JP2009064798A - データ収集装置、データ収集方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホストコンピュータが行う生産管理に支障を生じることなく、半導体製造装置についての必要なプロセスデータを収集すること。
【解決手段】製造装置が出力すべきイベントおよび変数の項目を設定する設定情報(第1の情報)をホストコンピュータから受け取り、収集すべきプロセスデータのトリガとなるイベントおよび変数の項目を設定する設定情報(第2の情報)に含まれるイベントおよび変数の項目と、第1の情報に含まれる変数の項目とを突き合わせ、不足する変数およびイベントの項目を追加項目として情報生成し、追加のイベントおよび変数を含むメッセージを出力するように製造装置を設定する設定情報(第3の情報)を、追加項目に基づき生成して製造装置に送信し、製造装置がホストコンピュータへ向けて出力した送信内容を先取りし、第1の情報のみに対応する送信内容に改変してホストコンピュータに出力する。
【選択図】図2
【解決手段】製造装置が出力すべきイベントおよび変数の項目を設定する設定情報(第1の情報)をホストコンピュータから受け取り、収集すべきプロセスデータのトリガとなるイベントおよび変数の項目を設定する設定情報(第2の情報)に含まれるイベントおよび変数の項目と、第1の情報に含まれる変数の項目とを突き合わせ、不足する変数およびイベントの項目を追加項目として情報生成し、追加のイベントおよび変数を含むメッセージを出力するように製造装置を設定する設定情報(第3の情報)を、追加項目に基づき生成して製造装置に送信し、製造装置がホストコンピュータへ向けて出力した送信内容を先取りし、第1の情報のみに対応する送信内容に改変してホストコンピュータに出力する。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体製造装置のプロセスデータを収集するためのデータ収集装置およびデータ収集方法に係り、特に、半導体製造装置がこれを管理するホストコンピュータに接続されて運用される場合に好適なデータ収集装置およびデータ収集方法に関する。
今日、半導体生産の分野においては、種々の半導体製造装置がこれを管理するためのホストコンピュータに接続され使用されている。ホストコンピュータは、例えば、半導体製造装置におけるロット処理の進捗状況を把握、管理し、これにより半導体生産の全体を統括している。半導体製造装置とホストコンピュータとの間の通信には、例えばSECS(semiconductor equipment communication standard)通信による標準化された通信方法が一般的に用いられている。
このような半導体生産システムにおいて、ホストコンピュータは、あらかじめ半導体製造装置に対して、半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力すべき、進捗状況把握に必要なイベント項目およびこれにリンクする変数項目を設定する設定情報を、上記通信方法に則り送信する。半導体製造装置は、この設定情報に基づいて、該当するイベントおよびこれにリンクする変数をホストコンピュータに向けて上記通信方法に則り出力する。これにより、ホストコンピュータは半導体の生産管理に関して必要な処理を行うことができる。
一方、データ収集装置は、半導体製造装置のプロセス性能や健常性を監視する目的で設けられるもので、ホストコンピュータが必要とする上記のイベントや変数とは異なる情報を一般的には必要とする。そこで、ホストコンピュータが、半導体製造装置との上記通信手段を利用して、データ収集装置が必要とする情報を含めて半導体製造装置から得るようにしてもよい。しかしながら、その場合にはホストコンピュータに集約される情報の量が膨大になり、ホストコンピュータが本来の任務とする生産管理に支障が発生する恐れがある。特に、今日の大規模な半導体生産システムではこの傾向は顕著になる。
なお、半導体製造装置がこれを管理するホストコンピュータに接続されたシステムにおいて使用されるデータ収集装置の従来例には、下記特開2006−93641号公報に開示のものがある。このデータ収集装置が適用されるシステムでは、半導体製造装置からホストコンピュータに向けてSECS通信で出力される情報が膨大になり得ること、およびそれに対する処置について開示するところはない。
特開2006−93641号公報
本発明は、半導体製造装置がこれを管理するホストコンピュータに接続されたシステムにおいて使用されるデータ収集装置およびデータ処理方法において、ホストコンピュータの本来の任務である生産管理に支障を生じることなく、半導体製造装置についての必要なプロセスデータを収集することが可能なデータ収集装置およびデータ処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様であるデータ収集装置は、半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第1の情報として、該第1の情報を前記ホストコンピュータが前記半導体製造装置に送信するときに、前記ホストコンピュータから受け取る手段と、前記半導体製造装置について収集すべきプロセスデータの項目ならびに該プロセスデータを収集するためのトリガとなるイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第2の情報として、該第2の情報を保持する手段と、前記第2の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目と、前記第1の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目とを突き合わせる手段と、前記第2の情報に含まれる前記イベントの項目および前記変数の項目であって前記第1の情報に対応するものがない該イベントの項目および該変数の項目を、イベントの追加項目および変数の追加項目として情報生成する手段と、前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目を含むメッセージを前記半導体製造装置が出力するように前記半導体製造装置を設定する設定情報を第3の情報として、該第3の情報を前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目に基づき生成する手段と、前記第3の情報を前記半導体製造装置に送信する手段と、前記半導体製造装置が前記ホストコンピュータへ向けて出力した送信内容を先取りする手段と、前記送信内容に、前記第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれるか否か判断する手段と、前記送信内容を、前記第1の情報のみに対応する送信内容に改変して改変メッセージを生成する手段と、前記改変メッセージを前記ホストコンピュータに向けて出力する手段とを具備する。
また、本発明の別の態様であるデータ収集方法は、半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第1の情報として、該第1の情報を前記ホストコンピュータが前記半導体製造装置に送信するときに、前記ホストコンピュータから受け取り、前記半導体製造装置について収集すべきプロセスデータの項目ならびに該プロセスデータを収集するためのトリガとなるイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第2の情報として、該第2の情報を保持し、前記第2の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目と、前記第1の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目とを突き合わせ、前記第2の情報に含まれる前記イベントの項目および前記変数の項目であって前記第1の情報に対応するものがない該イベントの項目および該変数の項目を、イベントの追加項目および変数の追加項目として情報生成し、前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目を含むメッセージを前記半導体製造装置が出力するように前記半導体製造装置を設定する設定情報を第3の情報として、該第3の情報を前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目に基づき生成し、前記第3の情報を前記半導体製造装置に送信し、前記半導体製造装置が前記ホストコンピュータへ向けて出力した送信内容を先取りし、前記送信内容に、前記第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれるか否か判断し、前記送信内容を、前記第1の情報のみに対応する送信内容に改変して改変メッセージを生成し、前記改変メッセージを前記ホストコンピュータに向けて出力する。
本発明によれば、半導体製造装置がこれを管理するホストコンピュータに接続されたシステムにおいて使用されるデータ収集装置およびデータ処理方法において、ホストコンピュータの本来の任務である生産管理に支障を生じることなく、半導体製造装置についての必要なプロセスデータを収集することができる。
本発明の一態様に係るデータ収集装置およびデータ収集方法では、半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報(=第1の情報)を、ホストコンピュータから受け取る。また、半導体製造装置について収集すべきプロセスデータの項目ならびに該プロセスデータを収集するためトリガとなるイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報(=第2の情報)を保持しておく。そして、第2の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目と、第1の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目とを突き合わせ、不足するイベントの項目および変数の項目を、イベントの追加項目および変数の追加項目として、情報生成する。
さらに、イベントの追加項目および変数の追加項目を含むメッセージを半導体製造装置が出力するように半導体製造装置を設定する設定情報(=第3の情報)を、上記追加項目に基づき生成し半導体製造装置に送信する。半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力した送信内容は先取りされ、この送信内容に第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれるか否かが判断される。そして、この送信内容は、第1の情報のみに対応する送信内容に改変され、ホストコンピュータに向けて出力される。
したがって、ホストコンピュータは、半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報である第1の情報に基づいたメッセージのみを受信する。よって、ホストコンピュータの本来の任務に支障を生じることはない。一方、データ収集においては、第2の情報が反映した第3の情報が半導体製造装置に送信されているため、これに基づき、半導体製造装置について必要なプロセスデータを収集することができる。
実施態様としては、前記送信内容に、前記第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれる場合に、前記収集すべきプロセスデータの項目に対応のプロセスデータを出力するように前記半導体製造装置に要求する要求メッセージを前記半導体製造装置に送信する手段をさらに具備する、としてもよい。これは例えばプロセスデータを経時的に得る必要がある場合に向く態様である。
ここで、前記要求メッセージに基づいて前記半導体製造装置が出力する前記プロセスデータを蓄積する手段をさらに具備する、としてもよい。蓄積することにより、プロセスデータ解析システムが外部に用意されている場合に、外部との通信負荷に制限がある場合に容易に対応できる。また、プロセスデータ解析システムがデータ収集装置とは別に外部にある場合には、前記第2の情報に相当する情報を情報源から受け入れる手段と、前記周期ごとのプロセスデータを前記情報源に送り出す手段とをさらに具備する、とすることができる。
なお、データ収集装置が有する各手段は、例えば、マイクロプロセッサやメモリ、ハードディスク、インターフェースなどのハードウエアと、これらのハードウエア上で動作するオペレーティングシステム(OS)とこのOS上で動作するアプリケーションプログラムとによるソフトウエアとで構成することが可能である。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデータ収集装置が適用されたシステムの構成を示している。このシステムは、種々の半導体製造装置30がこれを管理するためのホストコンピュータ20に接続され運用されていることが前提になる。これら間の相互の通信は、業界において事実上標準になっているSECS(semiconductor equipment communication standard)通信に基づいている。この通信のため、半導体製造装置30には、専用の通信ポートが実装されている。
データ収集装置10は、ホストコンピュータ20と半導体製造装置30との間のオンラインのSECS通信を利用できるように、これらの間に位置して設けられている。このような位置に設けられることで、データ収集装置10は以下のことができる。まず、ホストコンピュータ20が半導体製造装置30に送信するメッセージを受け取るとともに、そのまま通過させて半導体製造装置30に送り出すことができる。また、ホストコンピュータ20に代わって半導体製造装置30にメッセージを送信することができる。さらに、半導体製造装置30が出力するメッセージを受け取るとともに、場合により、これを改変してまたは改変せずにホストコンピュータ20に送り出すことができる。加えて、半導体製造装置30が出力するメッセージのうち必要なものをプロセスデータ解析システム40に送信することができる。
プロセスデータ解析システム40は、データ収集装置10を介して、半導体製造装置30についての必要なプロセスデータを取得して解析し、プロセス性能や健常性を監視するものである。一般的には、ユーザが対話的に所定の設定や確認を行うための端末が含まれていて、このような設定を行うに際し、データ収集装置10に対する情報源となる。プロセスデータ解析システム40は、データ収集装置10と一体的に構成されていてもよい。一体的でない場合のプロセスデータ解析システム40とデータ収集装置10との間の相互通信には、TCP/IPによるイントラネットなど周知のネットワークを活用できる。
ホストコンピュータ20は、半導体製造装置30との間の所定のメッセージの相互通信により、半導体製造装置30におけるロット処理などの進捗状況の把握、管理を行うものである。これにより半導体生産の全体を統括している。半導体製造装置30は、半導体装置を製造するための各種の装置、例えば、拡散炉、レジスト塗布・現像装置などである。
次に、図1中に示したデータ収集装置10の動作について、図2、図3に示す流れ図をも参照して説明する。図2、図3は、図1中に示したデータ収集装置10の動作フローを示している。
まず、ホストコンピュータ20が半導体製造装置30に向けてある種の設定を行うためメッセージを発するので、これをデータ収集装置10もオンラインで受け取り(ステップ51)、保持しておく。このメッセージは、半導体製造装置30がホストコンピュータ20に向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報(第1の情報)である。
イベントとは、例えば、ロット処理開始や終了、ウエハ処理開始や終了などの各種の事象である。必要な変数とは、そのイベントに付帯して関連するウエハID、ロットID、レシピ名、ステップ番号などである。このような変数の項目をイベントに付帯して設定することで、ホストコンピュータ20は、イベントの発生のみならず、それがどのロットに関するものかなどさらに詳細な情報を半導体製造装置30から得ることができる。ただし、半導体製造装置30内で発生するイベントは一般に膨大であるため、ホストコンピュータ20は、ロット処理などの進捗など半導体生産の管理に必要なイベントおよび関連する変数のみを半導体製造装置30が出力するように、設定情報を送信する。
図4は、図1中に示したホストコンピュータ20が半導体製造装置30に送信する、上記の設定情報の構成例を示している。図4(a)は、SECS通信におけるS2F33のメッセージの構造である。このメッセージでは、変数の識別符号VID(・)およびその一定のまとまりとしての識別符号RPTID(・)を定義している(「V」=variable、「RPT」=report)。図4(b)は、SECS通信におけるS2F35のメッセージの構造である。このメッセージでは、識別符号RPTID(・)がリンクされるべきイベントの識別符号CEID(・)が、そのCEID(・)ごとに定義される(「CE」=collection event)。図4(c)は、SECS通信におけるS2F37通信のメッセージの構造である。このメッセージでは、有効とされる、すなわち出力されるべきイベントの項目がその識別符号CEID(・)で定義される。
半導体製造装置30は、これらのS2F33、S2F35、S2F37の各メッセージをホストコンピュータ20から受け取り、ホストコンピュータ20に向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を、一応、設定されることになる。ただし、本実施形態では、ホストコンピュータ20からの設定情報のみで半導体製造装置30が設定されるのではなく、以下述べるように、データ収集装置10からの設定情報によっても半導体製造装置30は設定される。
なお、半導体製造装置30がホストコンピュータ20に向けて出力するイベントおよびこれに付帯する必要な変数を伴うメッセージ(そのひとつとして例えばイベント識別符号がCEID(1)のもの)は、S2F33、S2F35、S2F37の各メッセージに対応して図5に示すような構成になる。図5は、図1中に示した半導体製造装置30がホストコンピュータ20に向けて出力するメッセージ(S6F11メッセージ)の構成例を示している。
図2に戻り、次に、データ収集装置10は、プロセスデータ解析システム40から、半導体製造装置30に関する所望のプロセスデータを収集するため必要な情報(データ収集プラン;第2の情報)を受け取り、これを保持する(ステップ52)。この情報は、より具体的には、収集すべきプロセスデータの項目ならびにこのプロセスデータを収集するためのトリガとなるイベントの項目およびこのイベントに付帯する必要な変数の項目を、データ収集装置10に設定または要求するための情報である。
図6は、このような情報の具体的構成例を示している。図6(a)に示すように、この例では、データ収集開始トリガとして、イベント識別符号CEID(2001)を定義し(この識別符号は例えばレシピ実行開始を意味する)、データ収集終了トリガとしてイベント識別符号CEID(2002)を定義している(この識別符号は例えばレシピ実行終了を意味する)。イベント識別符号には、必要なRPTIDおよびVIDもリンクして定義されている。これは、処理チャンバやレシピ(=VID)ごとに収集したいデータや時間的なデータ収集区間が異なるためである。
また、図6(b)に示すように、データ収集装置10は、データ収集プランの一部として、収集すべきプロセスデータの項目を示す識別符号VID(・)とその収集する周期を示す情報も、プロセスデータ解析システム40から受け取り、保持しておく。この情報は、データ収集開始終了トリガの間で収集されるべきプロセスデータの項目およびその収集する周期を示している。
次に、データ収集装置10は、上記第2の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目と、上記第1の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目とを突き合わせる(ステップ53)。より具体的には、例えば、第2の情報に含まれるイベントがすべて第1の情報にも定義があるのか、さらにイベントとして第1の情報に定義があるとしてもそのリンクする変数も第2の情報に相当して定義があるのかを見極める。
上記突き合せの結果、第1の情報に不足するイベントの項目および変数の項目がある場合には(ステップ54のY)、不足するイベントの項目および変数の項目に対応して、イベントの追加項目および変数の追加項目を情報生成する(ステップ55)。この情報生成では、あるイベントとそのリンクする変数とがまるまる追加項目となる場合と、既存のイベントについてある変数の項目が追加項目となる場合とがある。続いて、追加項目を含むメッセージを半導体製造装置30が出力するように設定する設定情報(第3の情報)を、情報生成された上記の追加項目に基づき生成する(ステップ56)。この第3の情報は、データ収集装置10から半導体製造装置30に送信される(同ステップ)。
第3の情報の半導体製造装置30への送信も、送信フォーマットとして、すでに説明したS2F33、S2F35、S2F37の各メッセージとすることができる。半導体製造装置30においては、これらのメッセージにより、自身が出力すべきイベントの項目およびこのイベントに付帯する必要な項目を設定する設定情報が、ホストコンピュータ20から設定のため送信されたものとは一部異なったものとなる。
なお、上記突き合せの結果、第1の情報に不足するイベントの項目および変数の項目がない場合には(ステップ54のN)、ステップ55、56はパスされる。この場合には、ホストコンピュータ20が半導体製造装置30を先に設定した設定情報のままで、所望のプロセスデータを収集することに支障がない。
以上により、半導体製造装置30は、ホストコンピュータ20にとっては半導体生産の管理に必要な報告を受けるための設定がなされ、データ収集装置10にとっては所望のプロセスデータの出力を受けるための前提となる設定がなされたことになる。
次に、半導体製造装置30が、以上のような設定がされた状態下で、ホストコンピュータ20に向けてイベントおよびその付帯する変数の出力を行った場合について説明する。このような出力は、すでに述べたように、例えば、S6F11のメッセージ(図5を参照)でなされる。この送信内容は、本来、SECS通信による半導体製造装置30からホストコンピュータ20に向けてのものであるが、本実施形態では、データ収集装置10に先取りされ(ステップ57)、次に述べるように条件により、そのままホストコンピュータ20に出力される場合と、一定の改変を受けてホストコンピュータ20に出力される場合とがある。
すなわち、データ収集装置10において、先取りされた内容に第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれるか判断される(ステップ58)。これがない場合には(ステップ58のN)、先取りされた通信内容はそのままデータ収集装置10からホストコンピュータ20に送られる(ステップ59)。この場合は、先取りされた通信内容は、収集すべき所望のプロセスデータに関連しないイベントに関するものである。そして、半導体製造装置30の次の出力を待って対応する(ステップ59からステップ57)。
データ収集装置10において、先取りされた内容に第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれる場合には(ステップ58のY)、まず、この通信内容を、第1の情報のみに対応するメッセージに改変してS6F11の形式でホストコンピュータ20に向けて出力する(ステップ60;ただし当然ながら第1の情報に対応する内容がまったくない場合はここでは何もしない)。この出力より、ホストコンピュータ20では、自身が半導体製造装置30を設定した設定情報に対応するイベントおよび変数の情報のみが得られる。よって、ホストコンピュータ20において生産管理に不要な情報の集約はなく、その本来の任務である生産管理に支障を生じる恐れがなくなる。
なお、先取りされた内容がデータ収集(次に述べる)の停止トリガに相当のイベント発生に関している場合には、データ収集装置10は、半導体製造装置30からの次の出力を待って新たに対応する(ステップ61のYからステップ57)。これは、開始されていたプロセスデータの収集をここで終了すべきことを示しているからである。
先取りされた内容がデータ収集の停止トリガに相当のイベント発生に関していない場合には(ステップ61のN)、データ収集装置10は、次に、データ収集プランの一部として保持されている収集すべきプロセスデータの項目およびその収集周期の情報(図6(b)を参照)に従って、半導体製造装置30に向けて、対応する情報の出力を要求するメッセージを送信する(ステップ63)。この送信には、SECS通信では、S1F3メッセージを用いることができる。
なお、上記ステップ63の前に、実際はステップ62として次の動作が行われる。これは、上記ステップ63により半導体製造装置30にすでにS1F3メッセージが届いており、次にこれに反応して半導体製造装置30がステップ57でメッセージを発した場合かもしれないからである。すなわち、ステップ63の処理で半導体製造装置30にS1F3メッセージが届くと、半導体製造装置30はこのメッセージに従うプロセスデータを、SECS通信のS1F4メッセージで出力するので、これをデータ収集装置10が受信し(ステップ57)、さらに、処理としてはステップ58、60、61を図示下に抜けて再びステップ62に至る。
ステップ62では、収集周期ごとのプロセスデータを経時的に蓄積メモリ(不図示)に蓄積することになる。蓄積されたプロセスデータは、データ収集装置10からプロセスデータ解析システム40に送られる。データ収集装置10にプロセスデータを蓄積するメモリが設けられている場合、データ収集装置10とプロセスデータ解析システム40との間の通信負荷量が限られている場合にも円滑なデータ収集ができる。データ収集装置10は、さらに、半導体製造装置30の次の出力を待って対応する(ステップ62からステップ57)。
ステップ57、58、60、61、62、63からなるループについて補足すると、このループは、S1F3メッセージがひとつ発せられこれに対応して半導体製造装置からS1F4のメッセージがひとつ出力されるごとに1周する。したがって、これに応じて、ステップ58での判断は、第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれるか否かに加えて、第2の情報に対応するプロセスデータが含まれるか否かが判断の対象になっている。
以上、実施形態の動作を説明したが、この実施形態によれば、プロセスデータ収集のためデータ収集装置10およびプロセスデータ解析システム40の都合で半導体製造装置30に設定する必要がある設定情報は、ホストコンピュータ20が用いられることなくデータ収集装置10によって設定される。したがって、ホストコンピュータ20と半導体製造装置30との接続関係に何ら影響を与えることはなく、それら間のオンライン状態が維持される。したがって、半導体生産の効率を低下させることがない。
さらに、半導体生産の効率の低下を心配することなく、データ解析に必要なプロセスデータ収集するための設定やその変更を容易に行うことができる。よって、例えば、半導体製造装置30自体やそこでのプロセスの異常を早期に検知することが可能になるなど大きな利点がある。
上記の実施形態の変形例としては、ステップ63で半導体製造装置30に送信する要求メッセージに代えて、第3の情報とともにステップ56において半導体製造装置30に要求メッセージをあらかじめ送信しておくようにすることもできる。収集すべきプロセスデータのデータ量があまり大きくない場合にはこれでも十分実用になる。
10…データ収集装置、20…ホストコンピュータ、30…半導体製造装置、40…プロセスデータ解析システム。
Claims (5)
- 半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第1の情報として、該第1の情報を前記ホストコンピュータが前記半導体製造装置に送信するときに、前記ホストコンピュータから受け取る手段と、
前記半導体製造装置について収集すべきプロセスデータの項目ならびに該プロセスデータを収集するためのトリガとなるイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第2の情報として、該第2の情報を保持する手段と、
前記第2の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目と、前記第1の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目とを突き合わせる手段と、
前記第2の情報に含まれる前記イベントの項目および前記変数の項目であって前記第1の情報に対応するものがない該イベントの項目および該変数の項目を、イベントの追加項目および変数の追加項目として情報生成する手段と、
前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目を含むメッセージを前記半導体製造装置が出力するように前記半導体製造装置を設定する設定情報を第3の情報として、該第3の情報を前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目に基づき生成する手段と、
前記第3の情報を前記半導体製造装置に送信する手段と、
前記半導体製造装置が前記ホストコンピュータへ向けて出力した送信内容を先取りする手段と、
前記送信内容に、前記第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれるか否か判断する手段と、
前記送信内容を、前記第1の情報のみに対応する送信内容に改変して改変メッセージを生成する手段と、
前記改変メッセージを前記ホストコンピュータに向けて出力する手段と
を具備することを特徴とするデータ収集装置。 - 前記送信内容に、前記第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれる場合に、前記収集すべきプロセスデータの項目に対応のプロセスデータを出力するように前記半導体製造装置に要求する要求メッセージを前記半導体製造装置に送信する手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のデータ収集装置。
- 前記要求メッセージに基づいて前記半導体製造装置が出力する前記プロセスデータを蓄積する手段をさらに具備することを特徴とする請求項2記載のデータ収集装置。
- 前記第2の情報に相当する情報を情報源から受け入れる手段と、
前記周期ごとの前記プロセスデータを前記情報源に送り出す手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項3記載のデータ収集装置。 - 半導体製造装置がホストコンピュータへ向けて出力すべきイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第1の情報として、該第1の情報を前記ホストコンピュータが前記半導体製造装置に送信するときに、前記ホストコンピュータから受け取り、
前記半導体製造装置について収集すべきプロセスデータの項目ならびに該プロセスデータを収集するためのトリガとなるイベントの項目および該イベントに付帯する必要な変数の項目を設定する設定情報を第2の情報として、該第2の情報を保持し、
前記第2の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目と、前記第1の情報に含まれるイベントの項目および変数の項目とを突き合わせ、
前記第2の情報に含まれる前記イベントの項目および前記変数の項目であって前記第1の情報に対応するものがない該イベントの項目および該変数の項目を、イベントの追加項目および変数の追加項目として情報生成し、
前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目を含むメッセージを前記半導体製造装置が出力するように前記半導体製造装置を設定する設定情報を第3の情報として、該第3の情報を前記イベントの前記追加項目および前記変数の前記追加項目に基づき生成し、
前記第3の情報を前記半導体製造装置に送信し、
前記半導体製造装置が前記ホストコンピュータへ向けて出力した送信内容を先取りし、
前記送信内容に、前記第2の情報に対応するイベントの項目および変数の項目が含まれるか否か判断し、
前記送信内容を、前記第1の情報のみに対応する送信内容に改変して改変メッセージを生成し、
前記改変メッセージを前記ホストコンピュータに向けて出力すること
を特徴とするデータ収集方法。
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