JP2009065045A - 金属線を密着整列した線束及びその製造法 - Google Patents

金属線を密着整列した線束及びその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】トロイダルコイルや電力用ケーブルや索条が、より大きな電流容量または強度をもち、またはより小型化が可能となるよう、金属線の占積率を高めること。
【解決手段】断面の縦横比が略1対3の金属線を、長辺が略円周に並ぶよう側面を押圧して湾曲させ、同心円状に整列した金属線束を構成する。ひとつの同心円に整列した金属線の本数から2を減じた本数の金属線をその内側の同心円に整列させる。コイル内径空間の金属線の配置に該金属線束を含むトロイダルコイル並びに軸中心構造物の周辺に該金属線束を含む電力用ケーブル及び索条を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属線を密着整列して占積率を高めた線束に関し、さらに詳しくは、当該線束を内径空間に配したトロイダルコイル、当該線束を用いた電力用ケーブル、及びこれらの線束の製造装置に関する。
従来より、複数の電線を束ねた線束において、電気的損失の低減等を目的として、占積率を高める種々の設計手法が試みられてきた。また、電子回路の小型化、高性能化等の要求から、インダクタンスを有するコイル部品にも小型高効率であることが求められていた。そのため、外形寸法に制約のある条件でより大きなインダクタンスと電流容量を確保できるコイル部品が求められている。
これらのコイル部品の一例としては、ドーナツ型の磁性材料に電線を巻回したトロイダルコイルが挙げられる。トロイダルコイルは、高周波トランス、ノイズフィルタ、電動モータ固定子等に広く用いられており、磁束を閉回路に閉じ込めやすい形状の特徴から、外部磁場の影響を受けにくい安定したインダクタンス素子およびトランス回路の部品として用いられてきた(非特許文献1等参照)。
図7に、公知のトロイダルコイルの平面図を、図8に、より大きなインダクタンスをもたせるためにトロイダルコアに絶縁電線を多数回巻いたトロイダルコイルの外観を示す。図7に示した公知のトロイダルコイルにおいては、絶縁電線43に電流が流れることにより、トロイダルコア41に磁束42が発生する。内径空間40は、トロイダルコア41に巻回した絶縁電線43が通過する空間である。図8に示した、公知の多数巻きトロイダルコイルにおいては、巻線として断面が略円形の丸線46を用い、多数回巻いたことによって、トロイダルコアの内径空間に向かって巻線が密集した構造を有する。
しかし、入手や加工が容易なエナメル被覆銅線等の断面は略円形であり、これをトロイダル巻線に用いると、次の理由によって絶縁電線の線間に空隙が発生し、トロイダルコア内径空間における線束の占積率は制限される。
(1) 電線が相互に接触して最密充填の状態となっても、電線の断面が略円形であるために空隙が残る。
(2) 大円の内部を小円で充填する数学上の問題において、半径の比によってはすべての小円が最密充填とはなれないために、より多くの空隙を発生する。
(3) 導線をコアに巻回す過程の応力によりコア内径空間を通過する電線の形状が直線状から外れ、設計時の空間配置に充填されずにより多くの空隙を発生する。
発明者らは、内径空間が直径14mmのトロイダルコアと、外径1.5mmのエナメル被覆丸銅線を用いてトロイダルコイルを試作した。計算上はコアの内径空間に60回の配線が通過しうると予想したが、実際には45回巻きの状態において、内径空間に追加配線を通過させることができなかった。
これらのトロイダルコイルにおいて、インダクタンスを大きくするために巻数を増やして電線の線径を細くすると、直流抵抗が増大する。その結果、電流損失が増え、発熱等の悪影響がある。また、電線を被覆する絶縁物の断面積が増加するので占積率が低下する。また、小型化が難しくなる。
また、電力用ケーブルにおいても占積率を高めることは抵抗低減のために重要である。複数の丸線からなる電力用ケーブルの製造において、線束の外周から中心軸に向かって機械的圧力を印加しながら撚り合わせ、線束を密着させる電力用ケーブルの製造法等が提案されている(特許文献1等参照)。
山村英穂「トロイダル・コア活用百科」CQ出版社 米国特許第544861号
本発明は、以上のような問題点を解決して、より大きな占積率を有し、密着整列した金属線束を提供することを目的とする。また本発明は、トロイダルコイルの製作において、特にトロイダルコイルの内径空間における占積率をより大きくし、電流容量、インダクタンスがより大きなトロイダルコイルを提供することを目的とする。さらに本発明は、より大きな占積率を有し、電流容量の大きな電力用ケーブル及び高強度の索条を提供することを目的とする。
本発明者らは、平角線を同心円状に整列させた線束の整列法則を見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 断面の縦横比がほぼ1対3の平角金属線を2層以上の同軸かつ同心円状に整列平設し、ひとつの同心円状に整列した金属線の本数から2を減じた本数の金属線をその内側の同心円状に整列させた金属線束。
(1)の金属線束に含まれる金属線の材質は銅、アルミニウム、鉄等、電線用途に電気的導体として用いられている金属、合金等から適宜選択できる。金属線を含まれる電気的導体の材質、形状は問わない。
(1)の金属線束に含まれる金属線は、例えば、JIS C 3104記載の平角銅線から導体断面の縦横比が略1対3であるものを適宜選択できる。
(1)の金属線束に含まれる金属線は単線でもよく、表皮効果による交流抵抗増加を避けるためにリッツ線、パイプ等を用いてもよい。該金属線は、導体断面の縦横比が略1対3であればよく、該縦横比となるよう銅箔等を折りたたんで用いてもよい。該縦横比の断面の内部における導体の構造は問わない。
(1)の金属線束は、あらかじめ金属線の側面を押圧して金属線の断面を変形させて製造してもよく、金属線を束ねた後に金属線束の軸中心に向けて線束の側面を押圧し、線束に含まれるそれぞれの金属線の断面を変形させて製造してもよい。
(1)の金属線束は、金属線の断面が略台形となるよう変形して製造してもよく、また、断面が略扇形の一部形状となるよう変形して製造してもよい。線束を構成する状態においてそれぞれの金属線間の空隙を排除しうる形状であれば、金属線の断面が変形した形状は何でもよい。
(1)の金属線束は、プレス装置等で金属線の側面を挟み込んで押圧して、金属線の断面を台形に変形、または扇形の一部等に変形して製造してもよい。金属線の断面の変形は、金属線の一部を押圧してもよく、ローラープレス装置等を用いて連続加工してもよい。
(2) (1)の平角金属線が絶縁電線である金属線束。
(2)の金属線束に含まれる電線は、例えば、JIS C 3202−4記載のエナメル平角線等から導体断面の縦横比が略1対3であるものを適宜選択できる。
(2)の金属線束に含まれる絶縁電線は、導体の外側にポリマー被覆等の絶縁体を設けてもよく、導線の表面を酸化加工して不動態としてもよく、導線の表面に不動態皮膜を設けてもよい。なお、不動態とは、金属表面に腐食作用に抵抗する酸化被膜を生じた状態を指し、アルミニウムに対する硫酸陽極酸化処理等により適宜形成しうる。これに限らず、不動態皮膜としてアルミニウム55%+亜鉛43.4%+珪素(Si)1.6%(いずれも質量比)の合金めっき等を用いてもよい。
(3) 円環の内円が(2)の構造であるトロイダルコイル。
(3)のトロイダルコイルは、集中定数回路のインダクタ、ノイズフィルタ、高周波トランス、バラン、ハイブリッド、ダブルバランスミキサ、電動モータ固定子、電磁石、超伝導磁石、超伝導コイル、磁気共鳴プローブ、高周波アンテナ、核融合炉等の機能部品の一部に含まれることができる。
(3)のトロイダルコイルには、磁性コア付きコイルを用いることができる。コア材は、例えば強磁性金属であるFe、Co、Niや、またはこれらの金属を含む合金や、マンガン亜鉛系フェライトや、ニッケル亜鉛系フェライトや、カーボニル鉄や、これらを含む混合材料等から適宜選択できる。磁性コアとして使用できる磁性体であれば、本発明に係るトロイダルコイルのコア材として用いることができ、材質、形状は問わない。
(3)のトロイダルコイルを磁性コア付きとする場合の磁性コアは、略円環状に連続した構造をもつものでもよく、分割したコアを組み合わせて略円環状としてもよい。
(3)のトロイダルコイルは、コア材のないコアレス(空芯)トロイダルコイルでもよく、円環状の非磁性材料を巻枠として成型したトロイダルコイルでもよい。絶縁電線以外の構造物の透磁率は問わない。
(3)のトロイダルコイルは、略円環状の磁路に磁束を発生できればよく、トロイダルコア材の一部に製作したソレノイド巻のコイルでもよい。線材は連続した導体を用いてもよく、多層プリント基板の層にトロイダルコイルの一部を印刷してもよい。
(3)のトロイダルコイルにおいて、(2)に記載の金属線束は、トロイダル内径、すなわち、コア付きトロイダルコイルにおけるコアの内径の空間に巻回される絶縁電線の配置に含まれる。
(3)のトロイダルコイルにおいて、外周に巻回される絶縁電線の配置は何でもよい。外周の絶縁電線の配置に、(2)に記載の整列させた金属線束を用いてもよい。
(4) (1)または(2)に記載の金属線束を含む索条。
(4)の索条は、(1)または(2)の金属線束に加えて、引っ張り強度を大きくするための構造物や、機械的衝撃から金属線束を保護するための構造物を設けてもよい。金属線束に(1)または(2)の線束の構成を含めば、他の構造物の組成、構造は問わない。
(4)の索条は、(1)または(2)の金属線束に加えて、平角線以外の金属線を含んでもよい。密着配置した平角線が並ぶそれぞれの同心円に共通の中心部に丸線の導体を含んでもよい。金属線束に(1)または(2)の金属線束の構成を含めば、他の構造物の組成、構造は問わない。
本発明によれば、導体断面の縦横比が略1対3の平角線を密着整列した金属線束を用いることで、断面が略円形の丸線を用いる金属線束と比較して、より大きな占積率を有する金属線束を提供することができる。
また、本発明によれば、丸線を用いるトロイダルコイルと比較して、より多くの巻数をもち電流容量の大きなトロイダルコイルを製作できる。したがって、外形寸法に制約のある条件でより大きなインダクタンスを確保しうるコイル部品を提供でき、小型高性能な電子部品に対する需要に応えることができる。
さらに、本発明によれば、丸線を束ねた構成を有する電力用ケーブル及び索条では丸線の間の空隙が避けられないのに対し、平角線を整列してケーブル間が密着した金属線束を提供できるので、より大きな占積率を有する電力用ケーブル及び索条を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
<実施例1>
実施例1は、本発明の線束に含まれる金属線の整列法則に関するものである。
図1は、本発明に係る、金属線を整列した線束の断面を示す図である。図1においては、金属線の配置を説明するため、便宜的に隣接する線間に空白を設けた図を示した。金属線としては断面の縦横比が略1対3の同一形状の平角線を用い、それぞれの平角線は側面から押圧して断面が略扇形の一部となるよう湾曲させる。
平角線としては、JIS C 3104記載の平角銅線、JIS C 3202−4記載のエナメル平角線等から導体断面の縦横比が略1対3であるものを適宜選択して使用できる。
本発明の線束は、湾曲した平角線を用意し、平角線断面の長辺方向が同心円状に並ぶよう整列し、整列した平角線を層状に積み重ねることにより、製作される。
層状に積み重ねられた平角線は、それぞれが含まれる同心円の中心が共通である同軸構造を有している。すなわち、本発明の線束は、同心円状に整列した平角線の層が、同軸構造を有するよう積層した構造を有する。
図1を用い、本発明の線束に含まれる金属線の整列法則を、金属線の形状と配置との関係として示す。
図1の線束の断面において、ひとつの同心円状に整列した平角線は、ひとつの層に含まれる。層の外周から同心円の中心8までの半径を、当該層の半径とし、同心円の中心8から見て第N番目に位置する層を、第N層と呼ぶこととする。
第N層の平角線20が整列する同心円の半径6をrとし、第(N−1)層の平角線10が整列する同心円の半径7をrN−1とする。第N層に整列させた平角線の数がk本であるとき、平角線の厚さをΔとおくと、平角線の断面の縦横比を略1:πと置き換えることで
Figure 2009065045
となる。
第(N−1)層の外周の半径7と、第N層の外周の半径6との関係は
Figure 2009065045
であり、数1、数2から
Figure 2009065045
である。第(N−1)層の平角線10の本数は次式から求められる。
Figure 2009065045
すなわち、第(N−1)層の平角線10の本数は(k−2)本である。
数1から数4を用いて説明した、同心円状に整列する平角線の本数における隣接2層の関係は、第N層と第(N+1)層の間にも成り立つので、第N層の平角線10の本数をk本とする場合、第(N+1)層の平角線30として(k+2)本の平角線を整列すれば、第(N+1)層を製作できる。
以上のように、本発明に係る線束においては、平角線の断面の縦横比を略1対3の一定値にし、同心円状に設ける平角線の層の外周の長さが、整数本の平角線の断面長辺長さの和と略等しければ、線束の断面の層構造の内側の層には、前記本数から2を減じた数を整列する平角線の本数として用いることで、同軸同心円状に平角線を密着整列した構成を有する線束を製作することができる。
本発明に係る線束においては、ひとつの層の外側に層を製作するには、整列した平角線の本数の整数に2を加えた整数を、外側の層に整列する平角線の本数とすればよい。
本発明に係る線束においては、断面の形状が略1対3の平角線を用意すれば、同心円状に並べる平角線の本数を上記の整列法則で決定し、金属線を密着整列させた線束を提供することができる。
本発明に係る線束に含まれる金属線は、平角線に限らず、短軸と長軸の比が略1対3の楕円形の断面をもつ導体でもよく、丸線をあらかじめ側面から押圧して平角線または楕円断面の導体として用いてもよい。
本発明に係る線束に含まれる金属線の断面形状の縦横比は、計算上の厳密な値である必要はなく、入手可能な金属線の寸法において断面の縦横比が略1対3であればよい。
本発明の線束における金属線の整列法則は、特定の1層の金属線の本数を決定するものではなく、隣接する2層に含まれるそれぞれの金属線の本数の差に関する。特定の1層の金属線の本数は何本でもよい。
図1に示した、線束の同軸中心部5には、導体や絶縁物等を含んでもよく、何も含まない空洞でもよい。
<実施例2>
実施例2は、本発明の密着整列した線束を含むトロイダルコイルに関するものである。
図2は、図8に示した公知の多数巻きトロイダルコイルの断面を示す図である。コア外周を通過する丸線44の間隔がまばらであっても、内径空間を通過する丸線45は密集した状態となる。内径空間を通過する丸線45が最密充填となりうるとしても、丸線の線間に空隙が残存することは、背景技術の箇所で述べた通りである。
図3は、本発明に係る線束を用いたトロイダルコイルの断面図である。図3に示した、本発明の線束を含むトロイダルコイルの断面2においては、トロイダルコア内径空間を通過する絶縁電線の配置に、本発明の線束が含まれる。コア外周を通過する平角線47はトロイダルコア41の内径空間に向かって巻回され、内径空間を通過する平角線48のひとつとして配線される。内径空間を通過する平角線48は、内側の層に向かって2本ずつ少なくなるように、同心円状に整列する。
図3の内径空間を通過する平角線48は密着整列しうるので、図2の内径空間を通過する丸線45の線間に生じていた空隙の発生が避けられる。本発明の線束の構成をトロイダルコイルに導入することによって、コア内径空間における導体の占積率を大幅に向上することができる。
コア外周を通過する平角線47が2層以上に積層する場合は、本発明の実施例1に示した整列法則を用いることで、コア外周においても平角線を密着整列した線束を利用することができる。
本発明の線束に含まれる平角線の密着整列を有するトロイダルコイルにおいては、トロイダルコイル内径空間において導体間に生じる空隙を減らすことができる。すなわち、占積率を大きくできるとともに、より多くの巻数が可能になる。したがって、本発明の線束を含むことにより、電流容量を大きくしたトロイダルコイル、ならびに、より大きなインダクタンスをもつトロイダルコイルを提供できる。
また、従来の丸線を巻回したトロイダルコイルと同じ回数の巻数は、より小さな内径空間を用いて実現できる。コア外周の配線においても本発明の金属線束を利用して線間の空隙を減らすことができる。したがって、本発明の金属線束を含むことにより、トロイダルコイルを小型化することができる。
<実施例3>
実施例3では、本発明の密着整列した金属線束を含む電力用ケーブル及び索条に関するものである。以下は電力ケーブルの構成について示すが、索条の構成も同様である。なお、索条には、例えばJIS G 3532記載の鉄線等を加工して用いてもよい。
図4(a)、図4(b)は、本発明の線束を含む電力用ケーブルの構成を示す図である。本発明の線束を含む電力用ケーブルにおいては、断面の縦横比が略1対3である平角線52を用意し、断面においてひとつの同心円状に整列した電線の本数に2を加えた本数の電線を、その外側の同心円状に整列させる手順を繰り返し、平角線52の層を積層することで、密着整列した電源ケーブルを提供できる。
図4の電力用ケーブルは、図4(a)のように平角線52が互いに平行となるように密着整列してもよく、図4(b)のように撚りを加えてもよい。
図4(a)、図4(b)の線束の中心部51には、導体や絶縁物等を含んでもよく、何も含まない空洞でもよい。本発明の線束を含む電力用ケーブルには、絶縁、防汚、防錆等を目的として外被を設けてもよい。
本発明の金属線束を含む電力用ケーブル3は、丸線を整列した電力用ケーブルと比較して、線間の空隙を少なくすることで導体の占積率を高めることができる。したがって、本発明の金属線束を含むことにより、電流容量を大きくした電力用ケーブルを提供でき、抵抗による電力の損失を減らすことができる。
本発明の金属線束を含む索条は、丸線を整列した索条と比較して、線間の空隙を少なくすることで断面における金属線の占積率を高めることができる。したがって、本発明の金属線束を含むことにより、稠密度を高めた高強度の索条を提供することができる。
<実施例4>
実施例4は、本発明の金属線束の製造法に関するものである。
図5、図6を用いて、本発明の線束の製造法に係る、金属線の断面を変形させる手段を示す。部材A55、部材B56は、例えば、プレス装置等の押圧対向面に設ける金型等であり、図5、図6には断面を示した。
図5のように、部材A55、部材B56で、平角線57を挟み、押圧すると、平角線57は断面を変形した平角線58となり、本発明の線束に含まれる、同心円状に整列しうる形状を有する、断面を湾曲した平角線を得ることができる。
断面が湾曲した平角線の曲率は、線束の軸中心付近に整列させる平角線ほど大きな曲率をもたせることで、線間の空隙を排除し密着整列した線束を製作できる。
図5、図6を用いて示した金属線の断面の変形は、プレス装置を用いてもよく、押圧部に図5、図6の断面を有するローラープレス装置を用いてもよい。
本発明の金属線束に係る上述の製造法を用いて、トロイダルコアの内径空間を通過する絶縁電線の一部に、前記の電線の断面を変形する処理を加えることで、本発明の線束をトロイダルコア内径空間における絶縁電線の配置に含むトロイダルコイルを製作できる。
本発明の金属線束に係る製造法を用いて、円柱形状の中心構造物の側面に、湾曲させた平角線を同心円状に多層に密着整列させることで、本発明の金属線束を含む電力用ケーブル、索条等を製作できる。
本発明の金属線束に係る製造法においては、線束に含まれる金属線の側面を押圧して、同心円状に金属線を密着整列させるよう金属線の断面を変形する構成を含めばよく、部材の材質、押圧部の面積、押圧の圧力は問わない。金属線への押圧は1箇所でも複数箇所でもよく、ローラー等による連続処理でもよい。
以上、本発明の実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。例えば、線束に含まれる金属線として平角線について説明したが、丸線を押圧して軸長の比が略1対3となるような長円断面の金属線を電線としてもよい。また、コア付きトロイダルコイルについて主に説明したが、コアレス(空芯)トロイダルコイルでも、本発明の線束に含まれる整列した電線を採用することができる。
本発明の線束の断面を示す図である。 公知の、巻線を多数回巻いたコア付きトロイダルコイルの断面を示す図である。 本発明の線束に含まれる、密着整列された平角線の配置をコイル内径空間に有する、コア付きトロイダルコイルの断面を示す図である。 本発明の線束を含む電力用ケーブル及び索条の構成を示す図である。(a)平角線がたがいに平行となるよう密着整列した電力用ケーブル及び索条、(b)平角線に撚りを加えて密着整列した電力用ケーブル及び索条。 本発明の線束製造装置に含まれる、平角線の側面を押圧して変形する機構の断面を示す図である。 本発明の線束製造装置により、平角線の側面が押圧されて変形する状況を示す図である。 公知のコア付きトロイダルコイルを示す平面図である。 公知の、巻線を多数回巻いたコア付きトロイダルコイルの外観を示す図である。
符号の説明
1 本発明の線束の断面
2 本発明の線束を含むトロイダルコイルの断面
3 本発明の線束を含む電力用ケーブル
5 線束の同軸中心部
6 第N層の外周の半径
7 第(N−1)層の外周の半径
8 同心円の中心
10 第(N−1)層の平角線
20 第N層の平角線
30 第(N+1)層の平角線
40 トロイダルコイルの内径空間
41 トロイダルコア
42 磁束
43 絶縁電線
44 コア外周を通過する丸線
45 内径空間を通過する丸線
46 丸線
47 コア外周を通過する平角線
48 内径空間を通過する平角線
51 線束の中心部
52 平角線
55 部材A
56 部材B
57 平角線の断面
58 断面を変形させた平角線

Claims (4)

  1. 断面の縦横比がほぼ1対3の平角金属線を2層以上の同軸かつ同心円状に整列平設し、
    ひとつの同心円状に整列した金属線の本数から2を減じた本数の金属線をその内側の同心円状に整列させた金属線束。
  2. 請求項1の平角金属線が絶縁電線である金属線束。
  3. 円環の内円が請求項2の構造であるトロイダルコイル。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の金属線束を含む索条。
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