JP2009061476A - 耐座屈性能に優れる電縫管の製造方法 - Google Patents

耐座屈性能に優れる電縫管の製造方法 Download PDF

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Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Hiroyasu Yokoyama
泰康 横山
Yoshitomo Okabe
能知 岡部
Takashi Sakata
坂田  敬
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Abstract

【課題】ラインパイプとして敷設された後、地震や凍土による座屈の影響を受けにくい耐座屈性に優れる電縫管の製造方法を提供する。
【解決手段】帯板20をロール成形し板幅端部を突き合わせて電縫溶接して管とする電縫管の製造方法であって、ロール成形初期のブレークダウンロール第1スタンドにおいて、管30の120度位置になる板幅方向位置近傍部分を他の部位よりも大きく曲げるように成形を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐座屈性能に優れる電縫管の製造方法に関する。耐座屈性能に優れる電縫管とは、ラインパイプとして敷設された後、地震や凍土による座屈の影響を受けにくい電縫管のことである。
石油や天然ガス等を輸送するラインパイプには、多くはUOE鋼管が適用され、JCO、スパイラル鋼管、シームレス鋼管、一部には電縫管も適用されている。
電縫管は、熱延帯板をロール成形して、板幅端部を突き合わせて電縫溶接して製造する。この電縫管製造工程の1例を図1に示す。この工程では、帯板20をアンコイラー1から払い出し、レベラー2で平坦に矯正した後、成形ロールスタンド群4でのロール成形により板幅を連続的に円弧形状に曲げていき、円弧形状となった板幅の両端部を加熱手段(コンタクトチップ)5で加熱しつつ突き合わせし、圧接手段(スクイズロール)6で圧接(溶接)して、この圧接してなるシーム部を有する管30とする。成形ロールスタンド群4は複数のブレークダウンロールスタンドおよびその他のロールスタンドからなる。各ブレークダウンロールスタンドでは、最上流側のブレークダウンロール第1スタンド3の場合を例として図3に示すように、凸ロール(上凸ロール)11と凹ロール(下凹ロール)12とからなるブレークダウンロール10が用いられる。また、電縫溶接機14は加熱手段5と圧接手段6とからなる。
前記圧接後は、まずビード切削機7で管30のシーム部からビード(余肉)を切削除去し、次いでシームアニーラー15でシーム部周辺を熱処理して溶接歪みを取り去り、次いで管30をサイザー8に通して外径矯正を行い、最後に管切断機9で管30を所定の長さに切断する。
上記ロール成形では一般に帯板の幅を連続的に円弧形状に沿わせて曲げていくが、その途上では真円弧形状に沿わせることができないために、電縫管は他の鋼管に比較して機械特性が円周方向に不均一なものとなる。そのため、電縫溶接して管とした後、さらにサイザーで外径矯正して目標の真円度に近づけているが、円周方向の不均一歪みは残留したままである。
その結果、電縫管をラインパイプとして敷設すると、地震発生時に局部的に座屈しやすくてパイプが破損しやすい問題があり、また、凍土地帯に埋設すると、夏季の軟地盤と冬季の凍結地盤とが交互に繰り返されることによりパイプ長手方向に圧縮力が作用するため、パイプが局部的に座屈して折れ曲がりやすく、さらには破損にいたる問題を抱えている。
したがって、電縫管をラインパイプとして用いる場合は、その敷設条件に大きな制約が伴うため、電縫管の普及率はUOE鋼管等に比較すると低くならざるをえなかった。
そこで、従来から電縫管の普及を図るため、その素材に着目して、例えば特許文献1や特許文献2に示されるように、素材の改良によって降伏応力YSと最大引張応力TSとの比を大きくし、特にYSを低減して、座屈しにくい鋼管とする方法が提案されている。
特開昭58−034133号公報 特許第3903747号公報
しかしながら、上述のロール成形においては、特に、帯板が板幅中央部近傍(該帯板から製造される電縫管の180度位置近傍、すなわちシーム部から円周方向にほぼ180度(すなわち180度±(360度の5%))離れた部位、に対応する)で板幅方向に折れ曲がりやすく、この部分に歪みが集中し、管となった後も前記歪みが集中した状態が存続する結果、管の機械特性が円周方向に不均一となり、耐座屈性能に劣る電縫管が製造されてしまうという課題があった。
前記従来の方法は、いずれも帯板または鋼管全体の特性を変えるものであって、そこには前記課題はなんら示されていない。
発明者らは前記課題を解決するための手段を鋭意検討し、以下の要旨構成になる本発明をなした。
1. 帯板をロール成形し板幅端部を突き合わせて電縫溶接して管とする電縫管の製造方法であって、ロール成形初期のブレークダウンロール第1スタンドにおいて、管の120度位置になる板幅方向位置近傍部分を他の部位よりも大きく曲げるように前記成形を行うことを特徴とする耐座屈性能に優れる電縫管の製造方法。
2. 前記第1スタンドにおいて、凸ロール幅中央部と帯板間に隙間を設けて前記成形を行うことを特徴とする前項1に記載の耐座屈性能に優れる電縫管の製造方法。
ここで、板は帯板の略記である。また、管のΘ度位置は、管のシーム部から円周方向の時計回りと反時計回りの双方向にそれぞれΘ度(時計回りと反時計回りのいずれか一方向の場合はΘ度と360度−Θ度)離れた2つの位置(Θ度が180度の場合は1つの位置)である。また、板幅方向位置の近傍部分は、帯板の幅方向の1端からの幅方向距離で表される板幅方向位置±(板幅の5%)の範囲内の部分である。
本発明によれば、ラインパイプとして敷設されたときに地震や凍土による座屈の影響を受けにくい電縫管を製造することができる。
発明者らは前記検討により、電縫管の機械特性の円周方向不均一が助長されているのは、前記180度位置近傍の機械特性が劣化し、特にその位置近傍のYSが他の位置のそれと比べて増加している所為であると看破した。そして、この位置近傍のYSが増加する原因は、この位置近傍に対応する板幅中央部近傍がロール成形の際にブレークダウンロールで圧下されて加工硬化することや、その後に円弧形状に曲げる際に前記板幅中央部近傍からの折れ曲がりが大きいことにあることを把握した。
図4に示されるように、ブレークダウンロール10は、太鼓形状(軸方向断面形状が外に凸の単一円弧形状)の凸ロール(上凸ロール)11と鼓形状(軸方向断面形状が外に凹の単一円弧形状)の凹ロール(下凹ロール)12とを組み合わせて構成されている。この上凸ロール11と下凹ロール12を上下に離間させてできる円弧状のギャップに板20を通すことで、板20の断面を円弧形状に成形する。なおPは圧下力である。
そこで、ブレークダウンロールにおける成形過程を詳細に観察したところ、円弧形状に板を曲げる際に、板幅中央部近傍、すなわち管の180度位置近傍相当から曲がりが始まってV字に近い形状に曲がり、その後、板幅1/4近傍、すなわち90度位置近傍が膨らんで円弧形状に近づくことが判明した。この原因は、ブレークダウンロールの各スタンドにおいて板を円弧形状に近づけようとして極端な曲げを付与せざるを得ないためである。
この180度位置の極端な曲げを緩和するため、発明者らはブレークダウンロール第1スタンドに着目して検討を進めた。すなわち、ブレークダウンロールの各スタンドの中でも第1スタンドにおいては、板幅を直線形状から円弧形状に成形するため、板の幅方向両端部を支点として中央部を圧下する成形となり、一方のロールを凸の単一円弧形状(太鼓形状)、他方のロールを凹の単一円弧形状(鼓形状)とし板幅曲がり線方向にほぼ平行なギャップとして成形する。
そこで、このロール凸形状を改良して180度位置の圧下を軽減するために、板幅1/3近傍および2/3近傍、すなわち管の120度位置近傍に他部位よりも大きな曲げを与えるようにした。これは、180度位置近傍の曲げを緩和するには、この位置から離れた位置で曲げを与えるのが有効であるが、90度位置近傍に曲げを与えると、その後のロール成形で円弧形状とするのが難しくなるため、その中間の角度位置を検討した結果、曲げを与える最適な角度位置が120度位置であることを見出したことに基づく。すなわち、120度位置近傍に他部位よりも大きな曲げを与えることにより、120度位置近傍以外の部位に他部位よりも大きな曲げを与えた場合と比較して、180度位置の圧下がより顕著に軽減される。
この曲げを与えるには、例えば図2に示すように、凸ロール11の形状を工夫し、ロールバレルの120度位置接触部13(板幅1/3位置と2/3位置にそれぞれ接触するロールバレル部位)近傍からロール幅方向外側の傾斜角(ロールプロフィルの接線がロール中心軸となす角)を、同側のロールプロフィルがロール径方向内側に移行するような傾斜角に変更して、緩やかな凸形状を付加したロール形状とすればよい。さらに、反対側の凹ロール12も、凸ロール11のプロフィル変更と対応させて、ロールバレルの120度位置接触部13近傍からロール幅方向外側の傾斜角を、同側のロールプロフィルがロール径方向外側に移行するような傾斜角に変更して、緩やかな凹形状を付加したロール形状とするとよい。
また、ブレークダウンロールスタンド群の中でも第1スタンドにおいては、前述のように板の幅方向端部を支点として中央部を圧下する成形とならざるを得ないため、円弧状のギャップの隙幅が円弧長方向に板厚とほぼ等しく分布していても、板幅中央部は圧下される。さらに、ブレークダウンロール第1スタンドは板を下流側に送る役目も担うため、ロールと板との摩擦力を充分確保する必要があり、数%以上の圧下を実施するのが常である。これらから、板幅中央部は圧下により加工硬化してYSが増加しやすいわけである。
そこで、発明者らは板幅中央部の圧下を軽減して、YSの増加を防止する方法を検討した。板幅中央部の圧下率を0%にする案があるが、圧下率を0%にすると板を送る摩擦力が不足する問題がある。
発明者らは板を送るに充分な摩擦力を確保しつつ、板幅中央部近傍のみの圧下率を0%にするため、ブレークダウンロール第1スタンドの凸ロールに着目した。すなわち、例えば図3に示すように、凸ロール11の幅中央部(ロールバレル中央部)に平坦化部分16を形成してこれと帯板20間に隙間21を設けることにより、板幅中央部は圧下されず、しかも、板20の送り力はロールバレル中央部以外のロールバレル周辺部分で補うことができる。従来(図4)に比べると板20と凸ロール11との接触面積が減少するため、圧下率を多少増加させれば、中央部は圧下率0%のまま、周辺の圧下率により板送り力の確保が可能となる。
質量%で0.05%C、0.2%Si、1.2%Mnを含有する鋼組成の帯板(板幅1900mm)を、図1に示した電縫管製造工程においてブレークダウンロール第1スタンド3のロール形状条件を下記のように相異させ、他の条件は相同としてなる複数の工程のうちの各工程により加工して、外径600mm、肉厚19.1mmの電縫管を製造した。なお、上記相同とした条件には図2、図3における圧下力Pも含まれる。
(条件1:従来例)
凸ロール11、凹ロール12を、図4に示すような単一円弧状プロフィルのものとした。
(条件2:本発明例1)
凸ロール11、凹ロール12を、図3に示すプロフィルのものとした。120度位置接触部13(板幅方向位置=630mmおよび1270mm)近傍からロール幅方向内側のプロフィルは従来例と同じにし、同近傍からロール幅方向外側のプロフィルは、該プロフィル曲線上の所定のロール軸方向位置点における傾斜角が従来例よりも15度増す緩やかな傾斜のプロフィルにした。これにより、120度位置近傍に他部位よりも15度大きい曲げ(この曲げを、+15度曲げという)が与えられる。
(条件3:本発明例2)
本発明例1において、凸ロール11のロールバレル中央部に図3に示すような平坦化部分16を付設した。平坦化部分16のロール軸方向幅は200mm(板幅の約10%)とした。
各条件で製造した電縫管について、シーム部近傍、およびシーム部から円周方向にほぼ90度とほぼ180度の各位置(それぞれ90度位置近傍、180度位置近傍という)から、管長手方向にJIS13号引張試験片を各々10本切り出して引張試験し、機械特性を測定した。これらの測定結果のうち、90度位置近傍のYS(降伏応力),TS(最大引張応力)、および180度位置近傍のTSを表1に示す。なお、表1中のYS、TSの値はそれぞれ計10点の測定値のうち最大と最小を除いた残りの8点についての平均値である。
表1より、本発明例では、180度位置近傍のYSが従来例よりも低くて、他の角度位置のYSに近い値を示し耐座屈性能に優れているが、これらに比較して、従来例では、180度位置近傍のYSが他の角度位置のYSより高くて、耐座屈性能に劣っていた。
Figure 2009061476
電縫管製造工程の1例を示す模式図である。 本発明に係るブレークダウンロール第1スタンドで用いられるブレークダウンロールの1例を示す模式図である。 本発明に係るブレークダウンロール第1スタンドで用いられるブレークダウンロールの1例を示す模式図である。 従来のブレークダウンロール第1スタンドで用いられるブレークダウンロールの1例を示す模式図である。
符号の説明
1 アンコイラー
2 レベラー
3 ブレークダウンロール第1スタンド
4 成形ロールスタンド群
5 加熱手段(コンタクトチップ)
6 圧接手段(スクイズロール)
7 ビード切削機
8 サイザー
9 管切断機
10 ブレークダウンロール
11 凸ロール(上凸ロール)
12 凹ロール(下凹ロール)
13 120度位置接触部
14 電縫溶接機
15 シームアニーラー
16 平坦化部分
20 帯板(板)
21 隙間
30 管

Claims (2)

  1. 帯板をロール成形し板幅端部を突き合わせて電縫溶接して管とする電縫管の製造方法であって、ロール成形初期のブレークダウンロール第1スタンドにおいて、管の120度位置になる板幅方向位置近傍部分を他の部位よりも大きく曲げるように前記成形を行うことを特徴とする耐座屈性能に優れる電縫管の製造方法。
  2. 前記第1スタンドにおいて、凸ロール幅中央部と帯板間に隙間を設けて前記成形を行うことを特徴とする請求項1に記載の耐座屈性能に優れる電縫管の製造方法。
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