JP2009063373A - 音響インピーダンス測定装置及びその方法 - Google Patents

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Akihiro Kanetani
章宏 金谷
Junichi Kusumoto
淳一 楠元
Hideaki Kitagawa
秀昭 北川
Masakazu Takahashi
雅和 高橋
Hidekazu Hoshino
秀和 星野
Yukio Ogura
幸夫 小倉
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Abstract

【課題】音響インピーダンスを超音波を用いて簡単に測定する。
【解決手段】空気24を介して対向配置された送信超音波探触子12と受信超音波探触子13との間に試験体11を挿脱自在に設け、試験体11を挿入している状態における送信超音波探触子12から出力された超音波cの受信超音波探触子13の受信レベルGAMから、試験体11を挿入していない状態における受信超音波探触子13の受信レベルGAを減算することによって、空気24、試験体11、空気24の経路に対する透過率T121を求める。この求めた透過率T121と既知の空気24の音響インピーダンスZ1とから目標とする試験体11の音響インピーダンスZ2を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体の音響インピーダンスを超音波を用いて測定する音響インピーダンス測定装置、及び音響インピーダンス測定方法に関する。
各種の物質からなる被検体に対して超音波を印加して、この超音波が被検体内を伝搬する過程で気泡、異物、亀裂等の欠陥に当接すると超音波が減衰したり、反射することを利用して、前記欠陥を検出する超音波探傷装置が実用化されている。この場合、超音波が被検体の表面で反射せずに効率的に被検体内に入射して、かつ被検体内を伝搬する過程における減衰をできるだけ抑制して、超音波探傷の探傷精度を向上させる必要がある。例えば、超音波減衰が大きい被検体に対しては、印加する超音波のレベルを上昇させる等の対策を実施する必要がある。
さらに、超音波は被検体の表面(境界面)で反射、透過するのみならず、前述したように、超音波は被検体内における健全部分と、気泡、異物、亀裂等の欠陥分部との境界面において、反射、透過が発生するので、被検体の超音波に対する反射率や透過率等の音響特性は、探傷精度に大きく影響を与える。
したがって、被検体の超音波に対する、減衰率、反射率、透過率等の音響特性を予め測定するか、又は材料ハンドブック等で調べておく必要がある。各種の材質における音響特性の代表例として、音響インピーダンスがある。
この音響インピーダンスZは、当該物質の密度ρと当該物質中を伝搬する音波の音速Cとを乗算することによって、(1)式で求める。
Z=ρ・C …(1)
図8を用いて、この音響インピーダンスZと、前述した反射率Rと透過率Tとの具体的関係を説明する。図示するように、図8は、超音波が物質A(音響インピーダンスZa)から境界面を介して物質B(音響インピーダンスZb)へ垂直に入射する場合の境界面における超音波の反射と透過の状態を示す。超音波が境界面に垂直に入射した場合における入射波の音圧Pi、反射波の音圧Pr、透過波の音圧Ptと、反射率R、透過率T、各音響インピーダンスZa、Zbとの関係を示す。
反射率R=Pr/Pi=(Zb―Za)/(Zb+Za) … (2)
透過率T=Pt/Pi=2・Zb/(Zb+Za) … (3)
なお、超音波が物質の境界面に斜め方向(入射角θ)に入射した場合は、屈折現象が生じ、音響インピーダンスに起因して、反射、透過の現象がさらに複雑化する。
このように、被検体の音響インピーダンスZは、超音波の反射率、透過率に大きく影響を与えるので、被検体の音響インピーダンスZを正確に測定して、被検体に対する超音波の印加条件を設定することは、超音波探傷において非常に重要なことである。
各種の物質の音響インピーダンス測定する手法は種々考えられるが、(1)式からも理解できるように、この物質の密度ρと当該物質中を伝搬する音波の音速Cを個別に求めて乗算すればよい。例えば、鉄、アルミ等の代表的な金属にいては、例えば各種の材料ハンドブックに記載されている密度ρ(単位;kg/m3)、速度(m/s)を用いて演算すればよい。
物質が空気の場合、空気の密度ρ=1.3kg/m3、空気中の音速C=340m/sであるので、空気の音響インピーダンスZ1は、
1=340m/s×1.3kg/m3=0.000442×106kg/m2・s
となる。
また、物質が鉄鋼の場合、鉄鋼の密度ρ=7800kg/m3、鉄鋼の音速C=5900m/sである。したがって、鉄鋼の音響インピーダンスZ2は、
2=5900m/s×7800kg/m3=46.020×106kg/m2・s
となる。
しかしながら、工場等において新規の物質を製造した場合には、音速C、密度ρを測定する必要がある。この物質の音速Cを超音波を用いて測定する手順を図9を用いて説明する。測定器1から被検体2に取付られた超音波探触子3に送信パルス信号を送出して、超音波パルス4を被検体2に垂直に印加する。そして、被検体2の反対面に取付られた超音波探触子5にて、超音波パルス4を受信して、受信パルス信号を測定器1へ送出する。測定器1は送信パルス信号から受信パルス信号までの経過時間sを計時し、予め測定されている被検体2の厚みtを用いて、被検体2の音速C=t/sが得られる。次に、別の密度測定装置を用いて、被検体2の重量、体積を測定して、被検体2の密度ρを求める。そして、先に測定した音速Cと密度ρを用いて、音響インピーダンスZを求める。
また、被検体2の反対面に取付られた超音波探触子5を省略して、超音波探触子3で、被検体2の反対面で反射した超音波パルスを受信して、超音波パルスが被検体2を往復する時間を測定して、被検体2の音速Cを算出する手法も採用されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開2000−102537号公報 特開2000−221078号公報
しかしながら、被検体2の厚みtが非常に薄い場合は、経過時間sを高い精度で測定することは非常に難しい。一般に、超音波探触子3、5を被検体2に装着する場合においては、超音波探触子3、5の被検体2に対する良好な音響的接触状態を確保するために、超音波探触子3、5に油等の接触媒質を塗布してから被検体2に装着するようにしている。被検体2の厚みtが非常に薄い場合には、この油等の接触媒質の膜厚も無視できない。さらに、超音波探触子3、5の被検体2に対する接触状態も常に一定状態に維持するることは困難である。
また、別途、被検体2の密度ρを得るために、検体2の重量、体積を測定する専用の測定装置が必要である。さらに、この被検体の密度ρを測定する測定作業と作業時間が必要である。しかも、この専用の測定装置を用いたとしても、被検体の密度ρを高い精度で測定することは容易でない。
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、超音波探触子と測定対象の試験体との接触状態を考慮することなく、かつ別途、試験体の密度を測定することなく、超音波を用いて、試験体の音響インピーダンスを、簡単にかつ高い精度で測定できる音響インピーダンス測定装置、及び音響インピーダンス測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解消するために、本発明の音響インピーダンス測定装置は、連続する所定個数の矩形波からなる矩形波バースト信号を作成して出力する信号発生部と、この信号発生部から出力された矩形波バースト信号を超音波に変換して出力する送信超音波探触子と、この送信超音波探触子から出力された超音波を透過波信号に変換して出力する受信超音波探触子と、送信超音波探触子と受信超音波探触子とを空間を介して対向させて支持し、かつ前記空間を伝搬する超音波の経路に対して試験体を挿脱自在に支持する試験体取付治具と、試験体が超音波の経路に挿入されない状態の透過波信号の信号値を空気透過音圧として検出する空気透過音圧検出手段と、試験体が超音波の経路に挿入された状態の前記透過波信号の信号値を空気試験体透過音圧として検出する空気試験体透過音圧検出手段と、検出された空気試験体透過音圧を検出された空気透過音圧で除算して、空気、試験体、空気の経路に対する超音波の透過率を算出する透過率算出手段と、この算出された透過率及び既知である空気の音響インピーダンスを用いて、試験体の音響インピーダンスを算出する音響インピーダンス算出手段とを備えている。
また、別の発明の音響インピーダンス測定方法においては、連続する所定個数の矩形波からなる矩形波バースト信号を送信超音波探触子に印加して超音波に変換して出力する超音波出力ステップと、送信超音波探触子から出力された超音波の経路に空間を介して配設された受信超音波探触子でもって送信超音波探触子から出力された超音波を透過波信号に変換して出力する第1の超音波入力ステップと、この第1の超音波入力ステップで出力された透過波信号の信号値を空気透過音圧として検出する空気透過音圧検出ステップと、送信超音波探触子から出力された超音波の経路の空間、挿入した試験体及び空間を介して配設された受信超音波探触子でもって送信超音波探触子から出力された超音波を入力して、透過波信号を出力する第2の超音波入力ステップと、この第2の超音波入力ステップで出力された透過波信号の信号値を空気試験体透過音圧として検出する空気試験体透過音圧検出ステップと、検出された空気試験体透過音圧を前記検出された空気透過音圧で除算して、空気、試験体、空気の経路に対する超音波の透過率を算出する透過率算出ステップと、この算出された透過率及び既知である空気の音響インピーダンスを用いて、試験体の音響インピーダンスを算出する音響インピーダンス算出ステップとを備えている。
このように構成された音響インピーダンス測定装置、及び音響インピーダンス測定方法においては、送信超音波探触子と受信超音波探触子とを空間を介して対向配置するとともに、その空間内に試験体を挿脱可能としている。そして、試験体を挿入した状態の超音波の経路(「空気」→「試験体」→「空気」)で得られる合計の透過率は、空気の音響インピーダンスと試験体の音響インピーダンスとの関数で示すことが可能である。
そして、(「空気」→「試験体」→「空気」)の経路で得られる合計の透過率は、(「空気」→「試験体」→「空気」)の経路を透過した超音波の透過波信号値を、空気のみを透過した超音波の透過波信号値で除算することによって実測することが可能である。空気の音響インピーダンスは既知であるので、(「空気」→「試験体」→「空気」)の経路で得られる合計の透過率に含まれる試験体の音響インピーダンスを計算によって算出できる。
したがって、試験体の音速、密度、厚みの測定を実施する必要がないので、試験体の音響インピーダンスを簡単に測定できる。
また、信号発生部から出力される矩形波バースト信号は、従来の一つ(1周期分)のサイン波からなるパルス信号ではなくて、例えば、図2に示すように、連続する所定個数の矩形波からなる矩形波バースト信号である。このように、送信超音波探触子内の振動子に印加するパルス信号を連続する所定個数の負の矩形波からなる矩形波バースト信号とすることによって、振動子における電気信号の超音波への高い変換効率を実現できる。
したがって、たとえ送信超音波探触子と試験体との間に超音波の減衰率が大きい、すなわち、音響インピーダンスが小さい「空気」が介在したとしても、試験体に対して、十分なレベルの超音波を印加できる。その結果、受信超音波探触子から出力される透過波信号の信号レベルも十分確保できる。
本発明においては、超音波探触子と測定対象の試験体との接触状態を考慮することなく、かつ別途、試験体の音速、密度を測定することなく、超音波を用いて、試験体の音響インピーダンスを、簡単にかつ高い精度で測定できる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係わる音響インピーダンス測定方法が適用される音響インピーダンス測定装置の概略構成を示す模式図である。この実施形態の音響インピーダンス測定装置は、大きく分けて、図2に示す矩形波バースト信号aを出力するとともに透過波信号b(b1、b2)を入力するパルス送受信器10と、送信超音波探触子12と受信超音波探触子13と試験体11とが組込まれた試験体取付治具14と、受信超音波探触子13から出力されパルス送受信器10で増幅された透過波信号b(b1、b2)に基づいて、試験体11の音響インピーダンスZ2を算出すると共に、パルス送受信器10に各種設定を行う測定制御器15とで構成されている。
パルス送受信器10内には、図2に示す矩形波バースト信号aを作成する信号発生部16、信号発生部16から出力された矩形波バースト信号aを信号ケーブル17を介して送信超音波探触子12へ送信する送信部18、受信超音波探触子13から信号ケーブル19を介して透過波信号b(b1、b2)を受信する受信部20、受信した透過波信号b(b1、b2)を増幅して測定制御器15へ送出する増幅部21が設けられている。
前述したように、信号発生部16は、図2に示す個数Nの矩形波30からなる矩形バースト信号aを作成して送信部18を介して送信超音波探触子12へ送信する。この矩形バースト信号aの波数Nを含む各種設定値は、測定制御器15における測定条件設定部32にて指定される。
すなわち、測定条件設定部32は、操作者の操作部31を介した指示に基づいて、図2に示す矩形波バースト信号aにおける電圧VH、周波数f、波数Nの測定条件をパルス送受信器10の信号発生部16へ送出する。具体的には、電圧VHは矩形波バースト信号aにおける負の矩形波30の電圧であり、例えば、最大600V(ボルト)まで設定可能である。周波数fは、図3に示す送信超音波探触子12及び受信超音波探触子13における送信超音波探触子12内の振動子28に印加する矩形波バースト信号aにおける連続する負の矩形波30の周期Teに対応する周波数f(=1/2πTe)に設定される。また、波数Nは、矩形波バースト信号aにおける連続する負の矩形波30の数に設定する。
送信超音波探触子12と受信超音波探触子13とは同一構成であり、図3に示すように、下端開口26を有する金属製の筒状ケース27の下端開口26近傍に振動子28が配設されている。この振動子28の下方、すなわち、超音波パルスc、dの入出力側に振動子28と空気24との間の音響インピーダンスの急激な変化を抑制するための多孔性構造を有した樹脂材料からなる前面板29が取付けられている。
試験体取付治具14においては、ベース22の上面の両端位置に、支持部材23a、23bが固定されており、この支持部材23a、23bの上端にそれぞれ、送信超音波探触子12及び受信超音波探触子13とが、空気24が充満した所定の空間を介して互いに、対向するように固定されている。さらに、ベース22の上面の中間位置に、送信超音波探触子12及び受信超音波探触子13における超音波の経路に対して試験体11を挿脱可能に支持する移動支持部25が取付けられている。図1に示すように、移動支持部25上方へ移動させると、試験体11が超音波の経路に入る。また移動指示部25を矢印で示す下方へ移動させると、試験体11が超音波の経路から外れる。
このような構成の試験体取付治具14において、操作者は、移動支持部25を下方へ移動させて試験体11を超音波の経路から外すと共に、操作部31を操作して、測定制御器15内の空気レベル検出部33及び空気試験体レベル検出部34のうちの空気レベル検出部33を動作可能に設定する。
この状態において、パルス送受信器10からの矩形波バースト信号aが印加された送信超音波探触子12から空気24中へ出力された超音波パルスcはそのまま受信超音波探触子13へ入力する。そして、この「空気24」を透過した超音波パルスcはこの受信超音波探触子13で空気透過波信号b1に変換される。この空気透過波信号b1はパルス送受信器10の受信部20で受信され、増幅部21で増幅された後、測定制御器15内の稼働状態の空気レベル検出部33へ入力される。空気レベル検出部33は、入力された空気透過波信号b1の信号レベルを1V(ボルト)を基準レベルとするデシベル単位(dB)で検出して、空気透過音圧レベルGAとして、演算処理部35内の検出レベルメモリ36へ書込む。空気透過音圧レベルGAは、空気透過波信号b1の実際のリニアの信号値BA(ボルト)とを用いて表すと、(4)式となる。
A(dB)=20log10(BA/1) …(4)
次に、操作者は、図1に示すように、移動支持部25を上方へ移動させて試験体11を超音波の経路に挿入すると共に、操作部31を操作して、測定制御被器15内の空気レベル検出部33及び空気試験体レベル検出部34のうちの空気試験体レベル検出部34を動作可能に設定する。
この状態において、パルス送受信器10からの矩形波バースト信号aが印加された送信超音波探触子12から出力された超音波パルスcは(「空気24」→「試験体11」→「空気24」)の経路を透過した超音波パルスdとして受信超音波探触子13へ入力する。そして、この(「空気24」→「試験体11」→「空気24」)の経路を透過した超音波パルスdはこの受信超音波探触子13で空気試験体透過波信号b2に変換される。この空気試験体透過波信号b2はパルス送受信器10の受信部20で受信され、増幅部21で増幅された後、測定制御器15内の稼働状態の空気試験体レベル検出部34へ入力される。
空気試験体レベル検出部34は、入力された空気試験体透過波信号b2の信号レベルを1V(ボルト)を基準レベルとするデシベル単位(dB)で検出して、空気試験体透過音圧レベルGAMとして、演算処理部35内の検出レベルメモリ37へ書込む。空気試験体透過音圧レベルGAMは、空気試験体透過波信号b2の実際のリニアの信号値BAM(ボルト)とを用いて表すと、(5)式となる。
AM(dB)=20log10(BAM/1) …(5)
試験体透過率算出部39は、各検出メモリ36、37に書込まれた空気試験体透過音圧レベルGAM、空気透過音圧レベルGAを用いて、デシベル単位(dB)で示した(「空気24」→「試験体11」→「空気24」)の経路の透過率TAMを算出する。
AM(dB)=GAM―GA …(6)
この(6)式で示される透過率TAMは、後述するように、理論的に、空気24の音響インピーダンスZ1と試験体11の音響インピーダンスZ2の関数で表現できる。
音響インピーダンス算出部40は、(「空気24」→「試験体11」→「空気24」)の経路の透過率TAMから既知の空気24の音響インピーダンスZ1を用いて、目的とする「試験体11」の音響インピーダンスZ2に換算する。音響インピーダンス算出部40は、算出した試験体11の音響インピーダンスZ2を表示部38に表示出力する。
表示部38は、算出された試験体11の音響インピーダンスZ2の他に、図4(a)に示す信号発生部16から出力された矩形波バースト信号a、図4(b)に示す増幅部21で増幅された、空気透過波信号b1、空気試験体透過波信号b2等を表示する。さらに、表示部38は、検出された、空気透過音圧レベルGA、空気試験体透過音圧レベルGAMとを表示する。
次に、上述した非接触で試験体11の音響インピーダンスZ2を測定する測定原理を、図5を用いて説明する。
矩形波バースト信号aが印加された送信超音波探触子21から超音波パルスcが出力される。この超音波パルスcは空気24中を経由して、試験体11のA面に入射して、この試験体11内を透過する。試験体11内を透過しB面から出射した超音波パルスdは、再び空気24中を経由して、受信超音波探触子13へ入射されて、空気試験体透過波信号b2に変換される。
ここで、空気24と試験体11の各音響インピーダンスをZ1、Z2とし、(空気→試験体)の超音波の透過率T12、(試験体→空気)の超音波の透過率T21とし、さらに、空気24と試験体11間の超音波の反射率R12、試験体11と空気24間の超音波の反射率R21とする。
各反射率R12、R21は、前述したように、各音響インピーダンスをZ1、Z2を用いて(7)、(8)式で示される。
12=(Z2―Z1)/(Z2+Z1) …(7)
21=(Z1―Z2)/(Z2+Z1)=−R12 …(8)
さらに、各透過率T12、T21は、各反射率R12、R21を用いて(9)、(10)式で示される。
12=1+R12 …(9)
21=1+R21 …(10)
さらに、(空気→被検体→空気)の経路に対する超音波の透過率T121は、(11)式で示すように、各透過率T12、T21の積で示される。
121=T12×T21=(1+R12)(1+R21)=(1+R12)(1―R12
=4Z1・Z2/(Z2+Z12
…(11)
このように、図5における(空気24→試験体11→空気24)の経路に対する超音波の透過率T121は、(11)式に示すように、空気24と試験体11の各音響インピーダンスをZ1、Z2で定まる。
次に、この(空気24→試験体11→空気24)の経路に対する超音波の透過率T121を実際に測定するには、図5で示すように、試験体11を超音波の経路に介在させた状態において、受信超音波探触子13から出力される空気試験体透過波信号b2の信号値DAM(デシベル単位で表記するとGAM)を測定する。次に、試験体11を超音波の経路から外した状態において、受信超音波探触子13から出力される空気透過波信号b1の信号値DA(デシベル単位で表記するとGA)を測定する。
そして、両信号値の比が超音波の透過率T121を示す。
透過率T121=DAM/DA …(12)
また各信号値DAM、DAがデシベル単位[dB]で表記されている場合においては、測定された空気試験体透過波信号b2の信号レベルGAMから空気透過波信号b1の信号レベルGAを減算する。
透過率T121(dB)=GAM―GA …(13)
このようにして、(11)式に示す透過率T121が実測されると、(11)式における空気24の音響インピーダンスZ1は、前述したように、固定値
1=0.000442×106kg/m2・s
であるので、(11)式は目標とする試験体11の音響インピーダンスZ2に対する線形二次方程式となり、
2 2+(2Z1―4Z1/T121)Z2+Z1 2=0 ……(14)
図1の測定制御器15の演算処理部15の試験体透過率算出部39、及び音響インピーダンス算出部40にて、目標とする試験体11の音響インピーダンスZ2を算出している。
なお、透過率T121をデシベル単位[dB]で測定した場合には、通常の線形データに変換したのち、(14)式を計算して、試験体11の音響インピーダンスZ2を算出する。
次に、このように構成された音響インピーダンス測定装置で、複数の物質に対する音響インピーダンスZ2の測定結果を図6の測定結果の対比テーブルを用いて説明する。
試験体11として、木材、ジュラコン、アクリル、CPRF(炭素繊維強化プラスチックス)、アルミニュウム、SUS(ステンレス)板を採用した。
図6の測定結果の対比テーブルの音響インピーダンス欄41における、木材、ジュラコン、アクリル、CPRFの各音響インピーダンス(×106kg/m2・s)は、材料ハンドブック等に記載されている当該物質の密度ρ、音速Cを(1)式に代入して求めた、当該物質の基準となる正規の音響インピーダンスZである。また、音響インピーダンス欄41における、アルミニュウム、SUS(ステンレス)板の音響インピーダンスは、非破壊検査便覧に記載された当該物質の基準となる正規の音響インピーダンスZである。
そして、1番の木材から6番のSUS板までの6個の各試験体11を試験体取付治具14に装着して、この各試験体11を超音波の経路に対して挿入した状態、及び取外した状態で、空気試験体透過波信号b2の信号レベルGAM、及びら空気透過波信号b1の信号レベルGAを測定し、(13)式に示す、デシベル単位(dB)の透過率T121(dB)(=GAM―GA)を算出して、図6の透過率(単位dB)の実験値欄42に示す。
さらに、1番の木材から6番のSUS板までの6個の各試験体11における。1番から6番までの音響インピーダンス欄41に記載した当該物質の基準となる正規の音響インピーダンスZ2を読出す。また、予め材料ハンドブック等からた空気24の音響インピーダンスZ1(=0.000442×106kg/m2・s)を準備する。
そして、前述した(11)式に、該当材質の正規の音響インピーダンスZ2及び空気24の音響インピーダンスZ1を代入して、該当材質の空気24、試験体11、空気24の透過率T121を算出して、算出結果をデシベル単位(dB)に変換する。そして、このデシベル単位(dB)の計算した透過率T121(単位dB)(=4Z1・Z2/(Z2+Z12)を図6の透過率(単位dB)の計算値欄43に示す。
この図6の測定結果の対比テーブルにおける実験値欄42、計算値欄43からも明らかなように、1番から6番までの物質の各試験体11における実施形態装置で測定された透過率の実験値(T121(dB)(=GAM―GA))は、既知の各音響インピーダンスZ1、Z2の値から算出した透過率の計算値T121(単位dB)(=4Z1・Z2/(Z2+Z12)にほぼ一致することが確認できた。
図7は、図6の測定結果の対比テーブルにおける1番から6番までの各物質の空気24、試験体11、空気24の経路の透過率の実検値(T121(dB)(=GAM―GA))から、(14)式の線形二次方程式を用いて算出した各物質(各試験体11)の音響インピーダンスZ2の実験値と、透過率の実検値との関係を、縦軸を透過率とし横軸を音響インピーダンスとするグラフ上に黒丸で表示している。
例えば、5番のアルミニュウムの場合、透過率の実検値(T121(dB)(=GAM―GA))=―79.2dBであり、線形の比に変換すると、T121=0/00011となる。透過率T121を(14)式の線形二次方程式に代入して、アルミニュウムの音響インピーダンスZ2=16.1×106kg/m2・sが測定結果として得られる。この測定結果は、図6の音響インピーダンス欄41における当該材質の基準となる正規の音響インピーダンスZ=17.1×106kg/m2・sに近似している。
前述した(11)式は、空気24の音響インピーダンスZ1を定数とみなすと、透過率T121は、試験体11の音響インピーダンスZ2を変数とする二次関数で表現できる。したがって、透過率T121と試験体11の音響インピーダンスZ2との関係を示す理論特性が存在する。そして、各物質の測定された透過率と音響インピーダンスZ2の実験値とを示す黒丸は、図7に示す理論特性上に乗るのが望ましい。図7に示すように、各物質の実測値は理論特性に近似していることが実証された。
以上説明したように、実施形態の音響インピーダンス測定装置、及び音響インピーダンス測定方法においては、試験体11の音速C、密度ρ、厚みtの測定を実施する必要がないので、別途これ等を測定する測定装置を用いることなく、試験体11の音響インピーダンスZ2を超音波を用いて簡単にかつ高い精度で測定できる。
本発明の一実施形態に係わる音響インピーダンス測定方法が適用される音響インピーダンス測定装置の概略構成図 波形バースト信号を示す図 超音波探触子の断面図 表示部に表示された各信号の波形図 音響インピーダンスの測定原理を説明するための図 各物質の測定結果の一覧を示す図 各物質の測定された音響インピーダンスと透過率との関係を示す図 物質の境界面における超音波の反射及び透過の各動作を示す図 従来の音響インピーダンスの測定方法を示す図
符号の説明
10…パルス送受信器、11…試験体、12…送信超音波探触子、13…受信超音波探触子、14…試験体取付治具、15…測定制御器、16…信号発生部、17,19…信号ケーブル、18…送信部、20…受信部、21…増幅部、24…空気、28…振動子、30…矩形波、31…操作部、32…測定条件設定部、33…空気レベル検出部、34…空気試験体レベル検出部、35…演算処理部、36,37…検出レベルメモリ、38…表示部、39…試験体透過率算出部、40…音響インピーダンス算出部

Claims (2)

  1. 連続する所定個数の矩形波からなる矩形波バースト信号を作成して出力する信号発生部と、
    この信号発生部から出力された矩形波バースト信号を超音波に変換して出力する送信超音波探触子と、
    この送信超音波探触子から出力された超音波を透過波信号に変換して出力する受信超音波探触子と、
    前記送信超音波探触子と前記受信超音波探触子とを空間を介して対向させて支持し、かつ前記空間を伝搬する前記超音波の経路に対して試験体を挿脱自在に支持する試験体取付治具と、
    前記試験体が前記超音波の経路に挿入されない状態の前記透過波信号の信号値を空気透過音圧として検出する空気透過音圧検出手段と、
    前記試験体が前記超音波の経路に挿入された状態の前記透過波信号の信号値を空気試験体透過音圧として検出する空気試験体透過音圧検出手段と、
    前記検出された空気試験体透過音圧を前記検出された空気透過音圧で除算して、空気、試験体、空気の経路に対する超音波の透過率を算出する透過率算出手段と、
    この算出された透過率及び既知である空気の音響インピーダンスを用いて、前記試験体の音響インピーダンスを算出する音響インピーダンス算出手段と
    を備えたことを特徴とする音響インピーダンス測定装置。
  2. 連続する所定個数の矩形波からなる矩形波バースト信号を送信超音波探触子に印加して超音波に変換して出力する超音波出力ステップと、
    前記送信超音波探触子から出力された超音波の経路に空間を介して配設された受信超音波探触子でもって前記送信超音波探触子から出力された超音波を透過波信号に変換して出力する第1の超音波入力ステップと、
    この第1の超音波入力ステップで出力された透過波信号の信号値を空気透過音圧として検出する空気透過音圧検出ステップと、
    前記送信超音波探触子から出力された前記超音波の経路の空間、挿入した試験体及び空間を介して配設された前記受信超音波探触子でもって前記送信超音波探触子から出力された超音波を入力して、透過波信号を出力する第2の超音波入力ステップと、
    この第2の超音波入力ステップで出力された透過波信号の信号値を空気試験体透過音圧として検出する空気試験体透過音圧検出ステップと、
    前記検出された空気試験体透過音圧を前記検出された空気透過音圧で除算して、空気、試験体、空気の経路に対する超音波の透過率を算出する透過率算出ステップと、
    この算出された透過率及び既知である空気の音響インピーダンスを用いて、前記試験体の音響インピーダンスを算出する音響インピーダンス算出ステップと
    を備えたことを特徴とする音響インピーダンス測定方法。
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