JP4256205B2 - 風洞模型支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風洞模型支持装置およびそれを用いた風洞試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来技術の風洞試験装置1を簡略化して示す断面図である。また図7は、図6のS2−S2切断面線から見た風洞試験装置2の断面図である。従来技術の風洞模型支持装置6は、第1駆動体11と、支持部12と、関節部13と、2つの油圧シリンダ14を含む。第1駆動体11は、試験模型5を支持する。また支持部12は、関節部13を介して第1駆動体11を支持する。
【0003】
関節部13は、パラレルリンク構造を有する。気流の流れ方向3に沿う方向を前後方向Xとし、上下方向Zおよび前後方向Xに交差する方向を左右方向Yとすると、関節部13は、第1駆動体11の軸線L0を支持部12に対して、上下方向Zおよび左右方向Yに傾斜可能に支持する。
【0004】
各油圧シリンダ14は、支持部12に角変位可能にそれぞれ固定され、支持部12の外周面から突出する。各油圧シリンダ14のピストンロッド16は、リンク部材18に連結される。リンク部材18は、第1駆動体11に固定され、ピストンロッド16に対して角変位可能に設けられる。各油圧シリンダ14は、ピストンロッド16を前後方向Xに伸縮駆動する。
【0005】
風洞模型支持装置6は、各ピストンロッド16をそれぞれ伸縮させ、第1駆動体11の軸線L0を上下方向Zおよび左右方向Yに傾斜させる。これによって試験模型を角変位する(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−243579号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述する従来の技術では、試験模型5を角変位するために油圧シリンダ14が必要である。風洞模型支持装置1は、油圧シリンダ14が支持部12から突出した外形形状となってしまう。油圧シリンダ14が支持部12から突出していると、試験模型5の周囲の気流の状態が現実的な気流の状態と異なってしまう場合がある。この場合、風洞試験に悪影響を及ぼし、風洞試験による測定精度が低下してしまう。
【0008】
さらに油圧シリンダ14を用いると、油圧シリンダ14を動作させるための油圧管10が必要となり、油圧管10が支持部12から露出してしまう。これによって通風時には、油圧管10が振動してしまい、騒音を引き起こして測定誤差が大きくなる。
【0009】
このように従来の技術では、風洞模型支持装置によって気流が乱れるおそれがある。これによって風洞試験における気流の状態が、現実的な気流の状態から遠ざかり、風洞試験の測定精度が低下するという問題がある。
【0010】
したがって本発明の目的は、風洞試験の測定精度を向上することができる風洞模型支持装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、予め定める流れ方向に気流が形成される風洞内で、姿勢を変更可能に試験模型を支持する風洞模型支持装置であって、
試験模型に対して流れ方向下流側で試験模型を支持し、予め定める第1軸線L1を有する第1駆動体と、
第1駆動体に対して流れ方向下流側で、第1駆動体を第1軸線L1まわりに回動可能に支持する第2駆動体と、
第2駆動体に対して流れ方向下流側で、第2駆動体を第1軸線L1に対して傾斜する第2軸線L2まわりに回動可能に支持するとともに、第2軸線L2に対して傾斜する第3軸線L3を有する第3駆動体と、
第3駆動体に対して流れ方向下流側で、第3駆動体を第3軸線L3まわりに回動可能に支持する第4駆動体と、
各駆動体のいずれかに内蔵され、第2駆動体に対して第1駆動体を、第1軸線L1まわりに回動駆動する第1駆動手段と
各駆動体のいずれかに内蔵され、第3駆動体に対して第2駆動体を、第2軸線L2まわりに回動駆動する第2駆動手段と、
各駆動体のいずれかに内蔵され、第4駆動体に対して第3駆動体を、第3軸線L3まわりに回動駆動する第3駆動手段とを含むことを特徴とする風洞模型支持装置である。
【0012】
本発明に従えば、各駆動手段によって、各駆動手段の回動範囲内で、試験模型を、互いに直交する3軸まわりに角変位させることができ、試験模型の姿勢を変更することができる。また本発明では、各駆動手段が駆動体に内蔵されている。これによって各駆動手段が駆動体の表面から突出することがなく、風洞模型支持装置を流線形形状に近づけることができ、各駆動手段に起因する気流の乱れをなくすことができる。
【0013】
また本発明は、第4駆動体に対して流れ方向下流側で、第4駆動体を支持する支持体と、
支持体を予め定められる基準位置に対して互いに直交する3つの方向に相対変位駆動する相対変位駆動手段とをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、第1〜第3駆動手段によって主に試験模型の姿勢を調整し、相対変位駆動手段によって主に試験模型の位置を調整することによって、各駆動手段の可動範囲内において、基準位置に対する試験模型の位置および姿勢を調整することができる。
【0015】
また本発明は、前記駆動体には、前記駆動手段および試験体の少なくとも一方に接続される配線が挿通する配線空間が内部に形成されることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、駆動体には、試験模型および前記駆動手段に接続される配線が駆動体の内部を通過して、予め定められる他の機器に接続される。これによって風洞空間に各配線が露出することがなく、各配線が振動して騒音を生じることを防ぐことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である風洞試験装置20を簡略化して示す断面図である。また図2は、航空機模型25を省略して、図1のS1−S1切断面線から見た風洞試験装置20の断面図である。
【0018】
本発明の実施の一形態である風洞試験装置20は、搭載物を搭載させた航空機から搭載物を投棄または投下した場合の特性を調べるために用いられる。風洞試験装置20は、風洞装置21と、風洞模型支持装置22とを含む。風洞装置21は、風洞23を形成し、風洞23内で予め定める流れ方向24に気流を形成する。
【0019】
風洞模型支持装置22は、航空機模型25を支持する航空機支持装置26と、搭載物模型27を支持する搭載物支持装置28とを含む。航空機模型25は、予め定められる基準位置Oを有する。搭載物模型25は、基準位置Oに対して姿勢および位置を変更可能に設けられる試験模型となる。
【0020】
風洞試験装置20は、各支持装置26,28によって、風洞23内で航空機模型25および搭載物模型27を支持し、風洞試験を行う。風洞試験では、予め定める気流を形成した状態で、搭載物模型27に働く空気力およびモーメントなどを測定する。風洞試験装置20は、航空機模型25に対する搭載物模型27の位置および姿勢を変更して風洞試験を行うことができる。以下、搭載物模型27を単に試験模型27と称する場合がある。
【0021】
搭載物支持装置28は、姿勢調整機構30と、位置調整機構31とを含む。姿勢調整機構30は、主に試験模型27の姿勢を調整する。また位置調整機構31は、航空機支持装置26と協働して、主に基準位置Oに対する試験模型27の相対位置を調整する。したがって位置調整機構31と航空機支持装置26とを含んで、試験模型27の相対位置を調整する相対変位駆動手段となる。姿勢調整機構30は、位置調整機構31よりも流れ方向上流側に設けられる。
【0022】
姿勢調整機構30は、試験模型27を予め定める3つの軸線L1,L2,L3まわりに試験模型27を回動可能に支持する。姿勢調整機構30は、第1駆動体40と、第2駆動体41と、第3駆動体33と、第4駆動体34とを含む。第1〜第4駆動体は、互いに連結されて連結体38を構成する。連結体38は、後述する位置調整機構31によって、基準位置Oに対して相対変位自在に設けられる。
【0023】
連結体38はほぼ円筒状に形成される。連結体38の外周径は、流れ方向上流側に向かうにつれて先細に形成されるとともに、流れ方向下流側に向かうにつれて先細に形成され、外周面に凹凸がなく滑らかに形成される。これによって連結体38による気流の乱れを低減することができる。気流の流れ方向3に沿う方向を前後方向Xとすると、連結体38は、前後方向Xに延びる。
【0024】
連結体38は、流れ方向24上流側から流れ方向24下流側に向かうにつれて、第1駆動体40、第2駆動体41、第3駆動体33および第4駆動体34の順に設けられる。第1駆動体40は、流れ方向上流部分40aが長尺棒状に形成される。第1駆動体40の流れ方向上流部分40aは、その流れ方向24上流側で試験模型27を着脱可能に固定する。第1駆動体40の流れ方向上流部分40aは、試験模型27をぶれなく支持するとともに、その外周径が可及的に細くかつ軸線方向寸法が長く形成されることが好ましい。
【0025】
第2駆動体41は、第1駆動体40に対して流れ方向24下流側で第1駆動体40を支持する。第2駆動体41は、流れ方向上流側に向かうにつれて、外形形状が先細に形成される。第3駆動体33は、第2駆動体41に対して流れ方向24下流側で第2駆動体41を支持する。第3駆動体33は、短円筒状に形成される。また第4駆動体34は、第3駆動体33に対して流れ方向24下流側で第3駆動体33を支持する。第4駆動体34は、流れ方向下流側に向かうにつれて、外形形状が先細に形成される。
【0026】
図3は、姿勢調整機構30の関節構造を示す図である。姿勢調整機構30は、回動可能な旋回関節構造を複数有する。本発明において、「回動」は、1回転未満角変位する場合も含む。
【0027】
第1駆動体40は、予め定める第1軸線L1を有する。第1軸線L1は、第1および第2駆動体40,41の軸線と同軸である。第2駆動体41は、第1駆動体40を第1軸線L1まわりに回動可能に支持する。
【0028】
第3駆動体33は、予め定める第3軸線L3を有する。第3軸線L3は、第3および第4駆動体33,34の軸線と同軸であり、前後方向Xに延びる。第4駆動体34は、第3駆動体33を第3軸線L3まわりに回動可能に支持する。
【0029】
さらに第2駆動体41は、第2軸線L2まわりに回動可能に設けられる。第2軸線L2は、第1軸線L1および第3軸線L3に対して傾斜する。第3駆動体33は、第2駆動体41を第2軸線L2まわりに回動可能に支持する。
【0030】
第1軸線L1と第2軸線L2とが成す第1傾斜角度θ1、第2軸線L2と第3軸線L3とが成す第2傾斜角度θ2は、45度以下に設定される。第1および第2傾斜角度θ1,θ2は、試験模型27を傾斜すべき角度範囲に基づいて決定される。本実施の形態では、第2駆動体41は、第1軸線L1が第3軸線L3と同軸となるように変位可能となる。
【0031】
図4は、姿勢調整機構30を示す断面図である。姿勢調整機構30は、第1モータ35と、第2モータ36と、第3モータ37とを有する。各駆動体40,41,33,34は、中空形状に形成されて、各モータ35,36,37が内蔵される内蔵空間が形成される。各モータ35,36,37は、各駆動体のいずれかに内蔵される。また各駆動体の対向部分には、それぞれの内蔵空間61,63,65を連通する連通孔62,64,66がそれぞれ形成される。
【0032】
第1モータ35は、第2駆動体41に内蔵され、第1駆動体40を第2駆動体41に対して第1軸線L1まわりに回転駆動する第1駆動手段となる。第2モータ36は、第3駆動体33に内蔵され、第2駆動体41を第3駆動体33に対して第2軸線L2まわりに回転駆動する第2駆動手段となる。第3モータ37は、第4駆動体34に内蔵され、第3駆動体33を第4駆動体34に対して第3軸線L3まわりに回動駆動する第3駆動手段となる。各駆動手段によって各駆動体が回動されることによって、第1〜第3駆動体40,41,42は、可動部分となる。
【0033】
連結体38は、前述した可動部分が回動したとしても、連結体38に沿って流れる気流の乱れが小さくなるように形成される。すなわち可動部分が回動したとしても、可及的に流線形状を保つように形成される。具体的には、第1駆動体40と第2駆動体41との互いに対向する対向部分50,51は、第1軸線L1に垂直な断面における外形形状がほぼ同一形状に形成される。また第2駆動体41と第3駆動体33との互いに対向する対向部分52,53は、第2軸線L2に垂直な断面における外形形状がほぼ同一形状に形成される。また第3駆動体33と、第4駆動体34との互いに対向する対向部分54,55は、第3軸線L3に垂直な断面における外形形状がほぼ同一形状に形成される。
【0034】
第1駆動体40および第2駆動体41と、第2駆動体41および第3駆動体33と、第3駆動体33および第4駆動体34とは、第1〜第3軸受を介してそれぞれ連結される。第1軸受は、第1駆動体40と第2駆動体41とを連結し、第1軸線L1と同軸に設けられる。第2軸受は、第2駆動体41と第3駆動体33とを連結し、第2軸線L2と同軸に設けられる。第3軸受は、第3駆動体33と第4駆動体34とを連結し、第3軸線L3と同軸に設けられる。
【0035】
試験模型27は、試験模型27の状態を検出する検出手段29が設けられる。たとえば検出手段29は、試験模型27に作用する荷重およびモーメントを計測する。検出手段29によって計測される計測結果は、状態信号配線44によって計測結果処理装置56に伝えられる。
【0036】
この状態信号配線44は、試験模型27から、第1駆動体40の流れ方向上流部分40a内に入る。状態信号配線44は、内周空間および連通孔を順に挿通して延び、第4駆動体34に形成される第4連通孔67を挿通して、計測結果処理装置56に接続される。
【0037】
また各モータ35,36,37は、駆動量を検出する駆動量検出手段を有する。本実施の形態では各モータ35,36,37は、モータの回転量を検出するエンコーダが設けられる。この場合、モータを制御する制御装置57とモータ35,36,37とが電気的に接続される。
【0038】
各モータ35,36,37は、動力供給配線45および駆動量伝達配線46が接続される。動力供給配線45は駆動力をモータに伝え、駆動量伝達配線46は、モータの回転量を制御装置57に伝える。動力供給配線45および駆動量伝達配線46は、内周空間と連通孔とを挿通して延び、第4駆動体34に形成される第4連通孔67を挿通して、制御装置57に接続される。
【0039】
各配線44,45,46は、各可動部分が回動した場合であっても、連結体38の内部空間を通過可能に配置される。このように連結体38には、各配線44,45,46が挿通する配線空間が内部に形成される。
【0040】
図5は、第2駆動体41を第2軸線L2まわりに回転させて、第3軸線L3から最も離反させた状態の連結体38を示す正面図である。第1軸線L1と第3軸線L3とが同軸となる状態に回動可能な場合、第2駆動体41を第2軸線L2まわりに180度回動させると、図5に示すように、第1軸線L1と第3軸線L3とが最も大きく離反する。このときの第1軸線L1と第3軸線L3とのなす角度である最大傾斜角度θ4は、第1軸線L1と第2軸線L2との成す角度θ1と、第2軸線L2と第3軸線L3との成す角度θ2とを加算した角度となる。第2駆動体41は、前記最大角度θ4を超えて傾斜することがない。
【0041】
第2軸線L2と第3軸線L3とが交差する交点Dを頂点とし、第2軸線L2を軸とし、第1軸線L1を母線とする仮想円錐を考える。第2駆動体41を第2軸線L2まわりに回動すると、第2駆動体41は、この仮想円錐の周面に沿って回動する。第1〜第3モータ35〜37を個別に動作させて、第1駆動体40、第2駆動体41および第3駆動体33の少なくとも1つを回動変位させることによって、試験模型27を互いに直交する3つの回転軸線まわりに角変位させることができる。具体的には3つの回転軸線は、第1軸線L1と、第3軸線L3と、第1および第3軸線L1,L3にともに直交してかつ交点Dを通過する角変位軸線Lsとなる。これによって各可動部分の回動可能範囲内で、試験模型27を任意の姿勢にすることができる。言い換えると予め定める基準姿勢に配置される試験模型27を、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向の姿勢を調整することができる。
【0042】
また姿勢調整機構30だけでは、任意の姿勢に調整したときに、試験模型27の位置が1つに決定されてしまう。しかし後述する位置調整機構31および航空機支持装置26とによって、基準位置Oと交点Dとの相対位置が調整されることによって、基準位置Oに対して任意の位置および姿勢で試験模型27を支持することができる。
【0043】
図1に示すように位置調整機構31は、第5駆動体70と、第6駆動体71と、案内体72とを有する。第5駆動体70は、第4駆動体34を支持する。第6駆動体71は、第5駆動体70の流れ方向24下流側で、第4軸線L4まわりに回動可能に第5駆動体70を支持する。第5駆動体70と第6駆動体71とは同軸に形成される。第4軸線L4は、前後方向Xに沿って延び、第3軸線L3に対して間隔を開けて設定される。
【0044】
案内体72は、第6駆動体71の流れ方向24下流側で、交差軸線L5に沿って直線変位自在に、第6駆動体71を支持する。本実施の形態では、交差軸線L5は、前後方向Xに交差し、上下方向Zに延びる。案内体72は、風洞に固定される。
【0045】
位置調整機構31は、第4モータ73と、搭載物側直動駆動手段74とを含む。第4モータ73は、第6駆動体71に対して、第5駆動体70を第4軸線L4まわりに回動駆動する第3駆動手段である。搭載物側直動駆動手段74は、案内体72に支持される第6駆動体71を交差軸線L5に沿って直線変位駆動する。また航空機支持装置26は、航空機側直動駆動手段76を有する。航空機側直動駆動手段76は、航空機模型25を、姿勢調整機構30に対して、前後方向Xに平行な平行軸線L6に沿って直線変位駆動する。
【0046】
第4モータ73、搭載機側直動駆動手段74および航空機側駆動手段76によって、航空機模型25および姿勢調整機構30を変位移動する。これによって試験模型27を航空機模型25に対して、互いに直交する3つの方向X,Y,Zに相対的に変位移動させることができる。すなわち風洞模型支持装置22は、風洞内で、基準位置Oに対する試験模型27の位置および姿勢を調整することができる。なお、位置調整機構31の構成は、第4駆動体33を支持する支持体と、支持体を基準位置Oに対して互いに直交する3つの方向に相対変位駆動する相対変位駆動手段を備えればよく、上述した構成に限定されない。
【0047】
以上のように本実施の形態の風洞模型支持装置22によれば、第1〜第3モータ35〜37を協働して動作させることによって、試験模型27を、互いに直交する3つの軸線L1,L2、L3まわりに角変位させることができる。すなわち各駆動手段の回動範囲内で、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向の試験模型27の姿勢を調整することができる。
【0048】
また第1〜第3モータ35〜37が各駆動体のいずれかに内蔵される。したがって図1および図2に示すように、連結体38の外周面から各モータ35,36,37が突出することがない。これによって連結体38の外形を、気流の流れ方向に沿って先鋭形状に形成することができる。したがって風洞模型支持装置22を流線形形状に近づけることができ、各モータ35,36,37に起因する気流の乱れをなくすことができる。
【0049】
さらに各モータ35,36,37を可及的に流れ方向24下流側に配置することによって、流れ方向上流側の連結体38の形状をさらに先鋭形状にすることができ、より気流の乱れをなくすることができる。
【0050】
また、従来技術のように各駆動体を駆動するために油圧シリンダを用いた場合に比べて、本発明では、油圧管、リンク部材、軸受などの付属部品も不要となり、部品点数を少なくすることができる。またそれらの付属備品に起因する気流の乱れもなくすることができる。
【0051】
また姿勢調整機構30は、すべて回転関節によって実現することができる。これによって回転関節以外の構成を必要とすることなく、各駆動体を構成するために必要な部品を共通化することができる。また回転関節を用いることによって、駆動手段の重量に対して大きな動力を得ることができ、連結体38を小型化および軽量化することができる。
【0052】
また従来技術のようにリンク構造で各駆動体を連結すると、空力負荷が大きくなるとがたが生じ、計測精度が低下するおそれがある。しかしながら本実施の形態では、軸受によって各可動部分を連結することができ、連結体38の剛性を向上することができる。これによって空力負荷が大きくなった場合でも、がたが生じにくく、計測精度の低下を防止することができる。さらに第2駆動体41は、第3軸線L3に対して、傾斜角度θ2の2倍を超えて傾斜することがないので、第2軸線L2の傾斜を適切に設定することによって、不所望に試験模型27の姿勢が大きくなることを防ぐことができる。
【0053】
また第1軸線L1と第3軸線L3とが同軸となるとともに、連結体38が流れ方向に沿うように各可動部分を回動させた状態で、試験模型27を基準姿勢に保つことが好ましい。この場合、連結体38による気流の乱れが少なく、基準姿勢による風洞試験を良好に行うことができる。また基準姿勢から少々ずれた姿勢で風洞試験を行った場合でも、連結体38による気流の乱れを少なくすることができる。
【0054】
また第1〜第3モータ35〜37によって主に試験模型27の姿勢を調整し、相対変位駆動手段である位置調整機構31によって、主に試験模型27の位置を調整することによって、各可動部分の可動範囲内において、基準位置Oに対する試験模型27の位置および姿勢を調整することができる。また支持体は、第1〜第4駆動体よりも流れ方向下流側で、第1〜第4駆動体を介して試験模型27を支持する。これによって支持体が、試験模型27の周囲の気流に与える影響を小さくすることができる。
【0055】
さらに連結体38には、状態信号配線44、動力供給配線45および駆動量伝達配線46が連結体38の内部を通過して、予め定められる他の機器に接続される。これによって風洞空間に各配線が露出することがなく、各配線44,45,46が振動して騒音を生じることを防ぐことができる。また各配線44,45,46を保護することができる。また各可動部分は、それぞれ他の可動部分に対向する部分の形状がほぼ同一形状に形成される。これによって可動部分が回動した場合であっても、気流が大きく乱れることを防止することができる。
【0056】
以上のように、本実施の形態の風洞試験装置20は、風洞模型支持装置22に起因して、試験模型27の周囲の気流の状態が変化することを少なくすることができる。これによって風洞試験における気流の状態を、現実的な気流の状態に近づけることができ、風洞試験の測定精度を向上することができる。
【0057】
以上のような本発明の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば風洞模型支持装置22は、6自由度を有する装置に限らず、それ以上の自由度を有していてもよい。たとえば搭載物模型の位置および姿勢の他に、基準位置Oが設けられる航空機模型25の姿勢を変角できる軸を含めた装置であってもよい。
【0058】
また移動位置および姿勢について調整不要な自由度がある場合には、6自由度未満であってもよい。また姿勢調整機構30以外の試験模型27を変位するための機構は、他の構成であってもよい。
【0059】
風洞模型支持装置22は、搭載物以外を支持してもよく、航空機模型および車両模型などの試験模型25を単体で支持してもよい。この場合、基準位置Oは予め定める固定位置であってもよい。また連結体38は、風洞に設定されて、流れ方向24に沿って延びる基準軸線Lxに対して平行に設定されることが好ましいが、風洞構造上やむをえない場合、連結体38は、気流の流れを大きく乱さない範囲内で、基準軸線Lxから傾斜して配置されてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の本発明によれば、各駆動手段の回動範囲内で、試験模型の姿勢を任意の姿勢に調整することができる。さらに風洞模型支持装置を可及的に流線形形状に近づけることができる。これによって風洞模型支持装置に起因して気流が乱れることを防止することができ、風洞試験における気流の状態を、現実的な気流の状態に近づけることができる。これによって風洞試験の測定精度を向上することができる。
【0061】
またこのような姿勢を調整するための機構では、風洞模型支持装置に必要な部品を共通化することができ、製作コストを低下して、安価に製造することができる。
【0062】
また請求項2記載の本発明によれば、相対変位駆動手段と、第1〜第3駆動手段とを連動させることによって、試験模型を任意の位置および姿勢に調整することができる。これによって試験模型の位置および姿勢を変えて風洞試験を行うことができ、利便性を向上することができる。また支持体よりも流れ方向上流側に、流線形形状に形成しやすい第1〜第4駆動体が設けられることで、支持体に起因して気流が乱れることを防ぐことができる。これによって風洞試験における気流の状態を、さらに現実的な気流の状態に近づけることができ、風洞試験の測定精度を向上することができる。
【0063】
また請求項3記載の本発明によれば、駆動体の外に風洞空間に各配線が露出することがなく、各配線が振動して騒音を生じることを防ぐことができる。これによって風洞試験の測定誤差をさらに向上することができる。また気流の流れから配線を保護することができ、損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である風洞試験装置20を簡略化して示す断面図である。
【図2】航空機模型25を省略して、図1のS1−S1切断面線から見て風洞試験装置20の断面図である。
【図3】姿勢調整機構30の関節構造を示す図である。
【図4】姿勢調整機構30を示す断面図である。
【図5】第2駆動体41を第2軸線2まわりに回転させて、第3軸線L3から最も離反させた状態の連結体38を示す正面図である。
【図6】従来技術の風洞試験装置1を簡略化して示す断面図である。
【図7】図6のS2−S2切断面線から見た風洞試験装置2の断面図である。
【符号の説明】
22 風洞模型支持装置
24 気流の流れ方向
27 搭載物模型
40 第1駆動体
41 第2駆動体
33 第3駆動体
34 第4駆動体
35 第1モータ
36 第2モータ
27 第3モータ
O 基準位置
L1 第1軸線
L2 第2軸線
L3 第3軸線

Claims (3)

  1. 予め定める流れ方向に気流が形成される風洞内で、姿勢を変更可能に試験模型を支持する風洞模型支持装置であって、
    試験模型に対して流れ方向下流側で試験模型を支持し、予め定める第1軸線L1を有する第1駆動体と、
    第1駆動体に対して流れ方向下流側で、第1駆動体を第1軸線L1まわりに回動可能に支持する第2駆動体と、
    第2駆動体に対して流れ方向下流側で、第2駆動体を第1軸線L1に対して傾斜する第2軸線L2まわりに回動可能に支持するとともに、第2軸線L2に対して傾斜する第3軸線L3を有する第3駆動体と、
    第3駆動体に対して流れ方向下流側で、第3駆動体を第3軸線L3まわりに回動可能に支持する第4駆動体と、
    各駆動体のいずれかに内蔵され、第2駆動体に対して第1駆動体を、第1軸線L1まわりに回動駆動する第1駆動手段と
    各駆動体のいずれかに内蔵され、第3駆動体に対して第2駆動体を、第2軸線L2まわりに回動駆動する第2駆動手段と、
    各駆動体のいずれかに内蔵され、第4駆動体に対して第3駆動体を、第3軸線L3まわりに回動駆動する第3駆動手段とを含むことを特徴とする風洞模型支持装置。
  2. 第4駆動体に対して流れ方向下流側で、第4駆動体を支持する支持体と、
    支持体を予め定められる基準位置に対して互いに直交する3つの方向に相対変位駆動する相対変位駆動手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の風洞模型支持装置。
  3. 前記駆動体には、前記駆動手段および試験体の少なくとも一方に接続される配線が挿通する配線空間が内部に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の風洞模型支持装置。
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