JP3146543U - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去力を高めると同時に、着色汚れであるステインを効率良く除去できる歯ブラシを提供する。
【解決手段】植毛面2aに複数の植毛穴3が設けられたヘッド部2を備え、この植毛面2aの各植毛穴3に刷毛の毛束が植設されてなる歯ブラシ1であって、ヘッド部2の植毛面2aに、同一径の植毛穴3が設けられ、植毛面2の中央部分に複数の毛束がヘッド部2の長さ方向に並ぶことによって構成される中央毛束領域6と、中央毛束領域6を挟んだ両側に複数の毛束がヘッド部2の長さ方向に並ぶことによって構成される外側毛束領域7とが設けられ、中央毛束領域6に植設された毛束の植毛密度をρ、外側毛束領域7に植設された毛束の植毛密度をρとしたときに、0.40≦ρ≦0.70、0.20≦ρ≦0.40、1.2≦ρ/ρ≦2.4の関係を満足する。
【選択図】図1

Description

本考案は、歯ブラシの改良に関するものである。
近年、衛生志向の高まりにより様々な口腔内清掃具、口腔内洗浄剤などが開発されている。また、口腔内清掃具である歯ブラシでは、従来より歯垢除去効果を高めるための様々な工夫が行われている(例えば特許文献1〜6などを参照。)。さらに、このような歯垢除去効果を高めるだけでなく、ステインと呼ばれる着色汚れに対する除去効果など歯ブラシの多機能性も求められている。
ステインは、お茶やコーヒー、紅茶、赤ワインなど色素の強い飲食物やタバコ等が原因の着色汚れである。このような着色汚れは、歯の美観を損ねるだけでなく、そのまま放置しておくと歯が変色してしまうなどの問題を生じさせる。近年、食生活の多様化と共に、こうした嗜好品の愛用が広まる一方で、ステインに悩む人々も増えてきており、ステイン除去効果の高い歯ブラシの要求が高まっている。
一般に、ステインの除去には、毛腰の硬い歯ブラシが有効とされている。しかしながら、毛腰が硬い歯ブラシでは、歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去効果が低下してしまうため、ステイン除去効果と歯垢除去効果とを両立させることは困難である。一方、従来のような毛先進入性を高めた歯ブラシでは、毛腰が弱くブラッシングによりステインを除去することは困難である。
特開平6−141923号公報 特開平11−75939号公報 特開2004−41403号公報 特開2007−151704号公報 特開2000−175744号公報 特開2004−41402号公報
本考案は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去力を高めると同時に、着色汚れであるステインを効率良く除去できる歯ブラシを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案は以下の手段を提供する。
すなわち、請求項1に係る考案は、植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を備え、この植毛面の各植毛穴に刷毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、ヘッド部の植毛面に、同一径の植毛穴が設けられ、植毛面の中央部分に複数の毛束がヘッド部の長さ方向に並ぶことによって構成される中央毛束領域と、中央毛束領域を挟んだ両側に複数の毛束がヘッド部の長さ方向に並ぶことによって構成される外側毛束領域とが設けられ、中央毛束領域に植設された毛束の植毛密度をρ、外側毛束領域に植設された毛束の植毛密度をρとしたときに、0.40≦ρ≦0.70、0.20≦ρ≦0.40、1.2≦ρ/ρ≦2.4の関係を満足することを特徴とする歯ブラシである。
本考案の請求項1に係る歯ブラシでは、外側毛束領域よりも植毛密度が高い中央毛束領域の毛束によって、歯面が効率良く刷掃されると共に、この中央毛束領域よりも植毛密度が低い外側毛束領域の毛束によって、歯頸部及び歯間部が効率良く刷掃されるため、歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去力を高めると同時に、着色汚れであるステインを効率良く除去することが可能である。
また、請求項2に係る考案は、中央毛束領域に植設された毛束の最大高さをt[mm]、外側毛束領域に植設された毛束の最大高さをt[mm]としたときに、0≦t−t≦2の関係を満足すること特徴とする請求項1に記載の歯ブラシである。
本考案の請求項2に係る歯ブラシでは、中央毛束領域に植設された毛束の最大高さtを、外側毛束領域に植設された毛束の最大高さtよりも低くすることで、外側毛束領域に植設された毛束の歯頸部及び歯間部に対する毛先進入性を向上させることが可能である。また、毛先が歯面に当たったときに、毛丈の長い外側毛束領域の毛束が自然に開き、毛先が歯頸部にフィットするため、毛先が歯頸部に当たる角度を気にすることなく、簡単な操作で歯頸部の刷掃効果を向上させることが可能である。
また、請求項3に係る考案は、中央毛束領域及び外側毛束領域に植設される毛束には、表面に長手方向に延在する凹条又は凸条が少なくとも1つ以上形成された刷毛が用いられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシである。
本考案の請求項3に係る歯ブラシでは、このような形状を有する刷毛の毛束を用いることによって、歯磨き粉の保持性が向上し、ステイン除去効果を更に高めることが可能である。
また、請求項4に係る考案は、刷毛が、凹条と凸条とが周方向に交互に並んで形成された形状を有することを特徴とする請求項3に記載の歯ブラシである。
本考案の請求項4に係る歯ブラシでは、このような形状を有する刷毛の毛束を用いることによって、歯磨き粉の保持性が向上し、ステイン除去効果を更に高めることが可能である。
以上のように、本考案に係る歯ブラシでは、外側毛束領域よりも植毛密度が高い中央毛束領域の毛束によって歯面が効率良く刷掃されると共に、中央毛束領域よりも植毛密度が低い外側毛束領域の毛束によって歯頸部及び歯間部が効率良く刷掃されるため、歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去力を高めると同時に、着色汚れであるステインを効率良く除去することが可能である。また、ヘッド部の植毛面に同一径の植毛穴が設けられた歯ブラシにおいて、製造コストを上げることなく、ステイン除去効果と歯垢除去効果とを両立させることが可能である。
以下、本考案を適用した歯ブラシについて、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、場合によって刷毛の図示を省略し、刷毛の毛束が植毛される植毛穴のみを示すものとする。
図1及び図2は、本考案を適用した歯ブラシ1の一例を示すものであり、図1は、この歯ブラシ1の特徴部分として、図示を省略するブラシハンドルの先端に設けられたヘッド部2を示す。図2は、図1に示すヘッド部2のA−A’断面図である。
本考案を適用した歯ブラシ1は、図1及び図2に示すように、硬質樹脂材料により成形されたブラシハンドルの先端にヘッド部2を備えている。
なお、ブラシハンドルに使用される硬質樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、飽和ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ABS(アクロル二トリル・ブタジエン・スチレン)などの熱可塑性樹脂材料を挙げることができるが、これらの材料に必ずしも限定されるものではない。また、ブラシハンドルのヘッド部2に連なるハンドル部についても、その形状や大きさ、デザイン等は、特に限定されるものではなく、任意に変更して実施することができる。
ヘッド部2は、口腔内を清掃しやすい形状であればよく、通常は2〜6mm程度の厚みで略直方体状に形成されている。そして、このヘッド部2の一面(植毛面という。)2aには、複数の植毛穴3が設けられており、各植毛穴3には刷毛の毛束4,5が植設されている。
具体的に、このヘッド部2の植毛面2aには、その中央部分に複数の毛束4がヘッド部2の長さ方向に並ぶことによって構成される中央毛束領域6と、この中央毛束領域6を挟んだ両側に複数の毛束5がヘッド部2の長さ方向に並ぶことによって構成される外側毛束領域7とが設けられている。
中央毛束領域6及び外側毛束領域7には、同一径の植毛穴3が格子状又は千鳥状で並んで配置されている。植毛穴3の内径は、1.0〜2.4mmの範囲が好ましい。なお、植毛穴3の内径は、一般に、植毛される刷毛の本数と相関があるので、毛束の硬さや使用感に影響するが、植毛する際に用いる刷毛の太さや毛丈によって使用感はある程度調整可能ではある。
毛束4,5は、例えば、複数本の刷毛(フィラメント)を束ねて二つ折りにし、その間に平線と呼ばれる金属製の抜止め具を挟んで植毛穴3に打ち込むことによって植設されている。なお、図1では、毛束4,5の図示を省略し、植毛穴3のみを図示している。
また、毛束4,5の植毛方法としては、上述した刷毛の毛束4,5を二つ折りにし、その間に平線を挟んで植毛穴3に植設する平線植毛法以外にも、毛束4,5の下端をヘッド部2となる溶融樹脂中に圧入して固定する熱融着法や、毛束4,5の下端を加熱して溶融塊を形成した後に、金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填してヘッド部2と一体に成形するインモールド法などを用いることができる。
刷毛は、その材質について特に限定されないものの、例えば、ポリアミド(例:6−12ナイロン、6−10ナイロン)、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例:ポリプロピレン)、エラストマー(例:オレフィン系、スチレン系)などの合成樹脂材料を挙げることができる。
刷毛の毛丈は、ヘッド部2の植毛面2aから、大人用で8mm〜13mm、子供用で6mm〜9mmとすることが好ましい。刷毛の太さ(最大径)は、口腔内の使用性や使用感の点から、0.12mm〜0.26mmであることが好ましい。また、使用感や、刷掃感、清掃効果、耐久性など考慮して、太さの異なる複数本の刷毛を任意に組み合わせて用いてもよい。
刷毛は、その表面に長手方向に延在する凹条又は凸条が少なくとも1つ以上形成されたものを用いることが好ましく、凹条と凸条とが周方向に交互に並んで形成された形状のものを用いることが更に好ましい。このような形状の刷毛としては、その横断面形状が、例えば星形又は三つ葉や四つ葉のクローバー形のものなどを挙げることができる。歯ブラシ1では、このような形状を有する刷毛の毛束4,5を用いることによって、歯磨き粉の保持性が向上し、ステイン除去効果を更に高めることが可能である。
また、刷毛の毛先形状については、毛先を丸めたもの、毛先に向かうに従って徐々に外径が細くなるテーパー状のもの、さらに、ヘラ状、球状、先割れ状などの形状とすることができる。
ところで、本考案を適用した歯ブラシ1では、中央毛束領域6に植設された毛束4の植毛密度をρ、外側毛束領域7に植設された毛束5の植毛密度をρとしたときに、0.40≦ρ≦0.70、0.20≦ρ≦0.40、1.2≦ρ/ρ≦2.4の関係を満足することを特徴としている。
ここで、「植毛密度」とは、[植毛穴の面積の総和]÷[植毛面積]で与えられる値であり、植毛面積とは、「JIS S 3016−1995」に準拠したものであり、各毛束領域6,7の外周に位置する各植毛穴3の外側を直線で結んだ囲み領域の面積で表される。
この歯ブラシ1では、中央毛束領域6の植毛密度ρを0.40≦ρ≦0.70の範囲、より好ましくは0.50≦ρ≦0.60の範囲とすることで、中央毛束領域6の毛束4の毛腰を適度に強くする一方、外側毛束領域7の植毛密度ρを0.20≦ρ≦0.40の範囲、より好ましくは0.30≦ρ≦0.40の範囲とすることで、外側毛束領域7の毛束5を適度に撓らせることが可能となる。
そして、これら中央毛束領域6の植毛密度ρに対する外側毛束領域7の植毛密度ρの比(以下、植毛密度比という。)ρ/ρを1.2〜2.4の範囲とした場合には、外側毛束領域7よりも植毛密度が高い中央毛束領域6の毛束4によって、歯面が効率良く刷掃されると共に、この中央毛束領域6よりも植毛密度が低い外側毛束領域7の毛束5によって、歯頸部及び歯間部が効率良く刷掃されるため、歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去力を高めると同時に、着色汚れであるステインを効率良く除去することが可能である。
また、本考案を適用した歯ブラシ1では、中央毛束領域6に植設された毛束4の最大高さをt[mm]、外側毛束領域7に植設された毛束5の最大高さをt[mm]としたときに、0≦t−t≦2の関係を満足することが好ましい。
この歯ブラシ1では、中央毛束領域6に植設された毛束4の最大高さtを、外側毛束領域7に植設された毛束5の最大高さtよりも低くすることで、外側毛束領域7に植設された毛束5の歯頸部及び歯間部に対する毛先進入性を向上させることが可能である。また、毛先が歯面に当たったときに、毛丈の長い外側毛束領域7の毛束5が自然に開き、毛先が歯頸部にフィットするため、毛先が歯頸部に当たる角度を気にすることなく、簡単な操作で歯頸部の刷掃効果を向上させることが可能である。
したがって、この歯ブラシ1では、上述した中央毛束領域6の毛束4と外側毛束領域7の毛束5との毛丈差t−tを、0〜2の範囲、より好ましくは1.0〜1.5の範囲とすることで、歯面の清掃性と歯茎への当たり心地を良好なものとすることが可能である。
以上のように、本考案を適用した歯ブラシ1では、歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去力を高めると同時に、着色汚れであるステインを効率良く除去することが可能である。また、ヘッド部2の植毛面2aに同一径の植毛穴3が設けられた歯ブラシ1において、製造コストを上げることなく、ステイン除去効果と歯垢除去効果とを両立させることが可能である。
なお、本考案は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記歯ブラシ1では、図2に示すように、中央毛束領域6の毛束4と外側毛束領域7の毛束5との毛丈差t−tがヘッド部2の長さ方向に一定となるように、毛束4,5の先端が平切り状に剪定されたものに限らず、例えば、図3(a)に示すように、毛丈差t−tがヘッド部2の長さ方向で変化するように、毛束4,5の先端が斜め切り状に剪定されたものであってもよい。
また、図3(b)に示すように、ヘッド部2の長さ方向に並ぶ中央毛束領域6の毛束4の毛先を平切り状に剪定すると共に、ヘッド部2の長さ方向に並ぶ外側毛束領域7の毛束5のうち、1つの毛束5毎に山部と谷部とを交互に繰り返すように、各毛束5の先端が毛丈差t−tで山切り状に剪定されてなるものであってもよい。
また、図3(c)に示すように、ヘッド部2の長さ方向に並ぶ中央毛束領域6の毛束4の毛先を平切り状に剪定すると共に、ヘッド部2の長さ方向に並ぶ外側毛束領域7の毛束5のうち、隣接する2つの毛束5毎に山部と谷部とを交互に繰り返すように、各毛束5の先端が毛丈差t−tで山切り状に剪定されてなるものであってもよい。
なお、本考案は、上述した歯ブラシ1に適用したものに限らず、電気的に駆動される電動歯ブラシやその取替用ブラシなどにも適用可能である。
以下、実施例により本考案の効果をより明らかなものとする。なお、本考案は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1〜5及び比較例1〜4)
本実施例では、先ず、表1に示すように、「植毛穴配置(植毛穴径)」、「植毛密度比(ρ/ρ)」、「毛丈差」、及び「刷毛断面形状」からなる実施例1〜5及び比較例1〜4の歯ブラシを作製した。
Figure 0003146543
次に、これら実施例1〜5及び比較例1〜4の歯ブラシについて、「ステイン除去力(ΔE値)」、「歯面の刷掃実感」、「歯間の刷掃実感」、及びこれらの「総合評価」を行った。その評価結果を表2に示す。
Figure 0003146543
なお、「ステイン除去力」については、直径7mmの円形アパタイト板に、充分に黒くて強固なタンニンステインを付着させ、このアパタイト板を基台の上に固定した後、各歯ブラシを用いてアパタイト板に対するブラッシングを行った。そして、ブラッシング後に、Lab系を用いた色差計により色の数値△Eを測定し、以下の3段階による評価を行った。
○…「20≦△E」
△…「15≦△E<20」
×…「△E<15」
また、「歯面の刷掃実感」及び「歯間の刷掃実感」については、10名の専門パネラーによる官能評価を行い、「良い」と感じた専門パネラーの数から、以下の3段階による評価を行った。
○…「8人以上」
△…「4〜7人」
×…「3以下」
また、「総合評価」については、以下のとおりである。
○…「良い。」
△…「どちらともいえない。」
×…「悪い。」
表2に示す評価結果から、実施例1〜5の歯ブラシでは、植毛密度比ρ/ρが1.2〜2.4の範囲にあり、比較例1〜4の歯ブラシに比較して、「ステイン除去力(ΔE値)」、「歯面の刷掃実感」、「歯間の刷掃実感」の何れの評価も良好な結果を示したことから、総合評価について良好な結果が得られた。
特に、実施例3の歯ブラシでは、実施例1,2,4の歯ブラシよりも植毛穴径が大きく、「ステイン除去力(ΔE値)」について良い結果が得られた。
また、実施例4の歯ブラシでは、上記図3(b)に示す1束1山切り状の毛切り形状を有することで、「歯間の刷掃実感」について良い結果が得られた。
また、実施例5の歯ブラシでは、刷毛断面形状を星形とすることで、「ステイン除去力(ΔE値)」について良い結果が得られた。
これに対して、比較例1の歯ブラシでは、中央毛束領域の植毛密度ρが低く、この中央毛束領域における毛束の毛腰が弱くなり過ぎてしまい、十分なステイン除去力が得られなかった。また、「歯面の刷掃実感」についても良い結果が得られなかった。
また、比較例2の歯ブラシでは、外側毛束領域の植毛密度ρが低く、この外側毛束領域における毛束の毛腰が弱くなり過ぎてしまい、「歯間の刷掃実感」について良い結果が得られなかった。また、毛先が開きやすく、耐久性も劣るという問題も生じた。
また、比較例3の歯ブラシでは、中央毛束領域の植毛密度ρが高く、十分なステイン除去力が得られたものの、この中央毛束領域における毛束の毛腰が強くなり過ぎてしまい、「歯面の刷掃実感」について良い結果が得られなかった。
また、比較例4の歯ブラシでは、外側毛束領域の植毛密度ρが高く、この外側毛束領域における毛束5が撓りにくくなってしまい、「歯間の刷掃実感」について良い結果が得られなかった。
以上の評価結果から、本考案のように、中央毛束領域の植毛密度ρを0.40〜0.70、外側毛束領域の植毛密度ρを0.20〜0.40、植毛密度比ρ/ρを1.2〜2.4の範囲とすることは、ステイン除去効果と歯垢除去効果とを両立させる上で非常に有効であることがわかった。
図1は、本考案を適用した歯ブラシの一例を示す平面図である。 図2は、図1中に示すヘッド部のA−A’断面図である。 図3は、本考案を適用した歯ブラシの変形例を示し、その毛切り形状が、(a)は斜め切り状、(b)は1束1山切り状、(c)は2束1山切り状の場合を示すヘッド部の断面図である。
符号の説明
1…歯ブラシ 2…ヘッド部 2a…植毛面 3…植毛穴 4,5…毛束 6…中央毛束領域 7…外側毛束領域

Claims (4)

  1. 植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を備え、この植毛面の各植毛穴に刷毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、
    前記ヘッド部の植毛面には、同一径の植毛穴が設けられ、
    前記植毛面の中央部分に複数の毛束が前記ヘッド部の長さ方向に並ぶことによって構成される中央毛束領域と、前記中央毛束領域を挟んだ両側に複数の毛束が前記ヘッド部の長さ方向に並ぶことによって構成される外側毛束領域とが設けられ、
    前記中央毛束領域に植設された毛束の植毛密度をρ、前記外側毛束領域に植設された毛束の植毛密度をρとしたときに、
    0.40≦ρ≦0.70、
    0.20≦ρ≦0.40、
    1.2≦ρ/ρ≦2.4
    の関係を満足することを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記中央毛束領域に植設された毛束の最大高さをt[mm]、前記外側毛束領域に植設された毛束の最大高さをt[mm]としたときに、
    0≦t−t≦2
    の関係を満足すること特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記中央毛束領域及び前記外側毛束領域に植設される毛束には、表面に長手方向に延在する凹条又は凸条が少なくとも1つ以上形成された刷毛が用いられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記刷毛は、前記凹条と前記凸条とが周方向に交互に並んで形成された形状を有することを特徴とする請求項3に記載の歯ブラシ。
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