JP2009067507A - クレーン振れ止め制御装置およびクレーンの振れ止め制御方法 - Google Patents

クレーン振れ止め制御装置およびクレーンの振れ止め制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トロリーや吊り荷やセンサに外乱が加わった場合においても、目標位置に到達した時の吊り荷の振れを抑制しつつ、短時間内に目標位置に到達させる。
【解決手段】加速度補償器13は、吊り荷の推定加速度a* Laが吊り荷加速度指令aLrに追従するようにトロリー速度補償量ncomaを設定し、ダンピング補償器14は、トロリー速度から吊り荷の推定加速度a* Laまでの伝達特性に対してダンピングがかかるようにトロリー速度補償量ncomdを設定し、補償切換え器15は、トロリーの加減速動作時には、加速度補償器13から出力されたトロリー速度補償量ncomaを選択して加算器6に出力し、トロリーの加減速の終了後には、ダンピング補償器14から出力されたトロリー速度補償量ncomdを選択して加算器6に出力する。
【選択図】図1

Description

本発明はクレーン振れ止め制御装置およびクレーンの振れ止め制御方法に関し、特に、トロリーを横行させて荷役作業を行う懸垂式クレーンの振れ止め制御方法に適用して好適なものである。
港湾、製鉄所、各種工場では、クレーンにて吊り荷を保持させながらトロリーを横行させることで荷役作業が行われている。このようなクレーンによる荷役作業では、短時間内に目標位置に到達させるとともに、目標位置に到達した時の吊り荷の振れ角をゼロにすることができれば、理想的なクレーンの運転となり、このような理想的なクレーンの運転を実現するために、これまで各種のクレーン振れ止め制御方式が開発されている。クレーン振れ止め制御方式は、機械的振れ止め制御方式と電気的振れ止め制御方式の2つに大別することができるが、保守性などの観点から近年では電気的振れ止め制御方式が主流となっている。
電気的振れ止め制御方式には、加減速終了時に振れをなくすことができる速度パターンを演算して振れ止め制御を行う方法(特許文献1)と、吊り荷の振れ角を検出し、その検出結果を駆動系にフィードバックする方法(特許文献2)とがある。
図5は、従来のクレーン振れ止め制御装置の概略構成の一例を示すブロック図、図6は、図5のクレーン振れ止め制御装置による理想的な振れ角の応答を示す図である。
図5において、速度制御装置101には、修正速度所望値Vdと電動機101dの検出速度Vmとの偏差をとる差分回路、修正速度所望値Vdと電動機101dの回転速度Vmとの偏差がゼロに近づくように補償を行う補償器101b、補償器101bの出力を増幅する主増幅器101c、クレーン102を駆動する電動機101d、電動機101dの回転速度Vmを検出する速度検出器101eが設けられている。
そして、速度制御装置101の前段には、ロープ長l、移動量L、クレーンシステムの拘束条件である最高速度Vmax、最高加速度amaxなどの走行条件を入力する入力装置103、入力装置103に入力された走行条件から加速度切換え時刻を計算する加速度切換え時刻演算装置104、トロリーの速度パターンを発生する速度パターン発生装置105が設けられている。
また、クレーン102には、吊り荷102cを吊り下げながら車輪によりレール上を横行するトロリー102a、電動機101dの動力をトロリー102aに伝える歯車機構102bが設けられている。
そして、速度パターン発生装置105は、図6に示すように、加速開始および終了時の境界条件および拘束条件から求めた条件を満たしながら、トロリー速度とロープ振れ角に関する運動方程式を解くことにより、定速区間が挿入された加速区間を有する速度パターンを指令パターンxrとして生成し、この速度パターンに基づいてトロリー102aを動作させることにより、吊り荷102cの振れを抑制することができる。
図7は、従来のクレーン振れ止め制御装置の概略構成のその他の例を示すブロック図、図8は、図7のクレーン振れ止め制御装置による理想的な振れ角の応答を示す図である。
図7において、クレーン振れ止め制御装置には、速度指令信号を生成する速度指令器121、速度指令器121にて生成された速度指令信号をランプ状の速度指令NRF0に変換する直線指令器122、1次遅れ要素を有するフィルタ126を通した信号NMFBを帰還して生成されたダンピング制御速度指令補正信号NRFDFを、直線指令器122から出力された速度指令NRF0に加算することで、補正速度指令信号NRF2を算出するダンピング制御器130、ダンピング制御器130から出力された補正速度指令信号NRF2と、フィルタ126を通した信号NMFBとの偏差から速度指令信号TRFを生成する速度制御器123、速度指令信号TRFからトルクTMを生成する電動機トルク制御器124、電動機の機械的時定数τMを示すブロック125、1次遅れ要素を有するフィルタ126、吊り荷の振れ角の運動モデルを示すブロック127、電動機の負荷トルクの負荷モデルを示すブロック128、吊り荷の振れ角θを検出する振れ角検出器129が設けられている。
そして、振れ角検出器129にて検出された吊り荷の振れ角信号VLEをダンピング制御器130にフィードバックし、図8に示すように、この振れ角信号VLEが考慮されたダンピング制御速度指令補正信号NRFDFを、直線指令器122から出力された速度指令NRF0に加算することで、補正速度指令信号NRF2を指令パターンxrとして生成し、この指令パターンxrに基づいてトロリーを動作させることにより、ダンピング係数δに応じたダンピングを吊り荷の振れの振動にかけることができ、吊り荷の振れを抑制することができる。
特開昭56−149987号公報 特開平8−2877号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、フィードフォワード制御が行われ、速度パターンの条件は、ロープ長lなどで変化する固有振動数(振れ周期)に依存し、初期の振れ角はゼロと考えられる。このため、トロリー102aの横行時に、トロリー102aや吊り荷102cに加わる機械的外乱や固有振動数の変化、初期状態の振れなどの外乱がある場合には、制御性能が低下するという問題があった。
また、特許文献2に開示された方法では、振れ角や振れ角速度などの検出値を用いたフィードバック制御が行われるため、振れ角や振れ角速度などを検出するセンサに異常がある場合や、センサに外乱が加わる場合には、制御不能となったり、制御性能が低下したりするという問題があった。
また、図5の構成と図7の構成とを組み合わせることで、フィードフォワード制御とフィードバック制御の双方が適用されるようにすると、図5の構成に比べて外乱の影響は減少するものの、図7の構成のフィードバック制御にて図5の構成の加速時の振れ角にもダンピングがかかる。このため、図9に示すように、加減速の終了と同時に振れ角がゼロに収束せず、外乱がない場合には図5の構成に比べて却って制御性能が低下するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、トロリーや吊り荷やセンサに外乱が加わった場合においても、目標位置に到達した時の吊り荷の振れを抑制しつつ、短時間内に目標位置に到達させることが可能なクレーン振れ止め制御装置およびクレーンの振れ止め制御方法を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載のクレーン振れ止め制御装置によれば、ロープで懸垂された吊り荷を持つトロリーの加減速がゼロである時の吊り荷の振れがゼロとなるような速度パターンを指令とし、前記トロリーの現在位置をフィードバックして前記速度パターンに追従させつつ前記トロリーを所定の距離に移動させる速度指令値を生成する位置制御手段と、前記速度パターンと前記吊り荷の数学モデルに基づいて前記吊り荷の動作指令を求める吊り荷運動モデルと、前記吊り荷の振れ角から前記吊り荷の動作量を推定する吊り荷動作推定手段と、前記吊り荷動作推定手段にて推定された動作量を前記動作指令に追従させる補償量を算出することで、前記速度指令値を補償するトロリー動作補償手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2記載のクレーン振れ止め制御装置によれば、前記トロリー動作補償手段は、前記吊り荷の加速度が前記動作指令に追従するように補償量を設定する加速度補償器と、前記トロリーの速度から前記吊り荷の加速度までの伝達特性に対してダンピングがかかるように補償量を設定するダンピング補償器と、前記トロリーの加減速時には、前記加速度補償器にて設定された補償量を選択し、前記トロリーの加減速の終了後には、前記ダンピング補償器にて設定された補償量を選択する補償切換え器とを備えることを特徴とする。
また、請求項3記載のクレーンの振れ止め制御方法によれば、ロープで懸垂された吊り荷を持つトロリーおよび前記トロリーを駆動するトロリー駆動装置が設けられたクレーンの振れ止め制御方法において、前記トロリーが所定の距離を移動する際に、加減速により生じる前記ロープの振れに関して前記トロリーの加減速がゼロである時の吊り荷の振れがゼロとなるような速度パターンを指令とし、前記トロリーの現在位置をフィードバックして前記速度パターンに追従させつつ前記トロリーを所定の距離に移動させる速度指令値を生成するステップと、前記速度パターンと前記吊り荷の数学モデルに基づいて前記吊り荷の動作指令を求め、前記吊り荷の振れ角から前記吊り荷の動作量を推定することで前記吊り荷を前記動作指令に追従させる補償量を算出し、前記補償量にて前記速度指令値を補償するステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項4記載のクレーンの振れ止め制御方法によれば、前記吊り荷の動作指令および動作量はそれぞれ加速度と速度であり、前記補償量は、前記トロリーの加減速時には前記吊り荷の加速度が動作指令に追従するように設定され、前記トロリーの加減速の終了後には前記トロリーの速度から前記吊り荷の加速度までの伝達特性に対してダンピングがかかるように設定されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、トロリーの加減速動作時には、理想的な振れ角に実際の振れ角が追従するようにトロリーを動作させることが可能となるとともに、トロリーの加減速の終了後には、仮想的にダンピングを高めることによって外乱によるロープの振れをゼロに収束させつつ、トロリーを所望の距離に移動させることが可能となり、短時間内に目標位置に到達させるとともに、目標位置に到達した時の吊り荷の振れを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に係るクレーン振れ止め制御装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るクレーン振れ止め制御装置の概略構成を示すブロック図、図2は、本発明の一実施形態に係るクレーンの運動モデルを示す図である。
図1および図2において、クレーン機械系8は図2のクレーン21を構成し、クレーン21には、ロープ22で懸垂された吊り荷23を持つトロリー24が設けられている。そして、クレーン機械系8には、トロリー24を駆動するトロリー駆動装置7が接続されるとともに、吊り荷23の振れ角θを検出する振れ角検出器9が接続され、トロリー駆動装置7には、目標位置に到達した時の吊り荷23の振れを抑制しながらトロリー24の駆動制御を行うクレーン振れ止め制御装置16が接続されている。
このクレーン振れ止め制御装置16には、角周波数設定器1、加速条件算出器2、パターン発生器3、減算器4、位置制御器5、加算器6、吊り荷運動モデル10、速度推定器11、加速度推定器12、加速度補償器13、ダンピング補償器14、補償切換え器15が設けられている。
ここで、角周波数設定器1は、ロープ22のロープ長lを入力とし、ロープ22のロープ長lによって変化する吊り荷23のノミナル固有各周波数ωnを設定することができる。
加速条件算出器2は、ノミナル固有各周波数ωn、トロリー24の移動量L、トロリー24の最高速度Vmax、トロリー24の最高加速度amaxなどの動作条件を入力し、加速の切換え時刻を定義する最小加速時間taccを出力することができる。
パターン発生器3は、加速条件算出器2に入力された動作条件からトロリー24の動作パターンを発生させ、トロリー24の位置指令xMrを出力することができる。
減算器4は、パターン発生器3より出力された位置指令xMrから、位置検出器よりフィードバックされたトロリー24の現在位置xMaを減算することで、位置偏差xeを出力することができる。
位置制御器5は、位置偏差xeが減少するように比例制御を行うことで、トロリー24の現在位置xMaを位置指令xMrに追従させる速度指令値nMrを生成することができる。
加算器6は、補償切換え器15にて選択されたトロリー速度補償量ncomaまたはトロリー速度補償量ncomdを速度指令値nMrに加算することで、速度指令値nMrが補償された速度指令値n´Mrを生成することができる。
吊り荷運動モデル10は、パターン発生器3にて発生された速度パターンと角周波数設定器1にて設定されたノミナル固有各周波数ωnから、吊り荷23の数学モデルに基づいて吊り荷23の吊り荷速度指令nLrおよび吊り荷加速度指令aLrを求めることができる。
速度推定器11は、トロリー速度nMaおよび吊り荷23の振れ角θに基づいて、吊り荷23の推定速度n* Laを算出することができる。
加速度推定器12は、吊り荷23の振れ角θに基づいて、吊り荷23の推定加速度a* Laを算出することができる。
加速度補償器13は、加速度推定器12にて算出された吊り荷23の推定加速度a* Laが、吊り荷運動モデル10にて算出された吊り荷加速度指令aLrに追従するようにトロリー速度補償量ncomaを設定することができる。
ダンピング補償器14は、トロリー速度nMaから吊り荷23の推定加速度a* Laまでの伝達特性に対してダンピングがかかるようにトロリー速度補償量ncomdを設定することができる。
補償切換え器15は、加速度補償器13から出力されたトロリー速度補償量ncomaまたはダンピング補償器14から出力されたトロリー速度補償量ncomdのいずれか一方を選択して加算器6に出力することができる。
そして、角周波数設定器1は、ロープ22のロープ長lに基づいて吊り荷23のノミナル固有各周波数ωnを設定し、加速条件算出器2、吊り荷運動モデル10およびダンピング補償器14に出力する。
そして、加速条件算出器2は、ノミナル固有各周波数ωn、トロリー24の移動量L、トロリー24の最高速度Vmax、トロリー24の最高加速度amaxなどの動作条件に基づいて加速の切換え時刻を定義する最小加速時間taccを算出し、パターン発生器3に出力する。そして、パターン発生器3は、加速条件算出器2から出力された最小加速時間taccに基づいてトロリー24の動作パターンを発生させ、トロリー24の位置指令xMrを減算器4および吊り荷運動モデル10に出力する。なお、トロリー24の動作パターンとしては、例えば、2段加速による速度パターンを用いることができる。
図3は、本発明の一実施形態に係る2段加速による速度パターンを示す図である。
図3において、2段加速による速度パターンは、加速の切換え時刻t1、t2、t3、t4・・・にて表現することができ、以下の式に示すように、それぞれの加速の切換え時刻t1、t2、t3、t4・・・は最小加速時間taccにて定義することができる。
2(n−1)<ωnacc<2nπ
1=(n−1)π/ωn+tacc/2
2=(n−1)π/ωn
3=nπ/ωn+tacc/2
ただし、n=1,2,3・・・、πは円周率である。
あるいは、トロリー24の動作パターンとして、図4に示すように、1段加速による速度パターンを用いるようにしてもよい。この場合、加速終了までの時間taは以下の式で表すことができる。
a=ωn/2π
そして、トロリー24の位置指令xMrが減算器4に入力されると、減算器4は、位置検出器からフィードバックされたトロリー24の現在位置xMaを位置指令xMrから減算することで位置偏差xeを算出し、位置制御器5に出力する。そして、位置制御器5は、位置偏差xeが減少するように比例制御を行うことで、トロリー24の現在位置xMaを位置指令xMrに追従させる速度指令値nMrを生成し、加算器6に出力する。なお、位置制御器5は、位置偏差xeが減少するように比例積分制御などの他の制御を行うことで速度指令値nMrを生成するようにしてもよい。
一方、パターン発生器3にて発生されたトロリー24の位置指令xMrが吊り荷運動モデル10に入力されると、吊り荷運動モデル10は、位置指令xMrおよびノミナル固有各周波数ωnから吊り荷23の数学モデルに基づいて吊り荷23の吊り荷速度指令nLrおよび吊り荷加速度指令aLrを求め、吊り荷加速度指令aLrを加速度補償器13に出力するとともに、吊り荷速度指令nLrをダンピング補償器14に出力する。
ここで、吊り荷23の数学モデルは、ロープ22と吊り荷23の振れ角θに関する運動を単振り子とし、トロリー24の位置制御系の応答を1次遅れで近似するものとすると、吊り荷23の吊り荷速度指令nLrおよび吊り荷加速度指令aLrは以下の式で求めることができる。
Lr(s)=ωn 2/(s2+ωn 2)・1/(Tps+1)・x´Mr(s)
Lr(s)=sωn 2/(s2+ωn 2)・1/(Tps+1)・x´Mr(s)
ただし、sはラプラス演算子、Tpはトロリー24の位置制御系を1次遅れ系で近似した時の時定数。x´MrはxMrの微分である。
また、トロリー駆動装置7から出力されるトロリー速度nMaはクレーン機械系8に入力されるとともに、速度推定器11にも入力される。また、振れ角検出器9にて検出された吊り荷23の振れ角θは、速度推定器11および加速度推定器12に入力される。
そして、トロリー速度nMaおよび吊り荷23の振れ角θが速度推定器11に入力されると、速度推定器11は、ロープ22のロープ長l、トロリー速度nMaおよび吊り荷23の振れ角θに基づいて吊り荷23の推定速度n* Laを算出し、ダンピング補償器14に出力する。
ここで、トロリー速度nMaと吊り荷23の位置xLaとの関係は、吊り荷23の振れ角θおよびロープ22のロープ長lを用いて、以下の式で表すことができる。
lsinθ=nMa/s−xLa
よって、吊り荷23の振れ角θの変化は小さいとしてsinθ=θとおくと、吊り荷23の推定速度n* Laは、以下の式で表すことができる。
* La=nMa−ldθ/dt
また、吊り荷23の振れ角θが加速度推定器12に入力されると、加速度推定器12は、吊り荷23の振れ角θに基づいて吊り荷23の推定加速度a* Laを算出し、加速度補償器13およびダンピング補償器14に出力する。
そして、吊り荷加速度指令aLrおよび吊り荷23の推定加速度a* Laが加速度補償器13に入力されると、加速度補償器13は、吊り荷23の推定加速度a* Laが吊り荷加速度指令aLrに追従するようにトロリー速度補償量ncomaを設定し、補償切換え器15に出力する。
ここで、吊り荷運動モデル10における吊り荷23の数学モデルとクレーン機械系8の特性がほぼ一致する場合、トロリー24の加減速動作時においても、吊り荷23の推定加速度a* Laは吊り荷加速度指令aLrにほぼ一致する。そして、トロリー24に外乱が加わる場合や、ノミナル固有各周波数ωnがクレーン機械系8の実際の固有各周波数ωpと異なる場合において、吊り荷23の推定加速度a* Laが吊り荷加速度指令aLrから乖離すると、加速度補償器13は、吊り荷23の推定加速度a* Laが吊り荷加速度指令aLrに追従するようにトロリー速度補償量ncomaにて速度指令値nMrを補償することで、トロリー24の動作時の想定外の振れを抑制することができる。
また、吊り荷速度指令nLr、吊り荷23の推定速度n* Laおよび吊り荷23の推定加速度a* Laがダンピング補償器14に入力されると、ダンピング補償器14は、トロリー速度nMaから吊り荷23の推定加速度a* Laまでの伝達特性に対してダンピングがかかるようにトロリー速度補償量ncomdを設定し、補償切換え器15に出力する。
ここで、ロープ22と吊り荷23の振れ角θに関する運動を単振り子とし、ダンピング定数σLを導入して仮にダンピング要素を追加すると、トロリー速度nMaと吊り荷23の速度nLaとの関係は以下の式で求めることができる。
La(s)=ωp 2/(s2+2σLωps+ωp 2)・nMa(s)
そして、上式を変形すれば、トロリー速度nMaと吊り荷23の速度nLaとの関係は以下の式のようになり、snLaを吊り荷23の加速度aLaとしてフィードバックすればよい。
La(s)=(nMa(s)−snLa(s)2σL/ωp)ωp 2/(s2+ωp 2
よって、ダンピング補償器14は、上記のように伝達特性にダンピング要素を追加するため、吊り荷23の推定速度n* Laおよび吊り荷23の推定加速度a* Laを用いることで、以下の式に示すように、ダンピング要素が追加された場合の理想的な負荷速度nLiを算出する。
Li=n* La−2σL/ωp・a* La
そして、理想的な負荷速度nLiに追従するようにトロリー速度nMaを制御すれば、吊り荷23の振れ角θはゼロに収束するため、ダンピング補償ゲインKcdを用いることで、以下の式に示すように、吊り荷速度指令nLrからトロリー速度補償量ncomdを算出する。
comd=Kcd(nLi−nLr
そして、ダンピング補償器14は、ダンピング要素が追加された伝達特性による吊り荷23の速度nLaにトロリー速度nMaが追従するようにトロリー速度補償量ncomdにて速度指令値nMrを補償することで、外乱によるロープ22の振れをゼロに収束させつつ、トロリー24を所望の距離に移動させることが可能となる。
そして、補償切換え器15は、トロリー24の加減速動作時には、加速度補償器13から出力されたトロリー速度補償量ncomaを選択して加算器6に出力し、トロリー24の加減速の終了後には、ダンピング補償器14から出力されたトロリー速度補償量ncomdを選択して加算器6に出力する。
これにより、トロリー24の加減速動作時における理想的な振れ角に実際の振れ角が追従するようにトロリー24を動作させることが可能となるとともに、トロリー24の加減速の終了後には、仮想的にダンピングを高めることによって外乱によるロープ22の振れをゼロに収束させつつ、トロリー24を所望の距離に移動させることが可能となり、短時間内に目標位置に到達させるとともに、目標位置に到達した時の吊り荷23の振れを抑制することができる。
なお、トロリー速度nMaはトロリー24を駆動する電動機の回転速度とほぼ比例関係にあるため、トロリー速度nMaの代わりに電動機の回転速度を用いるようにしてもよい。また、トロリー24の動作パターンにおいて加速の切換えによりトロリー24の加速度に急激な変化がある場合、フィルタなどを挿入することでトロリー24の動作パターンを連続的に変化させるようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係るクレーン振れ止め制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンの運動モデルを示す図である。 本発明の一実施形態に係る2段加速による速度パターンを示す図である。 本発明の一実施形態に係る1段加速による速度パターンを示す図である。 従来のクレーン振れ止め制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図5のクレーン振れ止め制御装置による理想的な振れ角の応答を示す図である。 従来のクレーン振れ止め制御装置の概略構成のその他の例を示すブロック図である。 図7のクレーン振れ止め制御装置による理想的な振れ角の応答を示す図である。 図5および図6のクレーン振れ止め制御装置を組み合わせた時の振れ角の応答を示す図である。
符号の説明
1 角周波数設定器
2 加速条件算出器
3 パターン発生器
4 減算器
5 位置制御器
6 加算器
7 トロリー駆動装置
8 クレーン機械系
9 振れ角検出器
10 吊り荷運動モデル
11 速度推定器
12 加速度推定器
13 加速度補償器
14 ダンピング補償器
15 補償切換え器
16 クレーン振れ止め制御装置
21 クレーン
22 ロープ
23 吊り荷
24 トロリー

Claims (4)

  1. ロープで懸垂された吊り荷を持つトロリーの加減速がゼロである時の吊り荷の振れがゼロとなるような速度パターンを指令とし、前記トロリーの現在位置をフィードバックして前記速度パターンに追従させつつ前記トロリーを所定の距離に移動させる速度指令値を生成する位置制御手段と、
    前記速度パターンと前記吊り荷の数学モデルに基づいて前記吊り荷の動作指令を求める吊り荷運動モデルと、
    前記吊り荷の振れ角から前記吊り荷の動作量を推定する吊り荷動作推定手段と、
    前記吊り荷動作推定手段にて推定された動作量を前記動作指令に追従させる補償量を算出することで、前記速度指令値を補償するトロリー動作補償手段とを備えることを特徴とするクレーン振れ止め制御装置。
  2. 前記トロリー動作補償手段は、
    前記吊り荷の加速度が前記動作指令に追従するように補償量を設定する加速度補償器と、
    前記トロリーの速度から前記吊り荷の加速度までの伝達特性に対してダンピングがかかるように補償量を設定するダンピング補償器と、
    前記トロリーの加減速時には、前記加速度補償器にて設定された補償量を選択し、前記トロリーの加減速の終了後には、前記ダンピング補償器にて設定された補償量を選択する補償切換え器とを備えることを特徴とする請求項1記載のクレーン振れ止め制御装置。
  3. ロープで懸垂された吊り荷を持つトロリーおよび前記トロリーを駆動するトロリー駆動装置が設けられたクレーンの振れ止め制御方法において、
    前記トロリーが所定の距離を移動する際に、加減速により生じる前記ロープの振れに関して前記トロリーの加減速がゼロである時の吊り荷の振れがゼロとなるような速度パターンを指令とし、前記トロリーの現在位置をフィードバックして前記速度パターンに追従させつつ前記トロリーを所定の距離に移動させる速度指令値を生成するステップと、
    前記速度パターンと前記吊り荷の数学モデルに基づいて前記吊り荷の動作指令を求め、前記吊り荷の振れ角から前記吊り荷の動作量を推定することで前記吊り荷を前記動作指令に追従させる補償量を算出し、前記補償量にて前記速度指令値を補償するステップとを備えることを特徴とするクレーンの振れ止め制御方法。
  4. 前記吊り荷の動作指令および動作量はそれぞれ加速度と速度であり、
    前記補償量は、前記トロリーの加減速時には前記吊り荷の加速度が動作指令に追従するように設定され、前記トロリーの加減速の終了後には前記トロリーの速度から前記吊り荷の加速度までの伝達特性に対してダンピングがかかるように設定されることを特徴とする請求項3記載のクレーンの振れ止め制御方法。
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