JP2009068480A - 微粒子分散エマルジョン燃料による内燃機関の稼働方法 - Google Patents

微粒子分散エマルジョン燃料による内燃機関の稼働方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃焼効率が高く、省エネ効果が非常に高い内燃機関の稼働方法を提供する。
【解決手段】可燃性油と水からなるエマルジョン燃料をレシプロエンジン内に供給して内燃機関を稼働する内燃機関の稼働方法であって、前記エマルジョン燃料が可燃性油又は水の平均粒径が1000nm以下(好ましくは、平均粒径が200〜700nm)のエマルジョンからなる内燃機関の稼働方法。 また、エマルジョン燃料中の水としては、通常の水、又は好ましくは還元電位が−100mv以下の水が使用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、可燃性油と水からなるエマルジョン燃料をレシプロエンジン内に供給して内燃機関を稼働する内燃機関の稼働方法に関し、さらに詳しくは、前記エマルジョン燃料中の可燃性油又は水の平均粒径が1000nm以下のエマルジョンからなる内燃機関の稼働方法に関するものである。本発明で使用する水−油系のエマルジョン燃料は、特に、水と可燃性油のエマルジョンの構成粒子を超微粒子状態となすことを特徴とするものであり、得られたエマルジョン燃料を各種動力用の内燃機関で燃料として用いた場合に、省エネルギー、及びNOx排出の削減等公害防止に資することができる。
昨今、原油の高騰と京都議定書の実効に伴う石油使用量の削減は、国際的にも大きな課題である。それに伴い日本でもエマルジョン型加水燃料が研究され、それらの組成や製造方法について多くの特許出願がなされており、一部実用化されている。
特開2006−329438号 特開2006−188616号 特開2005−344088号 特開2004−123947号 特開2003−113385号
前記の従来技術から明らかなように、各種エマルジョン型加水燃料が提案されているが、エマルジョン燃料(水−油系エマルジョン型加水燃料)は、水及び油に乳化剤を0.5〜5%添加し、撹拌混合してエマルジョン化したものであり、通常数μm〜数10μmの平均粒子径を含むものであったが、特に優れた乳化機を使って製造しても平均粒子径は数μm(1〜3μm程度)程度の所謂乳化状の液体の加水燃料(エマルジョン燃料)でしかなかった。また、従来のエマルジョン燃料は未だ燃焼の安定性に欠ける面があり、一部には、実用化の可能性が期待される技術が提案されてはいるものの、実用的に採用される状況には未だ至っていない。
本発明者らは、エマルジョン型加水燃料の欠点とされる安定性、と燃焼特性を改善し、実用化の可能なエマルジョン燃料を開発することを目標として、鋭意研究を積み重ねることにより、可燃性油と水のエマルジョンを長期間安定させ、更に安定した燃焼を達成するには、超微粒子状態(ナノレベル)での水と可燃性油のエマルジョン化が必要であるとの知見に達し、さらに研究を進めた結果本発明に到達した。
本発明者らは、エマルジョン燃料の粒子の平均粒径を1000nm以下、好ましくは平均粒径200〜700nmとにすることにより安定したエマルジョン燃料を製造することを可能とし、従来のエマルジョン燃料では達成できなかった高効率で内燃機関を稼働することが実現できることを知見した。このように、可燃性油と水のエマルジョンを分離しないように長期間安定化させるには、超微粒子状態(ナノレベル)の混合物となすのが好ましいことが解った。さらに、本発明のエマルジョン燃料の製造の際に使用する水としては、通常の水が使用できるが、還元水とすることにより水の表面張力がさらに減少し、可燃性油との分散又は混和がし易くなり、安定したエマルジョン形成が容易となることを本発明者らは見出した。超微粒子状態に可燃性油及び水を分散させることにより極限状態では乳化剤無しでも安定したエマルジョン状態を形成することができる。また、超微粒状態のエマルジョン燃料を使用することにより内燃機関の稼働時における燃料効率の向上、排ガス中のNOxの低減効果が奏されることが解った。
本願発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、上記の課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)可燃性油と水からなるエマルジョン燃料をレシプロエンジン内に供給して内燃機関を稼働する内燃機関の稼働方法であって、前記エマルジョン燃料が可燃性油又は水の平均粒径が1000nm以下のエマルジョンからなることを特徴とする内燃機関の稼働方法。
(2)前記エマルジョン燃料中の水又は可燃性油の平均粒径が200〜700nmであることを特徴とする上記(1)に記載の内燃機関の稼働方法。
(3)前記エマルジョン燃料が、可燃性油100容量部に対して水10〜150容量部からなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の内燃機関の稼働方法。
(4)前記エマルジョン燃料が、可燃性油100容量部に水25.0〜40.0容量部からなることを特徴とする上記(3)に記載の内燃機関の稼働方法。
(5)上記エマルジョン燃料が、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、1個又は2個以上のオリフィスで生じる乱流によるキャビテーション効果により微細化・混合させる装置により製造されたことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
(6)上記エマルジョン燃料が、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、流速50m/s以上の流速でポンプ中を流し、それを直径500μm以下の孔が多数存在する壁体の孔の中を加速させて通し、液流同士の乱流によるキャビテーション効果により微細化・混合させる装置により製造されたことを特徴とする上記(5)に記載の内燃機関の稼働方法。
(7)上記エマルジョン燃料の水が、還元水、又はそれ以外の水であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
(8)前記還元水の還元電位が−100mv以下であることを特徴とする上記(7)に記載の内燃機関の稼働方法。
(9)前記水が飲料用上水、雨水、生活排水、有機廃水、工業廃水又は畜産廃水から選ばれるいずれか1つ又は2以上であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の内燃機関の稼働方法。
(10)可燃性油が重油、軽油、灯油、揮発油等の石油類、工業廃油、天麩羅油、大豆油、ごま油等の食用油から選ばれるいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の内燃機関の稼働方法。
(11)エンジンの回転数を100〜2600rpmとして稼働することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
(12)エンジンの回転数を1000〜2200rpmとして稼働することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
本発明は、可燃性油と水からなるエマルジョン燃料を、レシプロエンジン内に噴霧等により供給して内燃機関を稼働する内燃機関の稼働方法であって、前記エマルジョン燃料が可燃性油又は水の平均粒径が1000nm以下のエマルジョンからなる内燃機関の稼働方法に関するものであり、前記エマルジョン燃料中の水又は可燃性油の平均粒径が200〜700nmであることが好ましい。また、前記エマルジョン燃料としては、可燃性油100容量部に対して水10〜150容量部、好ましくは、可燃性油100容量部に水25.0〜40.0容量部からなる燃料が使用される。本発明では、W/O型のエマルジョン燃料の使用が適している。本発明の内燃機の稼働方法を実施するに当たっては、エンジンの回転数を100〜2600rpm、好ましくは1000〜2200rpmで稼働することが適しており、これによりエンジンの出力、トルク、及び燃料消費量に優れた内燃機関の稼働方法を提供することができる。
上記エマルジョン燃料は、例えば、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、1個又は2個以上のオリフィスで生じる乱流によるキャビテーション効果により微細化・混合させる装置により製造されたものであり、好ましくは、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、流速50m/s以上の流速でポンプ中を流し、それを直径500μm以下の孔が多数存在する壁体の孔の中を加速させて通し、液流同士の乱流によるキャビテーション効果により微細化・混合させる装置により製造されたものである。
上記エマルジョン燃料中に含まれる水としては特に限定されることはなく、通常の水、例えば、水道水が使用されるが、還元処理した水、例えば、前記還元水の還元電位が−100mv以下である還元処理水が好ましい。また、前記水の具体例としては、飲料用上水、雨水、生活排水、有機廃水、工業廃水又は畜産廃水から選ばれるいずれか1つ又は2以上から選択される。本発明で使用する可燃性油としては特に限定されることはなく、例えば、重油、軽油、灯油、揮発油等の石油類、工業廃油、天麩羅油、大豆油、ごま油等の食用油から選ばれて使用される。エマルジョン燃料中の可燃性油又は水が、PCB類又はダイオキシン類あるいはPCB類及びダイオキシン類等の有害物を含んでいても内燃機関の稼働時に分解されるので、本発明の内燃機関の稼働時に有害物の無害化処理を同時に行うことができる。
本発明で使用するエマルジョン燃料を製造するには、水と可燃性油の混合液を、例えば、加圧して1個又は複数個の小孔を通し、オリフィスを通る時の乱流によるキャビテーション効果により微細化混合して製造したエマルジョン燃料、例えば、この微細化・混合した約25%水を含むエマルジョン燃料を、エンジンに噴霧等により供給して燃焼させてもエンジントラブルを起こさず、ほぼA−重油や軽油と同じ出力とトルクを示し、燃料消費量は25%の水を含むにもかかわらず同じであった(単純に計算すれば25%省エネとなった。)。しかも、煤やダイオキシンは1/2〜1/5(理論的には発生せず)、NOxも1/2〜1/3程度になり、燃焼炉の燃料としては更に省エネ効果は大きく、25〜35%の省エネルギーとなり、さらに廃油も原料として利用可能である。すなわち、本発明では、油と水を超微細化状態で混合したエマルジョン燃料を使用することにより、内燃機関の燃費の向上、排ガスのクリーン化に資することができる。
本発明で使用するエマルジョン燃料は、可燃性油100容量部に対して水10.0〜150.0容量部(より好ましくは水25.0〜120.0容量部)からなり、水の量が少量すぎると可燃性油の消費量が多くなりエマルジョン燃料の本来の目的が達成することができない。また、水の量が多くなると、超微細化状態のエマルジョンを形成することが困難となるばかりか、エマルジョン燃料の長期安定性を保持できなくなるおそれがある。
本発明で使用するエマルジョン燃料を製造するために用いられる、微細化・混合手段としては、1000nm以下の粒径を有するエマルジョンを形成することが可能なものであれば利用できるが、例えば、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、1個又は2個以上のオリフィスで生じる乱流によるキャビテーション効果で微細化・混合させる装置を挙げることができる。例えば、微細化・混合するには、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、流速50m/s以上の流速でポンプ中を流し、それを直径500μm以下の孔が多数存在する壁体の孔の中を加速させて通し、液流同士の乱流によるキャビテーション効果により微細化・混合する装置を挙げることができる。このような微細化・混合手段を有する装置としては、例えば、エス・ジーエンジニアリング(株)の特許による吉田機械興業株式会社製の「ナノマイザー」が例示される。
この種の微細化・混合手段の機構としては、例えば、ナノマイザー内のプランジャーで一次混合液を加圧して、流速100m/s以上の流速でポンプ中を流し、次いで100μm程度の溝(細孔)が直交して存在する2枚の円盤の溝(細孔)の中を加速された一次混合液が通過し、液流同士を衝突させて微細化・混合する。以上にしたがい、水・可燃性油混合液をナノマイザーの200μm以下のオリフィス孔を高圧で何段も通すことにより、狭いオリフィスを通過するときに乱流を生じ、その乱流効果によりナノレベル級の強力な撹拌作用が生じる。その結果、水(又は油)がナノレベル(例えば水の平均粒径が200〜700nm)に細分化され、それが油の中に拡散して(W/O型エマルジョンとなり)安定化する。本発明のエマルジョン燃料中には乳化剤が必ずしも含まれている必要はないが、エマルジョン安定性のために乳化剤を約5〜0.01wt%含んでいることが好ましい。本発明では、超微細粒子又は還元水の使用により水と可燃性油との親和性が向上しているため乳化剤の使用量を低減することが可能となる。乳化剤としては、エマルジョン燃料の製造に公知の種類のものが使用される。
本発明で使用するエマルジョン燃料の製造には、例えば、水と可燃性油を一次混合する水−可燃性油一次混合手段と、前記一次混合手段で得られた水−可燃性油系一次混合物を微細化・混合して微粒子状態にし、水又は可燃性油の平均粒径が1000nm以下のエマルジョン燃料とする微細化・混合手段を用いる。例えば、可燃性油100容量部に対して水25.0〜120.0容量部を加えつつ「ナノマイザー」(液体試料中に分散された一次混合液を微細化・混合する装置)に導入して、水・可燃性油の一次混合液を微細化・混合して、水・可燃性油の超微細粒子を含む混合物からなる本発明で使用するエマルジョン燃料を製造する。
また、本発明では、水であればいかなる種類のものであっても特に制限なく使用されるが、使用する水の還元電位を下げることが好ましい。水の還元方法は特に限定されないが、工業的には電解による方法が好ましい。他に薬品による方法、電気石等の鉱石による方法も利用される。電解による方法による電解時には、陰極に水素、陽極に酸素が発生するが、還元の際は、酸素は不要なので隔膜で外に出すか、陽極板と反応させて固定する。そのときの極板は亜鉛やマグネシウム又はその合金が使われる。水の還元電位は−100mv以下、出来れば−300mv以下が好ましい。本来水と油が混ざりにくいのは水の表面張力が大きいためであるが、水の還元電位を下げることにより表面張力が下がり油と水が混ざりやすくなる。
また、温度を上げるとクラスターも小さくなり粘度も下がるので油と混ざりやすくなる。
この様に水の還元電位を−100mv以下、好ましくは−300mv〜−700mvに下げ、温度を50℃以上、好ましくは70〜90℃に上げた水に、可燃性油を加え、この油と水をナノレベルの超微粒子状態に微細化・混合する場合には、水の還元電位、温度、ナノマイザーの圧力等のファクターを適宜調整するのが好ましい。これらのファクターのによる影響は相対的なものであり、例えば、還元電位が低くなれば、ナノマイザーの圧力は比較的低くて済む等の関係がある。
従来、エマルジョン燃料(水−油系エマルジョン型加水燃料)は、水及び油に乳化剤を0.5〜5%添加し、撹拌混合してエマルジョン化したものであり、通常数μm〜数10μmの平均粒子径を含むものであったが、特に優れた乳化機を使って製造しても平均粒子径は数μm(1〜3μm程度)程度で、所謂乳化状の液体の加水燃料(エマルジョン燃料)しか製造することはできなかった。そして、こうした従来の乳化液のエマルジョン燃料は、時間と共に分離する傾向があり好ましくなかった。たとえ、分離しなくても揺変性(チクソトロピー)とは逆に、力が加わると粘度が高くなる性質(ダイラタンシー)を発揮し、これによりパイプやノズルを詰まらせる事故が発生することがあった。
本発明で使用するエマルジョン燃料は、油と水が超微粒子状態(ナノレベル)で混合されていて、水又は可燃性油の構成粒子の平均粒径が1,000nm、好ましくは200〜700nmのエマルジョン燃料となるので、安定性は抜群によく、燃焼効率も高く、エンジン用、燃焼炉用、焼却炉用、ボイラー用、発電用等の全てに使用できるが、特にレシプロエンジンの燃料として有用である。例えば、本発明は車や船のエンジン燃料に使えば、15〜20%省エネとなり、また、煤、ダイオキシンは1/2〜1/5、NOxは約1/2〜1/3となって低公害性が得られる。また、前記エマルジョン燃料の安定性が良いのでガソリンスタンドでこの微粒子混合液を作製し、現状と同様に車の燃料タンクに補給することも期待される。
さらに、ボイラー、発電機、燃焼炉、焼却炉にも適用できると共に、廃油を燃料として利用することも可能であり、燃焼炉用に使えば省エネ効果としては、例えば30〜40%増大できるという結果を得ている。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、デンヨー社製のディーゼル発電機13ESY型(エンジン:((株)ヤンマー製の4サイクル立型水冷直列3気筒ジーゼルエンジン、発電機:ブラシレス回転界磁型同期発電機)を使用して発電し、エンジン排ガス中の窒素酸化物濃度及び酸素濃度を連続して測定するとともに、単位重油当たりの発電量を測定し、本発明のエマルジョン燃料による発電効率を測定した。
本発明のエマルジョン燃料としては、特A重油75wt%、水24.7wt%、乳化剤0.3wt%の組成のものを製造し使用した。このエマルジョン燃料は、A−重油8.33リットルに水2.50リットル及び乳化剤0.04リットル(重油100容量部:水29.7容量部:乳化剤0.5容量部)を加えて手動撹拌により一時撹拌した後、圧力3MPでナノマイザー装置(吉田機械工業株式会社製)に通して微細化・混合して製造した。生成したエマルジョン燃料中の水の平均粒径は約300〜500nmであった。エマルジョン燃料中の水としては、水道水を使用した。
製造したエマルジョン燃料及びA重油単独(比較例)を燃料として上記ディーゼル発電機を連続して運転して、排ガス中のNOx及びO2濃度及び発電量を測定した。排ガス中のNOx濃度及びO2濃度は発電機出口煙道で連続して測定した。エマルジョン燃料を使用したエンジン排ガス中のNOx濃度の測定結果を表1に示した。特A重油を単独で燃料としたエンジン排ガス中のNOx濃度の測定結果を表2に示した。エマルジョン燃料を使用した場合は、エンジン排ガス中のNOx濃度の平均値は193ppmであるのに対し、A重油単独で燃料とした場合には、NOx濃度の平均値は369ppmであり、本発明により、排ガス中のNOxの濃度を大きく低下させることが可能であることが解った。
本実施例における発電結果を表3に示す。ジーゼル発電機で消費した単位重油当たりの発電量は、本発明のエマルジョン燃料を使用すると3.33KWH/Kgとなり、重油単独を燃料とすると2.73KWH/Kgとなり、本発明では約22%発電量が増加し、発電効率が向上したことが実証された。
本願発明の他の実施例について比較例と共に説明する。
水(水道水)8リットルを70℃に加熱し、これを株式会社環境還元研究所製の風呂水用還元装置を使い、酸化還元電位を−114mvに還元した還元水を製造した。この還元水1.96リットルに、A−重油5.88リットル、及び乳化剤160ccを加え、手動撹拌により一次撹拌した後、圧力3MPでナノマイザー装置を通し微細化・混合してエマルジョン燃料を製造した。得られた各エマルジョン燃料はW/O型エマルジョンであり、エマルジョン中の水の平均粒径は300〜500nmであった。得られたエマルジョン燃料は試料2とし、試料3は試料2と同様にして製造した混合液を8MPでナノマイザーを通してエマルジョン燃料とした。また、試料1は比較例としてのA−重油である。試料4は、比較例としての軽油である。試料5及び6は、試料2及び3において、A−重油の代わりに軽油を使ったエマルジョン燃料である。試料5は圧力3MP、試料6は圧力8MPの圧力下でそれぞれナノマイザーを通し微細化混合した。
各試験試料の詳細を次に列記する。
〔エンジン特性試験に使用したエマルジョン燃料及び比較用のA−重油、軽油〕
試料1:A−重油100%(比較用)
試料2:A−重油73.5%、還元水24.5%、活性剤2%の混合物を、3MPでナノマイザー処理(エマルジョン燃料)
試料3:A−重油73.5%、還元水24.5%、活性剤2%の混合物を、8MPでナノマイザー処理(エマルジョン燃料)
試料4:軽油100%(比較用)
試料5:軽油73.5%、還元水24.5%、活性剤2%を、3MPでナノマイザー処理(エマルジョン燃料)
試料6:軽油73.5%、還元水24.5%、活性剤2%を、8MPでナノマイザー処理(エマルジョン燃料)
上記各試料を燃料として、レシプロエンジン内に噴霧供給しエンジンを稼働させる試験した結果を、表4〜表6及び図1〜図4に示す。その結果、いずれのエンジン回転数においても、本発明の稼働方法において燃料消費量が大幅に低減していることが解った。また、出力及びトルクの値は、24.5%の水を含んだエマルジョンにも拘わらず、重油又は軽油を単独で使用した場合とほぼ同等の値を示した。
表4は、エンジン回転数が1000rpmの場合の試験結果であり、表5は、エンジン回転数が1400〜2200rpmの場合の試験結果であり、表6は、エンジン回転数が2700rpmの場合の試験結果である。
また、図1は、試料1(比較例燃料)と試料2(エマルジョン燃料)を使用したエンジン試験結果、図2は、試料1(比較例燃料)と試料3(本願発明のエマルジョン燃料)を使用したエンジン試験結果、図3は、試料4(比較例燃料)と試料5(エマルジョン燃料)を使用したエンジン試験結果、図4は、試料4(比較例燃料)と試料6(エマルジョン燃料)を使用したエンジン試験結果を示す。
上記各試料の稼働試験結果から以下のことが解った。
1.全ての試料燃料(24.5%の水を含むエマルジョン)において、全負荷運転での性能に大きな変化は見られない。
2.エマルジョン燃料でのスモークは大きく改善された。
3.可燃性油のみの使用で発揮される出力、トルクを得るのに、エマルジョン燃料を使用すると、可燃性油の消費量(使用量)を約25%削減できた。
4.エマルジョン燃料での軽負荷時に性能が低下した。排気温度も低下した。A−重油、軽油に24.5%の水を添加したエマルジョン燃料を使用した稼働試験では、2,200rpmまではほとんどA−重油、軽油100%と変わらない特性を示した。このことは驚異的に優れた性能である。しかし、2,600rpm以上では失火が起こることがある。したがって、例えば、船に本願発明のエマルジョン燃料を使用した稼働方法を応用する場合は、港では軽油を使い港外でエマルジョン燃料に切り替えて使用すると良いものと考えられる。
本発明は、可燃性油と水からなるエマルジョン燃料をレシプロエンジン内に供給して内燃機関を稼働する内燃機関の稼働方法であって、さらに詳しくは、前記エマルジョン燃料が可燃性油又は水の平均粒径が1000nm以下のエマルジョンからなる燃料を使用した内燃機関の稼働方法に係るものであり、特にエマルジョン燃料中の水の平均粒径が200〜700nmであるW/O型のエマルジョン燃料をレシプロエンジン内に噴霧等により供給することを好ましい態様とするものである。
本発明の方法により稼働した内燃機関は、燃料効率が向上するとともに、エンジン排ガス中に含まれるNOx濃度は、燃料油のみを使用した通常の稼働と対比して格段の減少効果を奏するものである。また、本発明の内燃機関の稼働方法を実施することにより、石油消費量の低減、大気汚染の解消、二酸化炭素及び一酸化炭素の排出総量の減少等、産業上のエネルギー効率の向上、人体の健康又は環境への悪影響を低減することを可能とする有益な内燃機関の稼働方法である。
エマルジョン燃料又は重油を燃料として用いた動力用エンジン燃料試験結果を示すグラフ図。 エマルジョン燃料又は重油を燃料として用いた動力用エンジン燃料試験結果を示すグラフ図。 エマルジョン燃料又は軽油を燃料として用いた動力用エンジン燃料試験結果を示すグラフ図。 エマルジョン燃料又は軽油を燃料として用いた動力用エンジン燃料試験結果を示すグラフ図。

Claims (12)

  1. 可燃性油と水からなるエマルジョン燃料をレシプロエンジン内に供給して内燃機関を稼働する内燃機関の稼働方法であって、前記エマルジョン燃料が可燃性油又は水の平均粒径が1000nm以下のエマルジョンからなることを特徴とする内燃機関の稼働方法。
  2. 前記エマルジョン燃料中の水又は可燃性油の平均粒径が200〜700nmであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の稼働方法。
  3. 前記エマルジョン燃料が、可燃性油100容量部に対して水10〜150容量部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の稼働方法。
  4. 前記エマルジョン燃料が、可燃性油100容量部に水25.0〜40.0容量部からなることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の稼働方法。
  5. 上記エマルジョン燃料が、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、1個又は2個以上のオリフィスで生じる乱流によるキャビテーション効果により微細化・混合させる装置により製造されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
  6. 上記エマルジョン燃料が、水と可燃性油の一次混合液を加圧して、流速50m/s以上の流速でポンプ中を流し、それを直径500μm以下の孔が多数存在する壁体の孔の中を加速させて通し、液流同士の乱流によるキャビテーション効果により微細化・混合させる装置により製造されたことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の稼働方法。
  7. 上記エマルジョン燃料の水が、還元水、又はそれ以外の水であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
  8. 前記還元水の還元電位が−100mv以下であることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の稼働方法。
  9. 前記水が飲料用上水、雨水、生活排水、有機廃水、工業廃水又は畜産廃水から選ばれるいずれか1つ又は2以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の稼働方法。
  10. 可燃性油が重油、軽油、灯油、揮発油等の石油類、工業廃油、天麩羅油、大豆油、ごま油等の食用油から選ばれるいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の稼働方法。
  11. エンジンの回転数を100〜2600rpmとして稼働することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
  12. エンジンの回転数を1000〜2200rpmとして稼働することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関の稼働方法。
JP2007241127A 2007-09-18 2007-09-18 微粒子分散エマルジョン燃料による内燃機関の稼働方法 Pending JP2009068480A (ja)

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