JP2009070471A - 光ディスク装置及びチルト調整機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、ラジアルチルトサーボ及びタンジェンシャルチルトサーボの全てを行う光ディスク装置において、クロストークの発生、及び、チルトサーボ動作が他のサーボの外乱因子となる可能性を回避するとともに、機械的に許容可能な範囲内にチルト誤差を抑制し、安定したサーボ動作を行う。
【解決手段】本発明の光ディスク装置100は、光学ピックアップ111のフォーカシング動作、トラッキング動作、及び一の方向のチルト動作を行うアクチュエータ110と、他の方向のチルト調整を行うチルト調整機構120とを備え、チルト調整機構120は、アクチュエータ110を支持するアクチュエータ支持部130と、アクチュエータ支持部130を一の方向の直線を回動軸として回動させることで、光ディスク5の記録面と光学ピックアップ111のレンズ面とがなす角を調整するチルト補正を行うチルト補正部140と、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、光ディスクに対してデータの記録及び/又は再生を行う光ディスク装置及びこれに備えられるチルト調整機構に関する。
近年、データ記録媒体は、データが記録された媒体を、データの記録及び再生を行うヘッドから分離して持ち運ぶことが可能な所謂リムーバブル特性を有することが要求されている。このようなリムーバブル特性を有するデータ記録媒体(以下、「リムーバブル記録媒体」という。)では、記録再生装置に挿入してデータの記録及び再生を行う際に、データのローディングが行われる。このローディングを行うためには、リムーバブル記録媒体がCDやDVD等の光ディスクである場合、通常、フォーカスサーボやトラッキングサーボを行うことが必要である。
また、光ディスクの場合には、ディスクの面ぶれにより、チルト誤差が発生する。チルト誤差とは、スピンドル方向とディスクの記録面に対する法線方向とのずれ(傾斜角)をいう。このチルト誤差は、ディスクを完全な平面を有する円盤状のディスクと仮定した場合には、ディスクの回転軸とディスクを回転させるスピンドルの回転軸とが一致しなくなった場合に発生する。チルト誤差が発生すると、光学ピックアップのレンズの端部が光ディスクの記録面と接触する場合があり、この場合、フォーカスサーボやトラッキングサーボが不安定になる。
従って、例えば、光学ピックアップのレンズの端部と光ディスクの記録面との接触を避けることができるといった、機械的に許容可能なチルト角の範囲(チルトマージン)内にチルト誤差を抑制するために、光学ピックアップのチルトを制御するチルトサーボも必要となる。このような必要性に鑑み、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ及び光ディスクのラジアル方向のチルト(ラジアルチルト)サーボを同時に行うことが可能な所謂3軸アクチュエータを備える光ディスク装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−317286号公報
ところで、上述したようなチルト誤差は、光ディスクのラジアル方向だけでなく、タンジェンシャル方向においても発生するものであり、タンジェンシャル方向のチルト(タンジェンシャルチルト)サーボも行う必要がある。そのため、光ディスク装置においては、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、ラジアルチルトサーボ及びタンジェンシャルチルトサーボの全てを行うことが可能な機構が必要となる。
しかし、光ディスクのラジアル方向とタンジェンシャル方向の両方のチルトサーボを、フォーカスサーボ、トラッキングサーボとともに単一のアクチュエータで行おうとすると、所謂クロストーク等の問題が生じる。このクロストークの問題は、特に、開口数(NA値)の高い固体浸レンズ(SIL:Solid Immersion Lens)を使用した場合には顕著となる。すなわち、光学ピックアップのレンズとしてSILを使用する場合、光学ピックアップのレンズ面と光ディスクの記録面との距離が25nm程度と極めて短く、クロストークが発生しやすい。
また、単に、チルトサーボを行うだけであると、チルトサーボによりチルトされた光学ピックアップからのレーザの照射位置が、フォーカシング方向及びトラッキング方向へ大きく変化する場合があるため、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性がある。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、ラジアルチルトサーボ及びタンジェンシャルチルトサーボの全てを行う光ディスク装置及びこれに備えられるチルト調整機構において、クロストークの発生、及び、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性を回避するとともに、機械的に許容可能な範囲内にチルト誤差を抑制し、安定したサーボ動作を行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、光ディスクに対してデータの記録及び/又は再生を行う光ディスク装置において、前記データの記録及び/又は再生を行うための光学ピックアップが装着され、前記光学ピックアップのフォーカシング動作、トラッキング動作、及び、前記光ディスクのラジアル方向とタンジェンシャル方向のいずれか一方のチルト動作を行うアクチュエータと、前記光学ピックアップに対して、前記ラジアル方向と前記タンジェンシャル方向のいずれか他方のチルト調整を行うチルト調整機構と、を備え、前記チルト調整機構は、前記アクチュエータを支持するアクチュエータ支持部と、前記アクチュエータ支持部を前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向の直線を回動軸として回動させることにより、前記データの記録及び/又は再生中における前記光ディスクの記録面と前記光学ピックアップのレンズ面とがなすチルト角を調整するチルト補正を行うチルト補正部と、を有し、前記回動軸は、前記光学ピックアップに備えられる対物レンズのレンズ面の中心を通る光ディスク装置が提供される。
ここで、前記チルト補正部は、前記光ディスク装置内に固定設置される固定部と、前記固定部に対して前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向の直線を回動軸として回動自在に連結されるとともに、前記アクチュエータ支持部と協動するように連結される可動部と、前記可動部及び前記固定部の内部を挿通するように設置され、前記光ディスクのディスク面の法線方向に変位することにより、前記固定部と前記可動部との連結部を支点として前記可動部を前記固定部に対して回動させる作動手段と、を有していてもよい。
このとき、前記連結部は、弾性ヒンジで構成され、前記可動部は、前記弾性ヒンジを回動軸として、前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向のチルト角が変化するように回動してもよい。
さらに、前記チルト補正部は、前記固定部と前記可動部とに両端が連結され、前記可動部が、前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向に対して所定角度傾斜した状態から、前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向と平行となる位置まで戻す復元力を供給する弾性体をさらに有していてもよい。
また、前記作動手段は、前記ディスク面の法線方向に変形する圧電素子又は磁歪素子であってもよい。
また、前記光学ピックアップは、光源からの光を集光する対物レンズと、前記対物レンズを駆動させるレンズ駆動部と、を有し、前記対物レンズとして、固体浸レンズが使用されてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、光ディスクに対してデータの記録及び/又は再生を行うための光学ピックアップのフォーカシング動作、トラッキング動作、及び前記光ディスクのラジアル方向とタンジェンシャル方向のいずれか一方のチルト動作を行うアクチュエータを備える光ディスク装置に設けられ、前記ラジアル方向と前記タンジェンシャル方向のいずれか他方のチルト調整を行うチルト調整機構であって、前記光学ピックアップが装着された前記アクチュエータを支持するアクチュエータ支持部と、前記アクチュエータ支持部を前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向の直線を回動軸として回動させることにより、前記データの記録及び/又は再生中における前記光ディスクの記録面と前記光学ピックアップのレンズ面とがなすチルト角を調整するチルト補正を行うチルト補正部と、を備え、前記回動軸は、前記光学ピックアップに備えられる対物レンズのレンズ面の中心を通るチルト調整機構が提供される。
以上のように、本発明に係る光ディスク装置及びこれに設けられるチルト調整機構によれば、可動部が固定部に対して回動することにより、可動部に連結されたアクチュエータ支持部が、ラジアル方向の直線を回動軸として回動する。そして、このアクチュエータ支持部の回動により、アクチュエータ支持部に設置されたアクチュエータに装着された光学ピックアップに、弾性ヒンジ等の連結部の中心に位置するラジアル方向の直線を回動軸として、タンジェンシャル方向のチルト動作を行わせることができる。
また、本発明に係る光ディスク装置及びこれに設けられるチルト調整機構によれば、可動部を回動させる作動手段として圧電素子等の線形的に変位する部材を使用し、可動部の回動中心となる連結部として弾性ヒンジ等を使用することにより、可動部(ひいては光学ピックアップ)を微小な角度だけ回動させることができ、精密なチルトサーボを行うことができる。
さらに、本発明に係る光ディスク装置及びこれに設けられるチルト調整機構によれば、対物レンズの先端部の中心位置を通るラジアル方向の直線と、連結部の中心位置にある可動部の回動軸とを一致させることにより、チルト動作に伴って対物レンズにより集光された光源からのレーザ光の照射方向が変化することを抑制することができる。従って、光ディスクの記録面へのレーザ光の照射位置は、対物レンズのチルト動作により、フォーカシング方向やトラッキング方向へ大きく変化することはないため、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性を回避することができる。
本発明によれば、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、ラジアルチルトサーボ及びタンジェンシャルチルトサーボの全てを行う光ディスク装置及びこれに備えられるチルト調整機構において、ラジアルサーボとタンジェンシャルチルトサーボのいずれか一方を、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ及びラジアルチルトサーボを行うアクチュエータとは別途の機構により行い、かつ、この機構により光学ピックアップのチルト動作を好適に制御することで、クロストークの発生、及び、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性を回避するとともに、機械的に許容可能な範囲内にチルト誤差を抑制し、安定したサーボ動作を行うことが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(チルトサーボの必要性について)
まず、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置について説明するに先立ち、その前提として、光ディスクの反りや回転時の傾き変動を電気的に検出して、光軸を常に光ディスクに対して垂直に保つように光学ピックアップを追従させるチルトサーボの必要性について、図1〜図6に基づいて説明する。図1は、ラジアル方向のチルト誤差及びタンジェンシャル方向のチルト誤差の内容を示す説明図である。図2は、光ディスクを完全な平面と仮定した場合のチルト発生のメカニズムを示す説明図である。図3は、光ディスクを完全な平面と仮定した場合のチルト角を示す説明図である。図4は、光ディスクの面ぶれとチルト量との関係の一例を示す説明図である。図5は、対物レンズとして固体浸レンズを使用した場合のチルトの許容範囲の一例を示す説明図である。図6は、図5の場合のチルト誤差とジッターとの関係の一例を示す説明図である。
図1に示すように、リムーバブル記録媒体としての光ディスク5は、クランプ1とターンテーブル2とに狭持された状態で、スピンドルモータ3のスピンドル軸Sを回転軸として、スピンドルモータ3により回転する。光ディスク5がこのように回転している状態で、光学ピックアップ11に設けられた対物レンズ13により光源から照射されたレーザ光を集光し、集光した光を光ディスク5の記録面側に照射する。光学ピックアップ11には受光部(図示せず。)が設けられており、受光部が光ディスク5の記録面に照射されたレーザ光の反射光を受光することにより、光ディスク5に対する記録や再生が行われる。
このようにしてデータの記録や再生が行われる際にローディングが行われるが、このローディングが行われる際には、フォーカスサーボやトラッキングサーボを行うことが必要である。また、データ記録媒体として光ディスク5等のリムーバブル記録媒体を使用する場合には、光ディスク5の面ぶれ等により、チルト誤差が発生する。このチルト誤差は、図1に示すように、光ディスク5のラジアル方向Rのチルト誤差(チルト角θ)と、タンジェンシャル方向Tのチルト誤差(チルト角θ)とがある。ここで、「ラジアル方向」とは、光ディスク5の径方向のことをいい、「タンジェンシャル方向」とは、光ディスク5の径方向に直交するトラック接線方向のことをいう。また、「ラジアル方向のチルト誤差」とは、レンズ13の表面の平坦面と光ディスク5の記録面とがなすラジアル方向Rの角度θのことをいい、「タンジェンシャル方向のチルト誤差」とは、レンズ13の表面の平坦面と光ディスク5の記録面とがなすタンジェンシャル方向Tの角度θのことをいう。
また、図2に示すように、光ディスク5のチルト誤差は、光ディスク5を完全な平面を有する円盤状のディスクと仮定した場合には、光ディスク5の回転軸Ddと、光ディスク5を回転させるスピンドルの回転軸Sとが一致しなくなり、所定の角度θを有する場合に発生すると考えられる。すなわち、このような場合に、図1に示したようなラジアル方向のチルト誤差θ及びタンジェンシャル方向のチルト誤差θが発生する。このとき、例えば、xyz座標空間において、光ディスク5が「ax+by+cz+d=0」という式で表されるとすると、光ディスク5の回転軸Ddを表すベクトルhdは、「hd=(a,b,c)」で表され、スピンドルの回転軸Sを表すベクトルhsは、「hs=(0,0,1)」で表される。
また、光ディスク5の面ぶれと、ラジアル・タンジェンシャル各チルト成分の最大値及び最小値は、光ディスク5が1回転する間に一定の周期を有しており、各チルト成分に関しては、光ディスク5の1回転当たり、最大値と最小値が2回ずつあるという周期を有している。この関係を図3に示した。すなわち、図3の上のグラフは、光ディスク5が1回転したときを360degとして、光ディスク5の回転角度と面ぶれ量[μm]との関係を示したものである。また、図3の下のグラフは、光ディスク5が1回転したときを360degとして、光ディスク5の回転角度とタンジェンシャル方向のチルト角[deg]との関係を示したものである。なお、図3に示したグラフは、光ディスク5が完全な平面であると仮定した場合の例である。
ここで、図4に示すように、例えば、光ディスク5の面ぶれがない状態の光ディスク5の記録面の方向をDidealとし、光ディスク5の面ぶれがある状態の光ディスク5の記録面の方向をDrealとし、光ディスク5のタンジェンシャル方向のチルト角をθ、光ディスク5の面ぶれ量をδ、DidealとDrealとの交点をC、面ぶれ測定半径(Drealの端部EからDidealに下ろした垂線とDidealとの交点とCとの距離)をrとすると、以下の式(1)のような関係が導かれる。
θ=tan−1(δ/r) ・・・(1)
すなわち、上記式(1)に示したように、チルト角θは、面ぶれ量δの関数で表すことができる。例えば、図3に示したタンジェンシャル方向のチルト角が0.07degの場合は、面ぶれ測定半径rを55mmとした場合には、上記式(1)から、134μmPP(±67μm)の面ぶれ量に相当する。また、サーボ設計時における基準面ぶれ量は、通常、80μmPP(±40μm)とされるので、この場合、式(1)から、チルト角は±0.042degとなるので、例えば、チルト角の機械的に許容される範囲(チルトマージン)が±0.07degに設定されている場合には、チルトマージン内となる。
ここで、図5を参照しながら、チルトマージンの基準について説明する。対物レンズ13として、例えば、固体浸レンズ(SIL)を使用した場合には、図5に示すような、対物レンズ13の先端部(表面側)の直径Dは40μm程度である。また、光ディスク5と対物レンズ13の先端部との距離dは、ギャップサーボ(一般的な光ディスク装置のフォーカスサーボに相当)によってその距離が維持される場合、25nm程度となる。この場合、対物レンズ13の先端部の角部が光ディスク5と接触しないようにするための最大のチルト角は、ラジアル方向、タンジェンシャル方向ともに±0.07°となる(±2(d/D)[rad.]≒±0.07[deg.])。これ以上のチルト角を有する場合には、原則として、光ディスク5と対物レンズ13とが接触するため、フォーカスサーボやトラッキングサーボが不安定になる。従って、対物レンズ13としてSILを使用する場合には、チルトマージンは±0.07°となり、ジッター(%)とチルト誤差(deg)との関係は、例えば、図6に示すようになる。
以上のように、例えば、光学ピックアップの対物レンズ13の端部と光ディスク5の記録面との接触を避けることができるといった、機械的に許容可能なチルト角の範囲(チルトマージン)内にチルト誤差を抑制するために、光学ピックアップのチルトを制御するチルトサーボも必要となる。
特に、固体浸レンズ(SIL)を利用した近接場光によるニアフィールド方式が採用されている場合には、サーボ信号の品質やジッター値から想定されるチルトマージンよりも狭いチルトマージンとなるため、より精密なチルトサーボが必要となる。
ところで、上述したようなチルト誤差は、光ディスク5のラジアル方向だけでなく、タンジェンシャル方向においても発生するものであり、タンジェンシャル方向のチルトサーボも行う必要がある。そのため、光ディスク装置においては、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、ラジアルチルトサーボ及びタンジェンシャルチルトサーボの全てを行うことが可能な機構が必要となる。
しかし、光ディスク5のラジアル方向とタンジェンシャル方向の両方のチルトサーボを、フォーカスサーボ、トラッキングサーボとともに単一のアクチュエータで行おうとすると、所謂クロストーク等の問題が生じる。このクロストークの問題は、特に、開口数(NA値)の大きな固体浸レンズ(SIL:Solid Immersion Lens)を使用した場合には顕著となる。
また、単に、チルトサーボを行うだけであると、チルトサーボによりチルトされた光学ピックアップ111からのレーザの照射位置が、フォーカシング方向及びトラッキング方向へ大きく変化する場合があるため、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性がある。
そこで、以下に説明する本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置においては、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、ラジアルチルトサーボ及びタンジェンシャルチルトサーボの全てを同時に行い、かつ、各サーボを独立に制御するために、ラジアルチルトとタンジェンシャルチルトのいずれか一方の調整を、他のサーボとは別途の機構を用いて行っている。さらに、第1の実施形態に係る光ディスク装置においては、上記別途の機構において、ラジアルチルト又はタンジェンシャルチルトの回動軸が、光学ピックアップに備えられる対物レンズのレンズ面の中心を通るように、対物レンズの位置決めがされている。これにより、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置によれば、クロストークの発生、及び、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性を回避するとともに、機械的に許容可能な範囲内にチルト誤差を抑制し、安定したサーボ動作を行うことが可能となる。以下、図7を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置100の全体構成について説明する。なお、図7は、本実施形態に係る光ディスク装置100の全体構成を示す斜視図である。
(第1の実施形態)
<光ディスク装置100の構成>
図7に示すように、光ディスク装置100は、光ディスクに対してデータの記録及び/又は再生を行う装置であって、クランプ101と、スピンドルモータ103と、アクチュエータ110と、チルト調整機構120と、を主に備える。
クランプ101は、図示しないターンテーブル等とともに光ディスク5を狭持する。また、スピンドルモータ103は、その先端部にクランプ101が装着されており、クランプ101に保持された光ディスク5を、スピンドル軸を回転軸として高速回転させる。これらのクランプ101及びスピンドルモータ103は、スピンドル支持部材104上に設けられている。
アクチュエータ110には、レーザ光を光ディスク5の記録面に照射し、当該記録面からの反射光を受光することにより、光ディスクに対してデータの記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ111が装着されている。このアクチュエータ110は、光学ピックアップ111のフォーカシング動作、トラッキング動作、及び光ディスク5のラジアル方向とタンジェンシャル方向のいずれか一方のチルト(ラジアルチルト)動作を行う。
なお、アクチュエータ110によるフォーカシング動作、トラッキング動作、及びラジアル(またはタンジェンシャル)チルト動作の動作機構については、公知の技術を利用することができるため(例えば、特開2005−332449号公報や特開2007−35160号公報等を参照)、ここでは詳細な説明を省略する。また、アクチュエータ110は、後述するアクチュエータ支持部材130上に設けられたトラッキングガイドレール131に案内され、当該トラッキングガイドレール131に沿ってトラッキング方向へ移動することができる。
また、光学ピックアップ111は、一般に、光源からの光を集光する対物レンズ113と、対物レンズ113を駆動させるレンズ駆動部(図示せず)と、を有する。この対物レンズ113としては、例えば、固体浸レンズ(SIL)等が使用される。また、レンズ駆動部としては、例えば、ボイスコイルモータ(VCM)等を使用することができる。対物レンズ113としてSILが使用される場合には、近接場光によるニアフィールド方式が採用されており、上述したように、対物レンズ113の先端部(表面)と光ディスク5の記録面とが近接した位置となる。そのため、光学ピックアップ111のチルト動作を行った際に、対物レンズ113の先端部の角部と光ディスク5の記録面との接触が起こりやすく、より精密なチルト動作が要求される。従って、ラジアル方向とタンジェンシャル方向の2軸を同時にアクチュエータ110で行おうとすると、クロストークの問題が生じやすい。そこで、本実施形態に係る光ディスク装置100は、ラジアル方向のチルト動作とタンジェンシャル方向のチルト動作のいずれか他方を、以下に説明するチルト調整機構120により行っている。
チルト調整機構120は、光学ピックアップ111に対して、光ディスク5のラジアル方向とタンジェンシャル方向のいずれか他方のチルト調整(すなわち、アクチュエータ110で行わない方のチルト調整)を行う機構であって、アクチュエータ支持部130と、チルト補正部140と、を有する。
なお、以下の説明では、説明の便宜のため、ラジアル方向のチルト動作をアクチュエータ110により行い、タンジェンシャル方向のチルト動作をチルト調整機構120により行う場合を例に挙げて説明する。
アクチュエータ支持部130は、例えば、略板状の部材であって、アクチュエータ支持部130の上に設置されたアクチュエータ110を支持する。また、アクチュエータ支持部130上には、トラッキングガイドレール131がトラッキング方向(図7ではY軸方向)に平行なレール状の部材として設けられている。このガイドレール131は、アクチュエータ支持部材130上に設置されたアクチュエータ110のトラッキング方向への移動を案内する。また、アクチュエータ支持部130の一端は、後述するチルト補正部140の可動部141に連結されており、アクチュエータ支持部130は、可動部141のラジアル方向の直線を回動軸とした回動(タンジェンシャル方向のチルト動作)に伴い、可動部141の動作に協動してラジアル方向の直線を回動軸とした回動を行う。
チルト補正部140は、アクチュエータ支持部130をラジアル方向の直線を回動軸として回動させることにより、データの記録及び/又は再生中における光ディスク5の記録面と光学ピックアップ111の対物レンズ113のレンズ面とがなすチルト角を調整するチルト補正を行う。
<チルト補正部140の構成>
ここで、図7及び図8を参照しながら、本実施形態に係るチルト補正部140の詳細な構成について説明する。なお、図8は、本実施形態に係るチルト補正部140の構成を示す正面図である。
図7及び図8に示すように、チルト補正部140は、固定部141と、可動部143と、圧電素子145と、を主に有する。
固定部141は、例えば、略直方体状の部材であり、光ディスク装置100内に固定設置される。より詳細には、例えば、図7に示すように、固定部141は、サーボ機構支持台105と連結部材109を介して連結された固定部支持部材107により光ディスク5が設置される側とは反対側(図7ではY軸負方向)から支持されることにより、光ディスク装置100内に固定される。また、図8に示すように、固定部141内には、後述する圧電素子145を挿入するための固定部側圧電素子装着部141aが形成されている。この固定部側圧電素子装着部141aは、例えば、圧電素子145が棒状である場合には、圧電素子145よりの断面よりも大きな断面を有する貫通孔のような形状に形成される。
可動部143は、例えば、略直方体状の部材であり、固定部141に対してラジアル方向の直線を回動軸として回動自在に連結される。すなわち、この可動部143は、例えば、その上面側(図7及び図8ではZ軸正方向側)が、図8に示すような連結部147を介して固定部141と連結されており、ラジアル方向の直線147aを回動軸として、タンジェンシャル方向から所定角度傾斜するように回動することができる。なお、可動部143と固定部141との間には可動領域147bが形成されており、可動部143は、この可動領域147b内で回動する。
また、可動部143は、その正面側(図7ではY軸正方向側)が、アクチュエータ支持部130と連結されており、後述する圧電素子145等の作動手段により、可動部143とアクチュエータ130とが協動して回動することができる。なお、本実施形態においては、可動部143は、アクチュエータ支持部130と別の部材として構成されているが、この場合には限られない。例えば、可動部143は、アクチュエータ支持部130と一体構成されていてもよい。すなわち、アクチュエータ支持部130自体が可動部となり、連結部147を介して固定部141に連結されていてもよい。
さらに、図8に示すように、可動部143内には、後述する圧電素子145を挿入するための可動部側圧電素子装着部143aが形成されている。この可動部側圧電素子装着部143aは、例えば、圧電素子145が棒状である場合には、圧電素子145よりの断面よりも大きな断面を有する貫通孔のような形状に形成される。
圧電素子145は、本実施形態に係る作動手段の一例であって、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス材料により形成された素子である。この圧電素子145は、例えば、0〜150V程度の電圧を印加することにより、光ディスク5のディスク面の法線方向(図7及び図8ではZ軸方向)に、0〜40μm程度の変位で線形的に変形する。また、圧電素子145は、予圧された状態で、固定部側圧電素子装着部141a及び可動部側圧電素子装着部143aに挿入される。そして、この予圧された状態から、圧電素子145に対する印加電圧を上げることにより、圧電素子145が延びる方向(図8ではZ軸負方向)に変位し、圧電素子145に対する印加電圧を下げることにより、圧電素子145が縮む方向(図8ではZ軸正方向)に変位する。
この圧電素子145は、固定部141及び可動部143の内部を挿通するように設置され、光ディスク5のディスク面の法線方向に変位することにより、固定部141と可動部143との連結部147を支点として、可動部143を固定部141に対して回動させる。また、この可動部143の回動する最大角度、ひいては、光学ピックアップ111の最大チルト角は、圧電素子145の設置位置、すなわち、固定部側圧電素子装着部141a及び可動部側圧電素子装着部143aの形成位置の回動軸147aからの距離を調整することにより、所望の最大チルト角を有するように設計することができる。なお、この圧電素子145による可動部143の回動動作の詳細については後述する。
なお、本発明における作動手段としては、上述した圧電素子145に限られず、光ディスク5のディスク面の法線方向に変形するものであれば任意のものを使用することができ、例えば、圧電素子の他に、磁歪素子等も使用することができる。作動手段としては、これらの他にも、ボイスコイルモータ(VCM)等を使用することも可能である。ただし、PZT等を使用した圧電素子では、電圧の印加により発生する力が大きく、その力の発生のレスポンスも速いが、VCMは、電圧の印加により発生する力が小さく、コイルの巻き数が多くなると発熱し、消費電力も大きくなってしまう。従って、本発明における作動手段としては、VCMよりも圧電素子や磁歪素子を使用することが好ましく、発生する力やレスポンスの速さの観点からは、圧電素子が最も好ましい。
連結部147は、本実施形態では、例えば、エラストマー等の材質で形成され、円弧状の切り欠き部を有する弾性ヒンジで構成される。そして、圧電素子145等の作動手段が光ディスク5の法線方向に変位することにより、可動部143は、この弾性ヒンジを中心軸として、タンジェンシャル方向のチルト角が変化するように回動することができる。弾性ヒンジは、一般に、摩擦によるスティックスリップがないため位置決め精度を向上でき、発熱が少なく移動速度を上げることができるという長所を有している。従って、連結部147として弾性ヒンジを使用することにより、圧電素子145等の作動手段の変位に対する可動部143のタンジェンシャルチルト動作のレスポンスを速くすることが可能となる。
また、チルト補正部140は、弾性体149をさらに有していてもよい。本発明における弾性体149としては、例えば、図8に破線で示したようなコイルバネや板バネ等の所定の弾性力により線形的に変位するものを使用することができる。また、弾性体149は、図8に示すように、例えば、連結部147に対して圧電素子145とは反対側において、固定部141と可動部143とに両端が連結される。この弾性体149は、可動部143がタンジェンシャル方向に対して所定角度傾斜した状態からタンジェンシャル方向と平行となる位置まで戻す復元力を供給する。すなわち、圧電素子145が光ディスク5の法線方向(例えば、Z軸負方向)に変位すると、弾性体149は、圧電素子145とは逆の方向(例えば、Z軸正方向)に変位するため、弾性体149は、圧電素子145の変位の方向(すなわち、圧電素子145により可動部143に加えられる力の方向)とは同じ方向の復元力を有し、この復元力により可動部143の回動を補助する。
ここで、本実施形態に係る光ディスク装置100においては、上述したように、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性を回避するために、可動部143の回動軸147aが光学ピックアップ111に備えられる対物レンズ113のレンズ面の中心を通るように、対物レンズ113が設置されている。
以下、図9及び図10を参照しながら、本実施形態に係る対物レンズ113の設置位置と、これによる作用効果について説明する。なお、図9は、本実施形態に係る可動部143の回動軸147aと対物レンズ113の先端部(表面)の中心Cとの位置関係を示す説明図である。また、図10は、本実施形態に係るチルト補正部140の構成を示す正面図である。
まず、図9(b)に示すように、対物レンズ113を含む光学ピックアップ111を、単にタンジェンシャル方向にチルト動作させるだけであり、例えば、チルト動作の回転中心C’が対物レンズ13の先端部とは一致していない場合、チルト動作に伴って対物レンズ13により集光された光源からのレーザ光の照射方向が大きく変化することになる。このように、レーザ光の照射方向が大きく変化すると、光ディスク5の記録面へのレーザ光の照射位置が、フォーカシング方向やトラッキング方向へ大きく変化する場合があるため、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、可動部143の回動軸147aが光学ピックアップ111に備えられる対物レンズ113のレンズ面の中心を通るように、対物レンズ113を設置している。このような構成により、図9(a)に示すように、本実施形態に係る対物レンズ113は、光ディスク5の記録面に対して、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線を回動軸として回動(チルト動作)を行うことができる。すなわち、図10に示すように、本実施形態に係るチルト補正部140においては、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線が、連結部147の中心位置にある可動部143の回動軸147aと一致している。
このように、本実施形態においては、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線と、連結部147の中心位置にある可動部143の回動軸147aとを一致させることにより、チルト動作に伴って対物レンズ13により集光された光源からのレーザ光の照射方向が変化することを抑制することができる。従って、光ディスク5の記録面へのレーザ光の照射位置は、対物レンズ113のチルト動作により、フォーカシング方向やトラッキング方向へ大きく変化することはないため、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性を回避することができる。
<チルト補正部140の動作>
次に、図11を参照しながら、上述した構成を有する本実施形態に係るチルト補正部140の動作について説明する。なお、図11は、本実施形態に係るチルト補正部140の動作を示す正面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、ラジアル方向のチルト動作をアクチュエータ110により行い、タンジェンシャル方向のチルト動作をチルト調整機構120により行う場合を例に挙げて説明する。
まず、図11(a)に示すように、可動部143がタンジェンシャル方向に平行な位置に位置している状態から、圧電素子145に印加する電圧を増加させると、図11(b)に示すように、圧電素子145は、伸びる方向(図11では下方)に変位する。このように圧電素子145が変位すると、圧電素子145の下端部が、可動部側圧電素子装着部143aの底部を下向きに押圧し、可動部143の可動部側圧電素子装着部143aの底部に下向きの力が加えられる。ここで、本実施形態では、可動部側圧電素子装着部143aは、連結部147の右側に形成されている。従って、圧電素子145により可動部143に加えられた下向きの力により、可動部143は、連結部147を支点として、より詳細には、連結部147の中心部を通るラジアル方向の直線147aを回動軸として、タンジェンシャル方向に対して所定角度傾斜するように、時計回りに回動する(図11(b)の状態)。このとき、光学ピックアップ(図示せず)の対物レンズ113は、可動部143に連結されたアクチュエータ支持部(図示せず)の回動に伴って、時計回りにチルト動作を行うが、対物レンズ113のチルトの回動軸、すなわち、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線と、連結部147の中心位置にある可動部143の回動軸147aとが一致した状態のまま、対物レンズ113はチルト動作を行う。また、図11(a)〜(c)には図示していないが、上述した弾性体149が存在する場合には、弾性体149は、可動部143の時計方向の回動により縮む方向(図11では上方)に変位し、変位した方向とは逆の方向(図11では下方)に復元力を有するようになる。
次に、図11(b)に示した状態から、圧電素子145に印加する電圧を減少させると、圧電素子145は、縮む方向(図11では上方)に変位する。このように圧電素子145が変位すると、可動部側圧電素子装着部143aの底部に加えられていた下向きの力がかからなくなるため、連結部147が弾性ヒンジの場合には、その弾性力により、可動部143が連結部147を支点として反時計回りに回動し、図11(a)の状態に戻る。このときも、対物レンズ113のチルトの回動軸、すなわち、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線と、連結部147の中心位置にある可動部143の回動軸147aとが一致した状態のまま、対物レンズ113はチルト動作を行う。また、弾性ヒンジのみの弾性力では、可動部143を回動させるための力が弱く、回動する速度(レスポンス)が遅くなるため、弾性体149が設けられていることが好ましい。この場合、弾性体149は、上述したように、下向きの復元力を有している。従って、この復元力により、可動部143の連結部147の左側に下向きの力が加えられるため、可動部143の反時計回りの回動を補助することができ、これにより、可動部143の回動速度(レスポンス)を早くすることが可能となる。
さらに、図11(a)に示した状態から、圧電素子145に印加する電圧を減少させると、圧電素子145は、縮む方向(図11では上方)に変位する。このように圧電素子145が変位すると、可動部側圧電素子装着部143aの底部に加えられていた下向きの力がかからなくなるため、連結部147が弾性ヒンジの場合には、その弾性力により、可動部143が連結部147を支点として、より詳細には、連結部147の中心部を通るラジアル方向の直線147aを回動軸として、タンジェンシャル方向に対して所定角度傾斜するように、反時計回りに回動する(図11(c)の状態)。このときも、対物レンズ113のチルトの回動軸、すなわち、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線と、連結部147の中心位置にある可動部143の回動軸147aとが一致した状態のまま、対物レンズ113はチルト動作を行う。また、図11(a)〜(c)には図示していないが、上述した弾性体149が存在する場合には、弾性体149は、可動部143の反時計方向の回動により伸びる方向(図11では下方)に変位し、変位した方向とは逆の方向(図11では上方)に復元力を有するようになる。なお、図11(c)の状態から図11(a)の状態に戻るときの弾性体149の復元力の作用については、図11(b)の状態から図11(a)の状態に戻るときと同様の原理である。
以上のように、可動部143が固定部141に対して回動することにより、可動部143に連結されたアクチュエータ支持部130が、ラジアル方向の直線を回動軸として回動する。そして、このアクチュエータ支持部130の回動により、アクチュエータ支持部130に設置されたアクチュエータ110に装着された光学ピックアップ111に、弾性ヒンジ等の連結部147の中心に位置するラジアル方向の直線147aを回動軸として、タンジェンシャル方向のチルト動作を行わせることができる。
また、可動部143を回動させる作動手段として圧電素子145等の線形的に変位する部材を使用し、可動部143の回動中心となる連結部147として弾性ヒンジ等を使用することにより、可動部143(ひいては光学ピックアップ111)を微小な角度だけ回動させることができ、精密なチルトサーボを行うことができる。また、このときの最大角度は、圧電素子145等の変位量や弾性ヒンジの応力等に基づいて、適宜所望の最大角度となるように設計することができる。
さらに、可動部143が回動するときは、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線と、連結部147の中心位置にある可動部143の回動軸147aとが常に一致した状態のまま、対物レンズ113はチルト動作を行うことができる。すなわち、対物レンズ113は、常に、対物レンズ113の先端部の中心位置Cを通るラジアル方向の直線を回動軸としてチルト動作を行うことができるので、本実施形態によれば、チルトサーボ動作がフォーカスサーボやトラッキングサーボの外乱因子となる可能性を回避することができる。
(チルトサーボ方法について)
次に、図12及び図13を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置におけるチルトサーボ方法について説明する。なお、図12は、本実施形態に係るチルトサーボを実現するための機能構成を示すブロック図であり、図13は、本実施形態に係るチルトサーボ方法を適用したチルト補正の結果の一例を示す説明図である。
図12に示すように、本実施形態に係るチルトサーボ方法を実現するための機能構成として、本実施形態に係る光ディスク装置は、チルト制御部161と、チルト調整部163と、光学システム165と、チルト検出部167と、を主に有する。
チルト制御部161は、チルト検出部167により検出されたチルト誤差、すなわち、光ディスク5の法線方向とスピンドル軸とのなすチルト角に応じて、チルト調整部163に、光学ピックアップ111のチルト動作を指令する。
チルト調整部163は、チルト制御部161からの指令に基づいて、チルト調整機構120の動作を制御する。具体的には、例えば、チルト調整部163は、チルト制御部161の指令に基づいて、圧電素子145に印加する電圧を決定する。また、チルト調整部163は、調整後のチルト角を光学システム165に通知する。
光学システム165は、チルト調整部163から通知された調整後のチルト角に基づいて、チルト誤差の大きさを示すチルトエラー信号を生成する。生成されたチルトエラー信号は、チルト検出部167や他の処理部に供給される。
チルト検出部167は、光学システム165により生成されたチルトエラー信号に基づいて、チルト誤差を検出する。また、チルト検出部167は、検出したチルト誤差を電圧値に変換して、チルト制御部161にフィードバックする。なお、チルト検出部167は、チルト誤差を検出する際に、チルト調整部163による調整後のチルト角を参照してもよい。
以上のような信号処理部によりサーボ制御されたチルト補正の結果の一例を図13に示す。なお、図13において、「PZTドライバへの入力信号」とあるのは、PZT等の圧電素子に電圧を印加するPZTドライバへの入力される信号であり、「tan GESPP信号」とあるのは、4分割PDの信号の差異を利用してチルトを検出する方法を通して測定されたチルトエラー信号を意味している。
図13に示すように、本実施形態に係るサーボ方法によれば、チルト制御部161による制御を開始すると、チルト誤差が非常に小さくなり、安定したチルトサーボが可能であることがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、ラジアル方向のチルト動作をアクチュエータ110により行い、タンジェンシャル方向のチルト動作をチルト調整機構120により行う場合について説明したが、タンジェンシャル方向のチルト動作をアクチュエータ110により行い、ラジアル方向のチルト動作をチルト調整機構120により行ってもよい。
また、例えば、上述した実施形態においては、チルト補正部140が、固定部141、可動部143及び作動手段(圧電素子145)を有する場合について説明したが、チルト補正部140の構成は上述した構成には限られない。
また、例えば、上述した実施形態においては、連結部147に弾性ヒンジを適用した場合を例に挙げて説明したが、弾性ヒンジ以外にも板バネ等を使用してもよい。
ラジアル方向のチルト誤差及びタンジェンシャル方向のチルト誤差の内容を示す説明図である。 光ディスクを完全な平面と仮定した場合のチルト発生のメカニズムを示す説明図である。 光ディスクを完全な平面と仮定した場合のチルト角を示す説明図である。 光ディスクの面ぶれとチルト量との関係の一例を示す説明図である。 対物レンズとして固体浸レンズを使用した場合のチルトの許容範囲の一例を示す説明図である。 図5の場合のチルト誤差とジッターとの関係の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の全体構成を示す斜視図である。 同実施形態に係るチルト補正部の構成を示す正面図である。 同実施形態に係る可動部の回動軸と対物レンズの先端部(表面)の中心との位置関係を示す説明図である。 同実施形態に係るチルト補正部の構成を示す正面図である。 同実施形態に係るチルト補正部の動作を示す正面図である。 上記実施形態及び上記変更例に係るチルトサーボを実現するための機能構成を示すブロック図である。 同実施形態に係るチルトサーボ方法を適用したチルト補正の結果の一例を示す説明図である。
符号の説明
10 光ディスク装置
110 (3軸)アクチュエータ
111 光学ピックアップ
113 固体浸レンズ(SIL)
120 チルト調整機構
130 アクチュエータ支持部材
131 トラッキングガイドレール
140 チルト補正部
141 可動部
143 固定部
145 PZT
147 弾性ヒンジ
149 スプリング
161 チルト制御部
163 チルト調整部
165 光学システム
167 チルト検出部

Claims (7)

  1. 光ディスクに対してデータの記録及び/又は再生を行う光ディスク装置において、
    前記データの記録及び/又は再生を行うための光学ピックアップが装着され、前記光学ピックアップのフォーカシング動作、トラッキング動作、及び、前記光ディスクのラジアル方向とタンジェンシャル方向のいずれか一方のチルト動作を行うアクチュエータと、
    前記光学ピックアップに対して、前記ラジアル方向と前記タンジェンシャル方向のいずれか他方のチルト調整を行うチルト調整機構と、
    を備え、
    前記チルト調整機構は、
    前記アクチュエータを支持するアクチュエータ支持部と、
    前記アクチュエータ支持部を前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向の直線を回動軸として回動させることにより、前記データの記録及び/又は再生中における前記光ディスクの記録面と前記光学ピックアップのレンズ面とがなすチルト角を調整するチルト補正を行うチルト補正部と、
    を有し、
    前記回動軸は、前記光学ピックアップに備えられる対物レンズのレンズ面の中心を通ることを特徴とする、光ディスク装置。
  2. 前記チルト補正部は、
    前記光ディスク装置内に固定設置される固定部と、
    前記固定部に対して前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向の直線を回動軸として回動自在に連結されるとともに、前記アクチュエータ支持部と協動するように連結される可動部と、
    前記可動部及び前記固定部の内部を挿通するように設置され、前記光ディスクのディスク面の法線方向に変位することにより、前記固定部と前記可動部との連結部を支点として前記可動部を前記固定部に対して回動させる作動手段と、
    を有することを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記連結部は、弾性ヒンジで構成され、
    前記可動部は、前記弾性ヒンジを回動軸として、前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向のチルト角が変化するように回動することを特徴とする、請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記チルト補正部は、前記固定部と前記可動部とに両端が連結され、前記可動部が、前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向に対して所定角度傾斜した状態から、前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向と平行となる位置まで戻す復元力を供給する弾性体をさらに有することを特徴とする、請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 前記作動手段は、前記ディスク面の法線方向に変形する圧電素子又は磁歪素子であることを特徴とする、請求項3に記載の光ディスク装置。
  6. 前記光学ピックアップは、光源からの光を集光する対物レンズと、前記対物レンズを駆動させるレンズ駆動部と、を有し、
    前記対物レンズとして、固体浸レンズが使用されることを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  7. 光ディスクに対してデータの記録及び/又は再生を行うための光学ピックアップのフォーカシング動作、トラッキング動作、及び前記光ディスクのラジアル方向とタンジェンシャル方向のいずれか一方のチルト動作を行うアクチュエータを備える光ディスク装置に設けられ、前記ラジアル方向と前記タンジェンシャル方向のいずれか他方のチルト調整を行うチルト調整機構であって、
    前記光学ピックアップが装着された前記アクチュエータを支持するアクチュエータ支持部と、
    前記アクチュエータ支持部を前記ラジアル方向又は前記タンジェンシャル方向の直線を回動軸として回動させることにより、前記データの記録及び/又は再生中における前記光ディスクの記録面と前記光学ピックアップのレンズ面とがなすチルト角を調整するチルト補正を行うチルト補正部と、
    を備え、
    前記回動軸は、前記光学ピックアップに備えられる対物レンズのレンズ面の中心を通ることを特徴とする、チルト調整機構。


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