JP2009062971A - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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【課題】気筒内の燃焼室に噴射した燃料により形成される噴霧の壁面衝突後の貫徹力を強化し、NOxおよびすすの発生を十分に低減することができる燃料噴射ノズルを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】それぞれが2つの噴射孔21,22からなる複数の噴孔群20を有する燃料噴射ノズル15の各噴孔群20の噴射孔21,22からの燃料噴霧の壁面衝突点距離Xが、燃料噴霧の壁面衝突後の燃焼室縦方向の貫徹力が極大値付近を維持し燃料の微粒化も促進できる範囲内である4.5〜7.5mmとなるように、噴射孔21,22の噴射孔間距離および噴射孔間角度を設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、気筒内の燃焼室に直接燃料を噴射するディーゼルエンジンの燃料噴射装置、特に、それぞれが2つの噴射孔からなる複数の噴孔群を有する燃料噴射ノズルを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置に関する。
ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルを、複数の噴射孔からなる複数の噴孔群を有し、各噴孔群の複数の噴射孔から噴射される燃料がそれぞれ1つの燃料噴霧を形成するよう構成した、所謂、群噴孔ノズル(グループホールノズル、略してGHN)とし、噴射孔の径を小さくして燃料を微粒化しつつ、噴射孔の数を増やして全体としての噴射孔の流路面積を確保するようにしたものにおいて、各噴孔群を構成する噴射孔の噴孔間角度(噴孔中心軸間の角度)を工夫することで、燃料の微粒化促進による、すす(黒煙)の低減と、噴霧貫徹力(ペネトレーション)の強化を図ることが従来から提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−51624号公報
ディーゼルエンジンから排出されるすす(黒煙)を低減するためには、群噴孔ノズル(GHN)を採用して燃料微粒化を促進することが有効であるが、特に、着火遅れを大きくし、燃料が燃焼室壁面に当たった後で着火するよう設定する場合に、すすを一層低減し、また、すすと共に窒素酸化物(NOx)を十分に低減するためには、燃料微粒化の促進とともに、燃焼室内の縦渦を強化して燃焼ガスの余剰空気との混合による再燃焼を促進することが重要である。そして、燃焼室内の縦渦を強化するためには、燃焼室壁面到達前の噴霧の貫徹力(ペネトレーション)を強化するのに加えて、燃料噴霧の壁面衝突後の貫徹力(ペネトレーション)を大きくして、燃焼領域下流での燃料噴霧および既燃焼ガスの縦方向の回り込みを強化する必要がある。
ディーゼルエンジンの燃焼室に噴射された燃料の噴霧は、適度な噴霧ペネトレーションの設定により、着火遅れ期間にキャビティ壁面に衝突し、壁面に沿って広がる。そして、その燃料噴霧は壁面近傍で一番良く燃え、燃焼ガス(既燃ガス)が、燃料噴霧とともに燃焼膨張流による縦渦の流れに乗り、キャビティ壁面に沿って縦方向に回り込む。そして、その回り込んだ燃料噴霧と既燃ガスが、キャビティの中央付近まで素早く達すると、その辺りには燃焼に使われていない酸素を多量に含んだ低温の余剰空気があるため、高温の既焼ガスが低温の余剰空気と混じることによって急激に冷やされて、NOxの生成が低減され、また、既焼ガスに含まれている煤が酸素と触れ合って再燃焼することで、すす(黒煙)が低減される。そこで、燃料噴霧の壁面衝突後の貫徹力(ペネトレーション)を大きくして、燃料噴霧および既燃ガスの縦方向の回り込みを強化することで、既燃ガスを余剰空気と素早く混合させ、それより、NOxを低減することができるとともに、煤を再燃焼させて、すすを低減することが可能である。
しかしながら、上記従来の技術は、微粒化された噴霧同士の衝突により噴霧の貫徹力を維持し、噴孔から燃焼室壁面に至る燃焼室空間の空気を無駄なく利用して、噴霧が燃焼室壁面に到達する前に実質的に燃焼終了させるためのもので、燃料噴霧の壁面衝突後の貫徹力の強化を考慮したものではなく、燃料噴霧の壁面衝突後の貫徹力(ペネトレーション)を強化して、窒素酸化物(NOx)およびすす(黒煙)の発生を十分に低減することができない。
本発明は、気筒内の燃焼室に噴射した燃料により形成される噴霧の壁面衝突後の貫徹力を強化してNOxおよびすすの発生を十分に低減することができる燃料噴射ノズルを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
本発明のディーゼルエンジンの燃料噴射装置は、ピストンの頂面中央部にピストンの動作方向における断面が凹形状に設けられて、燃焼室を形成するキャビティと、前記燃焼室の略中央に臨む位置に設けられ、燃焼室の側壁面に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズルとを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置であって、前記燃焼室は、ピストン径方向の中央に位置する底部中央部分が開口端側に向かって隆起した形状を有するものであり、前記燃料噴射ノズルは、それぞれが2つの噴射孔からなる複数の噴孔群を有し、各噴孔群の前記2つの噴射孔は、それら2つの噴射孔から噴射される燃料の噴霧が燃焼室壁面に衝突した後に噴孔群毎に1つの燃料噴霧を形成し、それら2つの噴射孔から噴射された燃料の噴霧が前記燃焼室壁面に衝突したときの衝突点の間の距離が、前記燃焼室壁面衝突後に得られる燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が極大値近傍を維持する所定範囲内となるように、前記2つの噴射孔の噴射孔間の距離および噴射孔間の角度が設定されていることを特徴とするものである。
燃焼室中央部の上方から燃焼室の側壁面に向けて燃料を噴射する形態では、燃焼領域下流の燃料噴霧は燃焼室の側壁面近傍に比べて燃料噴射ノズル下方に位置する燃焼室中央付近で燃焼が促進されず余剰空気が残り易い特徴がある。そこで、上述のように燃料噴射ノズルを構成する。そうすることで、燃料微粒化を促進するとともに、壁面衝突後の燃焼室縦方向の噴霧貫徹力(ペネトレーション)を強化することができ、それにより燃焼領域下流の燃料噴霧および既燃ガスの縦方向の回り込みを強化することができるため、燃料噴霧および既燃ガスが燃焼室の壁面に沿って燃料噴射ノズル下方の燃焼室中央付近に到達するようになる。その結果、既燃ガスを余剰空気と素早く混合させることができて、既燃ガスを急激に冷やしてNOxの生成を抑制することができるとともに、既焼ガス中のすすの再燃焼を促進することができ、NOxおよびすすの発生を低減することができる。
2つの噴射孔から噴射された燃料の噴霧の壁面衝突後の噴霧粒径は、2つの噴射孔から噴射された燃料の噴霧が燃焼室壁面に衝突したときの衝突点の間の距離(これを「壁面衝突点距離」という)が大きくなるにつれて単調に微粒化が進む。一方、壁面衝突後の燃焼室縦方向の噴霧貫徹力(ペネトレーション)は、貫徹力が大きくなる壁面衝突点距離の範囲というのが途中にあって、その前後で単調に貫徹力が減少する。そして、この燃料噴霧の微粒化と壁面衝突後の燃焼室縦方向の噴霧貫徹力の特性は、燃焼室の大きさによらず壁面衝突点距離によって一義的に定まる。そのため、壁面衝突点距離を、壁面衝突後の燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が極大値近傍を維持する所定範囲内となるようにすることで、壁面衝突後の貫徹力を強化しつつ、燃料微粒化を促進できる範囲に維持することができるのである。壁面衝突点距離は、2つの噴射孔の噴射孔間の距離および噴射孔間の角度と、燃焼室形状(ノズル中心から燃焼室壁面上の噴霧衝突点までの距離)の設定により基本的に定まる。
ここで、燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が極大値近傍を維持する所定範囲内とは、燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が燃焼室横方向の噴霧貫徹力に対して少なくとも20%以上大きくなる範囲内である。
そして、各噴孔群の2つの噴射孔は、2つの衝突点の間の距離(壁面衝突点距離)が4.5〜7.5mmの範囲内となるように、2つの噴射孔の噴射孔間の距離および噴射孔間の角度を設定するのがよい。そうすることで、壁面衝突後の噴霧貫徹力を強化しつつ、燃料微粒化を促進することができる。
以上から明らかなように、本発明によれば、気筒内の燃焼室に噴射した燃料により形成される噴霧の壁面衝突後の貫徹力(ペネトレーション)を強化し、NOxおよびすすの発生を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の実施形態を示している。図1は実施形態に係るディーゼルエンジンの燃焼室近傍の断面図、図2は燃料噴霧の壁面衝突点距離Xを示す説明図、図3は燃料噴霧ノズルの噴孔レイアウトのパラメータを説明するもので、(a)はノズル縦断面における噴孔間距離Yおよび噴孔間角度αの説明図、(b)はノズル横断面における噴孔間距離Zおよび噴孔間角度βの説明図、(c)は燃焼室リップ半径rの説明図、図4は燃料噴霧の壁面衝突後の噴霧貫徹力(ペネトレーション)を説明する説明図、図5は燃料噴霧の壁面衝突点距離Xと、壁面衝突後の噴霧貫徹力(ペネトレーション)、燃料噴霧の平均粒径およびスモーク性能との関係を示すグラフである。
この実施形態のディーゼルエンジンは、直列多気筒エンジンで、図1に示すように、シリンダブロック1の上部にシリンダヘッド2が配置され、シリンダブロック1に形成された各気筒のシリンダボア3内に、上下作動自在にピストン4が配置され、シリンダヘッド2とシリンダボア3とピストン4とで燃焼室5が区画形成されている。そして、シリンダヘッド2には、気筒毎に、スワール生成式の吸気ポート(ヘリカルポート)6と、排気ボート7が設けられ、吸気ポート6および排気ポート7をそれぞれ開閉するよう吸気弁8および排気弁9が配設されている。また、シリンダヘッド2には、各気筒の燃焼室5の略中央に臨む位置に燃料噴射装置の燃料噴射弁10が取り付けられている。シリンダヘッド2はフラット型であり、吸気弁8および排気弁9は直立型である。
ピストン4の頂部には、ピストン動作方向(図1において上下の方向)を軸線方向として凹入し開口端側で径が小さくなったリエントラント型のキャビティ11が形成されている。
キャビティ11は、燃焼室5を構成するもので、ピストン4の頂面に近い開口縁部がピストン径方向の内方へ突出する環状のリップ部12を形成し、リップ部12に続いてピストン径方向の外方に凹入した環状凹入部13を形成し、また、ピストン径方向の中央に位置するキャビティ11の底部中央部分が、該キャビティ11の開口端側に向かって隆起した凸部14を形成している。
燃料噴射弁10は、先端部が燃料噴射ノズル15を構成し、その燃料噴射ノズル15が、ピストン4頂部のキャビティ11に燃料を直接噴射するべく燃焼室5内に若干突出している。
そして、その燃料噴射ノズル15には、それぞれが2つの噴射孔21,22からなる複数の噴孔群20(図2参照)が、略等間隔で周方向に並ぶ配置で設けられている。噴孔群20の数は、例えば5〜12個である。
各噴孔群20の噴射孔21,22からは、ピストン4頂部のキャビティ11のリップ部12壁面に向けて、キャビティ軸線方向(ピストン軸線方向)の上方から斜め下向きに燃料が噴射される。各噴孔群20は、2つの噴射孔21,22から噴射される燃料の噴霧が燃焼室壁面(キャビティ11の壁面)に衝突した後に噴孔群20毎に1つ(一塊)の燃料噴霧31を形成する。
そして、それぞれの噴孔群20の各2つの噴射孔21,22は、図2に示すように、2つの噴射孔21,22から噴射される燃料の噴射方向(噴孔中心軸の方向)が、キャビティ11のリップ部12の壁面に、互に隣接する2点(衝突点Aおよび衝突点B)でそれぞれ略直交し、それら隣接する2点(衝突点Aおよび衝突点Bの間の距離すなわち壁面衝突点距離Xが、4.5〜7.5mmの範囲内となるように構成されている。
壁面衝突点距離Xは、基本的には、2つの噴射孔21,22の噴射孔間の距離および噴射孔間の角度(噴孔中心軸間の角度)の設定と、ノズル中心から燃焼室壁面上の噴霧衝突点までの距離により定まる。ここで、噴射孔間の距離は、図3(a)に示すノズル縦断面における噴孔出口間距離Yと、図3(b)に示すノズル横断面における噴孔出口間距離Zとで決まり、噴射孔間の角度は、図3(a)に示すノズル縦断面における噴孔間角度αと、図3(b)に示すノズル横断面における噴孔間角度βとで決まる。また、ノズル中心から燃焼室壁面上の噴霧衝突点までの距離は、図3(c)に示す燃焼室リップ半径rである。
壁面衝突点距離Xを求める式は次のとおりである。
Figure 2009062971
ノズルスペックの各パラメータの設定範囲は、例えば、0.25<Y<0.5mm、0.25<Z<0.5mm、−5<α<+5deg、7.5<β<12.5deg、145<θ<160deg、24/43<(r/ボア半径)<35/43である。θは噴孔コーン角である。
図4に示すように、燃焼室5に噴射された燃料の噴霧(燃料噴霧31)は、着火遅れ期間にキャビティ11壁面に衝突し、混合気32とともにキャビティ11の壁面に沿って広がる。そして、その燃料噴霧31は、衝突する壁面の近傍で燃え、壁面衝突後の燃料噴霧31Aと既燃ガス(燃焼ガス)33が、燃焼膨張流による縦渦の流れに乗って、キャビティ11の壁面および下部底面に沿って縦方向に回り込む(矢印T)。そして、その回り込みが縦方向に強いと、燃料噴霧31Aと既燃ガス33がキャビティ11の中央まで素早く到達する。
キャビティ11の中央付近には、燃焼に使われていない酸素を多量に含んだ低温の余剰空気34が存在する。そして、壁面衝突後の燃料噴霧31Aおよび既燃ガス33の縦方向の貫徹力(ペネトレーション)が大きいと、燃焼領域35下流の燃料噴霧31Aおよび既燃ガス33が縦方向に回り込み、既燃ガス33が余剰空気34と素早く混合させることができて、既燃ガス33を急激に冷やしてNOxの生成を抑制することができるとともに、既焼ガス33中の煤の再燃焼を促進することができ、排出されるNOxおよびスモークを低減することができる。
この実施形態の燃料噴射ノズル15は、上記のように各噴孔群20の2つの噴射孔21,22のノズルスペックが、壁面衝突点距離Xが4.5〜7.5mmとなるよう構成されている。この場合、燃料噴霧の壁面衝突後の縦方向の噴霧貫徹力は強力で、燃料の微粒化も促進される。その結果、燃料微粒化を促進するとともに、燃料噴霧の壁面衝突後の噴霧貫徹力(ペネトレーション)を強化することができ、それにより燃焼領域下流の燃料噴霧および既燃ガスの縦方向の回り込みを強化することができ、既燃ガス33を余剰空気34と素早く混合させることができて、既燃ガス33を急激に冷やしてNOxの生成を抑制することができるとともに、既燃ガス33中のすすの再燃焼を促進することができ、NOxおよびすすの発生を、十分に低減することができる。
図5に示すように、2つの噴射孔から噴射された燃料の噴霧の壁面衝突後の噴霧粒径は、壁面衝突点距離X(2つの噴射孔から噴射された燃料の噴霧が燃焼室壁面に衝突したときの衝突点の間の距離)が大きくなるにつれて単調に微粒化が進む。一方、壁面衝突後の燃焼室縦方向の噴霧貫徹力(ペネトレーション)は、貫徹力が大きくなる壁面衝突点距離の範囲というのが途中にあって、その前後で単調に貫徹力が減少する。そのため、壁面衝突点距離Xを、壁面衝突後の燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が極大値近傍を維持する所定範囲を最適範囲として、その範囲内となるようにすることで、壁面衝突後の貫徹力を強化しつつ、燃料微粒化を促進できる範囲に維持することができる。
壁面衝突後の燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が極大値近傍を維持する所定範囲(最適範囲)内というのは、図5に示すように、壁面衝突点距離Xが4.5〜7.5mmの範囲内である。この最適範囲内は、燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が燃焼室横方向の噴霧貫徹力に対して少なくとも20%以上大きく、下限である4.5mmは、燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が燃焼室横方向の噴霧貫徹力に対して25%大きくなる壁面衝突点距離Xであり、上限である7.5mmは、燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が燃焼室横方向の噴霧貫徹力に対して20%大きくなる壁面衝突点距離Xである。上限側は下限側よりも平均粒径が小さくなるため、その分、エミッション対応が有利であることから、燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が燃焼室横方向の噴霧貫徹力に対して20%大きくなる壁面衝突点距離Xを閾値としている。例示する実機テストのデータ(実機スモーク性能)でも、衝突点間距離Xが4.5〜7.5mmの範囲内では、すす(スモーク)の排出量が十分低い。
図6は上記実施形態のディーゼルエンジンにおける燃料噴霧の壁面衝突後の噴霧貫徹力(ペネトレーション)に関連して、噴射孔が1つの場合と、2つの場合の、燃料を壁面に噴射した際の壁面衝突後の噴霧形状を計測した結果を示すもので、(a)および(b)は噴射孔が1つの場合の計測結果説明図、(c)および(d)は噴射孔が2つの場合の計測結果説明図である。図6に示す計測結果から、普通に1つの噴射孔23から噴射した燃料の噴霧31を壁面に衝突させると、衝突後の噴霧31Aは同心円状に広がるが、上記実施形態のように、2つの噴射孔21,22を隣接させて適度の距離をもって配置し、それら2個の噴射孔21,22から噴射した燃料の噴霧31は、1つの噴霧31となってキャビティ11の壁面に衝突し、その衝突後の噴霧31Aの広がりは、2つの噴射孔21,22を結ぶ線に直交する方向に増幅されて、楕円状に広がることが判る。この特性を利用することで、壁面衝突後の貫徹力(ペネトレーション)を強化することができ、それにより、壁面衝突後の燃料噴霧31Aおよび既燃ガス33の縦方向の回り込みを強化することができる。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの燃焼室近傍の断面図である。 本発明の実施形態のディーゼルエンジンにおける燃料噴霧の壁面衝突点距離Xを示す説明図である。 本発明の実施形態のディーゼルエンジンにおける燃料噴霧ノズルの噴孔レイアウトのパラメータを説明するもので、(a)はノズル縦断面における噴孔間距離Yおよび噴孔間角度αの説明図、(b)はノズル横断面における噴孔間距離Zおよび噴孔間角度βの説明図、(c)は燃焼室リップ半径rの説明図である。 本発明の実施形態のディーゼルエンジンにおける燃料噴射ノズルから噴射された燃料噴霧の壁面衝突後の噴霧貫徹力(ペネトレーション)を説明する説明図である。 本発明の実施形態のディーゼルエンジンにおける燃料噴射ノズルから噴射された燃料噴霧の壁面衝突点距離Xと、壁面衝突後の噴霧貫徹力(ペネトレーション)、燃料噴霧の平均粒径およびスモーク性能との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態のディーゼルエンジンにおける燃料噴射ノズルから噴射される燃料噴霧の壁面衝突後の噴霧貫徹力(ペネトレーション)に関連して、噴射孔が1つの場合と、2つの場合の、燃料を壁面に噴射した際の壁面衝突後の噴霧形状を計測した結果を示すもので、(a)および(b)は噴射孔が1つの場合の計測結果説明図、(c)および(d)は噴射孔が2つの場合の計測結果説明図である。
符号の説明
5 燃焼室
10 燃料噴射弁
15 噴射ノズル
20 噴孔群
21、22 噴射孔
31、31A 燃料噴霧
32 混合気
33 既燃ガス(燃焼ガス)
34 余剰空気
35 燃焼領域
A、B 衝突点
X 壁面衝突点距離
Y ノズル縦断面における噴孔間距離
α ノズル縦断面における噴孔間角度
Z ノズル横断面における噴孔間距離
β ノズル横断面における噴孔間角度
r 燃焼室リップ半径

Claims (3)

  1. ピストンの頂面中央部にピストンの動作方向における断面が凹形状に設けられて、燃焼室を形成するキャビティと、前記燃焼室の略中央に臨む位置に設けられ、燃焼室の側壁面に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズルとを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置であって、
    前記燃焼室は、ピストン径方向の中央に位置する底部中央部分が開口端側に向かって隆起した形状を有するものであり、
    前記燃料噴射ノズルは、それぞれが2つの噴射孔からなる複数の噴孔群を有し、各噴孔群の前記2つの噴射孔は、それら2つの噴射孔から噴射される燃料の噴霧が燃焼室壁面に衝突した後に噴孔群毎に1つの燃料噴霧を形成し、それら2つの噴射孔から噴射された燃料の噴霧が前記燃焼室壁面に衝突したときの衝突点の間の距離が、前記燃焼室壁面衝突後に得られる燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が極大値近傍を維持する所定範囲内となるように、前記2つの噴射孔の噴射孔間の距離および噴射孔間の角度が設定されていることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  2. 前記燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が極大値近傍を維持する所定範囲内とは、前記燃焼室縦方向の噴霧貫徹力が燃焼室横方向の噴霧貫徹力に対して少なくとも20%以上大きくなる範囲内である請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  3. ピストンの頂面中央部にピストンの動作方向における断面が凹形状に設けられて、燃焼室を形成するキャビティと、前記燃焼室の略中央に臨む位置に設けられ、燃焼室の側壁面に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズルとを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置であって、
    前記燃焼室は、ピストン径方向の中央に位置する底部中央部分が開口端側に向かって隆起した形状を有するものであり、
    前記燃料噴射ノズルは、それぞれが2つの噴射孔からなる複数の噴孔群を有し、各噴孔群の前記2つの噴射孔は、それら2つの噴射孔から噴射される燃料の噴霧が燃焼室壁面に衝突した後に噴孔群毎に1つの燃料噴霧を形成し、それら2つの噴射孔から噴射された燃料の噴霧が前記燃焼室壁面に衝突したとき衝突点の間の距離が、4.5〜7.5mmの範囲内となるように前記2つの噴射孔の噴射孔間の距離および噴射孔間の角度が設定されていることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
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