JP2009067883A - フォトレジスト用単量体、高分子化合物及びフォトレジスト組成物 - Google Patents

フォトレジスト用単量体、高分子化合物及びフォトレジスト組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐薬品性等の安定性を保持しつつ、有機溶剤に対する溶解性に優れ、加水分解性及び/又は加水分解後の水に対する溶解性を向上し、高い耐エッチング性を示すフォトレジスト樹脂及びその組成物を提供する。
【解決手段】下記式(I)
Figure 2009067883

(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rはメチル基を示し、Aはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を示す。)で表されるフォトレジスト用単量体。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体の微細加工などを行う際に用いるフォトレジスト用単量体、高分子化合物、及びフォトレジスト組成物ならびにフォトレジスト組成物を使用する半導体の製造方法に関するものである。
半導体の製造において、パターン形成のためのリソグラフ技術は飛躍的な革新により、近年その線幅が極微細化されている。リソグラフのための露光は当初、i線、g線が使用され、その線幅も広いものであった。従って、製造される半導体の容量も低かった。しかし、近年の技術開発により、KrFエキシマレーザの使用が可能となり、その線幅も飛躍的に微細なものとなった。その後も、更に短波長であるArFエキシマレーザの適用を目指して開発が進み、極近年においてその実用化がなされた。KrFエキシマレーザでの露光では、従来の樹脂であるノボラック系又はスチレン系樹脂が使用されていたが、ArFエキシマレーザの波長は193nmと更に短波長となり、ノボラック系やスチレン系樹脂のように芳香族を含むものは、その波長を吸収するために、樹脂の構造は芳香族を含まない、つまり脂環族のものに置き換えられた。使用される樹脂はアクリル系がメインであり、アクリル酸を保護基で保護して、露光により発生した酸により保護基が脱離してカルボン酸となり、アルカリ可溶性となる機構を応用している。現在使用されている保護基は脂環族で極性基を有していないものが多く、それだけでは基板への密着性の悪さや、アルカリ現像液などとの親和性にかけており、極性基を有する脂環骨格をエステル基とするアクリル系の単量体が数多く提案されている。中でも、極性基としてラクトン環を有する脂環式骨格はその機能性は高く評価されて数多く使用されている。その一部として特許文献1や特許文献2がある。ラクトン環の単環のエステル基の提案も特許文献3などにあるが、単環では耐エッチング性という、レジストに最も要求される機能に欠けており、あまり使用されていないようである。現在は、基板と露光機の間を密度の高い液で満たす液浸露光と言う方法が検討され、更に、レジストパターンは微細化され、それに伴って膜厚も薄くなる傾向があり、耐エッチング性を有する単量体への要望が強い。また、ラクトン環を有する脂環族のアクリルエステルを多く有する樹脂は、レジスト溶媒など有機溶媒への溶解性に難があり、溶解度改善もレジストに使用される樹脂に要望は強いものがある。
特開2000−026446号公報 特開2006−076981号公報 特開平10−274852号公報
本発明の目的は、レジスト用樹脂等に応用した場合に耐薬品性等の安定性を保持しつつ、有機溶剤に対する溶解性に優れ、加水分解性及び/又は加水分解後の水に対する溶解性を向上しうる、高機能性高分子等のモノマー成分等として有用な新規なラクトン骨格を含む多環式エステルとその樹脂、及びフォトレジスト用組成物ならびに半導体の製造方法を提供することにある。本発明の更なる目的は、フォトレジスト用樹脂として使用した場合に、高い耐エッチング性を示す樹脂を提供して、特に液浸露光で使用されるフォトレジスト樹脂及びその組成物を提供することにある。
本発明は、フォトレジスト樹脂に使用されるラクトン骨格を有する単量体を種々検討した結果、樹脂にした場合に溶剤溶解性の良好で、耐エッチング効果も高い単量体を発見するに至り、本発明を完成した。
本発明は、下記式(I)
Figure 2009067883


(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rはメチル基を示し、Aはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を示す。)で表されるフォトレジスト用単量体を提供するものである。
更に本発明は、下記式(1)
Figure 2009067883


(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rはメチル基を示し、Aはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を示す。)で表されるモノマー単位を有するフォトレジスト用高分子化合物を提供するものである。
更にまた、本発明は、前記高分子化合物が更に、下記式(2a)〜(2d)
Figure 2009067883

(式中、環Zは置換基を有していてもよい炭素数5〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R〜Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、m個のRのうち少なくとも1つは、−COOR基を示す。前記Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。mは1〜3の整数を示す。R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは水素原子又は有機基を示す。R、R、Rのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい)から選択された少なくとも1種のモノマー単位を含む前記記載のフォトレジスト用高分子化合物を提供するものである。
本発明はまた、前記高分子化合物が更に、下記式(3)
Figure 2009067883


(式中、環Yは炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは環Yに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。nはRの個数であって1〜5の整数を示す。)で表されるモノマー単位を含むことを特徴とする前記に記載のフォトレジスト用高分子化合物を提供するものである。
本発明は更に、重量平均分子量が1000〜50000である前記のいずれかに記載のフォトレジスト用高分子化合物を提供するものである。
また、本発明は、分子量分布が1.0〜3.0である前記のいずれかに記載のフォトレジスト用高分子化合物を提供するものである。
本発明は更に、前記のいずれかに記載のフォトレジスト用高分子化合物及び少なくとも光酸発生剤を含むことを特徴とするフォトレジスト組成物を提供するものである。
本発明は、また、前記記載のフォトレジスト組成物を使用してパターンを形成することを特徴とする半導体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ポリマー等に誘導した場合に耐薬品性等の安定性を保持しつつ、有機溶剤に対する溶解性に優れ、環の加水分解性及び/又は加水分解後の水に対する溶解性を向上しうる、高機能性高分子等のモノマー成分等として有用な新規なラクトン骨格を含む多環式エステルとその樹脂、及びフォトレジスト用組成物ならびに半導体の製造方法を提供される。更には、フォトレジスト用樹脂として使用した場合に、高い耐エッチング性を示す樹脂を提供して、特に液浸露光で使用されるフォトレジスト樹脂及びその組成物を提供される。
なを、本明細書において、メタクリル酸誘導体やアクリル酸誘導体などのメタクリル及びアクリルを総称して(メタ)アクリルと記載したり、(メタ)アクリロイルなどと記載することがある。
本発明のフォトレジスト用単量体は前記式(I)によって表される。式(I)において、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rはメチル基を示し、Aはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を示す。
としてのハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、ヨード原子などが挙げられる。ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等が挙げられる。
式(I)で示される単量体のうち、特に好ましい例として2−メチル−6−(メタ)アクリルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン(以下、MMODと略称することがある)についての製造方法について、反応式と共に以下に説明する。
2−メチル−6−(メタ)アクリルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オンは下記式(4)に示すように、2−メチル−6−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン(以下、MHODと称すこともある)と(メタ)アクリル酸誘導体から合成される。
Figure 2009067883

(メタ)アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸、無水(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライドなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸を使用する場合は、蒸留方法による脱水縮合によってエステル化され合成される。脱水縮合はエステル化によって生成する水を反応系外へ追い出すために、水と共沸する有機溶媒が使用される。また、蒸留系外へ出された後に、水と分液する有機溶媒が好ましい。それにより、分液した有機溶媒はデカンターなどを使用して、水と分離して、再び反応系内へ戻すことが可能である。
無水(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸クロライドを使用する場合は、溶液として反応させることで、エステル化が可能であるが、酸触媒や塩基性物質を使用することも好ましい。反応によって得られたMMODはカラムクロマトグラフィーや再結晶などの通常の精製手段を用いて精製することが可能である。
前記式(4)に使用される原料である2−メチル−6−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン(MHOD)は、下記式(5)に示すように合成される。
Figure 2009067883

この合成工程は原料であるα−メチル−5−ノルボルネン−2−酢酸(以降MN酸と呼ぶこともある)の2重結合を酸化し、エポキシ化することでフリーのカルボン酸とエポキシ基が反応して環化しラクトン環を形成し、2−メチル−6−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン(MHOD)を生成するものである。この工程を環化工程と呼ぶこととする。この環化工程においてエポキシ基を生成させる反応においては過酸または過酸化物が使用される。
過酸としては、例えば、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸などの有機過酸;過マンガン酸などの無機過酸が挙げられる。過酸は塩の形態で使用することもできる。有機過酸は平衡過酸(例えば、平衡過ギ酸、平衡過酢酸等)であってもよい。すなわち、例えば、ギ酸、酢酸などの有機酸と過酸化水素とを組み合わせて用い、系内で対応する有機過酸を生成させてもよい。平衡過酸を用いる場合、触媒として、硫酸などの強酸を少量添加してもよい。過酸の使用量は、例えば、MN酸1モルに対して、0.8〜2モル、好ましくは0.9〜1.5モル、さらに好ましくは0.95〜1.2モル程度である。
MN酸と反応させる過酸化物としては、例えば、過酸化水素、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキソ酸、ペルオキソ酸の塩などが挙げられる。過酸化水素としては、純粋な過酸化水素を用いてもよいが、取扱性の点から、通常、適当な溶媒、例えば水に希釈した形態(例えば、30重量%過酸化水素水)で用いられる。過酸化水素等の過酸化物の使用量は、MN酸1モルに対して、例えば0.9〜5モル程度、好ましくは0.9〜3モル程度、さらに好ましくは0.95〜2モル程度である。
前記過酸化水素は触媒として金属化合物とともに用いる場合が多い。前記金属化合物としては、例えば、W、Mo、V、Mn、Reなどの金属元素を含む酸化物、オキソ酸又はその塩、硫化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、ホウ化物、炭化物、ケイ化物、窒化物、リン化物、過酸化物、錯体(無機錯体及び有機錯体)、有機金属化合物などが挙げられる。これらの金属化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
前記酸化物としては、例えば、酸化タングステン(WO2、WO3など)、酸化モリブデン(MoO2、MoO3など)、酸化バナジウム(VO、V23、VO2、V25など)、酸化マンガン(MnO、Mn23、Mn34、MnO2、Mn27など)、W、Mo、V、Mnなどの金属元素を含む複合酸化物などが挙げられる。
オキソ酸には、タングステン酸、モリブデン酸、バナジン酸、マンガン酸等のほか、イソポリタングステン酸、イソポリモリブデン酸、イソポリバナジウム酸などのイソポリ酸;リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデンサン、ケイモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等の前記金属元素と他の金属元素等とからなるヘテロポリ酸が含まれる。ヘテロポリ酸における他の金属元素等として、リン又はケイ素、特にリンが好ましい。
オキソ酸の塩としては、前記オキソ酸のナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;遷移金属塩などが挙げられる。オキソ酸の塩(例えば、ヘテロポリ酸の塩)は、カチオンに相当する水素原子の一部を他のカチオンに置換した塩であってもよい。
金属元素を含む過酸化物としては、例えば、ペルオキソ酸(例えば、ペルオキソタングステン酸、ペルオキソモリブデン酸、ペルオキソバナジウム酸など)、ペルオキソ酸の塩(前記ペルオキソ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、遷移金属塩など)、過酸(過マンガン酸など)、過酸の塩(前記過酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、遷移金属塩など)などが挙げられる。
前記過酸化水素とともに用いる金属化合物の使用量は、例えば、MN酸1モルに対して、0.0001〜2モル程度、好ましくは0.0005〜0.5モル程度、さらに好ましくは0.001〜0.2モル程度である。
MN酸と過酸又は過酸化物との反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、t−ブチルアルコールなどのアルコール;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの鎖状又は環状エーテル;酢酸エチルなどのエステル;酢酸などの有機酸;水などが挙げられる。これらの溶媒は1種で、又は2種以上混合して用いられる。なお、不均一系で反応を行う場合には、溶媒として水、又は水を含む溶媒を用いる場合が多い。
反応温度は、反応速度及び反応選択性を考慮して適宜選択できるが、一般には−10〜100℃程度、好ましくは0〜90℃程度である。反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよい。
上記反応により、MN酸の二重結合のエポキシ化が起こり、MN酸の2重結合がエポキシ化されたエポキシ化合物が生成する。更にこのエポキシ基は分子内のカルボン酸と反応して、ラクトン環とヒドロキシル基を生成し、2−メチル−6−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン(MHOD)を生成する。
反応で生成したMHODは、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段により、又はこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
前記式(5)で使用されたα−メチル−5−ノルボルネン−2−酢酸(MN酸)は例えば、下記式(6)によって合成が可能である。
Figure 2009067883

原料としては、2,5−ノルボルナジエンとプロピオン酸ソーダとの反応によるものである。この反応において、プロピオン酸ソーダに代えて、酪酸ソーダを使用すれば上記式(I)におけるRがエチル基であるモノマーが合成されることになり、炭素数5の脂肪酸である吉草酸のソーダ塩を使用することでRがプロピル基、ヘキサン酸のソーダ塩を使用することでRがブチル基であるモノマーが得られる。Rがアルキル基ではなく水素原子であっても有用ではあるが、合成方法が煩雑であったり、エステル基の炭素数が減少すると耐エッチング性が悪化する要因となるので好ましくない。なを、式(6)に示した反応は米国特許3,008,982号に提案されている。
以下に高分子化合物に関して説明する。本発明の高分子化合物は上記式(1)で表されるラクトン骨格を含む多環式エステルに対応するモノマー単位(繰り返し単位)、すなわち前記式(I)で表される単量体を含んでいる。該モノマー単位は1種又は2種以上含んでいてもよい。このような高分子化合物は、上記式(I)で表されるラクトン骨格を含む多環式エステルを重合に付すことにより得ることができる。
本発明の高分子化合物は、フォトレジスト用樹脂として使用する場合、式(1)で表されるモノマー単位に加えて、他のモノマー単位を有していてもよい。このような他のモノマー単位は、該他のモノマー単位に対応する重合性不飽和単量体を前記式(I)で表されるラクトン骨格を含む多環式エステルと共重合することにより形成できる。
上記他のモノマー単位に対応する重合性不飽和単量体として、例えば、分解反応等によりカルボキシル基を生成しうる単量体が挙げられる。このような単量体として、例えば、下記式(7a)、(7b)、(7c)、(7d)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009067883

上記式中、環Zは置換基を有していてもよい炭素数5〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R〜Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、m個のRのうち少なくとも1つは、−COOR基を示す。前記Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。mは1〜3の整数を示す。R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは水素原子又は有機基を示す。R、R、Rのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい。

式(7a)、(7b)、(7c)、(7d)中、環Zにおける炭素数5〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。環Zは例えばアダマンタン環等の多環の脂環式炭化水素環(橋かけ環式炭化水素環)であるのが好ましい。
式(7a)、(7b)、(7c)、(7d)中のR2〜R4、R6、R7における置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜6のアルキル基;トリフルオロメチル基等の炭素1〜6のハロアルキル基などが挙げられる。式(7c)中、R5におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜20程度のアルキル基が挙げられる。R5における保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基としては、例えば、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基としては、前記保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基が炭素数1〜6のアルキレン基を介して結合している基などが挙げられる。
m個のRのうち少なくとも1つは、−COOR基を示すが、前記Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。第3級炭化水素基としては例えば、t−ブチル、t−アミル、2−メチル−2−アダマンチル、(1−メチル−1−アダマンチル)エチル基などが挙げられる。テトラヒドロフラニル基には2−テトラヒドロフラニル基が、テトラヒドロピラニル基には2−テトラヒドロピラニル基が、オキセパニル基には2−オキセパニル基が含まれる。
8における有機基としては、炭化水素基及び/又は複素環式基を含有する基が挙げられる。炭化水素基には脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらが2以上結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基(C1-8アルキル基等);アリル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基(C2-8アルケニル基等);プロピニル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基(C2-8アルキニル基等)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(3〜8員シクロアルキル基等);シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基(3〜8員シクロアルケニル基等);アダマンチル、ノルボルニル基等の橋架け炭素環式基(C4-20橋架け炭素環式基等)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等のC6-14芳香族炭化水素基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、ベンジル、2−フェニルエチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、アルキル基(C1-4アルキル基等)、ハロアルキル基(C1-4ハロアルキル基等)、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、オキソ基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記複素環式基としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む複素環式基が挙げられる。
好ましい有機基として、C1-8アルキル基、環式骨格を含む有機基等が挙げられる。前記環式骨格を構成する「環」には、単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性の炭素環又は複素環が含まれる。なかでも、単環又は多環の非芳香族性炭素環、ラクトン環(非芳香族性炭素環が縮合していてもよい)が特に好ましい。単環の非芳香族性炭素環として、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などの3〜15員程度のシクロアルカン環などが挙げられる。
多環の非芳香族性炭素環(橋架け炭素環)として、例えば、アダマンタン環;ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等のノルボルナン環又はノルボルネン環を含む環;パーヒドロインデン環、デカリン環(パーヒドロナフタレン環)、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環などの多環の芳香族縮合環が水素添加された環(好ましくは完全水素添加された環);トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環などの2環系、3環系、4環系などの橋架け炭素環(例えば、炭素数6〜20程度の橋架け炭素環)などが挙げられる。前記ラクトン環として、例えば、γ−ブチロラクトン環、4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン環などが挙げられる。
前記環式骨格を構成する環は、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基(例えば、C1-4ハロアルキル基など)、塩素原子やフッ素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記環式骨格を構成する環は、式(7d)中に示される酸素原子(R8の隣接位の酸素原子)と直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;カルボニル基;酸素原子(エーテル結合;−O−);オキシカルボニル基(エステル結合;−COO−);アミノカルボニル基(アミド結合;−CONH−);及びこれらが複数個結合した基などが挙げられる。
6、R7、R8のうち少なくとも2つは、互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい。該環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などのシクロアルカン環;テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、オキセパン環などの含酸素環;橋架け環などが挙げられる。
式(7a)〜(7d)で表される化合物には、それぞれ立体異性体が存在しうるが、それらは単独で又は2種以上の混合物として使用できる。
式(7a)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、1−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、5−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン。
式(7b)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アダマンタン、1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン。
式(7c)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−t−ブトキシカルボニル−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン。
式(7d)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルメチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−(1−アダマンチルエチル)オキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、1−ボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−ノルボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート。
上記式(7d)で表される化合物は、例えば、対応するビニルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸とを酸触媒を用いた慣用の方法で反応させることにより得ることができる。例えば、1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレートは、1−アダマンチル−ビニル−エーテルと(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下で反応させることにより製造できる。
上記他のモノマー単位に対応する重合性不飽和単量体の別の例として、親水性や水溶性を付与又は向上しうる単量体が挙げられる。このような単量体として、例えば、ヒドロキシル基含有単量体(ヒドロキシル基が保護されている化合物を含む)、メルカプト基含有単量体(メルカプト基が保護されている化合物を含む)、カルボキシル基含有単量体(カルボキシル基が保護されている化合物を含む)、アミノ基含有単量体(アミノ基が保護されている化合物を含む)、スルホン酸基含有単量体(スルホン酸基が保護されている化合物を含む)、ラクトン骨格含有単量体、環状ケトン骨格含有単量体、酸無水物基含有単量体、イミド基含有単量体などの極性基含有単量体が挙げられる。
極性基含有単量体の代表的な例として、下記式(8)で表される単量体が挙げられる
Figure 2009067883


上記式中、環Yは炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは前記に同じ。R9は環Yに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、又は保護基で保護されていてもよいスルホン酸基を示す。但し、n個のR9のうち少なくとも1つは、オキソ基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、又は保護基で保護されていてもよいスルホン酸基を示す。nは1〜5の整数を示す。
環Yにおける炭素数6〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基、フッ素原子や塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。
式(8)中、R9におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜20程度のアルキル基が挙げられる。保護基で保護されていてもよいアミノ基としては、アミノ基、置換アミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ基等のC1-4アルキルアミノ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいスルホン酸基としては、−SO3e基などが挙げられる。前記Reは水素原子又はアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。R9における保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基は前記と同様である。
式(8)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ジカルボキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−t−ブトキシカルボニル−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−t−ブトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタン。
本発明の高分子化合物には式(I)で示される単量体を除いた、ラクトン骨格を有する単量体を共重合に使用してもかまわない。その具体例として、例えば、下記化合物が挙げられる。1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,8−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,8−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,7−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−5,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−4,8−ジオン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−6−メチル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メチル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−カルボキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メトキシカルボニル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−エトキシカルボニル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−t−ブトキシカルボニル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、8−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン、9−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−5−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4,5−ジメチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−6−メチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1,6−ジメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、γ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン。
本発明の高分子化合物は更に、共重合成分として例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイミドなどを含んでもかまわない。
本発明の高分子化合物において、式(1)で表されるモノマー単位の割合は特に限定されないが、ポリマーを構成する全モノマー単位に対して、一般には1〜90モル%、好ましくは5〜80モル%、さらに好ましくは10〜60モル%程度である。また、分解反応等によりカルボキシル基を生成しうる単量体に対応するモノマー単位の割合は、例えば10〜95モル%、好ましくは15〜90モル%、さらに好ましくは20〜60モル%程度である。ヒドロキシル基含有単量体、メルカプト基含有単量体及びカルボキシル基含有単量体から選択された少なくとも1種の単量体に対応するモノマー単位の割合は、例えば0〜95モル%、好ましくは5〜90モル%、さらに好ましくは10〜50モル%程度である。
本発明の高分子化合物を得るに際し、モノマー混合物の重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合など、アクリル系ポリマー等を製造する際に用いる慣用の方法により行うことができるが、特に、溶液重合が好適である。さらに、溶液重合のなかでも滴下重合が好ましい。滴下重合は、具体的には、例えば、(i)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した有機溶媒中に前記単量体溶液と重合開始剤溶液とを各々滴下する方法、(ii)単量体と重合開始剤とを有機溶媒に溶解した混合溶液を、一定温度に保持した有機溶媒中に滴下する方法、(iii)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した前記単量体溶液中に重合開始剤溶液を滴下する方法などの方法により行われる。
重合溶媒としては公知の溶媒を使用でき、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル類などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶媒などが挙げられる。また、重合開始剤として公知の重合開始剤を使用できる。重合温度は、例えば30〜150℃程度の範囲で適宜選択できる。
重合により得られたポリマーは、沈殿又は再沈殿により精製できる。沈殿又は再沈殿溶媒は有機溶媒及び水の何れであってもよく、また混合溶媒であってもよい。沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、カルボン酸(酢酸など)、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、前記沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素を含む溶媒において、炭化水素(例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)と他の溶媒との比率は、例えば前者/後者(体積比;25℃)=10/90〜99/1、好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=30/70〜98/2、さらに好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=50/50〜97/3程度である。
高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、例えば1000〜500000程度、好ましくは3000〜50000程度であり、分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.5〜2.5程度である。なお、前記Mnは数平均分子量を示し、Mn、Mwともにポリスチレン換算の値である。
本発明の高分子化合物は、耐薬品性等の安定性が高く、有機溶剤に対する溶解性に優れ、しかも加水分解性及び加水分解後の水に対する溶解性に優れるため、種々の分野における高機能性ポリマーとして使用できる。
以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、屈折率計(RI)を用い、テトラヒドロフラン溶媒を用いたGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算値を示す。GPCは、昭和電工製カラムKF−806Lを3本直列につないだものを使用し、カラム温度40℃、RI温度40℃、テトラヒドロフラン流速0.8ml/分の条件で行った。分散度(Mw/Mn)は前記測定値より算出した。
製造例1
下記の反応式に従って、α−メチル−5−ノルボルネン−2−酢酸を製造した。
Figure 2009067883


プロピオン酸ソーダ30g、ソーダミド(NaNH)10g、2,5−ノルボルナジエン50gをオートクレーブに仕込み、窒素で50気圧に昇圧後、200から250℃で4.5時間加熱した。その後、室温まで冷却し、圧力パージした。反応物は氷水200gに添加して混合し、エチルエーテル200gで抽出した。水層はろ過後塩酸で酸性としてエチルエーテル200gで2回抽出した。抽出液は濃縮後、カラムクロマトグラフィーにて目的物を分離し、濃縮して次工程の反応に使用した。
実施例1
下記の反応工程式に従って、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オンを製造した。
Figure 2009067883

α−メチル−5−ノルボルネン−2−酢酸60g(0.36モル)を塩化メチレン501gに溶解させ、5℃以下に冷却しながら、m−CPBA(m−クロロ過安息香酸)115gをゆっくり投入した。4時間後、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて過剰の過酸化物を分解した後、炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した。有機層[式(4a)で表される化合物を含む]に、ギ酸150g、水303gを仕込み、50℃まで昇温し、4時間撹拌を続けた。水層に生成物が無くなるまで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、濃縮することにより、2−メチル−6−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン(粗生成物)を23g得た。
上記で得られた化合物(粗生成物)23gをテトラヒドロフラン(THF)252gに溶解させ、トリエチルアミン16.9g、ヒドロキノン0.2gを加え、5℃で冷却しながら、メタクリル酸クロリド(3a)18.3gを滴下して加えた。反応混合液に水300mlを加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した後、有機層を濃縮し、濃縮物をジイソプロピルエーテルで晶析することにより、2−メチル−6−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オンを14g得た。
[2−メチル−6−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オンのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3) δ:1.05(1H), 1.20(3H), 1.59(1H), 1.87(1H), 1.94(3H), 2.18(1H), 2.40-2.50(3H), 2.57(1H), 4.60(1H), 4.75(1H), 5.60(1H), 6.12(1H)
実施例2
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


還流管、撹拌子、3方コック、温度計を備えた丸底フラスコに、窒素雰囲気下、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)35.7g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)23.8gを入れて温度を80℃に保ち、撹拌しながら、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン11.82g(47.2mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン5.65g(23.9mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン12.54g(47.8mmol)、ジメチル 2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業製V−601)1.80g、PGMEA66.3g、及びPGME44.2gを混合したモノマー溶液を6時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、さらに2時間撹拌を続けた。重合反応終了後、得られた反応溶液を孔径0.1μmのフィルターで濾過した後、該反応溶液の7倍量のヘキサンと酢酸エチルの9:1(体積比;25℃)混合液中に撹拌しながら滴下した。生じた沈殿物を濾別することにより、所望の樹脂28.5gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8600、分散度(Mw/Mn)が1.90であった。
実施例3
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン12.62g(50.4mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.03g(25.6mmol)、2−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)ノルボルナン11.35g(51.1mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂27.9gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が8800、分子量分布(Mw/Mn)が1.88であった。
実施例4
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン12.58g(50.3mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.01g(25.5mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−メチルシクロヘキサン11.41g(50.9mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂27.4gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9100、分子量分布(Mw/Mn)が1.95であった。
実施例5
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン12.89g(51.5mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.16g(26.1mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)シクロヘキサン10.96g(52.2mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂26.7gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9000、分子量分布(Mw/Mn)が1.86であった。
実施例6
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン12.37g(49.4mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン5.91g(25.0mmol)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン11.72g(50.1mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂26.1gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9200、分子量分布(Mw/Mn)が1.90であった。
実施例7
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883

実施例2において、モノマー成分として、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.05,9]デカン−3−オン13.21g(52.8mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.31g(26.7mmol)、1−メタクリロイルオキシ−1−エチルシクロヘキサン10.48g(53.5mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂24.9gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9600、分子量分布(Mw/Mn)が2.00であった。
比較例1
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン11.06g(49.8mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン5.88g(24.9mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン13.06g(49.8mmol)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂28.0gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が8600、分子量分布(Mw/Mn)が1.87であった。
比較例2
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン11.85g(53.4mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.30g(26.7mmol)、2−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)ノルボルナン11.85g(53.4mmol)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂26.9gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9200、分子量分布(Mw/Mn)が1.93であった。
比較例3
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン11.81g(53.2mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.28g(26.6mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−メチルシクロヘキサン11.91g(53.2mmol)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂26.4gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9100、分子量分布(Mw/Mn)が1.90であった。
比較例4
下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用高分子化合物の製造
Figure 2009067883


実施例2において、モノマー成分として、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン12.11g(54.5mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.44g(27.3mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)シクロヘキサン11.45g(54.5mmol)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂26.2gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9400、分子量分布(Mw/Mn)が1.98であった。
評価試験(溶剤溶解性)
上記実施例2〜7及び比較例1〜4で得られた各樹脂について、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=6/4(重量比)混合溶媒を加えてポリマー濃度10重量%に調整した。得られたポリマー溶液をシリコンウェハ上にスピンコーティング法により塗布し、温度120℃で90秒間加熱処理を行い、厚み約0.4μmのポリマー層を形成した後、膜の均一性を確認した。膜の表面は均一な溶液が出来ていないものは、ストリエーションが発生していた。実施例2〜7は全く均一な表面であったが、比較例1〜4は表面状態に粗さとストリエーションが見られた。

Claims (8)

  1. 下記式(I)
    Figure 2009067883


    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rはメチル基を示し、Aはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を示す。)で表されるフォトレジスト用単量体。
  2. 下記式(1)
    Figure 2009067883


    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rはメチル基を示し、Aはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を示す。)で表されるモノマー単位を有するフォトレジスト用高分子化合物。
  3. 前記高分子化合物が更に、下記式(2a)〜(2d)
    Figure 2009067883

    (式中、環Zは置換基を有していてもよい炭素数5〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R〜Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、m個のRのうち少なくとも1つは、−COOR基を示す。前記Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。mは1〜3の整数を示す。R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは水素原子又は有機基を示す。R、R、Rのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい)から選択された少なくとも1種のモノマー単位を含む請求項2記載のフォトレジスト用高分子化合物。
  4. 前記高分子化合物が更に、下記式(3)
    Figure 2009067883


    (式中、環Yは炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは環Yに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。nはRの個数であって1〜5の整数を示す。)で表されるモノマー単位を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のフォトレジスト用高分子化合物。
  5. 重量平均分子量が1000〜50000である請求項2〜4のいずれかに記載のフォトレジスト用高分子化合物。
  6. 分子量分布が1.0〜3.0である請求項2〜4のいずれかに記載のフォトレジスト用高分子化合物。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載のフォトレジスト用高分子化合物及び少なくとも光酸発生剤を含むことを特徴とするフォトレジスト組成物。
  8. 請求項7記載のフォトレジスト組成物を使用してパターンを形成することを特徴とする半導体の製造方法。
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