JP2014071969A - 磁性材被覆導体及びその製造方法、並びに磁性材被覆電線 - Google Patents
磁性材被覆導体及びその製造方法、並びに磁性材被覆電線 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、近接効果のさらなる抑制を実現可能であり、簡便に磁性層を形成可能な磁性材被覆導体及びその製造方法、並びに磁性材被覆電線を提供することを課題とする。
【解決手段】導体14と、複数の扁平な磁性体18、及び絶縁体19を含み、導体14の外周面14aを覆う磁性層16と、を有した磁性材被覆導体11であって、磁性体18の扁平面18aが導体14の外周面14aに対して略平行となるように複数の磁性体18を配置する。
【選択図】図1
【解決手段】導体14と、複数の扁平な磁性体18、及び絶縁体19を含み、導体14の外周面14aを覆う磁性層16と、を有した磁性材被覆導体11であって、磁性体18の扁平面18aが導体14の外周面14aに対して略平行となるように複数の磁性体18を配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種電子機器部品のコイル用線材やフラットケーブル等の信号ケーブル用線材として利用可能な磁性材被覆導体及びその製造方法、並びに磁性材被覆電線に関する。
図9は、高周波の交流電流を巻線に流した際に発生する近接効果を説明するための模式的な断面図である。図9では、巻線101の一部を構成する導体102の横断面のみを図示する。
図9に示すように、巻線101に周波数の高い交流電流を流すと、導体102の周囲に配置された導体(図示せず)から発生した磁界Pが導体102内に侵入して渦電流Qが発生する。この現象を近接効果という。
上記近接効果が発生すると、渦電流Qの影響により巻線101の交流抵抗値が上昇してしまう。
図9に示すように、巻線101に周波数の高い交流電流を流すと、導体102の周囲に配置された導体(図示せず)から発生した磁界Pが導体102内に侵入して渦電流Qが発生する。この現象を近接効果という。
上記近接効果が発生すると、渦電流Qの影響により巻線101の交流抵抗値が上昇してしまう。
図10は、近接効果の発生を抑制可能な従来の磁性導体の断面図である。図10において、図9と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
上記近接効果を抑制可能な磁性導体として、例えば、図10に示す構造とされた磁性導体105が提案されている。磁性導体105は、導体101と、導体101の外周面101aを覆う磁性層104と、を有する。
上記近接効果を抑制可能な磁性導体として、例えば、図10に示す構造とされた磁性導体105が提案されている。磁性導体105は、導体101と、導体101の外周面101aを覆う磁性層104と、を有する。
このような構成とされた磁性導体105を巻回し、巻回した磁性導体105に周波数の高い交流電流を流すと、透磁率の高い磁性層104を通過しようとする磁界P1(P)成分が増え、導体101内に侵入する磁界P2(P)成分は減少する傾向となる。これにより、導体101内に発生する渦電流Qが減少するため、磁性導体105の交流抵抗値を低くすることができる。
特許文献1には、2層構造とされた磁性層を有する平角強磁性体が開示されている。また、特許文献1には、銅線に圧延加工を施して平角銅導体を形成し、次いで、平角銅導体を焼鈍して応力歪を除去し、その後、電解脱脂し、次いで、平角銅導体に鉄の電気めっきを行って鉄電析膜(磁性層)を形成し、その後、ニッケルの電気めっきを行ってニッケル電析膜(磁性層)を形成する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、めっき法により磁性層を形成していた。また、めっき膜は、膜の成長速度が遅いため、磁性層の生産性が低下してしまう。
また、近接効果を抑制する観点から、磁性層の材料としては、できるだけ透磁率の高い材料を用いることが好ましいが、めっき法を用いて磁性層を形成する場合、磁性層の材料がめっきしやすい材料に限定されてしまうという。
このため、めっき法に適さない軟磁性材料を用いて磁性層を構成することが困難なため、近接効果のさらなる抑制を実現することが困難であった。
このため、めっき法に適さない軟磁性材料を用いて磁性層を構成することが困難なため、近接効果のさらなる抑制を実現することが困難であった。
本発明は、近接効果のさらなる抑制を実現可能であり、簡便に磁性層を形成可能な磁性材被覆導体及びその製造方法、並びに磁性材被覆電線を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、長尺状の導体と、前記導体を覆う磁性層と、を有する磁性材被覆導体であって、前記磁性層は、樹脂よりなる絶縁体の中に、扁平とされた複数の磁性体が配置されており、複数の前記磁性体の扁平面が、前記導体の外周面に対して略平行を成すことを特徴とする磁性材被覆導体が提供される。
このように、複数の磁性体の扁平面が、導体の外周面に対して略平行を成すように配置することにより、磁性材被覆導体を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、該導体の周囲に位置する導体から発生する磁界が、導体の外側に配置された磁性層を通過しやすくなる(言い換えれば、導体内を通過しにくくなる)。これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体の交流抵抗値を小さくすることができる。
また、樹脂よりなる絶縁体に複数の磁性体が混合された磁性層を用いることで、めっき法を用いることなく、簡便に磁性層を形成することが可能となる。
さらに、磁性層の形成方法としてめっき法を用いないことにより、めっき法に適さない軟磁性材料を複数の扁平とされた磁性体の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
さらに、磁性層の形成方法としてめっき法を用いないことにより、めっき法に適さない軟磁性材料を複数の扁平とされた磁性体の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
また、請求項2に係る発明によれば、前記導体と前記磁性層との間に、中間層を配置したことを特徴とする請求項1記載の磁性材被覆導体が提供される。
このように、導体と磁性層との間に、中間層を配置することにより、導体と磁性層との間の密着性を向上させることができる。
また、請求項3に係る発明によれば、前記複数の磁性体は、前記磁性層の厚さ方向に積層されて成ることを特徴とする請求項1または2記載の磁性材被覆導体が提供される。
このように、磁性層の厚さ方向に複数の磁性体を積層させて配置することにより、磁性層における磁性体の充填率が高くなるため、磁性層の透磁率を高めることが可能となる。
これにより、磁性材被覆導体を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体の周囲に配置された導体から発生する磁界が、導体の外側に配置された磁性層をさらに通過しやすくなるため、近接効果をさらに抑制できる。
これにより、磁性材被覆導体を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体の周囲に配置された導体から発生する磁界が、導体の外側に配置された磁性層をさらに通過しやすくなるため、近接効果をさらに抑制できる。
また、請求項4に係る発明によれば、前記複数の磁性体は、前記磁性層の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように配置されていることを特徴とする請求項3記載の磁性材被覆導体が提供される。
このように、磁性層の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように複数の磁性体を配置することにより、磁性層における磁性体の充填率をさらに高くすることが可能となる。これにより、磁性層の透磁率をさらに高めることができる。
また、請求項5に係る発明によれば、前記磁性層の比透磁率が10以上であることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の磁性材被覆導体が提供される。
このように、磁性層の比透磁率を10以上にすることで、磁性層の透磁率をさらに高めることができる。
また、請求項6に係る発明によれば、前記磁性体の材料は、軟磁性材料であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の磁性材被覆導体が提供される。
このように、磁性体の材料として、軟磁性材料を用いることで、磁性層の透磁率をさらに高めることができる。
また、請求項7に係る発明によれば、請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の磁性材被覆導体と、前記磁性材被覆導体の外周面を覆う保護層と、を有することを特徴とする磁性材被覆電線が提供される。
このように、請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の磁性材被覆導体を有することにより、簡便に磁性層を形成可能であり、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
また、請求項8に係る発明によれば、長尺状の導体の外周面を覆うように、複数の扁平とされた磁性体、及び樹脂よりなる絶縁体を含み、かつ磁性層の母材となる混合物を塗布する工程と、前記導体の外周面を覆う前記混合物に圧力を印加させながら、前記導体を該導体の延在方向に移動させる工程と、を有することを特徴とする磁性材被覆導体の製造方法が提供される。
このように、導体の外周面を覆うように、扁平な複数の磁性体、及び樹脂よりなる絶縁体を含み、かつ磁性層の母材となる混合物を塗布し、その後、導体の外周面を覆う混合物に圧力を印加させながら、導体を該導体の延在方向に移動させることにより、複数の扁平とされた磁性体の扁平面が、導体の外周面に対して略平行を成すように配置することが可能になると共に、磁性体の厚さ方向に複数の磁性体を積層させることが可能となる。
これにより、磁性材被覆導体を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体の周囲に配置された導体から発生する磁界が、導体の外側に配置された磁性層を通過しやすくなり(言い換えれば、導体内を通過しにくくなり)、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体の交流抵抗値を小さくすることができる。
また、めっき法を用いる必要がなくなるため、簡便な方法で容易に磁性層を形成できる。
さらに、めっき法に適さない軟磁性材料を扁平な複数の磁性体の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
さらに、めっき法に適さない軟磁性材料を扁平な複数の磁性体の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
本発明の磁性材被覆導体によれば、簡便に磁性層を形成可能であり、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の磁性材被覆導体及び磁性材被覆電線の寸法関係とは異なる場合がある。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る磁性材被覆電線の断面図である。図1(b)は、図1(a)に示す磁性材被覆電線のうち、領域Aで囲まれた部分を拡大した断面図である。図1(c)は、図1(a)に示す磁性材被覆導体の斜視図であり、図1(d)は、図1(d)に示す領域Bで囲まれた磁性層の透過図である。
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る磁性材被覆電線の断面図である。図1(b)は、図1(a)に示す磁性材被覆電線のうち、領域Aで囲まれた部分を拡大した断面図である。図1(c)は、図1(a)に示す磁性材被覆導体の斜視図であり、図1(d)は、図1(d)に示す領域Bで囲まれた磁性層の透過図である。
図1(a)及び図1(b)を参照するに、第1の実施の形態の磁性材被覆電線10は、磁性材被覆導体11と、保護層12と、を有する。磁性材被覆導体11は、導体14と、中間層15と、磁性層16と、を有する。
図1(c)を参照するに、導体14は、切断面が円形とされた長尺形状とされており、C方向(導体14の延在方向)に延在している。導体14としては、例えば、導線を用いることができる。導体14の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を用いることができる。
導体14の直径は、特に限定されないが、例えば、0.05〜10mmの範囲内で適宜設定することができる。
導体14の直径は、特に限定されないが、例えば、0.05〜10mmの範囲内で適宜設定することができる。
図1(a)及び図1(b)を参照するに、中間層15は、導体14の外周面14aを覆うように配置されている。中間層15は、導体14と磁性層16との間に配置されており、磁性層16と接触している。
中間層15は、絶縁性を有する層であり、導体14及び磁性層16を構成する絶縁体19との密着性が良好であることが好ましい。中間層15としては、例えば、絶縁層等を用いることができる。中間層15となる絶縁層としては、例えば、樹脂層を用いることができる。
例えば、磁性層16を構成する絶縁体19としてエナメル樹脂を用いる場合、中間層15としては、エナメル樹脂層を用いることができる。
中間層15の厚さは、例えば、1〜100μmの範囲内で適宜選択することができる。
中間層15は、絶縁性を有する層であり、導体14及び磁性層16を構成する絶縁体19との密着性が良好であることが好ましい。中間層15としては、例えば、絶縁層等を用いることができる。中間層15となる絶縁層としては、例えば、樹脂層を用いることができる。
例えば、磁性層16を構成する絶縁体19としてエナメル樹脂を用いる場合、中間層15としては、エナメル樹脂層を用いることができる。
中間層15の厚さは、例えば、1〜100μmの範囲内で適宜選択することができる。
このように、導体14と磁性層16との間に、中間層15を設けることにより、導体14と磁性層16とを離間させて配置することが可能になると共に、中間層15が密着層として機能するため、磁性層16を剥がれにくくすることができる。
図1(a)及び図1(b)を参照するに、磁性層16は、中間層15の外周面15aを覆うように配置されている。図1(b)及び図1(d)を参照するに、磁性層16は、複数の扁平とされた磁性体18と、絶縁体19と、を含んだ構成とされている。
このように、絶縁体19に複数の扁平な磁性体18を含んだ磁性層16を用いることで、めっき法を用いることなく、簡便な方法を用いて磁性層16を形成することが可能となる。
さらに、磁性層16の形成方法としてめっき法を用いないことにより、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストやフェライト等)を複数の扁平な磁性体18の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
さらに、磁性層16の形成方法としてめっき法を用いないことにより、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストやフェライト等)を複数の扁平な磁性体18の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
複数の扁平な磁性体18は、絶縁体19の中に配置されている。複数の扁平な磁性体18は、それぞれ一対の扁平面18aを有する。複数の扁平な磁性体18は、円形または楕円形とされている(図1(d)参照)。この場合、磁性体18としては、例えば、厚さが1μm、幅が10μm程度ものを用いることができる。
なお、図1(d)では、一例として、円形または楕円形とされた磁性体18を図示したが、磁性体18の形状は、これに限定されない。具体的には、例えば、磁性体18の形状を四角形にしてもよい。
複数の扁平な磁性体18は、磁性体18の扁平面18aが導体14の外周面14aに対して略平行を成すように配置されている。これにより、複数の扁平な磁性体18は、導体14の外周面14aに沿って配置されている。
このように、複数の扁平な磁性体18の扁平面18aが導体14の外周面14aに対して略平行を成すように配置することにより、磁性材被覆導体11を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体14の周囲に配置された導体から発生する磁界が、導体14の外側に配置された磁性層16を通過しやすくなる(言い換えれば、導体14内を通過しにくくなる)。これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体11の交流抵抗値を小さくすることができる。
なお、複数の磁性体18の扁平面18aと導体14の外周面14aとが平行になることが好ましいが、必ずしも平行である必要はなく、図1(b)に示すように、複数の磁性体18の扁平面18aが導体14の外周面14aに対して略平行を成すように配置されていればよい。
また、磁性体18は、導体14の周方向に配置された他の磁性体18と接触してもよく、この場合も近接効果を抑制できる。
また、磁性体18は、導体14の周方向に配置された他の磁性体18と接触してもよく、この場合も近接効果を抑制できる。
図1(b)を参照するに、複数の磁性体18は、磁性層16の厚さ方向に積層配置されている。図1(b)では、一例として、複数の磁性体18を6層に積層した場合を図示したが、磁性体18の積層数は、これに限定されない。
このように、磁性層16の厚さ方向に複数の磁性体18を積層させて配置することにより、磁性層16における磁性体18の充填率を高くして、磁性層16の透磁率を高めることが可能となる。
これにより、磁性材被覆導体11を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体14の周囲に配置された導体から発生する磁界が、導体14の外側に配置された磁性層16をさらに通過しやすくなるため、近接効果をさらに抑制できる。
これにより、磁性材被覆導体11を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体14の周囲に配置された導体から発生する磁界が、導体14の外側に配置された磁性層16をさらに通過しやすくなるため、近接効果をさらに抑制できる。
なお、図1(b)及び図1(d)に示すように、積層配置された磁性体18は、その下層或いは上層に配置された他の磁性体18と接触してもよい。
また、複数の磁性体18は、磁性層16の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように配置させるとよい。
このように、磁性層16の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように複数の磁性体18を配置させることにより、磁性層16における磁性体18の充填率をさらに高くすることが可能となる。これにより、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
このように、磁性層16の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように複数の磁性体18を配置させることにより、磁性層16における磁性体18の充填率をさらに高くすることが可能となる。これにより、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
また、磁性体18の材料としては、例えば、軟磁性材料(例えば、センダスト(Fe−Si−Al合金)またはフェライト(酸化鉄を主成分とするセラミック))を用いるとよい。
このように、磁性体18の材料として、軟磁性材料を用いることで、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
なお、センダスト及びフェライトの替わりに、パーマロイ系合金やアモルファスを用いてもよい。
このように、磁性体18の材料として、軟磁性材料を用いることで、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
なお、センダスト及びフェライトの替わりに、パーマロイ系合金やアモルファスを用いてもよい。
また、絶縁体19と混合させる磁性体18の割合については、例えば、10〜90wt%の範囲内で適宜選択することができる。
また、磁性層16の比透磁率は、例えば、10以上が好ましい。これにより、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
また、磁性層16の厚さは、例えば、導体14の半径の10〜40%の範囲内の値にすることができる。
また、磁性層16の比透磁率は、例えば、10以上が好ましい。これにより、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
また、磁性層16の厚さは、例えば、導体14の半径の10〜40%の範囲内の値にすることができる。
図1(b)を参照するに、絶縁体19は、硬化した樹脂により構成されている。絶縁体19は、複数の磁性体18の位置を規制すると共に、中間層15の外周面15aと接触している。絶縁体19としては、例えば、硬化したエナメル樹脂層を用いることができる。
上記構成とされた磁性層16の厚さM1は、例えば、10μmとすることができる。
上記構成とされた磁性層16の厚さM1は、例えば、10μmとすることができる。
図1(a)を参照するに、保護層12は、磁性層16の外周面16aを覆うように配置されている。保護層12は、例えば、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリヒダントイン、ポリエステルアミドイミド、ポリエステルアミド、ポリアミド、ポリビニルブチラール、エポキシ等の絶縁塗料を磁性層16に塗布後、焼付けすることで形成することができる。
なお、図1(a)には図示していないが、保護層12の外周面を覆う潤滑層を設けてもよい。潤滑層(図示せず)は、例えば、エステル変性ポリアミドイミドよりなる塗料を塗布後、焼付けすることで形成する。
第1の実施の形態の磁性材被覆導体によれば、長尺状の導体14と、導体14の外周面14a覆う中間層15と、樹脂よりなる絶縁体19の中に扁平とされた複数の磁性体18が配置され、かつ中間層15の外周面15aを覆う磁性層16と、を有し、複数の磁性体18の扁平面18aが、導体14の外周面14aに対して略平行を成すように複数の磁性体18を配置すると共に、磁性層16の厚さ方向に複数の磁性体18を積層させることにより、磁性材被覆導体11を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体14の周囲に配置された導体から発生する磁界が、導体14の外側に配置された磁性層16を通過しやすくなる(言い換えれば、導体14内を通過しにくくなる)。
これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体11の交流抵抗値を小さくすることができる。
これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体11の交流抵抗値を小さくすることができる。
また、絶縁体19に複数の磁性体18が混合された磁性層16を用いることで、めっき法を用いる必要がなくなるため、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストまたはフェライト)を複数の扁平な磁性体18の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層16の透磁率をさらに高めることができる。
なお、第1の実施の形態では、磁性層16の厚さ方向に複数の磁性体18を積層させた場合を例に挙げて説明したが、磁性層16の厚さ方向に1層の磁性体18のみを配置することで、磁性層16を構成してもよい。
この場合、磁性体18の材料として、センダストまたはフェライト等の軟磁性材料を用いることが有効である。
この場合、磁性体18の材料として、センダストまたはフェライト等の軟磁性材料を用いることが有効である。
上記構成とされた磁性材被覆導体11及び保護層12を有する第1の実施の形態の磁性材被覆電線10は、磁性材被覆導体11と同様な効果を得ることができる。つまり、簡便に磁性層16を形成可能であり、近接効果のさらなる抑制を実現できる
図2は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る磁性材被覆電線の断面図である。図2において、図1(a)に示す第1の実施の形態の磁性材被覆電線10と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図2を参照するに、第1の実施の形態の変形例の磁性材被覆電線25は、図1(a)に示す磁性材被覆導体11の替わりに磁性材被覆導体26を設けたこと以外は、第1の実施の形態の磁性材被覆電線10と同様に構成される。
磁性材被覆導体26は、導体14の外周面14aを覆う中間層15と保護層12との間に、2層の磁性層16を配置したこと以外は、図1(a)に示す1層の磁性層16を有した磁性材被覆導体11と同様に構成される。
磁性材被覆導体26は、導体14の外周面14aを覆う中間層15と保護層12との間に、2層の磁性層16を配置したこと以外は、図1(a)に示す1層の磁性層16を有した磁性材被覆導体11と同様に構成される。
このように、磁性層16を積層させることにより、磁性層16の厚さ(この場合、積層された磁性層16の合計の厚さ)を厚くすることが可能となる。上記構成とされた磁性材被覆導体26は、第1の実施の形態の磁性材被覆導体11と同様な効果を得ることができる。
なお、図2では、一例として、磁性層16を2層に積層させた場合を図示したが、必要に応じて磁性層16を3層以上に積層させてもよい。
図3及び図4は、本発明の第1の実施の形態に係る磁性材被覆導体の製造工程を示す断面図である。図3及び図4において、図1(a)、図1(b)、及び図1(c)に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
また、図4では、図1(b)に示すように、磁性層16を構成する磁性体18を6層に積層させて図示すると磁性層16の断面構造が見づらくなるため、3層に積層させた磁性体18を図示する。
また、図4では、図1(b)に示すように、磁性層16を構成する磁性体18を6層に積層させて図示すると磁性層16の断面構造が見づらくなるため、3層に積層させた磁性体18を図示する。
次に、図3及び図4を参照して、第1の実施の形態の磁性材被覆導体11の製造方法について説明する。
始めに、図3に示す工程では、周知の手法により、導体14の外周面14aを覆う中間層15(例えば、エナメル樹脂層)を形成する。
次いで、攪拌器(図示せず)を用いて、複数の扁平な磁性体18(例えば、40g)と、硬化していない絶縁体19(例えば、硬化していないエナメル樹脂40g)と、有機溶剤40gと、を十分に混合させることで、複数の扁平な磁性体18及び絶縁体19を含み、かつ磁性層16の母材となる混合物28を作成する。この段階において、混合物28は、硬化しておらず、流動性を有する。
このとき、絶縁体19(樹脂)と混合させる磁性体18の割合としては、例えば、10〜90wt%の範囲内で適宜選択することができる。
始めに、図3に示す工程では、周知の手法により、導体14の外周面14aを覆う中間層15(例えば、エナメル樹脂層)を形成する。
次いで、攪拌器(図示せず)を用いて、複数の扁平な磁性体18(例えば、40g)と、硬化していない絶縁体19(例えば、硬化していないエナメル樹脂40g)と、有機溶剤40gと、を十分に混合させることで、複数の扁平な磁性体18及び絶縁体19を含み、かつ磁性層16の母材となる混合物28を作成する。この段階において、混合物28は、硬化しておらず、流動性を有する。
このとき、絶縁体19(樹脂)と混合させる磁性体18の割合としては、例えば、10〜90wt%の範囲内で適宜選択することができる。
次いで、周知の手法により、導体14に形成された中間層15の外周面15aを覆うように、混合物28を塗布する。この段階では、図3に示すように、複数の磁性体18の扁平面18aは、導体14の外周面14aと略平行となるように配置されていない。また、この段階において、混合物28は、硬化しておらず、流動性を有する。塗布された混合物28の厚さM2は、磁性層16の厚さM1よりも厚い。
このとき、混合物28は、多層となるように塗布する(言い換えれば、混合物28を複数回塗布する)とよい。これにより、塗布された混合物28に気泡が発生することを防止できる。
このとき、混合物28は、多層となるように塗布する(言い換えれば、混合物28を複数回塗布する)とよい。これにより、塗布された混合物28に気泡が発生することを防止できる。
次いで、図4に示す工程では、治具であるダイス31を準備する。ここで、図4を参照して、ダイス31の構造について説明する。
ダイス31は、第1の開口部32と、第2の開口部33と、を有する。第1の開口部32は、円柱状とされた開口部である。第1の開口部32の開口径は、導体14に形成された中間層15との間に所定の間隙が形成される大きさとされている。
ダイス31は、第1の開口部32と、第2の開口部33と、を有する。第1の開口部32は、円柱状とされた開口部である。第1の開口部32の開口径は、導体14に形成された中間層15との間に所定の間隙が形成される大きさとされている。
第1の開口部32の内面32aと中間層15の外周面15aとの間に形成された間隙は、磁性層16の厚さM1と等しく、例えば、10μmとすることができる。第1の開口部32の内面32aは、磁性層16の外周面16aを形成すると共に、磁性層16を所望の厚さM1にするための面である。
第2の開口部33は、第1の開口部31と一体とされた開口部である。第1及び第2の開口部32,33は、中心軸が一致するように、導体14の延在方向(C方向)に配置されている。
第2の開口部33の開口径は、第1の開口部31から離間するにつれて、幅広形状とされている。言い換えれば、第2の開口部33は、第1の開口部32に向かうにつれて開口径が狭くなる円錐台形状とされている。つまり、第2の開口部33の内面33aは、テーパー形状とされている。
第2の開口部33の内面33aは、第1の開口部32の内面32aと中間層15の外周面15aとの間に形成された間隙に、混合物28を案内するガイドとして機能する。
第2の開口部33の内面33aは、第1の開口部32の内面32aと中間層15の外周面15aとの間に形成された間隙に、混合物28を案内するガイドとして機能する。
次いで、上記構成とされたダイス31を準備した後、ダイス31に形成された第1及び第2の開口部32,33を通過するように、図3に示す構造体(混合物28が塗布された導体14)を導体14の延在方向(C方向)に移動させることで、流動性を有した混合物28へ圧力を印加し、厚さM2よりも薄い厚さM1とされ、かつ絶縁体19が硬化していない磁性層16を形成する。
流動性を有した混合物28への圧力の印加は、第2の開口部33、第1の開口部32の順に図3に示す構造体を移動させることで行う。
流動性を有した混合物28への圧力の印加は、第2の開口部33、第1の開口部32の順に図3に示す構造体を移動させることで行う。
ところで、第2の開口部33は、第1の開口部32に向かうにつれて図3に示す構造体の外径よりも開口径の狭い円錐台形状とされ、第1の開口部32は、第2の開口部33の最小開口径と略等しい一定の開口径とされている。
このため、導体14の延在方向(C方向)に、図3に示す構造体を移動させて、ダイス31の第2の開口部33及び第1の開口部32を通過させることで、ダイス31により混合物28に圧力を印加することが可能となる。
このため、導体14の延在方向(C方向)に、図3に示す構造体を移動させて、ダイス31の第2の開口部33及び第1の開口部32を通過させることで、ダイス31により混合物28に圧力を印加することが可能となる。
このように、中間層15を介して、導体14の外周面14aを覆う混合物28に圧力を印加させながら、図3に示す構造体を導体14の延在方向(C方向)に移動させることで、磁性体18の扁平面18aが導体14の外周面14aに対して略平行を成すように複数の扁平な磁性体18が配置されると共に、磁性層16の厚さ方向に複数の磁性体18が積層される。
これにより、磁性材被覆導体11を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体14の周囲に配置された導体(図示せず)から発生する磁界が、導体14の外側に配置された磁性層16を通過しやすくなり(言い換えれば、導体14内を通過しにくくなり)、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体11の交流抵抗値を小さくすることができる。
なお、図4では、説明の便宜上、ダイス31に対して図3に示す構造体が途中まで通過した状態を模式的に図示したが、図4に示す工程では、ダイス31を完全に通過するように、図3に示す構造体を移動させる。
また、図4では、一例として、横方向に図3に示す構造体を移動させることでダイス31を通過させる場合を例に挙げて図示したが、図4に示す構造体を90度左に回転させた状態で、図3に示す構造体を上方に引き上げることで、ダイス31を通過させるとよい。
これにより、流動性を有した硬化前の磁性層16が、重力の影響により下側に移動することを抑制できる。また、硬化前の磁性層16を構成する磁性体18の向きが重力の影響を受けることを抑制できる。
これにより、流動性を有した硬化前の磁性層16が、重力の影響により下側に移動することを抑制できる。また、硬化前の磁性層16を構成する磁性体18の向きが重力の影響を受けることを抑制できる。
次いで、周知の手法(例えば、オーブンを用いて200℃の温度で焼成して、有機溶剤を蒸発させる)により、磁性層16を構成する絶縁体19を硬化させることで、複数の磁性体18及び硬化した絶縁体19を含む磁性層16が形成される。
これにより、図1(a)及び図1(b)に示す第1の実施の形態の磁性材被覆導体11が製造される。
これにより、図1(a)及び図1(b)に示す第1の実施の形態の磁性材被覆導体11が製造される。
第1の実施の形態の磁性材被覆導体の製造方法によれば、中間層15を介して、導体14の外周面14aを覆う混合物28に圧力を印加させながら、図3に示す構造体を導体14のC方向に移動させることで、磁性体18の扁平面18aが導体14の外周面14aに対して略平行を成すように複数の扁平な磁性体18が配置されると共に、磁性層16の厚さ方向に複数の磁性体18が積層される。
これにより、磁性材被覆導体11を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体14の周囲に配置された導体(図示せず)から発生する磁界が、導体14の外側に配置された磁性層16を通過しやすくなり(言い換えれば、導体14内を通過しにくくなり)、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体11の交流抵抗値を小さくすることができる。
また、上記方法を用いて磁性層16を形成することにより、めっき法を用いることなく、簡便な方法で磁性層16を形成できる。
また、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストやフェライト等)を複数の扁平な磁性体18の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層16の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
また、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストやフェライト等)を複数の扁平な磁性体18の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層16の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
なお、第1の実施の形態の変形例の磁性材被覆導体26を構成する2層の磁性層16は、複数の扁平な磁性体18、及び絶縁体19を含み、かつ磁性層16の母材となる混合物28を塗布する工程と、塗布された混合物28に圧力を印加させながら、導体14を該導体14の延在方向(C方向)に移動させる工程と、をこの順で2回繰り返し行い、その後、積層された混合物28を構成する絶縁体19を硬化させることで形成できる。
(第2の実施の形態)
図5(a)は、本発明の第2の実施の形態の磁性材被覆電線の断面図である。図5(b)は、図5(a)に示す領域Dで囲まれた磁性材被覆電線を拡大した断面図である。図5(c)は、図5(a)に示す領域Eで囲まれた磁性材被覆電線を拡大した断面図である。
図5(a)、図5(b)、及び図5(c)において、図1(a)及び図1(b)に示す第1の実施の形態の磁性材被覆電線10と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図5(a)は、本発明の第2の実施の形態の磁性材被覆電線の断面図である。図5(b)は、図5(a)に示す領域Dで囲まれた磁性材被覆電線を拡大した断面図である。図5(c)は、図5(a)に示す領域Eで囲まれた磁性材被覆電線を拡大した断面図である。
図5(a)、図5(b)、及び図5(c)において、図1(a)及び図1(b)に示す第1の実施の形態の磁性材被覆電線10と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図5(a)、図5(b)、及び図5(c)を参照するに、第2の実施の形態の磁性材被覆電線40は、第1の実施の形態の磁性材被覆電線10に設けられた磁性材被覆導体11の替わりに、磁性材被覆導体41を設けたこと以外は、磁性材被覆電線10と同様に構成される。
磁性材被覆導体41は、第1の実施の形態で説明した磁性材被覆導体11に設けられた導体14及び磁性層16の替わりに、導体43及び磁性層44を設けたこと以外は、磁性材被覆導体11と同様に構成される。保護層12は、磁性層44の外周面44aを覆うように配置されている。
図6(a)は、図5(a)に示す磁性材被覆導体の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示す領域Fで囲まれた磁性層の透過図である。図6(a)及び図6(b)において、図5(a)、図5(b),及び図5(c)に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図6(a)を参照するに、導体43は、長尺形状とされた平角導体であり、G方向(導体43の延在方向)に延在している。図5(a)を参照するに、導体43の外周面43aは、第1の平坦面43bと、第1の平坦面43bの反対側に配置された第2の平坦面43cと、第1及び第2の平坦面43b,43c間に位置する面43dと、により構成されている
導体43としては、例えば、導線を用いることができる。導体43の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を用いることができる。
導体43としては、例えば、導線を用いることができる。導体43の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を用いることができる。
このように、磁性材被覆電線40を構成する導体43として平角導体を用いることで、磁性材被覆電線40をモータやトランス等のコイルとして使用した際、該コイルの占有スペースを少なくすることが可能となる。
磁性層44は、中間層15を介して、導体43の外周面43aを覆うように配置されている。磁性層44は、複数の扁平な磁性体18、及び樹脂よりなる絶縁体19により構成されている。
図5(b)に示すように、第1の平坦面43bに配置された磁性層44は、磁性体18の扁平面18aが導体43の第1の平坦面43bに対して略平行を成すように複数の扁平な磁性体18が配置されている。これにより、第1の平坦面43bに沿って複数の磁性体18が配置されている。
また、第1の平坦面43bに配置された磁性層44は、磁性層44の厚さ方向に対して複数の磁性体18が積層(図5(b)の場合、6層程度)されている。
また、磁性層44の比透磁率は、例えば、10以上が好ましい。これにより、磁性層44の透磁率をさらに高めることができる。
図5(b)に示すように、第1の平坦面43bに配置された磁性層44は、磁性体18の扁平面18aが導体43の第1の平坦面43bに対して略平行を成すように複数の扁平な磁性体18が配置されている。これにより、第1の平坦面43bに沿って複数の磁性体18が配置されている。
また、第1の平坦面43bに配置された磁性層44は、磁性層44の厚さ方向に対して複数の磁性体18が積層(図5(b)の場合、6層程度)されている。
また、磁性層44の比透磁率は、例えば、10以上が好ましい。これにより、磁性層44の透磁率をさらに高めることができる。
なお、図示してはいないが、第2の平坦面43cに配置された磁性層44は、第1の平坦面43bに配置された磁性層44と同様な構成とされている。
つまり、第2の平坦面43cに配置された磁性層44は、磁性体18の扁平面18aが導体43の第2の平坦面43cに対して略平行を成すように複数の扁平な磁性体18が配置されると共に、磁性層44の厚さ方向に対して複数の磁性体18が積層されている。
つまり、第2の平坦面43cに配置された磁性層44は、磁性体18の扁平面18aが導体43の第2の平坦面43cに対して略平行を成すように複数の扁平な磁性体18が配置されると共に、磁性層44の厚さ方向に対して複数の磁性体18が積層されている。
このように、磁性体18の扁平面18aが導体43の第1及び第2の平坦面43b,43cに対して略平行となるように、第1及び第2の平坦面43b,43cに沿って複数の扁平な磁性体18を配置することにより、磁性材被覆導体41を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体43の周囲に位置する導体(図示せず)から発生する磁界が、中間層15を介して、第1及び第2の平坦面43b,43cに配置された磁性層44を通過しやすくなる(言い換えれば、導体43内を通過しにくくなる)。
これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体41の交流抵抗値を小さくすることができる。
これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体41の交流抵抗値を小さくすることができる。
なお、複数の磁性体18の扁平面18aと導体43の第1及び第2の平坦面43b,43cとが平行になることが好ましいが、必ずしも複数の磁性体18の扁平面18aと第1及び第2の平坦面43b,43cとが平行になる必要はなく、図5(b)に示すように、複数の磁性体18の扁平面18aと第1の平坦面43a及び第2の平坦面43bとが略平行となるように配置されていればよい。
また、第1及び第2の平坦面43b,43cに配置された磁性体18は、導体43の面方向に配置された他の磁性体18と接触してもよい。
また、第1及び第2の平坦面43b,43cに配置された磁性体18は、導体43の面方向に配置された他の磁性体18と接触してもよい。
図5(b)を参照するに、複数の磁性体18は、磁性層44の厚さ方向に積層配置されている。図5(b)では、一例として、複数の磁性体18を6層に積層した場合を図示したが、磁性体18の積層数は、これに限定されない。
このように、磁性層44の厚さ方向に複数の磁性体18を積層させて配置することにより、磁性層44における磁性体18の充填率を高くして、磁性層44の透磁率を高めることが可能となる。
これにより、磁性材被覆導体41を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体43の周囲に配置された導体から発生する磁界が、第1及び第2の平坦面43b,43cに配置された磁性層44をさらに通過しやすくなるため、近接効果をさらに抑制できる。
これにより、磁性材被覆導体41を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体43の周囲に配置された導体から発生する磁界が、第1及び第2の平坦面43b,43cに配置された磁性層44をさらに通過しやすくなるため、近接効果をさらに抑制できる。
なお、図5(b)に示すように、積層配置された磁性体18は、その下層或いは上層に配置された他の磁性体18と接触してもよい。
また、図5(b)及び図6(b)に示すように、複数の磁性体18は、磁性層44の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように配置するとよい。
このように、磁性層44の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように複数の磁性体18を配置することにより、磁性層44における磁性体18の充填率をさらに高くすることが可能となる。これにより、磁性層44の透磁率をさらに高めることができる。
このように、磁性層44の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように複数の磁性体18を配置することにより、磁性層44における磁性体18の充填率をさらに高くすることが可能となる。これにより、磁性層44の透磁率をさらに高めることができる。
図5(c)に示すように、導体43の面43dに配置された磁性層44は、ラウンド形状形とされている。
導体43の面43dに配置された磁性層44では、ほとんどの磁性体18の扁平面18aが導体43の面43dに対して略平行に配置されておらず、複数の磁性体18は、規則性なく、ランダムな状態で絶縁体19中に配置されている。
このように、導体43の面43dに配置された磁性層44において、複数の磁性体18の扁平面18aと導体43の面43dとが略平行に配置されていなくても、近接効果を抑制する上でなんら問題とならない。
導体43の面43dに配置された磁性層44では、ほとんどの磁性体18の扁平面18aが導体43の面43dに対して略平行に配置されておらず、複数の磁性体18は、規則性なく、ランダムな状態で絶縁体19中に配置されている。
このように、導体43の面43dに配置された磁性層44において、複数の磁性体18の扁平面18aと導体43の面43dとが略平行に配置されていなくても、近接効果を抑制する上でなんら問題とならない。
第2の実施の形態の磁性材被覆導体によれば、磁性体18の扁平面18aが導体43の第1及び第2の平坦面43b,43cに対して略平行となるように、第1及び第2の平坦面43b,43cに沿って複数の扁平な磁性体18を配置すると共に、磁性層44の厚さ方向に複数の磁性体18を積層配置させることにより、磁性材被覆導体41を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体43の周囲に配置された導体から発生する磁界が、第1及び第2の平坦面43b,43cに配置された磁性層44を通過しやすくなる(言い換えれば、導体43内を通過しにくくなる)。
これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体41の交流抵抗値を小さくすることができる。
これにより、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体41の交流抵抗値を小さくすることができる。
また、絶縁体19に複数の磁性体18が混合された磁性層44を用いることで、磁性層44を形成する際、めっき法を用いる必要がなくなるため、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストまたはフェライト)を扁平な複数の磁性体の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層44の透磁率をさらに高めることが可能となるため、近接効果をさらに抑制できる。
なお、第2の実施の形態では、磁性層44の厚さ方向に複数の磁性体18を積層させた場合を例に挙げて説明したが、磁性層44の厚さ方向に1層の磁性体18のみを配置することで、磁性層44を構成してもよい。
この場合、磁性体18の材料として、センダストまたはフェライト等の軟磁性材料を用いることが有効である。
この場合、磁性体18の材料として、センダストまたはフェライト等の軟磁性材料を用いることが有効である。
上記構成とされた磁性材被覆導体41及び保護層12を有する第2の実施の形態の磁性材被覆電線40は、磁性材被覆導体41と同様な効果を得ることができる。
また、第2の実施の形態では、1層の磁性層44を有した磁性材被覆導体41を例に挙げて説明したが、中間層15と保護層12との間に、2層以上の磁性層44を積層配置してもよい。
図7及び図8(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る磁性材被覆導体の製造工程を示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す領域Hに対応する部分を拡大した断面図である。
図7、図8(a)、及び図8(b)において、図5(a)、図5(b)、及び図6(a)に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
また、図8(a)では、図8(b)に示す中間層15を図示することが困難なため、中間層15の図示を省略する。
さらに、図8(b)では、図5(b)に示すように、磁性層44を構成する磁性体18を6層に積層させて図示した場合、磁性層44の断面構造が見づらくなるため、2層に積層させた磁性体18を図示する。
図7、図8(a)、及び図8(b)において、図5(a)、図5(b)、及び図6(a)に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
また、図8(a)では、図8(b)に示す中間層15を図示することが困難なため、中間層15の図示を省略する。
さらに、図8(b)では、図5(b)に示すように、磁性層44を構成する磁性体18を6層に積層させて図示した場合、磁性層44の断面構造が見づらくなるため、2層に積層させた磁性体18を図示する。
次に、図7、図8(a)、及び図8(b)を参照して、第2の実施の形態の磁性材被覆導体41の製造方法について説明する。
始めに、図7に示す工程では、周知の手法により、導体43の外周面43a(図5(a)に示す面43dを含む)を覆う中間層15(例えば、エナメル樹脂層)を形成する。
次いで、攪拌器(図示せず)を用いて、複数の扁平な磁性体18(例えば、40g)と、樹脂よりなる絶縁体19(例えば、流動性を有したエナメル樹脂40g)と、有機溶剤40gと、を十分に混合させることで、複数の扁平な磁性体18及び絶縁体19を含み、かつ磁性層44の母材となる混合物28を作成する。この段階において、混合物28は、硬化しておらず、流動性を有する。
このとき、絶縁体19(樹脂)と混合させる磁性体18の割合については、例えば、10〜90wt%の範囲内で適宜選択することができる。
始めに、図7に示す工程では、周知の手法により、導体43の外周面43a(図5(a)に示す面43dを含む)を覆う中間層15(例えば、エナメル樹脂層)を形成する。
次いで、攪拌器(図示せず)を用いて、複数の扁平な磁性体18(例えば、40g)と、樹脂よりなる絶縁体19(例えば、流動性を有したエナメル樹脂40g)と、有機溶剤40gと、を十分に混合させることで、複数の扁平な磁性体18及び絶縁体19を含み、かつ磁性層44の母材となる混合物28を作成する。この段階において、混合物28は、硬化しておらず、流動性を有する。
このとき、絶縁体19(樹脂)と混合させる磁性体18の割合については、例えば、10〜90wt%の範囲内で適宜選択することができる。
次いで、周知の手法により、導体43に形成された中間層15の外周面15aを覆うように、混合物28を塗布する。この段階では、図7に示すように、複数の磁性体18の扁平面18aは、第1及び第2の平坦面43b,43cに対して略平行となるように配置されていない。また、この段階において、混合物28は、硬化しておらず、流動性を有する。
次いで、図8(a)に示す工程では、平坦な第1のローラ面51aを有した第1のローラ51と、平坦な第2のローラ面52aを有した第2のローラ52と、の間隔(第1及び第2のローラ面51a,52aが最も近接するときの間隔)を所定の間隔にする。
該所定の間隔は、第1及び第2のローラ51,52が通過した硬化前の磁性層44の厚さが所望の厚さM3(例えば、10μm)なるように設定する。
図8(a)において、上記第1及び第2のローラ51,52は、同図の右側(導体43の延在方向(G方向))に混合物28が塗布された導体43(言い換えれば、図7に示す構造体)を移動させるように回転する。
該所定の間隔は、第1及び第2のローラ51,52が通過した硬化前の磁性層44の厚さが所望の厚さM3(例えば、10μm)なるように設定する。
図8(a)において、上記第1及び第2のローラ51,52は、同図の右側(導体43の延在方向(G方向))に混合物28が塗布された導体43(言い換えれば、図7に示す構造体)を移動させるように回転する。
次いで、図8(a)及び図8(b)に示すように、回転する第1及び第2のローラ51,52間に、図7に示す構造体を挿入して、図7に示す構造体の厚さの値よりも小さい間隔とされた第1及び第2のローラ51,52間を、図7に示す構造体を通過させ、流動性を有した混合物28に圧力を印加することで、混合物28の厚さM4よりも薄い厚さM3とされ、かつ絶縁体19が硬化していない磁性層44を形成する。
これにより、複数の磁性体18の扁平面18aが導体43の第1及び第2の平坦面43b,43cに対して略平行となるように、導体43の第1及び第2の平坦面43b,43cに沿って複数の磁性体18が配置されると共に、硬化前の磁性層44の厚さ方向に複数の磁性体18が積層配置される。
その後、周知の手法(例えば、オーブンを用いて200℃の温度で焼成して、有機溶剤を蒸発させる)により、磁性層44を構成する絶縁体19を硬化させることで、図1(a)及び図1(b)に示す磁性材被覆導体41が製造される。
その後、周知の手法(例えば、オーブンを用いて200℃の温度で焼成して、有機溶剤を蒸発させる)により、磁性層44を構成する絶縁体19を硬化させることで、図1(a)及び図1(b)に示す磁性材被覆導体41が製造される。
なお、図8(a)及び図8(b)では、説明の便宜上、第1及び第2のローラ51,52間を図7に示す構造体が途中まで通過した状態を模式的に図示したが、図8(a)に示す工程では、第1及び第2のローラ51,52間を完全に通過するように図7に示す構造体をG方向に移動させる。
また、中間層15を介して、導体43の面43dに塗布された混合物28は、第1及び第2のローラ面51a,52aと接触しない。
このため、図5(c)に示すように、導体43の面43dに形成された磁性層44は、その厚さが第1及び第2の平坦面43b,43cに形成された磁性層44の厚さM3よりも少し厚くなる。また、導体43の面43dに形成された磁性層44を構成する複数の磁性体18の扁平面18aは、導体43の面43dに対して略平行となるように配置されない。
このため、図5(c)に示すように、導体43の面43dに形成された磁性層44は、その厚さが第1及び第2の平坦面43b,43cに形成された磁性層44の厚さM3よりも少し厚くなる。また、導体43の面43dに形成された磁性層44を構成する複数の磁性体18の扁平面18aは、導体43の面43dに対して略平行となるように配置されない。
なお、図8(a)及び図8(b)では、一例として、第1及び第2のローラ51,52を上下に配置し、図7に示す構造体を横方向に移動させる場合を例に挙げて図示したが、図8(a)及び図8(b)に示す第1及び第2のローラ51,52を左右に配置(図8(a)及び図8(b)に示す構造体を90度左に回転させた状態)し、図7に示す構造体を上方に移動させてもよい。
これにより、流動性を有した硬化前の磁性層44が、重力の影響により下側に移動することを抑制できる。また、硬化前の磁性層44を構成する磁性体18の向きが重力の影響を受けることを抑制できる。
これにより、流動性を有した硬化前の磁性層44が、重力の影響により下側に移動することを抑制できる。また、硬化前の磁性層44を構成する磁性体18の向きが重力の影響を受けることを抑制できる。
第2の実施の形態の磁性材被覆導体の製造方法によれば、導体43の外周面43aを覆うように、複数の扁平な磁性体18、及び絶縁体19を含み、かつ磁性層44の母材となる混合物28を塗布し、その後、回転する第1及び第2のローラ51,52間を、混合物28が塗布された導体43をG方向に移動させて、第1及び第2の平坦面43b,43cに塗布された混合物28に圧力を印加することで、磁性体18の扁平面18aが第1及び第2の平坦面43b,43cに対して略平行となるように、第1及び第2の平坦面43b,43cに沿って複数の扁平な磁性体18が配置されると共に、磁性層44の厚さ方向に複数の磁性体18が積層配置される。
これにより、磁性材被覆導体41を巻線として利用し、かつ該巻線に周波数の高い交流電流を流した際、導体43の周囲から発生する磁界が、第1及び第2の平坦面43b,43cに形成された磁性層44を通過しやすくなり(言い換えれば、導体43内を通過しにくくなり)、近接効果が抑制されるため、磁性材被覆導体41の交流抵抗値を小さくすることができる。
また、めっき法を用いることなく、簡便な方法で容易に磁性層44を形成することができる。
さらに、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストやフェライト等)を複数の扁平な磁性体18の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層44の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
さらに、めっき法に適さない軟磁性材料(例えば、センダストやフェライト等)を複数の扁平な磁性体18の材料として使用することが可能となる。これにより、磁性層44の透磁率を高めることが可能となるので、近接効果のさらなる抑制を実現できる。
なお、第2の実施の形態では、一例として、導体43の面43dに配置された磁性層44の切断面が略三角形の場合を例に挙げて説明したが、導体43の面43dに配置された磁性層44がコイルを構成する上で邪魔になる場合には、この部分を削ることで、導体43の面43dに配置された磁性層44の厚さを薄くしてもよい。
また、積層された磁性層44を形成する場合には、複数の扁平な磁性体18、及び絶縁体19を含み、かつ磁性層44の母材となる混合物28を塗布する工程と、回転する第1及び第2のローラ51,52間を、第1及び第2の平坦面43b,43cに塗布された混合物28に圧力を印加させながら、導体43をG方向に移動させる工程と、を順次繰り返し行った後、周知の手法により、積層された混合物28を構成する絶縁体19を硬化させればよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(実施例1)
図1(a)、図1(b)、図3、及び図4を参照して、実施例1のコイルの作成方法ついて説明する。始めに、導体14として、切断面が円形とされ、純度99%のアルミニウムよりなり、かつφ1.5mmとされた導線本体と、該導線本体の外周面を覆う銅皮膜(純度99.9%の銅、銅の占有率5%)と、該銅皮膜を覆う絶縁層(エナメル樹脂よりなり、厚さ50μmとされた絶縁層)と、を有する銅クラッドアルミニウム線(以下、「銅クラッドアルミニウム線K1」という)を準備した。
図1(a)、図1(b)、図3、及び図4を参照して、実施例1のコイルの作成方法ついて説明する。始めに、導体14として、切断面が円形とされ、純度99%のアルミニウムよりなり、かつφ1.5mmとされた導線本体と、該導線本体の外周面を覆う銅皮膜(純度99.9%の銅、銅の占有率5%)と、該銅皮膜を覆う絶縁層(エナメル樹脂よりなり、厚さ50μmとされた絶縁層)と、を有する銅クラッドアルミニウム線(以下、「銅クラッドアルミニウム線K1」という)を準備した。
次いで、導体14の外周面14aを覆うように、エナメル樹脂よりなる中間層15(厚さ50μm)を形成した。
次いで、80wt%のエナメル樹脂と、20wt%の複数の扁平な磁性体18とを混合して、混合物28を作成した。このとき、磁性体18の材料としては、純度100%のセンダストを用いた。また、磁性体18としては、厚さが1μm、幅が10μm程度のものを用いた。
次いで、80wt%のエナメル樹脂と、20wt%の複数の扁平な磁性体18とを混合して、混合物28を作成した。このとき、磁性体18の材料としては、純度100%のセンダストを用いた。また、磁性体18としては、厚さが1μm、幅が10μm程度のものを用いた。
次いで、第1の実施の形態の図3及び図4で説明した方法により、中間層15の外周面15aを覆い、かつ厚さM1が100μmとされた磁性層16を形成した。
次いで、磁性層16の外周面16aを覆い、エナメル樹脂よりなる保護層12(厚さ10μm)を形成することで、導体14、中間層15、磁性層16、及び保護層12よりなる磁性材被覆電線(以下、「磁性材被覆電線J1」という)を形成した。
次いで、磁性層16の外周面16aを覆い、エナメル樹脂よりなる保護層12(厚さ10μm)を形成することで、導体14、中間層15、磁性層16、及び保護層12よりなる磁性材被覆電線(以下、「磁性材被覆電線J1」という)を形成した。
次いで、筒状部材(φ25mm)に磁性材被覆電線J1を巻回することで、実施例1のコイル(以下、「コイルJ2」という)を作成した。このときの巻回数は、10回とした。
次いで、100kHz及び200kHzのときのコイルJ2の交流抵抗値を測定した。具体的には、インピーダンスアナライザーを用いて、電圧100mVを印加し、そのときの電流を測定することで、コイルJ2の交流抵抗値を測定した。
上記測定方法により、測定したコイルJ2の交流抵抗値を表1に示す。表1は、切断面が円形とされた導体を備えた実施例1のコイルJ2及び後述する比較例1のコイルK2の交流抵抗値を示す表である。
(比較例1)
比較例1のコイルの作成方法ついて説明する。始めに、導体として、実施例1で使用したものと同種の銅クラッドアルミニウム線K1を準備した。
比較例1のコイルの作成方法ついて説明する。始めに、導体として、実施例1で使用したものと同種の銅クラッドアルミニウム線K1を準備した。
次いで、筒状部材(φ25mm)に銅クラッドアルミニウム線K1を巻回することで、比較例1のコイル(以下、「コイルK2」という)を作成した。このときの巻回数は、実施例1のコイルJ2と同じ10回とした。
次いで、実施例1と同様な測定方法により、100kHz及び200kHzのときのコイルK2の交流抵抗値を測定した。
上記測定方法により、測定したコイルK2の交流抵抗値を表1に示す。
上記測定方法により、測定したコイルK2の交流抵抗値を表1に示す。
(実施例1及び比較例1の交流抵抗値測定結果について)
表1を参照するに、100kHz及び200kHzのどちらの交流抵抗値も実施例1の方が比較例1よりも小さい値となった。
このことから、実施例1は、比較例1と比較して、交流抵抗値を小さくする効果があることが確認できた。
表1を参照するに、100kHz及び200kHzのどちらの交流抵抗値も実施例1の方が比較例1よりも小さい値となった。
このことから、実施例1は、比較例1と比較して、交流抵抗値を小さくする効果があることが確認できた。
(実施例2)
図5(a)、図5(b)、図7、図8(a),及び図8(b)を参照して、実施例2のコイルの作成方法ついて説明する。
始めに、導体43として、平角形状とされ、純度99%のアルミニウムよりなる導線本体と、該導線本体の外周面を覆う銅皮膜(純度99.9%の銅、銅の占有率5%)と、該銅皮膜を覆う絶縁層(エナメルよりなり、厚さ50μmとされた絶縁層)と、を有する銅クラッドアルミニウム線(以下、「銅クラッドアルミニウム線M1」という)を準備した。このとき導線本体としては、幅が1.8μm、厚さが1.0μmのものを用いた。
図5(a)、図5(b)、図7、図8(a),及び図8(b)を参照して、実施例2のコイルの作成方法ついて説明する。
始めに、導体43として、平角形状とされ、純度99%のアルミニウムよりなる導線本体と、該導線本体の外周面を覆う銅皮膜(純度99.9%の銅、銅の占有率5%)と、該銅皮膜を覆う絶縁層(エナメルよりなり、厚さ50μmとされた絶縁層)と、を有する銅クラッドアルミニウム線(以下、「銅クラッドアルミニウム線M1」という)を準備した。このとき導線本体としては、幅が1.8μm、厚さが1.0μmのものを用いた。
次いで、導体43の外周面43aを覆うように、エナメル樹脂よりなる中間層15(厚さ50μm)を形成した。
次いで、80wt%のエナメル樹脂と20wt%の扁平な磁性体18とを混合して、混合物28を作成した。
このとき、磁性体18の材料としては、実施例1で使用した磁性体18と同じ材料及び形状のものを用いた。
次いで、80wt%のエナメル樹脂と20wt%の扁平な磁性体18とを混合して、混合物28を作成した。
このとき、磁性体18の材料としては、実施例1で使用した磁性体18と同じ材料及び形状のものを用いた。
次いで、第2の実施の形態の図7及び図8(a)で説明した方法により、中間層15の外周面15aを覆う磁性層44を形成した。
このとき、第1及び第2の平坦面43b,43cには、厚さM3が100μmとされた磁性層44を形成した。
次いで、磁性層44の表面44aを覆い、エナメルよりなる保護層12(厚さ100μm)を形成することで、導体43、中間層15、磁性層44、及び保護層12よりなる磁性材被覆電線(以下、「磁性材被覆電線L1」という)を形成した。
このとき、第1及び第2の平坦面43b,43cには、厚さM3が100μmとされた磁性層44を形成した。
次いで、磁性層44の表面44aを覆い、エナメルよりなる保護層12(厚さ100μm)を形成することで、導体43、中間層15、磁性層44、及び保護層12よりなる磁性材被覆電線(以下、「磁性材被覆電線L1」という)を形成した。
次いで、筒状部材に磁性材被覆電線L1を巻回することで、実施例2のコイル(以下、「コイルL2」という)を作成した。このときの巻回数は、10回とした。
次いで、実施例1と同様な測定方法により、100kHz及び200kHzのときのコイルL2の交流抵抗値を測定した。上記測定方法により、測定したコイルL2の交流抵抗値を表2に示す。
(比較例2)
比較例2のコイルの作成方法ついて説明する。始めに、導体として、実施例2で使用したものと同種の銅クラッドアルミニウム線M1を準備した。
比較例2のコイルの作成方法ついて説明する。始めに、導体として、実施例2で使用したものと同種の銅クラッドアルミニウム線M1を準備した。
次いで、筒状部材(φ25mm)に銅クラッドアルミニウム線K1を巻回することで、比較例2のコイル(以下、「コイルK2」という)を作成した。このときの巻回の回数は、実施例1のコイルJ2と同じ10回とした。
次いで、実施例1と同様な測定方法により、100kHz及び200kHzのときのコイルM2の交流抵抗値を測定した。上記測定方法により、測定したコイルM2の交流抵抗値を表2に示す。
(実施例2及び比較例2の交流抵抗値測定結果について)
表2を参照するに、100kHz及び200kHzのどちらの交流抵抗値も実施例2の方が比較例2よりも小さい値となった。
このことから、実施例2は、比較例2と比較して、交流抵抗値を小さくする効果があることが確認できた。
表2を参照するに、100kHz及び200kHzのどちらの交流抵抗値も実施例2の方が比較例2よりも小さい値となった。
このことから、実施例2は、比較例2と比較して、交流抵抗値を小さくする効果があることが確認できた。
本発明は、各種電子機器部品のコイル用線材やフラットケーブル等の信号ケーブル用線材として利用可能な磁性材被覆導体及びその製造方法、並びに磁性材被覆電線に適用可能である。
10,25,40…磁性材被覆電線、11,26,41…磁性材被覆導体、12…保護層、14,43…導体、14a,15a,16a,43a,44a…外周面、15…中間層、16,44…磁性層、18…磁性体、18a…扁平面、19…絶縁体、28…混合物、31…ダイス、32…第1の開口部、32a,33a…内面、33…第2の開口部、43b…第1の平坦面、43c…第2の平坦面、43d…面、51…第1のローラ、51a…第1のローラ面、52…第2のローラ、52a…第2のローラ面、M1,M2,M3,M4…厚さ
Claims (8)
- 長尺状の導体と、前記導体を覆う磁性層と、を有する磁性材被覆導体であって、
前記磁性層は、樹脂よりなる絶縁体の中に、扁平とされた複数の磁性体が配置されており、
複数の前記磁性体の扁平面が、前記導体の外周面に対して略平行を成すことを特徴とする磁性材被覆導体。 - 前記導体と前記磁性層との間に、中間層を配置したことを特徴とする請求項1記載の磁性材被覆導体。
- 前記複数の磁性体は、前記磁性層の厚さ方向に積層されて成ることを特徴とする請求項1または2記載の磁性材被覆導体。
- 前記複数の磁性体は、前記磁性層の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるように配置されていることを特徴とする請求項3記載の磁性材被覆導体。
- 前記磁性層の比透磁率が10以上であることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の磁性材被覆導体。
- 前記磁性体の材料は、軟磁性材料であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の磁性材被覆導体。
- 請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の磁性材被覆導体と、
前記磁性材被覆導体の外周面を覆う保護層と、
を有することを特徴とする磁性材被覆電線。 - 長尺状の導体の外周面を覆うように、複数の扁平とされた磁性体、及び樹脂よりなる絶縁体を含み、かつ磁性層の母材となる混合物を塗布する工程と、
前記導体の外周面を覆う前記混合物に圧力を印加させながら、前記導体を該導体の延在方向に移動させる工程と、
を有することを特徴とする磁性材被覆導体の製造方法。
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JP2012215413A JP2014071969A (ja) | 2012-09-28 | 2012-09-28 | 磁性材被覆導体及びその製造方法、並びに磁性材被覆電線 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018018585A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | 国立大学法人信州大学 | 磁性粉被覆導線、磁性粉被覆コイル及びその製造方法 |
DE102017116444A1 (de) * | 2017-07-20 | 2018-10-25 | Lisa Dräxlmaier GmbH | Elektrische Flachleiteranordnung für ein Fahrzeug |
JP2021068815A (ja) * | 2019-10-24 | 2021-04-30 | 国立大学法人信州大学 | コイルおよびコイルユニットおよび無線電力伝送装置およびコイルの製造方法 |
US11948720B2 (en) | 2018-06-21 | 2024-04-02 | Nitto Denko Corporation | Inductor |
-
2012
- 2012-09-28 JP JP2012215413A patent/JP2014071969A/ja active Pending
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