JP2009065734A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御巻線の電圧に基づいて出力電圧を制御するスイッチング電源装置において、出力電流の増大に伴う出力電圧の低下を緩和することのできるスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子Tr1によりトランス2の一次巻線N1に電圧を印加/遮断させて、二次巻線N2側へ電圧出力を行うスイッチング電源装置1において、スイッチング素子Tr1をオン・オフさせる発振電圧を生成する自励発振回路部Cr,Rr,N3と、第1制御巻線N3に生じる電圧が設定電圧(抵抗R2の電圧+ツェナー電圧)を超えた場合にスイッチング素子Tr1のオン期間を短くする制御用回路部5と、第2制御巻線N4に生じる電圧の大きさに応じてノードAに電流を供給して上記設定電圧の大きさを補正する設定電圧補正回路6とを備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、出力電圧をトランスの制御巻線の電圧で制御するスイッチング電源装置に関する。
従来、一次側と二次側とで極性の異なるトランスを用いて、スイッチング素子によりトランスの一次側に電圧を印加/遮断することで、トランスの二次側へ電圧を出力するリンギングチョークコンバータなどのスイッチング電源装置がある。
このようなスイッチング電源装置においては、出力電圧を安定化させるために、フォトカプラなどを介して出力電圧を検出し、この検出に基づいてスイッチング素子のオン期間を増減するように構成されるのが通常である。しかしながら、フォトカプラを用いたものでは、出力電圧を直接的に検出するので、比較的安定した出力電圧の制御を行える一方、コストの高騰や回路面積が増大するといった課題があった。
一方、出力電圧を安定化させるために、トランスに制御巻線を設け、この制御巻線の電圧に基づいてスイッチング素子のオン期間を増減させることで、フォトカプラなどを省略してコストの低減や小型化を図った電源装置も提案されている(例えば特許文献1〜3)。このような電源回路では、基本的に、ツェナーダイオードやシャントレギュレータ等の定電圧回路を利用し、制御巻線の電圧が大きくなった場合に定電圧回路に電流が流れてスイッチング素子がターンオフするタイミングを早めるような制御が行われ、これにより出力電圧の安定化が図られている。
特開2001−251855号公報 特開2004−320856号公報 特開平5−304778号公報
トランスに制御巻線を設けて出力電圧の安定化を図るスイッチング電源装置として、例えば、図4のような回路が挙げられる。このスイッチング電源装置80では、例えば、制御巻線N3に発生する交流電圧をコンデンサCrを介してスイッチングトランジスタTr1のベース端子に供給するように構成されている。そして、これによりスイッチングトランジスタTr1がオン・オフして、一次巻線N1に電圧が印加/遮断されて二次巻線N2側に電力が伝達される。また、二次巻線N2に出力される電圧と比例する電圧が制御巻線N3にも発生され、この電圧が整流ダイオードD3により整流されて平滑コンデンサC3に蓄えられる。そして、この平滑コンデンサC3の電圧が大きくなってツェナーダイオードZ81のツェナー電圧を超えた場合に、このツェナーダイオードZ81がオンして、スイッチングトランジスタTr1のベース端子の電圧を低下させ、これによりスイッチングトランジスタTr1がターンオフするタイミングを早めて、出力電圧を安定させる。
しかしながら、制御巻線の電圧に基づいて出力電圧を制御する上述の電源装置では、出力電流が大きくなるに従って、出力電圧が比較的大きく低下してしまうという課題があった。この出力電圧の低下は、例えば、トランスの二次巻線(N2)に直列接続された整流ダイオード(D2)の電圧降下分により出力電圧Voutより二次巻線(N2)の電圧が高くなることや、二次巻線(N2)の電流が大きくなることでトランスの二次巻線(N2)と制御巻線(N3)の結合度が低くなって、二次巻線(N2)の電圧よりも制御巻線(N3)の電圧が高くなることが理由として挙げられる。
この発明の目的は、制御巻線の電圧に基づいて出力電圧を制御するスイッチング電源装置において、出力電流の増大に伴う出力電圧の低下を緩和することのできるスイッチング電源装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、スイッチング素子(Tr1)によりトランス(2)の一次巻線(N1)に電圧を印加/遮断するとともに、該トランスの一次巻線(N1)と二次巻線(N2)とで電流の流れを交互にオン・オフさせて、前記二次巻線(N2)側へ電圧出力を行うスイッチング電源装置(1)において、前記トランスの帰還巻線(N3)に生じる交流電圧により前記スイッチング素子をオン・オフさせる発振電圧を生成する自励発振回路部(Cr,Rr)と、前記トランスに設けられた第1制御巻線(N3)と、前記第1制御巻線に生じる電圧と設定電圧とを比較して前記スイッチング素子のオン期間を変化させる制御用回路部(5)と、前記トランスに設けられた第2制御巻線(N4)と、前記第2制御巻線に生じる電圧の大きさに応じて前記設定電圧の大きさを補正する設定電圧補正回路(6)とを備えた構成とした。
このような手段によれば、出力電流が増加して出力電圧が低下してきたときに、上記の設定電圧補正回路により設定電圧の大きさを補正して、出力電圧の低下量を緩和させることが出来る。また、出力電流自体を検出するのではなく、出力電流の増加に伴う制御巻線の発生電圧の変化量を検出して補正処理を行うため、単純な回路構成により上記のような補正処理を実現することが出来る。
具体的には、前記制御用回路部(5)は、前記第1制御巻線に生じる電圧を平滑して蓄積する第1平滑コンデンサ(C3)と、設定電圧を超えたときに電流を流す定電圧回路(Z1,R1,R2)とを備え、前記第1平滑コンデンサの電圧が前記設定電圧を上回った場合に前記定電圧回路に電流が流れて前記スイッチング素子(Tr1)の制御端子にターンオフさせる電圧が出力されるように構成できる。
また具体的には、前記定電圧回路は、所定電圧を分割する分割抵抗(R1,R2)と、該分割抵抗の分割点(A)に接続されたツェナーダイオード(Z1)とから構成され、前記設定電圧補正回路(6)は、前記第2制御巻線(N4)に生じる電圧を平滑して蓄積する第2平滑コンデンサ(C4)と、前記第2平滑コンデンサの電圧の大きさに応じて前記分割抵抗の分割点に電流を流すトランジスタ(Tr3)とから構成することができる。
このような構成により、出力電流の増加に伴う出力電圧の低下を適宜緩和することが出来るとともに、前記分割抵抗の大きさや、分割点に電流を流す前記トランジスタのコレクタ抵抗やエミッタ抵抗等の大きさを適宜調整することで、設定電圧の補正量も容易に調整することができる。
また具体的には、前記定電圧回路は、参照電圧に応じた定電圧を生成するシャントレギュレータ(Z6:図3)と、所定電圧を分割して前記シャントレギュレータの参照電圧を生成する分割抵抗(R7,R8)とから構成され、前記設定電圧補正回路(6b)は、前記第2制御巻線に生じる電圧を平滑して蓄積する第2平滑コンデンサ(C4)と、前記第2平滑コンデンサの電圧の大きさに応じて前記分割抵抗の分割点(C)に電流を流すトランジスタ(Tr3)とから構成することができる。
このような構成であっても、出力電流の増加に伴う出力電圧の低下を適宜緩和することが出来るとともに、分割抵抗の大きさや、分割点に電流を流す前記トランジスタのコレクタ抵抗やエミッタ抵抗等の大きさを適宜調整することで、設定電圧の補正量も容易に調整することが出来る。
具体的には、前記分割抵抗(R1,R2又はR7,R8)は前記第1平滑コンデンサ(C3)の両端電圧を抵抗分割する構成とすることが出来る。
また、具体的には、前記帰還巻線と前記第1制御巻線とが1つの巻線(N3)により共通化されている構成とすることができる。
このような構成により、全体として低コストにスイッチング電源装置を製造することが出来る。
なお、この項目において、実施形態との対応関係を表わす符号を括弧書きで記したが、本発明はこれに制限されるものではない。
本発明に従うと、スイッチング素子によりトランスの一次巻線に電圧を印加/遮断して二次巻線側へ電圧出力を行うスイッチング電源装置において、フォトカプラなどを用いずに低コストに且つ回路面積を増大させることなく電源装置を構成できるとともに、出力電流の増加に伴う出力電圧の低下量を適宜緩和することが出来るという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態のスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
この実施の形態のスイッチング電源装置1は、例えば交流の入力電圧Vinから直流の出力電圧Voutを生成する回路であり、スイッチング制御用の集積回路を使用せずに、回路基盤にディスクリート部品を配設して構成されるものである。このスイッチング電源装置1は、交流の入力電圧Vinを整流するダイオードブリッジD1と、整流された電圧の平滑やノイズの除去を行うフィルタ回路4(コンデンサC11,C12、チョークコイルL1)と、一次巻線N1と二次巻線N2とで極性が逆にされたトランス2と、トランス2に副次的に設けられた第1制御巻線N3および第2制御巻線N4と、一次巻線N1と直列に接続されたスイッチングトランジスタ(スイッチング素子)Tr1と、第1制御巻線N3に発生する交流電圧により充放電して自励発振を行うコンデンサCrおよび抵抗Rrと、スイッチングトランジスタTr1のベース端子が接続される結節点Bに微少電流を供給する抵抗R11,R12と、二次巻線N2に直列接続されて二次側の電流をオン・オフする整流ダイオードD2と、出力端子間に接続される保護用の抵抗R21、ツェナーダイオードZ21および平滑コンデンサC2等を備えている。
また、このスイッチング電源装置1には、第1制御巻線N3と直列接続された整流ダイオードD3と、第1制御巻線N3の電圧を平滑して蓄える平滑コンデンサC3と、第2制御巻線N4と直列接続された整流ダイオードD4と、第2制御巻線N4の電圧を平滑して蓄える平滑コンデンサC4と、平滑コンデンサC3の電圧が高くなった場合にスイッチンクトランジスタTr1のベース端子の電圧を降下させる制御用回路5と、平滑コンデンサC4の電圧が上昇したときに分割抵抗R1,R2の分割ノードAに電流を流してノードAの電圧を引き上げる設定電圧補正回路6と、出力電流が過大になった場合に自励発振の電圧の出力を停止させる過電流保護回路3等が設けられている。
コンデンサCrは、その一端側が結節点Bに接続され、第1制御巻線N3に発生する交流電圧を充放電して自励発振の電圧を生成するとともに、この発振電圧を結節点Bに供給するようになっている。これにより、スイッチングトランジスタTr1のベース端子に発振電圧が印加されてスイッチングトランジスタTr1がオン・オフし、一次巻線N1に電圧が印加/遮断されるようになっている。
制御用回路5は、設定電圧を超えたときに電流を流す定電圧回路(分割抵抗R1,R2およびツェナーダイオードZ1)と、定電圧回路に電流が流れることでオンしてスイッチングトランジスタTr1のベース端子から電流を引き抜くトランジスタTr2と、から構成される。
上記定電圧回路は、平滑コンデンサC3の両端電圧を分割抵抗R1,R2で分割し、この分割ノードAにツェナーダイオードZ1のアノードが接続された構成である。そして、平滑コンデンサC3のカソードの電位を基準として、抵抗R2の電圧降下分とツェナーダイオードZ1のツェナー電圧とを加算した電圧を設定電圧として、ツェナーダイオードZ1のカソードの電圧がこの設定電圧を超えた場合に電流を流すようになっている。
このような構成により、平滑コンデンサC3の両端電圧が上記の設定電圧を超えると、トランジスタTr2のベース電流が流れて、これによりトランジスタTr2がオンし、スイッチングトランジスタTr1のベース端子が接続された結節点Bの電圧を降下させる。そして、これによりスイッチングトランジスタTr1がオフして、出力電圧が安定化されるようになっている。
設定電圧補正回路6は、平滑コンデンサC4の電圧に基づいて、上記の分割抵抗R1,R2の分割ノードAの電圧を変動させる回路である。具体的には、この設定電圧補正回路6は、平滑コンデンサC4,C3の合算電圧を分割する分割抵抗R4,R5と、この分割抵抗R4,R5の分割電圧をベースに受けて上記分割ノードAに電流を流すトランジスタTr3等から構成される。トランジスタTr3には、ベース抵抗R6とコレクタ抵抗R3が接続され、コレクタ端子は抵抗R3を介して分割抵抗R1の一端側に接続されている。
このような構成により、平滑コンデンサC4の電圧が上昇すると、その電圧値に応じてトランジスタTr3に電流が流れて、分割ノードAの電圧を上昇させる。そして、この電圧変動により、上記定電圧回路の設定電圧の大きさが補正されて、ツェナーダイオードZ1に電流が流れる設定電圧が押し上げられるようになっている。
次に、スイッチング電源装置1の全体的な動作について説明する。
入力電源Vinが入力されて、起動抵抗R11,R12に電流が流れると、ベース電流が供給されてスイッチングトランジスタTr1がターンオンし、一次巻線N1に電圧が印加される。それにより、一次巻線N1の電流が増加していくが、スイッチングトランジスタTr1のコレクタ電流が飽和すると一時巻線N1の電流増加が停止されて、二次巻線N2や第1制御巻線N3の電圧が逆転する。そして、このときの第1制御巻線N3の電圧がコンデンサCrを介してスイッチングトランジスタTr1のベース端子に出力されて、スイッチングトランジスタTr1をターンオフさせる。このようにして、スイッチングトランジスタTr1が自励発振によりオン・オフして一次巻線N1に電圧が印加/遮断される。
一次巻線N1に電圧が印加されて一次巻線N1に電流が流れると、トランス2のコアに磁気エネルギーが蓄積され、次にスイッチングトランジスタTr1がオフしたときに、この磁気エネルギーが二次巻線N2に伝達されて、二次側に電流が流れて平滑コンデンサC2により平滑された出力電圧Voutが生成される。
また、このとき二次巻線N2の電圧と比例した電圧が第1制御巻線N3と第2制御巻線N4に出力され、この電圧が整流ダイオードD3,D4で整流されて平滑コンデンサC3,C4に蓄積される。そして、平滑コンデンサC3の電圧が大きくなって、分割抵抗R2の電圧とツェナー電圧との加算電圧を超えると、ツェナーダイオードZ1がオンして、結節点Bから制御用回路5のトランジスタTr2に電流が引き抜かれ、スイッチングトランジスタTr1のオフタイミングを早める。それにより、一次巻線N1に流れる電流が抑えられて出力電圧Voutが安定化する。
一方、出力電流が大きくなって出力電圧が低下してくると、第2制御巻線N4に発生する電圧が上昇する。そして、この電圧上昇により設定電圧補正回路6のトランジスタTr3のベース電圧が上昇し、トランジスタTr3を介して抵抗R2に流れる電流を増加させる。それにより、ツェナーダイオードZ1が接続された分割ノードAの電圧が上昇し、トランジスタTr2をオンさせにくくする。それにより、スイッチングトランジスタTr1のオン期間が長くなって出力電圧Voutの低下が緩和される。
図2には、スイッチング電源装置1による特性の改善を表したV−I特性図を示す。同図中、「改善後」の特性線が図1のスイッチング電源装置1のもの、「改善前」の特性線が図4のスイッチング電源装置80のものである。
図2に示すように、この実施形態のスイッチング電源装置1によれば、設定電圧補正回路6の作用により、出力電流が大きくなったときに出力電圧を上昇するように定電圧回路の設定電圧が変更され、それにより出力電圧の低下量が緩和された特性を得ることが出来る。
以上のように、この実施形態のスイッチング電源装置1によれば、出力電流の増加に伴って出力電圧Voutが低下してきたときに、設定電圧補正回路6によりツェナーダイオードZ1の基準電位点Aの電位を上昇させ、出力電圧の低下量を緩和させることが出来る。また、出力電流自体を検出するのではなく、出力電流の増加に伴う制御巻線N4の電圧変化を検出して補正処理を行うため、単純な回路構成により上記のような補正処理を実現することが出来る。
また、設定電圧補正回路6は、トランジスタTr3により分割抵抗R2に流れる電流を増減させる構成なので、分割抵抗R1,R2の大きさや、トランジスタTr3のコレクタ抵抗R3やベース抵抗R6等の大きさを適宜調整することで、設定電圧の補正量も容易に調整することが出来る。また、第2制御巻線N4の巻線数により補正量を調整することも出来る。
また、この実施形態のスイッチング電源装置1によれば、フォトカプラや制御ICなどを用いることなく、ディスクリート部品のみで構成されるため、全体として低コストにスイッチング電源装置を製造することが出来る。
[変形例]
図3は、本発明の実施形態のスイッチング電源装置の変形例を示す回路図である。
上述した図1のスイッチング電源装置1では、制御用回路5の定電圧回路としてツェナーダイオードZ1を適用し、このツェナーダイオードZ1に電流か流れる設定電圧を変更するために、ツェナーダイオードZ1が接続される基準点Aの電圧を昇降する構成を示した。一方、この変形例のスイッチング電源装置1Bでは、制御用回路5bの定電圧回路としてシャントレギュレータZ6を適用し、シャントレギュレータZ6に電流が流れる設定電圧を変更するために、シャントレギュレータZ6の参照電圧を昇降する構成を適用したものである。その他の構成は図1のものと同様であるため説明は省略する。
すなわち、このスイッチング電源装置1では、出力電圧Voutを安定化させる制御用回路5bとして、平滑コンデンサC3の両端電圧を分割して参照電圧を生成する分割抵抗R7,R8と、参照電圧に応じた設定電圧を超えた場合に電流を流すシャントレギュレータZ6と、シャントレギュレータZ6に電流が流れたときにスイッチングトランジスタTr1のベース端子から電流を引き抜くトランジスタTr2等を備えている。シャントレギュレータZ6は、アノード端子が平滑コンデンサC3のカソードの電位点に、カソード端子がトランジスタTr2のベース端子に接続されている。
このような構成により、平滑コンデンサC3の両端電圧がシャントレギュレータZ6の設定電圧を超えた場合に、トランジスタTr2のベース電流が流れ、これによりトランジスタTr2がオンして、スイッチングトランジスタTr1のベース端子が接続された結節点Bの電圧を降下させる。そして、これらによりスイッチングトランジスタTr1がオフして、出力電圧が安定化されるようになっている。
また、シャントレギュレータZ6の参照電圧を昇降する設定電圧補正回路6bは、平滑コンデンサC4,C3の合算電圧を分割する分割抵抗R4,R5と、この分割電圧をベースに受けて参照電圧を生成している分割抵抗R7に電流を流すトランジスタTr3とから構成される。トランジスタTr3は、コレクタ端子が抵抗R9を介して参照電圧を生成している分割抵抗R7,R8の分割ノードCに接続され、また、エミッタ端子が平滑コンデンサC3のカソードの電位点に接続されている。
このような構成により、平滑コンデンサC4の電圧が上昇すると、その電圧値に応じてトランジスタTr3に電流が流れて、分割抵抗R7,R8の分割ノードCの電圧を降下させ、シャントレギュレータZ6に電流が流れる設定電圧を引き下げるようになっている。
このような構成においても、図1のスイッチング電源装置1と同様の作用により、出力電流の増大に伴う出力電圧の低減量を緩和することが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、図1のツェナーダイオードZ1の基準点Aの電圧を生成したり、図3のシャントレギュレータZ6の参照電圧を生成するのに、平滑コンデンサC3の両端電圧を抵抗分割して生成しているが、比較的安定した電圧が得られればどこの電圧から基準点Aの電圧や参照電圧を生成するようにしても良い。また、図1や図3のトランジスタTr2を省略して、ツェナーダイオードZ1やシャントレギュレータZ6により、直接スイッチングトランジスタTr1のベース端子から電流を引き抜くようにしても良い。
また、第2制御巻線N4を用いずに、第1制御巻線N3の電圧変動により設定電圧補正回路6,6bを動作させることで、同様の作用を得るように構成することも出来る。
また、上記実施の形態では、設定電圧以上で電流が流れる定電圧回路を使用し、この定電圧回路に電流を流すことで第1制御巻線の電圧が設定電圧を超えた場合の回路動作を生起させているが、定電圧回路により実際に設定電圧を生成し、電圧比較器によりこの電圧と第1制御巻線の電圧とを比較して、その比較結果に基づき設定電圧を超えた場合の回路動作を生起させるように構成しても良い。その他、上記実施形態で具体的に示した細部等は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の実施形態のスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。 実施形態のスイッチング電源装置の特性を比較したV−I特性図である。 本発明の実施形態のスイッチング電源装置の変形例を示す回路図である。 基準電圧補正回路を有さないスイッチング電源装置の一例を示す回路図である。
符号の説明
1,1B スイッチング電源装置
2 トランス
N1 一次巻線
N2 二次巻線
D2 整流ダイオード
N3 第1制御巻線
C3 平滑コンデンサ(第1平滑コンデンサ)
D3 整流ダイオード
N4 第2制御巻線
C4 平滑コンデンサ(第2平滑コンデンサ)
D4 整流ダイオード
Tr1 スイッチングトランジスタ(スイッチング素子)
Cr 自励発振用のコンデンサ
Rr 自励発振用の抵抗
5,5b 制御用回路
R1,R2 分割抵抗
Z1 ツェナーダイオード
R7,R8 分割抵抗
Z6 シャントレギュレータ
6,6b 設定電圧補正回路
Tr3 トランジスタ

Claims (6)

  1. スイッチング素子によりトランスの一次巻線に電圧を印加/遮断するとともに、該トランスの一次巻線と二次巻線とで電流の流れを交互にオン・オフさせて、前記二次巻線側へ電圧出力を行うスイッチング電源装置において、
    前記トランスの帰還巻線に生じる交流電圧により前記スイッチング素子をオン・オフさせる発振電圧を生成する自励発振回路部と、
    前記トランスに設けられた第1制御巻線と、
    前記第1制御巻線に生じる電圧と設定電圧とを比較して前記スイッチング素子のオン期間を変化させる制御用回路部と、
    前記トランスに設けられた第2制御巻線と、
    前記第2制御巻線に生じる電圧の大きさに応じて前記設定電圧の大きさを補正する設定電圧補正回路と、
    を備えていることを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記制御用回路部は、
    前記第1制御巻線に生じる電圧を平滑して蓄積する第1平滑コンデンサと、
    設定電圧を超えたときに電流を流す定電圧回路とを備え、
    前記第1平滑コンデンサの電圧が前記設定電圧を上回った場合に前記定電圧回路に電流が流れて前記スイッチング素子の制御端子にターンオフさせる電圧が出力されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記定電圧回路は、
    所定電圧を分割する分割抵抗と、
    該分割抵抗の分割点に接続されたツェナーダイオードと、
    から構成され、
    前記設定電圧補正回路は、
    前記第2制御巻線に生じる電圧を平滑して蓄積する第2平滑コンデンサと、
    前記第2平滑コンデンサの電圧の大きさに応じて前記分割抵抗の分割点に電流を流すトランジスタと、
    から構成されることを特徴とする請求項2記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記定電圧回路は、
    参照電圧に応じた定電圧を生成するシャントレギュレータと、
    所定電圧を分割して前記シャントレギュレータの参照電圧を生成する分割抵抗と、
    から構成され、
    前記設定電圧補正回路は、
    前記第2制御巻線に生じる電圧を平滑して蓄積する第2平滑コンデンサと、
    前記第2平滑コンデンサの電圧の大きさに応じて前記分割抵抗の分割点に電流を流すトランジスタと、
    から構成されることを特徴とする請求項2記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記分割抵抗は前記第1平滑コンデンサの両端電圧を抵抗分割する構成であることを特徴とする請求項3又は4に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記帰還巻線と前記第1制御巻線とが1つの巻線により共通化されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のスイッチング電源装置。
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JPH05304778A (ja) * 1992-04-27 1993-11-16 Murata Mfg Co Ltd スイッチング電源装置
JP2000032749A (ja) * 1998-07-09 2000-01-28 Canon Inc スイッチング電源

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