JP2009061460A - 棒鋼の水冷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】棒鋼2が均一に冷却されうる水冷装置4の提供。
【解決手段】この水冷装置4は、その内側を棒鋼2が通過するトラフボディ6と、このトラフボディ6にこの棒鋼2を誘導するトラフガイド8、12と、冷却水をこの棒鋼2に向かって噴出しうるスリットノズル10、14とを備える。このスリットノズル10、14は、この棒鋼2の外周に沿うように配置される。このスリットノズル10、14から噴出される冷却水の噴出量は、周方向に変えられる。好ましくは、この水冷装置4では、上記スリットノズル10、14は、その上半分を構成する上側ノズル72と、その下半分を構成する下側ノズル74とからなる。この上側ノズル72の噴出量は、この下側ノズル74の噴出量よりも少ない。好ましくは、この水冷装置4では、上記スリットノズル10、14は、このトラフボディ6とこのトラフガイド8、12とが組み合わされて形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、棒鋼の水冷装置に関する。詳細には、本発明は、熱間圧延された棒鋼の冷却に用いられる水冷装置に関する。
丸棒鋼の製造方法として、圧延による方法が広く知られている。この製造方法では、まず精錬、造塊、分塊圧延等の工程を経て、ビレットが得られる。このビレットは、加熱炉によって加熱される。次に、このビレットに熱間圧延が施される。通常は、タンデムに並べられた粗列圧延機、中間列圧延機及び仕上列圧延機による多段圧延が施される。この熱間圧延によってビレットは徐々に細径化し且つ長尺化して、丸棒鋼が得られる。この丸棒鋼は、この熱間圧延の途中でその組織を制御するために冷却水で冷却される。この組織制御により、靱性に優れる丸棒鋼が得られうる。このようにして丸棒鋼が冷却されることで、焼きならしを目的とする圧延後の熱処理が省略されうる。なお、この冷却水には、工業用水が用いられる。
その冷却効率に優れる棒鋼及び線材用の水冷管が、実開平5−9705号公報に開示されている。この水冷管は、スリットノズルを備えている。このスリットノズルは、この棒鋼の外周に沿うように配置されている。この水冷管は、このスリットノズルから冷却水を噴出させることにより攪拌流が形成されうるように構成されている。この攪拌流は、冷却効率に寄与しうる。
実開平5−9705号公報
前述したように、熱間圧延の途中にある棒鋼は冷却水で冷却される。この場合、水冷装置を通過する棒鋼に向かって、冷却水が噴出される。この水冷装置の内部には冷却水が溜まるので、棒鋼の下側は水没する。棒鋼の温度は高いので、棒鋼の表面近傍では冷却水の気化が促される。従って、水没された棒鋼の下側には、その表面に水蒸気の層が形成される場合がある。この水蒸気の層は、棒鋼の冷却効率に影響を与える。棒鋼の上側にはこの水蒸気の層は形成されないので、棒鋼の上側は棒鋼の下側よりも冷えやすい。このようにして冷却された棒鋼の周方向における冷却状態は、不均一である。その冷却状態が不均一である棒鋼では、その組織が適切に制御されえない。このような棒鋼は、品質安定性に劣る。
本発明の目的は、棒鋼が均一に冷却されうる水冷装置の提供にある。
本発明に係る棒鋼の水冷装置は、その内側を棒鋼が通過するトラフボディと、このトラフボディにこの棒鋼を誘導するトラフガイドと、この棒鋼を冷却するために用いられる冷却水をこの棒鋼に向かって噴出しうるスリットノズルとを備えている。このスリットノズルは、この棒鋼の外周に沿うように配置されている。このスリットノズルから噴出される冷却水の噴出量は、周方向に変えられている。
好ましくは、この水冷装置では、上記スリットノズルは、その上半分を構成する上側ノズルと、その下半分を構成する下側ノズルとからなる。この上側ノズルの噴出量は、この下側ノズルの噴出量よりも少ない。
好ましくは、この水冷装置では、上記上側ノズルは、複数の開口部を備えている。これらの開口部の周長の和の、上側ノズルの周長に対する比率は、30%以上60%以下である。
好ましくは、この水冷装置では、上記開口部は、周方向に等しい間隔で配置されている。一の開口部の側辺と、この側辺に向かい合う他の開口部の側辺とがなす中心角は、10°以上30°以下である。
好ましくは、この水冷装置では、上記下側ノズルは、その底に位置する突部と、この突部の両側に位置する一対の開口部とを備えている。これらの開口部は、この突部から上記上側ノズルに向かって周方向に延在している。これらの開口部の周長の和の、この下側ノズルの周長に対する比率は、80%以上99%以下である。
好ましくは、この水冷装置では、上記トラフボディは、端部を備えている。上記トラフガイドは、この端部と接触しうるように配置された別の端部を備えている。この端部は、端面を備えている。この別の端部は、この端面と面接触しうる上面を備えた複数の突部を備えている。これらの突部は、所定の間隔で周方向に配置されている。上記スリットノズルは、このトラフボディとこのトラフガイドとが組み合わされてこの端面とこの上面とが接触することにより形成される。
好ましくは、この水冷装置では、上記トラフボディは、端部を備えている。上記トラフガイドは、この端部と接触しうるように配置された別の端部を備えている。この別の端部は、端面を備えている。この端部は、この端面と面接触しうる上面を備えた複数の突部を備えている。これらの突部は、所定の間隔で周方向に配置されている。上記スリットノズルは、このトラフボディとこのトラフガイドとが組み合わされてこの端面とこの上面とが接触することにより形成される。
この水冷装置では、熱間圧延の途中にある棒鋼が均一に冷却されうる。この水冷装置で冷却された棒鋼の組織は、適切に制御される。この水冷装置で冷却された棒鋼の品質は、安定である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る棒鋼2の水冷装置4が示された一部切り欠き側面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。この水冷装置4は、熱間圧延の途中にある棒鋼2を冷却する。この水冷装置4は、トラフボディ6と、第一トラフガイド8と、第一スリットノズル10と、第二トラフガイド12と、第二スリットノズル14と、ローラー16とを備えている。図1中、矢印線Aは棒鋼2の進行方向を表している。図1において、左側は下流側であり、右側は上流側である。この水冷装置4では、このローラー16は棒鋼2を上流から下流に向かって送り出す。
トラフボディ6は、棒鋼2の進行方向に延在している。このトラフボディ6は、本体18と、第一充填部20と、第一前フランジ22と、第一前端部24と、第二充填部26と、第二後フランジ28と、第二後端部30とを備えている。
本体18は、筒状である。棒鋼2は、この本体18の内側を通過する。この本体18の内側は、冷却水で満たされる。この本体18の下側には、ローラが設置されるための開口部32が設けられている。
第一充填部20は、本体18の上流側に位置している。この第一充填部20は、外側に凸な形状を呈している。この第一充填部20は、この本体18の外面34に沿って周方向に延在している。この第一充填部20は、環状である。この第一充填部20の下流側の端36は、本体18の外面34に固定されている。この第一充填部20には、冷却水で満たされる第一流路38と、この第一流路38にこの冷却水を供給する第一供給口40とが設けられている。図1中、この第一流路38は、第一充填部20の内部に形成されている空間である。前述したように、この第一充填部20はこの本体18に沿って周方向に延在している。従って、この第一流路38もこの本体18に沿って周方向に延在している。この水冷装置4では、この第一供給口40は第一充填部20の下側に位置している。図示されていないが、この第一供給口40には、冷却水を供給するパイプが取り付けられる。
第一前フランジ22は、第一充填部20からさらに上流側に位置している。この第一前フランジ22は、この第一充填部20に連接している。この第一前フランジ22は、外側に向かって拡がっている。この第一前フランジ22には、ボルト42が挿通されうる孔44が設けられている。
第一前端部24は、本体18の上流側の端に位置している。この第一前端部24は、上流側に向かって先細りな形状を呈している。この第一前端部24は、端面46を備えている。この端面46は、平滑である。
第二充填部26は、本体18の下流側に位置している。この第二充填部26は、外側に凸な形状を呈している。この第二充填部26は、この本体18の外面34に沿って周方向に延在している。この第二充填部26は、環状である。この第二充填部26の上流側の端48は、本体18の外面34に固定されている。この第二充填部26には、冷却水で満たされる第二流路50と、この第二流路50にこの冷却水を供給する第二供給口52とが設けられている。図1中、第二流路50は、第二充填部26の内部に形成されている空間である。前述したように、この第二充填部26はこの本体18に沿って周方向に延在している。従って、この第二流路50もこの本体18に沿って周方向に延在している。この水冷装置4では、この第二供給口52は第二充填部26の下側に位置している。図示されていないが、この第二供給口52には、冷却水を供給するパイプが取り付けられる。
第二後フランジ28は、第二充填部26からさらに下流側に位置している。この第二後フランジ28は、この第二充填部26に連接している。この第二後フランジ28は、外側に向かって拡がっている。この第二後フランジ28には、ボルト42が挿通されうる孔54が設けられている。
第二後端部30は、本体18の下流側の端に位置している。この第二後端部30は、本体18の上流側から下流側に向かって外側に傾斜しつつ拡がる端面56を備えている。この端面56は、平滑である。
第一トラフガイド8は、トラフボディ6の上流側に位置している。この第一トラフガイド8は、このトラフボディ6に棒鋼2を誘導する。この第一トラフガイド8は、誘導口58と、第一後フランジ60と、第一後端部62とを備えている。
誘導口58は、上流側に向かって裾広がりな形状を呈する。この誘導口58を通じて、棒鋼2はこの水冷装置4に導入される。
第一後フランジ60は、外側に向かって拡がっている。この第一後フランジ60には、ボルト42が挿通されうる孔64が設けられている。
第一後端部62は、第一トラフガイド8の下流側の端に位置している。この水冷装置4では、この第一トラフガイド8がトラフボディ6に取り付けられるとき、この第一後端部62は第一前端部24と接触しうるように配置されている。この第一後端部62は、端面66と、複数の突部68とを備えている。この端面66は、上流側から下流側に向かって外側に傾斜しつつ拡がっている。これらの突部68は、所定の間隔で周方向に配置されている。これらの突部68は、この端面66から下流側に向かって突出している。これらの突部68は、平滑な上面70を備えている。
第一スリットノズル10は、トラフボディ6と第一トラフガイド8との境界に位置している。この第一スリットノズル10は、この水冷装置4を通過する棒鋼2の外周に沿うように配置されている。この第一スリットノズル10は、この第一スリットノズル10の上半分を構成する上側ノズル72と、この第一スリットノズル10の下半分を構成する下側ノズル74とからなる。
上側ノズル72は、複数の開口部76を備えている。この水冷装置4では、この上側ノズル72は、4の開口部76を備えている。これらの開口部76は、周方向に等しい間隔で配置されている。図2に示されているように、これらの開口部の周長は同じである。この開口部76は、第一前端部24の端面46に沿っている。この水冷装置4では、一の開口部76とこの一の開口部76に隣接する他の開口部76との間は、突部68aである。この突部68aは、上側ノズル72を閉塞している。この水冷装置4では、この突部68aの周長は同じである。なお、この上側ノズル72が、3以下の開口部を備えてもよい。この上側ノズル72が、5以上の開口部を備えてもよい。この上側ノズル72の仕様は、適宜変えられる。
下側ノズル74は、その底に位置する突部68bと、一対の開口部82とを備えている。この突部68bは、この下側ノズル74を閉塞している。これらの開口部82は、この突部68bの両側に位置しておりこの突部68bから上側ノズル72に向かって周方向に延在している。図2に示されているように、これらの開口部82の周長は同じである。なお、この下側ノズル74の仕様は、適宜変えられる。
第二トラフガイド12は、トラフボディ6の下流側に位置している。この第二トラフガイド12は、このトラフボディ6を通過した棒鋼2を排出する。この第二トラフガイド12は、排出口84と、第二前フランジ86と、第二前端部88とを備えている。
排出口84は、棒鋼2の進行方向に延在している。この排出口84を通じて、棒鋼2はこの水冷装置4から排出される。
第二前フランジ86は、外側に向かって拡がっている。この第二前フランジ86には、ボルト42が挿通されうる孔90が設けられている。
第二前端部88は、第二トラフガイド12の上流側の端に位置している。この水冷装置4では、この第二トラフガイド12がトラフボディ6に取り付けられるとき、この第二前端部88は第二後端部30と接触しうるように配置されている。この第二前端部88は、上流側に向かって先細りな形状を呈する。この第二前端部88は、端面92と、複数の突部94とを備えている。これらの突部94は、この端面92から上流側に向かって突出している。これらの突部94は、平滑な上面を備えている。図示されていないが、これらの突部94は所定の間隔で周方向に配置されている。
第二スリットノズル14は、トラフボディ6と第二トラフガイド12との境界に位置している。この第二スリットノズル14は、この水冷装置4を通過する棒鋼2の外周に沿うように配置されている。この水冷装置4では、この第二スリットノズル14の構成は、第一スリットノズル10の構成と同一である。この第二スリットノズル14は、この第二スリットノズル14の上半分を構成する上側ノズル(図示されず)と、この第二スリットノズル14の下半分を構成する下側ノズル96とからなる。この上側ノズルは、4の開口部を備えている。これらの開口部は、周方向に等しい間隔で配置されている。下側ノズル96は、その底に位置する突部94と、一対の開口部100とを備えている。この突部94は、この下側ノズル96を閉塞している。これらの開口部100は、突部94の両側に位置しておりこの突部94から上側ノズル72に向かって周方向に延在している。
この水冷装置4では、第一トラフガイド8がトラフボディ6に取り付けられるとき、この第一後フランジ60は第一前フランジ22と合わせられる。このとき、第一後フランジ60の孔64と第一前フランジ22の孔44とにボルト42が挿通されて、このボルト42がナット102で締め付けられる。このようにして、第一トラフガイド8はトラフボディ6に固定される。第二トラフガイド12も、この第一トラフガイド8と同様に、第二前フランジ86と第二後フランジ28とがボルト42及びナット102で締め付けられることによりこのトラフボディ6に固定される。
この水冷装置4では、第一トラフガイド8がトラフボディ6に取り付けられると、第一前端部24の端面46と第一後端部62の突部68の上面70とは面接触する。この面接触により、この突部68は第一スリットノズル10の一部を閉塞する。この面接触により、第一スリットノズル10の開口部76、82が形成される。この水冷装置4では、第一スリットノズル10はトラフボディ6と第一トラフガイド8とが組み合わされてこの端面46とこの上面70とが接触することにより形成される。第二スリットノズル14も同様に、トラフボディ6と第二トラフガイド12とが組み合わされて第二後端部30の端面56と第二前端部88の突部94の上面とが接触することにより形成される。
この水冷装置4では、第一スリットノズル10の開口部76、82は第一前端部24の端面46に沿って延在する。この開口部76、82は、その外側において第一流路38と繋がっている。この第一流路38に供給された冷却水は、この開口部76、82を通じて棒鋼2に向かって噴出される。この第一スリットノズル10は、冷却水をこの棒鋼2に向かって噴出しうる。その構成が第一スリットノズル10と同様である第二スリットノズル14においても、冷却水はこの棒鋼2に向かって噴出されうる。この第一スリットノズル10及び第二スリットノズル14から噴出される冷却水の水量及び水圧が適切であるので、この棒鋼2は均一に冷却される。
後述するが、この水冷装置4では、上側ノズル72の周長に占める開口部76の周長の比率は下側ノズル74の周長に占める開口部82の周長の比率よりも小さい。従って、この上側ノズル72の開口部76の全容積は、この下側ノズル74の開口部82の全容積よりも小さい。この水冷装置4では、上側ノズル72から噴出される冷却水の噴出量は、下側ノズル74から噴出される冷却水の噴出量よりも少ない。この水冷装置4では、第一スリットノズル10から噴出される冷却水の噴出量は周方向に変えられている。換言すれば、この第一スリットノズル10の上側では冷却水の噴出量は少なく、この第一スリットノズル10の下側では冷却水の噴出量は多い。その構成が第一スリットノズル10と同様である第二スリットノズル14においても、この第二スリットノズル14の噴出量は周方向に変えられている。
前述したように、この水冷装置4では、上側ノズル72の噴出量は下側ノズル74の噴出量よりも少ない。この水冷装置4では、この上側ノズル72の噴出量と下側ノズル74の噴出量とは適切に調整されている。従って、この水冷装置4では、棒鋼2に噴出される冷却水の噴出量がその周方向において均一である従来の水冷装置のように、この棒鋼2の上側の冷却効率とこの棒鋼2の下側の冷却効率との間に差異は生じない。この水冷装置4を通過する棒鋼2は、均一に冷却されうる。
この水冷装置4に供給された冷却水は、主にローラー16が配置されるトラフボディ6の開口部32から排出される。図1に示されているように、この開口部32はこの水冷装置4の下側に位置している。この棒鋼2の最下部付近では、冷却水の排出が促されるので水蒸気層の形成は抑えられる。このため、この棒鋼2の最下部付近は、水蒸気層が形成される箇所よりも冷えやすい。図2に示されているように、この水冷装置4の下側ノズル74には、この棒鋼2の最下部付近に相当する位置に突部68bが設けられている。この突部68bは、棒鋼2の最下部付近における冷却水の滞留を促して棒鋼2の急な冷却を抑えうる。この突部68bは、この棒鋼2の冷却効率の均一化に寄与しうる。この水冷装置4が用いられることにより、棒鋼2は均一に冷却されうる。均一な冷却は、熱間圧延の途中にある棒鋼2の組織を適切に制御しうる。このようにして冷却された棒鋼2は、品質安定性に優れる。この水冷装置4は、高品質な棒鋼2を提供しうる。
図2において、両矢印線LAは上側ノズル72の周長を表している。この水冷装置4では、上側ノズル72の周長と下側ノズル74の周長とは同じある。従って、下側ノズル74の周長もLAで表される。両矢印線L1は、上側ノズル72の開口部76の周長を表している。両矢印線L2は、下側ノズル74の開口部82の周長を表している。角度αは、上側ノズル72において、一の開口部76の側辺と、この側辺に向かい合う他の開口部76の側辺とがなす中心角である。換言すれば、この角度αは突部68aの両側辺がなす中心角である。この周長LA、この周長L1、この周長L2及びこの角度αは、棒鋼2の進行方向に垂直でありかつ、上側ノズル72及び下側ノズル74を含んでいる断面において計測される。
この水冷装置4では、上側ノズル72に設けられている全ての開口部76の周長の和の、上側ノズル72の周長に対する比率は、開口率と称される。この水冷装置4では、この開口率は30%以上60%以下であるのが好ましい。この開口率が30%以上に設定されることにより、棒鋼2の上側の冷却効率の低下が抑えられる。この水冷装置4は、棒鋼2を均一に冷却しうる。この観点から、この開口率は35%以上がより好ましく、40%以上が特に好ましい。この開口率が60%以下に設定されることにより、棒鋼2の上側の冷却効率の過大が防止される。この場合においても、この水冷装置4は棒鋼2を均一に冷却しうる。この観点から、この開口率は55%以下がより好ましく、50%以下が特に好ましい。
この水冷装置4では、下側ノズル74に設けられている全ての開口部82の周長の和の、下側ノズル74の周長に対する比率は、開口率と称される。この開口率は、80%以上99%以下であるのが好ましい。この開口率が80%以上に設定されることにより、棒鋼2の上側の冷却効率と棒鋼2の下側の冷却効率との乖離が抑えられる。この水冷装置4は、棒鋼2を均一に冷却しうる。この観点から、この開口率は83%以上がより好ましく、85%以上が特に好ましい。この開口率が99%以下に設定されることにより、棒鋼2の下側における冷却効率が適切に維持されうる。この場合においても、この水冷装置4は棒鋼2を均一に冷却しうる。この観点から、この開口率は95%以下がより好ましく、93%以下が特に好ましい。
この水冷装置4では、角度αが大きくなると、上側ノズル72に設けられる開口部76の数は少なくなるので棒鋼2の上側の冷却効率は低下する。冷却効率が適切に維持されうるという観点から、この角度は30°以下であるのが好ましい。角度αが小さくなると上側ノズル72には多くの開口部76が設けられうる。この場合、棒鋼2の上側に噴出される冷却水の噴出量は多くなるので、棒鋼2の上側の冷却効率は高まる。過大な冷却効率が抑えられるという観点から、この角度は10°以上であるのが好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示した基本構成を備え、下記表1に示した仕様のスリットノズルを備えた実施例1の水冷装置を用意した。このスリットノズルの上側ノズルには、4の開口部と5の突部が設けられている。このスリットノズルの下側ノズルには、1の突部と、この突部から上側ノズルに向かって延在する一対の開口部とが設けられている。上側ノズルの突部の両側辺がなす中心角としての角度αは、20°(degree)である。この上側ノズルの開口率は、44.4%である。下側ノズルの開口率は、88.9%である。
[実施例5、6、7及び8]
角度αを変えて上側ノズルの開口率を変えた他は実施例1と同様にして、水冷装置を用意した。この水冷装置は、角度αを変えることで、開口部の周長が変えられている。
[実施例4及び9]
開口部の数及び突部の数を変えて開口率を変えた他は実施例1と同様にして、水冷装置を用意した。この水冷装置では、角度αを変えることなく開口部の周長が変えられている。
[実施例2、3、10及び11]
開口部の数、突部の数及び角度αを変えて開口率を変えた他は実施例1と同様にして、水冷装置を用意した。
[実施例12、13及び14]
下側ノズルの開口率を変えた他は実施例1と同様にして、水冷装置を用意した。
[比較例1]
比較例1は、従来の水冷装置のスリットノズルである。従って、突部は設けられていない。
[実施例15]
下側ノズルに突部を設けなかった他は実施例1と同様にして、水冷装置を用意した。
[評価]
水冷装置は、圧延工程において、2ロール圧延機(粗列、中間列及び仕上列)の直後に設置された。水冷装置により冷却された丸棒鋼について、その組織の制御状態を確認して、この冷却装置による冷却状態の適否を判定した。この判定結果は、比較例1による丸棒鋼の冷却状態が基準とされてA、B、C及びDの4段階で表1及び表2に示されている。水冷装置による冷却状態が最も適切である場合は、「A」として表されている。この冷却状態がより適切である場合は、「B」として表されている。この冷却状態が比較例1に比べてやや優れている場合は、「C」として表されている。この冷却状態が比較例1と変わらない場合は、「D」として表されている。なお、組織の制御状態は、テストピースによるミクロ組織の調査を行うことにより確認した。
Figure 2009061460
Figure 2009061460
表1及び表2に示されるように、実施例の水冷装置で冷却された丸棒鋼は、適切に冷却されていることが確認された。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る水冷装置は、鋼(炭素鋼及び合金鋼)のみならず種々の材質からなる金属製棒鋼の冷却に適用されうる。また、本発明は熱間圧延の途中における組織制御を目的とした冷却のみならず、熱間圧延された金属製棒鋼の冷却においても適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る棒鋼の水冷装置が示された一部切り欠き側面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
符号の説明
2・・・棒鋼
4・・・水冷装置
6・・・トラフボディ
8・・・第一トラフガイド
10・・・第一スリットノズル
12・・・第二トラフガイド
14・・・第二スリットノズル
16・・・ローラー
18・・・本体
20・・・第一充填部
22・・・第一前フランジ
24・・・第一前端部
26・・・第二充填部
28・・・第二後フランジ
30・・・第二後端部
32・・・開口部
34・・・外面
36、48・・・端
38・・・第一流路
40・・・第一供給口
42・・・ボルト
44、54、64、90・・・孔
46、56、66、92・・・端面
50・・・第二流路
52・・・第二供給口
58・・・誘導口
60・・・第一後フランジ
62・・・第一後端部
68、68a、68b、94・・・突部
70・・・上面
72・・・上側ノズル
74、96・・・下側ノズル
76、82、100・・・開口部
84・・・排出口
86・・・第二前フランジ
88・・・第二前端部
102・・・ナット

Claims (7)

  1. その内側を棒鋼が通過するトラフボディと、このトラフボディにこの棒鋼を誘導するトラフガイドと、この棒鋼を冷却するために用いられる冷却水をこの棒鋼に向かって噴出しうるスリットノズルとを備えており、
    このスリットノズルが、この棒鋼の外周に沿うように配置されており、
    このスリットノズルから噴出される冷却水の噴出量が、周方向に変えられている棒鋼用水冷装置。
  2. 上記スリットノズルが、その上半分を構成する上側ノズルと、その下半分を構成する下側ノズルとからなり、
    この上側ノズルの噴出量が、この下側ノズルの噴出量よりも少ない請求項1に記載の水冷装置。
  3. 上記上側ノズルが、複数の開口部を備えており、
    これらの開口部の周長の和の、上側ノズルの周長に対する比率が、30%以上60%以下である請求項2に記載の水冷装置。
  4. 上記開口部が、周方向に等しい間隔で配置されており、
    一の開口部の側辺と、この側辺に向かい合う他の開口部の側辺とがなす中心角が、10°以上30°以下である請求項3に記載の水冷装置。
  5. 上記下側ノズルが、その底に位置する突部と、この突部の両側に位置する一対の開口部とを備えており、
    これらの開口部が、この突部から上記上側ノズルに向かって周方向に延在しており、
    これらの開口部の周長の和の、この下側ノズルの周長に対する比率が、80%以上99%以下である請求項2から4のいずれかに記載の水冷装置。
  6. 上記トラフボディが、端部を備えており、
    上記トラフガイドが、この端部と接触しうるように配置された別の端部を備えており、
    この端部が、端面を備えており、
    この別の端部が、この端面と面接触しうる上面を備えた複数の突部を備えており、
    これらの突部が、所定の間隔で周方向に配置されており、
    上記スリットノズルが、このトラフボディとこのトラフガイドとが組み合わされてこの端面とこの上面とが接触することにより形成される請求項1から5のいずれかに記載の水冷装置。
  7. 上記トラフボディが、端部を備えており、
    上記トラフガイドが、この端部と接触しうるように配置された別の端部を備えており、
    この別の端部が、端面を備えており、
    この端部が、この端面と面接触しうる上面を備えた複数の突部を備えており、
    これらの突部が、所定の間隔で周方向に配置されており、
    上記スリットノズルが、このトラフボディとこのトラフガイドとが組み合わされてこの端面とこの上面とが接触することにより形成される請求項1から5のいずれかに記載の水冷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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