JP2009067169A - 車両の乗員姿勢制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の各シート位置において、乗り心地の向上、および運転姿勢の安定化を図る乗員姿勢制御装置を提供する。
【解決手段】車両用シート110の少なくともピッチ方向の傾きおよび/または位置を変位させるRY軸方向アクチュエータ120と、車両の加速度を含む車両の状態を表す情報を収集するX軸方向加速度センサ180と、車両の加速度に基づいてRY軸方向アクチュエータ120による車両用シート110の傾きおよび/または位置の変位量を調節する制御部130と、を備え、制御部130は、車両の前進方向を正として、車両用シート110のピッチ方向の制御のゲインについて、車両の加速度が正の場合のゲインの絶対値を、車両の加速度が負の場合のゲインの絶対値よりも小さくする。
【選択図】図1
【解決手段】車両用シート110の少なくともピッチ方向の傾きおよび/または位置を変位させるRY軸方向アクチュエータ120と、車両の加速度を含む車両の状態を表す情報を収集するX軸方向加速度センサ180と、車両の加速度に基づいてRY軸方向アクチュエータ120による車両用シート110の傾きおよび/または位置の変位量を調節する制御部130と、を備え、制御部130は、車両の前進方向を正として、車両用シート110のピッチ方向の制御のゲインについて、車両の加速度が正の場合のゲインの絶対値を、車両の加速度が負の場合のゲインの絶対値よりも小さくする。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の走行中に乗員の姿勢を動的に調節する車両の乗員姿勢制御装置に関する。
車両における運転者などの姿勢を制御する技術として、様々なものが提案されている。例えば、特許文献1には、カーナビゲーションシステムの端末装置から取得した道路情報や、各種センサにより検出される車両の走行情報に基づいて、乗員座席の位置などを制御することにより、乗員の姿勢制御を行う技術が記載されている。また、特許文献2には、車両の停止中に運転者用シートとブレーキペダルの位置関係を適度に保つようにすることにより、運転者のアイポイントを適正な位置に保つ技術が記載されている。さらに、特許文献3には、車両が横方向の加速度を受けるロール時に、乗員の姿勢を加速度の方向に対してフラットに保つため、シートを傾ける技術が記載されている。具体的には、ステアリングセンサからの操舵角信号と車速センサからの車体速度信号から横方向の加速度を求め、この横方向の加速度に応じた角度にシートを傾ける。
特開2005−119559号公報
特開平7−96784号公報
特開平7−47875号公報
車両の動きによって乗員は重力方向以外の方向の力を受ける。例えば、車両が旋回する場合に車両に対して旋回の外に向かう横方向の力がかかる。また、ブレーキで減速する場合に、前のめりになるような力がかかる。このような力の方向の極端な変動は、乗員の不快感と疲労の原因になるので、乗り心地を向上するために、乗員の官能上感じられる力の方向の変動を緩和することが考えられる。そのために、前述のように乗員の姿勢を制御することをフラットライド(Flat Ride:人間の官能と合う適度なフラット化)という。
特許文献1、3は、乗員の姿勢のフラット化を目的としている。しかし、乗員の車両に対する力の方向の変化に対応はするが、乗員の感じ方を考慮したものではない。
特許文献2は、運転者用シートとブレーキペダル(操作用機器)の位置関係を適切に保つもので、各シート位置において最適なフラット化はなされていない。
特許文献2は、運転者用シートとブレーキペダル(操作用機器)の位置関係を適切に保つもので、各シート位置において最適なフラット化はなされていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車両の各シート位置において、乗り心地の向上、および運転姿勢の安定化を図る乗員姿勢制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る車両の乗員姿勢制御装置は、車両のシートの少なくともピッチ方向の傾きおよび/または位置を変位させる駆動手段と、車両の加速度を含む前記車両の状態を表す情報を収集する情報収集手段と、前記車両の加速度に基づいて前記駆動手段によるシートの傾きおよび/または位置の変位量を調節する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記車両の前進方向を正として、前記シートのピッチ方向の制御のゲインについて、車両の加速度が正の場合のゲインの絶対値を、車両の加速度が負の場合のゲインの絶対値よりも小さくすることを特徴とする。
好ましくは、前記駆動手段は、前記シートのピッチ方向の傾きおよびシートの上下方向の位置を変位させ、前記制御手段は、前記車両の加速度に応じてピッチ方向の傾きを変位させる場合に、ピッチ方向の制御によるシートの前縁の変位量を小さくする方向に上下方向の位置を変位させることを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記車両の加速度、および路面傾斜による成分を除いた車両加速度の推定値を重み付けした値に基づいて、運転席のピッチ方向の制御を行うことを特徴とする。
さらに、前記制御手段は、前記重み付けを車両の速度に対応して変化させ、車両の速度が大きいほど路面傾斜を含めない成分を大きくしてもよい。
又は、前記制御手段は、前記車両の加速度、ブレーキのマスタシリンダ圧力、および路面傾斜による成分を除いた車両加速度の推定値を重み付けした値に基づいて、運転席のピッチ方向の制御を行うことを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記駆動手段による運転席の変位量を、他のシートの変位量より小さくすることを特徴とする。
本発明の車両の乗員姿勢制御装置によれば、加速時と減速時で姿勢の制御量を変えるので、より乗員の感性に適合したフラットライド化が可能である。
本発明に係る乗員姿勢制御装置の一実施の形態について、図を参照して説明する。乗員姿勢制御装置の説明に先立って、図2を用いて車両用シートの座標系と回転軸等の方向を説明する。図2は、車両用シートの回転軸等の方向を説明するための図である。
図2に示すように、車両の前後方向をX軸方向(前方向を+、後方向を−)、車両の左右方向をY軸方向(車両の進行方向に向かって左方向を+、右方向を−)、車両の上下方向をZ軸方向(上方向を+、下方向を−)と定義する。また、X軸を中心として回転する方向をRX軸方向(X軸の正の方向から座標原点を見て反時計まわりを+の角度とする)、Y軸を中心として回転する方向をRY軸方向(Y軸の正の方向から原点を見て反時計まわりを+の角度とする)、Z軸を中心として回転する方向をRZ軸方向(Z軸の正の方向から原点を見て反時計まわりを+の角度とする)と定義する。(座標は右手系、回転角度は反時計まわりで座標の輪環順とすれば覚えやすい。例えば、RX軸方向は、Y軸の正からZ軸の正に向かう方向(RX軸:Y軸→Z軸)を+の角度とする。同様に、RY軸:Z軸→X軸、RZ軸:X軸→Y軸を+の角度とする。)RY軸方向をピッチ、RX軸方向をロールという。また、上下方向であるZ軸方向をヒーブという。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る車両の乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示す車両の乗員姿勢制御装置100を構成する各部品について説明する。車両の乗員姿勢制御装置100は、車両用シート110の基準角度からRY軸方向に車両用シート110を回転させる制御を行う。図1に示すように、車両の乗員姿勢制御装置100は、車両用シート110、RY軸方向アクチュエータ120、制御部130、ネットワークバス140、シート制御スイッチ150、RY軸方向位置センサ160、車速センサ170、X軸方向加速度センサ180から構成される。
図1は、実施の形態1に係る車両の乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示す車両の乗員姿勢制御装置100を構成する各部品について説明する。車両の乗員姿勢制御装置100は、車両用シート110の基準角度からRY軸方向に車両用シート110を回転させる制御を行う。図1に示すように、車両の乗員姿勢制御装置100は、車両用シート110、RY軸方向アクチュエータ120、制御部130、ネットワークバス140、シート制御スイッチ150、RY軸方向位置センサ160、車速センサ170、X軸方向加速度センサ180から構成される。
車両用シート110は、車両の乗員が着座するシートである。車両用シート110は、RY軸方向アクチュエータ120の駆動力により、Y軸を中心としてRY軸方向に回転する(傾く)。
RY軸方向アクチュエータ120は、例えばステッピングモータまたはDCモータ等の電動式モータなどを用いて構成される。RY軸方向アクチュエータ120は、所定の駆動機構(例えば歯車機構、リンク機構など)を介して車両用シート110の所定位置に噛合、連結、連接されることで、車両用シート110をY軸を中心としてRY軸方向に回転できるものであればよい。RY軸方向アクチュエータ120は、制御部130からの制御信号により駆動される。
制御部130は、制御信号によりRY軸方向アクチュエータ120の駆動を制御することにより、車両用シート110をY軸を中心としてRY軸方向に回転させる制御を行う。制御部130は、例えばECU(Electronic Control Unit)などから構成される。このECUは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Ramdom Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(例えば磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなど)、タイマカウンタなどから構成され、CPUがROMやRAM、補助記憶装置などの記録媒体に記憶されているコンピュータ読み取り可能なプログラムに従って、各種の処理を実行する。なお、RAMは、回転角DEGry、切替時回転角DEGry0、ピーク回転角DEGrypeak、ピーク時刻Tpeak、停止時刻Tstop、制御フラグContF、測定角MDEGry、速度Vx、加速度Gx、タイマTmrなどの値を格納する。また、ROMは、閾値Kvx、閾値Kdegry、閾値Kgxなどの値を格納する。
ネットワークバス140は、例えばCAN(Controller Area Network)といった車載LAN(Local Area Network)を構成し、制御部130、車速センサ170、X軸方向加速度センサ180などを互いに接続する。
シート制御スイッチ150は、シート制御を行うか否かを切り替えるスイッチであり、制御部130に接続されている。シート制御スイッチ150は、例えば、モーメンタリスイッチやディップスイッチ、あるいは有線もしくは無線の信号を出力する電子機器から構成される。
RY軸方向位置センサ160は、RY軸方向における基準角度からの車両用シート110の回転角を検出するセンサであり、例えばロータリエンコーダなどから構成される。RY軸方向位置センサ160は、例えば、車両用シート110の近傍に配置され、制御部130に接続される。
車速センサ170は、車両の走行速度を検出するセンサであり、ロータリエンコーダなどから構成され、ネットワークバス140を介して制御部130に接続される。
X軸方向加速度センサ180は、X軸方向の車両の加速度を検出するセンサであり、例えばピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型のMEMS(Micro Eletro Mechanical Systems)センサから構成される。X軸方向加速度センサ180は、車両のX軸方向の加速度が正確に検出できる場所(例えばバネ下)に設置され、ネットワークバス140を介して制御部130に接続される。
制御部130は、X軸方向加速度センサ180から車両の前後(X軸)方向の加速度を入力する。そして、X軸方向の加速度に応じて、車両用シート110のピッチ方向の傾き角度の制御量を演算し、RY軸方向アクチュエータ120に指令する。そのとき、シート制御スイッチ150がシート制御を行わない設定になっている場合は、車両用シート110の姿勢制御を行わず、RY軸方向アクチュエータ120を基準の位置に保持する。また、RY軸方向位置センサ160の出力によってフィードバック制御する。
図3は、車両の加速度と車両用シート110のピッチ制御量との関係を示す。図3の太い実線がピッチ制御量を表す。細い実線は、ピッチ制御量の傾きの違いを把握しやすいように引いた補助線である。図3に示すように、ピッチ制御は、加速度の絶対値が小さい領域に不感帯(−Kpz1〜Kpz1)を設けている。そして、加速度が正の場合の加速度の係数(制御のゲイン)α1は、加速度が負の場合の加速度の係数(制御のゲイン)β1より小さい。
加速度が負の場合、すなわちブレーキをかけるなどで減速する場合は、車両に固定した座標系で、乗員には重力と前方向の力(慣性力)が加わる。乗員は重力の方向が下方向から前に振れたように感じる。そこで、シートのピッチをRY軸の負の方向に変位させて、座面で変化した重力方向を支えるようにする。逆に、加速度が正の場合は、車両に固定した座標系で、乗員には重力と後方向への力が加わる。乗員は重力の方向が下方向から後方へ振れたように感じるので、シートのピッチをRY軸の正の方向に変位させる。
ところが通常、加速する場合に後方に加わる力に対しては、シートの背もたれとヘッドレストで支えられていて、乗員は動くことがない。減速する場合は、乗員の上体は支えられないので、シートのピッチを変位させて乗員を支えるのが望ましい。シートベルトでは通常の減速で拘束されることはなく、特に頭部は前方には支えられない。また、加速は予測している場合が多いのに対して、減速は乗員が予測していない場合がある。さらに、加速を体感するほうが好ましいともいえる。そこで、加速する(加速度が正の)場合の制御のゲインを、減速する(加速度が負の)場合のゲインより小さくするのが、乗員の感覚に適しており、加速と減速で同じゲインにするよりも乗り心地が向上するのである。
次に、上記の構成を有する車両の乗員姿勢制御装置100の動作を説明する。図4は、図1に示す車両の乗員姿勢制御装置の乗員姿勢制御処理の一例を示すフローチャートである。
制御部130は、イグニッションスイッチがオンであることを検出すると、乗員姿勢制御処理を開始する。制御部130はまず、初期化処理を行う(ステップS11)。初期化処理は、各アクチュエータを待機ポジションにして、そのときのシートポジションを検出するセンサの出力を初期値として格納する。また、各変数を初期設定する。
制御部130は、ネットワークバス140などを介して、車両の情報を取得する(ステップS12)。図1の乗員姿勢制御装置100では、車両のX軸方向加速度センサ180から検出値を入力する。また、RY軸方向位置センサ160からRY軸方向の位置を入力する。路面の傾斜による加速度成分を計測するために、車速センサ170から車速を入力してもよい。車速の時間変化率を加速度センサの検出値から差し引けば、路面の傾斜による加速度(重力加速度)の成分がわかる。
次に、入力した車両情報に基づいて、乗員の姿勢を制御する制御値を演算する(ステップS13)。例えば、図3に示すピッチ制御量で表される値を加速度から演算する。そこで、シート制御スイッチ150の状態を判定し(ステップS14)、制御許可であれば(ステップS14;YES)、演算した制御値をアクチュエータに出力する(ステップS15)。図1の乗員姿勢制御装置100の場合は、RY軸方向アクチュエータ120に制御値を出力してシートを駆動する。
制御許可でない場合(ステップS14;NO)、および制御値を出力したのち、ステップS12に戻って、車両情報の入力から繰り返す。ここで、シートのセンサの検出値を車両情報に含めて、ステップS12〜ステップS15のループを、姿勢制御のフィードバックループとみてもよい。
以上のような制御動作により、本実施の形態に係る車両の乗員姿勢制御装置100は、加速時と減速時で姿勢の制御量を変えるので、より乗員の感性に適合したフラットライド化が可能である。なお、本発明は上記実施例に限定されず、以下のような変形が可能である。
(変形例1)
図5は、実施の形態1の変形例1に係る乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。変形例1では、運転者用シート111の姿勢制御量を他の乗員の車両用シート110の姿勢制御量より小さくする。図5に示すように、運転者用シート111と他の車両用シート110それぞれに、RY軸方向アクチュエータ120と、RY軸方向位置センサ160を備える。
図5は、実施の形態1の変形例1に係る乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。変形例1では、運転者用シート111の姿勢制御量を他の乗員の車両用シート110の姿勢制御量より小さくする。図5に示すように、運転者用シート111と他の車両用シート110それぞれに、RY軸方向アクチュエータ120と、RY軸方向位置センサ160を備える。
制御部130は、運転者用シート111とその他の車両用シート110のRY軸方向アクチュエータ120に、それぞれ制御値を出力して姿勢制御するが、運転者用シート111の制御量を他の乗員のシートの制御量より小さくする。
図6は、変形例1におけるピッチ制御量の一例を示す。図6では、運転席のピッチ制御量を破線で示す。また、運転席以外のピッチ制御量を実線で示す。両方のシートについて、図3のピッチ制御と同様に、加速度が正の場合の加速度の係数(制御のゲイン)α1、α2は、加速度が負の場合の加速度の係数(制御のゲイン)β1、β2よりそれぞれ小さい。また、加速度の絶対値が小さい領域に不感帯を設けている。
加速度が正の領域において、運転者用シート111の制御量を決定する加速度の係数(制御のゲイン)α2は、他の車両用シート110の制御量を決定する加速度の係数(制御のゲイン)α1より小さい。加速度が負の領域においても、運転席の制御量を決定する加速度の係数(制御のゲイン)β2は、他の車両用シート110の制御量を決定する加速度の係数(制御のゲイン)β1より小さい。
運転者は、自らアクセルとブレーキおよびステアリングホイールを操作しているので、車両がどのように挙動するかを予測している。そのため、車両の挙動に合わせて身体を保持するように身体を調節することができる。したがって、他の車両用シート110より小さい制御量でも、感覚上は同じような効果を得ることができる。
また、運転者用シート111を大きく制御すると、ステアリングホイール、ブレーキペダル、アクセルペダルなどとの位置関係が変わるので、運転者が操作に違和感をもつかもしれない。さらに、姿勢制御によって運転者の視点が変わると、運転しにくいことも考えられる。そこで、運転者がそれらの違和感を感じない程度に、運転者用シート111の姿勢制御については制御量を小さくする。
なお、制御のゲインだけでなく、不感帯の幅を運転者用シート111と他の車両用シート110で変えてもよい。例えば、運転者用シート111の不感帯の幅を他の車両用シート110の不感帯より大きくしてもよい。
また、乗員が着座していない車両用シート110は、姿勢制御を停止してもよい。車両用シート110の着座センサ(図示せず)は、シート制御スイッチ150を兼ねることができる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る車両の乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2では、RY軸方向(ピッチ方向)に加えて、車両用シート110の上下方向(ヒーブ方向)を制御する。図7の乗員姿勢制御装置100は、図1に比べて、Z軸方向アクチュエータ121とZ軸方向位置センサ161をさらに備える。
図7は、本発明の実施の形態2に係る車両の乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2では、RY軸方向(ピッチ方向)に加えて、車両用シート110の上下方向(ヒーブ方向)を制御する。図7の乗員姿勢制御装置100は、図1に比べて、Z軸方向アクチュエータ121とZ軸方向位置センサ161をさらに備える。
Z軸方向アクチュエータ121はシートをZ軸方向に変位させる。Z軸方向位置センサ161は、シートの上下方向の位置(変位)を検出して、制御部130に伝達する。制御部130は、RY軸方向アクチュエータ120とZ軸方向アクチュエータ121を制御して、シートのピッチ方向と上下方向の姿勢を制御する。
実施の形態2の乗員姿勢制御装置100は、車両用シート110のピッチ方向と連動して、車両用シート110の上下方向を制御する。図8は、車両用シート110の上下方向の変位を示す。図8において、2点鎖線は、車両用シート110のピッチ制御によるシート前縁の高さを示す。破線は、車両用シート110の上下方向の制御量を示す。実線は、ピッチ制御と上下方向の制御を合成した、車両用シート前縁の高さを示す。
制御部130は、X軸方向の加速度に応じて、図3のピッチ制御量に示すように、車両用シート110のピッチ方向の姿勢を制御する。すると、車両用シート110のRY軸方向回転の支点の位置にもよるが、車両用シート110の前縁は、図8の2点鎖線で示すように、上下に変位する。車両用シート110がRY軸方向の+に変位すると、車両用シート110の前縁は下(Z軸の−)に変位する。車両用シート110がRY軸方向の−に変位すると、車両用シート110の前縁は上(Z軸の+)に変位する。
車両用シート110の前縁が上下に変位すると、乗員の足と床との関係が変化する。車両用シート110の前縁が高くなると、乗員の足は床から離れる方向であり、大腿が圧迫される。車両用シート110の前縁が低くなると、大腿が座面から離れ膝が曲がることになる。
制御部130は、ピッチ制御と連動して、車両用シート110を上下方向に変位させる。すなわち、ピッチ制御による車両用シート110の前縁の変位が小さくなるように、車両用シート110の上下方向を制御する。図8の破線に示すように、ピッチ制御が負の場合(車両用シート110の前縁が上がる)、車両用シート110を下げる。ピッチ制御が正の(車両用シート110の前縁が下がる)場合、車両用シート110を上げる。図8の実線に示すように、車両用シート110の前縁の変位量は小さく抑えられる。
その結果、乗員の膝と床との位置関係はあまり変化せず、大腿が圧迫されたり、膝が浮いて曲がるということがなく、乗員の姿勢は安定する。特に、運転者の場合は、ペダルとの位置関係の変化が抑えられるので、操作のしやすさを保つことができる。
(変形例2)
図9は、実施の形態1の変形例2に係るピッチ制御量の一例を示す。変形例2では、加速度のうち、路面の傾斜を除く速度の変化率の成分を重み付けした値に対応して、ピッチ制御量を決定する。変形例2でも、加速度の絶対値が小さい領域で不感帯(−Kpz2〜Kpz2)を設ける。
図9は、実施の形態1の変形例2に係るピッチ制御量の一例を示す。変形例2では、加速度のうち、路面の傾斜を除く速度の変化率の成分を重み付けした値に対応して、ピッチ制御量を決定する。変形例2でも、加速度の絶対値が小さい領域で不感帯(−Kpz2〜Kpz2)を設ける。
制御部130は、車速センサ170で検出した車速(V)を微分(dV/dt)して(前の値との差分をその間の時間で除して)、その値を所定の重み付け(k倍)し、X軸方向加速度センサ180の検出値(Gx)に加えて、重み付け加速度(Gx+k・dV/dt)を算出する。不感帯の分を除く重み付け加速度に係数(α3またはβ3)を乗じてピッチ制御量とする。
路面の傾斜の変化は、乗員が視覚で認識できるので、傾斜には対処しやすい。乗員の姿勢が変動するのは、車両の速度の変化の成分の影響が大きい。速度の変化による加速度の成分を重み付けることによって、より効果的に姿勢制御できる。
図10は、重み付け係数と車両の速度との関係の一例を示す。乗員の姿勢の変化は、速度が大きいほど、速度の変化による加速度の成分の影響が大きい。すなわち、低速では、加速度のうち路面の傾斜による姿勢の変化の影響が大きく、高速になるにつれて、路面の傾斜の影響は小さくなる。そこで、速度変化率の重み付け係数を速度に応じて変化させることによって、さらに効果的に乗員の姿勢を制御することができる。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係る車両の乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。実施の形態3では、X軸方向の加速と車両速度に加えて、ブレーキのマスタシリンダ圧力に基づいて、乗員の姿勢制御を行う。図11の乗員姿勢制御装置100は、図7に比べて、マスタシリンダ圧力センサ190をさらに備える。
図11は、実施の形態3に係る車両の乗員姿勢制御装置の構成を示すブロック図である。実施の形態3では、X軸方向の加速と車両速度に加えて、ブレーキのマスタシリンダ圧力に基づいて、乗員の姿勢制御を行う。図11の乗員姿勢制御装置100は、図7に比べて、マスタシリンダ圧力センサ190をさらに備える。
マスタシリンダ圧力センサ190は、ブレーキシステムのマスタシリンダ内の圧力を検出し、制御部130に伝達する。ブレーキペダルが踏まれると、マスタシリンダ内に圧力がかかる。マスタシリンダの圧力は、ブレーキペダルが踏まれる強さに比例する。
図12は、実施の形態3に係るピッチ制御量の一例を示す。制御部130は、変形例2の重み付け加速度(Gx+k・dV/dt)に、マスタシリンダ圧力Pに重み付け係数mを乗じた値(m・P)を加えた、補正重み付け加速度(Gx+k・dV/dt+m・P)を算出する。そして、不感帯の分を除く補正重み付け加速度に係数(α4またはβ4)を乗じてピッチ制御量とする。実際は、加速度が正の範囲では、マスタシリンダ圧力Pがかかるのは、下り坂である。下り坂以外では、加速度が正の範囲は、変形例2と同様になる。
乗員の感覚には、加速度だけでなく、加速度の変化が影響する。特に、減速する場合のブレーキが踏まれたときの強さに影響を受ける。例えば、急ブレーキをかけたときに、乗員の頭部と上体が衝撃的な感覚を受ける。減速する場合は、マスタシリンダの圧力が加速度の変化に対応する。
実施の形態3では、制御部130はマスタシリンダ圧力を加味した補正重み付け加速度に基づいてピッチ制御量を決めるので、加速度の変化(特にブレーキをかけたとき)による姿勢の変化を緩和する。その結果、乗員の乗り心地感を向上できる。
なお、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更及び修正が可能である。制御部130などから構成される車両の乗員姿勢制御装置100における制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実行可能である。例えば、図4のフローチャートおよび図3、6、8、9、10または12のグラフに示すような処理を実行するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばICメモリ、磁気記録ディスク、磁気記録カード、光学式記録ディスク、光学式記録カード、光磁気記録ディスク、光磁気記録カードなど)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、これらの処理を実行するようにしてもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでこれらの処理を実行するようにしてもよい。
また、本発明において制御部130が担う機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記憶媒体や記憶装置に格納してもよい。
さらに、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板に前述のコンピュータプログラムを提示し、ネットワークを介して前述のコンピュータプログラムを配信しても良い。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
110 車両用シート
111 運転者用シート
120 RY軸方向アクチュエータ(駆動手段)
121 Z軸方向アクチュエータ(駆動手段)
130 制御部(制御手段)
140 ネットワークバス
150 シート制御スイッチ
160 RY軸方向位置センサ(情報収集手段)
161 Z軸方向位置センサ(情報収集手段)
170 車速センサ(情報収集手段)
180 X軸方向加速度センサ(情報収集手段)
190 マスタシリンダ圧力センサ(情報収集手段)
111 運転者用シート
120 RY軸方向アクチュエータ(駆動手段)
121 Z軸方向アクチュエータ(駆動手段)
130 制御部(制御手段)
140 ネットワークバス
150 シート制御スイッチ
160 RY軸方向位置センサ(情報収集手段)
161 Z軸方向位置センサ(情報収集手段)
170 車速センサ(情報収集手段)
180 X軸方向加速度センサ(情報収集手段)
190 マスタシリンダ圧力センサ(情報収集手段)
Claims (6)
- 車両のシートの少なくともピッチ方向の傾きおよび/または位置を変位させる駆動手段と、
車両の加速度を含む前記車両の状態を表す情報を収集する情報収集手段と、
前記車両の加速度に基づいて前記駆動手段によるシートの傾きおよび/または位置の変位量を調節する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車両の前進方向を正として、前記シートのピッチ方向の制御のゲインについて、車両の加速度が正の場合のゲインの絶対値を、車両の加速度が負の場合のゲインの絶対値よりも小さくする
ことを特徴とする車両の乗員姿勢制御装置。 - 前記駆動手段は、前記シートのピッチ方向の傾きおよびシートの上下方向の位置を変位させ、
前記制御手段は、前記車両の加速度に応じてピッチ方向の傾きを変位させる場合に、ピッチ方向の制御によるシートの前縁の変位量を小さくする方向に上下方向の位置を変位させる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員姿勢制御装置。 - 前記制御手段は、前記車両の加速度、および路面傾斜による成分を除いた車両加速度の推定値を重み付けした値に基づいて、運転席のピッチ方向の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員姿勢制御装置。
- 前記制御手段は、前記重み付けを車両の速度に対応して変化させ、車両の速度が大きいほど路面傾斜を含めない成分を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の車両の乗員姿勢制御装置。
- 前記制御手段は、前記車両の加速度、ブレーキのマスタシリンダ圧力、および路面傾斜による成分を除いた車両加速度の推定値を重み付けした値に基づいて、運転席のピッチ方向の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員姿勢制御装置。
- 前記制御手段は、前記駆動手段による運転席の変位量を、他のシートの変位量より小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の乗員姿勢制御装置。
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JP2007236203A JP2009067169A (ja) | 2007-09-12 | 2007-09-12 | 車両の乗員姿勢制御装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020069832A (ja) * | 2018-10-29 | 2020-05-07 | 日産自動車株式会社 | シート制御方法及びシート制御装置 |
CN115214429A (zh) * | 2021-12-09 | 2022-10-21 | 广州汽车集团股份有限公司 | 一种车辆座椅调节方法、装置、设备及车辆 |
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-
2007
- 2007-09-12 JP JP2007236203A patent/JP2009067169A/ja active Pending
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JP2020069832A (ja) * | 2018-10-29 | 2020-05-07 | 日産自動車株式会社 | シート制御方法及びシート制御装置 |
JP7134063B2 (ja) | 2018-10-29 | 2022-09-09 | 日産自動車株式会社 | シート制御方法及びシート制御装置 |
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CN115214429B (zh) * | 2021-12-09 | 2023-11-21 | 广州汽车集团股份有限公司 | 一种车辆座椅调节方法、装置、设备及车辆 |
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