JP2009067282A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体全体の車幅寸法の拡大を抑制しつつ、左,右フレーム部間の収納容積を大きくすることができる自動二輪車を提供する。
【解決手段】左,右のリヤフレーム部13,13は、車両前後方向に延びる車両中心線Aに直交する横断面で見たとき、車幅方向間隔が上部ほど大となる左,右側壁面13a,13aを有し、該左,右側壁面13a,13a間を収納スペースBとする。
【選択図】 図13

Description

本発明は、車両前後方向に延びる左,右フレーム部を有する車体フレームと、該左,右フレーム部間に形成された収納スペースとを有する自動二輪車に関する。
自動二輪車では、製造が容易でかつ部品点数の低減が可能である等の理由から、車体フレームの一部を鋳造製とする場合がある。例えば、特許文献1では、シートが搭載される左,右リヤフレーム部を鋳造製とし、該左,右リヤフレーム部同士を溶接により接合した構造が採用されている。
一方、荷物の収納容積の増大を図る等の観点から、シートを取り外し可能又はヒンジにより回動可能とし、該シート下方の左,右リヤフレーム部間を収納スペースとして利用する場合がある。この場合、収納容積をできるだけ大きくするために、左,右リヤフレーム部の車幅方向間隔を拡げることが考えられる。
特許公報第2706956号
しかしながら、前記左,右リヤフレーム部間の車幅方向間隔を単に拡げるだけでは、収納容積は増大できるものの、例えば収納物出し入れ開口が邪魔になって収納物の出し入れがやり難くなるという問題が生じる。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、収納物の出し入れ性を確保しつつ収納容積を増大できる自動二輪車を提供することを課題としている。
本発明は、車両前後方向に延びる左フレーム部及び右フレーム部を有する車体フレームと、該左,右フレーム部間に形成された収納スペースとを有する自動二輪車において、前記左フレーム部は左側壁面を,右フレーム部は右側壁面を有し、車両前後方向に延びる車両中心線に直交する横断面で見たとき、前記左側壁面と右側壁面との車幅方向間隔は上側ほど大となり、かつ該左,右側壁面間が前記収納スペースとなっていることを特徴としている。
本発明に係る自動二輪車によれば、左,右フレーム部に、横断面で見たとき、車幅方向間隔が上側ほど大となる左,右側壁面を形成し、該左,右側壁面間を収納スペースとしたので、左,右側壁面の間隔を拡げるほど収納容積を増大できる。そしてこの場合、左,右側壁面の間隔は上側ほど大となっているので、収納物の出し入れ開口が収納物の出し入れ時の邪魔になることはなく、収納物の出し入れ性を確保できる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図13は、本発明の一実施形態による自動二輪車を説明するための図である。なお、本実施形態の説明の中で前後,左右という場合は、特記なき限り、シートに着座した状態で見た場合の前後,左右を意味する。
図において、1はスクータ型の自動二輪車を示している。該自動二輪車1は、アンダボーン型の車体フレーム2と、該車体フレーム2の前端部に位置するヘッドパイプ3により左右操向可能に支持され、下端部で前輪4を支持し,上端部に操向ハンドル5が配置されたフロントフォーク6と、前記車体フレーム2の前後方向略中央部に搭載され、後端部で後輪8を支持するエンジンユニット7と、前記車体フレーム2のエンジンユニット7上方に搭載された鞍乗型の2人乗り用のシート9とを備えている。
前記車体フレーム2は、前記ヘッドパイプ3と、該ヘッドパイプ3から車両後方斜め下方に延びる左,右フロントフレーム部12,12を有するフロントフレーム12′と、該左,右フロントフレーム部12に接続されて後方斜め上向きに延びる左,右のリヤフレーム部13,13を有するリヤフレーム13′とを備えている。
前記エンジンユニット7は、前記車体フレーム2に固定されたエンジン本体7aと、該エンジン本体7aにより上下揺動可能に支持され、その後端部に軸支された前記後輪8にエンジン動力を伝達する伝動ケース7bとを有する。
前記車体フレーム2は、樹脂製の車体カバー14により囲まれている。該車体カバー14は、前記フロントフォーク6の左,右側部及び前側部分を覆うフロントカバー15と、該フロントカバー15に続いてこれの後側に配置され、乗員の脚部前方を覆うレッグシールド16と、前記シート9の下方周囲及びエンジン本体7aの左,右側方を覆う左,右のサイドカバー18,18と、該サイドカバー18の下側から前記レッグシールド16までの部分を覆う左,右のアンダカバー17,17とを備えている。さらにまた前記左,右のアンダカバー17の上側には、ライダの足載せ部を構成する低床式の左,右のフートボード19,19が配置されている。そして該左,右のフートボード19,19間部分は、上方にトンネル状に膨出するセンタトンネル部19′となっている。
前記ヘッドパイプ3及び左,右フロントフレーム部12,12は、鋳造により一体的に形成されたものである。該左,右フロントフレーム部12,12は、車両前後方向及び上下方向に延びる幅広の左,右側壁部12a,12aを有し、前記ヘッドパイプ3は、該左,右側壁部12aに一体的に接続形成された左,右のヘッドパイプ半体3a,3a同士をボルト締め結合した構造を有する。
前記左,右のヘッドパイプ半体3aの前縁部には、左,右の前側結合ボス部3b,3bが形成され、後縁部には、左,右の後側結合ボス部3c,3cが形成されている。さらに前記左,右側壁部12aの、左,右の後側結合ボス部3cより後方に離間した上縁部には左,右の上離間結合ボス部3d,3dが、下縁部には左,右の下離間結合ボス部3e,3eがそれぞれ形成されている。
前記左,右の各前側結合ボス部3b同士,後側結合ボス部3c同士及び左,右の上離間結合ボス部3d同士,下離間結合ボス部3e同士は、それぞれ結合ボルト69により締結固定されている。前記左,右の上離間結合ボス部3d,3dの上面には、メインスイッチ71が配設されている。
前記左,右側壁部12a,12aは、前記エンジンユニット7のシリンダヘッド7c部分を左,右側方から覆うとともに、該エンジンユニット7の前側に配置されたエアクリーナ24を左,右側方から覆っている。
前記左,右側壁部12aの前記エアクリーナ24に臨む部分には、前後方向及び上下方向に広がる前側開口12dが形成され、前記シリンダヘッド7cに臨む部分には、前後方向及び上下方向に広がる後側開口12eが形成されている。前記前側開口12dからエアクリーナ24を含む吸気系のメンテナンスが可能となっており、また後側開口12eからシリンダヘッド7c周りのメンテナンスが可能となっている。
前記左,右側壁部12a,12aの上縁同士は車幅方向に延びる上クロス部材60により結合されている。また前記左,右側壁部12aの下縁同士は車幅方向に延びる下クロス部材72により結合されている。
前記左,右側壁部12a,12aの後端上縁部には、左,右の上懸架ボス部12m,12mが形成され、該左,右の上懸架ボス部12mに、前記エンジンユニット7のクランクケース上壁部分に形成された上懸架部7dがボルト76により結合されている。
前記左,右側壁部12a,12aの後端下縁部には、左,右の下懸架ボス部12n,12nが形成され、該左,右の下懸架ボス部12nに、前記エンジンユニット7のクランクケース底壁部分に形成された下懸架部7eが前,後一対のボルト77,77により結合されている。
前記左の下懸架ボス部12nの外側には、サイドスタンドブラケット78が前記各ボルト77により共締め固定されている。
前記リヤフレーム13′は、左,右のリヤフレーム部(フレーム部)13,13と、該両リヤフレーム部13,13の上縁の前部同士,後部同士を接続する前クロス壁部13m,後クロス壁部13bと、下縁同士を接続する中クロス壁部13dとを有し、鋳造により一体形成されたものである。
前記左,右のリヤフレーム部13,13は、上下方向及び前後方向に拡がる比較的広い平面をなす左,右側壁面13a,13aを有する。該左,右側壁面13a,13aは、車両側方から見ると、車両前後方向後側程上下寸法が小さくなる大略三角形状をなしている。この左,右リヤフレーム部13,13を、車両前後方向に延びる車両中心線Aに直交する横断面で見たとき、前記左,右側壁面13a,13aは、車幅方向間隔が下側から上側に行くほど徐々に大きくなるよう形成されている。この左,右側壁面13a,13aと、前記前クロス壁部13m,中クロス壁部13d及び後クロス壁部13bで形成された空間が収納スペースBとなっている。後述するように、該収納スペースB内に収納ボックス10が配置されており、該収納ボックス10の上端開口10aはシート9により開閉される。
前記左,右のリヤフレーム部13,13の上縁前部同士を接続する前クロス壁部13mは棒状をなしており、該前クロス壁部13mの左,右端部には、ボス部13c,13cが上方に突出するように形成されている。該ボス部13c,13cに、燃料タンク11の左,右後端部がボルト11cで締め付け固定されている。
前記左,右リヤフレーム部13,13の上縁後端部同士を接続する後クロス壁部13bには、シート支持部13b′が形成されている。該シート支持部13b′にはヒンジ部材50が取り付けられ、またテールライト取付ブラケット51が後方に突出するように取り付けられている。
前記横断面で見たとき、前記左,右側壁面13a,13aの上縁部13e,13e、下縁部13h,13hは各側壁面13aの前後方向全長に渡って形成されている。該上縁部13eと下縁部13hの上下方向間隔は車両前後方向後側ほど狭くなり、前記後クロス壁部13b部分で上縁部13eと下縁部13hの高さ位置が一致している。
前記各上縁部13eは、各側壁面13aの上縁から車幅方向外側に屈曲して延びる第1横辺部13fと、該第1横辺部13fの外縁から下方に略直角に屈曲して延びる第1縦辺部13gとを有し、横断面視で下向きのコ字形状をなしている。
前記各下縁部13hは、各側壁面13aの下縁から車幅方向内側に屈曲して延びる第2横辺部13iと、該第2横辺部13iの車幅方向内縁から下方に略直角に屈曲して延びる内側の第2縦辺部13kと、前記側壁面13aの下縁から連続面をなすように下方に延びる外側の第2縦辺部13jとを有し、横断面視で下向きのコ字形状をなしている。
前記左,右の下縁部13hは、上方から見ると、上縁部13eより車幅方向内側に位置しており、かつ左,右非対称となっている。詳細には、左の下縁部13hは、後側から前側に行くほど車幅方向内側に入り込むよう湾曲し、右の下縁部13hは、概ね直線状をなしている。また前記左,右の下縁部13hは、側方から見ると、後上がりに傾斜しており、その後端部13h′は上縁部13eの後端部13e′の車幅方向内側に重なるように位置している。
前記左,右のリヤフレーム部13,13と前記前クロス壁部13m及び中クロス壁部13dとにより前部開口13nが形成されている。また前記左,右のリヤフレーム部13,13と前記中クロス壁部13d及び後クロス壁部13bとにより後部開口13pが形成されている。なお、後クロス壁部13bの車幅方向両端部は車両前方に延び、その前端部は前記後部開口13pの前後方向中間付近に位置している。
前記中クロス壁部13dの車幅方向両端部にはボックス底部取付座13q,13qが形成されている。また前記後クロス壁部13bの左,右の前端部にはボックス底部取付座13q′,13q′が形成されている。なお、該両底部取付座13q′,13q′は前後方向に偏位している。また前記左,右の上縁部13eの第1横辺部13fには、前,後一対のボックス上部取付座13r,13rが形成されている。
前記左,右のリヤフレーム部13,13の上縁部13e,13eの前端部には、車両前後方向に直線状に延びる押し出し材からなる角筒状のフレーム部材70,70の後端部が溶接により接合されている。該左,右のフレーム部材70は、上方から見ると、前側の車幅方向間隔が少し狭くなるよう内側に傾斜させて配置され、側方から見ると、前記上縁部13eに連続するように配置されている。該左,右のフレーム部材70の前端部には、板状の結合ブラケット70a,70aが溶接により接合されている。
前記左,右の結合ブラケット70aは、前記左,右フロントフレーム部12,12の左,右側壁部12a,12aの上縁後端部に形成された左,右の接続ボス部12p,12pにボルト79,79により結合されている。該接続ボス部12pは、前記上懸架ボス部12mより前側に配置されている。
また前記左,右のリヤフレーム部13,13の下縁部13h,13hの前端部には、懸架ボス部13s,13sが形成されており、該左,右の懸架ボス部13sは、エンジンユニット7の後懸架部7fにボルト80により結合されている。
前述のようにして前記左,右フロントフレーム部12,12と左,右のリヤフレーム部13,13とは、前記エンジンユニット7を介在させて結合されており、剛体であるエンジンユニット7が車体フレーム2の一部を構成している。
前記収納ボックス10は、ヘルメット等が収容可能な大きさを有し、前記リヤフレーム13′内に収容されるように配置されている。この収納ボックス10は、上下方法に延びる筒状の側壁10vと、該側壁10vの下端部を閉塞する底壁部10cとを有する。前記側壁10vの上端開口10aにはシール部材65が装着されており、該シール部材65はシート9のシート底板9dによって押圧され、該シート9との隙間をシールしている。また前記上端開口10aの外周面には、シート9を伝って流れ落ちた水を外部に排出する樋部10fが一体形成されている。
前記収納ボックス10の、上端開口10aは、左,右のリヤフレーム部13の上縁より高所に位置している。また底壁部10cは、左,右のリヤフレーム部13の下縁部と略同じ高さに位置しており、かつ後輪8との干渉を回避するための逃げ凹部10c′が上方にへこむように形成されている。
前記収納ボックス10の側壁10vの左,右側壁面10v′,10v′は、前記左,右リヤフレーム部13,13の左,右側壁面13a,13aの内面に略沿うよう、つまり車幅方向間隔が下側から上側に行くほど大きくなるよう形成されている。
ここで車両側方から見たとき、前記左,右リヤフレーム部13,13の左,右側壁面13a,13aの大部分は、前記収納ボックス10の左,右側壁面10v′,10v′と重なっている。
前記左,右側壁面13aの前側部分と、前記収納ボックス10の側壁10vの左,右側壁面10v′との間には両者が当接する当接部が形成されている。該当接部は、左,右側壁面13aと左,右側壁面10v′との間に前後一対のゴムシート等からなる弾性部材38,38を介在させることにより構成されている(図4参照)。
そして前記収納ボックス10は、これの底壁部10cに形成された底部取付け座10tが、ボルト46により前記ボックス底部取付座13q,13q′に固定されており、左,右外壁面に形成された取付け座10t′が、ボルト46′より前記ボックス上部取付座13rに固定されている。
前記シート9は、図4に示すように、ライダが着座する前部シート9aと、タンデムライダが着座する後部シート9bとを一体に形成したものであり、樹脂製のシート底板9d上にシートクッション9eを配置し、該シートクッション9eの外表面を表皮9fで覆った構造を有する。側方から見ると、前記後部シート9bは前部シート9aより少し高所に位置している。
前記前部シート9aの前部の左,右側部には、後部より車幅方向寸法を小さくする抉り部9h,9hが形成されている。これによりライダの足着き性の改善が図られている。
前記前部シート9aと後部シート9bとの境界部にはライダの腰部を支持するバックレスト9cが配設されている。該バックレスト9cの下方には、シート底板9dの一部を上方に膨出させることにより収容部9iが形成されている。この収容部9i内にはツールキット47,ヘルメットハンガ48が収容されて、ゴム製バンド47aで固定されている。
前記シート9は、該シート9の後端部に固定されたヒンジアーム54をヒンジ部材50を介して前記左,右のリヤフレーム部13のシート支持部13b′で支持することにより上下揺動可能となっており、前記収納ボックス10の上端開口10aを開閉可能としている。
前記シート支持部13b′,ヒンジアーム54及びヒンジ部材50は、左,右のサイドカバー18の後端部18a,18aと、該左,右の後端部18aの上端間に配置されたテールカバー18bにより覆われている(図1,図2参照)。
前記左,右のリヤフレーム部13,13とシート9との間には、該シート9に開方向の付勢力を作用させる左,右のダンパ23,23が配設されている。該左,右のダンパ23は、軸方向の付勢力を発生するストローク式のものであり、車幅方向左,右両側に車両前後方向に向けて配置されている。
前記収納ボックス10の前側には、前記シート9に作用するライダからの荷重を受ける荷重受け部材10bが配設され、該荷重受け部材10bは、収納ボックス10に前方に延びるよう一体に形成されている。
前記荷重受け部材10bは、前記燃料タンク11の外表面形状に沿う大略碗形状をなしており、該燃料タンク11に接触することのないよう車体フレーム2に取り付けられている。
前記収納ボックス10と荷重受け部材10bとの間には、前記シート9を全閉位置にロックする左,右のシートロック機構21,21が配置されている。
前記収納ボックス10の底壁部10cは、左,右のリヤフレーム部13の前記前部開口13n,後部開口13pを覆うように配置されている。また該底壁部10cは、特に後部開口13pを介して前記後輪8の上縁に対面しており、該対面する部分には、最大ストローク位置にある後輪8との干渉を回避するための逃げ凹部10c′が上方に凹むように形成されている。
前記車体フレーム2のシート9の下方には、収納ボックス10が配置され、該収納ボックス10の前側には燃料タンク11が配置されている。
前記燃料タンク11は、車体フレーム2のエンジン本体7aの上側に搭載されている。前記燃料タンク11の上壁部には、燃料注入口を開閉する燃料キャップ11aが装着されている。この燃料キャップ11aは、前記シート9の前側に配置されたリッド11bをこれの下縁部を中心に前倒しすることにより上方に露出するようになっている。
本実施形態によれば、左,右のリヤフレーム部13,13に、車両中心線Aに直交する横断面で見たとき、車幅方向間隔が上側にいくほど大きくなる左,右側壁面13a,13aを形成し、該左,右側壁面13a間を収納スペースBとし、該収納スペースB内に収納ボックス10を配置したので、収納容積を大きくすることができる。
また前記リヤフレーム13′を、鋳造一体成形品としたので、複数の部品を溶接により接合する場合に比較して製造が容易であり、かつ部品点数及び組立工数を削減できる。
本実施形態では、左,右のリヤフレーム部13の左,右側壁面13aに下向きコ字形状の上縁部13e,13eを形成し、かつ該上縁部13eを該リヤフレーム部13の全長に渡って形成したので、左,右のリヤフレーム部13の上縁部の剛性を高めることができる。
また、前記左,右の上縁部13eを、左,右側壁面13aの上縁に続く第1横辺部13fと、これの外縁から下方に屈曲して延びる第1縦辺部13gとを有する横断面コ字形状としたので、左,右のリヤフレーム部13の上縁の剛性を確実に高めることができる。
本実施形態では、左,右のリヤフレーム部13の左,右側壁面13aに下向コ字形状の下縁部13h,13hを形成し、かつ該下縁部13hを該リヤフレーム部13の全長に渡って形成したので、該左,右リのリヤフレーム部13の底部の剛性を高めることができる。
前記左,右の下縁部13hを、内側に屈曲して延びる第2横辺部13iと、該第2横辺部13iの車幅方向両縁に続いて下方に屈曲して延びる2つの外,内第2縦辺部13j,13kとを有する横断面コ字形状としたので、左,右のリヤフレーム部13の底部の剛性を確実に高めることができる。
本実施形態では、左,右のリヤフレーム部13の前端部に、前後方向に延びる押し出し材からなる左,右のフレーム部材70,70を溶接により接合したので、左,右のフレーム部材70を左,右のリヤフレーム部13に一体に鋳造成形する場合に比べて、該リヤフレーム部13を小型化できるとともに、型の複雑化を回避できる。
ここで、前記実施形態では、押し出し材からなるフレーム部材70を左,右のリヤフレーム部13の前端部に接合したが、本発明は、フレーム部材をリヤフレーム部の後端部に接合する場合も含む。
本実施形態では、前記左,右側壁面13a,13a間の収納スペースBに収納ボックス10を配置し、該収納ボックス10の側壁10vの左,右側壁面10v′,10v′を上側ほど車幅方向間隔が広くなる形状としたので、該収納ボックス10の収納容積を大きくすることができ、ヘルメット等の大型物の収納が可能となる。また収納ボックス10の上端開口10a側ほど広くなっているので、該上端開口10aの荷物出し入れ時の邪魔になることはなく、荷物出し入れ性を向上できる。
前記左,右側壁面13aと、収納ボックス10の左,右側壁′10v′との間に弾性部材38,38を介在させたので、車体フレーム2からの振動を弾性部材38で吸収することができ、該振動が収納ボックス10を介して乗員に伝わるのを抑制できる。
また、前記左,右フレーム部13の左,右側壁面13aと収納ボックス10の左,右側壁面10v′とに弾性部材38当接させたので、左,右フレーム部13,13の振動を抑制でき、騒音を低減できる。即ち、車体全体の幅寸法を大きくすることなく、収納空間を増大するには左,右フレーム部13,13を薄肉化することが有効であるが、このように薄肉化すると、この薄肉の側壁面が振動を音に変える騒音源となるおそれがある。本実施形態では、前記弾性部材38を介在させたことによってこの問題を防止できる。また前記弾性部材38の介在により、収納ボックス10の側壁の変形,振動を抑制でき、結果的に収納ボックス自体に必要とされる剛性を低下させることが可能となる。
なお、前記実施形態では、当接部を、弾性部材38を介在させることにより構成したが、本発明の当接部は、リヤフレーム側と収納ボックス側とを実質的に当接させるように構成すればよく、例えば収納ボックスの外側壁面にボス部やリブ部を形成し、これらをリヤフレーム側に当接させるように構成しても良い。また逆にリヤフレームの左,右側壁面にボス部やリブを形成し、これらを収納ボックス側に当接させるように構成しても良い。
本実施形態では、左,右のリヤフレーム部13のクロス壁部に、前部開口13n,後部開口13pを形成し、収納ボックス10の底壁部10cを各開口13n,13pを介して後輪8の上縁に対面させたので、前部開口13n,後部開口13pを利用して収納ボックス10の底壁部10cを、最大ストローク位置の後輪8に近づけることができ、収納容積を大きくすることができるとともに、該底壁部10cを泥除け部材として機能させることができる。
本実施形態では、剛性の高い上折り曲げ部13eに形成されたボックス上部取付座13rにより収納ボックス10を支持したので、収納ボックス10の支持強度を高めることができ、重量物の収納が可能となる。
本実施形態では、左,右のリヤフレーム部13の後端部に形成したシート支持部13b′によりヒンジ部材50を介してシート9の後端部を支持し、該シート9により収納ボックス10の上端開口10aを開閉可能としたので、該シート9の全開角度を大きくすることができる。
なお、前記実施形態では、左,右側壁面13a間に形成された収納スペースBに収納ボックス10を配置した場合を説明したが、本発明では、前記収納スペースB自体を収納ボックスとして機能させることも可能である。
また前記実施形態では、リヤフレーム部が鋳造により一体形成されている場合を説明したが、本発明のリヤフレーム部は、板金製であっても良い。
また前記実施形態では、上縁部,下縁部を構成する横辺部,縦辺部が略直角に折り曲げられている場合を説明したが、本発明の横辺部と縦辺部とは緩や曲率を有する曲面をなすよう構成しても良い。
また前記実施形態では、リヤフレーム部の左,右側壁面は、互いの間隔が徐々に上側ほど広くなる場合を説明したが、本発明の左,右側壁面は、上側が下側より広くなる段をなすように形成しても良い。
本発明の一実施形態による自動二輪車の側面図である。 前記自動二輪車の平面図である。 前記自動二輪車のフロントフレームの側面図である。 前記自動二輪車の収納ボックスが配置されたリヤフレームの側面図である。 前記フロントフレームのエンジン懸架部の断面図(図3のV-V線断面図)である。 前記フロントフレームのエンジン懸架部の断面図(図3のVI-VI線断面図)である。 前記リヤフレームのエンジン懸架部の断面図(図3のVII-VII線断面図)である。 前記リヤフレームの側面図である。 前記リヤフレームの平面図である。 前記リヤフレーム及び収納ボックスの断面図(図9のX-X線断面図)である。 前記リヤフレームの右側面図である。 前記リヤフレームの底面図(図8のXII矢視図)である。 前記リヤフレームの断面正面図(図9のXIII-XIII線断面図)である。
符号の説明
1 自動二輪車
2 車体フレーム
8 後輪
9 シート
10 収納ボックス
13,13 左,右リヤフレーム部(左,右フレーム部)
13a,13a 左,右側壁面
13b′ シート支持部
13d クロス壁部
13e 上縁部
13f 第1横辺部
13g 第1縦辺部
13h 下縁部
13i 第2横辺部
13j,13k 外,内の第2縦辺部
13n,13p 開口
13q,13r ボックス取付座(取付部)
38 弾性部材(当接部)
70 フレーム部材
A 車両中心線
B 収納スペース

Claims (17)

  1. 車両前後方向に延びる左フレーム部及び右フレーム部を有する車体フレームと、該左,右フレーム部間に形成された収納スペースとを有する自動二輪車において、
    前記左フレーム部は左側壁面を,右フレーム部は右側壁面を有し、車両前後方向に延びる車両中心線に直交する横断面で見たとき、前記左側壁面と右側壁面との車幅方向間隔は上側ほど大となり、かつ該左,右側壁面間が前記収納スペースとなっていることを特徴とする自動二輪車。
  2. 請求項1において、前記左,右フレーム部は、鋳造により一体成形されることを特徴とする自動二輪車。
  3. 請求項2において、前記左,右フレーム部は、前記横断面で見たとき、前記左,右側壁面の上縁に続いて車幅方向外側に向けて延びる第1横辺部を有することを特徴とする自動二輪車。
  4. 請求項3において、前記第1横辺部は、車両前後方向に延びていることを特徴とする自動二輪車。
  5. 請求項3において、前記左,右フレーム部の上縁部は、車幅方向外側に向けて延びる第1横辺部と、該第1横辺部に続いて下方に向けて延びる第1縦辺部とを有する横断面下向きのコ字形状をなしていることを特徴とする自動二輪車。
  6. 請求項2において、前記左,右フレーム部は、前記横断面で見たとき、前記左,右側壁面の下縁に続いて車幅方向内側に向けて延びる第2横辺部を有することを特徴とする自動二輪車。
  7. 請求項6において、前記第2横辺部は、車両前後方向に延びていることを特徴とする自動二輪車。
  8. 請求項6において、前記左,右フレーム部の下縁部は、車幅方向内側に向けて延びる第2横辺部と、該第2横辺部の車幅方向両縁に続いて下方に向けて延びる一対の第2縦辺部とを有する横断面下向きのコ字形状をなしていることを特徴とする自動二輪車。
  9. 請求項2において、前記左,右フレーム部の前端部又は後端部には、車両前後方向に延びる押し出し材からなるフレーム部材が溶接により接合されていることを特徴とする自動二輪車。
  10. 請求項1において、前記左,右フレーム部の左,右側壁面間の収納スペースには、収納ボックスが配置されていることを特徴とする自動二輪車。
  11. 請求項10において、前記左,右フレーム部の左,右側壁部と収納ボックスとは、車両側面視で互いに重なる部分を有することを特徴とする自動二輪車。
  12. 請求項10において、前記左フレーム部の左側壁面と前記収納ボックスの左側壁面とを、及び前記右フレーム部の右側壁面と前記収納ボックスの右側壁面とを実質的に当接させる当接部を有することを特徴とする自動二輪車。
  13. 請求項12において、前記当接部は、前記左フレーム部の左側壁面と前記収納ボックスの左側壁面との間、及び前記右フレーム部の右側壁面と前記収納ボックスの右側壁面との間に弾性部材を介在させることにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
  14. 請求項10において、前記左,右フレーム部同士は車幅方向に延びるクロス壁部で接続され、該クロス壁部には開口が形成されており、前記収納ボックスの底壁は前記開口を介して後輪の上縁部に対面していることを特徴とする自動二輪車。
  15. 請求項10において、前記左,右フレーム部は、前記横断面で見たとき、前記左,右側壁面の上縁に続いて車幅方向外側に向けて延びる第1横辺部を有し、該第1横辺部に形成された取付座に前記収納ボックスが取り付けられていることを特徴とする自動二輪車。
  16. 請求項1において、左,右フレーム部には、シート支持部が形成され、該シート支持部には、ヒンジを介してシートが前記収納スペースを開閉可能に支持されていることを特徴とする自動二輪車。
  17. 請求項1において、前記左側壁面と右側壁面との車幅方向間隔は、徐変しつつ上側ほど大となることを特徴とする自動二輪車。
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