロックを構成する磁性鋼板と他方のブロックを構成する磁性鋼板とを交互に積み重ねることにより、両者を接合する方法が考えられる。また、一方のブロックを先に作製し、その後、そのブロックの磁性鋼板間に他方のブロックを構成する磁性鋼板を差し込む方法が考えられる。しかしながら、いずれの方法であっても、1枚から数枚単位での作業となり、作業性の向上を十分に図ることができない。
また、上述の特許文献1では、鉄心積層ブロック内で拡間部材を移動させることにより、継鉄鉄心素片が挿入される接合間隔を拡げている。しかしながら、特許文献1では、継鉄鉄心素片を吸着し、1枚ずつ取り出すロボットと、拡間部材を上下方向、水平方向に移動させる移動機構とを必要としており、製造装置や装置の制御が複雑となる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、製造時の作業性が向上される鉄心の製造方法および鉄心の製造装置を提供することである。
この発明に従った鉄心の製造方法は、複数枚の磁性鋼板を積層することによって第1ブロックを形成する工程と、複数枚の磁性鋼板を積層することによって第2ブロックを形成する工程と、第1ブロックおよび第2ブロックの相互で磁性鋼板を磁性鋼板間の隙間に挿入することによって、第1ブロックと第2ブロックとを接合する工程とを備える。第1ブロックと第2ブロックとを接合する工程は、磁気誘導により、積層された磁性鋼板間に反発力を生じさせ、磁性鋼板間の隙間を拡張する工程を含む。
この発明に従えば、製造時の作業性が向上される鉄心の製造方法および鉄心の製造装置を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、変圧器の鉄心構造を示す図である。図1を参照して、変圧器10は、2つの鉄心15と、コイル21とを含む。鉄心15は、閉磁気回路を形成する環状の形状を有する。鉄心15は、略矩形の額縁形状を有する。コイル21は、2つの鉄心15に巻回されている。
鉄心15は、一対のヨーク(yoke)鉄心11,12と、一対のレグ(leg)鉄心13,14とを含む。ヨーク鉄心11とヨーク鉄心12とは、互いに間隔を隔てて平行に配置されている。レグ鉄心13とレグ鉄心14とは、互いに間隔を隔てて平行に配置されている。隣接するヨーク鉄心11,12とレグ鉄心13,14とが、互いに接合されている。ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14は、環状の形状を有する鉄心15の周回方向に帯状に延びる形状を有する。
2つの鉄心15は、各鉄心のレグ鉄心14同士が隣り合うように配置されている。その隣り合って配置されたレグ鉄心14にコイル21が巻回されている。図示されていないが、コイル21は、高圧巻線と低圧巻線とを含む。
鉄心15の大きさについて一例を挙げれば、レグ鉄心13,14の長さは、1000mm以上6000mm以下であり、幅は、200mm以上400mm以下である。ヨーク鉄心11,12の長さは、700mm以上1500mm以下であり、幅は、200mm以上400mm以下である。レグ鉄心13,14およびヨーク鉄心11,12の高さは、1000mm以上2000mm以下である。
なお、変圧器は、図1中に示すタイプに限られず、たとえば、鉄心が有する一対のレグ鉄心にそれぞれ高圧巻線と低圧巻線とが巻回されるタイプであってもよい。また、2を超える複数の鉄心が配列され、隣り合う鉄心のレグ鉄心にそれぞれコイルが巻回されるタイプであってもよい。一般的に、レグ鉄心は、コイルが巻回される鉄心部分であり、ヨーク鉄心は、レグ鉄心間を連結する鉄心部分である。レグ鉄心は、相対的に大きい長さを有し、ヨーク鉄心は、相対的に小さい長さを有する。
図2は、図1中の鉄心を示す図である。図中では、鉄心を平面的に見てその半分が示されている。以下、図に示される部分についてのみ説明するが、残る半分も同様の形状を有する。
図2を参照して、レグ鉄心13,14およびヨーク鉄心11は、それぞれ、複数枚の珪素鋼板31を含む。珪素鋼板31は、その表面が水平方向に延在するように積層されている。珪素鋼板31は、鉛直方向に積層されている。珪素鋼板31は、たとえば0.2mm以上0.5mm以下の厚みを有する。珪素鋼板31は、薄板であり、自重によってその表面が撓む程度に柔軟性を有する。珪素鋼板31は、強磁性体である。
図3は、図2中の2点鎖線IIIで囲まれた位置を拡大して示す図である。図3(A)は斜視図であり、図3(B)は、図3(A)中の矢印Bに示す方向から見た側面図である。
図3を参照して、ヨーク鉄心11とレグ鉄心13とは、各鉄心を構成する珪素鋼板31同士が噛み合うことにより、互いに接合されている。
その構造について詳細に説明すると、各鉄心を構成する複数枚の珪素鋼板31は、第1磁性鋼板としての珪素鋼板31pと、第2磁性鋼板としての珪素鋼板31qとを含む。珪素鋼板31pと珪素鋼板31qとは、1枚ずつ交互に積層されている。ヨーク鉄心11とレグ鉄心13との接合位置において、珪素鋼板31qの端部は、珪素鋼板31pの先端よりも突出する。積層方向に隣り合う珪素鋼板31qの間には隙間が形成されている。ヨーク鉄心11およびレグ鉄心13の相互において、珪素鋼板31qが、珪素鋼板31q間に形成された隙間に挿入されている。
なお、図中に示す形態に限られず、複数枚の珪素鋼板31pと複数枚の珪素鋼板31qとが交互に積層されてもよい。
図4は、この発明の実施の形態における鉄心の製造方法の工程を示す側面図である。図中では、代表的に、図3中のヨーク鉄心11とレグ鉄心13とを接合する工程が示されている。図4を参照して、まず、本実施の形態における鉄心の製造方法の基本的な考え方について説明する。
積層した鋼板等に強力な磁石を近づけると、各板に同極の磁極が誘起し、板相互に反発力が生じる。本実施の形態における鉄心の製造方法は、この原理を利用する。
すなわち、この発明の実施の形態における鉄心の製造方法は、複数枚の磁性鋼板としての珪素鋼板31を積層することによって第1ブロックとしてのヨーク鉄心ブロック11Bを形成する工程と、複数枚の珪素鋼板31を積層することによって第2ブロックとしてのレグ鉄心ブロック13Bを形成する工程と(図4(A))、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bの相互で珪素鋼板31を珪素鋼板31間の隙間35に挿入することによって、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程と(図4(B)〜図4(D))を備える。ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程は、磁気誘導により、積層された珪素鋼板31間に反発力を生じさせ、珪素鋼板31間の隙間35を拡張する工程(図4(B)および図4(C))を含む。
隙間35を拡張する工程は、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bに隣り合って配置された電磁石61に通電することによって、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bに磁気誘導を起こす工程(図4(B)および図4(C))を含む。
ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程は、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bを相対的に移動させることにより、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bの相互で珪素鋼板31qの端部を隙間35に挿入する工程(図4(C))を含む。
ヨーク鉄心ブロック11Bを形成する工程と、レグ鉄心ブロック13Bを形成する工程と、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとを接合する工程とを複数回、繰り返すことにより、互いに接合されたヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bの組を複数作製する。鉄心の製造方法は、さらに、複数の、互いに接合されたヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bの組を積層する工程を備える。
続いて、図1中の鉄心15の製造装置について説明を行なう。図5は、図1中の鉄心の製造時に用いられる製造装置を示す平面図である。図6は、図5中の矢印VIに示す方向から見た製造装置の側面図である。図7は、図6中のVII−VII線上に沿った製造装置の側面図である。図8は、図5中のVIII−VIII線上に沿った製造装置の断面図である。なお、図中には、鉄心を平面的に見てその半分のみが示されている。以下、説明を簡単にするため図に示される部分についてのみ説明するが、残る半分についても同様である。
図5から図8を参照して、鉄心の製造装置51は、装置ユニット52〜55を含む。製造装置51には、レグ鉄心ブロック13Bがセッティングされる。装置ユニット53および54には、ヨーク鉄心ブロック11Bがセッティングされる。装置ユニット55には、レグ鉄心ブロック14Bがセッティングされる。装置ユニット52〜55は、同一の構造を有する。
代表的に装置ユニット53の構造について説明すると、装置ユニット53は、支持部材71を含む。支持部材71は、ヨーク鉄心ブロック11Bを構成する複数枚の珪素鋼板31を支持するとともに、その積層方向に挟持する。
支持部材71は、支持柱62と、底板63と、鉄心押さえ65とを含む。底板63は、製造装置51が設置される設置面上に配置されている。底板63には、ヨーク鉄心ブロック11Bが載置される。底板63には、図示しないボルト等により、支持柱62が固定されている。支持柱62は、底板63から鉛直上方向に延び、ヨーク鉄心ブロック11Bの上方で水平方向に延びるL字形状を有する。鉄心押さえ65は、支持柱62に取り付けられている。鉄心押さえ65は、珪素鋼板31を底板63に向けて押圧する。このような構成により、ヨーク鉄心ブロック11Bを構成する複数枚の珪素鋼板31が、鉄心押さえ65と底板63との間で挟持される。
なお、複数枚の珪素鋼板31を挟持する構造は、図中に示すものに限られず、たとえば油圧を用いた構造であってもよい。
装置ユニット53は、電磁石61を含む。電磁石61は、支持部材71に固定されている。電磁石61は、ヨーク鉄心ブロック11Bと隣り合って配置されている。電磁石61への通電時、磁気誘導によって、ヨーク鉄心ブロック11Bを構成する珪素鋼板31間に反発力を生じさせ、珪素鋼板31間の隙間35を拡張させる。
電磁石61は、底板63上に配置されている。電磁石61は、底板63から鉛直上方向に延びる形状を有する。電磁石61は、ヨーク鉄心ブロック11Bと接触して設けられている。電磁石61とヨーク鉄心ブロック11Bとの間には隙間が設けられてもよい。珪素鋼板31が鉄心押さえ65によって押圧される位置と、ヨーク鉄心ブロック11Bの接合端との間に、電磁石61が配置されている。
装置ユニット53は、電磁石支持棒64を含む。電磁石61は、電磁石支持棒64を介して支持部材71に支持されている。電磁石61は、電磁石支持棒64に対してスライド自在に設けられている。環状の形状を有する鉄心15が周回する平面上において各鉄心が帯状に延びる方向を長手方向と呼んだ場合に、電磁石支持棒64は、支持柱62からヨーク鉄心11の長手方向に延びる。このような構成により、電磁石61は、電磁石支持棒64に対してスライドさせられながら、珪素鋼板31が鉄心押さえ65によって押圧される位置とヨーク鉄心ブロック11Bの接合端との間で位置調整される。
装置ユニット53は、電源76および制御装置77を含む。電磁石61は、制御装置77を介して電源76に電気的に接続されている。電源76は、電磁石61に電力供給する。制御装置77は、電源76から電磁石61に供給される電力の大きさを可変制御する。
なお、製造装置51では、各鉄心に磁気誘導を起こす手段として電磁石61を用いたが、電磁石61に替えて永久磁石を用いてもよい。しかしながら、電磁石61を用いた場合、電磁石61への電力供給を制御することによって、珪素鋼板31に作用させる磁力の大きさを自在に調整できる。
装置ユニット53は、鉄心押し出し棒66を含む。鉄心押し出し棒66は、ヨーク鉄心ブロック11Bに当接して設けられている。環状の形状を有する鉄心15が周回する平面上において各鉄心が帯状に延びる方向に直交する方向を幅方向と呼んだ場合に、鉄心押し出し棒66は、ヨーク鉄心11の幅方向に延びる。鉄心押し出し棒66は、その延びる方向にスライド自在に設けられている。
好ましくは、支持柱62、底板63、電磁石支持棒64、鉄心押さえ65および鉄心押し出し棒66は、非磁性材料から形成されている。このような構成により、これらの各部材が磁力に影響を与えたり磁力の影響を受けたりすることを防ぐ。
この発明の実施の形態における鉄心の製造装置51は、第1ブロックとしてのヨーク鉄心ブロック11Bおよび第2ブロックとしてのレグ鉄心ブロック13Bをそれぞれ構成する複数枚の珪素鋼板31を支持するとともに、その積層方向に挟持する第1支持部材としての支持部材71mおよび第2支持部材としての支持部材71nと、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13Bにそれぞれ隣り合って配置され、通電時、磁気誘導によって、積層された珪素鋼板31間に反発力を生じさせ、珪素鋼板31間の隙間35を拡張させる第1電磁石としての電磁石61mおよび第2電磁石としての電磁石61nとを備える(図5を参照のこと)。
続いて、図5中の製造装置51を用いて鉄心を製造する方法について説明を行なう。図5を参照して、複数枚の珪素鋼板31を積層することにより、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bを作製する。
次に、ヨーク鉄心ブロック11Bを装置ユニット53,54にセッティングする。レグ鉄心ブロック13Bおよびレグ鉄心ブロック14Bをそれぞれ装置ユニット52および装置ユニット55にセッティングする。この際、まず、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bを、鉄心の製作寸法に合わせて底板63上に載置する。鉄心押し出し棒66をスライド移動させることにより、各鉄心の幅方向において、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bの位置決めを行なう。その後、鉄心押さえ65により、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bを構成する複数枚の珪素鋼板31を押圧する。
図9は、図5中の製造装置を用いた鉄心の製造方法の工程を示す側面図である。図中には、図5中の矢印IXに示す方向から見た製造工程の様子が示されている。
図9を参照して、次に、電磁石61への通電を開始し、各ブロックを構成する珪素鋼板31に電磁力を作用させる。これにより、積層方向に隣り合う珪素鋼板31間の隙間35を拡張させる。この際、制御装置77による磁力調整および各鉄心の長手方向における電磁石61の位置調整により、接合するブロック間で隙間35と珪素鋼板31との位置を一致させる。この調整は、セッティングされる珪素鋼板31の枚数、珪素鋼板31の重さや厚み、材質等を考慮して適宜、行なわれる。
また、隙間センサを用いて、珪素鋼板31間に適当な大きさの隙間が形成されているかをチェックしてもよい。隙間センサによる検出値を制御装置77にフィードバックさせ、制御装置77による磁力調整を自動的に行なってもよい。好ましくは、隙間センサは、積層された珪素鋼板31のうち最も低い位置に設けられる。珪素鋼板31に磁力を作用させた場合、珪素鋼板31の自重により積層方向に低い位置ほど隙間35が小さくなる。このため、その隙間35が最も小さくなる位置に隙間センサを設けることにより、必要となる大きさの隙間35が、積層された珪素鋼板31の全体に渡って形成されているか否か判断することができる。
図10は、図9に示す工程の次工程を示す平面図である。図10を参照して、電磁石61への通電を継続したまま、装置ユニット53および装置ユニット54をそれぞれ装置ユニット52および装置ユニット55に向けて移動させる。この際、各ブロックを構成する珪素鋼板31の表面が相互に平行となるように、装置ユニット53および装置ユニット54を移動させる。ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bの相互で、珪素鋼板31を隙間35に挿入させる。
図11は、図10中に示す工程の変形例を示す平面図である。図11を参照して、本変形例では、まず、装置ユニット53を装置ユニット52に向けて移動させ、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13Bとの相互で、珪素鋼板31を隙間35に挿入させる。次に、装置ユニット54を装置ユニット55に向けて移動させ、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック14Bとの相互で、珪素鋼板31を隙間35に挿入させる。このように、ヨーク鉄心ブロック11Bの一方の接合端と他方の接合端とを別々にレグ鉄心ブロック13B,14Bに近接させることにより、各接合端において珪素鋼板31を隙間35にスムーズに挿入することができる。
なお、本実施の形態では、ヨーク鉄心ブロック11Bがセッティングされた装置ユニット53および54のみを移動させたが、レグ鉄心ブロック13Bおよびレグ鉄心ブロック14Bがそれぞれセッティングされる装置ユニット52および装置ユニット55を、装置ユニット53および装置ユニット54に向けて移動させてもよいし、両者を移動させてもよい。
図12は、図11中に示す工程の次工程を示す平面図である。図12を参照して、次に、電磁石61への通電を停止する。これにより、珪素鋼板31に電磁力が作用した状態を解消させ、珪素鋼板31間の隙間35を元の広さに戻す。結果、ヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14B間で珪素鋼板31同士が噛み合い、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13B,14Bとがそれぞれ接合される。
図13は、図12中に示す工程の次工程を示す平面図である。図14は、図12中に示す工程の次工程を示す断面図である。図13および図14を参照して、鉄心押さえ65を緩めて、複数枚の珪素鋼板31を挟持した状態を解消する。鉄心押し出し棒66によりヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bをそれぞれ水平方向に押し出し、装置ユニット52〜55をヨーク鉄心ブロック11Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bから外す。
ここでは、ヨーク鉄心ブロック11Bとレグ鉄心ブロック13B,14Bとの接合について説明したが、ヨーク鉄心ブロック12Bとレグ鉄心ブロック13B,14Bとの接合についても同様の工程を実施する。両者の工程は、同時に実施してもよいし、一方を実施してから他方を実施してもよい。これにより、互いに接合された枠形状のヨーク鉄心ブロック11B,12Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bを形成する。
以上に説明した工程を複数回、繰り返すことにより、互いに接合されたヨーク鉄心ブロック11B,12Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bを複数組作製する。その後、これらを積層することにより、必要な高さを有する鉄心15を完成させる。
図15は、鉄心の断面をより詳細に示した図である。図15を参照して、鉄心15は、絶縁性のプレート部材としての絶縁板85を含む。絶縁板85は、鉄心表面を流れる循環電流を小さくする目的で、鉄心15を珪素鋼板31の積層方向に複数のブロック81〜84に分割するように設けられている。この場合に、各ブロックに必要な枚数の珪素鋼板31を装置ユニットにセッティングすることにより、鉄心15のブロック81〜84を作製し、絶縁板85を介在させてブロック81〜84を積層してもよい。これにより、ブロック81〜84の各ブロック内で、珪素鋼板31の噛み合わせがない層が形成されることが防止できる。
図16は、図5中の各装置ユニットが配置される位置を模式的に表わす平面図である。図16を参照して、鉄心15は、隣り合うヨーク鉄心ブロック11B,12Bとレグ鉄心ブロック13B,14Bとが接合される接合部91〜94を含む。本実施の形態では、接合部91〜94のそれぞれに対応して、図中の矢印に示す位置に装置ユニットが配置されている。このような構成により、ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14の長さが異なる鉄心を製造する場合であっても、各接合部に対して一定の位置関係で装置ユニットを配置することが可能となり、製造装置51の共有化を図ることができる。
このように構成された、この発明の実施の形態における鉄心の製造方法および鉄心の製造装置によれば、磁気誘導を利用して珪素鋼板31間の隙間35を拡張させることにより、ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14間で珪素鋼板31を数百枚単位で一度に噛み合わせることができる。これにより、鉄心15の製造工程の作業性を飛躍的に向上させることができる。また、ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14間で珪素鋼板31を1枚ごとに噛み合わせる鉄心構造を比較的容易に得ることができる。この場合、複数枚の珪素鋼板31ごとに噛み合わせる構造と比較して、鉄心15の接合部の摩擦抵抗を増大させることができる。これにより、変圧時に生じる振動に対して鉄心15の接合強度を十分に確保し、変圧器10の耐短絡機械力を向上させることができる。
本実施の形態において、鉄心15を構成する珪素鋼板31は、柔軟性を有する薄板であり、強磁性体である。このため、ヨーク鉄心ブロック11B,12Bおよびレグ鉄心ブロック13B,14Bに磁力を作用させた場合に珪素鋼板31間の隙間35を容易に拡張させることができる。このため、磁気誘導の原理をより有効に利用して、鉄心15を製造することができる。
なお、本発明は、変圧器に限定されず、リアクトルなどの電磁誘導機器の鉄心の製造に適用されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11,12 ヨーク鉄心、11B,12B ヨーク鉄心ブロック、13,14 レグ鉄心、13B,14B レグ鉄心ブロック、31,31p,31q 珪素鋼板、35 隙間、51 製造装置、61,61m,61n 電磁石、71,71m,71n 支持部材、85 絶縁板、91〜94 接合部。
Claims (8)
- 複数枚の磁性鋼板を積層することによって第1ブロックを形成する工程と、
複数枚の磁性鋼板を積層することによって第2ブロックを形成する工程と、
前記第1ブロックおよび前記第2ブロックの相互で磁性鋼板を磁性鋼板間の隙間に挿入することによって、前記第1ブロックと前記第2ブロックとを接合する工程とを備え、
前記第1ブロックと第2ブロックとを接合する工程は、磁気誘導により、積層された磁性鋼板間に反発力を生じさせ、磁性鋼板間の隙間を拡張する工程を含む、鉄心の製造方法。 - 前記隙間を拡張する工程は、前記第1ブロックおよび前記第2ブロックに隣り合って配置された電磁石に通電することによって、前記第1ブロックおよび前記第2ブロックに磁気誘導を起こす工程を含む、請求項1に記載の鉄心の製造方法。
- 前記第1ブロックおよび前記第2ブロックは、第1磁性鋼板と第2磁性鋼板とを繰り返し積層することによって形成され、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとの接合位置において、前記第2磁性鋼板の端部は前記第1磁性鋼板の端部よりも突出し、積層方向に隣り合う前記第2磁性鋼板間には、前記隙間が形成され、
前記第1ブロックと第2ブロックとを接合する工程は、前記第1ブロックおよび前記第2ブロックを相対的に移動させることにより、前記第1ブロックおよび前記第2ブロックの相互で前記第2磁性鋼板の端部を前記隙間に挿入する工程を含む、請求項1または2に記載の鉄心の製造方法。 - 前記第1ブロックを形成する工程と、前記第2ブロックを形成する工程と、前記第1ブロックと第2ブロックとを接合する工程とを複数回、繰り返すことにより、互いに接合された前記第1ブロックおよび前記第2ブロックの組を複数作製し、さらに、
複数の前記第1ブロックおよび前記第2ブロックの組を積層する工程を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。 - 前記複数の第1ブロックおよび第2ブロックの組を積層する工程は、積層方向に隣り合う前記第1ブロックおよび前記第2ブロックの組の間に、絶縁性のプレート部材を配置する工程を含む、請求項4に記載の鉄心の製造方法。
- 積層された複数枚の磁性鋼板からなり、互いに接合された第1ブロックおよび第2ブロックを備える鉄心の製造装置であって、
前記第1ブロックおよび前記第2ブロックをそれぞれ構成する複数枚の磁性鋼板を支持するとともに、その積層方向に挟持する第1支持部材および第2支持部材と、
前記第1ブロックおよび前記第2ブロックにそれぞれ隣り合って配置され、通電時、磁気誘導によって、積層された磁性鋼板間に反発力を生じさせ、磁性鋼板間の隙間を拡張させる第1電磁石および第2電磁石とを備える、鉄心の製造装置。 - 前記第1支持部材および前記第2支持部材は、非磁性材料から形成される、請求項6に記載の鉄心の製造装置。
- 鉄心は、ブロック同士が接合された複数の接合部を含み、
前記複数の接合部の各々に対応して、前記第1支持部材、前記第2支持部材、前記第1電磁石および前記第2電磁石が設けられる、請求項6または7に記載の鉄心の製造装置。
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JP2007239403A JP2009071134A (ja) | 2007-09-14 | 2007-09-14 | 鉄心の製造方法および鉄心の製造装置 |
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JP2018137385A (ja) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | 新日鐵住金株式会社 | 鉄心製造装置および鉄心製造方法 |
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