JP5009032B2 - 高強度溶接鋼管の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度溶接鋼管の製造装置に関するものであり、さらに詳しくは、所謂、UOE方式による溶接鋼管の製造において、溶接を行う際の鋼管の回転・捩れの発生を防止しつつ、シームギャップの狭隘化とシーム位置の適正化を図り、これによって健全な溶接部を有する高強度溶接鋼管を製造する装置に関するものである。
UOE方式による溶接鋼管の製造装置は、一般に、図1に示すように、プレスによる鋼板のC成形装置、U成形装置、O成形装置と、シーム溶接装置、拡管装置の各装置を備え、そして、鋼板の両端部に開先加工を施した後、C成形装置で鋼板の両端部を曲げ成形(C成形)し、曲げ成形した鋼板を次のU成形装置でU字状に成形(U成形)し、さらに、O成形装置で筒状に成形(O成形)し、そして、シーム溶接装置において、筒状に成形した鋼板(以下、「Oキャン」という)の端部同士を突き合わせた状態で溶接し、その後、溶接鋼管を拡管装置で拡管することにより所定の径および肉厚の溶接鋼管を得ている。
しかし、上記溶接鋼管の製造装置において、特に、高強度の溶接鋼管を製造しようとした場合、成形後の鋼板のスプリングバック等が大きいため、Oキャンの突合せ端部位置がずれたり、端部同士の突合せ間隔が大きくなったりすることによって、満足できるシーム溶接を行えないという事態が生じ、その結果として、健全な溶接部を有する高強度溶接鋼管の製造は困難なものとなっている。
このような問題を解決するため手段として、シーム溶接装置の上流側に、フィンパスロールを設置し、Oキャンの突合せ端部位置の修正をしたり、端部同士の突合せ間隔の調整を行うことが従来技術として知られているが、これらの従来技術にあっても、フィンパスロールは、製造する鋼管の外径に応じて段取替が必要であるため作業能率が低下する、あるいは、フィンパスロールがOキャン端部に加えた塑性変形に基づく残留応力を原因として、溶接部にクラックが発生する等の問題点が生じている。
特開昭59−191516号公報 特開昭61−46326号公報
原油、天然ガスの輸送用ラインパイプ等として、引張強さがほぼ600〜700MPa程度の溶接鋼管が用いられてきているが、近年、高圧化による輸送効率の向上等の観点から、溶接鋼管のより一層の高強度化が望まれており、現在では、引張強さ850MPa以上の高強度溶接鋼管も製造されるようになってきている。そして、要求される溶接鋼管の強度が大になるほど、例えば、鋼板のスプリングバックも大になるため、より一層、目標とする所定形状のOキャンを成形する必要があるばかりか、Oキャン端部のシーム溶接に際しては、Oキャン端部の突合せ位置、突合せ間隔の精度を高めることによりシーム位置の適正化を図り、欠陥のない健全な溶接部を形成することが求められている。
そこで、本発明は、高強度溶接鋼管の製造に際し、簡易な設備により、Oキャンの回転・捩れの発生を防止しつつ、シームギャップの狭隘化を図り、さらに、Oキャン端部の突合せ位置、突合せ間隔の精度を高めシーム位置の適正化を図った状態でシーム溶接を行うことにより、健全な溶接部を有する高強度溶接鋼管を製造する装置を提供することを目的とする。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)筒状に成形した鋼板(以下、「Oキャン」という)の対向する鋼板端部の突合せ部を溶接して鋼管を製造する溶接鋼管の製造装置において、
前記Oキャンを搬送する搬送装置、
前記搬送されるOキャンの前記突合せ部の間隔を狭めるためのケージロール
前記突合せ部の間隙にその一部が嵌入する円板状フィン部と前記突合せ部近傍のOキャン外表面を押圧し、且つ、シームギャップを狭隘化する鼓部とを有する1個あるいは複数個のフィンロール、
前記フィンロールの下流側に配置され前記Oキャンの形状および突合せ部の形状を整えるためOキャンの突合せ部を所定の力で押圧するトップロール、
前記トップロールの下流側に配置され前記突合せ部を溶接する溶接トーチ、
を備えたことを特徴とする高強度溶接鋼管の製造装置。
(2)前記フィンロールの鼓部は、円板状フィン部を挟んで外側に行くほど径が大きくなる鼓形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
(3)前記フィンロールの円板状フィン部が含まれる平面と、前記フィンロールの鼓部の曲面とのなす角度θが、下記数式を満足するフィンロール形状を有することを特徴とする請求項2記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
tanθ=(d−d)/2/w=0.1〜0.4
但し、d;フィンロールの鼓部の内側(フィン部寄り)の直径(mm)
;フィンロールの鼓部の外側(フィン部と反対側)の直径(mm)
w;フィンロールの鼓部の内側〜外側までの長さ(mm)
(4)前記フィンロールが駆動ロールであることを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項に記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
(5)前記搬送装置が搬送ロールであることを特徴とする請求項1乃至4項のいずれか1項に記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
以下、図面とともに本発明の装置について説明する。
図1(a)に、本発明の高強度溶接鋼管製造装置の概略正面図を示し、また、図1(b)に、同概略平面図を示す。
例えば、UOE方式による溶接鋼管の製造装置では、C成形装置、U成形装置、O成形装置でそれぞれ鋼板を成形し、O成形装置で鋼板をほぼ筒状に成形し、この筒状に成形した鋼板(Oキャン)をさらに溶接装置へと搬送して、Oキャン端部の突合せ部を溶接して溶接鋼管を製造する。
図1(a)、(b)は、O成形後のOキャンが、搬送装置である摩擦チェーンによって溶接装置(溶接トーチ)へ搬送される様子を示している。
Oキャンが搬送され、溶接トーチに接近する(第1図()において、図面左方から右方へOキャンが移動する)にしたがって、Oキャンの突合せ部の間隔が順次狭まるようにOキャンを案内搬送するケージロールが配置され、また、溶接トーチの上流側には、Oキャンの突合せ部にほぼ対応する位置に、フィンロールおよびトップロールを配置する。
Oキャンは、その突合せ部の間隔が順次狭まるようにケージロールで案内搬送され、また、Oキャンの前記突合せ部は、フィンロールの円板状フィン部を挟み込んだ状態(円板状フィン部の一部が突合せ部の間隙に嵌入する状態)で搬送され、さらに、Oキャンの突合せ部近傍の外周面の少なくとも一部が、回転する該フィンロールの鼓部と接触しながら、かつ、押圧されつつ搬送されることにより、該接触部位には、Oキャンの突合せ部間隔をさらに狭める方向の分力が発生し、この分力の作用によって、Oキャンの突合せ部は、その間隔をさらに狭めながら案内搬送され、精度の高い鋼板端部の突合せが行われる。そして、フィンロールと溶接トーチとの間に配置されたトップロールは、ケージロールとフィンロールの協働作用によって、適正間隔が保持された状態で搬送されてくるOキャンの突合せ部を所定の力で上方から押圧しつつ案内搬送することによって、Oキャンの鋼板端部の高さ位置を調整し、溶接されるOキャンの外形形状および突合せ部の形状を最終的に整える。
なお、従来の溶接鋼管製造装置においても、(本発明のフィンロールに類似する)フィン部を有するフィンパスロールを設けることは知られているが、従来のフィンパスロールは、Oキャン突合せ部のオフセット修正及び間隔修正のために、溶接前に突合せ部を一度拡開する塑性変形を施し、その後、トップロールを用いずにケージロールで案内して突合せ部を突合せ、溶接を行うものである(特許文献1参照)のに対して、本発明のフィンロールは、Oキャン突合せ部に塑性変形を施して突合せ部間隙を拡大するものではなく、Oキャンの突合せ部近傍の外周面を押圧し、フィンロール鼓部とOキャン接触部位に突合せ部の間隔をさらに狭める分力を生じさせることによって精度のよい突合せを行うものであり、また、円板状フィン部をOキャンの突合せ部間隙に一部嵌入させることによって、Oキャン搬送時のOキャンの回転を防止し、さらには、このようなフィンロールを複数個配設することによってOキャンの捩れ発生(Oキャンの搬送につれ、Oキャンの突合せ部箇所が、本来のシーム位置からあたかも蛇行したかのようにズレていく現象)をも防止し、その結果として、溶接トーチに対するシーム位置を適正に案内・維持するものであるから、本発明のフィンロールと従来フィンロールとは、Oキャン突合せ部に対する作用・機能の面から明確に区別される別異なものであり、本発明の装置は、このような作用・機能を有する複数個のフィンロールを備えたことを、その技術的特徴とするものである。
図2(a)に、本発明の高強度溶接鋼管製造装置の概略側面図を示し、また、図2(b)に、フィンロール位置における正面断面図を示す。
図2(a)、(b)にみられるように、フィンロールおよびトップロールは所定の押圧力を加えながらOキャンを案内搬送する。フィンロールの鼓部は、Oキャン突合せ部の近傍でOキャン外周面の一部分と接触した状態でOキャンを押圧しつつ回転駆動し、フィンロールの鼓部分に形成された曲面とOキャンとの接触部位には、Oキャン突合せ部間隙を狭める方向の分力が発生し、この作用によってOキャン突合せ部の間隔の狭隘化、即ち、シームギャップの狭隘化、が果たされる。また、フィンロールは、その円板状フィン部の一部が、Oキャン突合せ部(の鋼板端部の間)に挟まれていることによって、ケージロール、搬送チェーン等による案内の不具合によって生じるOキャンの回転発生を防止することができるばかりか、さらに、円板状フィン部を備えたフィンロールを搬送方向に複数配設することによって、Oキャンの捩れ発生をも防止することができ、その結果、シーム溶接を行う際の目標位置に、正確に、Oキャン突合せ部を案内搬送することができ、シーム位置の適正化を図ることができる。
また、トップロールは、ケージロールとフィンロールの協働作用によって、適正間隔が保持された状態で搬送されてくるOキャンの突合せ部を、所定の力で押圧しつつ案内搬送することによって、Oキャンの鋼板端部の高さ位置を調整するとともに、例えば、楕円状であったOキャンの外形断面形状を、最終的に所望の外形形状へと整える。
Oキャンは、フィンロール(の鼓部)で押圧され、Oキャンの鋼板端部の高さ位置もある程度修正された状態で搬送されてくるため、トップロールで必要とされる高さ位置修正のための押圧力はそれほど大きくなく、また、フィンロールを駆動ロールで構成した場合には、Oキャンを搬送するケージロール、搬送装置(ロール)等への負荷が大きく軽減される。
図3には、円板状のフィン部と鼓形状の鼓部とを備えた本発明のフィンロールの形状を示す。
本発明の装置で用いるフィンロールは、例えば、材質がSKD11(JIS)からなり、図示されるように、その中央に円板状のフィン部を備え、その両側には、外側へ行くほど径が大きくなる鼓形状の曲面(以下、単に「テーパ曲面」という)で形成された鼓部を備えており、そして、トップロール方向あるいは溶接トーチ方向へ案内搬送されるOキャンは、フィンロールのフィン部の一部がOキャン突合せ部(の鋼板端部の間)に挟まれた状態で存在することによって、Oキャンの回転発生が防止され、また、円板上フィン部を有するこのようなフィンロールを複数個Oキャン搬送方向に沿って配設することによって、Oキャンの捩れ発生も防止され、その結果として、シーム位置の適正化が図られることになる。
また、本発明では、フィンロール(特に、鼓部)の具体的な形状を、さらに、次のように規定している。
図3において、
フィンロールの鼓部の内側(フィン部寄り)の直径をd(mm)、
フィンロールの鼓部の外側(フィン部と反対側)の直径をd(mm)、
フィンロールの鼓部の内側〜外側までの長さをw(mm)、
フィンロールの鼓部の曲面と、前記フィンロールのフィン部が含まれる
面のなす角度をθ、
とした場合に、
tanθ=(d−d)/2/w=0.1〜0.4
という数式を満足するd,d,w(あるいは、θ)の値によって定まる形状のフィンロール。
本発明で、フィンロールの鼓部の形状を上記のごとく規定した理由は次のとおりである。
即ち、本発明の装置のフィンロールは、回転駆動し、テーパ曲面からなるフィンロールの鼓部の少なくとも一部をOキャンに接触させた状態でOキャンの外表面を所定の力で押圧することによって、フィンロールのテーパ曲面の鼓部と接触するOキャンの接触箇所に、突合せ部の間隙を狭める方向の分力を生じさせ、その結果として、シームギャップの狭隘化を図るものであるから、Oキャンに対してこのような作用を生じさせることができるようにフィンロール(の鼓部)の形状を規定した。
つまり、上記数式tanθの値を大にしテーパーをきつくするほうが、押圧力低減を図るという意味では有利に作用するが、tanθ>0.4となると、ロールエッジが鋼管にあたるようになり、これを避けるためにtanθの上限値を0.4と定めた。一方、上記数式tanθの値を小さくしテーパーを緩くすると、水平方向の分力が小さくなり、必然的に押圧力を大きくせざるを得ず、また、tanθ<0.1になると、本溶接開先潰れが発生し、著しく溶接品質を損なうため、tanθの下限値を0.1と定めた。
したがって、フィンロールの鼓部の形状については、
tanθ=(d−d)/2/w
という数式で表されるtanθの値が、0.1〜0.4を満足するようにd,d,wの値を定めた.
また、本発明の装置におけるOキャンの突合せ部の間隔調整の効果は、フィンロールの鼓部の形状ばかりか、フィンロールをOキャンへ押圧する押圧力の大小によっても影響されるので、鋼管強度、鋼管外径、鋼管肉厚等に応じて適切な押圧力を選定する必要がある。
また、本発明の装置では、フィンロールとOキャンの接触によるOキャン表面への表面疵の発生防止、Oキャン搬送時の搬送装置の不具合等によるノッキング発生防止、また、Oキャンを搬送する装置の負荷軽減のためにも、フィンロールを駆動ロールとすることが望ましい。
さらに、本発明の装置では、Oキャンを搬送するための装置としては、従来から知られている各種の搬送装置を使用することができるが、搬送の安定性、確実性、簡易性の点から、搬送ロールを使用することが望ましい。
なお、従来技術においては、製造する溶接鋼管の径に応じて、数種類のサイズのフィンパスロール(既に述べたように、突合せ部を拡開するため、突合せ部には残留応力が生じる)を用意しておく必要があったが、本発明によれば、鋼管径の変動があったとしても、鋼管径に合わせてその都度フィンロールを交換する必要はないため、コストの低減も図れる。これは、本発明のフィンロールが、Oキャンの突合せ部に塑性変形を加えて拡開させるというものではなく、テーパ曲面の少なくとも一部をOキャンと接触させつつ押圧し、突合せ部の間隔を狭める方向の分力を発生させて突合せ部の間隔調整を行う、という機能の違いに由来する。
本発明の高強度溶接鋼管の製造装置によれば、所謂、UOE方式による高強度溶接鋼管の製造に際し、鋼管の回転・捩れ発生を防止しつつ、シームギャップの狭隘化とシーム位置の適正化を図ることができるので、健全な溶接部を有する高強度溶接鋼管を製造することができるとともに、フィンロールとして駆動ロールを用いた場合には、Oキャン搬送のための各種設備の負荷軽減を図ることができるため、設備負担、ランニングコストが小さくなり、実用上の効果が期待できる。
つぎに、本発明の高強度溶接鋼管の製造装置について、実施例により具体的に説明する。
本発明の実施例(本発明1〜42)として、鋼板強度:950(MPa)、鋼板厚み:16(mm)の鋼板を用いて、UOE方式のO成形により筒状に成形した鋼板(Oキャン)を、ケージロール、フィンロール、トップロールおよび溶接トーチを備えた本発明の製造装置でシーム溶接し、鋼管の外径:711.2(mm)、914.4(mm)、1016(mm)、1219.2(mm)、また、鋼管の肉厚:14〜20(mm)の種々のサイズの高強度溶接鋼管(本発明1〜42)を製造した。
その具体的な製造条件等を表1に示す。
なお、本実施例では1個のフィンロールを採用した。
ここで、複数個のフィンロールを配設することにより、仮付溶接装置に対するシーム部のセンタリングは、より精緻に行うことも可能である。
本発明の装置により製造した高強度溶接鋼管(本発明1〜42)の諸特性を表2に示す。
Figure 0005009032
Figure 0005009032
比較例
比較例として、本発明の実施例で使用したものと同じOキャンを用い、フィンロールを使用しないで(比較例43)、あるいは、tanθの値が0.1〜0.4という数値範囲を外れるフィンロールを使用して(比較例44〜84)、表3に示される条件で溶接鋼管を製造した。
比較例43〜84として製造した溶接鋼管の諸特性を表4に示す。
Figure 0005009032
Figure 0005009032
表1、2からもわかるように、本発明1〜42においては、tanθの値が0.1〜0.4を満足する形状のフィンロールを用いて溶接鋼管を製造したことによって、押圧力が27MPa(本発明10)〜147MPa(本発明7,16,36)という比較的小さな押圧力でシームギャップの狭隘化を図ることができるとともに、仮付溶接時の品質に何らの問題がないばかりか、本溶接においても開先潰れ等の変形が生じることはなく、健全な溶接部を有する溶接鋼管を製造することができ、しかも、引張強さが850MPa(本発明36)〜1097MPa(本発明31)という高強度の溶接鋼管を製造することができる。
これに対し、表3、4に示されるように、比較例43〜84のうちのフィンロールを使用しなかった比較例43については、シームギャップが100mmと大きな値であったために、仮付溶接において品質不良を発生した。
また、tanθの値を0.1未満としたフィンロールを使用して製造した比較例44〜84においては、フィンロールの押圧力が、例えば、139MPa(比較例68)、80MPa(比較例80)のように小さい場合には本溶接で開先変形は生じなかったものの、仮付溶接においては品質不良の発生がみられた。
また、例えば、比較例44、59のように、フィンロールの押圧力を大きな値にした場合であっても、tanθの値が小さくギャップの狭隘化に寄与するフィンロール押圧力の水平方向の分力が小さい場合には、フィンロールによるシームギャップの狭隘化作用が不十分となり、仮付溶接において品質不良がみられ、さらに、本溶接においても開先変形が生じた。
また、フィンロールのtanθの値を大きくした比較例51、69のような場合、あるいは、フィンロールの押圧力を大きくした比較例48、55のような場合には、ギャップの狭隘化が図られ仮付溶接における品質不良の発生は防止できるようになったが、本溶接においては、依然として開先変形(開先潰れ)が発生し、著しく溶接品質を損なうものであった。
以上述べたように、UOE方式による高強度溶接鋼管の製造に際し、フィンロールを用いない比較例43、あるいは、tanθの値が0.1〜0.4の範囲を外れるフィンロールを用いた比較例44〜84においては、仮付溶接品質の不良あるいは本溶接用開先変形の少なくともいずれかが発生するため、健全な溶接部を有する高強度溶接鋼管を製造することはできなかったが、本発明の高強度溶接鋼管製造装置によれば、鋼管の回転発生・捩れ発生を防止しつつ、シームギャップの狭隘化とシーム位置の適正化を図ることができ、これによって健全な溶接部を有する高強度溶接鋼管を簡易な設備で製造することができる。
本発明の高強度溶接鋼管製造装置の概略図であり、(a)は概略正面図、また、(b)は概略平面図である。 本発明の高強度溶接鋼管製造装置における概略作用図を示し、(a)は側面からみた作用図、また、(b)は、フィンロール位置における正面断面からみた作用図である。 本発明のフィンロールの概略図である。

Claims (5)

  1. 筒状に成形した鋼板(以下、「Oキャン」という)の対向する鋼板端部の突合せ部を溶接して鋼管を製造する溶接鋼管の製造装置において、
    前記Oキャンを搬送する搬送装置、
    前記搬送されるOキャンの前記突合せ部の間隔を狭めるためのケージロール
    前記突合せ部の間隙にその一部が嵌入する円板状フィン部と前記突合せ部近傍のOキャン外表面を押圧し、且つ、シームギャップを狭隘化する鼓部とを有する1個あるいは複数個のフィンロール、
    前記フィンロールの下流側に配置され前記Oキャンの形状および突合せ部の形状を整えるためOキャンの突合せ部を所定の力で押圧するトップロール、
    前記トップロールの下流側に配置され前記突合せ部を溶接する溶接トーチ、
    を備えたことを特徴とする高強度溶接鋼管の製造装置。
  2. 前記フィンロールの鼓部は、円板状フィン部を挟んで外側に行くほど径が大きくなる鼓形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
  3. 前記フィンロールの円板状フィン部が含まれる平面と、前記フィンロールの鼓部の曲面とのなす角度θが、下記数式を満足するフィンロール形状を有することを特徴とする請求項2記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
    tanθ=(d−d)/2/w=0.1〜0.4
    但し、d;フィンロールの鼓部の内側(フィン部寄り)の直径(mm)
    ;フィンロールの鼓部の外側(フィン部と反対側)の直径(mm)
    w;フィンロールの鼓部の内側〜外側までの長さ(mm)
  4. 前記フィンロールが駆動ロールであることを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項に記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
  5. 前記搬送装置が搬送ロールであることを特徴とする請求項1乃至4項のいずれか1項に記載の高強度溶接鋼管の製造装置。
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