JP2009064583A - 作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作部材を操作する際の滑りを防止しスイッチ回動操作をやり直すことなく稼動位置に切換え、エンジン始動作業を能率良く行うと共に、操作部材を停止位置に迅速に復帰回動させてエンジンを停止することができるエンジンスイッチを備えた作業機を提供する。
【解決手段】エンジンスイッチ13を稼動位置Uにおいて、第1弾性部材25を有する稼動位置決め手段35aにより突出姿勢に保持される操作部材19を、押し込み操作したときに、エンジンスイッチ13に設けた第2弾性部材24の付勢力により、操作部材19を停止位置まで平面的に復帰回動させると共に、スイッチ本体17に対して非突出姿勢に保持する停止位置決め手段33aとを設けたエンジンスイッチ13を構成している。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンスイッチを備えた耕耘機や管理機等の作業機に関する。
従来、走行機体に搭載されるリコイルスタータ式のエンジンが、子供や幼児等の悪戯によってスタータロープが引かれた場合に、エンジンが直ちに始動することのないようにすると共に、エンジンを緊急に停止させる場合に迅速な停止を可能にしたエンジンスイッチを備える管理機(作業機)は既に公知である(例えば、特許文献1参照。)。
上記エンジンスイッチは、点火プラグに対して電力供給を可能にする稼働位置と、点火プラグに対する電力供給を阻止する停止位置とに切換自在な操作部材を、先ず停止位置の突出姿勢から押し込み操作して押し込み状態(非突出姿勢)にしたのち、非突出姿勢を維持して回動操作を行う2アクション操作の操作形態にすることにより、稼動位置において操作部材を突出姿勢で可逆的に保持してエンジン始動状態にする構成となっている。
特許第3326364号公報
上記特許文献1で示されるエンジンスイッチは、突出姿勢にある操作部材を稼動位置への操作方向と異なる押し込み方向に操作したのち、押し込み状態を維持し稼動位置に向けて回動操作を行う2アクション操作を要するので、子供の悪戯等による操作部材の稼動位置側への操作を行い難くする利点がある。然し、スイッチ操作は先ず操作部材の適正箇所を強く摘んで押し込み操作し、操作部材を摘んだ手でそのまま平面的に所定量回動させる動作に、手に捻りを伴う無理があることから稼動位置まで確実に操作し切れず、煩雑な操作とそのやり直しをしなければならない等の欠点がある。
また操作部材が雨で濡れていたり手袋を嵌めた手で操作するとき、丸い円周面を有する操作部材は例え強く摘んでも表面が滑り易いため、指のスリップによって押し込み操作量が不足して完全な非突出姿勢にし得ずに回動操作が不能になったり、回転スプリングの付勢力に抗して行う指がスリップし操作部材が停止位置に戻り元の突出姿勢に復帰するので、操作のやり直しを要する等エンジン始動作業が非能率になる等の問題がある。
上記課題を解決するために本発明の作業機は、エンジン6の点火プラグへの電力供給を阻止するエンジン停止位置Tと、該停止位置Tから平面的に回動した位置でエンジン6の点火プラグに電力供給する稼動位置Uとに切換自在な操作部材19を有するエンジンスイッチ13を備えた作業機において、上記稼動位置Uにおいて、エンジンスイッチ13に設けた第1弾性部材25の付勢力により、操作部材19をスイッチ本体17に対して突出姿勢に保持する稼動位置決め手段35aと、該稼動位置決め手段35aにより突出姿勢にある操作部材19を、上記第1弾性部材25の付勢力に抗して押し込み操作したときに、エンジンスイッチ13に設けた第2弾性部材24の付勢力により、操作部材19を停止位置まで平面的に復帰回動させると共に、スイッチ本体17に対して非突出姿勢に保持する停止位置決め手段33aとを設けたことを特徴としている。
本発明による作業機は次のような効果を奏する。エンジンスイッチの操作部材をエンジン停止位置から稼動位置まで非突出姿勢で平面的に回動させると共に、上記稼動位置で操作部材を稼動位置決め手段によってスイッチ本体から可逆的に突出付勢させた突出姿勢で保持し、当該突出姿勢の操作部材を押し込み操作したとき、停止位置決め手段によって停止位置に復帰させエンジンを停止させる構成としたことにより、操作部材を軽く摘んだまま簡単に稼動位置に回動することができるので、操作部材を摘み操作する際の滑りを防止し、スイッチ回動操作をやり直すことなくエンジン始動作業を能率良く行うことができる。
また操作部材は稼動位置決め手段による稼動位置においてのみ突出姿勢に保持するので、オペレータはエンジンの運転を停止するとき操作部材を容易に確認することができ、また突出姿勢にある操作部材を単に押し操作するだけで、停止位置決め手段により非突出姿勢の停止位置に保持させてエンジンを停止することができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1,図2において符号1は作業機の一例として示す管理機であり、車輪2aを有する車軸2を左右に軸支した縦長のミッションケース3の上部に、二股状のハンドル4を取付けて後方上方に向けて延出すると共に、ミッションケース3の中途部に機台フレーム5を前後方向に向けて取付固定している。
機台フレーム5は前部にエンジン6を載置しており、該エンジン6はベルトカバー7内に構成される図示しないベルト伝動機構によって、エンジン動力をミッションケース3の入力軸に入り切り自在に伝動している。
上記ベルト伝動機構はベルトテンションクラッチを、ハンドル4の左側に設けた主クラッチレバー8によって、エンジン動力を入り切り操作自在に構成している。またミッションケース3は右側面側に変速レバー9を後方に向けて延設している。またハンドル4の右側にはエンジン6のアクセルレバー10を設けている。
そして、上記ハンドル4は左右のハンドル杆の中途部をハンドル横杆11によって補強連結しており、ハンドル杆に突設したスイッチ取付板12に、本発明に係るエンジンスイッチ(エンジン緊急停止スイッチ)13を着脱自在に取付固定している。
尚、実施形態のエンジン6はリコイルスタータ式の始動手段(スタータ)15を備えたものを示しており、従来のものと同様にオペレータが図4,図8で後述するように、操作部材19を停止位置Tから稼動位置Uに切換え操作した状態で、スタータ15のスタータロープ16を引き作動するとエンジン始動をすることができる。
即ち、エンジン6はスタータ15の内部に、シリンダ燃焼室の点火プラグに電力を供給する発電部を配置しており、スタータロープ16の引き作動によって発電部が電力を発生した際に、エンジンスイッチ13は稼動位置Uにおいて、電力を点火プラグに供給しエンジン始動を可能にする。またエンジンスイッチ13は停止位置Tにおいて、接地(アース)側に導通状態となして、発電部のトランスの1次側の接地によりエンジン6を停止させることができる。
次に図4〜図8を参照しエンジンスイッチ13について詳述する。このエンジンスイッチ13は、前記スイッチ取付板12に取付固定されるスイッチ本体17に、円形のノブ状に成形した操作部材19を軸部材20を介して回動及び上下動自在に支持しており、図8で示す操作経路図の停止位置Tから稼動位置Uへ平面的に回動することができ、且つ稼動位置Uにおいて軸心P方向に上下作動することができる。
これにより操作部材19を予め所定の回動角を越えて回動しない限り、子供や幼児の悪戯等によって単にスタータ16を操作したとしても、エンジン6を不慮に始動させないようにしている。また操作部材19を稼動位置Uでスイッチ本体17から可逆的に突出付勢させた突出姿勢で保持することにより、オペレータは突出姿勢にある操作部材19を単に押すだけで、エンジンを即時停止させるスイッチ操作形態を構成している。
上記エンジンスイッチ13の各部の構成及び作用について説明すると、スイッチ本体17は、前記軸部材20を上下方向にスライド自在に軸支する中空筒状の外筒部21と、この外筒部21の底部を閉鎖する底壁部材22と、外筒部21内で軸心Pを中心に回転自在に内嵌される回転筒部23と、該回転筒部23を稼動位置Uから停止位置T側に向けて回転付勢するコイル状の回転スプリング24と、上記外筒部21内で軸部材20を上方に付勢するコイル状の突出スプリング25等からなる。
上記スイッチ本体17の外筒部21は図3で示すように、スイッチ取付板12に穿設した取付孔26に上方から挿入した状態で、上記取付孔26を表面側から覆う鍔状の取付片27を筒上部外周に突設し、且つスイッチ取付板12の裏面側に弾力を有して接当する複数の係止杆29を一体的に形成している。これにより外筒部21は取付孔26に挿入された状態で、スイッチ取付板12をスイッチ本体17は取付片27と係止杆29で挟持し、スイッチ本体17をスイッチ取付板12に取付固定することができる。
また外筒部21は内部に軸部材20を上下方向の所定のストロークでスライド自在に軸支する内筒部30を形成している。この内筒部30はその内周面に、軸部材20の中途部に突設したガイド突起31を係合させて案内するガイド溝32を形成している。
上記ガイド溝32は図4で示すように操作部材19を、停止位置Tから平面的に45度程度の回動角だけ回動すると、図8で示す平面回動経路33に沿って軸部材20のガイド突起31を案内し稼動位置Uに位置させる形状にしている。
そして、平面回動経路33の回動端に設定された稼動位置U側には、ガイド突起31を案内して操作部材19を10ミリ程度の上下ストロークで出退作動させる出退路35を形成している。またガイド溝32は操作部材19が復帰回動する際に、ガイド突起31が出退路35から平面回動経路33に速やかに移動させる斜面状の復帰ガイド面34を形成している。
また前記外筒部21と内筒部30との間で形成されるリング状の空間部には、回転スプリング(第2弾性部材)に24を内嵌して支持した回転筒部23を挿入し、回転スプリング24の他端を外筒部21に係止している。そして、回転筒部23は軸部材20の端部外周を上下方向のスライドを自在として係合する係合部36を形成している。これにより軸部材20は回転スプリング24及び回転筒部23によって、図4, 図8の点線矢印で示す復帰回動方向に回転付勢されながら、上下方向のスライド移動を自在に構成している。
そして、回転筒部23は下部面側に金属片からなる接触片37を、上下動自在に支持してスプリングによって下向きに付勢支持し、底壁部材22の表面側に形成される接点面39に接触片37を接触させている。この接点面39は図8の平面回動経路33において出退路35が位置する稼動位置Uを除く範囲で、2条の金属面によって形成されており、該2条の金属面が接触片37と接触導通することにより接地(アース)してエンジン起動不能状態にすることができる。また底壁部材22は裏面側に前記2条の接点面39をエンジン6側と接続するハーネス39aを取付固定している。
次に軸部材20を上方に付勢支持する付勢構造について説明する。前記底壁部材22は外筒部21の下部に嵌挿して開口部を閉鎖することができる。そして、閉鎖状態における底壁部材22の上面中央部には、軸部材20を上方に付勢支持する突出スプリング(第1弾性部材)25を位置決め支持している。これにより軸心P位置において軸部材20は、常時上方に付勢支持する構成となっている。
これにより操作部材19を図4で示す実線矢印の運転回動方向及び点線矢印の停止回動方向に回動すると、軸部材20のガイド突起31が前記ガイド溝32のガイド形状に沿って、操作部材19を取付片27に近接させた退動状態の突出姿勢を維持したまま平面的に回動し、ガイド突起31を図8の実線矢印で示すように稼動位置Uの出退路35に至らせることができる。
この出退路35においてガイド突起31は上方向の規制が解除されるため、操作部材19から手を離すと、軸部材20が突出スプリング25の付勢力によって突出方向にスライド上昇する。これによりエンジンスイッチ13はガイド突起31が図8で示す出退路35の上部に至らせて係合保持し、操作部材19を図7で示すように、取付片27から10ミリ程度上方に離間した位置で突出姿勢になし稼動位置Uに保持する稼動位置決め手段35aを構成するようにしている。これによりエンジンスイッチ13は、操作部材19を稼動位置決め手段35aによって稼動位置Uに保持して、接触片37を接点面39から外した非接地状態を維持するので、エンジン6を操作部材19を突出姿勢にした状態で始動し運転することができる。
また耕耘作業等の運転を終了したとき或いは作業中途においてエンジン6を停止する際には、稼動位置決め手段35aによって突出姿勢にある操作部材19を押し込み操作すると、軸部材20が下方にスライドしガイド突起31を出退路35から外すことができる。
これによりガイド突起31は出退路35から回転スプリング24の付勢力によって、図8の点線で示すように回動ガイド路33に沿って速やかに復帰回動して、操作部材19を停止位置Tに保持する停止位置決め手段33aを構成することができる。従って、エンジンスイッチ13は停止位置決め手段33aによって、平面回動経路33を介し接触片37を接点面39に接触した接地状態にすることができ、エンジン6を速やかに停止し操作部材19を非突出姿勢にした停止位置Tに維持することができる。
以上のように構成したエンジンスイッチ13を備える管理機1は、エンジン6を始動する際には、先ず停止位置Tにある操作部材19を摘んでそのまま回動限界一杯に右回動操作をして手を離すと、突出スプリング25によって軸部材20はガイド突起31がガイド溝32の出退路35の上限位置に接当するまで移動するので、操作部材19を稼動位置Uにおいて突出姿勢に保持してエンジンON状態にすることができる。
これによりオペレータは稼動位置決め手段35aによって突出姿勢にある操作部材19をはっきりと見ることができ、エンジンスイッチ13がエンジンON状態であることを容易に確認することができ、スタータロープ16を引き作動しエンジン6を始動運転することができる。またエンジン6の運転を停止するときは、突出姿勢にある操作部材19を単に押し込み操作するだけで、停止位置決め手段33aにより元の停止位置Tに復帰回動させ停止状態を維持させることができるので、エンジン停止を迅速に行い耕耘作業等の一連の作業をスムーズに行うことができる。
このようなエンジン始動操作時において上記のように構成されたエンジンスイッチ13は、従来のもののように操作部材19を強く摘んで押し下げながら平面回動させる複合的な動作を不要にするので、操作部材19を軽く摘んでそのまま平面的に回動する簡単な動作で稼動位置Uに切換えることができる。従って、操作部材19が雨で濡れていたり手袋を嵌めた手で操作部材19を操作する場合でも、操作部材19を滑りなく摘むことができるので、スイッチ回動操作のやり直しをすることなく速やかに稼動位置Uに切換えエンジン始動作業を能率良く行うことができる。
またエンジンスイッチ13はガイド溝32に出退路35に保持されたガイド突起31が操作部材19の押し込みによって保持解除操作された際に、該ガイド突起31を出退路35と平面回動経路33とを斜面で接続形成した復帰ガイド面34に沿わせ、速やかに平面回動経路33に案内移動させるようにしているので、エンジン6の運転を緊急的に停止するとき、例えば操作部材19の押し込み操作量が不足し出退路35の全ストロークに至らない場合でも、ガイド突起31が復帰ガイド面34に至れば操作部材19を確実に停止位置Tに復帰回動させることができる。
即ち、操作部材19の押し込み操作によって、ガイド突起31が復帰ガイド面34に至ると、回転スプリング24の強い戻し方向の付勢力は、突出スプリング25の付勢力と復帰ガイド面34とガイド突起31との摺接抵抗に勝るので、図8の点線で示すようにガイド突起31は復帰ガイド面34からガイド溝32にスムーズに案内移動して停止位置Tに復帰する。従って、操作部材19はオペレータが緊急時に慌てるあまり操作部材19を操作したとしても、上記ガイド溝32の構成によって操作部材19を迅速に停止位置Tに復帰回動させ作業機1を即時停止することができる等の利点がある。
本発明に係わるエンジンスイッチを有するエンジンを備えた作業機の側面図である。 図1の平面図である。 図1のエンジンスイッチの全体外観側面図である。 エンジンスイッチの操作部材を示す平面図である。 エンジンスイッチの構造を操作部材を停止位置状態にして示す側断面図である。 図5のエンジンスイッチの操作部材を回動操作状態にして示す側断面図である。 図5のエンジンスイッチの操作部材を稼動位置状態にして示す側断面図である。 エンジンスイッチの操作経路図である。
符号の説明
1 作業機(管理機)
2 機体フレーム
6 エンジン
13 エンジンスイッチ
17 スイッチ本体
19 操作部材
20 軸部材
21 外筒部
30 内筒部
31 ガイド突起
32 ガイド溝
33 平面回動経路
35 出退路
T 停止位置
U 稼動位置

Claims (1)

  1. エンジン(6)の点火プラグへの電力供給を阻止するエンジン停止位置(T)と、該停止位置(T)から平面的に回動した位置でエンジン(6)の点火プラグに電力供給する稼動位置(U)とに切換自在な操作部材(19)を有するエンジンスイッチ(13)を備えた作業機において、上記稼動位置(U)において、エンジンスイッチ(13)に設けた第1弾性部材(25)の付勢力により、操作部材(19)をスイッチ本体(17)に対して突出姿勢に保持する稼動位置決め手段(35a)と、該稼動位置決め手段(35a)により突出姿勢にある操作部材(19)を、上記第1弾性部材(25)の付勢力に抗して押し込み操作したときに、エンジンスイッチ(13)に設けた第2弾性部材(24)の付勢力により、操作部材(19)を停止位置まで平面的に復帰回動させると共に、スイッチ本体(17)に対して非突出姿勢に保持する停止位置決め手段(33a)とを設けたことを特徴とする作業機。
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