JP2009062326A - インターロイキン4産生抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、より安全で効果の高い、インターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤を提供する。
【解決手段】 アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有するインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有するインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ジペプチドまたはそれらの塩を有効成分として含有するインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤に関する。
近年、花粉症やアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支炎等のアレルギー疾患は増加する傾向にある。
アレルギーの発症機構は通常I型からIV型の4つに分類される。代表的なアレルギーの発症機構であるI型アレルギーは、アレルゲン特異的IgEの誘導とヒスタミンやロイコトリエン等のケミカルメディエータの放出を特徴としている。
免疫応答には種々の細胞が関与しているが、その中でも中心的な役割を果たしているのがヘルパーT細胞である。ヘルパーT細胞は産生するサイトカインの違いから、Th1細胞とTh2細胞に分類される。Th1細胞は、インターロイキン2やインターフェロンγ等の細胞性免疫機構を活性化するサイトカインを産生する。一方、Th2細胞は、インターロイキン4やインターロイキン5、インターロイキン10等の液性免疫機構を活性化するサイトカインを産生し、B細胞からのIgE抗体の産生を促進する。Th1細胞およびTh2細胞の前駆細胞であるナイーブT細胞は、各種細胞から産生されるサイトカインによりそれぞれの細胞への分化が決定付けられている。通常はこれらのサイトカインがナイーブT細胞の分化を相互に制御することによりTh1細胞とTh2細胞のバランスが保たれているが、I型アレルギーではこのバランスがくずれTh2細胞が優位になることが知られている。Th2細胞優位になると、上述のようなサイトカインの産生が盛んになるが、その中でもインターロイキン4は自己増殖因子としての作用も有しているため、さらなるTh2細胞優位を招き病態の悪化に繋がると考えられる。したがって、このインターロイキン4の産生を抑えることは、IgE抗体の産生の抑制やヒスタミン遊離の抑制、またTh2細胞への分化を抑制し、アレルギー疾患を緩和できると考えられる。
抗アレルギー作用を有するペプチドとしては、ペプチド型グルタミン(特許文献1参照)や魚類由来の低分子ペプチド(特許文献2参照)などが知られているが、アラニルアスパラギン(以下、Ala−Asnともいう。)、グルタミルアスパラギン酸(以下、Glu−Aspともいう。)、セリルグルタミン(以下、Ser−Glnともいう。)およびβ−アラニル−β−アラニン(以下、βAla−βAlaともいう。)にインターロイキン4産生抑制作用や抗アレルギー作用があることは知られていない。
特開平7−215851号公報
特開平11−155524号公報
本発明の目的は、より安全で効果の高い、インターロイキン4産生抑制剤、抗アレルギー剤を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、Ala−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnおよびβAla−βAlaにインターロイキン4産生抑制作用、ひいては抗アレルギー作用があることを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成させた。
本発明は、下記の(1)〜(4)に関する。
(1)アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有するインターロイキン4産生抑制剤(以下、単に本発明のインターロイキン4産生抑制剤ともいう。)。
(2)インターロイキン4産生から生じる疾患の改善または予防用である、上記(1)記載のインターロイキン4産生抑制剤。
(3)IgE産生抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤またはナイーブ細胞のTh2細胞への分化抑制剤である、上記(1)記載のインターロイキン4産生抑制剤。
(4)アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有する抗アレルギー剤(以下、単に本発明の抗アレルギー剤ともいう。)。
(1)アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有するインターロイキン4産生抑制剤(以下、単に本発明のインターロイキン4産生抑制剤ともいう。)。
(2)インターロイキン4産生から生じる疾患の改善または予防用である、上記(1)記載のインターロイキン4産生抑制剤。
(3)IgE産生抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤またはナイーブ細胞のTh2細胞への分化抑制剤である、上記(1)記載のインターロイキン4産生抑制剤。
(4)アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有する抗アレルギー剤(以下、単に本発明の抗アレルギー剤ともいう。)。
本発明により、Ala−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnおよびβAla−βAlaからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有する、安全で効果の高い、新規インターロイキン4産生抑制剤および新規抗アレルギー剤を提供することができる。本発明のインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤は、高いインターロイキン4産生抑制効果および高い抗アレルギー効果を有し、また、ジペプチドまたはその塩を有効成分とすることから、医薬品、機能性食品等の飲食品等として安全に使用することができる。本発明のインターロイキン4産生抑制剤は、インターロイキン4産生抑制に基づく、IgE産生抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤およびナイーブ細胞のTh2細胞への分化抑制剤としても使用することができる。
本発明のインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤においては、Ala−Asn、Glu−Asp、Ser−Gln、βAla−βAla(以下、これらのジペプチドをまとめて本発明のジペプチドともいう。)またはこれらの塩が有効成分として用いられる。
本明細書において、Ala−Asnは、アラニン(即ち、α−アラニン)のα−カルボキシル基とアスパラギンのα−アミノ基が脱水縮合した構造、Glu−Aspは、グルタミン酸のα−カルボキシル基とアスパラギン酸のα−アミノ基が脱水縮合した構造、Ser−Glnは、セリンのα−カルボキシル基とグルタミンのα−アミノ基が脱水縮合した構造、βAla−βAlaは、β−アラニンのカルボキシル基とβ−アラニンのアミノ基が脱水縮合した構造をそれぞれ有するジペプチドである。
本発明において、Ala−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnまたはβAla−βAlaの構成アミノ酸であるアラニン(Ala)、アスパラギン(Asn)、グルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、セリン(Ser)、グルタミン(Gln)、β−アラニン(βAla)は、それぞれL体、D体のいずれであってもよいが、L体が好ましい。
本発明のジペプチドの塩としては、医薬品、飲食品等として許容される塩であれば特に限定されないが、例えば、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。
酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩があげられる。
金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。
アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等との塩があげられる。
有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等との塩があげられる。
アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩があげられる。
本発明のジペプチドは、合成法、酵素法または発酵法など、いずれの製造方法で作られたものでもよい。
本発明のジペプチドの合成法による製造方法としては、例えば「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫ら著、丸善株式会社、1985.1.20)に記載された固相ペプチド合成法または液相ペプチド合成法があげられる。
また、本発明のジペプチドは、当該アミノ酸配列を有する天然蛋白質を酵素的に加水分解することによっても得ることができる。
また、本発明のジペプチドは、市販品を用いることもでき、例えば、国産化学株式会社、バッケム社等より購入することもできる。
本発明のインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤は、Ala−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnおよびβAla−βAlaからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩そのものを添加剤を含有させずそのまま投与してもよく、また、後述の各種添加剤等を含有させて投与してもよく、また、後述の各種添加剤等を用いて製剤化した、各種の製剤(例えば、医薬製剤、飲食品製剤等)であってもよい。取扱い等の見地からは、製剤として提供するのが望ましい。
製剤は、有効成分としてAla−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnおよびβAla−βAlaからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を含有するが、更に任意の他の治療のための有効成分を含有していてもよい。また、それら製剤は、有効成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法(例えば、流動層造粒、攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、気流造粒、圧縮成形造粒、解砕造粒、噴霧造粒、噴射造粒等の造粒方法、パンコーティング、流動層コーティング、ドライコーティング等のコーティング方法、パフドライ、過剰水蒸気法、フォームマット方法、マイクロ波加熱方法等の膨化方法、押出造粒機やエキストルーダー等の押出方法、ロータリー・ダイス式ソフトカプセル成型方法等)により、製造される。薬理学的に許容される担体としては、後で例示する各種添加剤等を用いることができる。
製剤の投与形態は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与または、例えば静脈内、腹膜内もしくは皮下投与等の非経口投与をあげることができるが、経口投与が好ましい。
投与する剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤、注射剤、点滴剤、クリーム剤、坐剤等の非経口剤のいずれでもよいが、経口剤として好適に用いられる。
経口剤として製剤化する際には、必要に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤、溶剤等の添加剤を用いることができる。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、蔗糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類などを添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤等は、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等の賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油、合成珪酸アルミニウム等の滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤などを添加して製剤化することができる。
また、上記液体調整物、散剤および顆粒剤等をカプセルに充填して、経口投与に適当な、ハードカプセル剤、ソフトカプセル剤等に製剤化することもできる。
また、経口投与に適当な製剤には、必要に応じて、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味剤、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物、溶剤、茶葉抽出物、ビタミン類等が添加されてもよい。一般に飲食品に用いられる添加剤としては、具体的には、例えば食品添加物表示ハンドブック(日本食品添加物協会、平成9年1月6日発行)に記載されている添加剤等を用いることができる。
経口投与に適当な製剤は、そのまま、または例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、ペレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態として、インターロイキン4産生抑制用、IgE産生抑制用、ヒスタミン遊離抑制用、ナイーブ細胞のTh2細胞への分化抑制用、インターロイキン4産生から生じる疾患(状態)の改善もしくは予防用、または抗アレルギー用の健康食品、機能性食品、栄養補助食品、特定保健用食品等の飲食品として用いてもよい。
非経口投与に適当な、例えば注射剤は、好ましくは受容者の血液と等張である、本発明のジペプチドまたはそれらの塩を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩溶液とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、潤沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種またはそれ以上の補助成分を添加することができる。
本発明のインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤中(特に、製剤中)のAla−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnおよびβAla−βAlaからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩の含有量は、製剤の種類、該製剤の投与または摂取により期待する効果等に応じて適宜選択されるが、これらのフリー体に換算して、通常は0.1〜100重量%、好ましくは0.5〜70重量%、特に好ましくは1〜50重量%である。
本発明のインターロイキン4産生抑制剤または抗アレルギー剤のヒトに対する投与量または摂取量および投与回数または摂取回数は、投与形態または摂取形態、被投与者または被摂取者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常、成人一日当り、Ala−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnおよびβAla−βAlaからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩として、これらのフリー体に換算して、通常は0.01mg〜2000mg、好ましくは0.1mg〜1000mg、より好ましくは1mg〜1000mgとなるように、1日1回ないし数回投与または摂取する。投与期間または摂取期間は、特に限定されないが、通常は1日間〜1年間、好ましくは2週間〜3ヶ月間である。
なお、本発明のインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤は、ヒトだけでなく、ヒト以外の動物(以下、非ヒト動物と略す)に対しても使用することができる。非ヒト動物としては、ヒト以外のほ乳類(例えば、サル、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミ等の、ペット・家畜・実験動物等)、鳥類(例えば、ニワトリ、七面鳥等の家禽等)、は虫類、両生類、魚類(例えば、タイ、ハマチ等の養殖魚等)等のヒト以外の動物をあげることができる。
非ヒト動物に投与するまたは摂取させる場合の投与量または摂取量および投与回数または摂取回数は、投与形態または摂取形態、動物の年齢、種類、症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常、体重1kg1日当たり、本発明のジペプチドまたはその塩として、これらのフリー体に換算して、通常は0.0002mg〜40mg、好ましくは0.002mg〜20mg、より好ましくは0.02mg〜20mgとなるように、1日1回ないし数回投与するか、または摂取させる。投与期間または摂取期間は、特に限定されないが、通常は1日間〜1年間、好ましくは2週間〜3ヶ月間である。
本発明のインターロイキン4産生抑制剤を、IgE産生抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤またはナイーブ細胞のTh2細胞への分化抑制剤として用いる場合の、投与量または摂取量および投与回数または摂取回数は、インターロイキン4産生抑制剤について説明した量および回数と同様である。
上記方法等で本発明のインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤をヒトまたは非ヒト動物に投与しまたは摂取させることにより、該ヒトまたは非ヒト動物における、インターロイキン4産生から生じる疾患(例えば、I型アレルギー疾患等のアレルギー疾患)を改善または予防することができる。本発明のインターロイキン4産生抑制剤および抗アレルギー剤は、特にI型アレルギーに有効である。
以下に試験例および実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下に、本発明のジペプチドによるインターロイキン4産生抑制効果を調べた試験例を示す。
試験例 インターロイキン4産生抑制能の測定
本発明のジペプチドであるAla−Asn、Glu−Asp、Ser−Gln、βAla−βAla(いずれもバッケム社製)について、各々Phosphate Buffered Saline(GIBCO・BRL、以下PBSと略す)に溶解後、水酸化ナトリウムもしくは塩酸を用いてpHを7.2±0.1に調整した10mMPBS溶液を試験溶液として使用した。
Balb/cマウス(日本クレア社、メス、6週齢)に、試験開始初日(Day0)と10日後(Day10)、20日後(Day20)に卵白アルブミン(OVA、SIGMA)20μgをアジュバントであるAlum(和光純薬社製)2mgと共に腹腔内投与した。27日後(Day27)に解剖し、脾臓を単離、脾臓細胞を調製した。この脾臓細胞をRPMI1640(GIBCO・BRL)+10%FCS(GIBCO・BRL)+100U/mLペニシリン(GIBCO・BRL)+100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO・BRL)培地で1×107cells/mLとなるように調製し、96穴プレートに50μL/well播種し、さらに各種ジペプチド溶液を終濃度200μMとなるようにRPMI1640(GIBCO・BRL)+10%FCS(GIBCO・BRL)+100U/mLペニシリン(GIBCO・BRL)+100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO・BRL)+OVA200μg/mL培地に添加した溶液を50μL/well添加し3日間培養を行なった(ジペプチド終濃度100μM)。また、対照としてジペプチドを添加していないRPMI1640(GIBCO・BRL)+10%FCS(GIBCO・BRL)+100U/mLペニシリン(GIBCO・BRL)+100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO・BRL)+OVA200μg/mL培地を50μL/well添加した群の培養も行なった。培養後、その培養上清を回収しインターロイキン4(IL−4)の測定をMouse Interleukin−4 ELISA Kit(BIOSOURCE)を用いて行なった。結果は、ジペプチドを添加していない対照群のIL−4産生量を100%とした時の各群のIL−4産生を対照群に対する抑制率として算出し、IL−4の産生抑制率(%)としてIL−4の産生抑制効果を判定した。
IL−4のジペプチドによる産生抑制の結果を表1に示す。
試験例 インターロイキン4産生抑制能の測定
本発明のジペプチドであるAla−Asn、Glu−Asp、Ser−Gln、βAla−βAla(いずれもバッケム社製)について、各々Phosphate Buffered Saline(GIBCO・BRL、以下PBSと略す)に溶解後、水酸化ナトリウムもしくは塩酸を用いてpHを7.2±0.1に調整した10mMPBS溶液を試験溶液として使用した。
Balb/cマウス(日本クレア社、メス、6週齢)に、試験開始初日(Day0)と10日後(Day10)、20日後(Day20)に卵白アルブミン(OVA、SIGMA)20μgをアジュバントであるAlum(和光純薬社製)2mgと共に腹腔内投与した。27日後(Day27)に解剖し、脾臓を単離、脾臓細胞を調製した。この脾臓細胞をRPMI1640(GIBCO・BRL)+10%FCS(GIBCO・BRL)+100U/mLペニシリン(GIBCO・BRL)+100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO・BRL)培地で1×107cells/mLとなるように調製し、96穴プレートに50μL/well播種し、さらに各種ジペプチド溶液を終濃度200μMとなるようにRPMI1640(GIBCO・BRL)+10%FCS(GIBCO・BRL)+100U/mLペニシリン(GIBCO・BRL)+100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO・BRL)+OVA200μg/mL培地に添加した溶液を50μL/well添加し3日間培養を行なった(ジペプチド終濃度100μM)。また、対照としてジペプチドを添加していないRPMI1640(GIBCO・BRL)+10%FCS(GIBCO・BRL)+100U/mLペニシリン(GIBCO・BRL)+100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO・BRL)+OVA200μg/mL培地を50μL/well添加した群の培養も行なった。培養後、その培養上清を回収しインターロイキン4(IL−4)の測定をMouse Interleukin−4 ELISA Kit(BIOSOURCE)を用いて行なった。結果は、ジペプチドを添加していない対照群のIL−4産生量を100%とした時の各群のIL−4産生を対照群に対する抑制率として算出し、IL−4の産生抑制率(%)としてIL−4の産生抑制効果を判定した。
IL−4のジペプチドによる産生抑制の結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明のジペプチドであるAla−Asn、Glu−Asp、Ser−Gln、βAla−βAlaは、IL−4の産生抑制効果を示した。この結果より本発明のジペプチドは、アレルギー状態で引き起こされるIL−4の過剰な産生を抑制し、アレルギー疾患増悪の連鎖を緩和することで、抗アレルギー効果を示すことが明らかとなった。
以下に、本発明の実施例を示す。
実施例1
表2記載の配合の組成物に水を加えて1000mLとし、抗アレルギー用ドリンク剤(10本分)を製造する。
実施例1
表2記載の配合の組成物に水を加えて1000mLとし、抗アレルギー用ドリンク剤(10本分)を製造する。
上記と同様の方法により、インターロイキン4産生抑制用ドリンク剤を製造する。
実施例2
表3記載の処方で常法により抗アレルギー用錠剤(1錠あたり200mg)を製造する。
表3記載の処方で常法により抗アレルギー用錠剤(1錠あたり200mg)を製造する。
上記と同様の方法により、インターロイキン4産生抑制用錠剤を製造する。
実施例3
表4記載の処方で常法により抗アレルギー用散剤(1包あたり550mg)を製造する。
表4記載の処方で常法により抗アレルギー用散剤(1包あたり550mg)を製造する。
上記と同様の方法により、インターロイキン4産生抑制用散剤を製造する。
実施例4
表5記載の処方で抗アレルギー用ハードカプセル剤(1カプセルあたり160mg)を製造する。
表5記載の処方で抗アレルギー用ハードカプセル剤(1カプセルあたり160mg)を製造する。
50mgのSer−Glnに乳糖60mgおよびコーンスターチ30mgを添加して混合し、これにヒドロキシプロピルセルロース20mgの水溶液を添加して練合する。次いで、押し出し造粒機を用いて、常法により顆粒を製造する。この顆粒をゼラチンハードカプセルに充填することにより、ハードカプセル剤を製造する。
上記と同様の方法により、インターロイキン4産生抑制用ハードカプセル剤を製造する。
実施例5
表6記載の処方で抗アレルギー用ソフトカプセル剤(1カプセルあたり170mg)を製造する。
表6記載の処方で抗アレルギー用ソフトカプセル剤(1カプセルあたり170mg)を製造する。
大豆油120mgにβAla−βAla50mgを添加して混合する。次いで、ロータリー・ダイス式自動成型機を用いて、常法に従い、ソフトカプセルに充填することにより、ソフトカプセル剤を製造する。
上記と同様の方法により、インターロイキン4産生抑制用ソフトカプセルを製造する。
本発明により、Ala−Asn、Glu−Asp、Ser−GlnおよびβAla−βAlaからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有する、安全で効果の高い、新規インターロイキン4産生抑制剤および新規抗アレルギー剤を提供することができる。
Claims (4)
- アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有するインターロイキン4産生抑制剤。
- インターロイキン4産生から生じる疾患の改善または予防用である、請求項1記載のインターロイキン4産生抑制剤。
- IgE産生抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤またはナイーブ細胞のTh2細胞への分化抑制剤である、請求項1記載のインターロイキン4産生抑制剤。
- アラニルアスパラギン、グルタミルアスパラギン酸、セリルグルタミンおよびβ−アラニル−β−アラニンからなる群から選ばれる1以上のジペプチドまたはその塩を有効成分として含有する抗アレルギー剤。
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