JP2005147770A - 超音波探傷装置 - Google Patents

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Kazuyoshi Matsuoka
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Abstract

【課題】
被検査体の正確な合否判定を安定して行うことができる超音波探傷装置を実現する。
【解決手段】
底面からの反射エコー強度ビーム路程と界面(剥離)からの反射エコー強度とビーム路程の値を計測し、探傷面積のうちで剥離がない界面部位からのエコー強度と剥離からのエコー強度の和を界面エコー強度とし、これと底面からの反射である底面エコー強度との比で表される評価演算式をもとに健全率を演算し、この健全率の値を判定基準値と比較して被検査体の合否判定を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波探傷装置に関する。
被検査体内部の傷(剥離)の有無を検査する超音波探傷探傷方法として、対比試験方式と底面エコー方式が知られている。
対比試験片方式は、検査範囲の代表的深さ1点または数点に合否判定基準の剥離(傷)と同じ大きさの模擬剥離欠陥を付与した試験片について、予め垂直探傷方法で超音波探傷してエコー強度を計測する。剥離が1点の場合このエコー強度を基準エコー強度とする。剥離が数点の模擬剥離欠陥がある場合には、各剥離についてそれぞれ計測し、横軸に深さ、縦軸にエコー強度(高さ)をプロットして各プロット点を直線または曲線で結んで基準エコー曲線とする。そして、被検査体を探傷したときに基準のエコー強度または基準エコー曲線を超えるエコーが検出された場合に該部に剥離有りと判定する。このときのエコー強度の検出は、超音波探傷器のモニター画面にエコー計測波形を表示し、この波形を検査員が目視で観察して剥離からのエコーか否かを判断する構成である。
底面エコー方式は、超音波探傷器のモニター画面に表示されるエコー計測波形を検査員が目視で観察して剥離からのエコーか否かを判断し、剥離からエコー波高値Fを読み取る。次に、同様にして、検査員が底面からのエコーか否かを判断して底面からのエコー波高値Bを読み取る。そして、剥離からのエコー波高値Fと底面からのエコー波高値Bとの比F/Bを計算し、予め決められた合否判定基準値をもとに合否を決める方法である。
非破壊検査技術シリーズ 超音波探傷試験II 編集および発行所 社団法人 日本非破壊検査協会
従来の超音波探傷装置は、被検査体内に放射した超音波のエコー計測波形をモニター画面に表示し、その波形の高さ(エコー強度)を検査員が目視観察して判定する工程を含む構成であことから、検査結果の正確性や安定性に欠ける問題がある。
また、エコー強度は、被検査体内での超音波の減衰率(減衰定数)によって異なることから、合否判定基準が同じであっても、合否を決めるF/B値は被検査体の材質によって異なることになる。更に、被検査体内での超音波の減衰量が該超音波の伝播路程によって異なることから、エコーの反射深さが異なると、浅いところでは過大評価し、深いところでは過少評価する傾向となる。従って、被検査体が接着積層板のように積層境界面からも超音波が反射する部材に対する検査では、健全部材であっても板材と接着材の音響インピーダンスの差によって接着境界面からもエコーが発生することから、接着積層板を被検査体とする超音波探傷では、モニター画面に表示されたエコー計測波形を目視で観察して剥離からのエコーと境界面からのエコーを識別することが困難になることがあり、正確な検査(合否判定)を行うことができなくなる。
本発明の1つの目的は、安定して正確な超音波探傷を実現することができる超音波探傷装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、内部に接着境界面を有する接着積層板のような被検査体において接着境界に発生する剥離傷による該被検査体の合否を正確に判定することができる超音波探傷装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、内部に接着境界面を有する接着積層板のような被検査体において接着境界に発生する剥離傷による該被検査体の合否を自動的に判定することができる超音波探傷装置を提供することにある。
本発明は、被検査体に当接させて超音波を発信および受信する超音波探触子と、パルス電圧を発生して前記超音波探触子に印加することによって該超音波探触子から超音波を発信させると共に前記超音波探触子が被検査体から受信した超音波に基づいて該超音波探触子から発生する受信信号を増幅する超音波送受信回路と、受信信号をデジタル化するA/D変換手段と、デジタル化した受信信号を演算処理する信号処理演算手段と、演算結果を表示する表示手段とを備えた超音波探傷装置において、
前記信号処理演算手段に、被検査体内の界面から反射する超音波の界面エコー強度と該超音波のビーム路程の値を計測する界面エコー計測部と、底面から反射する超音波の底面エコー強度と該超音波のビーム路程を計測する底面エコー計測部と、界面エコー計測部と底面エコー計測部で得た計測データから評価演算式に従って健全率を演算する健全率演算部と、予め評価基準値を設定しておく評価基準値設定部と、健全率演算部で算出した健全率と評価基準値設定部に設定された評価基準値を比較して被検査体の合否を判定する合否判定部を設けたことを特徴とする。
本発明の超音波探傷装置は、安定して正確な超音波探傷を実現することができ、内部に接着境界面を有する接着積層板のような被検査体において接着境界に発生する剥離傷に起因する該被検査体の合否をも正確に自動的に判定することができる。
被検査体内に剥離(傷)が含まれる探傷部位に発信された探傷用超音波で該被検査体の底面から反射してくる超音波(エコー)である底面エコー強度をEとし、界面および剥離(傷)から反射してくる超音波(エコー)である界面エコー強度をEとする。被検査体が接着積層板の場合には、健全な接着境界面から反射してくる超音波(エコー)も界面エコー強度Eに含まれる。
探傷面積Sなる探触子を用いて超音波探傷を行う場合、剥離が含まれる探傷部位で底面から反射してくる超音波の底面エコー強度は、S-2α・xBで表される。ここで、Sは剥離がない健全部の面積、αは被検査体の減衰定数、Xは底面エコーのビーム路程である。すなわち、探傷面積Sのうちで剥離のない健全部の面積Sの範囲の探傷用超音波が底面に到達し、この底面から反射してくる底面エコーの強度は、減衰係数αと伝播距離Xの関数で表される。
また、剥離部位から反射してくる超音波のエコー強度は、剥離がない健全界面部位からの反射と剥離面からの反射との和となる。剥離がない健全界面部位から反射してくる界面エコー強度は、Sif-2α・xfとなる。ここで、Sは剥離がない健全部の面積、rifは界面での反射率、αは被検査体の減衰定数、Xは剥離がある部位からの界面エコーのビーム路程である。一方、剥離から反射してくる超音波の剥離エコー強度は(S−S)e-2α・xfで表せる。すなわち、剥離部〔面積(S−S)〕に超音波が到達し、剥離面から反射してくる超音波の剥離エコー強度は、減衰係数αと伝播路程Xの関数で表される。
従って、剥離がある部位で底面から反射する超音波のエコー強度Eと、剥離から反射する超音波のエコー強度Eの比は、次式で表される。
/E
(S-2α・xB)/(Sif-2α・xf+(S−S)e-2α・xf)…(数1)
ここでE:底面エコー強度、E:界面エコー強度、α:減衰係数、X:界面エコーの路程(時間的位置)、X:底面エコーの路程(時間的位置)、S:探傷面積(探触子の接触面積)、S:Sにおける健全界面面積、rif:界面反射率である。
探触子を被検査体に当接して超音波を発信し、そのエコーを検出することによって、界面エコー計測部と底面エコー計測部によってE,E,X,Xを計測する。また、α,rifは、被検査体に特有の定数であるので、設定手段によって設定する。
そこで、健全率をS/Sと定義すれば、健全率は次式で表される。
/S=−E-2α・xf/A……(数2)
ここでAおよびEは、
A=Eif-2α・xf−E-2α・xf−e-2α・xB
=E/E
である。
そして、計測したE,E,X,Xに基づいて健全率演算部において健全率S/Sを算出し、予め評価基準値設定部に設定しておいた健全率S/Sの評価基準(判定基準)値と健全率S/Sを合否判定部において比較することによって剥離(傷)による被検査体の合否(傷の有無)を判定する。
本発明の実施例1を図面を参照して説明する。
図1は、小型船舶やモーターボート等の船体に用いられているFRP接着積層板の剥離傷を検査する超音波探傷装置の機能ブロック図である。
この実施例1における超音波探傷装置は、被検査体に当接させて超音波を送受信する超音波探触子1と、パルス電圧を発生して前記超音波探触子1に印加することによって該超音波探触子1から超音波を発信させると共に前記超音波探触子1が被検査体から受信した超音波(エコー)に基づいて該超音波探触子1から発生する受信信号を増幅する超音波送受信回路2と、超音波送受信回路2から出力する受信信号をデジタル化するA/D変換回路3と、デジタル化された受信信号を演算処理する信号処理演算部4と、演算結果を表示する表示回路5と、モニター6と、設定入力部7と、記憶装置8を備える。
前記超音波探触子1は、超音波の送受信する電気機械変換素子である振動子101と、被検査体との接触性を良くするために前記振動子101の前面に取り付けたシリコン系の遅延材である接触子102と、これらを保持するハウジング103を備える。この超音波探触子1は、接触子102の先端面(探傷面積S)を被検査体である接着積層板9の探傷面(表面)に当接させた状態で、振動子101にパルス電圧を印加して該振動子101を振動させて探傷用の超音波を発生させると、この超音波は、振動子101から接触子102を介して接着積層板9に伝播する(探傷用の超音波の発信)。接着積層板9に伝播した超音波は、接着積層板9の表面901,内部の接着界面902と底面903で反射して接触子102に戻り、この接触子102を介して振動子101に戻る(エコー超音波の受信)。振動子101は、受信した超音波(エコー)を電気信号に変換して受信信号として出力する。ここで、振動子101から発信した超音波を探傷用超音波104、接着積層板9の表面901で反射して振動子101に戻った超音波を表面エコー1041、内部の接着界面(剥離面を含む)902で反射して振動子101に戻った超音波を界面エコー1042、底面903で反射して振動子101に戻った超音波を底面エコー1043と定義する。
前記超音波送受信回路2は、超音波探触子1の振動子101に超音波を発生させるために該振動子101に印加するパルス電圧を発生し、振動子101が各エコー1041〜1043を受信することによって該振動子101に発生する受信信号を増幅して出力する。この受信信号は、エコー強度に応じた大きさのアナログ信号である。
A/D変換回路3は、超音波送受信回路2から出力するアナログ信号形態の受信信号をデジタル信号に変換して出力する。
信号処理演算部4は、界面エコー計測部41と、底面エコー計測部42と、健全率演算部43と、評価基準値設定部44と、合否判定部45を備える。この信号処理演算部4の前記各機能部41〜45は、マイクロコンピュータと信号処理プログラムによって実行する演算処理機能によって実現する。また、この信号処理演算部4は、前記各機能部41〜45の他にも探傷条件設定機能部(図示省略)を実現する。
界面エコー計測部41は、界面エコー1042を計測してエコー強度Eとビーム路程Xの値を演算して求める。
底面エコー計測部42は、底面エコー1043を計測してエコー強度Eとビーム路程Xの値を演算して求める。
健全率演算部43は、界面エコー計測部41で求めた界面エコー1042のエコー強度Eとビーム路程Xの値と、底面エコー計測部42で求めた底面エコー1043のエコー強度Eとビーム路程Xの値に基づいて(数2)で示される演算を実行してS/Sの値(健全率)を求める。ここで、減衰係数αと界面反射率rifは、設定入力部7から設定される。
合否判定部45は、健全率演算部43で求めた健全率S/Sを評価基準値設定部44に設定してある評価基準値と比較し、健全率S/Sが評価基準値以上であれば合格とする。ここで、評価基準値は、予め設定入力部7から設定される。
表示回路5は、入力設定部7からの設定画面と、A/D変換回路3から受信したエコー受信信号と、信号処理演算部4で判定した合否判定結果をモニター6に表示する処理を行う。
記憶装置8は、信号処理演算部4で取り扱う受信信号や各種のデータや信号処理プログラムを記憶して保持する。
図2は、この実施例1における超音波探傷装置によって剥離傷がない健全な接着積層板9を超音波探傷している状態を示す模式図である。図1のブロック図に示した超音波送受信回路2〜設定入力部7は、超音波探傷器本体10に実装される。そして、超音波探触子1から発信した超音波ビーム104は、その一部が被検査体である接着積層板9の表面901で反射し、他の一部は内部に伝播して健全な接着界面902と底面903で反射し、その各反射波がエコーとして超音波探触子1で受信される。受信したエコー受信信号は、超音波探傷器本体10のモニター6にオシログラフ波形601として表示される。表面エコー1041は、オシログラフ波形601における表面エコー部6011に該当し、界面エコー1042は界面エコー部6012に該当し、底面エコー1043は底面エコー部6013に該当する。
図3は、接着積層板9の構造と探傷用超音波の反射の様子を示す模式図である。この接着積層板9は、複数枚の薄板材904を接着剤905で張り合わせた構造物である。薄板材904と接着剤905の音響インピーダンスを各々Z1,Z2とすると、その境界面では、
(Z1−Z2)/(Z1+Z2)……(数3)
の界面反射(界面エコー)1042が発生する。複数枚の薄板材904を積層した構造の接着積層板9では、次々に境界面があり、超音波探触子1から発信した超音波が各界面で反射および再反射を繰り返すことから、超音波探触子1に戻ってくる界面エコー1042が時間的にずれたり重畳したりする。
図4は、この実施例1における超音波探傷装置によって剥離傷を含んだ接着積層板9を超音波探傷している状態を示す模式図である。被検査体である接着積層板9の接着境界面に剥離傷906がある場合には、その剥離傷面で超音波が反射する剥離エコー1044が発生する。この剥離エコー1044は、モニター6に表示されるオシログラフ波形601では、剥離エコー部6014として表示される。
剥離傷906は、一般に空気層であり、空気の音響インピーダンスをZ3とすると、剥離傷906の界面では、
(Z1−Z3)/(Z1+Z3)……(数4)
の超音波の反射が発生することになる。このとき、健全な積層界面902では(数3)で表される界面エコー1042が発生するが、積層する薄板材904の材質や組成と接着剤905の組み合わせによっては健全な積層界面902からの界面エコー1042の強度が大きくなり、剥離傷906からの剥離エコー1044の有無を目視で識別することが困難になる。
因に、剥離エコー1044は、強さ(モニター6に表示されるオシログラフ波形601の波形の高さ)が異なるだけで、健全な積層界面902で発生する界面エコー1042と同様に発生する。そこで、強い界面エコー1042を剥離エコー1044とみなして評価(合否判定)するようにする。
このような合否判定は、界面エコー1042や剥離エコー1044を受信するタイミングで発生するエコー受信信号と、底面エコー1043を受信するタイミングで発生するエコー受信信号に限って識別処理するための界面ゲートと底面ゲートを界面エコー計測部41と底面エコー計測部42に設定しておき、各ゲート内のエコー受信信号において最も高い波高値のエコーを剥離エコーE、底面エコーEと判定することによって実現することができる。
図5は、このようにして剥離エコーEと底面エコーEを計測するために設定したゲートとエコー受信信号波形を表示したモニター6の表示画面の模式図である。
界面エコー1042や剥離エコー1044が受信される位置(時間的な範囲)に界面エコー1042や剥離エコー1044の受信信号を取り込んで処理する界面ゲート411を界面エコー計測部41に設定し、底面エコー1043が受信される位置(時間的な範囲)に底面エコー1043の受信信号を取り込んで処理する底面ゲート421を底面エコー計測部41に設定する。そして、界面エコー計測部41と底面エコー計測部42は、各ゲート411,421内で受信するエコー受信信号における最も高い波高値をもつエコー受信信号を剥離エコー1044としてそのエコー強度E、底面エコー1043のエコー強度Eとしてそれぞれ識別し、そのときの剥離エコー1044のビーム路程Xと底面エコー1043のビーム路程Xをそれぞれ計測する。
ここで、底面エコー1043と剥離エコー1044の比E/Eは、
/E
(S-2α・xB)/(Sif-2α・xf+(S−S)e-2α・xf)……(数1)
となる。ここで、Eは底面エコー強度、Eは剥離エコー強度、αは減衰係数、Xは剥離エコーの時間的位置、Xは底面エコーの時間的位置、Sは探傷面積(接触子102の接触面積)、SはSにおける健全界面面積、rifは界面反射率である。
この(数1)において、E,E,X,Xがエコー計測に基づいて求められることになる。また、α,rifは、被検査体9に特有の定数であり、設定入力部7からの入力によって設定される。
そこで、健全率をS/Sと定義すれば、
/S=−E-2α・xf/A……(数2)
ここで、AおよびEは、
A=Eif-2α・xf−E-2α・xf−e-2α・xB
=E/E
である。
そして、計測したE,E,X,Xと材料固有の定数であるα、rifを用いて信号処理演算部4の健全率演算部43において(数2)に従った演算処理によって健全率S/Sの値を求める。この値を、合否判定部45において、予め設定した合否判定基準の値と比較することによって、剥離の有無による被検査体9の合否を判定し、判定結果をモニター6に表示する。
このようにすることによって、剥離傷による被検査体9の正確な合否を容易に且つ安定して判定(評価)することが可能となる。
次に、接着積層板9の製造のばらつきにより、界面エコー強度の計測ばらつきが大きい場合の補正方法を説明する。製造のばらつきが界面エコー強度に与える影響は、界面反射率rifのばらつきである。この界面反射率rifばらつきは、健全部における界面エコー1042の強度Eと底面エコー1043の強度Eの比であるE/Eを初期値として計測し、その値で界面反射率rifを補正することによって解消する方法を採用すると良い。
健全部においては、(数1)における分母の第2項がないことになるので、底面エコー1043と界面エコー1042の比で表される評価演算式は、
/E=S-2α・xB/Sif-2α・xf……(数5)
となる。
ここで、界面反射率rifは、材料固有の定数であるが、これを実態に合わせて補正することにする。
すなわち、
if‘=C・rif
とすると、
/E=S-2α・xB/Sif‘e-2α・xf……(数6)
となる。ここで、健全部での計測値E,E,X,Xと材料固有の定数であるαから、rif‘=C・rif=e-2α・xB/E-2α・xf……(数7)
となる。
ここで、E=E/E
従って、
C=e-2α・xB/rif-2α・xf……(数8)
が得られる。
この補正係数Cを用いると、評価演算式は、
/E
(S-2α・xB)/(SCrif-2α・xf+(S−S)e-2α・xf)……(数9)
となる。
そこで、健全率をS/Sと定義すれば、
/S=−E-2α・xf/B……(数10)
ここで、Bは、
B=ECrif-2α・xf−E-2α・xf−e-2α・xB
である。
この(数10)を用いて演算することにより、接着積層板8の製造のばらつきによる計測ばらつきを補正することができる。
図6は、前述したような超音波探傷を実行するために実施例1における超音波探傷装置が実行するFRP劣化診断のための探傷処理のフローチャートである。
ステップS1
探傷条件を設定する。この探傷条件の設定は、設定入力部7からの指示入力によって、探傷条件設定機能部を機能させて図7に示すような探傷条件設定画面をモニター6に表示させ、減衰定数αと界面反射率rifと評価定数(判定基準値=S/Sの合否判定基準値)を設定することによって行う。
ステップS2
超音波探触子1の接触子102を接着積層板9の探傷面に押し当てて超音波探傷を開始する。
ステップS3
界面エコーのエコー強度Eとビーム路程Xを読み込む。
ステップS4
底面エコーのエコー強度Eとビーム路程Xを読み込む。
ステップS5
読み込んだ界面エコーデータE,Xと底面エコーデータE,Xに基づいて(数2)または(数10)を用いて健全率S/Sの値を演算する。
ステップS6
剥離による被検査体9の合否を判定する。これは、予め設定する評価定数の値(合否判定基準値)と健全率S/Sの値を比較し、S/Sの値が評価定数値以上であれば合格と判定する。この例では、評価定数値は0.5に設定されており、探傷面積Sの半分の面積未満の剥離まで許容(合格)する。
ステップS7
このような信号処理の内容であるエコー受信信号波形601,E/E,健全率S/S,良否(合否判定結果)等を、図8に示すように、モニター6に表示する。合否判定結果(良否)は、○(合格)×(不合格)で表示している。
ステップS8
探傷データE,X,E,X,合否結果を記憶装置8に格納する。これで、1カ所の超音波探傷を終了する。
ステップS9
超音波探傷を更に行うかどうかを判断して処理を分岐する。更に行う場合にはステップS3に戻って同様に実行する。
ステップS10
超音波探傷を終了する。
図9は、このようなFRP劣化診断に好ましい形態のFRP劣化診断装置として構成した実施例1の超音波探傷装置における超音波探傷器本体10の外観図である。この超音波探傷器本体10は、携帯して超音波探触子(図示省略)を小型船舶あるいはモーターボート等のCFRP船体(被検査体である接着積層板)に当接してCFRPの剥離による劣化の程度を診断するのに好適な形態に構成してある。
因に、この実施例1における設定入力部7は、電源スイッチ701と設定画面を表示させる画面スイッチ702とゲートを設定するゲートスイッチ703と設定値を選択する選択スイッチ704を備える。
図10は、被検査体に対する超音波探触子の接触位置(探傷位置)を移動させながら超音波探傷を繰り返す自動スキャン方式の超音波探傷装置の機能ブロック図である。
この実施例2の超音波探傷装置は、実施例1と同様の超音波探触子1と超音波送受信回路2とA/D変換回路3と信号処理演算部4と表示回路5とモニター6と設定入力部7と記憶装置8を備え、更に、前記超音波探触子1の接触位置(被検査体表面上のX座標とY座標)を移動させるために該超音波探触子1を移動する駆動機構11と該駆動機構11を制御する駆動制御回路12を備える。
駆動制御回路12は、超音波探触子1における接触子102の接触位置(探傷位置)が所定の距離で順次にずれるように駆動機構11を制御すると共に各探傷位置情報(X座標とY座標情報)を超音波送受信回路2と信号処理演算部4に与える。
超音波送受信回路2は、各探傷位置(X座標とY座標)で実施例1と同様に超音波の送受信を行うように超音波探触子1と連係する。
信号処理演算部4は、各探傷位置(X座標とY座標)で実施例1と同様のエコー受信信号の処理を行って各探傷位置での合否判定とデータ格納を行う。すなわち、各探傷位置でE,E,X,Xを計測して(数2)または(数10)で演算処理し、X座標とY座標上に表示させる。
図11は、複数の超音波探触子によって超音波探傷を実行するマルチ探触子方式の超音波探傷装置の機能ブロック図である。
この実施例3における超音波探触子13は、実施例1における超音波探触子1と同様な16個の超音波探触子1a〜1qを4(X軸)×4(Y軸)個の配列で一体化した超音波マルチ探触子として構成し、スイッチング回路であるマルチプレクサ14で各超音波探触子1a〜1qを選択的に切り替えて超音波探傷する構成である。超音波送受信回路2〜記憶装置8は、実施例1または実施例2と同様に構成する。
このマルチ探触子方式の超音波探傷装置は、被検査体に超音波探触子13を押し当てることにより、広い範囲(実施例1の16倍の探傷面積)を計測して探傷する処理を短時間に実現することが可能となる。
本発明の実施例1の超音波探傷装置の機能ブロック図である。 本発明の実施例1の超音波探傷装置によって剥離傷がない健全な接着積層板を超音波探傷している状態を示す模式図である。 接着積層板の構造と探傷用超音波の反射の様子を示す模式図である。 本発明の実施例1の超音波探傷装置によって剥離傷を含んだ接着積層板を超音波探傷している状態を示す模式図である。 本発明の実施例1の超音波探傷装置において剥離エコーと底面エコーを計測するために設定したゲートとエコー受信信号波形を表示したモニターの表示画面の模式図である。 本発明の実施例1における超音波探傷装置が実行するFRP劣化診断のための探傷処理のフローチャートである。 本発明の実施例1における超音波探傷装置が実行するFRP劣化診断のための探傷処理においてモニターに表示する探傷条件設定画面である。 本発明の実施例1における超音波探傷装置が実行するFRP劣化診断のための探傷処理においてモニターに表示する探傷結果表示画面である。画面表示 本発明の実施例1の超音波探傷装置の超音波探傷器本体の外観図である。 本発明の実施例2の自動スキャン方式の超音波探傷装置の機能ブロック図である。 本発明の実施例3のマルチ探触子方式の超音波探傷装置の機能ブロック図である。
符号の説明
1…超音波探触子、101…振動子、102…接触子、104…探傷用超音波(ビーム)、1041…表面エコー、1042…界面エコー、1043…底面エコー、2…超音波送受信回路、3…A/D変換部、4…信号処理演算部、41…界面エコー計測部、42…底面エコー計測部、43…健全率演算部、44…評価基準値設定部、45…合否判定部、5…表示回路、6…モニター、7…設定入力部、8…記憶装置、9…被検査体(積層接着板)。

Claims (1)

  1. 被検査体に当接させて超音波を発信および受信する超音波探触子と、パルス電圧を発生して前記超音波探触子に印加することによって該超音波探触子から超音波を発信させると共に前記超音波探触子が被検査体から受信した超音波に基づいて該超音波探触子から発生する受信信号を増幅する超音波送受信回路と、受信信号をデジタル化するA/D変換手段と、デジタル化した受信信号を演算処理する信号処理演算手段と、演算結果を表示する表示手段とを備えた超音波探傷装置において、
    前記信号処理演算手段に、被検査体内の界面から反射する超音波の界面エコー強度と該超音波のビーム路程の値を計測する界面エコー計測部と、底面から反射する超音波の底面エコー強度と該超音波のビーム路程を計測する底面エコー計測部と、界面エコー計測部と底面エコー計測部で得た計測データから評価演算式に従って健全率を演算する健全率演算部と、予め評価基準値を設定しておく評価基準値設定部と、健全率演算部で算出した健全率と評価基準値設定部に設定された評価基準値を比較して被検査体の合否を判定する合否判定部を設けたことを特徴とする超音波探傷装置。
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