JP2009064658A - 加熱部材及びこの加熱部材を有する像加熱装置 - Google Patents

加熱部材及びこの加熱部材を有する像加熱装置 Download PDF

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Hiroyuki Sakakibara
啓之 榊原
Daizo Fukuzawa
大三 福沢
Hiroaki Sakai
宏明 酒井
Atsutoshi Ando
温敏 安藤
Atsushi Iwasaki
岩崎  敦志
Satoru Taniguchi
悟 谷口
Takashi Narahara
隆史 楢原
Hisashi Nakahara
久司 中原
Shin Fukatsu
慎 深津
Yuko Sekihara
祐子 関原
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Abstract

【課題】記録材が通過しない領域の過昇温を低減でき、電極の昇温を抑えることのできる加熱部材の提供。
【解決手段】通電により発熱する発熱材料部分22aと通電により発熱しない非発熱材料部分22b,22cとを一体に具備する細長い基板22pと、前記基板の発熱材料部分に給電するための電極22d,22eと、を有する加熱部材22であって、前記基板の長手方向において前記発熱材料部分の端部に前記非発熱材料部分を有し、前記非発熱材料部分に前記電極を有することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する加熱定着装置(定着器)に用いれば好適な加熱部材、及びこの加熱部材を有する像加熱装置に関する。
電子写真式のプリンタや複写機に搭載する像加熱装置(定着器)として、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有するヒータ、このヒータに接触しつつ移動する可撓性部材、可撓性部材を介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラを有するものがある。特許文献1にはこのタイプの定着装置が記載されている。未定着トナー像を担持する記録材は定着器のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー像は記録材に加熱定着される。この定着器は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。従って、この定着器を搭載するプリンタは、プリント指令の入力後、1枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:First Print Out Time)を短くできる。またこのタイプの定着器は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
ところで、可撓性部材を用いた定着器を搭載するプリンタで小サイズの記録材を大サイズの記録材と同じプリント間隔で連続プリントすると、ヒータの記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温することが知られている。ヒータの非通紙領域が過昇温すると、ヒータを保持するホルダや加圧ローラが熱により損傷する場合がある。
そこで、可撓性部材を用いた定着器を搭載するプリンタは、小サイズの記録材に連続プリントする場合、大サイズの記録材に連続プリントする場合よりもプリント間隔を広げる制御を行いヒータの非通紙領域の過昇温を抑えている。
しかしながら、プリント間隔を広げる制御は単位時間当りの出力枚数を減らすものであり、単位時間当りの出力枚数を大サイズの記録材の場合と同等或いは若干少ない程度に抑えることが望まれる。
そこで、上述した定着器に用いるヒータとして、温度が上昇するほど抵抗値が下がる特性(NTC=Negative Temperature Coefficient)のものを用いることも考えられている。特許文献2には、通電発熱体として炭化ケイ素(SiC)を主成分とする半円状のロッド部材を用い、この部材の長手方向両端部に金属成形体の給電電極を取り付けるという方法が開示されている。これは、常温から約800℃の温度領域では炭化ケイ素の負の抵抗温度特性(NTC特性)を利用し、非通紙領域が過昇温する非通紙部昇温を抑制するというものである。
特開昭63−313182号公報 特開平06−019347号公報
本発明は上記従来技術を更に発展させたものである。そこで、本発明の目的は、記録材が通過しない領域の過昇温を低減でき、電極部の昇温を抑えることのできる加熱部材、及びその加熱部材を有する像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するための構成は、通電により発熱する発熱材料部分と通電により発熱しない非発熱材料部分とを一体に具備する細長い基板と、前記基板の発熱材料部分に給電するための電極と、を有する加熱部材であって、
前記基板の長手方向において前記発熱材料部分の端部に前記非発熱材料部分を有し、前記非発熱材料部分に前記電極を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するための構成は、加熱部材と、前記加熱部材と接触しつつ移動する可撓性部材と、前記可撓性部材を挟んで前記加熱部材とニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で像を担持する記録材を挟持搬送しつつ像を加熱する像加熱装置において、
前記加熱部材は、通電により発熱する発熱材料部分と通電により発熱しない非発熱材料部分とを一体に具備する細長い基板と、前記基板の発熱材料部分に給電するための電極と、を有する加熱部材であって、前記基板の長手方向において前記発熱材料部分の端部に前記非発熱材料部分を有し、前記非発熱材料部分に前記電極を有することを特徴とする。
本発明によれば、記録材が通過しない領域の過昇温を低減でき、電極部の昇温を抑えることのできる加熱部材、及びその加熱部材を有する像加熱装置を提供できる。
本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例]
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る像加熱装置を加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の概略構成模型図である。この画像形成装置は電子写真式のレーザービームプリンタである。このプリンタの記録材の搬送基準は、記録材の搬送方向と直交する方向(長手方向)における記録材搬送路の中央とその方向における記録材の端部間の中央とを一致させる中央基準である。従ってプリンタは記録材を中央基準で搬送する。
本実施例に示すプリンタは、像担持体として回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1を有する。感光ドラム1は、OPC・アモルファスSe・アモルファスSi等の感光材料層を、アルミニウムやニッケルなどのシリンダ(ドラム)状の導電性基体の外周面に形成した構成から成る。
感光ドラム1は、矢印aの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動され、その回転過程で感光ドラム1の外周面(表面)が帯電手段としての帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。その感光ドラム1表面の一様帯電面に対してレーザービームスキャナ3から出力される、画像情報に応じて変調制御(ON/OFF制御)されたレーザービームによる走査露光Lがなされる。これによって、感光ドラム1表面に目的の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
その潜像が現像手段としての現像装置4によりトナーtを用いることによって現像され可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。
一方、給送ローラ8の駆動により給送カセット9内に積載収納されている記録材Pが一枚づつ繰り出されガイド10・レジストローラ11を有するシートパスを通ってレジストローラ11に搬送される。レジストローラ11は、その記録材Pを感光ドラム1表面と転写ローラ5の外周面(表面)との間の転写ニップ部Tに所定の制御タイミングにて給送する。その記録材Pは転写ニップ部Tで挟持搬送され、その搬送過程において転写ローラ5に印加される転写バイアスによって感光ドラム1表面のトナー画像が順次に記録材Pの面に転写されていく。これによって記録材Pは未定着のトナー画像を担持する。
未定着トナー画像を担持した記録材Pは感光ドラム1表面から順次に分離して転写ニップ部Tから排出され、搬送ガイド12を通じて加熱定着装置6のニップ部Nに導入される。その記録材Pは定着装置6のニップ部Nにより熱と圧力を受けることによってトナー画像が記録材Pの面に加熱定着される。
定着装置6を出た記録材Pは搬送ローラ13・ガイド14・排紙ローラ15を有するシートパスを通って、排出トレイ16にプリントアウトされる。
また、記録材分離後の感光ドラム1表面はクリーニング手段としてのクリーニング装置7により転写残りトナー等の付着汚染物の除去処理を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。
以上が本実施例のプリンタの画像形成動作(プリント動作)である。
本実施例のプリンタは、A4サイズ紙対応のプリンタであって、プリントスピードが50枚/分である。
(2)定着装置6
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材について、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。記録材について、長手幅或いは横幅とは長手方向の寸法である。
図2は定着装置6の一例の横断面構成模型図である。図3は定着装置6の縦断面構成模型図である。図4は定着装置6を記録材導入側から見た図である。この定着装置6は、フィルム加熱方式の定着装置である。
21は長手方向に沿って延びる横長のフィルムガイド部材(ステイ)である。フィルムガイド部材21は横断面略半円弧状の樋型に形成してある。22はフィルムガイド部材21の下面の幅方向中央部に長手方向に沿って形成した溝内に収容保持させた横長の加熱部材(加熱体)である。23は可撓性部材(可撓性スリーブ)である。可撓性部材23は、加熱体22を保持させたフィルムガイド部材21にルーズに外嵌させたエンドレスベルト状(円筒状)の耐熱性フィルムである。
24は加圧部材としての横長の弾性加圧ローラである。弾性加圧ローラ24は、芯金24aと、その芯金24aの外周に設けられている弾性層24bと、その弾性層24bの外周に設けられている離型層24c等を有している。この加圧ローラ24は、フィルム23を挟んで加熱体22の有する表面保護層22hに加圧されている。加圧ローラ24の加熱体22への加圧は加圧バネ等の加圧手段(不図示)を用いて行われる。そして加圧ローラ24は、その加圧手段による加圧により弾性層24bを弾性変形させることによって、加圧ローラ24の外周面(表面)とフィルム23の外周面(表面)との間に所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成している。この加圧ローラ24は、芯金24aの長手端部に設けられた駆動ギアGがモータ等の駆動源Mにより回転駆動されることによって所定の周速度(プロセススピード)で矢印bの反時計方向に回転される。
フィルムガイド部材21は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイト)やLCP(液晶ポリマー)等の耐熱性樹脂の成形品である。
加熱体22は、基板22p自体が通電により発熱するよう抵抗調整されたセラミックス抵抗発熱体を主体とする全体に低熱容量のヒータである。図5の(a)、(b)に示されるように、長手方向に細長い基板22pは、通電により発熱する発熱部(発熱材料部分)22aと通電により発熱しない非発熱部(非発熱材料部分)22b,22cとを一体に具備している。また、基板22pは、加圧ローラ24側の表面(フィルム摺動面)において発熱部22aに表面保護層(絶縁層)22hを有している。表面保護層22hは発熱部22aの少なくとも一部を覆うように、即ちフィルム23内面と接触する領域を覆うように設けられている。基板22pの加圧ローラ24と反対側の裏面(非フィルム摺動面)には、サーミスタ等の検温素子(温度検知手段)22iが設けられている。その検温素子22iは、加熱体22の記録材Pが通過する領域(通紙領域(以下、通紙部と記す))に配置されている。この加熱体22は、電力供給によって発熱部22aが迅速に昇温した後、検温素子22iの出力信号(温度検知信号)に基づいて電力制御系(温調制御手段)31(図5(a))により所定の定着温度(目標温度)を維持するように制御される。
フィルム23は、熱容量を小さくして装置のクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚100μm以下、好ましくは60μm以下20μm以上とした単層フィルム、或いはベースフィルムの表面に離型層をコーティングした複合層フィルムである。単層フィルム、或いはベースフィルムの形態はエンドレスベルト状(円筒状)である。単層フィルムの材料としては、耐熱性・離型性・強度・耐久性等のあるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)・PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)・PPS等が用いられる。ベースフィルムの材料としては、ポリイミド・ポリアミドイミド・PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)・PES(ポリエーテルスルホン)等が用いられる。離型層の材料としては、PTFE・PFA・FEP(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)等が用いられる。
加圧ローラ24は、鉄やアルミニウム等の材料により作製された丸軸状の芯金24aと、その芯金24aの外周に設けられた弾性層24bと、その弾性層24bの外周に設けられた離型層24c等からなる。弾性層24bはシリコーンゴム或いはフッ素ゴムなど一般的な耐熱性ゴム弾性材料を用いる事が出来る。どちらの材料も、定着装置6で使用した場合に充分な耐熱性・耐久性を有し、かつ、好ましい弾性(軟らかさ)を有している。従って、シリコーンゴム或いはフッ素ゴムはゴム弾性層24bの主たる材料として好適である。シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンを、ビニル基とケイ素結合水素基との付加反応によりゴム架橋化して得る付加反応型ジメチルシリコーンゴムが代表的な例として例示できる。フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンの二元共重合体をベースポリマーとし、パーオキサイドによるラジカル反応によりゴム架橋化して得る二元のラジカル反応型フッ素ゴムが代表的な例として例示できる。その他、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンの三元共重合体をベースポリマーとし、パーオキサイドによるラジカル反応によりゴム架橋化して得る三元のラジカル反応型フッ素ゴムが代表的な例として例示できる。
離型層24cは弾性層24b上にPFAチューブを被せることにより形成しても良いし、フッ素ゴムまたは、PTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂を弾性層上にコーティングすることによって形成しても良い。なお、離型層24cの厚さは加圧ローラ24に充分な離型性を付与することができる厚さであれば特に限定されないが、好ましくは20〜100μmである。
さらに、弾性層24bと離型層24cの間には接着、通電等の目的によりプライマー層や接着層が形成されていても良い。
フィルム23は、少なくとも画像形成実行時に加圧ローラ24が矢印bの反時計方向に回転されることにより、加圧ローラ24の回転に従動する。つまり、加圧ローラ24が回転すると、ニップ部Nにおいて加圧ローラ24表面とフィルム23表面との摩擦力でフィルム23に回転力が作用する。フィルム23が回転している際には、フィルム23はフィルム23内面がニップ部Nにおいて加熱体22の表面保護層22hに接触して摺動する。この場合、フィルム23内面と加熱体22の表面保護層22hとの摺動抵抗を低減するために両者間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させるとよい。
そして、加圧ローラ24の回転によりフィルム23が回転され、かつ加熱体22が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像(像)tを担持した記録材Pがニップ部Nに導入される。その記録材Pはニップ部Nでフィルム23表面と加圧ローラ24表面とにより挟持搬送される。その搬送過程においてトナー画像tには加熱体22の熱がフィルム23を介して付与されるとともにニップ部Nのニップ圧が付与される。これによって、トナー画像tは記録材Pの面に加熱定着される。ニップ部Nを出た記録材Pはフィルム23表面から分離されて搬送され、定着装置6から排出される。
また、回転するフィルム23にはニップ部N以外には実質的にテンションが作用しないこと、定着装置6の簡略化等の理由で、フィルム寄り移動規制手段としてフィルム23の端部を受け止めるだけのフランジ部材(不図示)のみを配設している。
(3)加熱体22
次に、加熱体22についてその構成、及び材料、製造方法等について説明する。
図5において、(a)は加熱体22と電力制御系を表す図である。下の図が加熱体22を表す図であり、上の図が電力制御系を表す図である。(b)は加熱体22を表す図である、(c)は(b)の発熱部22aの長手方向中央のA−A面の断面図である。(d)は(b)の非発熱部22bの給電用電極22dと給電用コネクタ25との関係を表すB−B面の断面図である。
加熱体22において、基板22pは、耐熱性・所定の電気伝導性を有するセラミック抵抗発熱体からなる細長の発熱部22aと、その発熱部22aの長手方向端部に発熱部22aと一体に設けられた非発熱部22b,22cと、を有する。非発熱部22b,22cは、耐熱性・絶縁性或いは発熱部22aより低い電気伝導性(高抵抗)を有している。そして基板22p裏面において、非発熱部22b,22cには、それぞれ、発熱部22aに給電するための電極22d,22eと、その電極22d,22eと発熱部22aを接続する導電パターン22f,22gが設けられている。22hは絶縁層としての表面保護層22hである。表面保護層22hは基板22p表面において発熱部22aを覆うように設けられている。
この加熱体22は、給電回路(不図示)から給電用コネクタ25を通じて電極22d,22eに電力が供給され発熱部22aに電流が流れることによって発熱部22aが迅速に昇温する。そしてその発熱部22aの温度が基板22p裏面の発熱部22aの長手方向中央に設けられている検温素子22iにより検知され、その検温素子22iの出力信号に基づいて電力制御系31により所定の定着温度を維持するように制御される。
給電用コネクタ25は、金属からなる給電用接点25aとLCP(液晶ポリマー)などの耐熱性樹脂からなるモールド部25bよりなる(図5(d))。画像定着に本来必要ない部分であることと、装置の信頼性の面から非通紙部(加熱体22の記録材Pが通過しない領域(非通紙領域))、さらに厳密に言えばモールド部25bの温度を下げておくことが非常に重要である。これは、非通紙部昇温に伴ってモールド部25bの温度も上昇し、モールド部25bの耐熱温度を超えると樹脂の溶融、破壊などの不具合が生じてしまうからである。本実施例ではモールド部25bの材料として耐熱温度250℃のLCPを用いている。
発熱部22aを構成する材料としては、炭化ケイ素質(SiC)、ランタンクロマイト質(LaCrO)、炭素(C)質等の非金属発熱体の中でも常温から300℃の範囲で抵抗温度係数が負特性を示すものが好ましい。その中でも酸化などの影響が少ない、或いは工業的な入手容易性より炭化ケイ素質(SiC)が好適である。本実施例の発熱部22aは炭化ケイ素発熱体である。
一般に炭化ケイ素(SiC)は通電発熱による温度上昇に伴って800℃以下の温度域では比抵抗が急激に低下する(NTC特性)。この理由は、炭化ケイ素(SiC)は半導体であるため不純物準位から伝導体へ励起できる伝導電子の数が温度上昇に伴って増大するためであると言われている。
ここで上記したNTC特性の非通紙部昇温への効果について詳述するためモデル図を用いて説明する。
図6は加熱体22の発熱部22aにおける通紙部と非通紙部の発熱量を説明するためのモデル図である。ここでは、炭化ケイ素質発熱体22aを長さa(=55mm)に4分割して考え、長手方向中央部2箇所の抵抗をそれぞれr1、長手方向端部2箇所の抵抗をそれぞれr2とする(長手方向中央部と長手方向端部の温度が同じであればr1=r2)。2(r1+r2)が総抵抗である。炭化ケイ素質発熱体22aに流れる電流をiとすると、長手方向中央部の1ブロックの発熱量q1はi×r1であり、長手方向端部の1ブロック発熱量q2はi×r2である。
簡単のため、長手幅2a(=110mm)の小サイズ紙がニップ部Nに通紙(導入)された場合を考えると、長手方向中央部の抵抗がr1の部分は通紙部(通紙領域)に、長手方向端部の抵抗がr2の部分は非通紙部(非通紙領域)になる。加熱体22の温度制御は小サイズ紙の通紙部内に設けられた検温素子22iで行われるので、小サイズ紙に熱を奪われる通紙部に比べて、小サイズ紙に熱を奪われない非通紙部の温度は上昇する。本実施例の炭化ケイ素質発熱体22aは実使用温度域(250℃以下)ではNTC特性であるため、小サイズ紙通紙時はr1>r2となる。電流iは通紙部と非通紙部で同じであるためq1>q2となり、非通紙部の発熱量は長手方向中央部の発熱量よりも小さくなり非通紙部昇温を抑えることが可能となる。
図7は加熱体22の製造方法の一例の説明図である。図7の(a)は炭化ケイ素質(SiC)発熱体22aと非発熱部22c,22dとを接着する前の状態を表す図である。(b)は炭化ケイ素質(SiC)発熱体22aと非発熱部22c,22dとを接着して一体化させた基板22pを表す図である。(c)は基板22p裏面に給電用電極22d,22eと導電パターン22f,22gを形成した加熱体22を表す図である。(d)は基板22p表面に表面保護層22hを形成した加熱体22を表す図である。
炭化ケイ素質(SiC)発熱体22aの焼結法としては以下に挙げる方法が良く知られている。例えば、微粉状の炭化ケイ素(SiC)に焼結助剤を添加して常圧下で加熱焼結する常圧焼結法が知られている。また、炭化ケイ素(SiC)、炭素(C)、有機バインダーからなる混合物を成形して高温下で溶融シリコン(Si)と接触させ、二次的に炭化ケイ素(SiC)に添加させて得る反応焼結法が知られている。また、微粉状の炭化ケイ素(SiC)を成形して2000℃以上の温度で焼結する再結晶法が知られている。その他、型に入った炭化ケイ素(SiC)粉末をヒータで加熱し、同時に上下から加圧するホットプレス法、ガス圧を用いて等方圧加圧下で焼結させるHIP法が知られている。図5の(a)、(b)で示す発熱部22aと非発熱部22b,22cは別々に焼結された部材を後工程にて接合すれば良い。後工程にて発熱部22aと非発熱部22b,22cを接合する場合は、発熱部22aをどの焼結法より得ても構わない。
炭化ケイ素(SiC)原料としては平均粒径5μm以下の炭化ケイ素(SiC)粉末を使用するのが好ましい。平均粒径が5μmを超えると、焼結の駆動力が十分に得られず、気孔率の小さい焼結体が得難くなる。好ましくは、平均粒径2μm以下の炭化ケイ素(SiC)粉末を原料とするのが良い。
この炭化ケイ素(SiC)粉末を焼結助財と混合し、得られた混合粉末を成形して成形体となる。焼結助剤としては、例えば、B、BC、BNなどのB化合物およびカーボンブラックなどの炭素源を使用することができる。焼結性を向上させるためにAl、Al、AlなどのAl化合物を微量添加しても良い。つぎに常圧焼結法にて説明すれば、成形体を窒素ガス雰囲気化で2100〜2300℃の温度に加熱焼成する。加熱により緻密化と窒素の固溶が同時に進行し、気孔率が小さく良好な導電性を備えた炭化ケイ素(SiC)焼結体が得られる。また、炭化ケイ素結晶粒が大きく成長する前の焼成の初期段階から窒素ガスと炭化ケイ素結晶粒を接触させる事により、常圧下での窒素ガス雰囲気においても効率よく窒素を固溶させることができ、炭化ケイ素(SiC)焼結体の比抵抗を低く制御することができる。
ホウ素(B)と炭素(C)を焼結助剤として加える常圧焼結法においては、一般に、1950℃前後に焼結収縮のピークがある。しかし、焼成時の加熱雰囲気中に窒素ガスが存在すると、炭化ケイ素(SiC)の焼結性が低下して焼結収縮のピークが高温側に移行するため緻密な炭化ケイ素焼結体を得るには2100℃以上の温度で焼成を行わなければならない。加熱温度が2300℃を超えると炭化ケイ素(SiC)の昇華が始まり、また極端な抵抗増加が生じやすくなる。
非発熱部22b,22cを構成する部材としては高抵抗部材が好ましく、更に好ましくは絶縁部材で構成されることである。絶縁性を有するセラミック基板としてはアルミナ(Al)、窒化アルミ(AlN)、ジルコニア(ZrO)などが広く知られており、中でもアルミナ(Al)は価格的にも安く工業的に入手容易である。
前述のように別々に焼成された、或いは入手されたセラミックスを後工程にて接合する前に、必要寸法になるよう調整し接合面は母材同士の密着性をよくするために研磨、及び接着性を上げるための脱脂を行うことが重要である。
炭化ケイ素(SiC)などの非酸化物系セラミックスは耐食性が高いかわりに、各種物質との反応性が非常に低く、また溶融物に対する親和性、すなわち濡れ性も悪いためにブレージングによる接着は本来極めて困難である。しかし、セラミック同士の接着、特に炭化ケイ素(SiC)同士、炭化ケイ素(SiC)とアルミナ(Al)などに有効な接着剤としてセラマボンド503(商品名:(株)オーデック製)などが工業的に入手可能である。本実施例では母材同士の接合面を重ね合わせ大気雰囲気化において接着温度370℃にて2時間焼き付けを行う。接着を良くするための加圧や荷重は必要ない。このセラマボンド503は耐熱温度1650℃を有しているため、後述する給電用電極22dと22e、導電パターン22fと22g、オーバーコート層22hなどの焼成時にも何ら問題無い。
接着工程終了後は、発熱部22aである炭化ケイ素(SiC)と非発熱部22b,22cであるアルミナ(Al)からなる基板22pを基板22pの表面が平滑になるよう研磨することが好ましい。
その後、給電用電極22d,22eと導電パターン22f,22gは、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)などを主体とする導電ペーストを用いて非発熱部22b,22cに形成される。即ち、上記導電ペーストの良伝導体膜をスクリーン印刷法にて非発熱部22b,22c上から炭化ケイ素質発熱体22aへと形成している。給電用電極22d,22eと導電パターン22f,22gは、上記導電ペーストに限られず銀・白金(Ag・Pt)合金、銀・パラジウム(Ag・Pd)合金などを主体とする導電ペースト用いてもよい。この後上記塗布膜を乾燥し、焼成炉中で焼成ピーク温度が約850℃で約10分間(焼成炉経過時間は約40分)焼成する。給電用電極22d,22eと導電パターン22f,22gは炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aに給電する目的で設けられているので、抵抗は炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aに対して十分低い。この給電用電極22d,22eと導電パターン22f,22gは非発熱部22b,22cの表面側、裏面側のどちらに形成してもよく、必要に応じて適宜選択すればよい。
表面保護層22hは、炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aのオーバーコート層であり、炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aとの電気的な絶縁性とフィルム23の摺動性とを確保することが主な目的である。このオーバーコート層22hは装置構成に応じて加熱体22に具備させるか否かは適宜選択すればよい。また、オーバーコート層22hで炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aを全て覆う構成、炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aの一面(表面)を覆うだけの構成についても必要に応じて適宜選択すればよい。
オーバーコート層22hは、ガラスペーストを基板22pの所定の表面部分に隙間無く連続して塗膜を形成する。ガラスペーストとして、例えば酸化ケイ素(SiO)を主成分とした酸化ケイ素(SiO)−酸化亜鉛(ZnO)−酸化アルミニウム(Al)系のガラス粉末と、エチルセルロール(有機結着剤)とともに有機溶剤で混練することで得られる。そして、この塗布膜を乾燥した後、焼成炉中で焼成ピーク温度が約850℃で約10分間(焼成炉経過時間は約40分)焼成して、厚さ15μmから100μmのガラス質のオーバーコート層22hを得る。オーバーコート層22hは、オーバーコート層22hとして必要な厚みに応じて適宜重ねて塗ることは何ら問題無い。
炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aの構成材料及び製造方法は上述のものに限られない。例えば、炭化ケイ素(SiC)質発熱体として下記イ)、ロ)に示す商品名の材料を適宜必要な形状に加工した成形品などを入手し、その成形品に非発熱部22b,22cを後加工にて接着しても良い。
イ):(株)ブリヂストン社製、商品名:ピュアベータ−R、体積抵抗値:四探針法で約0.1Ω・cm(25℃環境)、抵抗温度係数:室温(25℃)付近〜225℃の範囲で−3000ppm/℃
つまり、発熱材料部分の構成材料であるピュアベータ−Rの抵抗温度係数は室温(25℃)付近から200℃の範囲において負である。ここで、本実施例における抵抗温度係数について説明する。抵抗温度係数は、その導電基板部22aの長辺方向端部間抵抗値について、25℃環境における抵抗値R1、炉内225℃環境における抵抗値R2を計測し、単位温度変化当りの抵抗変化率を以下の式で算出した値である。
(R2−R1)/R1/(225℃−25℃)×10 [ppm/℃]
ロ):東海高熱工業(株)社製、商品名:エレマ、体積抵抗値:0.1Ω・cm、抵抗温度係数:室温(25℃)付近〜225℃の範囲で−1500ppm/℃
(4)評価
次に、本実施例1の加熱体22の形状・特性について更に詳細に説明する。
下記の実施例1から実施例3、比較例のように構成した加熱体を用いて、本実施例の加熱体22の効果を確認した。実施例1から実施例3及び比較例に示す加熱体において、本実施例の加熱体22と共通する部材・部分には同じ符号を付している。
実施例1
図8は実施例1に係る加熱体22の説明図である。図8の(a)は基板22pの構成とその基板22p裏面に設けた給電用電極22d,22e及び導電パターン22f,22gを表す図、(b)は基板22p表面に設けたオーバーコート層22hを表す図である。
実施例1では、平均粒径1μmの炭化ケイ素(SiC)粉末を用い、前述した常圧焼結法にて幅6mm・長さ220mm・厚さ1mmの炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aを得た。
そのときの炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aの比抵抗は0.1Ω・cmであり、抵抗温度係数は約−1000ppm/℃であった(25℃〜225℃の範囲)。
非発熱部22b,22cは含有量96%のアルミナ(Al)基板を幅6mm・長さ25mm・厚さ1mmにて成形したものを炭化ケイ素質発熱体22aに接着した。非発熱部22b,22cとして、京セラ(株)社製、商品名:アルミナA−476、体積固有抵抗値:>1014Ω・cmを用いた。
その後、銀(Ag)を用いて給電用電極22d,22eと導電パターン22f,22gを非発熱部22b,22c上の裏面側に成形し、基板22pの表面側(フィルム摺動面側)にはオーバーコート層22hを成形した。
実施例2
図9は実施例2に係る加熱体22の説明図である。図9の(a)は基板22pの構成とその基板22p裏面に設けた給電用電極22d,22e及び導電パターン22f,22gを表す図、(b)は基板22p表面に設けたオーバーコート層22hを表す図である。
実施例2では、高抵抗炭化ケイ素(SiC)にて成形されたものを非発熱部22b,22cに用いた以外は実施例1の加熱体22と同じ構成としている。高抵抗炭化ケイ素(SiC)として、京セラ(株)社製、商品名:炭化ケイ素SC1000、体積固有抵抗値:10Ω・cm、熱伝導率:200W/(m・k)を用いた。
ここで、給電用電極22d,22eと導電パターン22f,22gは銀(Ag)を用いて形成されている。そのため、高抵抗炭化ケイ素に比べて十分に抵抗が低く、実施例1と同様の電流パスにて給電が行われることを付記しておく。
実施例3
図10は実施例3に係る加熱体22の説明図である。図10において、(a)は基板22pの構成とその基板22p裏面に設けた給電用電極22d,22e及び導電パターン22f,22gを表す図である。(b)は基板22p表面に設けた窒化アルミ(AlN)26を表す図である。(c)は(b)の基板22pの長手方向中央のC−C面の断面図である。
実施例3では、基板22pの構成としてオーバーコート層22hを設けていない以外は実施例1と同様の構成としている。
但し、オーバーコート層22hに代わる別の部材として、幅6mm・長さ270mm・厚さ0.6mmの窒化アルミ(AlN)26を基板22pの表面側(フィルム摺動面側)に設けた。この窒化アルミ(AlN)26のフィルム摺動面には、フィルム23と窒化アルミ(AlN)26の摺動性を良化させるためにポリイミドコート(不図示)を約10μm施したものを使用している。窒化アルミ(AlN)26は絶縁性セラミックスであり、熱伝導率が非常に高いという特徴を併せ持つ(体積固有抵抗値:>1014Ω・cm、熱伝導率:150〜170W/(m・k))。従って、窒化アルミ(AlN)26を用いることにより、絶縁のためのオーバーコート層としての役割とフィルム23を介して記録材Pへの伝熱効率を高めるという効果が得られる。
比較例
図11は比較例に係る加熱体22の説明図である。図11の(a)は加熱体22の発熱体基板を表す図、(b)は発熱体基板に設けたオーバーコート層22hを表す図、(c)は(b)の基板22pの長手方向端部のD−D面の断面図である。
比較例では、非発熱部22b,22cを設けずに、炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aを長手方向全域、つまり幅6mm・長さ270mm・厚さ1mmのサイズに形成して発熱体基板とした。炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aとしては実施例1と同様の材料、製造法にて成形した。
なおこの時、図11(c)に示すように、実施例1で設けた給電用電極22d及び22eと導電パターン22f及び22gは設けずに、実施例1と同様の給電コネクタ部25から炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aに直接当接して給電を行った。なお、オーバーコート層22hは実施例1と同様に設けた。
実施例1、実施例2、実施例3、比較例の各加熱体22について、コネクタ部温度(給電コネクタモールド部温度)を比較した。その各加熱体22を搭載する定着装置は同じ構成としてある。また、その定着装置を搭載する画像形成装置(プリンタ)も同じ構成としてある。そして画像形成装置において、定着装置が十分室温(25℃)になじんだ状態からLTRサイズの記録材(坪量75g/mm)を連続で200枚通紙したときの、給電用コネクタ25の接点部25aと接触する給電コネクタモールド部25bの温度を測定した。入力電圧は100Vとし、定着温度は200℃とした。結果を表1に示す。
図12及び表1に示すように、実施例1の加熱体22は、給電コネクタモールド部25bの温度を実使用上何ら問題無い135℃という温度に抑えることができた。これは次の2つの理由に因るものと考えられる。1つは、基板22pの長手方向においてLTRサイズの記録材の横幅216mmに対して炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aのはみ出し量L1が片側2mmであることである。他の1つは、非発熱部22b,22cが比較的熱伝導の低いアルミナ(Al)で構成されていることである。
実施例2の加熱体22は、基板22pの炭化ケイ素質発熱体22aのはみ出し量が片側2mmであることは実施例1の加熱体22と同じである。この実施例2の加熱体22は、アルミナ(Al)よりも熱伝導率の高い高抵抗炭化ケイ素(SiC)によって非発熱部22b,22cを構成している。そのため、実施例2の加熱体22は、給電コネクタモールド部25bの温度が実施例1の加熱体22のそれよりも高くなっているが、実使用上何ら問題無い。従って、非発熱部22b,22cの体積固有抵抗値は10Ω・cm以上が好ましい。
実施例3の加熱体22は、基板22pの構成が実施例1の加熱体22の基板22pの構成と同じである。実施例1の加熱体22は、基板22pのフィルム摺動面にガラスのオーバーコート層22hを有する。実施例3の加熱体22は、基板22pのフィルム摺動面に窒化アルミ(AlN)にポリイミドコーティングを施した絶縁部材を有する。従って、実施例3の加熱体22は、基板22pのフィルム摺動面にガラスのオーバーコート層22hがあるか、窒化アルミ(ALN)にポリイミドコーティングを施した絶縁部材があるかの差が給電コネクタモールド部25b温度の差として現れている。窒化アルミ(AlN)の熱伝導率がガラスに比べて非常に高いため実施例3の給電コネクタモールド部25b温度は実施例1の給電コネクタモールド部25b温度に比べて高くなっているが、実施例3の加熱体22も実使用上何ら問題無い。
比較例の加熱体22は、図13に示すように、発熱体基板を構成する炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aのはみ出し量L2が片側27mmである。また、コネクタ部25と炭化ケイ素(SiC)質発熱体22aが接している。この2つの理由によって、給電コネクタモールド部25bの温度は253℃と非常に高い温度になっていた。コネクタ部25のモールド部25bは耐熱温度(250℃)を超えていたため一部変形が見られた。
以上のように、本実施例の加熱体22は、NTC特性を示す細長の発熱部22aとその発熱部22aの長手方向端部に非発熱部22b,22cを設けて細長い基板22pを形成している。これにより、NTC特性の利点を生かして発熱部22aにおける非通紙部昇温を抑えることができる。また、基板22pの非発熱部22b,22cに給電用電極22d,22eを設けたため、給電用電極22d,22eを発熱部22aから離間させることが可能となるとともに非発熱部22b,22cにより給電用電極周りの電極部の昇温を抑えることができる。
[その他]
1)実施例の定着装置は記録材の搬送を中央基準で行うプリンタに限られず記録材の搬送を片側基準で搬送するプリンタに搭載してもよい。
2)本発明の像加熱装置は実施例の加熱定着装置に限られず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置など、広く画像を担持した記録材を加熱処理する手段・装置として使用することができる。
画像形成装置の一例の概略構成模型図 定着装置の一例の横断面構成模型図 定着装置の縦断面構成模型図 定着装置を記録材導入側から見た図 加熱体の一例の説明図 加熱体の発熱部における通紙部と非通紙部の発熱量を説明するためのモデル図 加熱体の製造方法の一例の説明図 実施例1に係る加熱体の説明図 実施例2に係る加熱体の説明図 実施例3に係る加熱体の説明図 比較例に係る加熱体の説明図 実施例1の加熱体における給電用コネクタモールド部温度の検討図 比較例の加熱体における給電用コネクタモールド部温度の検討図
符号の説明
22‥加熱体、22a‥発熱部、22b,22c‥非発熱部、22d,22e‥給電用電極、23‥耐熱性フィルム、24‥加圧ローラ、25‥給電用コネクタ、26‥絶縁部材、P‥記録材、N‥ニップ、t‥トナー

Claims (8)

  1. 通電により発熱する発熱材料部分と通電により発熱しない非発熱材料部分とを一体に具備する細長い基板と、前記基板の発熱材料部分に給電するための電極と、を有する加熱部材であって、
    前記基板の長手方向において前記発熱材料部分の端部に前記非発熱材料部分を有し、前記非発熱材料部分に前記電極を有することを特徴とする加熱部材。
  2. 前記発熱材料部分はセラミック抵抗発熱体であることを特徴とする請求項1に記載の加熱部材。
  3. 前記発熱材料部分の抵抗温度係数は室温から200℃の範囲において負であることを特徴とする請求項1に記載の加熱部材。
  4. 前記発熱材料部分は炭化ケイ素発熱体であることを特徴とする請求項1に記載の加熱部材。
  5. 前記非発熱材料部分は体積固有抵抗値が10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の加熱部材。
  6. 前記非発熱材料部分は絶縁部材であることを特徴とする請求項1に記載の加熱部材。
  7. 前記発熱材料部分は絶縁層によって少なくとも一部が覆われていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の加熱部材。
  8. 加熱部材と、前記加熱部材と接触しつつ移動する可撓性部材と、前記可撓性部材を挟んで前記加熱部材とニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で像を担持する記録材を挟持搬送しつつ像を加熱する像加熱装置において、
    前記加熱部材は、通電により発熱する発熱材料部分と通電により発熱しない非発熱材料部分とを一体に具備する細長い基板と、前記基板の発熱材料部分に給電するための電極と、を有する加熱部材であって、前記基板の長手方向において前記発熱材料部分の端部に前記非発熱材料部分を有し、前記非発熱材料部分に前記電極を有することを特徴とする像加熱装置。
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