JP2009066050A - 歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
【課題】歯間部での強い刷掃実感が得られると共に歯間部への進入実感が得られる歯ブラシを提供する。
【解決手段】ヘッド部2の植毛面2aに並ぶ複数の植毛穴に用毛の毛束が植設されてなる歯ブラシ1であって、ヘッド部2の植毛面2aに、第1の植毛穴3と、この第1の植毛穴3よりも小径とされた第2の植毛穴4とが設けられ、ヘッド部2の長さ方向yにおいて第2の植毛穴4を挟んだ両側に第1の植毛穴3が位置するように、第1の植毛穴3と第2の植毛穴4とをそれぞれヘッド部2の幅方向xに直線状に並べて配置し、第2の植毛穴4に、ヘッド部2の長さ方向yよりも幅方向xの剛性が高い用毛の毛束が植設されている。
【選択図】図1
【解決手段】ヘッド部2の植毛面2aに並ぶ複数の植毛穴に用毛の毛束が植設されてなる歯ブラシ1であって、ヘッド部2の植毛面2aに、第1の植毛穴3と、この第1の植毛穴3よりも小径とされた第2の植毛穴4とが設けられ、ヘッド部2の長さ方向yにおいて第2の植毛穴4を挟んだ両側に第1の植毛穴3が位置するように、第1の植毛穴3と第2の植毛穴4とをそれぞれヘッド部2の幅方向xに直線状に並べて配置し、第2の植毛穴4に、ヘッド部2の長さ方向yよりも幅方向xの剛性が高い用毛の毛束が植設されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、歯ブラシの改良に関する。
歯ブラシの基本機能としては、口腔内の清掃効果やマッサージ効果などがある。歯ブラシは、その基本機能の向上を図るため、従来より歯間進入性や、刷掃実感、マッサージ性などを付加している。そして、このような歯ブラシの高付加価値化を図るためには、植毛穴の配置や形状、用毛の種類や形状、毛束の毛切り形状などを複雑に組み合わせた仕様が一般に有効である。
例えば、う蝕好発生部位である歯間部の歯垢を効率良く除去するためには、毛束先端部の小径化が有効である。具体例として、毛束先端部を毛束が植設されたヘッド部を側方から見て山型にカットするという仕様の歯ブラシが提案されている(例えば特許文献1を参照。)しかしながら、このような毛束端部が山型にカットされた歯ブラシを使用した場合には、歯間部での強い刷掃実感が得られる一方で、狭い歯間部での刷掃力には課題がある。
そこで、ヘッド部の植毛面に設けられた植毛穴を小径化し、この小径化された植毛穴に円形断面の用毛(ブリッスル)の毛束を植設し、同様の効果を狙った仕様の歯ブラシが提案されている(例えば特許文献2を参照。)。しかしながら、このような仕様の歯ブラシでは、毛束の毛腰が低い上に用毛の断面が円形であることから、毛束のまとまりが損なわれやすく、歯間部の刷掃実感や進入実感に大きな課題がある。
特開平10−313946号公報
特開2004−41402号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、歯間部での強い刷掃実感が得られると共に歯間部への進入実感が得られる歯ブラシを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ヘッド部の植毛面に並ぶ複数の植毛穴に用毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、ヘッド部の植毛面に、第1の植毛穴と、この第1の植毛穴よりも小径とされた第2の植毛穴とが設けられ、ヘッド部の長さ方向において第2の植毛穴を挟んだ両側に第1の植毛穴が位置するように、第1の植毛穴と第2の植毛穴とをそれぞれヘッド部の幅方向に直線状に並べて配置し、第2の植毛穴に、ヘッド部の長さ方向よりも幅方向の剛性が高い用毛の毛束が植設されていることを特徴とする歯ブラシである。
また、請求項2に係る発明は、第2の植毛穴に、その横断面が矩形状を為す用毛の毛束が植設されると共に、当該毛束を構成する各用毛が、その横断面における最長辺又は最長対角線がヘッド部の幅方向と平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシである。
また、請求項3に係る発明は、第2の植毛穴の径が0.8〜1.2mmであり、植毛面に並ぶ全植毛穴の開口面積の総和に対する第2の植毛穴の開口面積の総和が10〜50%の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシである。
また、請求項4に係る発明は、ヘッド部の幅方向及び長さ方向において、隣接する第1の植毛穴と第2の植毛穴との中心間距離が2.2〜2.6mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の歯ブラシである。
請求項5に係る発明は、第2の植毛穴に植設された毛束が第1の植毛穴に植設された毛束よりも長く、その高低差が0.2〜3.0mmの範囲にあり、ヘッド部の幅方向において、第1及び第2の植毛穴に植設された毛束が全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状を有し、且つ、ヘッド部の長さ方向において、第1の植毛穴に植設された毛束が全体として下向き円弧状に毛先が剪定された形状を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の歯ブラシである。
以上のように、本発明の請求項1に係る歯ブラシでは、第1の植毛穴よりも小径とされた第2の植毛穴にヘッド部の長さ方向よりも幅方向の剛性が高い用毛の毛束を植設し、このような用毛の毛束が植設された第2の植毛穴をヘッド部の幅方向に直線状に並べて配置することによって、狭い歯間部への毛束の進入性を高めることができる。また、ヘッド部の長さ方向において用毛の毛束を撓みやすくし、歯間部に進入した用毛の毛束が歯垢を掻き出しやすくすることができる。さらに、ヘッド部の幅方向において用毛の剛性が高いといった異方性を持たせることによって、歯間部での強い刷掃実感を得ることができる。さらにまた、ヘッド部の長さ方向において第2の植毛穴を挟んだ両側に、この第2の植毛穴よりも大径とされた第1の植毛穴を配置することで、第1の植毛穴に植設された毛束が第2の植毛穴に植設された毛束の長さ方向における撓み具合を制御しながら、歯面に対する優れた刷掃効果を得ることができる。
また、本発明の請求項2に係る歯ブラシでは、横断面が矩形状を為す用毛の毛束を第2の植毛穴に植設し、各用毛を横断面における最長辺又は最長対角線がヘッド部の幅方向と平行となるように配置することで、ヘッド部の長さ方向よりも幅方向の剛性が高い用毛の毛束を第2の植毛穴に植設することができる。これにより、ヘッド部の長さ方向において用毛の毛束を撓みやすくし、歯間部に進入した用毛の毛束が歯垢を掻き出しやすくする一方、ヘッド部の幅方向において用毛の剛性が高いといった異方性を持たせることで、歯間部での強い刷掃実感を得ることができる。
また、本発明の請求項3に係る歯ブラシでは、第2の植毛穴の径を0.8〜1.2mmとし、植毛面に並ぶ全植毛穴の開口面積の総和に対する第2の植毛穴の開口面積の総和を10〜50%の範囲とすることで、優れた清掃性と良好な使用性とを得ることができる。
本発明の請求項4に係る歯ブラシでは、ヘッド部の長さ方向において隣接する第1の植毛穴と第2の植毛穴との中心間距離を2.2〜2.6mmの範囲とすることで、歯間部での高い刷掃力と良好な使用性とを得ることができる。
本発明の請求項5に係る歯ブラシでは、第2の植毛穴に植設された毛束を隣接する第1の植毛穴に植設された毛束よりも長くし、その高低差を0.2〜3.0mmの範囲とすることで、第2の植毛穴に植設された毛束の歯間部への進入実感と刷掃実感を高めることができる。また、ヘッド部の幅方向において、第1及び第2の植毛穴に植設された毛束を全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状とすることで、歯肉への為害性を除去することができる。さらに、ヘッド部の長さ方向において、第1の植毛穴に植設された毛束を全体として下向き円弧状に毛先が剪定された形状とすることで、第2の植毛穴に植設された毛束が歯間部に進入する際の第1の植毛穴に植設された毛束の歯面に対するフィット性を高めることができる。
以上のように、本発明によれば、歯間部での強い刷掃実感が得られると共に歯間部への進入実感が得られる歯ブラシを提供することが可能である。
以下、本発明を適用した歯ブラシについて、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、場合によって用毛の図示を省略し、用毛の毛束が植毛される植毛穴のみを示すものとする。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、場合によって用毛の図示を省略し、用毛の毛束が植毛される植毛穴のみを示すものとする。
図1〜図3は、本発明を適用した歯ブラシ1を示す図であり、図1は、この歯ブラシ1のハンドル部(図示せず。)の先端側に設けられたヘッド部2を示す平面図である。図2は、この歯ブラシ1のヘッド部2を長さ方向から見た側面図であり、図3は、この歯ブラシ1のヘッド部2を幅方向から見た側面図である。
歯ブラシ1のヘッド部2は、図1〜図3に示すように、ハンドル部と共に硬質樹脂材料によって一体成形されたブラシハンドルを構成している。このブラシハンドルに使用される硬質樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、飽和ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ABS(アクロル二トリル・ブタジエン・スチレン)などの熱可塑性樹脂材料を挙げることができるが、これらの材料に必ずしも限定されるものではない。また、ブラシハンドルの形状や、大きさ、デザイン等は、特に限定されるものではなく、任意に変更して実施することができる。
ヘッド部2は、略直方体状を為し、その一面(植毛面という。)2aには、第1の植毛穴3と、この第1の植毛穴3よりも小径とされた第2の植毛穴4とが設けられている。具体的に、このヘッド部2の植毛面2aには、ヘッド部2の長さ方向yにおいて第2の植毛穴4を挟んだ両側に第1の植毛穴3が位置するように、第1の植毛穴3と第2の植毛穴4とが、それぞれヘッド部2の幅方向xに直線状に並んで配置されている。
そして、第1の植毛穴3と第2の植毛穴4とには、それぞれ第1の毛束5と第2の毛束6とが植設されている。このうち、第2の毛束6は、第1の毛束5よりも毛丈が長くなっている。また、第1の毛束5は、図2に示すヘッド部2の長さ方向yにおいて、全体として下向き円弧状に毛先が剪定された形状を有している。一方、第1の毛束5及び第2の毛束6は、図3に示すヘッド部2の幅方向xにおいて、全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状を有している。
第1及び第2の毛束5,6は、複数本の用毛を束ねて二つ折りにし、その間に平線と呼ばれる抜止め具を挟んで第1及び第2の植毛穴3,4に打ち込むことによって植設されている。なお、用毛の材質については、特に限定されないものの、例えば、ポリアミド(例:6−12ナイロン、6−10ナイロン)、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例:ポリプロピレン)、エラストマー(例:オレフィン系、スチレン系)などの合成樹脂材料を挙げることができる。
第2の毛束6には、ヘッド部2の長さ方向yよりも幅方向xの剛性が高い用毛6aを用いている。具体的に、第2の毛束6は、図4に示すように、横断面が矩形状(図4においては長方形)を為す複数本の用毛6aを束ねて二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線7の向きがヘッド部2の幅方向xと平行となるようにして第2の植毛穴4に植設されている。また、各用毛6aは、その横断面における最長辺がヘッド部2の幅方向xと平行となるように配置されている。なお、第2の毛束6は、図5に示すように、各毛束6bが横断面が菱形を為す場合、その横断面における最長対角線がヘッド部2の幅方向xと平行となるように配置してもよい。この場合、平線7の向きは、用毛6bの横断面の一辺と平行となる。
以上のような構造を有する歯ブラシ1では、第1の植毛穴3よりも小径とされた第2の植毛穴4にヘッド部2の長さ方向yよりも幅方向xの剛性が高い第2の毛束6を植設し、このような第2の毛束6が植設された第2の植毛穴4をヘッド部2の幅方向xに直線状に並べて配置することによって、狭い歯間部への毛束の進入性を高めることができる。また、ヘッド部2の長さ方向yにおいて第2の毛束6を撓みやすくし、歯間部に進入した第2の毛束6が歯垢を掻き出しやすくすることができる。さらに、ヘッド部2の幅方向xにおいて第2の毛束6の剛性が高いといった異方性を持たせることによって、歯間部での強い刷掃実感を得ることができる。さらにまた、ヘッド部2の長さ方向yにおいて第2の植毛穴4を挟んだ両側に、この第2の植毛穴4よりも大径とされた第1の植毛穴3を配置することで、第1の毛束5が第2の毛束6の長さ方向における撓み具合を制御しながら、歯面に対する優れた刷掃効果を得ることができる。
また、本発明を適用した歯ブラシ1では、第2の植毛穴4の径を0.8〜1.2mmとすることが好ましい。これにより、優れた清掃性と良好な使用性とを得ることができる。一方、この径が0.8mm未満になると、第2の毛束6が剛性不足となる。また、この径が1.2mmを超えると、第2の毛束6の歯間部への進入性が悪くなる。
また、本発明を適用した歯ブラシ1では、ヘッド部2の植毛面2aに並ぶ全植毛穴3,4の開口面積の総和に対する第2の植毛穴4の開口面積の総和を10〜50%の範囲とすることが好ましい。これにより、優れた清掃性と良好な使用性とを得ることができる。一方、この値が10%未満になると、第2の毛束6の歯間部への進入実感が悪くなる。また、この値が50%を超えると、第2の毛束6のブラシ全体の毛腰が弱くなり、刷掃実感が乏しくなる。
また、本発明を適用した歯ブラシ1では、ヘッド部2の長さ方向において隣接する第1の植毛穴3と第2の植毛穴4との中心間距離を2.2〜2.6mmの範囲とすることが好ましい。これにより、歯間部での高い刷掃力と良好な使用性とを得ることができる。一方、この距離が2.2mmよりも短くなると、第2の毛束6の撓み具合が悪くなる。また、この距離が2.6mmよりも長くなると、第2の毛束6の歯間部への進入実感及び清掃実感が悪くなる。
本発明を適用した歯ブラシ1では、第2の植毛穴に植設された毛束を隣接する第1の植毛穴に植設された毛束よりも長くし、その高低差を0.2〜3.0mmの範囲とすることが好ましい。これにより、第2の植毛穴に植設された毛束の歯間部への進入実感と刷掃実感を高めることができる。一方、この高低差が0.2mm未満になると、そのような効果を十分に得ることができなくなる。また、この高低差が3.0mmを超えると、第2の毛束6の撓みの自由度が高くなり過ぎて使用感が低下する。
また、本発明を適用した歯ブラシ1では、ヘッド部2の幅方向xにおいて、第1及び第2の毛束5,6を全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状とすることで、歯肉への為害性を除去することができる。さらに、ヘッド部2の長さ方向yにおいて、第1の毛束5を全体として下向き円弧状に毛先が剪定された形状とすることで、第2の毛束6が歯間部に進入する際の第1の毛束5の歯面に対するフィット性を高めることができる。
以上のように、本発明によれば、歯間部での強い刷掃実感が得られると共に歯間部への進入実感が得られる歯ブラシ1を提供することが可能である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1では、上記図1に示す歯ブラシ1と同様の歯ブラシを実際に作製した。具体的には、第1の植毛穴3の直径を1.65mm、第2の植毛穴4の直径を1.0mmとし、植毛面2aに並ぶ全植毛穴3,4の開口面積の総和に対する第1の植毛穴3の開口面積の総和を81.9%、第2の植毛穴4の開口面積の総和を18.1%とした。また、ヘッド部2の長さ方向yにおいて隣接する第1の植毛穴3と第2の植毛穴4との中心間距離を2.55mmとした。第1の毛束5には、横断面が円形の用毛(8mil)を用いた。また、第2の毛束6には、横断面が長方形(長辺10mil、短辺6mil)の用毛6aを用い、この用毛6aを束ねて二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線7の向きがヘッド部2の幅方向xと平行となるようにして第2の植毛穴4に植設した。また、各用毛6aは、その横断面における最長辺がヘッド部2の幅方向xと平行となるように配置した。また、ヘッド部2の長さ方向yにおいて、第1の毛束5を全体として下向き円弧状に毛先が剪定された形状とし、ヘッド部2の幅方向xにおいて、第1の毛束5及び第2の毛束6を全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状とし、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(11.5mm)との高低差を2mmとした。
実施例1では、上記図1に示す歯ブラシ1と同様の歯ブラシを実際に作製した。具体的には、第1の植毛穴3の直径を1.65mm、第2の植毛穴4の直径を1.0mmとし、植毛面2aに並ぶ全植毛穴3,4の開口面積の総和に対する第1の植毛穴3の開口面積の総和を81.9%、第2の植毛穴4の開口面積の総和を18.1%とした。また、ヘッド部2の長さ方向yにおいて隣接する第1の植毛穴3と第2の植毛穴4との中心間距離を2.55mmとした。第1の毛束5には、横断面が円形の用毛(8mil)を用いた。また、第2の毛束6には、横断面が長方形(長辺10mil、短辺6mil)の用毛6aを用い、この用毛6aを束ねて二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線7の向きがヘッド部2の幅方向xと平行となるようにして第2の植毛穴4に植設した。また、各用毛6aは、その横断面における最長辺がヘッド部2の幅方向xと平行となるように配置した。また、ヘッド部2の長さ方向yにおいて、第1の毛束5を全体として下向き円弧状に毛先が剪定された形状とし、ヘッド部2の幅方向xにおいて、第1の毛束5及び第2の毛束6を全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状とし、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(11.5mm)との高低差を2mmとした。
(実施例2)
実施例2では、上記図5に示すように、第2の毛束6に横断面が菱形を為す用毛6bを用い、その横断面における最長対角線がヘッド部2の幅方向xと平行となるように各用毛6bを配置した以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
実施例2では、上記図5に示すように、第2の毛束6に横断面が菱形を為す用毛6bを用い、その横断面における最長対角線がヘッド部2の幅方向xと平行となるように各用毛6bを配置した以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例1)
比較例1では、第2の毛束6に横断面が円形の用毛(8mil)を用いた以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例1では、第2の毛束6に横断面が円形の用毛(8mil)を用いた以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例2)
比較例2では、第2の毛束6に横断面が長方形を為す用毛を用い、その横断面における最長辺がヘッド部2の長さ方向yに対して15゜傾くように各用毛を配置した以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例2では、第2の毛束6に横断面が長方形を為す用毛を用い、その横断面における最長辺がヘッド部2の長さ方向yに対して15゜傾くように各用毛を配置した以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例3)
比較例3では、ヘッド部2の長さ方向y及び幅方向xにおいて、第1の毛束5及び第2の毛束6を全体として平らに毛先が剪定された形状とし、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(11.5mm)との高低差を2mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例3では、ヘッド部2の長さ方向y及び幅方向xにおいて、第1の毛束5及び第2の毛束6を全体として平らに毛先が剪定された形状とし、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(11.5mm)との高低差を2mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例4)
比較例4では、ヘッド部2の長さ方向yにおいて、第1の毛束5を全体として平らに毛先が剪定された形状とし、ヘッド部2の幅方向xにおいて、第2の毛束6を全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状とし、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(11.5mm)との高低差を2mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例4では、ヘッド部2の長さ方向yにおいて、第1の毛束5を全体として平らに毛先が剪定された形状とし、ヘッド部2の幅方向xにおいて、第2の毛束6を全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状とし、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(11.5mm)との高低差を2mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例5)
比較例5では、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(9.5mm)との高低差を0mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例5では、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(9.5mm)との高低差を0mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例6)
比較例6では、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(13.5mm)との高低差を4mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例6では、第1の毛束5の最下点(9.5mm)と第2の毛束6の最上点(13.5mm)との高低差を4mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例7)
比較例7では、ヘッド部2の長さ方向yにおいて隣接する第1の植毛穴3と第2の植毛穴4との中心間距離を2.1mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例7では、ヘッド部2の長さ方向yにおいて隣接する第1の植毛穴3と第2の植毛穴4との中心間距離を2.1mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
(比較例8)
比較例8では、ヘッド部2の長さ方向yにおいて隣接する第1の植毛穴3と第2の植毛穴4との中心間距離を2.8mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
比較例8では、ヘッド部2の長さ方向yにおいて隣接する第1の植毛穴3と第2の植毛穴4との中心間距離を2.8mmとした以外は、実施例1と同様の歯ブラシを作製した。
そして、これら実施例1,2及び比較例1,2の歯ブラシについて、「歯間進入実感」、「歯間清掃実感」、「歯グキ痛み」、「用毛耐久性」の評価を行った。その評価結果を表1に示す。なお、各評価方法については、以下のとおりである。
「歯間進入実感の評価」
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、アンケート調査により「歯間部に毛先が届いた感じがする。」と回答したパネラーが、40人以上の場合を◎、30−39人の場合を○、15−29人の場合を△、14人以下の場合を×とした。
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、アンケート調査により「歯間部に毛先が届いた感じがする。」と回答したパネラーが、40人以上の場合を◎、30−39人の場合を○、15−29人の場合を△、14人以下の場合を×とした。
「歯間清掃実感の評価」
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、アンケート調査により「歯間部が磨けた感じがする。」と回答したパネラーが、40人以上の場合を◎、30−39人の場合を○、15−29人の場合を△、14人以下の場合を×とした。
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、アンケート調査により「歯間部が磨けた感じがする。」と回答したパネラーが、40人以上の場合を◎、30−39人の場合を○、15−29人の場合を△、14人以下の場合を×とした。
「歯グキ痛みの評価」
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、アンケート調査により「ブラッシングで歯グキに痛みを感じた。」と回答したパネラーが、10人以下の場合を○、11−30人の場合を△、31人以上の場合を×とした。
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、アンケート調査により「ブラッシングで歯グキに痛みを感じた。」と回答したパネラーが、10人以下の場合を○、11−30人の場合を△、31人以上の場合を×とした。
「用毛耐久性の評価」
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、3ヶ月経過後の用毛の開き具合を5段階(5が最も良い評価)で評価し、平均が3.5以上の場合を○、2.1−3.4の場合を△、2.0以下の場合を×とした。
50人のパネラーに歯ブラシを使用してもらい、3ヶ月経過後の用毛の開き具合を5段階(5が最も良い評価)で評価し、平均が3.5以上の場合を○、2.1−3.4の場合を△、2.0以下の場合を×とした。
表1に示すように、実施例1,2の歯ブラシでは、「歯間進入実感」、「歯間清掃実感」、「歯グキ痛み」、「用毛耐久性」について、何れの評価も良い結果が得られた。
一方、比較例1の歯ブラシでは、「歯間進入実感」について良い評価が得られたものの、横断面が円形の用毛は毛束がばらつき易く、その他の評価項目については何れも良い評価が得られなかった。
また、実施例1と比較例2との比較から、横断面が長方形を為す用毛をその最長辺がヘッド部2の幅方向xに平行となるように配置し、用毛の撓み具合を制御することが歯間部に対する清掃効果を向上させるのに有効であることがわかった。また、用毛の耐久性が向上することもわかった。
一方、比較例1の歯ブラシでは、「歯間進入実感」について良い評価が得られたものの、横断面が円形の用毛は毛束がばらつき易く、その他の評価項目については何れも良い評価が得られなかった。
また、実施例1と比較例2との比較から、横断面が長方形を為す用毛をその最長辺がヘッド部2の幅方向xに平行となるように配置し、用毛の撓み具合を制御することが歯間部に対する清掃効果を向上させるのに有効であることがわかった。また、用毛の耐久性が向上することもわかった。
次に、実施例1及び比較例3〜6の歯ブラシについて、「歯間進入実感」、「歯間清掃実感」、「歯グキ痛み」の評価を行った。その評価結果を表2に示す。なお、各評価方法については、上記のとおりである。
表2に示すように、比較例3の歯ブラシからは、毛先が平らに剪定されることによって、歯グキに痛みを感じ易くなることがわかる。また、比較例4の歯ブラシでは、歯グキに痛みを感じ易くなることはないものの、実施例1の歯ブラシと比べて、歯間進入実感及び歯間清掃実感に劣ることがわかる。また、比較例6の歯ブラシのように、毛束に高低差があり過ぎると、清掃実感に乏しく、歯グキに痛みを感じ易くなることがわかる。一方、比較例5の歯ブラシのように、毛束に高低差がないと、歯グキに痛みは感じないものの、歯間進入実感及び歯間清掃実感に乏しくなることがわかる。
次に、実施例1及び比較例7,8の歯ブラシについて、「歯間進入実感」、「歯間清掃実感」、「歯グキ痛み」の評価を行った。その評価結果を表3に示す。なお、各評価方法については、上記のとおりである。
表3に示すように、比較例7の歯ブラシでは、実施例1の歯ブラシと比べて、毛束の撓み具合が悪くなり、歯間部に対する清掃効果が不充分となることがわかる。一方、比較例8の歯ブラシでは、毛束が撓み易くなり、歯間進入実感がよくなるものの、歯間清掃実感が悪くなり、歯グキに痛みを感じ易くなることがわかる。
1…歯ブラシ 2…ヘッド部 2a…植毛面 3…第1の植毛穴 4…第2の植毛穴 5…第1の毛束 6…第2の毛束 6a,6b…用毛 7…平線
Claims (5)
- ヘッド部の植毛面に並ぶ複数の植毛穴に用毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、
前記ヘッド部の植毛面には、第1の植毛穴と、この第1の植毛穴よりも小径とされた第2の植毛穴とが設けられ、
前記ヘッド部の長さ方向において前記第2の植毛穴を挟んだ両側に前記第1の植毛穴が位置するように、前記第1の植毛穴と前記第2の植毛穴とをそれぞれ前記ヘッド部の幅方向に直線状に並べて配置し、
前記第2の植毛穴には、前記ヘッド部の長さ方向よりも幅方向の剛性が高い用毛の毛束が植設されていることを特徴とする歯ブラシ。 - 前記第2の植毛穴には、その横断面が矩形状を為す用毛の毛束が植設されると共に、当該毛束を構成する各用毛は、その横断面における最長辺又は最長対角線が前記ヘッド部の幅方向と平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
- 前記第2の植毛穴の径が0.8〜1.2mmであり、
前記植毛面に並ぶ全植毛穴の開口面積の総和に対する前記第2の植毛穴の開口面積の総和が10〜50%の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシ。 - 前記ヘッド部の長さ方向において隣接する前記第1の植毛穴と前記第2の植毛穴との中心間距離が2.2〜2.6mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の歯ブラシ。
- 前記第2の植毛穴に植設された毛束が隣接する前記第1の植毛穴に植設された毛束よりも長く、その高低差が0.2〜3.0mmの範囲にあり、
前記ヘッド部の幅方向において、前記第1及び第2の植毛穴に植設された毛束が全体として上向き円弧状に毛先が剪定された形状を有し、且つ、前記ヘッド部の長さ方向において、前記第1の植毛穴に植設された毛束が全体として下向き円弧状に毛先が剪定された形状を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の歯ブラシ。
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