JP2009069129A - 電波修正時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の電波修正時計は、フィルタ回路のQ値がどのようなタイムコードを受信する場合においても一定であり、受信するタイムコードによって感度に差が出るという問題があった。
【解決手段】本発明の電波修正時計は、内蔵する受信回路に、Q値可変型のフィルタ回路と制御部とを有する。制御部は受信するタイムコードに応じた選局命令信号をフィルタ回路へ出力し、フィルタ回路は選局命令信号に基づいてQ値を切り換える。このような構成により、フィルタ回路は受信するタイムコードに対して最適なQ値を得ることができ、その結果、タイムコードによらず良好な受信感度を得ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の標準電波を受信することができる電波修正時計に関し、特にフィルタ回路を有する電波修正時計に関するものである。
現在、日本やアメリカ、ドイツ等の各国において、時刻情報入りの標準電波が送出されており、この標準電波を受信する時刻受信装置の一種として、計時時刻を修正する電波修正時計が実用化されている。
標準電波は1分間を1フレームとして1月1日からの累積日数から時、分までの時刻データをバイナリーコードで直列に送出している。具体的には1秒間に1つの矩形パルスで搬送波を振幅変調し、矩形パルスのパルス幅で”0”、”1”等を表現している。(以降、この矩形パルスのことをタイムコードと呼ぶ。)
そして、この”0”、”1”等の組み合わせで時刻情報が表わされるため、電波修正時計において、標準電波を受信し、その中からタイムコードを抽出することで、正確な時刻情報を得ることができる。
標準電波は国によって重畳されているタイムコードのパルス幅および搬送波の周波数が異なる。例えば、日本における標準電波は、タイムコードのパルス幅は200ms、500ms、800msの3種類であり、その搬送波周波数は40kHzおよび60kHzの2種類が使用されている。一方、ドイツにおける標準電波は、タイムコードのパルス幅は100ms、200ms、1000msの3種類であり、搬送波周波数は77.5kHzである。
電波修正時計の受信回路は、一般的にストレート方式が用いられる。そのブロック図を図9に示す。1はアンテナ、2は同調部、3は増幅回路、5はフィルタ回路、6は検波回路を示している。
アンテナ1および同調部2で同調を取り、標準電波を受信する。そして受信した標準電波を増幅回路3で増幅し、フィルタ回路5で必要な周波数成分だけを通過させた後、検波回路6で包絡線を抽出し、タイムコードを得る。
高い受信感度を得るためには、フィルタ回路5に高いQ値が求められる。このため、フィルタ回路5には、水晶振動子を使用した所謂水晶フィルタ回路が用いられる。
Q値とは、振動の状態を表すものであって、共振のピークを示す値として知られるものである。このQ値が高いほどピークが鋭くなる。
ストレート方式の受信回路は、簡単な構成で標準電波の受信が可能となるが、フィルタ回路5に水晶フィルタ回路を用いる場合、高いQ値を得られる反面、複数の周波数の標準電波を受信するには不向きとなる。
それは、水晶フィルタ回路が通過させる周波数が、使用する水晶振動子の特性により1つに決まってしまうため、複数の周波数に対して使用する場合には、その周波数の数だけ水晶振動子を使用する必要があるためである。
つまり、複数の周波数の標準電波を受信するには、その周波数の数だけ水晶振動子を設置しなければならず、回路規模の増大を招いてしまう。
そこで複数の周波数の標準電波を効率よく受信する方式として、スーパーヘテロダイン方式が用いられている。スーパーへテロダイン方式とは、混合回路を用いて周波数変換を行うことにより、複数の周波数の信号を同一の周波数に変換して扱う方式のことであり、
様々な技術が考案されている(例えば特許文献1参照。)。
ここで特許文献1に示した従来技術を、図10を用いて説明する。図10は、特許文献1に示した従来技術を、説明しやすいようにその主旨が変わらない範囲で簡略化した図である。4は混合回路、7は制御部、8は局部発振回路を示している。なお、すでに説明した構成には同一の番号を付与している。
図10に示した受信回路は、異なる2つの周波数(周波数f1またはf2)の標準電波を受信する。制御部7は、受信する標準電波の周波数に応じて、選局命令信号を同調部2へ出力する。同調部2は、入力された選局命令信号に従って同調周波数を設定する。このようにして、アンテナ1および同調部2は、複数の周波数の標準電波を受信する。
増幅回路3は、受信した信号を増幅し、混合回路4へ出力する。混合回路4は、増幅回路から入力される信号と、局部発振回路8から入力される信号とを混合し、それらの周波数の和と差とにあたる周波数の信号を出力する。これらの成分のうち、どちらか片方を信号として使用することになるが、特許文献1に示した従来技術によれば、局部発振回路8の発振周波数f0を(f1+f2)/2とすることで、受信する周波数によらず一定の中間周波数の信号を出力することができる。(以降、中間周波数をfiと表わし、周波数fiの信号を中間周波数信号と呼ぶ。)
その後、フィルタ回路5で必要な周波数成分だけを通過させた後、検波回路6で包絡線を抽出し、タイムコードを得る。
このように、混合回路4を用いて周波数変換を行い、複数の周波数の信号をほぼ等しい周波数に変換することで、ひとつのフィルタ回路5を、全ての周波数の標準電波に対して使用することができる。もちろん、フィルタ回路5に水晶フィルタ回路を用いてもよく、その場合であっても、複数の水晶振動子は必要ない。
このような構成は、特に、高感度な電波修正時計の受信回路において、スーパーへテロダイン方式は、回路の簡素化、外付け部品点数の削減など点で大きなメリットを持っている。
特開2004−80073号公報(第5項、第2図)
特許文献1に示した従来技術は、フィルタ回路5に水晶フィルタ回路を用いて複数の周波数の標準電波を受信する場合においても、1つの水晶振動子で高いQ値のフィルタを得ることができ、高いSN比を実現できるが、受信するタイムコードによって受信感度に差が出てしまうことがわかった。
それは、入力される信号の周波数帯域幅に対してフィルタ回路の通過帯域幅が十分に広くない場合、受信に必要なスペクトル成分までカットされてしまい、搬送波の包絡線である検波波形を抽出した時に、その包絡線になまりが生じてしまうためである。
ここで包絡線になまりが生じてしまう理由について説明する。
図11は、61はタイムコードのスペクトルを、62は搬送波をタイムコードによって振幅変調した標準電波のスペクトルを、63は中間周波数信号のスペクトルをそれぞれ模式的に示した図である。図の横軸は周波数を、縦軸は電力を示している。
搬送波周波数は、例えば、40kHzおよび60kHzであり、その周波数をfcとすると、標準電波のスペクトルはこのfcを中心に、タイムコードのスペクトルと同じスペクトル形状となる。
混合回路4によって周波数変換を行うと、スペクトルの中心周波数は変化するが、そのスペクトル形状は変わらない。そのため、中間周波数信号のスペクトルは中間周波数fiを中心に、タイムコードのスペクトルと同じスペクトル形状となる。
このようなスペクトル形状を持った中間周波数信号から、検波回路などによって包絡線を抽出することによってタイムコードを得ることができる。この操作は周波数軸で考えると、標準電波のスペクトルを、その形状を変えることなく中心周波数を0Hzへ戻す操作に相当する。この操作によって中間周波数信号は元のタイムコードと同じスペクトルとなり、その波形は当然、タイムコードと同じ波形となる。
しかしSN比を向上させるためにQ値の高いフィルタ回路を通すと、図11に示した中間周波数信号のスペクトル形状が変化してしまう。つまり、本来受信に必要な中間周波数信号の周波数成分まで除去されてしまうのである。検波回路などによってスペクトルの中心周波数を0Hzへ戻しても、そのスペクトル形状は元のタイムコードのスペクトル形状とは異なり、その時の波形も元のタイムコードとは異なる。
その結果、復元されるタイムコードは元のタイムコードと比べると、主に高い周波数成分が除去されているため、その波形は角が丸くなり、なまったような形になってしまう。
つまり、SN比を高くするためにはフィルタ回路のQ値は高い方が良いが、フィルタ回路のQ値が高過ぎると回路の応答性が悪くなり、タイムコードがなまってしまう。SN比と応答性とは、トレードオフの関係になっているのである。
一般に電波時計においては、検波波形を比較器によって波形整形することでタイムコードを得る。前述したようにこのタイムコードのパルス幅を読み取ることによって時刻情報を得るが、検波波形がなまってしまうとタイムコードのパルス幅が変化してしまい、受信感度の悪化を引き起こす。すなわち、SN比と応答性との関係で、受信感度が最高となるベストなQ値が存在するのである。
そして、そのベストなQ値は、受信する信号の帯域幅、すなわちタイムコードに依存することになる。パルス幅の狭いタイムコードを受信する場合には、パルス幅の広いタイムコードを受信する場合より広い通過帯域幅がフィルタ回路に求められることになる。タイムコードによって、受信感度が最高となるQ値が異なるのである。
しかし、特許文献1に示した従来技術は、フィルタ回路5のQ値が、受信するタイムコードによらず一定であるため、あるタイムコードを受信する場合には、Q値が高すぎ、またある別のタイムコードを受信する場合にはQ値が低すぎといった状態となり、結果的に受信感度の低下を引き起こしてしまう。
本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的とするところは、同一の電波修正時計で複数のタイムコードを受信する環境において、受信するタイムコードに応じてフィルタ回路のQ値を最適な値に切り換えることによって、あらゆる標準電波を受信する場合においても高い受信感度を実現できる電波修正時計を提供するところにある。
上記の課題を解決するため、本発明の電波修正時計は、以下のような構成を採用する。
電波信号を受信するためのアンテナと、電波信号を同調させる同調部と、同調部の同調データを設定する選局手段と、選局手段に選局命令信号を送る制御部と、電波信号から所定の信号通過帯域を抽出するフィルタ回路と、フィルタ回路で抽出された信号を検波する検波回路と、を有する複数の標準電波を受信する電波修正時計において、
フィルタ回路は、所定の信号通過帯域を含む異なる複数の信号通過帯域を作り出すための複数の構成要素と、この構成要素同士の接続を切り換える切換手段と、を有し、切換手
段は、選局命令信号を入力して動作し、フィルタ回路は、切換手段が動作したとき、所定の信号通過帯域とは異なる別の信号通過帯域に帯域制限することを特徴とする。
フィルタ回路は、それぞれの信号通過帯域でも増幅率は、ほぼ等しいことを特徴とする。
電波信号とフィルタ回路が有する複数の信号通過帯域とは、その中心周波数がほぼ等しいことを特徴とする。
基準発振器と、基準発振器の出力周波数を発振出力基準周波数として発振する局部発振回路と、局部発振回路で作られた局発周波数と電波信号とをミキシングする混合回路と、を有し、フィルタ回路の信号通過帯域の中心周波数は、混合回路で作られた中間周波数とほぼ同一の周波数であることを特徴とする。
フィルタ回路が有する複数の信号通過帯域同士は、その中心周波数がほぼ等しいことを特徴とする。
外部入力手段を有し、制御部は、外部入力手段からの情報に基づいて選局命令信号を出力することを特徴とする。
本発明の電波修正時計に用いるフィルタ回路は、複数の信号通過帯域を作り出すための複数の構成要素と、この構成要素同士の接続を切り換える切換手段を有している。
このような構成とすることにより、複数の標準電波を受信する際に、タイムコードに応じた最適なQ値を得ることができ、あらゆるタイムコードにおいて良好な受信感度を得ることが可能となる。
以下、本発明の電波修正時計の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態においては、受信したタイムコードを時刻情報へ変換する作業は、マイコンを使って行う場合を例にして説明する。なお、以下の説明にあたって、同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
[全体構成の説明:図1〜図7]
本発明の電波修正時計の第1の実施形態では、図1から図7を参照して説明する。まず、図1は、本発明の電波修正時計のブロック図を示す。1はアンテナ、11は受信回路、12はマイコン、13は時刻表示部を示している。
アンテナ1および受信回路11で標準電波を受信し、タイムコードを得る。そしてマイコン12でタイムコードを時刻情報へ変換し、時刻表示部13を制御することで、正確な時刻を表示することができる。
本発明の電波修正時計では、日本の標準電波である60kHzと、ドイツの標準電波である77.5kHzとの2種類の標準電波を受信するものとして説明する。
[受信回路の全体説明:図2]
図2は、図1に示す受信回路11の内部およびその接続を説明するためのブロック図である。図2において、2は同調部、3は増幅回路、4は混合回路、5はフィルタ回路、6は検波回路、7は制御部、8は局部発振回路である。また、9はスイッチを示している。
アンテナ1および同調部2で同調を取り、標準電波を受信する。そして、アンテナで受信した標準電波を増幅回路3で増幅して混合回路4に出力する。混合回路4は、増幅回路
3からの信号と局部発振回路8から入力される信号とを混合し、フィルタ回路5に出力する。フィルタ回路5で必要な周波数成分だけを通過させた後、検波回路6で包絡線を抽出し、搬送波に重畳されているタイムコードを復元し、復元したタイムコードをマイコン12へ出力する。マイコン12は、受信ICから入力されたタイムコードから、時刻情報を抽出して、時刻表示部13を制御する。
高い受信感度を得るためには、フィルタ回路5に高いQ値が求められる。このため、フィルタ回路5には、水晶振動子を使用した所謂水晶フィルタ回路が用いられる。
スイッチ9は、外部操作による受信局変更手段であり、通常は”L”レベルを出力している。そしてスイッチが挿下されている場合のみ、”H”レベルの信号を制御部7へ出力する。ここで信号の”H”レベルおよび”L”レベルはそれぞれ、信号線の電圧レベルが高い状態と低い状態とを表わしている。
制御部7は、受信する標準電波の周波数に応じて選局命令信号を同調部2とフィルタ回路5と局部発振回路8とへ出力する。選局命令信号は、日本の標準電波の受信時には”H”レベル、ドイツの標準電波の受信時には”L”レベルとなる。
スイッチ9から”L”レベルの信号が入力されている場合には、前回の受信時と同じ信号を選局命令信号として出力し、スイッチ9から”H”レベルの信号が入力された場合には、前回の受信時と反対の信号を選局命令信号として出力する。
例えば、前回日本の標準電波を受信していた場合、スイッチ9からの信号が”L”レベルであれば前回と同じ”H”レベルを出力し、スイッチ9からの信号が”H”レベルであれば”L”レベルを出力する。
[同調部の説明:図2、図3]
同調部2は、選局命令信号に従って、アンテナ1との同調をとる。同調部2の回路例を図3に示す。図3において、21、22は容量素子、23、24はスイッチ、10は接地(GNDレベル、例えば0V)を示している。
容量素子21、22は、それぞれ、アンテナ1と日本の標準電波である60kHzおよびドイツの標準電波である77.5kHzで共振するように容量値が設定されている。
”H”レベルの選局命令信号を受けた場合には、スイッチ23を閉じ、スイッチ24を開放することで、60kHzの標準電波を受信する。また”L”レベルの選局命令信号を受けた場合には、スイッチ23を開放してスイッチ24を閉じることで77.5kHzの標準電波を受信する。
このようにして、同調部2に選局命令信号を入力することで所定の周波数の標準電波を受信する。
混合回路4は、増幅回路3から入力される信号と、局部発振回路8から入力される信号とを混合し、それらの和と差にあたる成分の信号を出力する。これらの成分のうち、どちらか片方を信号として使用することになるが、ここでは差の成分を使用する。
このとき、局部発振回路8から出力される信号の周波数は、制御部7から入力される選局命令信号に従って設定される。つまり、”H”レベルの選局命令信号が入力された場合には、60kHz+Δfの周波数の信号を出力し、”L”レベルの選局命令信号が入力された場合には77.5kHz+Δfの周波数の信号を出力する。
その結果、混合回路4からは、受信する標準電波の周波数によらず、一定の周波数Δfの信号がフィルタ回路5に出力される。
[フィルタ回路の説明:図2、図4、図5、図6]
フィルタ回路5は、不要な周波数成分を除去し、必要な周波数成分のみを検波回路6に出力する。フィルタ回路5の回路例を図4に示す。図4において、51は水晶振動子、5
2はQ値減衰用の抵抗素子であり、ダンピング抵抗と呼ぶ。53は帰還抵抗、54は演算増幅器である。55はQ値調整用抵抗、56は増幅率調整用抵抗、57、58はスイッチを示している。演算増幅器54において、541は正の入力端子(以降INPと呼ぶ)、542は負の入力端子(以降INNと呼ぶ)を示している。
フィルタ回路5は、複数の信号通過帯域を作り出すための複数の構成要素を有している。また、それら構成要素を切り換える切換手段も有している。図4に示すフィルタ回路5の例では、ダンピング抵抗52、Q値調整用抵抗55、帰還抵抗53、増幅率調整用抵抗56が信号通過帯域を作り出すための複数の構成要素である。
ダンピング抵抗52とQ値調整用抵抗55とを並列接続するかどうかを切り換える切換手段として、スイッチ57が設けてあり、帰還抵抗53と増幅率調整用抵抗56とを並列接続するかどうかを切り換える切換手段として、スイッチ58が設けてある。
図5は、水晶振動子51の等価回路を示している。511は等価直列抵抗、512は等価直列容量、513は等価直列インダクタンス、514は電極容量を示している。
等価直列抵抗511と等価直列容量512と等価直列インダクタンス513とは、直列に接続されており、これと並列に電極容量514が接続されている回路となっている。
図6は、水晶振動子51の等価インダクタンス特性を模式的に示す図である。図6において、横軸は周波数を、縦軸は水晶振動子51の等価インダクタンスを示している。水晶振動子51の等価インダクタンスは、等価直列容量512と等価直列インダクタンス513との直列共振点においてゼロとなり、そのときの周波数をfrと表わす。周波数frにおける水晶振動子51の両端のインピーダンスは、等価直列抵抗511の値とほぼ等しくなる。
周波数frより高い周波数においては、等価直列容量512と等価直列インダクタンス513との直列合成インダクタンスは、等価直列インダクタンス513が支配的となり、誘導性となる。そして水晶振動子51の等価インダクタンスはその直列合成インダクタンスと電極容量514との並列共振点において無限大となる。そのときの周波数をfaと表わす。
周波数faより高い周波数においては電極容量514が支配的となり、水晶振動子51の等価インダクタンスは容量性となる。
すなわち、水晶振動子51は、周波数frおよび周波数faにおいて特異点を持つが、周波数faは、実装時や配線時などに発生する寄生容量の影響を受けやすい。そのため本実施形態では、周波数frの特性を利用する。
[動作の説明:図7]
まず、ドイツの標準電波を受信する場合の動作を説明する。ドイツの標準電波を受信するとき、制御部7から”L”レベルの選局命令信号が入力され、スイッチ57およびスイッチ58が開放される。
演算増幅器54は、非常に高い入力インピーダンスと非常に大きい増幅率を持っているため、演算増幅器54の内部には電流は流れ込まず、INPとINNとの電位は、ほぼ一定となるように動作する。このため、INNは、接地電位となる。
水晶振動子51とダンピング抵抗52とを流れる電流をI1とし、水晶振動子51の等価インピーダンスをZcとし、ダンピング抵抗52の抵抗値をRdとすると、電流I1は、次式で示すことができる。
I1=Vin/(Zc+Rd)
演算増幅器54の内部に電流は流れ込まないため、水晶振動子51およびダンピング抵抗52を流れた電流は全て帰還抵抗53に流れる。そのため、帰還抵抗53の抵抗値をRfとすると、帰還抵抗53で発生する電圧は、Rf*I1となる。
その結果、演算増幅器54の出力電圧は、次式で示すことができる。
−(Rf/(Zc+Rd))Vin
すなわち、図4に示す演算増幅器54の増幅率は、−Rf/(Zc+Rd)で与えられる。ここで符号がマイナスになっているのは、入力電圧の位相に対して出力電圧の位相が180°遅れていることを表わしているためである。
水晶振動子51の等価インダクタンスは、図6に示すようになるため、図4に示す演算増幅器54の増幅率周波数特性は図7のようになる。図7は、演算増幅器54の増幅率周波数特性を模式的に示すものである。図7において、横軸は周波数を、縦軸は演算増幅器54の増幅率を示している。
増幅率は、等価直列容量512と等価直列インダクタンス513との直列共振点の周波数frで最大値を取り、等価直列抵抗511の抵抗値をR1とすると、その時の増幅率は、次式で示すことができる。
Rf/(R1+Rd)
周波数frは、水晶振動子51の特性のみで決まるため、非常に精度の良いフィルタ特性を得ることができる。
また増幅率は、周波数faにおいて最小となるが、この周波数は標準電波の周波数とは十分に離れているため、その影響は小さい。
このとき、フィルタ回路5のQ値をQDCF77とし、等価直列インダクタンス513のインダクタンス値をL1とすると、QDCF77は、次式で示すことができる。
QDCF77=(2πf0*L1)/(R1+Rd)
ダンピング抵抗52がない場合のQ値は、水晶振動子51の特性で決まり、その値は非常に大きな値となる。そこに適当な抵抗値を持つダンピング抵抗52を挿入することで、ドイツの標準電波の受信に最適なQ値を得ることができる。
演算増幅器54の増幅率をADCF77とすると、ADCF77は、次式で示すことができる。
ADCF77=Rf/(R1+Rd)
つまり、帰還抵抗53の抵抗値を調整する事により、フィルタ回路のQ値とは独立に、フィルタ回路の増幅率を調整することができる。
次に、日本の標準電波を受信する場合について説明する。日本の標準電波を受信する場合には、制御部7から”H”レベルの選局命令信号が入力される。それによってスイッチ57およびスイッチ58は閉じられ、ダンピング抵抗52と並列にQ値調整用抵抗55が、帰還抵抗53と並列に増幅率調整用抵抗56が、それぞれ挿入される。
このとき、フィルタ回路5のQ値をQJJYとし、Q値調整用抵抗55とダンピング抵抗52の並列合成抵抗値をRaとすると、QJJYは、次式で示すことができる。
QJJY=(2πf0*L1)/(R1+Ra)
つまり、Q値調整用抵抗55の抵抗値を適当な値に設定することで、日本の標準電波の受信に最適なQ値を得ることができる。
スイッチ57およびスイッチ58を閉じた場合の演算増幅器54の増幅率をAJJYとし、増幅率調整用抵抗56と帰還抵抗53との並列合成抵抗値をRbとすると、AJJYは、次式で示すことができる。
AJJY=Rb/Ra
つまり、増幅率調整用抵抗56の抵抗値であるRbを適当な値に設定することで、”L”レベルの選局命令信号が入力されている状態、すなわちドイツの標準電波を受信する場合と等しい増幅率を得ることができるのである。
このように、受信するタイムコードに応じてフィルタ回路5のQ値を最適な値に切り換えることで、タイムコードによらず良好な受信感度を得ることができる。
以上の説明では、日本の標準電波とドイツの標準電波を受信する場合を例にして説明したが、もちろん、それに限定するものではない。大切なことは、受信する標準電波に対応してフィルタ回路5のQ値を最適な値に変更するというものであり、本発明の電波修正時計の仕様により、受信する標準電波の種類は適宜変更されるものである。
[全体構成の説明:図8]
次に、本発明の電波修正時計の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、フィルタ回路を複数設ける場合である。図8を参照して説明する。図8において、30および40はフィルタ回路を示している。31、41は水晶振動子、32、42はダンピング抵抗、33、43は帰還抵抗、34、44は演算増幅器である。61、62はスイッチである。
フィルタ回路30は、水晶振動子31とダンピング抵抗32とを直列に接続するとともに、ダンピング抵抗32を演算増幅器34のINNに接続している。演算増幅器34のINPは、接地(GNDレベル、例えば0V)に接続している。演算増幅器34の出力端子とINNとの間に帰還抵抗33を接続している。
フィルタ回路40の構成および各構成の接続形態は、フィルタ回路30と同じであるため説明は省略する。
フィルタ回路30は、日本の標準電波の60kHzの電波を受信する際に使用するフィルタ回路であり、水晶振動子31の直列共振周波数は、60kHzとなっており、ダンピング抵抗32は比較的小さな値となっている。
フィルタ回路40は、ドイツの標準電波の77.5kHzの電波を受信する際に使用するフィルタ回路であり、水晶振動子41の直列共振周波数は、77.5kHzとなっており、ダンピング抵抗42はダンピング抵抗32に比べて大きな値となっている。
このように、本発明の電波修正時計の第2の実施形態のフィルタ回路は、2つのフィルタ回路から構成しており、フィルタ回路30とフィルタ回路40とで、複数の信号通過帯域を作り出すための複数の構成要素となっている。
また、これらの構成要素を切り換える切換手段も有しており、スイッチ61、62である。図8に示すフィルタ回路の例では、フィルタ回路30とフィルタ回路40とのどちらを使用するかを切り換える切換手段として設けている。
帰還抵抗33および帰還抵抗43は、フィルタ回路30の増幅率とフィルタ回路40の増幅率とが等しくなるような値に設定されている。
”H”レベルの選局命令信号が入力されると、スイッチ61は閉じられ、スイッチ62は開放される。それによって信号は、フィルタ回路30を通過する。
”L”レベルの選局命令信号が入力されると、スイッチ62が閉じられ、スイッチ61が開放される。それによって信号は、フィルタ回路40を通過する。
このように、受信するタイムコードに応じてフィルタ回路を構成するフィルタ回路30とフィルタ回路40とを切り換え、Q値を最適な値に切り換えることができる。このため、タイムコードによらず高い受信感度を得ることができる。
本発明の電波修正時計は、フィルタ回路のQ値を切り換えることによって、受信するタイムコードに応じた最適なQ値を得ることができる。そのため、複数の標準電波を受信する電波修正時計に好適である。
本発明の電波修正時計を説明するためのブロック図である。 本発明の電波修正時計における受信回路を説明するためのブロック図である。 本発明の電波修正時計における同調部を説明するための回路図である。 本発明の電波修正時計におけるフィルタ回路を説明するための回路図である。 水晶振動子の等価回路図である。 水晶振動子の等価インダクタンス特性を模式的に示す図である。 本発明の電波修正時計におけるフィルタ回路の周波数特性を説明する図である。 本発明の電波修正時計における異なるフィルタ回路を説明する回路図である。 従来技術を説明するブロック図である。 特許文献1に示した従来技術を説明するブロック図である。 標準電波の周波数スペクトルを模式的に示した図である。
符号の説明
1 アンテナ
2 同調部
3 増幅回路
4 混合回路
5 フィルタ回路
6 検波回路
7 制御部
8 局部発振回路
9 スイッチ
11 受信回路
12 マイコン
13 時刻表示部
51 水晶振動子
52 ダンピング抵抗
53 帰還抵抗
54 演算増幅器
55 Q値調整用抵抗
56 増幅率調整用抵抗
57、58はスイッチ
541 正の入力端子(INP)
542 負の入力端子(INN)
61 タイムコードのスペクトル
62 標準電波のスペクトル
63 中間周波数信号のスペクトル

Claims (6)

  1. 電波信号を受信するためのアンテナと、
    該電波信号を同調させる同調部と、
    該同調部の同調データを設定する選局手段と、
    該選局手段に選局命令信号を送る制御部と、
    前記電波信号から所定の信号通過帯域を抽出するフィルタ回路と、
    該フィルタ回路で抽出された信号を検波する検波回路と、
    を有する複数の標準電波を受信する電波修正時計において、
    前記フィルタ回路は、前記所定の信号通過帯域を含む異なる複数の信号通過帯域を作り出すための複数の構成要素と、
    該構成要素同士の接続を切り換える切換手段と、
    を有し、
    前記切換手段は、前記選局命令信号を入力して動作し、
    前記フィルタ回路は、前記切換手段が動作したとき、前記所定の信号通過帯域とは異なる別の信号通過帯域に帯域制限することを特徴とする電波修正時計。
  2. 前記フィルタ回路は、それぞれの信号通過帯域でも増幅率は、ほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の電波修正時計。
  3. 前記電波信号と前記フィルタ回路が有する前記複数の信号通過帯域とは、その中心周波数がほぼ等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の電波修正時計。
  4. 基準発振器と、
    前記基準発振器の出力周波数を発振出力基準周波数として発振する局部発振回路と、
    前記局部発振回路で作られた局発周波数と前記電波信号とをミキシングする混合回路と、
    を有し、
    前記フィルタ回路の信号通過帯域の中心周波数は、前記混合回路で作られた中間周波数とほぼ同一の周波数であることを特徴とする請求項1または2に記載の電波修正時計。
  5. 前記フィルタ回路が有する前記複数の信号通過帯域同士は、その中心周波数がほぼ等しいことを特徴とする請求項4に記載の電波修正時計。
  6. 外部入力手段を有し、
    前記制御部は、前記外部入力手段からの情報に基づいて前記選局命令信号を出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の電波修正時計。
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