JP2009064976A - 通電負荷装置および通電負荷方法 - Google Patents

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勇 青倉
Yoshiro Nakada
義朗 中田
Yoshiaki Takeoka
嘉昭 竹岡
Toshiyuki Fukuda
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Abstract

【課題】長時間の間、減圧下で加熱しながら行う通電負荷試験において、基板上にトランジスタを搭載した薄型パネルの配線基板表面、又は半導体ウェハ表面が汚染されることを防止する。
【解決手段】半導体ウェハ10を載置するウェハ保持具104と、ウェハ保持具104上に載置された半導体ウェハ10上に配置された複数の半導体チップ10aの電極端子10bと、半導体チップ10aに通電負荷を与えるための制御回路113とを電気的に接続するための配線基板101を含み構成されるコンタクタと、半導体ウェハ10が載置されたウェハ保持具104と、コンタクタの配線基板101とで形成される空間部S1,S2を減圧する排気部109と、空間部S1,S2にガスを導入するガス導入部110と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板状態で薄型パネルの通電負荷試験を行う、又はウェハ状態で半導体チップのバーンイン試験を行う通電負荷装置および通電負荷方法に関する。
電子機器の小型、薄型化の進展に伴い、液晶、プラズマ、および有機EL等の基板上に薄膜トランジスタを搭載した薄型パネルでは、薄型パネルを配線基板状態で通電しながら高温負荷を与えて、薄型パネルの良・不良を判定する作業が要求されている。
一方、半導体装置では、従来のようなセラミック若しくは樹脂等を用いたパッケージ構成の半導体チップではなく、ベアチップ構成の半導体チップ、又はベアチップ構成に近い構成の半導体チップを、回路基板に実装することが要求されている。この要求を満たす為には、半導体チップをウェハ状態でバーンイン試験を行い、ベアチップ構成の半導体チップの品質保証を行う必要がある。
ここで、バーンイン試験とは、一定時間、半導体チップを加熱しながら通電し、半導体チップに通電負荷を与えて、半導体チップに潜在的に存在する潜在不良を顕在不良にする試験である。これにより、顕在不良となった半導体チップを検出して除去することができる。
従来、このようなバーンイン試験は、パッケージ構成の半導体チップに対して行っていたが、ベア構成の半導体チップに対して行う場合には、ウェハ状態の半導体チップに対して行う、すなわち、半導体ウェハ上に形成された複数の半導体チップに対して一括して行うことが要求される。この要求を満たす為には、半導体ウェハ上に形成された複数の半導体チップの電極端子に電源電圧および信号を同時に印加し、複数の半導体チップを同時に動作させる必要がある。
このため、複数の半導体チップの電極端子と対応する位置に形成されたバンプを、プローブ電極として有するプローブカードを用いた検査方法、又は受光素子等が形成された半導体ウェハにおいても、半導体ウェハ上に形成された複数の半導体チップに対して一括してバーンイン試験を行うことが可能なプローブカードを用いた検査方法等が提案されている(例えば特許文献1参照)。第1の従来例の半導体検査装置は、配線基板、異方導電性コネクター(局在型異方導電性ゴム)、および電極シート(バンプ付きポリイミド薄膜)からなるプローブカード、半導体ウェハを吸着固定するためのウェハ保持具、並びに試験回路等を主体に構成されている。その中で、異方導電性コネクターは弾性材料からなり、厚み方向にのみ導電性を示すものと、厚み方向に加圧されたときに厚み方向のみに導電性を示すものとが用いられている。
ここで、異方導電性コネクターをバーンイン試験に用いる場合、弾性を示す高分子材料として、シリコーンゴム系材料が一般に使用されるが、シリコーンゴム中にはシロキサンに代表されるような未硬化の低分子量成分が残存している。そのため、異方導電性コネクターに残存する低分子量成分がその表面へ浸出して、異方導電性コネクターと接触している半導体ウェハ表面を汚染するという問題があった。
このような問題に対して、第1の従来例では、異方導電性コネクターと半導体ウェハとの間に電極シートを介在させる。これにより、異方導電性コネクターから浸出する低分子成分が、半導体ウェハに直接接触しその表面を汚染することを防止する。
また、第2の従来例では、例えば異方導電性コネクターの片面又は両面にDLC(Diamond like Carbon)膜を形成する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。これにより、異方導電性コネクターに残存する低分子量成分が、その表面へ浸出することを防止する。
ところで、バーンイン試験中に半導体ウェハ全面を均一に加熱する為に、伝熱性シートをバーンイン試験に用いる場合がある。しかしながら、このような伝熱性シートを用いると、伝熱性シートが半導体ウェハに接着するという問題があった。さらに、接着した伝熱性シートを半導体ウェハから剥がす際に、半導体ウェハ表面が汚染されるという問題もあった。
このような問題に対して、第3の従来例では、伝熱性シートの表面を例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、火炎処理、又はオゾン処理する方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。これにより、伝熱性シートの表面が非粘着化処理されるため、伝熱シートが半導体ウェハに接着することを防止する。
特開平11−153620号公報 特開2004−111378号公報 特開2001−316502号公報
ここで、本件発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特に、減圧下で、異方導電性コネクターが加熱されると、異方導電性コネクター内に残存する低分子量成分がその表面に浸出するだけでなく、さらに、異方導電性コネクターから低分子量成分が気化することを見出した。
第1の従来例では、半導体ウェハと異方導電性コネクターとの間に電極シートを配置するため、異方導電性コネクターの表面へ浸出した低分子量成分が、半導体ウェハ表面に直接接触することはないものの、異方導電性コネクターから気化した低分子量成分が半導体ウェハ表面に付着してその表面を汚染するという課題がある。
また、第2の従来例に記載の技術は、異方導電性コネクターの表面にDLC膜を形成することにより、異方導電性コネクター内に残存する低分子量成分がその表面に浸出することを防止する技術であり、低分子量成分が異方導電性コネクターから気化することを防止する技術ではない。特に、シート状の異方導電性コネクターの場合、圧接されると変形が生じるため、異方導電性コネクターを繰り返し使用すると、異方導電性コネクターの表面に形成されたDLC膜に微細なクラックが発生する。このようにDLC膜にクラックが発生すると、低分子量成分が異方導電性コネクターの表面に浸出することを効果的に防止できないのに加えて、低分子量成分が異方導電性コネクターの表面から容易に気化するおそれがある。
また、第3の従来例に記載の技術は、コロナ放電、グロー放電、プラズマ、火炎、又はオゾン等により、伝熱性シートの表面を非粘着化処理することにより、伝熱性シートが半導体ウェハに接着することを防止する技術であり、当然ながら、伝熱性シートの表面を非粘着化処理しても、伝熱性シートに残存する例えばシロキサン等の低分子量成分がその表面に浸出することは防止できない。
本件発明者らは、バーンイン試験を行った半導体チップにおいて、樹脂コート又は樹脂封止等を行う際に半導体チップと樹脂との密着性不良が発生すること、ひどい場合には、ワイヤーボンド等の共昌結合が阻害され、半導体チップとワイヤーボンドとの接合不良が発生することに着目した。そして、このような密着性不良および接合不良の原因が、長時間の間、減圧下で加熱しながら行うバーンイン試験中に、異方導電性コネクターから低分子量成分が気化して、半導体ウェハの表面に付着することが原因であることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて成されたものであって、その目的は、長時間の間、減圧下で加熱しながら行う通電負荷試験中に、半導体ウェハの表面に低分子量成分が付着することを防止する、又は付着することがあっても半導体チップと樹脂との密着性不良が発生することを防止することである。
前記の課題を解決するために、本発明に係る通電負荷装置は、配線基板を載置する保持具と、保持具上に載置された配線基板上に配置された複数のトランジスタの電極端子と、配線基板に通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するためのコンタクタ用配線基板を含み構成されるコンタクタと、配線基板が載置された保持具と、コンタクタのコンタクタ用配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、空間部にガスを導入するガス導入部と、を備えた構成からなる。
このような構成とすることにより、高温下での通電負荷試験中、空間部に導入されるガスによるガス流によって、その試験中に発生する低分子量成分をガスと共に排気することができるので、配線基板表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることを防止することができる。
前記の課題を解決するために、本発明に係る第1の半導体検査装置は、半導体ウェハを載置するウェハ保持具と、ウェハ保持具上に載置された半導体ウェハ上に配置された複数の半導体チップの電極端子と、半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板を含み構成されるコンタクタと、半導体ウェハが載置されたウェハ保持具と、コンタクタの配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、空間部にガスを導入するガス導入部と、を備えた構成からなり、コンタクタは、可撓性を有する電極シートおよび可撓性を有するコネクターをさらに含み構成されていてもよく、複数の半導体チップを加熱状態で通電負荷試験を行う期間中、空間部にガス導入すると共に空間部を減圧状態に保持する制御部を備えた構成としてもよい。
このような構成とすることにより、通電負荷試験中に、コネクター(詳細には例えば、異方導電性コネクターを構成する弾性シートの主成分であるシリコーンゴム等)から低分子量成分が気化することがあっても、この低分子量成分を、空間部に導入されるガス(具体的には例えば、非酸化性ガス)によるガス流によって、ガスと共に排気することができる。したがって、長時間の間、減圧下で加熱しながら通電負荷試験を行っても、半導体ウェハ表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることを防止できる。その結果、半導体ウェハをダイシングして個別化された半導体チップと封止樹脂との密着性不良の発生を防止できる。
また、上記構成において、コンタクタの電極シートは、半導体チップの電極端子に対応して設けた突起電極と、突起電極が形成された面と相対する面上に突起電極に対応して配置した上部電極と、上部電極と突起電極とを接続する貫通導体とを備えて構成され、コンタクタの配線基板は、電極シートの上方に配置され、電極シートの上部電極に電気的に接続する接触端子と、制御回路からの通電負荷信号を接触端子まで導通するための導体パターンとにより構成され、排気部により空間部が減圧されることにより、電極シートの上部電極と配線基板の接触端子とがコネクターを介して電気的に接続されると共に、半導体チップの電極端子と電極シートの突起電極とが電気的に接続される構成としてもよい。
このような構成とすることにより、非常に多くの電極端子を有するウェハ状態の半導体チップであっても、それぞれの半導体チップに対して要求される通電負荷試験を確実に行うことができる。
また、上記構成において、電極シートは、半導体ウェハに対向する領域の外周領域に、コネクターの表面と実質的に同じ面にその表面が位置する気密用接着層がリング状に形成され、気密用接着層により配線基板に気密状態で接着されていてもよい。このような構成とすることにより、コネクター表面と気密用接着層表面が同一面(実質的に同じ面)にある、すなわち、コネクター表面と気密用接着層表面とによって形成される面がフラットになるため、電極シートを屈曲させずに配線基板に対して気密状態で接着できるので、電極シートの寿命を大幅に改善できる。また、直径が300mmの半導体ウェハに対しても、薄い電極シートを用いることができる。
また、上記構成において、ガス導入部から延在された導入用配管は、その開口端が空間部のうち半導体ウェハ表面に近接した空間領域と連通するように設けられ、排気部に接続された排気用配管は、その開口端が空間部のうちコネクター表面に近接した空間領域と連通するように設けられていてもよい。このような構成とすることにより、導入用配管から半導体ウェハ表面に新鮮なガス(例えば非酸化性ガス)を導入し、そのガスを半導体ウェハ表面からコネクター表面に流して、排気用配管から排気するようなガスの流れを形成することができる。そのため、そのガス流によって、コネクターから気化した低分子量成分をさらに確実に排気することができるので、半導体ウェハ表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることをさらに確実に防止できる。
また、上記構成において、空間部は、電極シートと配線基板とで形成される第1の空間部、および電極シートとウェハ保持具とで形成される第2の空間部により構成され、第1の空間部と第2の空間部とは、電極シートのうち半導体ウェハに対向する領域から外れた領域に設けた貫通孔により接続されており、導入用配管は第2の空間部側に設けられ、排気用配管は第1の空間部側に設けられていてもよい。この場合に、貫通孔は、電極シートの中心点に対して導入用配管とは反対側の領域に設けられていてもよい。
このような構成とすることにより、第2の空間部から第1の空間部方向、すなわち、半導体ウェハ側からコネクター側方向に流れるガス流を形成でき、さらに、第1の空間部と第2の空間部とは、電極シートのうち半導体ウェハに対向する領域から外れた領域に設けた貫通孔を介して接続されているため、その貫通孔を介して半導体ウェハ表面からコネクター表面方向に流れるガス流を形成できる。
また、上記構成において、ガス導入部は、表面改質ガスと、非酸化性ガスとを導入するための分岐機構をさらに有していてもよく、具体的には例えば、表面改質ガスは、オゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を含み、非酸化性ガスは、アルゴンを含む不活性ガス又は窒素ガスを含むようにしてもよい。
このような構成とすることにより、第1に例えば、通電負荷試験中、空間部に非酸化性ガスを導入する一方、通電負荷試験後、空間部にオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを導入することができる。第2に例えば、通電負荷試験中、非酸化性ガス、並びにオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを空間部に導入することができる。第3に例えば、通電負荷試験中、非酸化性ガスを空間部に導入しながら、定期的にオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを空間部に導入することができる。第4に例えば、通電負荷試験中、空間部への非酸化性ガスの導入を定期的に停止し、停止期間中、非酸化性ガスの代わりにオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを空間部に導入することができる。
これにより、通電負荷試験中に、コネクターから気化した低分子量成分を非酸化性ガスと共に排気したにも拘わらず、半導体ウェハ表面に低分子量成分が微量に付着する場合があっても、通電負荷試験後に、オゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方に半導体ウェハ表面を曝すことにより、微量に付着した低分子量成分を確実に除去することができる。
また、上記構成において、制御部は、半導体チップを加熱状態で通電負荷試験を行う期間中、分岐機構を作動させて空間部に非酸化性ガスを導入し、半導体チップの通電負荷試験の終了に伴い、分岐機構を作動させて非酸化性ガスに代えてオゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を空間部に導入するものであってもよい。
このような構成とすることにより、通電負荷試験中に、コネクターから気化した低分子量成分を非酸化性ガスと共に排気したにも拘わらず、半導体ウェハ表面に低分子量成分が微量に付着する場合があっても、通電負荷試験後に、オゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方に半導体ウェハ表面を曝すことにより、微量に付着した低分子量成分を直ちに除去することができる。
また、上記構成において、空間部は、電極シートと配線基板とで形成される第1の空間部、および電極シートとウェハ保持具とで形成される第2の空間部により構成され、第1の空間部側には、排気部に接続する排気用配管が設けられ、第2の空間部側には、排気部に接続する排気用配管が設けられていてもよい。
このような構成とすることにより、コネクターが存在する第1の空間部と、半導体ウェハが存在する第2の空間部とが、電極シートにより分離され、第1の空間部と第2の空間部とは、第1の空間部側および第2の空間部側のそれぞれに設けられた排気用配管から排気されるので、コネクターから気化した低分子量成分が、第1の空間部から第2の空間部に流入することがなく、半導体ウェハ表面に低分子量成分が付着することを確実に防止できる。
また、上記構成において、排気部と第1の空間部側に設けた排気用配管との間に、U字形状又はミアンダ形状の配管がさらに設けられていてもよい。この場合に、配管を冷却する冷却機構がさらに設けられていてもよい。このような構成とすることにより、コネクターから気化した低分子量成分をU字形状又はミアンダ形状の配管の内壁面に付着させることができ、第1の空間部への逆流を防止できると共に大気汚染も抑制できる。
前記の課題を解決するために、本発明に係る第2の半導体検査装置は、半導体ウェハを載置するウェハ保持具と、ウェハ保持具上に載置された半導体ウェハの半導体チップの電極端子と半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板、可撓性を有する電極シート、および可撓性を有するコネクターを含み構成されるコンタクタと、半導体ウェハが載置されたウェハ保持具とコンタクタの配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、空間部にガスを導入するガス導入部と、半導体ウェハ表面に紫外線を照射するための紫外線照射部、又は半導体ウェハ表面をプラズマ処理するためのプラズマ処理部を備えた構成からなる。
このような構成とすることにより、通電負荷試験後に、ガス(例えば酸素ガス)を導入しながら、半導体ウェハ表面をプラズマ処理する、又はガス(例えば酸素ガス、又はオゾンを含む酸化性ガス)を導入しながら、半導体ウェハ表面に紫外線を照射することができるので、通電負荷試験中にコネクター(詳細には例えば、異方導電性コネクターを構成する弾性シートの主成分であるシリコーンゴム等)から気化した低分子量成分が半導体ウェハの表面に付着することがあっても、付着した低分子量成分を除去する、あるいはその大部分を除去すると共に除去されずに微量に残存する低分子量成分を親水化処理することができる。このように低分子量成分を除去することにより、半導体ウェハ表面が汚染されることを防止できるので、半導体ウェハをダイシングして個別化された半導体チップと封止樹脂との密着性不良の発生を防止できる。あるいは、微量に残存する低分子量成分を親水化処理することにより、半導体チップと封止樹脂との密着性を改善することができるので、密着性不良の発生を防止できる。
また、上記構成において、コンタクタの電極シートは、半導体チップの電極端子に対応して設けた突起電極と、突起電極が形成された面と相対する面上に突起電極に対応して配置した上部電極と、上部電極と突起電極とを接続する貫通導体とを備えて構成され、コンタクタの配線基板は、電極シートの上方に配置され、電極シートの上部電極に電気的に接続する接触端子と、制御回路からの通電負荷信号を接触端子まで導通するための導体パターンとにより構成され、排気部により空間部が減圧されることにより、電極シートの上部電極と配線基板の接触端子とがコネクターを介して電気的に接続されると共に、半導体チップの電極端子と電極シートの突起電極とが電気的に接続される構成としてもよい。
このような構成とすることにより、非常に多くの電極端子を有するウェハ状態の半導体チップであっても、それぞれの半導体チップに対して要求される通電負荷試験を確実に行うことができる。
前記の課題を解決するために、本発明に係る第3の半導体検査装置は、半導体チップの初期故障を取り除くために、半導体チップのバーンイン試験を行う検査装置であって、表面に複数の半導体チップが配列されてなる半導体ウェハを載置するウェハ保持具と、ウェハ保持具上に載置された半導体ウェハの半導体チップの電極端子と半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板、可撓性を有する電極シート、および可撓性を有するコネクターを含み構成されるコンタクタと、半導体ウェハが載置されたウェハ保持具とコンタクタの配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、空間部に、オゾンを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を導入するガス導入部と、通電負荷試験の終了を認識した後に、ガス導入部を作動させて空間部にオゾンを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を導入する制御部とを備えた構成からなる。
このような構成とすることにより、通電負荷試験後に、半導体ウェハを加熱しながら、あるいは半導体ウェハを加熱すると共に空間部を減圧しながら、オゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスに半導体ウェハ表面を曝すことができるので、通電負荷試験中にコネクター(詳細には例えば、異方導電性コネクターを構成する弾性シートの主成分であるシリコーンゴム等)から気化した低分子量成分が半導体ウェハの表面に付着することがあっても、付着した低分子量成分を除去する、あるいは親水化処理することができる。
前記の課題を解決するために、本発明に係る第1の半導体検査方法は、半導体チップの初期故障を取り除くために、半導体チップの電極端子と半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板、可撓性を有する電極シート、および可撓性を有するコネクターを含み構成されるコンタクタを用いて、半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法であって、表面に複数の半導体チップが配列されてなる半導体ウェハをウェハ保持具に載置する工程(a)と、半導体チップの電極端子と電極シートの突起電極とを位置合わせする工程(b)と、半導体ウェハが載置されたウェハ保持具とコンタクタの配線基板とで形成される空間部を減圧して、電極端子と突起電極および配線基板の接触端子と電極シートの上部電極とを電気的に接続する工程(c)と、半導体ウェハを加熱しながら、複数の半導体チップのそれぞれに対して通電負荷試験を行う工程(d)とを備え、工程(d)は、空間部に非酸化性ガスを導入しながら空間部を減圧することにより、空間部に導入された非酸化性ガスを外部へ排気しながら行うことを特徴とする。
このような方法とすることにより、空間部に導入された非酸化性ガスによるガス流によって、コネクター(詳細には例えば、異方導電性コネクターを構成する弾性シートの主成分であるシリコーンゴム等)から気化する低分子量成分を、非酸化性ガスと共に排気しながら、通電負荷試験を行うことができる。したがって、長時間の間、減圧下で加熱しながら通電負荷試験を行っても、半導体ウェハ表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることを防止できる。したがって、半導体ウェハをダイシングして半導体チップに個別化し、半導体チップを封止する際に、封止樹脂と半導体チップとの密着性不良を防止できる。
また、上記方法において、工程(d)は、非酸化性ガスを、空間部のうち半導体ウェハ表面に近接した空間領域に導入し、空間部のうちコネクター表面に近接した空間領域から排気するようにしてもよい。このような方法とすることにより、半導体ウェハ表面に新鮮な非酸化性ガスを導入し、そのガスを半導体ウェハ表面からコネクター表面に流して排気するようにガスを流しながら、通電負荷試験を行うことができる。そのため、そのガス流によって、コネクターから気化した低分子量成分をさらに確実に排気することができるので、半導体ウェハ表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることをさらに確実に防止できる。
また、上記方法において、工程(d)の後に、非酸化性ガスに代えて、オゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を空間部に導入してもよい。このような方法とすることにより、通電負荷試験中に、コネクターから気化した低分子量成分を、非酸化性ガスと共に排気したにも拘わらず、半導体ウェハ表面に低分子量成分が微量に付着する場合があっても、通電負荷試験後に、オゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスに半導体ウェハ表面を曝すことにより、この低分子量成分を除去する、あるいは、除去できずに残存する場合があっても、残存する低分子量成分を親水化処理することができる。
前記の課題を解決するために、本発明に係る第2の半導体検査方法は、半導体ウェハをウェハ保持具に載置する工程(a)と、半導体ウェハに配列された複数の半導体チップの電極端子と電極シートの突起電極とを位置合わせする工程(b)と、半導体ウェハが載置されたウェハ保持具とコンタクタの配線基板とで形成される空間部を減圧して、電極端子と突起電極および配線基板の接触端子と電極シートの上部電極とを電気的に接続する工程(c)と、半導体ウェハを加熱しながら、複数の半導体チップのそれぞれに対して通電負荷試験を行う工程(d)と、工程(d)の後に、半導体ウェハの表面に付着した有機物の除去および有機物の親水化処理の少なくとも一方を行う工程(e)とを備えた方法からなる。
このような方法とすることにより、通電負荷試験後に、半導体ウェハの表面に付着した有機物の除去および/又は有機物の親水化処理を行うことができるので、通電負荷試験中にコネクター(詳細には例えば、異方導電性コネクターを構成する弾性シートの主成分であるシリコーンゴム等)から気化した低分子量成分(有機物)が半導体ウェハの表面に付着することがあっても、付着した低分子量成分を除去および/又は親水化処理することができる。したがって、半導体ウェハをダイシングして半導体チップに個別化し、半導体チップを封止する際に、封止樹脂と半導体チップとの密着性不良を防止できる。
また、上記方法において、工程(e)は、オゾンを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方に半導体ウェハ表面を曝す工程、酸素ガスを導入しながら半導体ウェハ表面をプラズマ処理する工程、又は酸素ガス若しくはオゾンを含む酸化性ガスを導入しながらウェハ表面に紫外線を照射する工程であってもよい。
このような方法とすることにより、通電負荷試験中に半導体ウェハの表面に付着した有機物(特に例えば、コネクターから気化した低分子量成分)を除去する、あるいはその大部分を除去すると共に除去されずに微量に残存する有機物を親水化処理することができる。
本発明に係る半導体検査装置および半導体検査方法によれば、例えばシリコーンゴム等からなる異方導電性コネクターを用いて、減圧且つ高温雰囲気中で長時間の通電負荷試験を行う場合に、半導体ウェハ表面に異方導電性コネクターから気化した低分子量成分が付着することによる半導体ウェハの汚染を防止でき、封止樹脂と半導体チップとの密着性を向上することができ、半導体装置の信頼性を大幅に改善できるという大きな効果を奏する。また高温雰囲気中で長時間の通電負荷試験を行う場合に、半導体チップのパッド電極の酸化が進むことも、ワイヤーボンドと半導体チップとの密着性低下の一因と考えられ、通電負荷試験中のパッド電極酸化を抑制することができる。
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中に示した各構成要素の形状は、図面の作成上から実際の形状とは異なり、そのため、各構成要素における厚みおよび長さ等は、実際の厚みおよび長さ等とは異なる。さらに、各構成要素が有する電極および端子等の個数も、図面の作成上から実際の個数とは異なる。また、異なる図面であっても、同一の構成要素については同一の符号を付しており、そのため、同一の構成要素に関する説明は繰り返し行わない。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置の構成について、図1,図2および図3(a) 〜(e) を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置1について示す構成図であり、具体的には、半導体検査装置1内に半導体ウェハ10が設置された状態を示す図である。図2は、配線基板101、異方導電性コネクター102および電極シート103からなるコンタクタと、ウェハ保持具104に載置された半導体ウェハ10とが電気的に接続された状態の半導体検査装置1の構成について示す断面図である。図3(a) 〜(e) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置1を構成する各構成要素の構成について示す断面図であり、詳細には、図3(a) はコンタクタを構成する配線基板101の構成、図3(b) はコンタクタを構成する異方導電性コネクター102の構成、図3(c) はコンタクタを構成する電極シート103の構成、図3(d) は半導体検査装置1内に設置された半導体ウェハ10の構成、図3(e) はウェハ保持具104の構成について示す断面図である。
本実施形態に係る半導体検査装置1は、半導体チップの初期故障を取り除くために、ウェハ状態で半導体チップのバーンイン試験を行う装置である。
そして、この半導体検査装置1は、図1に示すように、主要な構成要素として、ウェハ保持具104と、配線基板101、電極シート103、および異方導電性コネクター102を含み構成されるコンタクタと、排気部109と、ガス導入部110と、制御部115とを備えている。
詳細には、表面に複数の半導体チップ(図2:10a参照)が配列されてなる半導体ウェハ10を載置するウェハ保持具104と、半導体チップの電極端子(図2:10b参照)と半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路113とを電気的に接続するための配線基板101、可撓性を有する電極シート103、および可撓性を有する異方導電性コネクター102を含み構成されるコンタクタと、半導体ウェハ10が載置されたウェハ保持具104とコンタクタの配線基板101とで形成される空間部S1,S2を減圧する排気部109と、空間部S1,S2にガスを導入するガス導入部110とを備えている。
そして、複数の半導体チップを加熱状態で通電負荷試験を行う期間中、ガス導入部110を作動させて空間部S1,S2にガスを導入すると共に、排気部109のコンダクタンスを調整して空間部S1,S2を減圧状態に保持する制御部115をさらに備えている。
以下に、コンタクタを構成する電極シート103、配線基板101、および異方導電性コネクター102のそれぞれについて、詳細に説明する。
<電極シート>
コンタクタの電極シート103は、図2及び図3(c) に示すように、基材103a上に半導体チップ10aの電極端子10bに対応して設けた突起電極103cと、基材103aのうち突起電極103cが形成された面と相対する面上に突起電極103c位置と対応する位置に配置した上部電極103bと、基材103a中に上部電極103bと突起電極103cとを接続する貫通導体103dとを備えて構成されている。
この電極シート103には、その基材103aのうち半導体ウェハ10と対向する領域の外周領域(基材103aのうち異方導電性コネクター102と対向する領域の外周領域)に、異方導電性コネクター102の表面(詳細には、電極シート103に配置された状態での異方導電性コネクター102の表面)と実質的に同じ面にその表面が位置する気密用接着層103hがリング状に形成されている。そして、電極シート103は、気密用接着層103hにより、配線基板101に気密状態で接着されている。また、気密用接着層103hと、ウェハ保持具104の外周領域に設けたシールリング104eとによって、空間部S1,S2は外部の大気から遮断されている。
なお、電極シート103には、その基材103aの外周領域(詳細には、基材103aのうち気密用接着層103hが形成された面と相対する面の外周領域)に、剛性リング103gが接着層103fにより接着固定されている。これにより、電極シート103にしわ等を生じさせないようにしている。
電極シート103の基材103aの厚みは、10μm〜60μmの範囲内、より好ましくは25μm〜45μmの範囲内に設定されることが望ましい。基材103aの材質としては、ポリイミド樹脂シートを用いることが一般的であるが、その他に例えば弗素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂又はウレタン系樹脂を用いてもよい。
<配線基板>
コンタクタの配線基板101は、図2及び図3(a) に示すように、電極シート103の上方に配置され、電極シート103の上部電極103bと電気的に接続する接触端子101cと、制御回路(図1:113参照)からの通電負荷信号を接触端子101cまで導通するための導体パターン101bと、基材101aの外周領域に形成され、制御回路に接続されたフレキシブル配線基板(図1:114参照)と電気的な接続を行うための外部接続端子101eとにより構成されている。さらに、配線基板101には、排気部(図1:109参照)に接続するための排気用配管101fが設けられている。
本実施形態では、配線基板101の基材101aはガラス板であり、接触端子101c、導体パターン101bおよび外部接続端子101eは銅薄膜である。導体パターン101bは、基材101a上に形成した層間絶縁層101dを介した多層構成からなる。
なお、配線基板101の基材101aとしては、本実施形態ではガラス板を用いた例について説明したが、その他に例えば石英、アルミナセラミック、ガラスエポキシ樹脂又はBTレジン等を用いてもよい。
また、接触端子101c、外部接続端子101eおよび導体パターン101bとしては、本実施形態では銅薄膜を用いた例について説明したが、その他に例えばニッケル、42アロイ(鉄にニッケルが42%含有された超合金)、パラジウム、白金、金、銀、アルミニウム、および鉄等の良導体、並びにタングステン、モリブデン、およびタンタル等の高融点金属のうちのいずれか1種を用いてもよい。また、上記良導体並びに上記高融点金属の中から2種以上の材料を用いてもよく、この場合、接触端子101c、外部接続端子101eおよび導体パターン101bの構成として、これらの材料が積層された構成を採用する。特に、接触端子101cと外部接続端子101eとについては、その表面に金薄膜を形成することが好ましい。
なお、本実施形態では、導体パターン101bは、層間絶縁層101dを介した多層構成からなるが、この層間絶縁層101dとしては、例えばポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリベンゾオキサザール系樹脂、および弗素系樹脂のうちのいずれか1種を用いてもよい。また、これらの樹脂の中から2種類以上の材料を用いてもよく、この場合、層間絶縁層101dの構成として、これらの材料が積層された構成を採用する。
また、本実施形態では、配線基板101として、ガラス板からなる基材101a上に薄膜多層構成の導体パターン101bが形成されてなる配線基板を用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、一般的に用いられているガラスエポキシ樹脂又はBTレジン等を用いた多層配線構成の配線基板であってもよい。
<異方導電性コネクター>
異方導電性コネクター102は、シート状の局在型異方導電性樹脂シートからなる。具体的には、図2及び図3(b) に示すように、配線基板101を構成する接触端子101cに対応して、導電粒子の集合体である導電部102bが弾性シート102aを貫通して配置された構成である。その外形寸法は、半導体ウェハ10の外径と同じ又はそれ以上の外径を有する円形状であり、その厚みは、100μm〜500μmの範囲内、さらに200μm〜300μmの範囲内に設定されることが好ましい。
弾性シート102aとしては、シリコーンゴム系を用いるが、その他に例えば弗素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂又はウレタン系樹脂を用いてもよい。また、導電部102bとしては、ニッケルからなる微粒子の集合体を用いるが、その他に例えば鉄、コバルト、鉄ニッケル合金、又は鉄コバルト合金からなる微粒子の集合体を用いてもよいし、樹脂又はガラスの微粒子表面に導体被膜を形成したものを用いてもよい。
以下に、排気部109,ガス導入部110について詳細に説明する。
図1に示すように、排気部109は、空間部S1,S2を減圧する。また、ガス導入部110は、空間部S1,S2にガスを導入する。なお、排気部109は、空間部S1,S2を減圧することが可能な真空ポンプであれば、特に制約はない。
図2に示すように、ガス導入部(図1:110参照)から延在された導入用配管104d(図3(e) 参照)は、ガス導入部から導入されるガスが新鮮な状態で半導体ウェハ10表面に供給されるように、その開口端が空間部S1,S2のうち半導体ウェハ10表面に近接した空間領域と連通するように設けられている。一方、図2に示すように、排気部(図1:109参照)に接続された排気用配管101f(図3(a) 参照)は、半導体ウェハ10表面に供給されたガスが異方導電性コネクター102表面に流れるように、その開口端が空間部S1,S2のうち異方導電性コネクター102表面に近接した空間領域と連通するように設けられている。
そして、空間部S1,S2は、図1および図2に示すように、電極シート103と配線基板101とで形成される第1の空間部S1、および電極シート103とウェハ保持具104とで形成される第2の空間部S2により構成されている。また、本実施形態では、第1の空間部S1と第2の空間部S2とは、電極シート103のうち半導体ウェハ10と対向する領域から外れた領域に設けられた貫通孔103e(図3(c) 参照)により連通されている。そして、導入用配管104dは、第2の空間部S2側に設けられ、排気用配管101fは、第1の空間部S1側に設けられている。
貫通孔103eは、電極シート103の中心点に対して導入用配管104dとは反対側の領域に設けられている。なお、図1,図2,図3(c) 中では、簡略的に図示するために、1個の貫通孔のみを図示しているが、実際には、1個以上の複数の貫通孔が電極シートに設けられていてもよい。
さらに、本実施形態では、ガス導入部110は、オゾンガスを含む酸化性ガス、および酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方と、非酸化性ガスとを導入するための分岐機構(図示せず)を、その内部に有している。図1に示すように、分岐機構を内蔵したガス導入部110には、オゾンガスを含む酸化性ガス、および酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を導入するための酸化性ガス発生器112と、非酸化性ガスを導入するためのガスボンベ111とが接続されている。
以下に、制御部115について詳細に説明する。
制御部115は、通電負荷試験を行う期間中、ガス導入部110に内蔵された分岐機構を作動させて、ガスボンベ111から所定量の非酸化性ガスを空間部S1,S2に導入すると共に、排気部109のコンダクタンスを調整して、空間部S1,S2を減圧状態に保持する。非酸化性ガスとしては、例えばアルゴン等の不活性ガス又は窒素を用いることができる。
以下に、ウェハ保持具について詳細に説明する。
ウェハ保持具104は、図2および図3(e) に示すように、半導体ウェハ10を吸着するためにリング状に形成された吸着溝104bを有する構成で、基材104aの中心部には吸着溝104bの空気を排気するための排気用配管104cが設けられており、この排気用配管104cは真空ポンプからなる排気部(図1:108参照)に接続されている。また、基材104aのうち半導体ウェハ10が載置される領域から外れた領域には、導入用配管104dが設けられており、この導入用配管104dはガス導入部(図1:110参照)に接続されている。さらに、基材104aの外周領域には、シールリング104eを固定するシール用溝が設けられており、このシール用溝にはシールリング104eが埋め込まれている。
このウェハ保持具104の基材104aとしては、ステンレスを用いることが多いが、その他に例えば銅合金若しくはアルミニウム、アルミナセラミック、又はエンジニアリングプラスチック等の耐熱性と高熱伝導性とに比較的優れた樹脂を用いてもよい。また、シールリング104eの高さは半導体ウェハ10の厚み以上であり、シールリング104eは一般的に多く用いられるシリコーン樹脂およびバイトン樹脂等の耐熱性樹脂材料からなる。
このような構成とすることで、半導体ウェハ10が加熱され且つ空間部S1,S2が減圧された状態で、長時間の通電負荷試験を行うことにより、その通電負荷試験中に、異方導電性コネクター102を構成する弾性シート102aの主成分であるシリコーンゴム等から低分子量成分が気化することがあっても、この低分子量成分を、第2の空間部S2から第1の空間部S1方向に向けて流れる非酸化性ガスと共に排気部109により排気することができる。したがって、半導体ウェハ10表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることを防止できる。その結果、通電負荷試験後の半導体ウェハ10をダイシングして個別化された半導体チップ10aと封止樹脂との密着性不良の発生を防止できる。
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置1を用いて、ウェハ状態で半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置1を用いて、ウェハ状態で半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法のフローチャートである。
最初に、図4に示すように、ステップS1で、ウェハ保持具に半導体ウェハを載置する。詳細には、図2に示すように、ウェハ保持具104の基材104a上に半導体ウェハ10を配置し、ウェハ保持具104の排気用配管104cに接続されている排気部(図1:108参照)を作動させて、ウェハ保持具104に半導体ウェハ10を吸着固定させる。
つぎに、図4に示すように、ステップS2で、コンタクタの突起電極と半導体チップの電極端子とを位置合わせする。ここで、コンタクタは、図2に示すように、配線基板101、異方導電性コネクター102および電極シート103から構成されており、これらを組み合わせてなるコンタクタの突起電極103cと半導体チップ10aの電極端子10bとを位置合わせして、ウェハ保持具104上に載置された半導体ウェハ10上に、コンタクタを保持する。
つぎに、図4に示すように、ステップS3で、電極端子と突起電極、および接触端子と上部電極とを電気的に接続する。詳細には、図2に示すように、ステップS2での位置合わせした状態を保持したまま、配線基板101の排気用配管101fに接続されている排気部(図1:109参照)を作動させて、第1の空間部S1と第2の空間部S2とから構成される空間部(言い換えれば、半導体ウェハ10が載置されたウェハ保持具104とコンタクタの配線基板101とで形成される空間部)S1,S2を減圧する。空間部S1,S2を減圧することにより、ウェハ保持具104上に載置された半導体ウェハ10、および半導体ウェハ10上に保持されたコンタクタに対して大気圧が加わり、半導体チップ10aの電極端子10bと電極シート103の突起電極103cとの間が電気的に接続されると共に、配線基板101の接触端子101cと電極シート103の上部電極103bとの間が異方導電性コネクター102を介して電気的に接続される。
つぎに、図4に示すように、ステップS4で、空間部に非酸化性ガスを導入しながら空間部を減圧する。詳細には、図1に示すように、ガス導入部110を作動させて導入用配管104dから非酸化性ガスを空間部S1,S2に導入しながら、排気部109を作動させて空間部S1,S2を減圧する。このとき、非酸化性ガスが導入された状態の空間部S1,S2の圧力が所定の圧力となるように、制御部115によって、空間部S1,S2に導入される非酸化性ガス量を調整しながらガス導入部110を作動させると共に、制御部115によって、排気部109に接続された排気用配管101fのコンダクタンスを調整する。
これにより、導入用配管104dから第2の空間部S2に導入された非酸化性ガスは、半導体ウェハ10の表面を流れ、電極シート103の貫通孔103eを介して第1の空間部S1に流入し、異方導電性コネクター102の表面を流れ、異方導電性コネクター102を構成する弾性シート102aの主成分であるシリコーンゴム等から気化した低分子量成分と共に排気部109に接続された排気用配管101fから排気される。
ここで、非酸化性ガスを導入しながら減圧するときの空間部S1,S2の圧力としては、5kPs〜96kPsの範囲内、好ましくは50kPs〜70kPsの範囲内とすることが望ましい。
つぎに、図4に示すように、ステップS5で、半導体ウェハを所定の温度に加熱した後、所定時間の間、制御回路(図1:113参照)からフレキシブル配線(図1:114参照)を介して配線基板に通電し、半導体ウェハに形成された各半導体チップの通電負荷試験を行う。
つぎに、図4に示すように、ステップS6で、各半導体チップの通電負荷試験の終了後、半導体ウェハを冷却すると共にガス導入部(図1:110参照)による非酸化性ガスの導入を停止した後、排気部(図1:109参照)による空間部の減圧を停止し、コンタクタを半導体ウェハから外す。その後、ウェハ保持具から半導体ウェハを外して、本実施形態に係る半導体検査が完了する。
なお、この半導体検査の完了後、半導体ウェハに形成された各半導体チップの良否を検査することにより、通電負荷試験により発生した初期不良の半導体チップを除去することができる。その後、半導体ウェハをダイシングして半導体チップを個別化し、封止樹脂により各半導体チップを封止することで、半導体装置を製造することができる。
このような半導体検査方法とすることで、通電負荷試験中、半導体ウェハの表面近傍は常に清浄な非酸化性ガス流雰囲気で維持され、半導体ウェハ表面に低分子量成分(主に例えば、異方導電性コネクターを構成する弾性シートの主成分であるシリコーンゴム等から気化した低分子量成分)が付着してその表面が汚染されることを防止できる。これにより、通電負荷試験後に、半導体チップの良否検査、および半導体ウェハのダイシングを順次経た後に行う半導体チップの封止時に、半導体チップと封止樹脂との密着性を改善できるだけでなく、半導体チップの良否検査時に、半導体チップの電極端子にプローブを接触させてもプローブが汚染されることがなく、接触抵抗の増大等による測定不良も防止できる。
−第1の変形例−
ここで、第1の実施形態において、通電負荷試験中に、異方導電性コネクターから気化した低分子量成分を非酸化性ガスと共に排気したにも拘わらず、半導体ウェハ表面に低分子量成分が微量に付着する場合があっても、以下に示す半導体検査方法を採用することにより、半導体ウェハ表面に微量に付着した低分子量成分を除去することができる。
具体的には、図4に示すステップS5の後、各半導体チップの通電負荷試験の終了に伴い、制御部(図1:115参照)が制御回路(図1:113参照)から通電負荷試験の終了信号を受けると、ガス導入部(図1:110参照)に内蔵された分岐機構を作動させて、ガスボンベ(図1:111参照)からの非酸化性ガスの導入を停止し、酸化性ガス発生器(図1:112参照)からオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを空間部に導入する。
このように、通電負荷試験後に、オゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方に半導体ウェハ表面を曝すことにより、半導体ウェハ表面に微量に付着した低分子量成分を確実に除去することができる。
その後、半導体ウェハを冷却すると共にガス導入部による酸化性ガスの導入を停止した後、排気部による空間部の減圧を停止し、コンタクタを半導体ウェハから外す。その後、ウェハ保持具から半導体ウェハを外して、第1の変形例に係る半導体検査が完了する。
ここで、酸化性ガス発生器は、オゾン発生器および/又は酸素ラジカル発生器と、これらから発生するオゾンおよび/又は酸素ラジカルをガス導入部に送り出す機構とを含む。例えば、酸化性ガス発生器は、オゾン発生器によりオゾンを生成し、このオゾンを酸素ガスに載せて送り出す。
なお、酸化性ガスは、通電負荷試験後、半導体ウェハが加熱され且つ空間部が減圧された状態で、空間部に導入されることが望ましいが、本発明はこれに限定されない。
例えば、酸化性ガスの導入は、以下に示す1)〜4)のいずれかでもよい。
1)通電負荷試験中、非酸化性ガス、並びにオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを空間部に導入する
2)通電負荷試験中、非酸化性ガスを空間部に導入しながら、定期的にオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを空間部に導入する
3)通電負荷試験中、空間部への非酸化性ガスの導入を定期的に停止し、停止期間中、非酸化性ガスの代わりにオゾンガスおよび/又は酸素ラジカルを含む酸化性ガスを空間部に導入する
4)通電負荷試験後、半導体ウェハの冷却中に、酸化性ガスを空間部に導入する
−第2の変形例−
以下に、本発明の第2の変形例に係る半導体検査装置について、図5および図6(a) 〜(f) を参照しながら説明する。図5は、本発明の第2の変形例に係る半導体検査装置の構成について示す断面図であり、具体的には、配線基板201、異方導電性コネクター102および電極シート103からなるコンタクタと、ウェハ保持具104に載置された半導体ウェハ10とが電気的に接続された状態の半導体検査装置2の構成について示す断面図である。図6(a) 〜(f) は、本発明の第2の変形例に係る半導体検査装置2を構成する各構成要素の構成について示す断面図であり、詳細には、図6(a) はコンタクタを構成する配線基板201の構成、図6(b) はコンタクタを構成する異方導電性コネクター102の構成、図6(c) はコンタクタを構成する電極シート103の構成、図6(d) は半導体検査装置2内に設置される半導体ウェハ10の構成、図6(e) は第2の変形例の特徴部であるガイドリング205の構成、図6(f) はウェハ保持具104の構成について示す断面図である。
ここで、本変形例に係る半導体検査装置2の特徴点は、以下に示す点である。
半導体検査装置2は、電極シート103を配線基板201に固定する構成が、半導体検査装置1の構成と異なる点が特徴点である。すなわち、第1の実施形態では、図2に示すように、気密用接着層103hにより電極シート103が配線基板101に固定されている点に対し、第2の変形例では、図5に示すように、ガイドリング205の孔(図6(e) 参照)、および配線基板201の孔201gに挿入されたねじ205aにより電極シート103が配線基板201に固定されている。このように、第2の変形例では、電極シート103を屈曲させて、ガイドリング205に設けた孔、および配線基板201に設けた孔201gにねじ205aを挿入し、ねじ205aにより配線基板201に電極シート103を固定している。
このため、第2の変形例と第1の実施形態との構成上の相違点は、以下に示す点である。
配線基板について、第1の実施形態における配線基板101には、図3(a) に示すように、孔が設けられていないのに対し、第2の変形例における配線基板201には、図6(a) に示すように、ねじ205aが挿入される孔201gが設けられている。それ以外については、配線基板201は、配線基板101の構成と同じ構成である。
また電極シートについて、第1の実施形態における電極シート103は、図3(c) に示すように、電極シート103を配線基板101に固定させることを目的に、気密用接着層103hを有すると共に、電極シート103のシワ発生を防止することを目的に、剛性リング103g、および剛性リング103gを接着する接着層103fを有する。これに対し、第2の変形例における電極シート103は、図6(c) に示すように、気密用接着層103h、剛性リング103g、および接着層103fを有していない。
そして、第2の変形例におけるコンタクタは、電極シート103を配線基板201に固定させることを目的に、新たな構成要素として、図5に示すように、ガイドリング205、およびガイドリング205に挿入されるねじ205aを備えている。
以上のように、第2の変形例に係る半導体検査装置2は、コンタクタの構成が一部異なるだけで、それ以外の構成については、第1の実施形態に係る半導体検査装置1と同じ構成である。なお、第2の変形例に係る半導体検査装置2を用いた半導体検査方法は、第1の実施形態(又は第1の変形例)における半導体検査方法と同じであるので説明を省略する。
なお、第1の実施形態では、電極シート103のうち半導体ウェハ10に対向する領域から外れた領域に1個以上の貫通孔103eを設ける例について説明したが、電極シート103のうち半導体ウェハ10に対向する領域にも貫通孔をさらに設けてもよい。また、後述の第2の実施形態に係る半導体検査装置3、および第3の変形例に係る半導体検査装置4のように、第1の空間部S1に連通する排気用配管101fと排気部109との間に、U字形状又はミアンダ形状の配管(後述の図7:306参照)を設けてもよい。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体検査装置の構成について、図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体検査装置3について示す構成図であり、具体的には、半導体検査装置3内に半導体ウェハ10が設置された状態を示す図である。
ここで、第2の実施形態に係る半導体検査装置3が、第1の実施形態に係る半導体検査装置1と異なる点は、以下に示す点である。
第1に、電極シートについて、図1に示すように、第1の実施形態における電極シート103には、貫通孔(図2:103e参照)が設けられている点に対し、図7に示すように、第2の実施形態における電極シート303には、貫通孔が設けられておらず、貫通孔の有無以外については、電極シート303は電極シート103と同じ構成である。
第2に、第2の実施形態では、第1の実施形態のようにガス導入部(図1:110参照)、ガス導入部から延在された導入用配管(図1:104d参照)、並びにガス導入部に接続されたガスボンベ(図1:111参照)および酸化性ガス発生器(図1:112参照)を備えておらず、図7に示すように、排気部109に接続された排気用配管304fを新たに備えている。すなわち、第1の実施形態では、ガス導入部によって、空間部S1,S2にガスを導入する点に対し、本実施形態では、空間部S1,S2にガスを導入しない。
第3に、第2の実施形態では、図7に示すように、第1の空間部S1に連通する排気用配管101fと排気部109との間に、ミアンダ形状の配管306をさらに設けている。
第4に、第1の実施形態では、図1に示すように、第1の空間部S1と第2の空間部S2とが貫通孔(図2:103e参照)を介して互いに連通されており、排気部109を作動させて排気用配管101fから空間部S1,S2を排気する点に対し、第2の実施形態では、図7に示すように、第1の空間部S1と第2の空間部S2とが電極シート303を挟んで互いに分離されており、排気部109を作動させて排気用配管304fから第2の空間部S2を排気する一方、排気用配管101fから第1の空間部S1を排気する。そして、第2の実施形態では、排気用配管101fから第1の空間部S1を排気して、第1の空間部S1を減圧することにより、異方導電性コネクター102を介して接触端子と上部電極とを電気的に接続する一方、排気用配管304fから第2の空間部S2を排気して、第2の空間部S2を減圧することにより、電極端子と突起電極とを電気的に接続する。
以上の点が、半導体検査装置3における半導体検査装置1との相違点であり、このような構成とすることにより、第1の空間部S1に存在する低分子量成分(詳細には、異方導電性コネクター102を構成する弾性シートの主成分であるシリコーンゴム等から気化する低分子量成分)は第2の空間部S2に流入することがない。したがって、通電負荷試験中に、半導体ウェハ10表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることがない。さらに、第1の空間部S1に連通する排気用配管101fと排気部109との間に、ミアンダ形状の配管306を設けているので、この配管306の内壁面に低分子量成分が付着して排気部109まで到達しない。これにより、排気部109の内部の汚染を防止できるだけでなく、大気汚染の防止も可能となる。
なお、排気用配管101fと排気部109との間に設けられる配管306は、排気用配管101fおよび排気部109に対して着脱自在に設置されることが好ましい。また、配管306を冷却水又は低温水等で冷却すれば、配管306の内壁面に低分子量成分をより効率的に付着させることができる。
第2の実施形態に係る半導体検査装置を用いた半導体検査方法は、従来の半導体検査方法と特に異なる点がないので説明を省略する。
−第3の変形例−
以下に、本発明の第3の変形例に係る半導体検査装置について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の第3の変形例に係る半導体検査装置4について示す構成図であり、具体的には、半導体検査装置4内に半導体ウェハ10が設置された状態を示す図である。
ここで、第3の変形例に係る半導体検査装置4の特徴点は、以下に示す点である。
半導体検査装置4は、第2の実施形態に係る半導体検査装置3が備える構成に加えて、分岐機構を内蔵したガス導入部110と、ガス導入部110から延在された導入用配管104dと、ガス導入部110に接続され非酸化性ガスを導入するためのガスボンベ111と、ガス導入部110に接続されオゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を導入するための酸化性ガス発生器112とをさらに備えており、ガス導入部110を作動させて、第2の空間部S2にガスを導入する点である。この点以外については、半導体検査装置4は半導体検査装置3の構成と同じであるので説明を省略する。
第3の変形例に係る半導体検査装置4を用いた半導体検査方法は、第1の実施形態(又は第1の変形例)における半導体検査方法と同じであるので説明を省略する。但し、第3の変形例の場合、ガス導入部110から導入される非酸化性ガス(又は非酸化性ガスおよび酸化性ガス)は、第2の空間部S2のみにしか流れないので、第1の空間部S1および第2の空間部S2のそれぞれを所定の減圧状態に維持するためには、第2の空間部S2に連通する排気用配管304f、および第1の空間部S1に連通する排気用配管101fのそれぞれのコンダクタンスを個別に調整することが必要になる場合がある。ここで、第1の空間部S1および第2の空間部S2のそれぞれを所定の減圧状態に維持するためには、各排気用配管304f,101fのコンダクタンスの調整以外に、例えば排気部をさらにもう1台設けて、一方の排気部に排気用配管304fを接続させると共に、他方の排気部に排気用配管101fを接続させて、第1の空間部S2および第2の空間部S1のそれぞれを個別に排気してもよい。
なお、第2の実施形態では、排気部109と排気用配管101fとの間に、ミアンダ形状の配管306を設ける例について説明したが、その他に例えばU字形状の配管を設けてもよい。また例えば、第1の実施形態と同様に、排気部109と排気用配管101fとの間に、配管を設けない構成でもよい。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態に係る半導体検査装置について、図9(a) および(b) を参照しながら説明する。図9(a) および(b) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体検査装置5について示す構成図であり、詳細には、図9(a) はウェハ保持具104に載置された半導体ウェハ10上にコンタクタを配置して、減圧且つ加熱雰囲気中で、半導体チップの通電負荷試験を行うときの半導体検査装置5について示す構成図であり、図9(b) はコンタクタを外して、ウェハ保持具104に載置された半導体ウェハ10上に紫外線照射部507を配置して、半導体ウェハ10の紫外線照射処理を行うときの半導体検査装置5について示す構成図である。なお、図9(a) に示す構成は、図1,図2,および図3(a) 〜(e) に示す構成と同一であるので、図9(a) の構成要素のうち符号を付していない構成要素については、図1,図2,および図3(a) 〜(e) において付した符号を用いて説明する。
第3の実施形態に係る半導体検査装置5は、半導体チップ10aの初期故障を取り除くために、ウェハ状態で半導体チップ10aのバーンイン試験を行う装置である。
そして、この半導体検査装置5は、図9(a) および(b) に示すように、主要な構成要素として、ウェハ保持具104と、配線基板101、電極シート103、および異方導電性コネクター102を含み構成されるコンタクタと、排気部109と、ガス導入部110と、制御部115と、紫外線照射部507とを備えている。
詳細には、表面に複数の半導体チップ10aが配列されてなる半導体ウェハ10を載置するウェハ保持具104と、半導体チップ10aの電極端子10bと半導体チップ10aに通電負荷を与えるための制御回路113とを電気的に接続するための配線基板101、可撓性を有する電極シート103、および可撓性を有する異方導電コネクター102を含み構成されるコンタクタと、半導体ウェハ10が載置されたウェハ保持具104とコンタクタの配線基板101とで形成される空間部S1,S2を減圧する排気部109と、空間部S1,S2にガスを導入するガス導入部110とを備えており、さらに、通電負荷試験後に、半導体ウェハ10の表面に紫外線を照射するための紫外線照射部507を備えている。なお、空間部S1,S2は、第1の空間部S1と第2の空間部S2とにより構成されている。
このように、第3の実施形態に係る半導体検査装置5は、第1の実施形態に係る半導体検査装置1の構成に加えて、紫外線照射部507をさらに備えている。ここで、紫外線照射部507は、図9(b) に示すように、紫外線を透過させる例えば石英からなる透明基板507aと、紫外線発生部507bとから構成されている。そして、紫外線照射部507は、通電負荷試験後に、コンタクタをウェハ保持具104から外した後、半導体ウェハ10が載置されたウェハ保持具104上に配置された状態で使用される。
以下に、本発明の第3の実施形態に係る半導体検査装置5を用いて、ウェハ状態で半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法について、図10を参照しながら説明する。図10は、本発明の第3の実施形態に係る半導体検査装置5を用いて、ウェハ状態の半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法のフローチャートである。
最初に、図10に示すように、ステップS1で、ウェハ保持具104に半導体ウェハ10を載置する。詳細には、図9(a) に示すように、ウェハ保持具104の基材104a上に半導体ウェハ10を配置し、ウェハ保持具104の排気用配管104cに接続されている排気部108を作動させて、ウェハ保持具104に半導体ウェハ10を吸着固定させる。
つぎに、図4に示すように、ステップS2で、コンタクタの突起電極103cと半導体チップ10aの電極端子10bとを位置合わせする。コンタクタは、図9(a) に示すように、配線基板101、異方導電性コネクター102および電極シート103から構成されており、これらを組み合わせてなるコンタクタの突起電極103cと半導体チップ10aの電極端子10bとを位置合わせして、ウェハ保持具104上に載置された半導体ウェハ10上に、コンタクタを保持する。
つぎに、図4に示すように、ステップS3で、電極端子10bと突起電極103c、および接触端子101cと上部電極103bとを電気的に接続する。詳細には、図9(a) に示すように、ステップS2での位置合わせした状態を保持したまま、配線基板101の排気用配管101fに接続されている排気部109を作動させて、第1の空間部S1と第2の空間部S2とから構成される空間部S1,S2を減圧する。空間部S1,S2を減圧することにより、ウェハ保持具104上に載置された半導体ウェハ10、および半導体ウェハ10上に保持されたコンタクタに対して大気圧が加わり、半導体チップ10aの電極端子10bと電極シート103の突起電極103cとの間が電気的に接続されると共に、配線基板101の接触端子101cと電極シート103の上部電極103bとの間が異方導電性コネクター102を介して電気的に接続される。
つぎに、図10に示すように、ステップS4で、半導体ウェハ10を所定の温度に加熱した後、所定時間の間、制御回路113からフレキシブル配線114を介して配線基板101に通電し、半導体ウェハ10に形成された各半導体チップ10aの通電負荷試験を行う。
つぎに、図10に示すように、ステップS5で、各半導体チップ10aの通電負荷試験の終了後、排気部109による空間部S1,S2の減圧を停止し、コンタクタをウェハ保持具104から外す。その後、図9(b) に示すように、半導体ウェハ10が載置されたウェハ保持具104上に紫外線照射部507を配置し、紫外線照射部507の排気用配管507dに接続されている排気部109を作動させて、半導体ウェハ10が載置されたウェハ保持具104と紫外線照射部507とで形成される空間部S3を減圧し、ウェハ保持具104に紫外線照射部507を吸着固定させる。
その後、紫外線発生部507bから発生する紫外線507cを、透明基板507aを介して半導体ウェハ10の表面に照射すると共に、ガス導入部110を作動させて、空間部S3に導入用配管104dから例えば酸素ガス等の酸化性ガスを導入する。これにより、通電負荷試験中に半導体ウェハ10の表面に付着した低分子量成分(主に例えば、異方導電性コネクター102を構成する弾性シート102aの主成分であるシリコーンゴム等から気化した低分子量成分)は、紫外線エネルギーおよび酸化性ガスにより分解されて除去される。このとき、低分子量成分の付着量が多く、低分子量成分の一部が紫外線エネルギーおよび酸化性ガスにより分解し切れずに残存する場合があっても、この残存する低分子量成分は親水化処理される。
つぎに、図10に示すように、ステップS6で、半導体ウェハ10を冷却すると共に、紫外線照射部507による紫外線の照射、およびガス導入部110による酸化性ガスの導入を停止した後、排気部109による空間部S3の減圧を停止し、紫外線照射部507を半導体ウェハ10から外す。その後、ウェハ保持具104から半導体ウェハ10を外して、第3の実施形態に係る半導体検査が完了する。
なお、この半導体検査の完了後、半導体ウェハ10に形成された各半導体チップ10の良否を検査することにより、通電負荷試験により発生した初期不良の半導体チップを除去することができる。その後、半導体ウェハ10をダイシングして半導体チップを個別化し、封止樹脂により各半導体チップを封止することで、半導体装置を製造することができる。
このような半導体検査装置を用いた半導体検査方法とすることで、通電負荷試験中に、半導体ウェハ10の表面に異方導電性コネクター102から気化した低分子量成分が付着することがあっても、付着した低分子量成分を除去する、あるいは大部分を除去すると共に除去されずに残存する低分子量成分を親水化処理することができる。その結果、半導体チップと封止樹脂との密着性不良を防止できる。
なお、第3の実施形態では、紫外線照射部507を用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、紫外線照射部507の代わりにプラズマ処理部を用いてもよい。この場合においても、半導体ウェハの通電負荷試験の終了後に、プラズマ処理部を半導体ウェハ上に配置し、酸化性ガスを導入しながらプラズマを発生させれば、通電負荷試験中に半導体ウェハの表面に付着した低分子量成分を除去することができる。
なお、本発明は、第1〜第3の各実施形態、および第1〜第3の変形例における半導体検査装置および半導体検査方法に限定されるものではない。
例えば、その他の半導体検査装置として、表面に複数の半導体チップが配列されてなる半導体ウェハを載置するウェハ保持具と、ウェハ保持具上に載置された半導体ウェハの半導体チップの電極端子と半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板、可撓性を有する電極シート、および可撓性を有する異方導電性コネクターを含み構成されるコンタクタと、半導体ウェハが載置されたウェハ保持具とコンタクタの配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、オゾンを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を空間部に導入するガス導入部とを備え、そして、通電負荷試験の終了を認識した後に、ガス導入部を作動させて、オゾンを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を空間部に導入する制御部を備えた半導体検査装置でもよい。
具体的には、図1に示す第1の実施形態に係る半導体検査装置1において、非酸化性ガスを導入するためのガスボンベ111を外した構成であり、さらに、電極シート103に設ける貫通孔103eの位置については、第1の実施形態のような制約はなく任意の位置に設けてもよい。また、貫通孔103eの個数についても、任意の個数を設けてもよい。
このような構成によれば、通電負荷試験の終了後に、半導体ウェハの表面に付着した有機物の除去(および有機物の親水化処理)を行うことができ、半導体チップと封止樹脂との密着性を改善できる。
また、半導体ウェハの表面に付着した有機物の除去(および有機物の親水化処理)を行う方法としては、下記に示す1)〜3)のいずれの方法を採用してもよい。なお、第3の実施形態では、下記に示す3)の方法を例に説明した。
1)通電負荷試験後に、オゾンを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方に半導体ウェハ表面を曝す方法
2)通電負荷試験後に、酸素ガスを導入しながら半導体ウェハ表面をプラズマ処理する方法
3)通電負荷試験後に、酸素ガス又はオゾンを含む酸化性ガスを導入しながら半導体ウェハ表面に紫外線を照射する方法
なお、第1〜第3の実施形態では、1個の半導体ウェハに対して、排気部、ガス導入部、制御回路、および制御部のそれぞれを1個ずつ設けた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の半導体ウェハに対して、1個の排気部を設けて、各ウェハ保持具と各配線基板とで形成される各空間を一括して排気する構成としてもよい。また、複数の半導体ウェハに対して、1個のガス導入部および制御部を設けて、上記各空間に一括してガスを導入する構成としてもよい。さらに、複数の半導体ウェハに対して、1個の制御回路を設けて、各半導体ウェハの半導体チップに一括して通電負荷を与える構成としてもよい。
また、本発明は、液晶、プラズマ、および有機EL等の配線基板上に薄膜トランジスタを搭載した薄型パネル等の通電負荷試験にも有用である。この場合、本発明に係る通電負荷装置は、配線基板を載置する保持具と、保持具上に載置された配線基板上に配置された複数のトランジスタの電極端子と、配線基板に通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するためのコンタクタ用配線基板を含み構成されるコンタクタと、配線基板が載置された保持具と、コンタクタのコンタクタ用配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、空間部にガスを導入するガス導入部とを備えている。これにより、高温下での通電負荷試験中、空間部に導入されるガスによるガス流によって、その試験中に発生する低分子量成分をガスと共に排気することができるので、配線基板表面に低分子量成分が付着してその表面が汚染されることを防止することができる。
本発明に係る半導体検査装置およびそれを用いた半導体検査方法は、特に、減圧且つ加熱雰囲気中で長時間の通電負荷試験を行う場合に、通電負荷試験中に低分子量成分が半導体ウェハ表面に付着することを防止する、通電負荷試験後に半導体ウェハ表面に付着した低分子量成分を除去する、又は通電負荷試験後に半導体ウェハ表面に付着した低分子量成分を親水化処理することができるため、半導体チップと封止樹脂との密着性不良の発生を防止できるので、高信頼性の半導体装置を実現できる。そのため、半導体装置の通電負荷試験に有用である。また、本発明に係る通電負荷装置および通電負荷方法は、高温下での通電負荷試験中に低分子量成分が配線基板表面に付着することを防止する、又は低分子量成分が配線基板表面に付着しても通電負荷試験後に除去する(又は親水化処理する)ことができる。そのため、液晶、プラズマ、および有機EL等の基板上に薄膜トランジスタを搭載した薄型パネル等の通電負荷試験にも有用である。この結果、薄型パネル、又は半導体装置が使用される種々の電子機器分野に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置について示す構成図である。 第1の実施形態において、配線基板、異方導電性コネクターおよび電極シートからなるコンタクタと、ウェハ保持具に載置された半導体ウェハとが電気的に接続された状態の半導体検査装置の構成について示す断面図である。 (a) 〜(e) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置を構成する各構成要素の構成について示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体検査装置を用いて、ウェハ状態で半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法のフローチャートである。 本発明の第2の変形例に係る半導体検査装置の構成について示す断面図である。 (a) 〜(f) は、本発明の第2の変形例に係る半導体検査装置を構成する各構成要素について示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体検査装置について示す構成図である。 本発明の第3の変形例に係る半導体検査装置について示す構成図である。 (a) および(b) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体検査装置について示す構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体検査装置を用いて、ウェハ状態の半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法のフローチャートである。
符号の説明
1,2,3,4,5 半導体検査装置
101 配線基板
101a 基材
101b 導体パターン
101c 接触端子
101d 層間絶縁層
101e 外部接続端子
101f 排気用配管
102 異方導電性コネクター
102a 弾性シート
102b 導電部
103 電極シート
103a 基材
103b 上部電極
103c 突起電極
103d 貫通電極
103e 貫通孔
103f 接着層
103g 剛性リング
103h 気密用接着層
104 ウェハ保持具
104a 基材
104b 吸着溝
104c 排気用配管
104d 導入用配管
104e シールリング
10 半導体ウェハ
10a 半導体チップ
10b 電極端子
S1 空間部(第1の空間部)
S2 空間部(第2の空間部)
108 排気部
109 排気部
110 ガス導入部
111 ガスボンベ
112 酸化性ガス発生器
113 制御回路
114 フレキシブル配線基板
115 制御部
201 配線基板
201a 基材
201g 孔
205a ねじ
205 ガイドリング
303 電極シート
304 ウェハ保持具
304f 排気用配管
306 配管
507 紫外線照射部
507a 透明基板
507b 紫外線発生部
507c 紫外線
507d 排気用配管
S3 空間部

Claims (21)

  1. 配線基板を載置する保持具と、
    前記保持具上に載置された前記配線基板上に配置された複数のトランジスタの電極端子と、前記配線基板に通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するためのコンタクタ用配線基板を含み構成されるコンタクタと、
    前記配線基板が載置された前記保持具と、前記コンタクタの前記コンタクタ用配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、
    前記空間部にガスを導入するガス導入部と、を備えたことを特徴とする通電負荷装置。
  2. 半導体ウェハを載置するウェハ保持具と、
    前記ウェハ保持具上に載置された前記半導体ウェハ上に配置された複数の半導体チップの電極端子と、前記半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板を含み構成されるコンタクタと、
    前記半導体ウェハが載置された前記ウェハ保持具と、前記コンタクタの前記配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、
    前記空間部にガスを導入するガス導入部と、を備えたことを特徴とする半導体検査装置。
  3. 前記コンタクタは、可撓性を有する電極シートおよび可撓性を有するコネクターをさらに含み構成されたことを特徴とする請求項2に記載の半導体検査装置。
  4. 複数の前記半導体チップを加熱状態で通電負荷試験を行う期間中、前記空間部にガス導入すると共に前記空間部を減圧状態に保持する制御部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の半導体検査装置。
  5. 前記コンタクタの前記電極シートは、前記半導体チップの前記電極端子に対応して設けた突起電極と、前記突起電極が形成された面と相対する面上に前記突起電極に対応して配置した上部電極と、前記上部電極と前記突起電極とを接続する貫通導体とを備えて構成され、
    前記コンタクタの前記配線基板は、前記電極シートの上方に配置され、前記電極シートの前記上部電極に電気的に接続する接触端子と、前記制御回路からの通電負荷信号を前記接触端子まで導通するための導体パターンとにより構成され、
    前記排気部により前記空間部が減圧されることにより、前記電極シートの前記上部電極と前記配線基板の前記接触端子とが前記コネクターを介して電気的に接続されると共に、前記半導体チップの前記電極端子と前記電極シートの前記突起電極とが電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の半導体検査装置。
  6. 前記電極シートは、前記半導体ウェハに対向する領域の外周領域に、前記コネクターの表面と実質的に同じ面にその表面が位置する気密用接着層がリング状に形成され、前記気密用接着層により前記配線基板に気密状態で接着されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体検査装置。
  7. 前記ガス導入部から延在された導入用配管は、その開口端が前記空間部のうち前記半導体ウェハ表面に近接した空間領域と連通するように設けられ、
    前記排気部に接続された排気用配管は、その開口端が前記空間部のうち前記コネクター表面に近接した空間領域と連通するように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の半導体検査装置。
  8. 前記空間部は、前記電極シートと前記配線基板とで形成される第1の空間部、および前記電極シートと前記ウェハ保持具とで形成される第2の空間部により構成され、
    前記第1の空間部と前記第2の空間部とは、前記電極シートのうち前記半導体ウェハに対向する領域から外れた領域に設けた貫通孔により接続されており、
    前記導入用配管は前記第2の空間部側に設けられ、前記排気用配管は前記第1の空間部側に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の半導体検査装置。
  9. 前記貫通孔は、前記電極シートの中心点に対して前記導入用配管とは反対側の領域に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の半導体検査装置。
  10. 前記ガス導入部は、表面改質ガスと、非酸化性ガスとを導入するための分岐機構をさらに有することを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
  11. 前記表面改質ガスは、オゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を含み、
    前記非酸化性ガスは、アルゴンを含む不活性ガス又は窒素ガスを含むことを特徴とする請求項10に記載の半導体検査装置。
  12. 前記空間部は、前記電極シートと前記配線基板とで形成される第1の空間部、および前記電極シートと前記ウェハ保持具とで形成される第2の空間部により構成され、
    前記第1の空間部側には、前記排気部に接続する排気用配管が設けられ、
    前記第2の空間部側には、前記排気部に接続する排気用配管が設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項5に記載の半導体検査装置。
  13. 前記排気部と前記第1の空間部側に設けた前記排気用配管との間に、U字形状又はミアンダ形状の配管がさらに設けられていることを特徴とする請求項8又は請求項12に記載の半導体検査装置。
  14. 前記配管を冷却する冷却機構がさらに設けられていることを特徴とする請求項13に記載の半導体検査装置。
  15. 半導体ウェハを載置するウェハ保持具と、
    前記ウェハ保持具上に載置された前記半導体ウェハの半導体チップの電極端子と前記半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板、可撓性を有する電極シート、および可撓性を有するコネクターを含み構成されるコンタクタと、
    前記半導体ウェハが載置された前記ウェハ保持具と前記コンタクタの前記配線基板とで形成される空間部を減圧する排気部と、
    前記空間部にガスを導入するガス導入部と、
    前記半導体ウェハ表面に紫外線を照射するための紫外線照射部、又は前記半導体ウェハ表面をプラズマ処理するためのプラズマ処理部を備えたことを特徴とする半導体検査装置。
  16. 前記コンタクタの前記電極シートは、前記半導体チップの前記電極端子に対応して設けた突起電極と、前記突起電極が形成された面と相対する面上に前記突起電極に対応して配置した上部電極と、前記上部電極と前記突起電極とを接続する貫通導体とを備えて構成され、
    前記コンタクタの前記配線基板は、前記電極シートの上方に配置され、前記電極シートの前記上部電極に電気的に接続する接触端子と、前記制御回路からの通電負荷信号を前記接触端子まで導通するための導体パターンとにより構成され、
    前記排気部により前記空間部が減圧されることにより、前記電極シートの前記上部電極と前記配線基板の前記接触端子とが前記コネクターを介して電気的に接続されると共に、前記半導体チップの前記電極端子と前記電極シートの前記突起電極とが電気的に接続されることを特徴とする請求項15に記載の半導体検査装置。
  17. 半導体チップの初期故障を取り除くために、前記半導体チップの電極端子と前記半導体チップに通電負荷を与えるための制御回路とを電気的に接続するための配線基板、可撓性を有する電極シート、および可撓性を有するコネクターを含み構成されるコンタクタを用いて、前記半導体チップのバーンイン試験を行う半導体検査方法であって、
    表面に複数の前記半導体チップが配列されてなる半導体ウェハをウェハ保持具に載置する工程(a)と、
    前記半導体チップの電極端子と前記電極シートの突起電極とを位置合わせする工程(b)と、
    前記半導体ウェハが載置された前記ウェハ保持具と前記コンタクタの前記配線基板とで形成される空間部を減圧して、前記電極端子と前記突起電極および前記配線基板の接触端子と前記電極シートの上部電極とを電気的に接続する工程(c)と、
    前記半導体ウェハを加熱しながら、複数の前記半導体チップのそれぞれに対して通電負荷試験を行う工程(d)とを備え、
    前記工程(d)は、前記空間部に非酸化性ガスを導入しながら前記空間部を減圧することにより、前記空間部に導入された前記非酸化性ガスを外部へ排気しながら行うことを特徴とする半導体検査方法。
  18. 前記工程(d)は、前記非酸化性ガスを、前記空間部のうち前記半導体ウェハ表面に近接した空間領域に導入し、前記空間部のうち前記コネクター表面に近接した空間領域から排気することを特徴とする請求項17に記載の半導体検査方法。
  19. 前記工程(d)の後に、前記非酸化性ガスに代えて、オゾンガスを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方を前記空間部に導入することを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の半導体検査方法。
  20. 半導体ウェハをウェハ保持具に載置する工程(a)と、
    前記半導体ウェハに配列された複数の半導体チップの電極端子と電極シートの突起電極とを位置合わせする工程(b)と、
    前記半導体ウェハが載置された前記ウェハ保持具とコンタクタの配線基板とで形成される空間部を減圧して、前記電極端子と前記突起電極および前記配線基板の接触端子と前記電極シートの上部電極とを電気的に接続する工程(c)と、
    前記半導体ウェハを加熱しながら、複数の前記半導体チップのそれぞれに対して通電負荷試験を行う工程(d)と、
    前記工程(d)の後に、前記半導体ウェハの表面に付着した有機物の除去および前記有機物の親水化処理の少なくとも一方を行う工程(e)とを備えたことを特徴とする半導体検査方法。
  21. 前記工程(e)は、
    オゾンを含む酸化性ガスおよび酸素ラジカルを含む酸化性ガスの少なくとも一方に前記半導体ウェハ表面を曝す工程、
    酸素ガスを導入しながら前記半導体ウェハ表面をプラズマ処理する工程、又は
    酸素ガス若しくはオゾンを含む酸化性ガスを導入しながら前記ウェハ表面に紫外線を照射する工程であることを特徴とする請求項20に記載の半導体検査方法。
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