JP2009066986A - 表面機能性材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止能とその耐久性に優れた表面機能性材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】重合性官能基が導入された4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性液体モノマーが基材表面に結合してなる表面機能性材料であり、イオン性液体モノマーが、イオン性液体モノマー由来のポリマー鎖を形成し、該ポリマー鎖の少なくとも一部で前記基材に結合してなることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止性に優れた表面機能性材料及びその製造方法に関し、有機基材、無機基材、金属基材表面に、耐久性に優れた帯電防止能を付与しうる表面機能性材料及びその簡易な製造方法に関する。
従来、任意の基材に各種の機能を有する表面層を形成した表面機能性材料が種々提案されている。表面に機能性を付与する方法としては、目的とする機能を発現しうる粒子を基材表面に固定化する方法、目的とする機能を発現しうる官能基をもつ有機材料からなる層を基材表面に形成する方法などがある。
表面機能性材料として、表面に優れた帯電防止能を付与する帯電防止材料が注目されている。即ち、化学繊維やプラスチックなどの電気絶縁性部材を使用する際、摩擦によってその表面が帯電すると、ハンドリング性の低下や、場合によっては放電による火災や爆発の原因ともなるため、これらの表面に優れた帯電防止能を付与することは生産性向上の観点から重要である。
基材表面の帯電量は、摩擦などによる帯電の発生速度を抑制するか、発生した帯電の消失速度を向上することが求められるが、静電気発生の原因である摩擦を伴う作業においては、帯電発生を抑制することは困難であり、帯電した電荷の分散速度、漏洩速度を速めることが必要となる。
このため、基材表面に帯電防止剤を適用する方法、或いは、基材自体に帯電防止剤を添加する方法が汎用される。帯電防止剤は、イオン伝導率や電気伝導率を上げることによって静電気消失速度を向上させる機能を有する有機化合物であり、例えば、長鎖脂肪族アミンおよびアミド、4級アンモニウム塩、脂肪酸のエステルとその誘導体、アルキル化芳香族スルホン酸の如きスルホン酸塩、ポリエーテルポリオールおよびその誘導体、多価アルコールおよびその誘導体、リン酸誘導体などが使用されている。
これら有機帯電防止剤は、基材であるポリマーとの相溶性または親和性に乏しいため、表面に適用した場合には耐久性に乏しく、基材原料に添加して用いた場合には、経時的に表面へブリードし、基材表面の色相、透明性、機械的強度、耐熱性などの物性に悪影響を及ぼす、或いは、基材原料の溶融温度で分解するし、帯電防止硬化が十分に得られないなどの問題がある。
基材との親和性向上を目的とし、帯電防止剤として、特定の塩構造を有するイオン性液体ポリマーを使用する帯電防止材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ここで用いられるイオン性液体モノマーは、4級アンモニウム常温溶融塩として知られ、イオン密度が高く、このため、イオン伝導度、電気伝導度に優れる。この化合物は常温で液体であるために、ポリマーへの相溶性および親和性に乏しく、他の4級アンモニウム塩と同様の欠点を持っている。従って、特許文献1に記載の帯電防止材料は、初期には、ある程度の帯電性を発現しうるものの、特に効果の高い基材表面に適用した場合、擦りなどの機械的な摩耗性に弱く、耐久性に問題があり、また、親和性の観点から、使用しうる基材も有機材料からなるものに限定され、汎用性に乏しい。
特開2006−137885公報
上記問題点を考慮してなされた本発明の目的は、樹脂材料などの有機材料のみならず、セラミックなどの無機材料、金属材料のいずれの基材を用いた場合においても、その表面に優れた帯電防止能を付与することができ、且つ、帯電防止能の耐久性に優れた表面機能性材料を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、帯電防止能とその耐久性に優れた表面機能性材料の簡易な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、基材表面に特定の塩構造を有するモノマーを用いて、基材表面直接結合したモノマーからなる層、或いは、基材表面に直接結合した表面グラフトポリマーからなる層を形成することで前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の構成は以下の通りである。
<1> 重合性官能基が導入された4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性液体モノマー由来のポリマーが、該ポリマーの少なくとも一部で基材表面に結合してなる表面機能性材料。
<2> 前記イオン性液体モノマーにおける4級アンモニウムカチオンが、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、4−ビニル−1−アルキルピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウムカチオン、1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−(2−ビニルオキシエチル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−ビニルイミダゾリウムカチオン、1−アリルイミダゾリウムカチオン、N−アリルベンゾイミダゾリウムカチオン、N,N−ジアリルアルキルアンモニウムカチオン、N−アリル−N−アルキルピペリジニウムカチオン、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウムカチオン、および、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムカチオンからなる群から選ばれる<1>記載の表面機能性材料。
<3> 前記イオン性液体モノマーにおける4級アンモニウムカチオンが、イミダゾリウムカチオンもしくはピリジニウムカチオンであることを特徴とする<1>記載の表面機能性材料。
<5> 前記イオン性液体におけるフッ素含有アニオンが、ビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルフォニル)アセトアミドアニオン、ビス〔(ペンタフルオロエチル)スルフォニル〕アミドアニオン、ビス(フルオロスルフォニル)アミドアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、および、トリフルオロメタンスルフォネートアニオンからなる群から選ばれる<1>記載の表面機能性材料。
<5> 帯電防止材料であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の表面機能性材料。
<6> <1>〜<5>のいずれか1項に記載の表面機能性材料の製造方法であって、重合開始部位を有する基板表面に、イオン性液体モノマーを接触させ、エネルギーを付与することにより、該イオン性液体モノマーを該基材表面に発生した重合開始点を起点として表面グラフト重合させ、基材表面にイオン性液体モノマー由来のポリマーの少なくとも一部が結合してなるポリマー層を形成させることを特徴とする表面機能性材料の製造方法。
<7> 前記イオン性液体モノマー由来のポリマーが、片末端で基材と化学的に結合してなることを特徴とする<6>記載の表面機能性材料の製造方法。
本発明によれば、いずれの基材を用いた場合においても、その表面に優れた帯電防止能を付与することができ、且つ、帯電防止能の耐久性に優れた表面機能性材料、及び、その簡易な製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表面機能性材料は、重合性官能基が導入された4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性液体モノマー由来の化合物が基材表面に結合してなることを特徴とするものであり、前記イオン性液体モノマーが、該イオン性液体モノマー由来のポリマー鎖を形成し、該ポリマー鎖の少なくとも一部で前記基材に結合してなることが好ましい態様である。
本発明は、重合性基を有する4級アンモニウム常温溶融塩モノマーを用いて形成された固体表面に固定化して用いる帯電防止部材を提供するものである。
イオン性液体モノマー由来のマクロモノマー、ポリマーなどの基材への固定化は、重合性官能基が導入されたモノマーを単独または他のモノマーととともに、基材表面に表面グラフト重合することによって達成され、表面グラフト重合により、イオン性液体モノマーの優れた帯電防止能を維持しつつ、この部分構造を有する、少なくとも一部が基材表面に直接結合してなる、耐久性及び運動性に優れたポリマー鎖により形成されるポリマー層が得られる。
表面グラフトとは、以下に詳述するように、表面に光、熱、電子線などのエネルギーを付与することにより重合を開始するラジカル、カチオン、もしくはアニオンなどの活性種を表面に発生させ、それを基点にしてその表面に接したモノマーを重合させるものであり、重合の基点が固体表面から始まる。したがってできたポリマーは固体表面に化学結合により直接結合したものとなり、表面への摩擦に対して剥がれることが無く、耐久性の高い帯電防止材料が得られる。
<基材>
以下、本発明に用いられる基材について説明する。
本発明における基材が、電子線照射などのエネルギー付与により活性種を発生しうる有機材料からなる場合には、そのまま重合開始能を有する基材として用いることが可能であるが、一般には、支持体表面に重合開始剤などの開始種を効率よく発生しうる化合物を含む重合開始層を有する基材を用いることが好ましい。本発明においては、支持体表面に別途中間層(例えば、後述する重合開始層)を設け、該中間層が重合開始能を有する場合、中間層を備えた支持体も「基材」に包含される。
〔支持体〕
本発明に使用される基材形成用の支持体は、寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリイミド、エポキシ、ビスマレインイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が含まれる。本発明に使用される基材としては、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂が好ましい。
なお、これらの基材用支持体表面が、重合開始能を有する場合には、その支持体そのものを基材として用いてもよい。
本発明における基材として、特開2005−281350号公報の段落番号[0028]〜[0088]に記載の重合開始部位を骨格中に有するポリイミドを含む基材を用いることもできる。
〔低分子開始剤の導入による基材の形成〕
金属あるいは金属酸化物からなる支持体を用いる場合、重合開始能を向上させるといった観点からは、低分子開始剤を支持体基材表面に導入することが好ましい。
支持体表面に重合開始能を付与する目的で使用する化合物としては、重合開始基を有するカップリング剤が挙げられる。即ち、金属(酸化物)を支持体として用いる場合には、その表面に開始剤をカップリングすることが好ましく、この開始剤の付与には、重合開始部位とカップリング部位とを有する重合開始剤を用いるか、或いは、これらの機能をもつ2種の化合物を併用することが好ましい態様である。
重合開始基を有するカップリング剤としては、以下の重合開始能を有する構造がペンダントされた、ラジカル、アニオン、又はカチオン重合可能な重合性基を有するカップリング剤が好ましい。すなわち、このカップリング剤は、分子内に、金属及び金属酸化物と結合しうる基と、重合開始基と、が共に存在する構造を有する。
重合開始能を有する構造をもつ化合物としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(k)ピリジウム類化合物等が挙げられ、これらの構造がペンダントされたカップリング剤を用いればよい。重合開始能の観点からは、上記構造のうち、(a)、(c)、(j)が好ましい。上記(a)〜(k)はこれらの構造を有するいかなる化合物も使用することができる。
これら上述のカップリング剤を、基材用の支持体である金属及び金属酸化物と結合させることで本発明における重合開始能を有する表面を形成することができる。
より具体的には、表面にAu、Ag、Cu及びPtからなる群から選ばれる金属を有する支持体基材に使用できるカップリング剤としては重合開始基を有する硫黄化合物が挙げられる。
また、表面がSiO、Al、InO、SnO、ZrO、TIO及びHfOからなる群から選ばれる金属酸化物を有する支持体である場合、カップリング剤としては、例えば、重合開始基を有するアルコキシシランまたはハロゲン化シランが好ましく挙げられる。
一般に、表面に金属酸化物を有する基材を上述の如きシラン化合物の溶液に浸漬すると、該シラン化合物中のシリル基が基材表面と化学結合し、基材表面に安定な単分子膜層を形成することが知られている。
これらの重合開始基を有するシラン化合物を用いて基材を処理する方法としては、例えば、これらの化合物のいずれか1つを溶媒に溶解させ、その溶液に基材を接触させた後、基材を引き上げ、該化合物が溶解する溶媒で洗浄する方法が挙げられる。
これらのシラン化合物を溶解させる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘキサデカンの如き脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素;塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタンの如きハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンの如きエーテル系化合物などが挙げられる。
しかし、これらの溶媒に限定されるものではなく、水酸基あるいはカルボニル基を有しない溶媒、及び重合開始基と反応しない溶媒であれば使用できる。但し、アルコキシ基と結合したケイ素原子を有する化合物を用いる場合は、メタノール、プロパノールの如きアルコール系化合物;アセトン、2−ブタノンの如きケトン系化合物及びこれらの混合溶媒を用いることができる。
重合開始基を有するシラン化合物の溶液中の濃度には、0.001ミリモル/リットル〜5モル/リットルであり、0.1〜100ミリモル/リットルの範囲が好ましい。重合開始基を有するシラン化合物の溶液中の濃度が、0.001ミリモル/リットルよりも薄いと、反応の進行に長時間を要する傾向にある。
重合開始基を有するシラン化合物の溶液を用いた処理温度は、通常、10〜120℃であり、15〜80℃好ましい。処理時間は特に制限はないが、当該処理の時間は、1分間〜24時間の範囲が好ましく、30分間〜6時間の範囲がより好ましい。
重合開始基を有するシラン化合物の溶液から基材を分離した後の洗浄操作は、未反応のシラン化合物を除去するために重要で、洗浄溶媒としては、アミノ基またはカルボキシル基を有するシラン化合物を溶解することができる上記の溶媒を用いることができる。また、処理後の基材を加熱処理することは、シラン化合物での処理を完全にするために有効である。この加熱処理温度は、50〜200℃の範囲が好ましく、50〜120℃の範囲がより好ましい。
このようにして、重合開始基を有するカップリング剤を基材表面に接触させ、基材表面にカップリング剤を結合させることで、重合開始能を有する表面を備えた基材を得ることができる。
〔重合開始剤を含む重合開始層〕
重合開始能を有する表面を備えた基材の他の態様として、支持体上に、重合開始剤を含有する、又は重合開始可能な官能基を有する重合開始層を形成する態様が挙げられ、このような重合開始層を有する基材を用いることで、活性点を効率よく発生させ、より多くの帯電防止能に優れたポリマー層を生成させることができる。このような重合開始層は任意の材料の支持体表面に形成することができる。
以下、本発明における重合開始層について説明する。なお、基材が板状物であれば、その両面に重合開始層を形成してもよい。
本発明における重合開始層としては、高分子化合物と重合開始剤とを含む層や、重合性化合物と重合開始剤とを含む層、重合開始可能な官能基を有する層が挙げられる。
本発明における重合開始層は、必要な成分を、溶解可能な溶媒に溶解し、塗布などの方法で基材表面に設け、加熱又は光照射により硬膜することで、形成することができる。
本発明における重合開始層に用いられる化合物としては、基材との密着性が良好であり、且つ、活性光線照射などのエネルギー付与により、活性種を発生するものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、多官能モノマーや分子内に重合性基を有する疎水性ポリマーと、重合開始剤とを混合したものが用いることができる。
このような分子内に重合性基を有する疎水性ポリマーとしては、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリぺンタジエンなどのジエン系単独重合体、アリル(メタ)アクリレー卜、2−アリルオキシエチルメタクリレー卜などのアリル基含有モノマーの単独重合体;
ブタジエン、イソプレン、ペンタジエンなどのジエン系単量体又はアリル基含有モノマーを構成単位として含む、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどの二元又は多元共重合体;
不飽和ポリエステル、不飽和ポリエポキシド、不飽和ポリアミド、不飽和ポリアクリル、高密度ポリエチレンなどの分子中に炭素−炭素二重結合を有する線状高分子又は3次元高分子類;などが挙げられる。
なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
これらの重合性化合物の含有量は、重合性層中、固形分で10〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲が特に好ましい。
重合開始層には、エネルギー付与により重合開始能を発現させるための重合開始剤を含有する。ここで用いられる重合開始剤は、所定のエネルギー、例えば、活性光線の照射、加熱、電子線の照射などにより、重合開始能を発現し得る公知の熱重合開始剤、光重合開始剤などを、目的に応じて、適宜選択して用いることができる。中でも、光重合を利用することが製造適性の観点から好適であり、このため、光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤は、照射される活性光線に対して活性であり、これを含む重合開始層から表面グラフト重合が可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いることができるが、扱い易さ、反応性の観点からは、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤が好ましく、更に、ラジカル重合開始剤が好ましい。
そのような光重合開始剤としては、具体的には、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン(4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、の如きケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類;トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロフォスフェートなどのスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムサルフェートなどのヨードニウム塩などが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、重合開始層中、固形分で0.1〜70質量%の範囲が好ましく、1〜40質量%の範囲が特に好ましい。
上記重合性化合物及び重合開始剤を塗布する際に用いる溶媒は、それらの成分が溶解するものであれば特に制限されない。乾燥の容易性、作業性の観点からは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。
具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテートなどが挙げられる。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。そして塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
重合開始層を基材上に形成する場合の塗布量は、十分な重合開始能の発現、及び、膜性を維持して膜剥がれを防止するといった観点からは、乾燥後の質量で、0.1〜20g/mが好ましく、更に、0.5〜15g/mが好ましい。
本発明においては、上記のように、基材形成用支持体表面に上記の重合開始層形成用の組成物を塗布などにより配置し、溶剤を除去することにより成膜させて重合開始層を形成するが、この時、加熱及び/又は光照射を行って硬膜することが好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行って予備硬膜しておくと、重合性化合物のある程度の硬化が予め行なわれるので、重合開始層上にグラフトポリマーが生成した後に重合開始層ごと脱落するといった事態を効果的に抑制し得るため好ましい。
加熱温度と時間は、塗布溶剤が充分乾燥し得る条件を選択すればよいが、製造適正の点からは、温度が100℃以下、乾燥時間は30分以内が好ましく、乾燥温度40〜80℃、乾燥時間10分以内の範囲の加熱条件を選択することがより好ましい。
加熱乾燥後に所望により行われる光照射は、後述するグラフトポリマーの生成反応に用いる光源を用いることができる。引き続き行われるグラフトポリマー生成工程において、エネルギー付与により発生する重合開始層の活性点と、グラフトポリマーの生成を阻害しないという観点からは、重合開始層中に存在する重合開始剤が重合性化合物を硬化する際にラジカル重合しても、完全に消費しない程度に光照射することが好ましい。光照射時間については、光源の強度により異なるが、一般的には30分以内であることが好ましい。このような予備硬化の目安としては、溶剤洗浄後の膜残存率が80%以下となり、且つ、予備硬化後の開始剤残存率が1%以上であることが、挙げられる。
また、上記の重合性化合物及び重合開始剤を含有する重合開始層以外に、特開2004−161995公報に記載の重合開始基が側鎖にペンダントしてなるポリマーを用いた重合開始層も好ましい。このポリマーは、具体的には、側鎖に重合開始能を有する官能基(重合開始基)及び架橋性基を有するポリマー(以下、重合開始ポリマーと称する。)であり、このポリマーにより、ポリマー鎖に結合した重合開始基を有し、かつ、そのポリマー鎖が架橋反応により固定化された形態の重合開始層を形成することができる。
このようにして形成される重合開始層も、本願の重合開始層として好適である。
ここで用いられる重合開始ポリマーは、特開2004−161995号公報の段落番号〔0011〕〜〔0158〕に記載にものが挙げられる。
〔光開裂基を有する重合開始剤の固定化〕
基材表面への重合開始能のさらなる付与方法として、基材表面に基材との密着性を向上させる官能基を有する光重合開始剤の付与方法が挙げられる。
ガラス、シリコンなどの基材との密着性を向上させる官能基を有するものとしては、分子内に光重合開始基を有するシランカップリング剤が挙げられる。
分子内に光重合開始基を有するシランカップリング剤としては、光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位(以下、単に、重合開始部位と称する。)と基板結合部位とを有する化合物が挙げられる。この化合物について、基板結合部位(Q)と、重合開始部位(Y)と、を有する化合物(Q−Y)のモデルを用いて詳細に説明すれば、一般に、重合開始部位(Y)は、光、特に紫外線により開裂しうる単結合を含む構造である。
この光により開裂する単結合としては、カルボニルのα開裂、β開裂反応、光フリー転位反応、フェナシルエステルの開裂反応、スルホンイミド開裂反応、スルホニルエステル開裂反応、N−ヒドロキシスルホニルエステル開裂反応、ベンジルイミド開裂反応、活性ハロゲン化合物の開裂反応、などを利用して開裂が可能な単結合が挙げられる。これらの反応により、光により開裂しうる単結合が切断されることになる。この開裂しうる単結合としては、C−C結合、C−N結合、C−O結合、C−Cl結合、N−O結合、及びS−N結合等が挙げられる。
また、これらの光により開裂しうる単結合を含む重合開始部位(Y)は、グラフトポリマー生成工程におけるグラフト重合の起点となることから、光により開裂しうる単結合が開裂すると、その開裂反応によりラジカルを発生させる機能を有する。このように、光により開裂しうる単結合を有し、かつ、ラジカルを発生可能な重合開始部位(Y)の構造としては、以下に挙げる基を含む構造が挙げられる。
芳香族ケトン基、フェナシルエステル基、スルホンイミド基、スルホニルエステル基、N−ヒドロキシスルホニルエステル基、ベンジルイミド基、トリクロロメチル基、ベンジルクロライド基、などが挙げられる。
このような重合開始部位(Y)は、露光により開裂して、ラジカルが発生すると、そのラジカル周辺に重合可能な化合物が存在する場合には、このラジカルがグラフト重合反応の起点として機能し、所望のグラフトポリマーを生成することができる。
また、基板結合部位(Q)としては、エポキシ樹脂基板表面に存在する官能基Zと反応して結合しうる反応性基で構成され、その反応性基としては、具体的には、以下に示すような基が挙げられる。
Figure 2009066986
重合開始部位(Y)と、基板結合部位(Q)と、は直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよい。この連結基としては、炭素、窒素、酸素、及びイオウからなる群より選択される原子を含む連結基が挙げられ、具体的には、例えば、飽和炭素基、芳香族基、エステル基、アミド基、ウレイド基、エーテル基、アミノ基、スルホンアミド基、等が挙げられる。また、この連結基は更に置換基を有していてもよく、その導入可能な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、等が挙げられる。
基板結合部位(Q)と、重合開始部位(Y)と、を有する化合物(Q−Y)の具体例〔例示化合物1〜例示化合物18〕を、開裂部と共に以下に示すが、本発明はこれらに制限されるものではなく、例えば、公知のシランカップリング剤であって、分子内に前記した光により開裂しうる単結合を含むものなども好適に使用しうる。
Figure 2009066986
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本発明における基材表面への光重合開始剤を付与する工程として、このような化合物(Q−Y)を結合させる工程を採用することができる。
例示された如き化合物(Q−Y)を非パターン部表面に存在する官能基に結合させる方法としては、化合物(Q−Y)を、トルエン、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などの適切な溶媒に溶解又は分散し、その溶液又は分散液を基板表面に塗布する方法、又は、溶液又は分散液中に基板を浸漬する方法などを適用すればよい。このとき、溶液中又は分散液の化合物(Q−Y)の濃度としては、0.01質量%〜30質量%が好ましく、特に0.1質量%〜15質量%であることが好ましい。接触させる場合の液温としては、0℃〜100℃が好ましい。接触時間としては、1秒〜50時間が好ましく、10秒〜10時間がより好ましい。
<イオン性液体モノマーに由来するポリマー層の形成>
本発明におけるポリマー層は、ポリマー鎖の一部、好ましくは、その片末端が前記基材表面に化学的に結合し、表面にグラフトされたポリマー鎖部分が実質的に架橋されていない構造を有することにある。この構造によりイオン性液体モノマーに由来する帯電防止能に優れた官能基を有するポリマー部分の運動性が制限される、あるいは、帯電防止能に優れた官能基が強固な架橋構造内に埋没される、といった懸念がなく、高い運動性を保持できる特徴を有する。このため、通常の架橋構造を有するポリマー、即ち、このようなイオン性液体モノマーに由来するポリマーを塗布し、硬化させて表面層を形成した場合に比較して、多くの活性な帯電防止能を有する官能基が存在し、また、結合されたポリマー鎖自体の運動性にも優れるため、耐久性に優れ、且つ、帯電防止能が高い領域を形成しやすいものと考えられる。
このような少なくとも一部が基材に結合してなるポリマー鎖の分子量は、Mw500〜500万の範囲であり、好ましい分子量はMw1000〜100万の範囲であり、更に好ましくはMw2000〜50万の範囲である。
本発明においては、ポリマー鎖がその少なくとも一部、好ましくは片末端で直接基材表面上に共有結合などにより化学的に結合しているものを「表面グラフト」と称する。
〔表面グラフトの作製方法〕
基材表面上に結合してなるポリマー鎖を形成する方法としては、(1)基材表面とポリマーとを化学結合にて付着させる方法と、(2)基材表面を基点として重合可能な2重結合を有する化合物を重合させポリマーを形成する方法の2つの方法がある。
(1)基材表面とポリマー鎖とを化学結合にて付着させる方法
まず、基材表面にポリマーを化学結合にて付着させる方法について説明する。
この方法においては、ポリマーの末端若しくは側鎖に基材と反応しうる官能基(以下、適宜、基材結合性官能基と称する)を有するポリマーを使用し、この基材結合性官能基と、基材表面の官能基とを化学反応させることでグラフトさせる、即ち、ポリマー鎖と支持体とを化学反応により結合させる、ことができる。基材と反応する官能基としては、基材表面の官能基と反応し得るものであれば特に限定はないが、例えば、アルコキシシランのようなシランカップリング基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エポキシ基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等を挙げることができる。ポリマーの末端若しくは側鎖に反応性官能基を有するポリマーとして特に有用な化合物は、トリアルコキシシリル基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、アミノ基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、カルボキシル基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、エポキシ基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、イソシアネート基をポリマー末端に有する親水性ポリマーである。
特に、シランカップリング剤、もしくはイソシアネート基を有するポリマーは、ガラス基板やシリコン基板表面に開始剤が存在しなくても結合しうるため、有利に使用することができる。
また、この時に使用されるポリマーとしては、後述するイオン性液体モノマーに由来するポリマーであれば特に限定はない。このイオン性液体モノマーについては以下に詳述する。
(2)基材表面を基点として重合可能な2重結合を有する化合物を重合させ、基材に結合したポリマー鎖を形成させる方法
基材(重合開始能を有する表面をもつ基材)において生成された活性種を基点として重合可能な2重結合を有する化合物を重合させ、ポリマー鎖を形成させる方法は、一般的には表面グラフト重合と呼ばれる。表面グラフト重合法とは、プラズマ照射、光照射、加熱などの方法で基材表面上に活性種を与え、基材と接するように配置された重合可能な2重結合を有する化合物を重合によって基材と結合させる方法を指す。この方法によれば、生成するポリマー鎖の片末端が基材表面に化学結合により固定化される。
本発明を実施するための表面グラフト重合法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135には、表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、p203、p695には、γ線、電子線等の放射線照射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重合法の具体的方法としては、特開昭63−92658号公報、特開平10−296895号公報及び特開平11−119413号公報に記載の方法を使用することができる。プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法においては、上記記載の文献、及びY.Ikada et al,Macromolecules vol.19、page 1804(1986)などに記載の方法を適用することができる。
具体的には、PETなどの高分子表面を、プラズマ、若しくは、電子線にて処理して表面にラジカルを発生させ、その後、その活性表面と親水性官能基を有するモノマーとを反応させることによりグラフトポリマー表面層、即ち、親水性基を有する表面層(親水性表面)を得ることができる。
光グラフト重合は、上記記載の文献のほかに、特開昭53−17407号公報(関西ペイント)や、特開2000−212313号公報(大日本インキ)に記載されるように、フィルム支持体の表面に光重合性組成物を塗布して得られた支持体に、水性ラジカル重合化合物を接触させて光を照射することによっても実施することができる。
本発明におけるグラフトポリマー鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な2重結合が導入された4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性液体モノマーである。これらの化合物としては、分子内に「重合可能な2重結合」と、「4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性の部分構造」とを有していれば、ポリマーでも、オリゴマーでも、モノマーでもよいが、特に有用な化合物は重合性イオン性液体モノマーである。
なお、分子内に「重合可能な2重結合」と、「4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性の部分構造」とを有するポリマーとは、イオン性液体官能基である「4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性の部分構造」と重合性基とを有するポリマーであり、例えば、イオン性液体モノマーと重合性基に変換可能な重合性基前駆体構造を有するモノマーとを共重合させてポリマーとした後、後処理により前駆体構造を重合性基に変換する方法などにより、合成することができる。
ここで「重合性イオン性液体モノマー」とは、重合性官能基(例えばビニル基、アリル基および(メタ)アクリロイル基)を有するアンモニウムカチオン(ピリジニウムおよびイミダゾリウムを含む)と、フッ素を含むアニオンとの塩を意味する。
本発明における「フッ素を含むアニオン」としては、例えば、ビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルフォニル)アセトアミドアニオン、ビス〔(ペンタフルオロエチル)スルフォニル〕アミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、およびトリフルオロメタンスルフォネートアニオンなどが挙げられる。
なお、「フッ素を含むアニオン」とは、共有結合したフッ素を有する原子団より誘導されるアニオン、具体的には、前記例示アニオンが挙げられるアニオンなどを意味し、フッ素イオン(F)自体は本発明で言う「フッ素を含むアニオン」には包含されない。
また、「4級アンモニウム塩カチオン」は、エチレン性不飽和基(ビニルおよびアリル基を含む)を有するアンモニウムカチオンであり、前記フッ素原子含有アニオンとの間で塩を形成し、本発明におけるイオン性液体モノマーを形成する。
本発明における「4級アンモニウムカチオン」としては、例えば、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、4−ビニル−1−アルキルピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウムカチオン、1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−(2−ビニルオキシエチル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−ビニルイミダゾリウムカチオン、1−アリルイミダゾリウムカチオン、N−アリルベンゾイミダゾリウムカチオン、N,N−ジアリルアルキルアンモニウムカチオン、N−アルキルピペリジニウムカチオン、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウムカチオン、およびN−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
なかでも、イミダゾリウム、ピリジニウムなどの芳香族系アミン由来のカチオンがトリアルキルアンモニウムカチオンよりも一般的に導電性が高く、帯電防止能向上の観点からは好ましい。
以下に、本発明に好適に使用しうるイオン性液体モノマー、及び、該イオン性液体モノマー由来の構造単位と重合性基を有する構造単位とを含むポリマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
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これらのなかでも、イミダゾリウム、ピリジニウムの部分構造を有するものが好ましい。
本発明において形成される基材表面に結合してなるポリマー鎖は、前記重合性イオン性液体モノマーのみからなるホモポリマーのみならず、他のモノマーとの共重合体であってもよい。このような共重合体を形成する場合、予め形成されたポリマーを基材に結合する方法をとる場合には、重合性イオン性液体モノマーと他のモノマーとの共重合体を形成し、それを固定化すればよく、また、重合開始層に発生した開始種を基点として表面グラフト法によりポリマー鎖を形成する場合には、イオン性液体モノマーと他のモノマーとを、同時に重合開始能を有する基材表面に接触させてエネルギー付与すればよい。
共重合比率としては、イオン性液体モノマーと他のモノマーとの総量に対して、他の併用モノマーは90モル%まで添加することができるが、導電性の観点からは、60モル%以下、さらには30モル%以下の範囲で使用することが好ましい。
(極性のモノマー)
ここで併用しうる他のモノマーは公知のモノマーを使用することできるが、帯電防止能維持の観点から、導電性を阻害しない極性のモノマーが好ましい。
本発明において、イオン性液体モノマーと併用可能なモノマーの具体例としては、次のモノマーを挙げることができる。例えば、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン酸塩、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、スチレンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリレート、3−スルホプロピレン(メタ)アクリレート若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート若しくはそれらの塩、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリレート、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライド、などを使用することができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなども有用である。
マクロマーを使用したグラフトポリマーの合成は前記の”新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出版(株)1995に記載されている。また、山下雄他著”マクロモノマーの化学と工業”アイピーシー、1989にも詳しく記載されている。
具体的には、アクリル酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルアセトアミドなど、上記に具体的に記載したモノマー使用して文献記載の方法に従いマクロマーを合成することができる。
本発明で使用されるマクロマーのうち特に有用なものは、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、及びその塩のモノマーから誘導されるスルホン酸系マクロマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド系マクロマー、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニルカルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロマー、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレート等の水酸基含有モノマーから誘導されるマクロマー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート等のアルコキシ基若しくはエチレンオキシド基含有モノマーから誘導されるマクロマーである。また、ポリエチレングリコール鎖若しくはポリプロピレングリコール鎖を有するモノマーも本発明のマクロマーとして有用に使用することができる。
これらのマクロマーのうち有用な分子量は、400〜10万の範囲、好ましい範囲は1000〜5万、特に好ましい範囲は1500〜2万の範囲である。分子量が400以下では効果を発揮できず、また10万以上では主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性が悪くなる。
イオン性液体モノマー由来の部分構造を有するマクロマーを合成後、反応性官能基の前駆体を有する他のモノマーと共重合させ、その後反応性官能基を生成させてもよい。また、他の方法としては、特定官能基を有するマクロマーと光架橋性基、若しくは重合性基を有するグラフトポリマーを合成し、それを支持体上に塗布して光照射により反応させて架橋させ作製する方法が挙げられる。
このようにして、重合開始部位を有する基板表面に、イオン性液体モノマー、更に所望により他のモノマーを共存させて接触させ、エネルギーを付与することにより、該イオン性液体モノマーを該基材表面に発生した重合開始点を起点として表面グラフト重合させ、基材表面にイオン性液体モノマー由来のポリマーの少なくとも一部が結合してなるポリマー層を形成させるか、或いは、前記のようにして予め合成したイオン性液体官能基と重合性基とを有するマクロマー、ポリマーを接触させてエネルギーを付与し、このポリマーにおける重合性基と、基材に発生した重合開始点とを反応させてポリマーを結合させる工程が実施される。
〔モノマーの接触とエネルギー付与〕
イオン性液体モノマーや他の併用モノマーを基材表面に接触させる方法としては、モノマーを液状の場合には、そのまま、或いは、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−歩ロパノールなどの適切な溶媒に溶解、分散してなる液体に基材を浸漬する方法、或いは、この液体を基材表面に塗布する方法が挙げられる。
イオン性液体モノマーや他の併用モノマーを含有する液体を用いる場合の固形分濃度は5〜10質量%程度が好ましい。
エネルギー付与としては、加熱、紫外線照射、可視光照射などの手段が挙げられ、ポリマーの生成効率からは紫外線照射が好ましく、酸素による重合阻害を抑制する観点からは、窒素雰囲気下で紫外線照射を行うことがより好ましい。
形成されたグラフトポリマー鎖からなるグラフトポリマー層の膜厚は10nm〜5μmであることが好ましく、さらに好ましくは10nm〜1μmである。
基材表面にイオン性液体モノマーに由来する固定化されたポリマー層が形成されたことは、例えば、有機溶剤で洗浄した後、増加した重さを量るなどの方法で確認することができる。また、上記ポリマー層の膜厚は、AFMや触診式膜厚計を使用するなどの方法で測定することができる。
本発明の表面機能性材料は、基材に化学的に結合したイオン性液体モノマーに由来するポリマー層を有するため、帯電防止能及びその耐久性に優れる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
〔実施例1〕
(合成例1)
以下に示す構造の1−(3−アクリロイルオキシプロピル)−3−エチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(下記例示化合物F1)および1−(3−アクリロイルオキシプロピル)−ピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(下記例示化合物F2)は、H.Ohno ら著,「Electrochimica Acta」、第46巻、(2001年)P1723−1728.に載の方法にて合成した。得られた化合物はH−NMRにて構造を確認した。
Figure 2009066986
(開始剤層の調整)
光開裂化合物としてはシラン型化合物(P001 下記構造)を1質量%トルエン溶液としそれをシリコン基板の上にスピナーを用いて塗布し(回転数500rpm、10秒)、100℃、1分乾燥し、重合開始能を有するシリコン基材を得た。
Figure 2009066986
(ポリマー層の形成)
得られた重合開始能を有するシリコン基板をイオン液体モノマー(F1)のエタノール溶液(10wt%)に浸漬し、窒素雰囲気下で、露光機(UVX−02516S1LP01、ウシオ電機社製)で1分間露光した。露光後、エタノールで充分洗浄し、イオン性液体モノマー由来のポリマー層を有する実施例1の表面機能性材料を得た。
〔実施例2〕
(特定重合開始ポリマーの合成)
300mlの三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)30gを加え75度に加熱した。そこに、[2−(Acryloyloxy)ethyl](4−benzoylbenzyl)dimethyl ammonium bromide8.1gと、2−Hydroxyethylmethaacrylate9.9gと、isopropylmethaacrylate13.5gと、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.43gと、MFG30gと、の溶液を2.5時間かけて滴下した。その後、反応温度を80度に上げ、更に2時間反応させ、下記特定重合開始ポリマーAを得た。
Figure 2009066986
(重合開始層の形成)
膜厚0.188mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名:M4100、東洋紡社製)を基材として用い、その表面に下記の重合開始層塗布液をロッドバー18番を用いて塗布し、110℃で10分乾燥・架橋反応させた。得られた重合開始層の膜厚は8μmであった。
(重合開始層塗布液)
・上記特定重合開始ポリマーA 0.4g
・TDI(トリレン−2,4−ジイソシアネート) 0.16g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG) 1.6g
(ポリマー層の形成)
重合開始層が形成された基材を、イオン液体モノマー(前記例示化合物F1)のエタノール溶液(10wt%)に浸漬し、アルゴン雰囲気下で、400Wの高圧水銀灯を使用し、3分間光照射した。光照射後、基材をエタノールで洗浄し、イオン性液体モノマー由来のポリマー層を有する実施例2の表面機能性材料を得た。
〔実施例3〕
実施例1においてポリマー層の形成に用いた例示化合物F−1に代えて、前記例示化合物F−2を使用した他は、実施例1と同様にして、イオン性液体モノマー由来のポリマー層を有する実施例3の表面機能性材料を得た。
〔実施例4〕
実施例2においてポリマー層の形成に用いた例示化合物F−1に代えて、前記例示化合物F−2を使用した他は、実施例1と同様にして、イオン性液体モノマー由来のポリマー層を有する実施例3の表面機能性材料を得た。
〔比較例1〕
実施例1において合成したイオン液体モノマー(例示化合物F−1) 5.0gとエタノール30gの混合溶液を三口フラスコにいれ窒素気流下、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを例示化合物F−1に対して重量比0.5%添加し、60℃で5時間反応した。反応後、溶液を室温まで冷却し、300mlのヘキサン中に反応溶液を投入した。生じた沈殿物をろ過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥した。4.5gのポリマーを得た。
このポリマーをアセトンに重量比5%になるように溶解させペットフィルムの表面に固形分として塗布量が0.5g/cmになるようにロッドバーでコーティングし、90℃で乾燥させた。このようにしてイオン性液体モノマー由来の無色透明のポリマーからなる皮膜が表面に形成された比較例1の表面機能性材料を得た。
実施例1〜4及び比較例1の表面機能性材料を以下の方法で評価した。結果を下記表1に示す。
〔表面導電性〕
得られた各表面機能性材料の表面抵抗率(JIS K 6900)を25℃,20%の相対湿度において測定し、次の結果を得た。表面抵抗測定装置としてはロレスタEP(三菱化学製)四端子四指針プローブを使用した。
〔耐磨耗性〕
磨耗試験機(ヘイドン Dynamic strain amplifier 3K−34B)を使用し荷重500gを綿棒に与え100回往復して磨耗試験を行った。磨耗試験後の形状を目視で観察し、また磨耗試験後の表面抵抗を測定した。
Figure 2009066986
前記表1の結果より、本発明の表面機能性材料は、表面電導性に優れ、優れた帯電防止能を有することがわかる。また、摩耗試験後も、表面にキズの発生は認められず、導電性の低下も見られないことから帯電防止能の耐久性に優れることが確認された。
他方、イオン性液体モノマーを用いても、塗布法による帯電防止層を形成した比較例1では、初期の帯電防止性が本発明に比較して劣るものであり、特に摩耗による傷つき之発生、帯電防止能の著しい低下が見られることから帯電防止能の耐久性に劣ることがわかる。

Claims (7)

  1. 重合性官能基が導入された4級アンモニウムカチオンとフッ素含有アニオンとの塩よりなるイオン性液体モノマー由来のポリマーが、該ポリマーの少なくとも一部で基材表面に結合してなる表面機能性材料。
  2. 前記イオン性液体モノマーにおける4級アンモニウムカチオンが、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、4−ビニル−1−アルキルピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウムカチオン、1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−(2−ビニルオキシエチル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−ビニルイミダゾリウムカチオン、1−アリルイミダゾリウムカチオン、N−アリルベンゾイミダゾリウムカチオン、N,N−ジアリルアルキルアンモニウムカチオン、N−アリル−N−アルキルピペリジニウムカチオン、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウムカチオン、および、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムカチオンからなる群から選ばれる請求項1記載の表面機能性材料。
  3. 前記イオン性液体モノマーにおける4級アンモニウムカチオンが、イミダゾリウムカチオンもしくはピリジニウムカチオンであることを特徴とする請求項1記載の表面機能性材料。
  4. 前記イオン性液体におけるフッ素含有アニオンが、ビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルフォニル)アセトアミドアニオン、ビス〔(ペンタフルオロエチル)スルフォニル〕アミドアニオン、ビス(フルオロスルフォニル)アミドアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、および、トリフルオロメタンスルフォネートアニオンからなる群から選ばれる請求項1記載の表面機能性材料。
  5. 帯電防止材料であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表面機能性材料。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表面機能性材料の製造方法であって、
    重合開始部位を有する基板表面に、イオン性液体モノマーを接触させ、エネルギーを付与することにより、該イオン性液体モノマーを該基材表面に発生した重合開始点を起点として表面グラフト重合させ、基材表面にイオン性液体モノマー由来のポリマーの少なくとも一部が結合してなるポリマー層を形成させることを特徴とする表面機能性材料の製造方法。
  7. 前記イオン性液体モノマー由来のポリマーが、片末端で基材と化学的に結合してなることを特徴とする請求項6記載の表面機能性材料の製造方法。
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