JP2009063295A - 拘束装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物の任意の位置を中心とする回転(揺動)を許容できるように対象物を拘束する。
【解決手段】
第1回転継手412、乃至、第5回転継手456の回転軸は、それぞれ、エンジン1の重心Gを通る軸となるように設定されているので、エンジン1の、これら5つの回転軸回りの回転を組み合わせた回転3自由度の回転(揺動)は一定範囲内において許容され、この回転(揺動)の中心は、常にエンジン1の重心Gとなる。また、第6回転継手467乃至第8回転継手489の回転軸は、その軸方向がエンジン1の出力軸方向(図中のz方向)となるように設定されている。したがって、エンジン1やその重心の平行移動は、第6回転継手467の回転軸回りの第7リンク47の回転と、第8リンク48の第7回転継手478の回転軸回りのリンクの回転を組みあわせて得られるエンジン1の出力軸と垂直な方向(図中のx、y方向)の平行移動のみが許容される。
【選択図】図2

Description

本発明は、対象物の運動を拘束する技術に関するものである。
対象物の運動を拘束する技術としては、エンジンの試験に用いられるエンジン試験システムにおいて、直交する三軸回りの揺動を許容しつつ、エンジンのクランクシャフト軸と垂直な方向への平行移動を拘束するようにエンジンを支持する支持装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
特開2000-105173号公報
さて、自動車に搭載された状態におけるエンジンの揺動は、エンジンの重心を通る軸回りの揺動となる。したがって、エンジン試験システム等において、自動車に搭載された状態をできるだけ再現したい場合には、エンジンの重心を通る軸回りの揺動を許容するように、エンジンを支持する必要がある。
しかしながら、前記特許文献1記載の支持装置によれば、直交する三軸回りの揺動は許容されるが、揺動の軸は、必ず、支持装置とエンジン支持部の連結箇所を通る軸となり、エンジンの重心を通る軸とはならない。
そこで、本発明は、対象物の任意の位置を中心とする揺動を許容できるように対象物を拘束する拘束装置を提供することを課題とする。
前記課題達成のために、本発明は、対象物の基体に対する運動を拘束する拘束装置として、前記対象物内部に設定した拘束点を通る軸を回転軸とする複数の回転継手と、前記複数の回転継手によって順次連結された複数のリンクとより構成されるリンク機構を備えた拘束装置を提供する。ただし、前記リンクの両端に位置する二つの回転継手の回転軸の軸方向が異なるように、当該リンクの向きは設定されており、前記リンク機構の一端は前記対象物に固定されており、前記リンク機構の他端は直接または間接的に前記基体に連結されているものである。
このような拘束装置によれば、前記リンク機構の他端に対して許容される対象物の回転や揺動は、当該対象物の拘束点を中心とする、直交する少なくとも2軸回りの回転や揺動のみとなる。よって、前記リンク機構の他端を移動できないように、または、平行移動のみが許容されるように、基体に対して連結することにより、対象物の拘束点を中心とする揺動、回転のみが許容されるように対象物を拘束することができる。ここで、拘束点は、対象物の重心などの任意の位置に設定することができるので、結果、このようなリンク機構によれば、対象物の任意の位置を中心とする揺動を許容できるように対象物を拘束することができる。
ここで、このような拘束装置には、前記リンク機構の他端に一端が連結し、他端が前記基体に固定された平行移動機構を設けるようにしてもよい。ただし、前記平行移動機構は、一軸方向または直交する二軸方向についてのみ、前記リンク機構の他端の前記基体に対する平行移動を許容するものである。
このようにすることにより、対象物の平行移動方向の運動を、平行移動機構が平行移動を許容しない軸方向についてのみ拘束することができる。
また、以上の拘束装置には、前記リンク機構は、前記拘束点を通る軸を回転軸とする回転継手を3以上備えるようにしてもよい。このようにすることにより、対象物の回転や揺動として、当該対象物の拘束点を中心とする直交する3軸回りの回転や揺動のみを許容することができるようになる。
なお、以上のような拘束装置は、前記対象物内部に設定した複数の拘束点の各々に対応して設けた複数の前記リンク装置より構成し、各リンク装置の複数の前記回転継手の回転軸を、対応する拘束点を通る軸となるように設定するようにしてもよい。
このようにすることにより、2点を拘束して対象物に対して設定した任意の軸を拘束したり、3点を拘束して対象物に対して設定した任意の平面を拘束したりすることができるようになる。
なお、以上のような拘束装置は、前記基体を移動駆動するアクチュエータと共に、上述のように拘束点を通る軸回りの対象物の回転や揺動や、一部の軸方向についての対象物の平行移動を許容しつつ、対象物の拘束点を移動する移動機構を構成するためなどにも用いることができる。
以上のように、本発明によれば、対象物の任意の位置を中心とする揺動を許容できるように対象物を拘束する拘束装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、エンジン試験システムにおけるエンジンの重心の拘束への適用を例にとり説明する。
まず、図1に、本実施形態に係るエンジン試験システムの構成を示す。
図示するように、エンジン試験システムは、試験対象のエンジン1、エンジン1の出力軸にトルクTQを作用させるダイナモメータ2、エンジン1を自動車と同様にエンジンマウントを介して支持する支持台3を備えている。また、エンジン1の出力軸と垂直な方向の運動とエンジン1の重心回りの回転(揺動)を許容しつつ、エンジン1の出力軸方向の運動を拘束する拘束リンク機構4とを備えている。
次に、図2に拘束リンク機構4の構造を示す。
図示するように、拘束リンク機構4は、第1リンク41、第2リンク42、第3リンク43、第4リンク44、第5リンク45、第6リンク46、二つの第7リンク47、二つの第8リンク48、二つの第9リンク49を備えている。
そして、第1リンク41の一端は連結部40でエンジン1に固定されている。
また、第2リンク42の他端は第1回転継手412で第2リンク42の一端に連結されている。また、第2リンク42の他端は第2回転継手423で第3リンク43の一端に連結されており、第3リンク43の他端は第3回転継手434で第4リンク44の一端に連結されており、第4リンク44の他端は第4回転継手445で第5リンク45の一端に連結されており、第5リンク45の他端は第5回転継手456で第6リンク46の一端に連結されており、第6リンク46の他端は第6回転継手467で第7リンク47の一端に連結されており、第6リンク46は他端側において二つの第6回転継手467で各々二つの第7リンク47の一端に連結されており、二つの第7リンク47の他端は各々二つの第7回転継手478で二つの第8リンク48の一端にそれぞれ連結されており、二つの第8リンク48の他端は各々二つの第8回転継手489で二つの第9リンク49の一端にそれぞれ連結されている。
そして、第9リンク49の他端は、支持台3に対して固定されている。
このような構成において、第1回転継手412の回転軸410、第2回転継手423の回転軸420、第3回転継手434の回転軸430、第4回転継手445の回転軸440、第5回転継手456の回転軸450は、それぞれ、エンジン1の重心Gを通る軸となるように設定されている。なお、これら5つの回転軸は、常にエンジン1の重心Gを通る他の回転軸回りに回転移動するので、これら5つの回転軸は常にエンジン1の重心Gを通る軸となる。また、第1回転継手412の回転軸410と第2回転継手423の回転軸420の軸方向、第2回転継手423の回転軸420と第3回転継手434の回転軸430の軸方向、第3回転継手434の回転軸430と第4回転継手445の回転軸440の軸方向、第4回転継手445の回転軸440と第5回転継手456の回転軸450の軸方向は、エンジン1の重心Gまでの距離と回転軸間のリンクの長さに応じて必ず異なる方向の軸となる。
したがって、エンジン1の、これら5つの回転軸回りの回転を組み合わせた、一定範囲内における回転3自由度の回転(揺動)、は許容されることになり、この回転の中心は、常にエンジン1の重心Gとなる。
次に、第6回転継手467の回転軸460、第7回転継手478の回転軸470、第8回転継手489の回転軸480は、その軸方向がエンジン1の出力軸方向(図中のz方向)となるように設定されている。
したがって、エンジン1やその重心の平行移動は、第9リンク49に対する第8リンク48の出力軸回りの回転と、第7リンク47の第8リンク48に対する出力軸回りの回転を組みあわせて得られるエンジン1の出力軸と垂直な方向(図中のx、y方向)の平行移動が許容されることになる。
そして、以上の結果、エンジン1は、エンジン1の出力軸方向(図中のz方向)の移動のみが拘束されることになる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、図2に示した拘束リンク機構4は、第6リンク46を、直接、支持台3に固定することにより、重心を中心とする回転3自由度のエンジン1の回転(揺動)のみを許容しつつエンジン1の前後左右上下方向の平行移動を拘束するリンク機構として構成することもできる。また、第6リンク46を任意の一軸方向の平行移動のみを許容する機構に連結することにより、重心を中心とする回転3自由度のエンジン1の回転(揺動)を許容しつつエンジン1の前記任意の一軸方向と直交する二軸方向の平行移動を拘束する機構として構成することもできる。
ところで、このような拘束リンク機構4は、図3に模式的に示すように構成することもできる。
図示するように、この拘束リンク機構4は、第1軸用リンク51、第2軸用リンク52、第3軸用リンク53、第1XY用リンク54、第2XY用リンク55、固定用リンク56を備えている。
そして、第1軸用リンク51の一端はエンジン1に固定されている。
また、第1軸用リンク51の他端は第1軸回転継手512で第2軸用リンク52の一端に連結されている。また、第2軸用リンク52の他端は第2軸回転継手523で第3軸用リンク53の一端に連結されており、第3軸用リンク53の他端は第3軸回転継手534で第1XY用リンク54の一端に連結されており、第1XY用リンク54の他端は第1z軸回転継手545で第2XY用リンク55の一端に連結されており、第2XY用リンク55の他端は第2z軸回転継手556で固定用リンク56の一端に連結されている。
そして、固定用リンク56の他端は、支持台3に対して固定されている。
このような構成において、第1軸回転継手512の回転軸、第2軸回転継手523の回転軸、第3軸回転継手534の回転軸は、それぞれ、エンジン1の重心Gを通る軸となるように設定されている。また、これら3つの回転軸が、図示するようにエンジン1に固定した座標系における直交する三軸(図中のxo、yo、zo)にそれぞれ一致するように展開することができるように、その回転軸の方向や第1軸用リンク51、第2軸用リンク52、第3軸用リンク53の長さは定められている。
したがって、図より明らかなように、エンジン1の、これら3つの回転軸回りの回転を組み合わせた、回転3自由度の回転(揺動)が許容されることになり、この回転(揺動)の中心は、常にエンジン1の重心Gとなる。
次に、第1z軸回転継手545の回転軸、第2z軸回転継手556の回転軸は、その軸方向がエンジン1の出力軸方向(図中のz方向)となるように設定されている。
したがって、エンジン1やその重心の平行移動は、固定用リンク56に対する第2XY用リンク55の出力軸回りの回転と、第1XY用リンク54の第2XY用リンク55に対するの出力軸回りの回転を組みあわせて得られるエンジン1の出力軸と垂直な方向(図中のx、y方向)の平行移動が許容されることになる。
そして、以上の結果、エンジン1は、エンジン1の出力軸方向(図中のz方向)の移動のみが拘束されることになる。
なお、図3に示した拘束リンク機構4は、第1XY用リンク54を直接、支持台3に固定することにより、重心を中心とする回転3自由度のエンジン1の回転(揺動)のみを許容しつつエンジン1の前後左右上下方向の平行移動を拘束するリンク機構として構成することもできる。また、第1XY用リンク54を任意の一軸方向の平行移動のみを許容する機構に連結することにより、重心を中心とする回転3自由度の自動車の回転(揺動)を許容しつつエンジン1の前記任意の一軸方向と直交する二軸方向の平行移動を拘束する機構として構成することもできる。
ところで、以上では、エンジン試験システムへの適用を例にとり説明したが、本実施形態で示した拘束リンク機構4は任意の対象物の運動の拘束に適用することができる。すなわち、たとえば、自動車の試験を行うシャーシダイナモメータにおける自動車の拘束等に用いることができる。なお、シャーシダイナモメータにおける自動車の拘束に適用する場合、拘束リンク機構4における拘束は、重心を中心とする回転3自由度の自動車の回転(揺動)と自動車の左右上下方向の平行移動を許容しつつ自動車の重心の前後方向の平行移動のみを拘束する形態で行ったり、重心を中心とする回転3自由度の自動車の回転(揺動)を許容しつつ自動車の前後左右または前後左右上下方向の平行移動を拘束する形態で行ったりすることができる。
また、以上の実施形態では、エンジンや自動車等の対象物の重心を拘束する場合について示したが、本実施形態で示した拘束リンク機構4は、対象物の重心以外の任意の点、たとえばエンジンの出力点等を拘束するために用いることができる。すなわち、この場合には、重心に代えて拘束する対象物の点を拘束点として、以上で重心を通る軸を回転軸とした各回転継手(図2の第1回転継手412-第5回転継手456、図3の第1軸回転継手512-第3軸回転継手534)の回転軸を、重心に代えて拘束点を通る軸とすればよい。
また、本実施形態で示した拘束リンク機構4を複数用いて、各拘束リンク機構4によって、対象物の異なる複数の点をそれぞれ拘束するようにしてもよい。このようにすることにより、2点を拘束して対象物に対して設定した任意の軸を拘束したり、3点を拘束して対象物に対して設定した任意の平面を拘束したりすることができる。
また、本実施形態で示した拘束リンク機構4と、当該拘束リンク機構4の対象物固定端と反対側の端を、当該端を移動駆動するアクチュエータに連結して移動機構を構成するようにしてもよい。このような移動機構によれば、上述のように所望軸回りの対象物の回転や揺動や、一部の軸方向についての対象物の平行移動を許容しつつ、対象物の拘束点を移動する移動機構を構成することができる。
本発明の実施形態に係るエンジン試験システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る拘束リンク機構の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る拘束リンク機構の他の構成例を示す図である。
符号の説明
1…エンジン、2…ダイナモメータ、3…支持台、4…拘束リンク機構、40…連結部、41…第1リンク、42…第2リンク、43…第3リンク、44…第4リンク、45…第5リンク、46…第6リンク、47…第7リンク、48…第8リンク、49…第9リンク、51…第1軸用リンク、52…第2軸用リンク、53…第3軸用リンク、54…第1XY用リンク、55…第2XY用リンク、56…固定用リンク、412…第1回転継手、423…第2回転継手、434…第3回転継手、445…第4回転継手、456…第5回転継手、467…第6回転継手、478…第7回転継手、489…第8回転継手、512…第1軸回転継手、523…第2軸回転継手、534…第3軸回転継手、545…第1z軸回転継手、556…第2z軸回転継手。

Claims (5)

  1. 対象物の基体に対する運動を拘束する拘束装置であって、
    前記対象物内部に設定した拘束点を通る軸を回転軸とする複数の回転継手と、前記複数の回転継手によって順次連結された複数のリンクとより構成されるリンク機構を有し、
    前記リンクの両端に位置する二つの回転継手の回転軸の軸方向が異なるように、当該リンクの向きは設定されており、
    前記リンク機構の一端は前記対象物に固定され、当該リンク機構の他端は直接または間接的に前記基体に連結されていることを特徴とする拘束装置。
  2. 請求項1記載の拘束装置であって、
    前記リンク機構の他端に一端が連結し、他端が前記基体に固定された平行移動機構を有し、
    前記平行移動機構は、一軸方向または直交する二軸方向についてのみ、前記リンク機構の他端の前記基体に対する平行移動を許容することを特徴とする拘束装置。
  3. 請求項1または2記載の拘束装置であって、
    前記リンク機構は、前記拘束点を通る軸を回転軸とする回転継手を3以上備えていることを特徴とする拘束装置。
  4. 請求項1、2または3記載の拘束装置であって、
    前記対象物内部に設定した複数の拘束点の各々に対応して設けた複数の前記リンク装置を備え、各リンク装置は、対応する拘束点を通る軸を回転軸とする複数の前記回転継手を備えていることを特徴とする拘束装置。
  5. 請求項1、2、3または4記載の拘束装置と、
    前記基体を移動駆動するアクチュエータを備えることを特徴とする移動機構。
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