JP6939900B2 - 穿孔機、マンドレルバー、及び、それらを用いた継目無金属管の製造方法 - Google Patents

穿孔機、マンドレルバー、及び、それらを用いた継目無金属管の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、穿孔機、マンドレルバー、及び、それらを用いた継目無金属管の製造方法に関する。
鋼管に代表される継目無金属管の製造方法として、マンネスマン法がある。マンネスマン法では、ピアサを用いて中実の丸ビレットを穿孔圧延して、中空素管(Hollow Shell)を製造する。そして、穿孔圧延して製造された中空素管に対して延伸圧延を実施して、中空素管を所定の肉厚及び外径にする。延伸圧延はたとえば、エロンゲータ、プラグミル、マンドレルミル等を利用する。延伸圧延された中空素管に対して、サイザ等の定径圧延機を用いて定径圧延を実施して、所望の外径を有する継目無金属管を製造する。
上記継目無金属管の製造装置のうち、ピアサ及びエロンゲータは、同様の構成を備える。ピアサ及びエロンゲータは、複数の傾斜ロールと、プラグと、マンドレルバーとを備える。複数の傾斜ロールは、素材(ピアサの場合の素材は丸ビレットであり、エロンゲータの場合の素材は中空素管)が通過するパスライン周りに等間隔に配列される。プラグは、複数の傾斜ロールの間であって、パスラインに配置される。プラグは砲弾形状を有し、プラグの前端部の外径は、プラグの後端部の外径よりも小さい。プラグの前端部は、穿孔圧延又は延伸圧延前の素材と対向して配置される。マンドレルバーの前端は、プラグの後端面の中央部に接続される。マンドレルバーは、パスラインに配置され、パスラインに沿って延びる。
ピアサは、複数の傾斜ロールにより、素材である丸ビレットを丸ビレットの周方向に回転させながらプラグに押し込み、丸ビレットを穿孔圧延して中空素管にする。同様に、エロンゲータは、複数の傾斜ロールにより、素材である中空素管を中空素管の周方向に回転させながら、中空素管にプラグを挿入して、傾斜ロールとプラグとの間で中空素管を圧下して、中空素管を延伸圧延する。
以下、本明細書において、ピアサ及びエロンゲータのように、複数の傾斜ロールと、プラグと、マンドレルバーとを備える圧延装置を「穿孔機」と定義する。また、穿孔機の各構成において、穿孔機の傾斜ロールの入側を「前方」、穿孔機の傾斜ロールの出側を「後方」と定義する。
最近では、継目無金属管の高強度化が要求されている。たとえば、油井やガス井に用いられる継目無鋼管では、油井やガス井の深井戸化に伴い、高い強度が要求されている。このような高い強度を有する継目無金属管を製造するために、たとえば、穿孔圧延及び延伸圧延後の中空素管に対して焼入れ及び焼戻しが実施される。
焼入れ前の中空素管の長手方向の温度分布が不均一であれば、焼入れ後の中空素管において、組織が長手方向において不均一になる。組織が長手方向で不均一であれば、製造された継目無金属管の長手方向において、機械特性にばらつきが生じる。したがって、穿孔機を用いて穿孔圧延又は延伸圧延を実施した後の中空素管において、長手方向の温度分布のばらつきを抑制できる方が好ましい。具体的には、穿孔圧延後又は延伸圧延後の中空素管の前端部と後端部の温度差が抑制される方が好ましい。
穿孔機により製造された中空素管の温度分布の不均一を低減する技術が、特開平3−99708号公報(特許文献1)及び特開2017−13102号公報(特許文献2)に提案されている。
特許文献1では、次の事項が記載されている。特許文献1は、穿孔圧延時又は延伸圧延時に生じる加工発熱により、変形抵抗の大きい継目無高合金管の内外面の温度差を低減することを目的とする。特許文献1では、斜め後方に向かって冷却水を噴射可能なノズル孔がプラグの後部に形成されている。穿孔圧延時において、プラグ後部のノズル孔から、穿孔圧延中の中空素管の内面に向かって冷却水を噴射する。これにより、加工発熱により外面よりも温度が上昇した内面を冷却して、中空素管の内外面の温度差を低減する。
特許文献2では、次の事項が記載されている。エロンゲータ等の延伸圧延機において、中空素管にプラグを挿入して延伸圧延を実施する場合、延伸圧延初期のプラグの温度は中空素管の温度よりも低い。そして、延伸圧延中に、中空素管の熱がプラグに伝熱することにより、プラグの温度が上昇する。一方、延伸圧延初期の中空素管の温度は高いが、延伸圧延中の放熱により、徐々に中空素管の温度が低下する。つまり、延伸圧延の開始から終了までの間において、プラグの温度と中空素管の温度とがそれぞれ変化する。そのため、延伸圧延後の中空素管の長手方向(軸方向)の温度分布が不均一となる問題がある(特許文献2の段落[0010]参照)。そこで、特許文献2では、プラグ後端面、又は、マンドレルバーの前端部に複数の噴射孔を設ける。そして、延伸圧延中の中空素管の内面に対して、プラグ後端面の噴射孔、又は、マンドレルバー前端部の噴射孔から冷却流体を中空素管の内面に吹き付ける。より具体的には、始めに、プラグ後端面及びマンドレルバー前端部から冷却流体を噴射することなく中間素管を延伸圧延した場合の中空素管の軸方向の温度分布を予め取得しておく。そして、得られた温度分布に基づいて、プラグ後端面又はマンドレルバー前端部の噴射孔から噴射する冷却流体の量を調整しながら、延伸圧延を実施する。これにより、延伸圧延後の中空素管において、軸方向における温度分布を均一にすることができる(段落[0020]、[0021]等)。
特開平3−99708号公報 特開2017−13102号公報
特許文献1及び特許文献2の技術では、プラグ又はマンドレルから中空素管の内面に向かって冷却流体を噴射して、中空素管の内面を冷却することにより、中空素管を冷却する。しかしながら、これらの技術を適用した場合、圧延初期に傾斜ロールを通過する中空素管の前端部と、圧延終了時に傾斜ロールを通過する中空素管の後端部との間に温度差が生じ、ピアサによる穿孔圧延後又はエロンゲータによる延伸圧延後の中空素管の軸方向の温度分布が均一になりにくい場合がある。
本開示の目的は、穿孔圧延後又は延伸圧延後の中空素管の長手方向(軸方向)の温度ばらつきを抑制できる、穿孔機、その穿孔機に用いられるマンドレルバー、及び継目無金属管の製造方法を提供することである。
本開示による穿孔機は、素材を穿孔圧延又は延伸圧延して中空素管を製造する穿孔機であって、
素材が通過するパスライン周りに配置される複数の傾斜ロールと、
複数の傾斜ロールの間のパスラインに配置されるプラグと、
プラグの後端からパスラインに沿ってプラグの後方に延びるマンドレルバーとを備え、
マンドレルバーは、
バー本体と、
バー本体内に形成されており、内部に冷却液が通る冷却液流路と、
バー本体のうち、マンドレルバーの軸方向に特定長さを有し、マンドレルバーの前端部に位置する冷却区域内に配置され、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、冷却液流路から供給された冷却液をバー本体の外部に噴射して、冷却区域内を進行中の中空素管の内面を冷却する内面冷却機構と、
冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置され、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、バー本体の外部に噴射された冷却液が冷却区域から出た後の中空素管の内面と接触するのを抑制する内面堰止機構とを含む。
本発明によるマンドレルバーは、上記穿孔機に用いられる。
本開示による継目無金属管の製造方法は、上述の穿孔機を用いた継目無金属管の製造方法であって、
穿孔機を用いて素材を穿孔圧延又は延伸圧延して、中空素管を製造する圧延工程と、
圧延工程中において、内面冷却機構により冷却液をバー本体の外部に噴射して、冷却区域内の中空素管の内面を冷却し、かつ、冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置された内面堰止機構により、バー本体の外部に噴射された冷却液が冷却区域から出た後の中空素管の内面に接触するのを抑制する工程とを備える。
本発明による穿孔機は、穿孔圧延後又は延伸圧延後の中空素管の長手方向(軸方向)の温度ばらつきを抑制できる。
図1は、第1の実施形態による穿孔機の側面図である。 図2は、図1中の傾斜ロール近傍部分の拡大図である。 図3は、図2とは異なる方向から見た場合の、図1中の傾斜ロール近傍部分の拡大図である。 図4は、図1中のプラグ2及びマンドレルバー3の拡大図である。 図5は、図4に示すプラグ2及びマンドレルバー3の中心軸を含む断面図(縦断面図)である。 図6は、図5中の線分A−Aでの断面図である。 図7は、図5中の線分B−Bでの断面図である。 図8は、図5中の線分C−Cでの断面図である。 図9は、図1に示す穿孔機により素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの傾斜ロール近傍での縦断面図である。 図10は、図9中の線分B−Bでの断面図である。 図11は、図9中の線分A−Aでの断面図である。 図12は、本実施形態の内面堰止機構がない場合における、素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの傾斜ロール近傍での縦断面図である。 図13は、図9中の線分C−Cでの断面図である。 図14は、第2の実施形態の穿孔機において、図5中のマンドレルバーの線分A−Aでの断面図である。 図15は、図14に示すマンドレルバーのバー本体を表面から見た場合の冷却液噴射孔の拡大図である。 図16は、第2の実施形態の穿孔機において、図5中のマンドレルバーの線分B−Bでの断面図である。 図17は、図14に示すマンドレルバーのバー本体を表面から見た場合の冷却液噴射孔の拡大図である。 図18は、第2の実施形態の穿孔機により素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの冷却液による旋回流、及び、圧縮ガスによる旋回流を説明するための穿孔機の縦断面図である。 図19は、第2の実施形態の穿孔機をバー本体の軸方向から見た場合の、冷却液による旋回流、及び、圧縮ガスによる旋回流を説明するための穿孔機の断面図である。 図20は、図15と異なる、マンドレルバーのバー本体を側面から見た場合の冷却液噴射孔の拡大図である。 図21は、第3の実施形態の穿孔機により素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの傾斜ロール近傍での縦断面図である。 図22は、第4の実施形態の穿孔機により素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの傾斜ロール近傍での縦断面図である。 図23は、図22中の外面冷却機構を中空素管の進行方向に見た正面図である。 図24は、図23と異なる形態の外面冷却機構の正面図である。 図25は、図22及び図23と異なる形態の外面冷却機構の正面図である。 図26は、第5の実施形態の穿孔機により素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの傾斜ロール近傍での縦断面図である。 図27は、図26中の前方堰止機構を中空素管の進行方向に見た正面図である。 図28は、図27に示す前方堰止上部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図29は、図27に示す前方堰止下部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図30は、図27に示す前方堰止左部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図31は、図27に示す前方堰止右部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図32は、図27と異なる形態の前方堰止機構の正面図である。 図33は、図27及び図32と異なる形態の前方堰止機構の正面図である。 図34は、図27、図32及び図33と異なる形態の前方堰止機構の正面図である。 図35は、図27、図32〜図34と異なる形態の前方堰止機構の正面図である。 図36は、図27、図32〜図35と異なる形態の前方堰止機構の正面図である。 図37は、図36中の複数の堰止部材を穿孔圧延又は延伸圧延中の中空素管の外面に近づけた状態を示す前方堰止機構の正面図である。 図38は、第6の実施形態による穿孔機の、傾斜ロール出側近傍の拡大図である。 図39は、図38中の後方堰止機構を中空素管の進行方向に見た正面図である。 図40は、図39に示す後方堰止上部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図41は、図39に示す後方堰止下部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図42は、図39に示す後方堰止左部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図43は、図39に示す後方堰止右部材の、中空素管の進行方向に平行な断面図である。 図44は、図39と異なる形態の後方堰止機構の正面図である。 図45は、図39及び図44と異なる形態の後方堰止機構の正面図である。 図46は、図39、図44及び図45と異なる形態の後方堰止機構の正面図である。 図47は、図39、図44〜図46と異なる形態の後方堰止機構の正面図である。 図48は、図39、図44〜図47と異なる形態の後方堰止機構の正面図である。 図49は、図48中の複数の堰止部材を穿孔圧延又は延伸圧延中の中空素管の外面に近づけた状態を示す後方堰止機構の正面図である。 図50は、第7の実施形態による穿孔機の、傾斜ロール出側近傍の拡大図である。 図51は、実施例1における、外面冷却の水量密度と内面冷却の水量密度との関係を示す図である。 図52は、実施例2における、実験経過時間と熱伝達率との関係を示す図である。 図53は、実施例3で使用した鋼管の軸方向に沿った縦断面図及び軸方向に垂直な横断面図である。 図54は、実施例3で使用した模擬マンドレルバーの側面図及び軸方向に垂直な横断面図である。 図55は、図54と異なる、実施例で使用した模擬マンドレルバーの側面図及び軸方向に垂直な横断面図である。 図56は、実施例での試験方法を説明するための模式図である。 図57は、図54の模擬マンドレルバーを用いて鋼管の内面を水冷した場合の、経過時間(秒)と温度(℃)との関係を示す図である。 図58は、図55の模擬マンドレルバーを用いて鋼管の内面を水冷した場合の、経過時間(秒)と温度(℃)との関係を示す図である。
本発明者らは、特許文献1及び特許文献2の技術を適用した場合において、穿孔圧延又は延伸圧延後の中空素管の軸方向(長手方向)における前端部と後端部との温度差が十分に低減されない理由について、調査及び検討を行った。ここで、中空素管の前端部とは、中空素管の軸方向の両端部のうち、穿孔圧延又は延伸圧延時において、最初にプラグを通過した端部を意味する。中空素管の後端部とは、穿孔圧延又は延伸圧延時において、最後にプラグを通過した端部を意味する。また、本明細書において、穿孔機の各構成の方向については、穿孔機の入側を「前方」、穿孔機の出側を「後方」と定義する。
本発明者らによる調査及び検討の結果、特許文献1及び2の技術を適用した場合、次の問題が生じる可能性があることが分かった。特許文献1及び特許文献2では、穿孔圧延中、又は、延伸圧延中において、プラグの後端部、又は、マンドレルバーの前端部から、中空素管の内面に向かって冷却水又は冷却流体を噴射し続ける。この場合、プラグを通過直後の中空素管の内面部分が冷却される。しかしながら、プラグ又はマンドレルバーから中空素管の内面に向かって噴射された冷却液は、中空素管の内面に当たって下方に落下する。落下した冷却液は、穿孔圧延及び延伸圧延中の中空素管の内面のうち、マンドレルバーよりも下方に位置する内面部分で溜まりやすい。
穿孔圧延又は延伸圧延の圧延初期では、圧延された中空素管の前端部分がプラグ2を通過する。このとき、中空素管の前端部分は開空間となっており、一方、中空素管のうちプラグ2が位置している部分では閉鎖空間となっている。圧延が進むにつれ、閉鎖空間となっているプラグ2の後端部分から中空素管の前端(開空間)までの距離は長くなる。上述の冷却液溜まりは、開空間までの距離が長くなるほど、中空素管の長手方向に長く(幅広く)溜まる。冷却液が溜まっている内面部分は冷却されるが、圧延するにしたがい冷却液が溜まる範囲が変化する。そのため、中空素管の長手方向の各位置での冷却時間に長短が発生する。
具体的には、中空素管の前端部は、溜まった冷却液により長時間冷却されやすく、温度が低下する。一方、中空素管の後端部よりも後ろには、当然ではあるが中空素管の内面が存在しない。そのため、中空素管の後端部がプラグを通過すると、冷却液が溜まることはなく、冷却液は中空素管の外部に流れる。その結果、中空素管の後端部の内面の冷却時間は、中空素管の前端部の内面の冷却時間よりも短くなる。以上の結果、中空素管の前端部と後端部との温度差が発生する。
以上の新たな知見に基づいて、本発明者らは、中空素管の前端部と後端部との温度差を抑制する方法を検討した。
まず、プラグを用いて穿孔圧延又は延伸圧延を実施する場合、素材(丸ビレット又は中空素管)がプラグを通過した直後に、圧下(穿孔圧延又は延伸圧延)が完了する。したがって、プラグを通過した中空素管では、新たな加工発熱は発生しない。そこで、プラグを通過した直後であって、加工発熱により高い温度を有する中空素管内面部分を冷却するのが好ましい。
ここで、マンドレルバーのうち、プラグの後端と隣接するマンドレルバー前端部分において、マンドレルバーの軸方向(長手方向)に特定長さを有する区域を冷却区域と定義する。冷却区域内に内面冷却機構を設け、冷却区域から冷却液を噴射することにより、冷却液を通過する中空素管の内面部分を冷却する。さらに、マンドレルバーのうち、冷却区域と隣接し、かつ、冷却区域よりも後方の部分に内面堰止機構を設ける。この内面堰止機構は、冷却機構により冷却区域で噴射された冷却液が、冷却区域の後方に位置する中空素管の内面部分と接触するのを抑制する。以上の機構により、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、中空素管が冷却液により冷却される区域は、冷却区域に制限される。そのため、中空素管の内面の長手方向の各位置での冷却液による冷却時間は一定になる。その結果、穿孔圧延又は延伸圧延中において、中空素管の前端部と後端部との温度差が抑制される。
以上のとおり、本発明は従来の技術思想とは全く異なる技術思想により完成した発明であり、その構成は次のとおりである。
(1)の構成による穿孔機は、
素材を穿孔圧延又は延伸圧延して中空素管を製造する穿孔機であって、
素材が通過するパスライン周りに配置される複数の傾斜ロールと、
複数の傾斜ロールの間のパスラインに配置されるプラグと、
プラグの後端からパスラインに沿ってプラグの後方に延びるマンドレルバーとを備え、
マンドレルバーは、
バー本体と、
バー本体内に形成されており、内部に冷却液が通る冷却液流路と、
バー本体のうち、マンドレルバーの軸方向に特定長さを有し、マンドレルバーの前端部に位置する冷却区域内に配置され、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、冷却液流路から供給された冷却液をバー本体の外部に噴射して、冷却区域内を進行中の中空素管の内面を冷却する内面冷却機構と、
冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置され、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、バー本体の外部に噴射された冷却液が冷却区域から出た後の中空素管の内面と接触するのを抑制する内面堰止機構とを含む。
(1)の構成による穿孔機では、穿孔圧延後又は延伸圧延後のプラグを通過した中空素管において、内面冷却機構が特定長さの冷却区域を進行中の中空素管の内面を冷却する。さらに、冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置された内面堰止機構が、冷却区域内で中空素管の内面を冷却した冷却液が冷却区域から出た後の中空素管の内面に接触するのを抑制する。そのため、中空素管の内面は、冷却区域内で冷却液による冷却を受けるものの、冷却区域よりも後方では、冷却液による冷却を受けにくくなる。そのため、(1)の構成による穿孔機を用いて穿孔圧延又は延伸圧延した場合、中空素管は一定区域(冷却区域)で安定して冷却される。その結果、中空素管の軸方向で冷却時間が変動するのを抑制することができ、中空素管の軸方向における温度ばらつきを低減でき、特に、中空素管の前端部と後端部との温度差を低減できる。
(2)の構成による穿孔機は、(1)に記載の穿孔機であって、
内面堰止機構は、
バー本体の外部に噴射された冷却液を堰き止めて、冷却液を、冷却区域内におけるバー本体と中空素管の内面との間に溜める。
(2)の構成による穿孔機では、内面堰止機構が冷却液を堰き止めることにより、冷却区域内において、バー本体と中空素管の内面との隙間に冷却液を溜める。そのため、中空素管を冷却区域でさらに冷却することができる。
(3)の構成による穿孔機は、(1)又は(2)に記載の穿孔機であって、
マンドレルバーはさらに、
バー本体内に形成されており、圧縮ガスが通る圧縮ガス流路を含み、
内面堰止機構は、
穿孔圧延時又は延伸圧延時において、圧縮ガス流路から供給された圧縮ガスをバー本体の外部に噴射することにより、バー本体の外部に噴射された冷却液が冷却区域から出た後の中空素管の内面と接触するのを抑制する。
(3)の構成による穿孔機では、内面堰止機構は、冷却区域の後方において、圧縮ガスをバー本体の外部に噴射する。これにより、冷却区域内に噴射された冷却液が冷却区域の後方に流れようとすれば、圧縮ガスが冷却液を吹き飛ばして、冷却区域から出た後の中空素管の内面に冷却液が接触するのを抑制する。これにより、穿孔圧延又は延伸圧延されてプラグを通過した後の中空素管は、一定区域(冷却区域)で安定して冷却される。その結果、中空素管の軸方向で冷却時間が変動するのを抑制することができ、中空素管の軸方向における温度ばらつきを低減でき、特に、中空素管の前端部と後端部との温度差を低減できる。
(4)の構成による穿孔機は、(3)に記載の穿孔機であって、
内面堰止機構は、
バー本体の外部に噴射された圧縮ガスによりバー本体の外部に噴射された冷却液を堰き止めて、冷却液を、冷却区域内におけるバー本体と中空素管の内面との間に溜める。
(4)の構成による穿孔機では、内面堰止機構が噴射する圧縮ガスが堰となり、冷却液を堰き止める。そのため、冷却区域内において、バー本体と中空素管の内面との隙間に冷却液が溜まる。その結果、中空素管をさらに冷却することができる。
(5)の構成による穿孔機は、(1)又は(2)に記載の穿孔機であって、
内面堰止機構は、
冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置され、バー本体の周方向に延びている内面堰止部材を含み、
内面堰止部材の高さは、プラグの最大半径と、内面堰止部材が配置された位置におけるバー本体の半径との差分値よりも低い。
(5)の構成による穿孔機では、冷却区域の後端に隣接して内面堰止部材が配置される。内面堰止部材は堰の役割を果たし、バー本体の外部に噴射された冷却液が冷却区域から出た後の中空素管の内面と接触するのを抑制する。
なお、内面堰止部材の高さは、プラグの最大半径と、内面堰止部材が配置された位置におけるバー本体の半径との差分値よりも低い。そのため、内面堰止部材は、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、プラグを通過した中空素管の内面に接触しないし、中空素管の内面を圧下しない。
(6)の構成による穿孔機は、(5)に記載の穿孔機であって、
内面堰止機構は、
内面堰止部材によりバー本体の外部に噴射された冷却液を堰き止めて、冷却液を、冷却区域内におけるバー本体と中空素管の内面との間に溜める。
(6)の構成による穿孔機では、内面堰止部材が堰となり、冷却液を堰き止める。そのため、冷却区域内において、バー本体と中空素管の内面との隙間に冷却液が溜まる。その結果、中空素管をさらに冷却することができる。
(7)の構成による穿孔機は、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の穿孔機であって、
マンドレルバーはさらに、
バー本体内に形成されており、バー本体の外部に噴射された冷却液が流れる排液流路と、
バー本体のうち、冷却区域内に配置され、排液流路と繋がっており、バー本体の外部に噴射された冷却液を回収する1又は複数の排液孔とを含む。
(7)の構成による穿孔機では、冷却区域内で中空素管の冷却に利用された冷却液が、冷却区域内に配置された排液孔に回収される。そのため、冷却区域内に新しい冷却液を順次供給することができ、冷却効率を高めることができる。
(8)の構成による穿孔機は、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の穿孔機であって、
内面冷却機構は、
冷却区域内において、バー本体の周方向、又は、周方向及び軸方向に配列され、冷却液を噴射する複数の冷却液噴射孔を含む。
(8)の構成による穿孔機では、複数の冷却液噴射孔が、少なくとも周方向に配列される。そのため、中空素管の内面を周方向に均一に冷却しやすい。
(9)の構成による穿孔機は、(8)に記載の穿孔機であって、
中空素管の進行方向に見て、複数の冷却液噴射孔は、バー本体の周方向に向いており、
外面冷却機構は、
複数の冷却液噴射孔から冷却液をバー本体の周方向に噴射することにより、冷却区域内の前記冷却液をバー本体の周りに旋回させる。
(9)の構成による穿孔機は、複数の冷却液噴射孔から冷却液をバー本体の周方向に噴射する。これにより、冷却区域内において、冷却液がバー本体の周りに旋回する旋回流を形成する。旋回流により、バー本体の周方向において、冷却液の流動のばらつきを抑制することができる。その結果、中空素管の内面において、周方向での冷却むらを抑制することができる。
(10)の構成による穿孔機は、(9)に記載の穿孔機であって、
複数の冷却液噴射孔は、バー本体の周方向かつバー本体の後方に向いており、
内面冷却機構は、
複数の冷却液噴射孔から冷却液をバー本体の周方向かつバー本体の後方に向かって噴射することにより、冷却区域内の冷却液をバー本体の周りに旋回させる。
(10)の構成による穿孔機では、冷却液は、バー本体の周方向かつ後方に流れる旋回流を形成する。そのため、冷却液の流動のばらつきをさらに抑制することができ、中空素管の内面において、周方向での冷却むらを抑制することができる。
(11)の構成による穿孔機は、(3)又は(4)に記載の穿孔機であって、
内面冷却機構は、
冷却区域内において、バー本体の周方向、又は、周方向及び軸方向に配列され、冷却液を噴射する複数の冷却液噴射孔を含み、
内面堰止機構は、
冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置される接触抑止区域において、バー本体の周方向、又は周方向及び軸方向に配列され、圧縮ガスを噴射する複数の圧縮ガス噴射孔を含む。
(11)の構成による穿孔機では、冷却区域において複数の冷却液噴射孔が、少なくとも周方向に配列され、さらに、接触抑止区域において、複数の圧縮ガス噴射孔が、少なくとも周方向に配列される。そのため、中空素管の内面の周方向における冷却むらをさらに抑制することができる。
(12)の構成による穿孔機は、(11)に記載の穿孔機であって、
中空素管の進行方向に見て、複数の圧縮ガス噴射孔は、バー本体の周方向に向いており、
内面堰止機構は、
圧縮ガス噴射孔から圧縮ガスをバー本体の周方向に噴射することにより、接触抑止区域内の圧縮ガスをバー本体の周りに旋回させる。
(12)の構成による穿孔機では、冷却区域において冷却液が旋回流を形成するだけでなく、冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置される接触抑止区域において、内面堰止機構が噴射する圧縮ガスも旋回流を形成する。圧縮ガスの旋回流は、接触抑止区域に進入する冷却液を速やかに吹き飛ばす。そのため、冷却区域内の中空素管の内面の周方向の冷却むらを抑制しつつ、さらに、冷却区域から出た後の中空素管の内面に冷却液が接触するのを抑制することができる。
(13)の構成による穿孔機は、(12)に記載の穿孔機であって、
複数の圧縮ガス噴射孔は、バー本体の周方向かつバー本体の後方に向いており、
内面堰止機構は、
圧縮ガス噴射孔から圧縮ガスをバー本体の周方向かつバー本体の後方に向かって噴射することにより、接触抑止区域内の圧縮ガスをバー本体の周りに旋回させる。
(13)の構成による穿孔機では、圧縮ガスは、バー本体の周方向かつ後方に流れる旋回流を形成する。そのため、圧縮ガスの旋回流は、接触抑止区域に進入する冷却液を速やかにバー本体の後方に吹き飛ばす。そのため、冷却区域内の中空素管の内面の周方向の冷却むらを抑制しつつ、冷却区域から出た後の中空素管の内面に冷却液が接触するのをさらに抑制することができる。
(14)の構成による穿孔機は、(13)に記載の穿孔機であって、
中空素管の進行方向に見て、複数の冷却液噴射孔から噴射された冷却液の旋回方向は、右回り又は左回りであり、
中空素管の進行方向に見て、複数の圧縮ガス噴射孔から噴射された圧縮ガスの旋回方向は、右回り又は左回りであり、
内面堰止機構は、圧縮ガスの旋回方向が冷却液の旋回方向と同じになるように、圧縮ガスを噴射する。
(14)の構成による穿孔機では、圧縮ガスの旋回流の旋回方向は、冷却液の旋回流の旋回方向と同じである。この場合、冷却区域と接触抑止区域との境界において、流体(冷却液、圧縮ガス)の衝突による乱流の発生を抑制することができる。そのため、冷却液が冷却区域及び接触抑止区域の境界で滞留するのを抑制でき、接触抑止区域に進入する冷却液を、圧縮ガスの旋回流により速やかに吹き飛ばすことができる。
(15)の構成による穿孔機は、(12)〜(14)のいずれか1項に記載の穿孔機であって、
内面冷却機構は、
バー本体の冷却区域において、バー本体の軸方向に配列される複数の環状配置冷却液噴射孔群を含み、
環状配置冷却液噴射孔群は、
バー本体の軸方向における同じ位置で周方向に配列される複数の冷却液噴射孔を含み、
内面冷却機構は、
冷却液の前記旋回流がバー本体を1周するまでに進むバー本体の軸方向距離を1旋回周期距離と定義したとき、バー本体の軸方向における、隣り合う環状配置冷却液噴射孔群の間の距離は、1旋回周期距離と同じである。
ここで、「1旋回周期距離と同じ」とは、隣り合う環状配置冷却液噴射孔群の間の距離が、1旋回周期距離±50%以内であることを意味する。好ましくは、隣り合う環状配置冷却液噴射孔群の間の距離は、1旋回周期距離±20%であり、さらに好ましくは、1旋回周期距離±10%である。
(15)の構成による穿孔機では、冷却液の旋回流が1旋回周期距離だけ進んだときに、後方の次段の環状配置冷却液噴射孔群から新たな冷却液が供給される。そのため、冷却液の旋回流が1旋回周期距離に到達する以前に次段の環状配置冷却液噴射孔群から新たな冷却液が供給される場合と比較して、冷却液の旋回流において乱流が発生しにくい。そのため、中空素管の内面周方向の冷却むらをさらに抑制することができる。
(16)の構成による穿孔機は、(1)〜(15)のいずれか1項に記載の穿孔機であってさらに、
プラグの後方のマンドレルバーの周りに配置される外面冷却機構を備え、
外面冷却機構は、冷却区域内を進行中の中空素管の外面のうち、中空素管の進行方向に見て、外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体を噴射して冷却区域内の中空素管を冷却する。
(16)の構成による穿孔機では、プラグの後方において、穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とを、特定長さの冷却区域内で冷却する。この場合、冷却に用いられた冷却流体は、冷却区域内の中空素管の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに噴射されて中空素管を冷却した後、中空素管に留まることなく、中空素管の下方に流れ落ちる。そのため、中空素管は、冷却区域内では冷却流体により冷却され、冷却区域以外の領域では、冷却流体による冷却を受けにくい。そのため、中空素管の軸方向での各部位での冷却流体による冷却時間はある程度均一になる。そのため、従来のように、冷却流体が中空素管の内面に溜まることにより中空素管の前端部と後端部とで温度差が大きくなるのを抑制でき、中空素管の軸方向での温度ばらつきを低減できる。
(17)の構成による穿孔機は、(16)に記載の穿孔機であって、
外面冷却機構は、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの上方に配置され、冷却区域内の中空素管の外面の上部に向けて冷却流体を噴射する複数の冷却流体上部噴射孔を含む外面冷却上部材と、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの下方に配置され、冷却区域内の中空素管の外面の下部に向けて冷却流体を噴射する複数の冷却流体下部噴射孔を含む外面冷却下部材と、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの左方に配置され、冷却区域内の中空素管の外面の左部に向けて冷却流体を噴射する複数の冷却流体左部噴射孔を含む外面冷却左部材と、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの右方に配置され、冷却区域内の中空素管の外面の右部に向けて冷却流体を噴射する複数の冷却流体右部噴射孔を含む外面冷却右部材とを含む。
(17)の構成による穿孔機において、外面冷却機構は、マンドレルバーの周りに配置された外面冷却上部材から中空素管の外面の上部に向かって冷却流体を噴射し、外面冷却下部材から中空素管の外面の下部に向かって冷却流体を噴射し、外面冷却左部材から中空素管の外面の左方に向かって冷却流体を噴射し、外面冷却右部材から中空素管の右方に向かって冷却流体を噴射する。これにより、冷却区域内の中空素管の外面のうち、冷却区域内での中空素管の外面の上部、外面の下部、外面の左部、及び、外面の右部を冷却することができる。そして、冷却区域で中空素管の外面の上部、外面の下部、外面の左部、及び、外面の右部に噴射された冷却流体は、そのまま、重力に従って下方に落下しやすく、冷却区域外に流れ出にくい。そのため、冷却区域内で噴射された冷却流体により、冷却区域以外の他の領域の中空素管の外面の上部、外面の下部、外面の左部、及び、外面の右部が冷却されてしまうのを抑制できる。その結果、中空素管の軸方向での温度ばらつきを低減できる。
なお、外面冷却上部材、外面冷却下部材、外面冷却左部材、及び、外面冷却右部材は、それぞれ別個独立の部材であってもよいし、互いが一体的に繋がっていてもよい。たとえば、中空素管の進行方向に見て、外面冷却上部材の左端と外面冷却左部材の上端とが繋がっていてもよいし、外面冷却上部材の右端と外面冷却右部材の上端とがつながっていてもよい。また、中空素管の進行方向に見て、外面冷却下部材の左端と外面冷却左部材の下端とが繋がっていてもよいし、外面冷却下部材の右端と外面冷却右部材の下端とが繋がっていてもよい。また、外面冷却上部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、外面冷却下部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、外面冷却左部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、外面冷却右部材が別個独立の複数の部材を含んでもよい。
(18)の構成による穿孔機は、(16)又は(17)に記載の穿孔機であってさらに、
プラグの後方であって外面冷却機構の前方のマンドレルバーの周りに配置される前方堰止機構を備え、
前方堰止機構は、外面冷却機構が中空素管の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体を噴射して冷却区域内の中空素管を冷却しているとき、冷却区域に進入する前の中空素管の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える。
(18)の構成による穿孔機では、前方堰止機構は、冷却区域内の中空素管の外面の上部、外面の下部、外面の左部、及び、外面の右部に向けて噴射された冷却流体が、中空素管の外面の上部、外面の下部、外面の左部、及び、外面の右部に接触した後、冷却区域の前方の中空素管の外面部分に流れるのを堰き止める。そのため、外面冷却機構から冷却区域内の中空素管の外面に噴射された冷却流体は、冷却区域内の前方に流れ出にくく、冷却区域内で重力に従って下方に落下する。そのため、中空素管の前端部と後端部とで温度差をさらに抑制できる。その結果、中空素管の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
(19)の構成による穿孔機は、(18)に記載の穿孔機であって、
前方堰止機構は、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの上方に配置され、冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の上部に向かって前方堰止流体を噴射して、冷却区域に進入する前の中空素管の外面の上部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体上部噴射孔を含む前方堰止上部材と、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの左方に配置され、冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の左部に向かって前方堰止流体を噴射して、冷却区域に進入する前の中空素管の外面の左部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体下部噴射孔を含む前方堰止左部材と、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの右方に配置され、冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の右部に向かって前方堰止流体を噴射して、冷却区域に進入する前の中空素管の外面の右部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体右部噴射孔を含む前方堰止右部材とを備える。
(19)の構成による穿孔機では、前方堰止上部材は、冷却区域の入側近傍に噴射する前方堰止流体により、冷却区域内の中空素管の外面の上部に接触して跳ね返って冷却区域の前方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。前方堰止左部材は、冷却区域の入側近傍に噴射する前方堰止流体により、冷却区域内の中空素管の外面の左部に接触して跳ね返って冷却区域の前方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。前方堰止右部材は、冷却区域の入側近傍に噴射する前方堰止流体により、冷却区域内の中空素管の外面の右部に接触して跳ね返って冷却区域の前方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。したがって、前方堰止上部材から噴射される前方堰止流体と、前方堰止左部材から噴射される前方堰止流体と、前方堰止右部材から噴射される前方堰止流体とは、堰(防護壁)の役割を果たす。そのため、冷却流体が冷却区域の前方の中空素管の外面部分に接触するのを抑制でき、中空素管の軸方向での温度ばらつきを低減できる。なお、外面冷却機構から冷却区域内の中空素管の外面の下部に向かって噴射された冷却流体は、中空素管の外面の下部に接触した後、重力に従って、そのまま中空素管の下方に落下しやすい。したがって、(19)の構成による穿孔機は、前方堰止下部材を備えていなくてもよい。
なお、冷却区域の入側近傍とは、冷却区域の前端の近傍を意味する。冷却区域の入側近傍の範囲は特に限定されないが、たとえば、冷却区域の入側(前端)の前後1000mm以内の範囲であり、好ましくは、冷却区域の入側(前端)の前後500mm以内の範囲を意味する。
(20)の構成による穿孔機は、(19)に記載の穿孔機であって、
前方堰止上部材は、複数の前方堰止流体上部噴射孔から冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の上部に向かって斜め後方に前方堰止流体を噴射し、
前方堰止左部材は、複数の前方堰止流体左部噴射孔から冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の左部に向かって斜め後方に前方堰止流体を噴射し、
前方堰止右部材は、複数の前方堰止流体右部噴射孔から冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の右部に向かって斜め後方に前方堰止流体を噴射する。
(20)の構成による穿孔機では、前方堰止上部材は、前方堰止流体上部噴射孔から、冷却区域の入側近傍の中空素管の外面の上部に向かって、斜め後方に前方堰止流体を噴射する。そのため、前方堰止上部材は、上方から中空素管の外面の上部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止左部材は、前方堰止流体左部噴射孔から、冷却区域の入側近傍の中空素管の外面の左部に向かって、斜め後方に前方堰止流体を噴射する。そのため、前方堰止左部材は、左方から中空素管の外面の左部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止右部材は、前方堰止流体右部噴射孔から、冷却区域の入側近傍の中空素管の外面の右部に向かって、斜め後方に前方堰止流体を噴射する。そのため、前方堰止右部材は、右方から中空素管の外面の右部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。これらの堰は、冷却区域内の中空素管の外面部分に接触して跳ね返り冷却区域の前方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。さらに、堰を構成する前方堰止流体は、冷却区域入側近傍の中空素管の外面部分と接触した後、冷却区域内に流れやすい。そのため、堰を構成する前方堰止流体が、冷却区域の前方の中空素管の外面部分を冷却するのを抑制できる。
(21)の構成による穿孔機は、(19)又は(20)に記載の穿孔機であって、
前方堰止機構はさらに、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの下方に配置され、冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の下部に向かって前方堰止流体を噴射して、冷却区域に進入する前の中空素管の外面の下部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体下部噴射孔を含む前方堰止下部材を備える。
(21)の構成による穿孔機では、前方堰止上部材、前方堰止左部材、前方堰止右部材とともに、前方堰止下部材が、冷却区域の入側近傍に前方堰止流体を噴射して、冷却区域内の中空素管の外面の下部に接触して跳ね返って冷却区域の前方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。そのため、冷却流体が冷却区域の前方の中空素管の外面部分に接触するのをさらに抑制でき、中空素管の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
なお、前方堰止上部材、前方堰止下部材、前方堰止左部材、及び、前方堰止右部材は、それぞれ別個独立の部材であってもよいし、互いが一体的に繋がっていてもよい。たとえば、中空素管の進行方向に見て、前方堰止上部材の左端と前方堰止左部材の上端とが繋がっていてもよいし、前方堰止上部材の右端と前方堰止右部材の上端とがつながっていてもよい。また、中空素管の進行方向に見て、前方堰止下部材の左端と前方堰止左部材の下端とが繋がっていてもよいし、前方堰止下部材の右端と前方堰止右部材の下端とが繋がっていてもよい。また、前方堰止上部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、前方堰止下部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、前方堰止左部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、前方堰止右部材が別個独立の複数の部材を含んでもよい。
(22)の構成による穿孔機は、(21)の構成による穿孔機であって、
前方堰止下部材は、複数の前方堰止流体下部噴射孔から冷却区域の入側近傍に位置する中空素管の外面の下部に向かって斜め後方に前方堰止流体を噴射する。
(22)の構成による穿孔機では、前方堰止上部材、前方堰止左部材、前方堰止右部材とともに、前方堰止下部材は、前方堰止流体下部噴射孔から、冷却区域の入側近傍の中空素管の外面の下部に向かって、斜め後方に前方堰止流体を噴射する。そのため、前方堰止下部材は、下方から中空素管の外面の下部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。これらの堰は、冷却区域内の中空素管の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域の前方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。さらに、堰を構成する前方堰止流体は、冷却区域入側近傍の中空素管の外面部分と接触した後、冷却区域内に流れやすい。そのため、堰を構成する前方堰止流体が、冷却区域の前方の中空素管の外面部分を冷却するのを抑制できる。
(23)の構成による穿孔機は、(16)〜(22)のいずれか1項に記載の穿孔機であってさらに、
外面冷却機構の後方のマンドレルバーの周りに配置される後方堰止機構を備え、
後方堰止機構は、外面冷却機構が中空素管の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体を噴射して中空素管を冷却しているとき、冷却区域から出た後の中空素管の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える。
(23)の構成による穿孔機では、後方堰止機構は、冷却区域内の中空素管の外面の上部、外面の下部、外面の左部、及び、外面の右部に向けて噴射された冷却流体が、中空素管の外面の上部、外面の下部、外面の左部、及び、外面の右部に接触した後、冷却区域から出た後の中空素管の外面部分に流れるのを堰き止める。そのため、中空素管の前端部と後端部とで温度差が生じるのをさらに抑制できる。その結果、中空素管の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
(24)の構成による穿孔機は、(23)に記載の穿孔機であって、
後方堰止機構は、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの上方に配置され、冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の上部に向かって後方堰止流体を噴射して、冷却区域から出た後の中空素管の外面の上部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体上部噴射孔を含む後方堰止上部材と、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの左方に配置され、冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の左部に向かって後方堰止流体を噴射して、冷却区域から出た後の中空素管の外面の左部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体左部噴射孔を含む後方堰止左部材と、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの右方に配置され、冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の右部に向かって後方堰止流体を噴射して、冷却区域から出た後の中空素管の外面の右部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体右部噴射孔を含む後方堰止右部材とを備える。
(24)の構成による穿孔機では、後方堰止上部材は、冷却区域の出側近傍に噴射する後方堰止流体により、冷却区域内の中空素管の外面の上部に接触して跳ね返って冷却区域の後方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。後方堰止左部材は、冷却区域の出側近傍に噴射する後方堰止流体により、冷却区域内の中空素管の外面の左部に接触して跳ね返って冷却区域の後方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。後方堰止右部材は、冷却区域の出側近傍に噴射する後方堰止流体により、冷却区域内の中空素管の外面の右部に接触して跳ね返って冷却区域の後方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。したがって、後方堰止上部材から噴射される後方堰止流体と、後方堰止左部材から噴射される後方堰止流体と、後方堰止右部材から噴射される後方堰止流体とは、堰(防護壁)の役割を果たす。そのため、冷却流体が冷却区域の後方の中空素管の外面部分に接触するのを抑制でき、中空素管の軸方向での温度ばらつきを低減できる。なお、外面冷却機構から冷却区域内の中空素管の外面の下部に向かって噴射された冷却流体は、中空素管の外面の下部に接触した後、重力に従って、そのまま中空素管の下方に落下しやすい。したがって、(24)の構成による穿孔機は、後方堰止下部材を備えていなくてもよい。
なお、冷却区域の出側近傍とは、冷却区域の後端の近傍を意味する。冷却区域の出側近傍の範囲は特に限定されないが、たとえば、冷却区域の出側(後端)の前後1000mm以内の範囲であり、好ましくは、冷却区域の出側(後端)の前後500mm以内の範囲を意味する。
(25)の構成による穿孔機は、(24)に記載の穿孔機であって、
後方堰止上部材は、複数の後方堰止流体上部噴射孔から冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の上部に向かって斜め前方に後方堰止流体を噴射し、
後方堰止左部材は、複数の後方堰止流体左部噴射孔から冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の左部に向かって斜め前方に後方堰止流体を噴射し、
後方堰止右部材は、複数の後方堰止流体右部噴射孔から冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の右部に向かって斜め前方に後方堰止流体を噴射する。
(25)の構成による穿孔機では、後方堰止上部材は、後方堰止流体上部噴射孔から、冷却区域の出側近傍の中空素管の外面の上部に向かって、斜め前方に後方堰止流体を噴射する。そのため、後方堰止上部材は、上方から中空素管の外面の上部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止左部材は、後方堰止流体左部噴射孔から、冷却区域の出側近傍の中空素管の外面の左部に向かって、斜め前方に後方堰止流体を噴射する。そのため、後方堰止左部材は、左方から中空素管の外面の左部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止右部材は、後方堰止流体右部噴射孔から、冷却区域の出側近傍の中空素管の外面の右部に向かって、斜め前方に後方堰止流体を噴射する。そのため、後方堰止右部材は、右方から中空素管の外面の右部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。これらの後方堰止流体の堰は、冷却区域内の中空素管の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域の後方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。さらに、堰を構成する後方堰止流体は、冷却区域入側近傍の中空素管の外面部分と接触した後、冷却区域内に流れやすい。そのため、堰を構成する後方堰止流体が、冷却区域の後方の中空素管の外面部分を冷却するのを抑制できる。
(26)の構成による穿孔機は、(24)又は(25)に記載の穿孔機であって、
後方堰止機構はさらに、
中空素管の進行方向に見て、マンドレルバーの下方に配置され、冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の下部に向かって後方堰止流体を噴射して、冷却区域を出た後の中空素管の外面の下部に冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体下部噴射孔を含む後方堰止下部材を備える。
(26)の構成による穿孔機では、後方堰止上部材、後方堰止左部材、後方堰止右部材とともに、後方堰止下部材が、冷却区域の出側近傍に後方堰止流体を噴射して、冷却区域内の中空素管の外面の下部に接触して跳ね返って冷却区域の後方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。そのため、冷却流体が冷却区域の後方の中空素管の外面部分に接触するのを抑制でき、中空素管の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
なお、後方堰止上部材、後方堰止下部材、後方堰止左部材、及び、後方堰止右部材は、それぞれ別個独立の部材であってもよいし、互いが一体的に繋がっていてもよい。たとえば、中空素管の進行方向に見て、後方堰止上部材の左端と後方堰止左部材の上端とが繋がっていてもよいし、後方堰止上部材の右端と後方堰止右部材の上端とがつながっていてもよい。また、中空素管の進行方向に見て、後方堰止下部材の左端と後方堰止左部材の下端とが繋がっていてもよいし、後方堰止下部材の右端と後方堰止右部材の下端とが繋がっていてもよい。また、後方堰止上部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、後方堰止下部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、後方堰止左部材が別個独立の複数の部材を含んでもよいし、後方堰止右部材が別個独立の複数の部材を含んでもよい。
(27)の構成による穿孔機は、(26)の構成による穿孔機であって、
後方堰止下部材は、複数の後方堰止流体下部噴射孔から冷却区域の出側近傍に位置する中空素管の外面の下部に向かって斜め前方に後方堰止流体を噴射する。
(27)の構成による穿孔機では、後方堰止上部材、後方堰止左部材、後方堰止右部材とともに、後方堰止下部材は、後方堰止流体下部噴射孔から、冷却区域の出側近傍の中空素管の外面の下部に向かって、斜め前方に後方堰止流体を噴射する。そのため、後方堰止下部材は、下方から中空素管の外面の下部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体の堰(防護壁)を形成する。これらの流体の堰は、冷却区域内の中空素管の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域の後方に飛び出そうとする冷却流体を堰き止める。さらに、堰を構成する後方堰止流体は、冷却区域出側近傍の中空素管の外面部分と接触した後、冷却区域内に流れやすい。そのため、堰を構成する後方堰止流体が、冷却区域の後方の中空素管の外面部分を冷却するのを抑制できる。
(28)の構成によるマンドレルバーは、(1)〜(27)のいずれか1項に記載のマンドレルバーである。
(29)の構成による継目無金属管の製造方法は、(1)〜(27)のいずれか1項に記載の穿孔機を用いた継目無金属管の製造方法であって、
穿孔機を用いて素材を穿孔圧延又は延伸圧延して、中空素管を製造する圧延工程と、
圧延工程中において、内面冷却機構により冷却液をバー本体の外部に噴射して、冷却区域内の中空素管の内面を冷却し、かつ、冷却区域に隣接して冷却区域の後方に配置された内面堰止機構により、バー本体の外部に噴射された冷却液が冷却区域から出た後の中空素管の内面に接触するのを抑制する工程とを備える。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。図中同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による穿孔機の側面図である。上述のとおり、本明細書において穿孔機とは、プラグと、複数の傾斜ロールとを備えた圧延機を意味する。穿孔機はたとえば、丸ビレットを穿孔圧延するピアサ、又は、中空素管を延伸圧延するエロンゲータ、である。本明細書において、穿孔機がピアサである場合、素材は丸ビレットである。穿孔機がエロンゲータである場合、素材は中空素管である。
本明細書において、素材は、穿孔機の前方から後方に向かってパスラインを進む。したがって、穿孔機において、穿孔機の入側は「前方」であり、穿孔機の出側は「後方」に相当する。
図1を参照して、穿孔機10は、複数の傾斜ロール1と、プラグ2と、マンドレルバー3とを備える。本明細書では、図1に示すとおり、穿孔機10の入側を「前方(図中F)」と定義し、穿孔機10の出側を「後方(図中B)」と定義する。
複数の傾斜ロール1は、パスラインPL周りに配置される。図1では、一対の傾斜ロール1の間にパスラインPLが配置されている。ここで、パスラインPLとは、穿孔圧延又は延伸圧延時において、素材(穿孔機がピアサの場合は丸ビレット、穿孔機がエロンゲーターの場合は中空素管)20の中心軸が通過する仮想の線分を意味する。図1では、傾斜ロール1はコーン型の傾斜ロールである。しかしながら、傾斜ロール1はコーン型に限定されない。傾斜ロール1はバレル型の傾斜ロールであってもよいし、他のタイプの傾斜ロールであってもよい。また、図1では、2つの傾斜ロール1がパスラインPL周りに配置されているが、傾斜ロール1は3つ以上配置されていてもよい。好ましくは、複数の傾斜ロール1は、素材の進行方向に見たとき、パスラインPL周りに等間隔に配置される。たとえば、傾斜ロール1がパスラインPL周りに2つ配置される場合、素材の進行方向に見て、傾斜ロール1はパスラインPL周りに180°おきに配置される。傾斜ロール1がパスラインPL周りに3つ配置される場合、素材の進行方向に見て、傾斜ロール1はパスラインPL周りに120°おきに配置される。さらに、図2及び図3を参照して、各傾斜ロール1は、パスラインPLに対して、交叉角γ(図2参照)及び傾斜角β(図3参照)を有する。
プラグ2は複数の傾斜ロール1の間であって、パスラインPLに配置される。本明細書において、「プラグ2がパスラインPLに配置される」、とは、素材の進行方向に見たとき、つまり、穿孔機10を前方Fから後方Bに向かって見たとき、プラグ2がパスラインPLと重複していることを意味する。より好ましくは、プラグ2の中心軸は、パスラインPLと一致している。
プラグ2はたとえば、砲弾形状を有する。つまり、プラグ2の前部の外径は、プラグ2の後部の外径よりも小さい。ここで、プラグ2の前部とは、プラグ2の長手方向(軸方向)の中央位置よりも前方部分を意味する。プラグ2の後部とは、プラグ2の前後方向の中央位置よりも後方部分を意味する。プラグ2の前部は穿孔機10の前方(入側)に配置され、プラグ2の後部は穿孔機10の後方(出側)に配置される。
マンドレルバー3は、穿孔機10の後方のパスラインPLに配置され、パスラインPLに沿って延びている。ここで、「マンドレルバー3がパスラインPLに配置される」、とは、素材の進行方向にみたとき(つまり、穿孔機10の入側から出側に向かって見たとき)、マンドレルバー3がパスラインPLと重複していることを意味する。より好ましくは、マンドレルバー3の中心軸は、パスラインPLと一致する。
マンドレルバー3の前端は、プラグ2の後端面中央部と接続される。接続方法は特に限定されない。たとえば、プラグ2の後端面中央部、及び、マンドレルバー3の前端にねじが形成されており、これらのねじによりマンドレルバー3がプラグ2に接続される。ねじ以外の他の方法により、マンドレルバー3がプラグ2の後端面中央部と接続されていてもよい。つまり、マンドレルバー3とプラグ2との接続方法は特に限定されない。
穿孔機10はさらに、プッシャ4を備えてもよい。プッシャ4は、穿孔機10の前方に配置され、パスラインPLに配置される。プッシャ4は、素材20の端面と接触して、素材20をプラグ2に向かって押し進める。
プッシャ4の構成は、素材20をプラグ2に向かって押し進めることができれば、特に限定されない。プッシャ4はたとえば、図1に示すとおり、シリンダ本体41と、シリンダシャフト42と、接続部材43と、ロッド44とを備える。ロッド44は、接続部材43により、周方向に回転可能にシリンダシャフト42と連結されている。接続部材43はたとえば、ロッド44を周方向に回転可能にするためのベアリングを含む。
シリンダ本体41は、油圧式又は電動式であり、シリンダシャフト42を前進及び後退させる。プッシャ4は、ロッド44の端面を素材(丸ビレット又は中空素管)20の端面に当接させ、シリンダ本体41によりシリンダシャフト42及びロッド44を前進させる。これにより、プッシャ4は、素材20をプラグ2に向かって押し進める。
プッシャ4は、素材20をパスラインPLに沿って押し進め、複数の傾斜ロール1の間に押し込む。複数の傾斜ロール1に素材20が接触したとき、複数の傾斜ロール1は、素材20を、素材20の周方向に回転させながら、プラグ2に押し込む。穿孔機10がピアサである場合、複数の傾斜ロール1は、素材20である丸ビレットを周方向に回転させながらプラグ2に押し込み、穿孔圧延を実施して、中空素管を製造する。穿孔機10がエロンゲータの場合、複数の傾斜ロール1は、素材20である中空素管にプラグ2を挿入し、延伸圧延(拡管圧延)を実施して、中空素管を延伸する。なお、穿孔機10は、プッシャ4を備えていなくてもよい。
穿孔機10はさらに、入口トラフ5を備えてもよい。入口トラフ5には、穿孔圧延前の素材(丸ビレット又は中空素管)20が置かれる。図3に示すとおり、穿孔機10は、パスラインPL周りに複数のガイドロール6を備えてもよい。複数のガイドロール6の間には、プラグ2が配置される。また、パスラインPL周りにおいて、ガイドロール6は、複数の傾斜ロール1の間に配置される。ガイドロール6はたとえば、ディスクロールである。なお、穿孔機10は、入口トラフ5を備えていなくてもよいし、ガイドロール6を備えていなくてもよい。
図4は、図1中のプラグ2及びマンドレルバー3の拡大図である。図4を参照して、穿孔機10は、冷却液供給装置7から冷却液の供給を受ける。冷却液供給装置7は、穿孔圧延中又は延伸圧延中の中空素管50の内面を冷却するための冷却液を、マンドレルバー3に供給する。冷却液供給装置7は、供給機71と、配管72とを備える。供給機71はたとえば、冷却液を貯蔵する貯留槽と、貯留槽内の冷却液を配管72に供給するポンプとを備える。配管72は、マンドレルバー3及び供給機71をつなぐ。配管72は、供給機71から送られた冷却液をマンドレルバー3に搬送する。ここで、冷却液は、中空素管50を冷却可能な液体であれば特に限定されない。好ましくは、冷却液は水である。
[マンドレルバー3の構造]
図4を参照して、マンドレルバー3は、プラグ2の後端面中央部からパスラインPLに沿って延びている。マンドレルバー3は、棒状のバー本体31を備える。バー本体31の軸方向(長手方向、図中の矢印F、矢印Bに相当)に垂直な断面形状はたとえば、円形状である。バー本体31は、バー本体31の軸方向に延びる冷却区域32と、接触抑止区域33とを含む。
冷却区域32は、バー本体31の前端部に配置される。具体的には、冷却区域32は、バー本体31の前端(つまり、プラグ2の後端との接続位置)からマンドレルバー3の後方に特定長さ離れた位置までの範囲である。冷却区域32の軸方向長さL32は特に限定されない。冷却区域32の軸方向長さL32はたとえば、マンドレルバー3全長の1/10以上であり、1/2以下である。他の一例では、製造される中空素管の長さが6mである場合、冷却区域32の軸方向長さL32はたとえば、2mである。
接触抑止区域33は、冷却区域32に隣接し、かつ、冷却区域32の後方(プラグ2と反対側)に配置される。接触抑止区域33の長さL33は特に限定されない。接触抑止区域33の長さL33は、冷却区域32の長さL32と同じ長さであってもよいし、長くてもよいし、短くてもよい。バー本体31のうち、冷却区域32以外の部分が接触抑止区域33であってもよい。
図5は、図4に示すプラグ2及びマンドレルバー3の中心軸を含む断面図(縦断面図)である。図5を参照して、マンドレルバー3はさらに、冷却液流路34と、内面冷却機構340とを含む。冷却液流路34は、バー本体31内に形成されており、冷却液供給装置7から供給された冷却液を内部に通す。冷却液流路34は、バー本体31の軸方向に沿って、バー本体31内部に延びている。冷却液流路34は、配管72とつながっており、配管72から冷却液の供給を受ける。
内面冷却機構340は、バー本体31の前端部分に相当する冷却区域32内に配置される。本例では、内面冷却機構340は、複数の冷却液噴射孔341を含む。複数の冷却液噴射孔341は、冷却液流路34と繋がっており、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、冷却液を、冷却区域32の外部に噴射する。図4及び図5では、複数の冷却液噴射孔341は、バー本体31の周方向及び軸方向に配列されている。しかしながら、複数の冷却液噴射孔341は、バー本体31の周方向、又は、周方向及び軸方向に配列されていればよい。たとえば、複数の冷却液噴射孔341が周方向に配列されており、軸方向には配列されていなくてもよい。好ましくは、複数の冷却液噴射孔341は、バー本体31の周方向及び/又は軸方向に配列されている。後述するとおり、内面冷却機構340は複数の噴射ノズルを含み、各噴射ノズルが冷却液噴射孔341を有する。
マンドレルバー3はさらに、内面堰止機構350を含む。内面堰止機構350は、接触抑止区域33内に配置される。穿孔圧延時又は延伸圧延時において、内面堰止機構350は、接触抑止区域33から圧縮ガスを噴射して、冷却区域32から後方に流れようとする冷却液を堰き止めたり、吹き飛ばしたりする。これにより、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、接触抑止区域33内の中空素管の内面部分に冷却液が接触するのを抑制する。
具体的には、図4に示すとおり、穿孔機10はさらに、ガス供給装置8から圧縮ガスの供給を受ける。ガス供給装置8は、冷却液を吹き飛ばすための圧縮ガスを、バー本体31に供給する。ガス供給装置8はたとえば、高圧ガスを蓄積するアキュムレータ81と、配管82とを含む。配管82は、アキュムレータ81とバー本体31とをつなぐ。配管82は、アキュムレータ81から送られた圧縮ガスを、バー本体31に搬送する。ここで、圧縮ガスはたとえば、圧縮空気であってもよいし、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスであってもよい。好ましくは、圧縮ガスは圧縮空気である。
図5を参照して、マンドレルバー3は、ガス流路35を含む。ガス流路35は、バー本体内31の軸方向に沿って、バー本体31内部に延びている。ガス流路35は、配管82(図4参照)とつながっており、配管82から圧縮ガスの供給を受ける。
内面堰止機構350は、複数の圧縮ガス噴射孔351を含む。複数の圧縮ガス噴射孔351は、ガス流路35と繋がっており、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、圧縮ガスを、接触抑止区域33の外部に噴射する。図4及び図5では、複数の圧縮ガス噴射孔351は、バー本体31の周方向及び軸方向に配列されている。しかしながら、複数の圧縮ガス噴射孔351は、バー本体31の周方向、又は、周方向及び軸方向に配列されていればよい。具体的には、複数の圧縮ガス噴射孔351が周方向に配列されており、軸方向には配列されていなくてもよい。好ましくは、複数の圧縮ガス噴射孔351は、バー本体31の周方向及び/又は軸方向に配列されている。後述するとおり、内面堰止機構350は複数の噴射ノズルを含み、各噴射ノズルが圧縮ガス噴射孔351を有する。
図6は、図5中の冷却区域32内の線分A−Aにおける、マンドレルバー3の軸方向に垂直な断面図である。図6を参照して、冷却液流路34は、ガス流路35と並んで、バー本体31の中心部に配置されている。複数の冷却液噴射孔341は、バー本体31の周方向に配列されている。複数の冷却液噴射孔341は、バー本体31の周方向に等間隔に配列されていてもよいし、不規則に配列されていてもよい。好ましくは、冷却液噴射孔341は、バー本体31の周方向に等間隔に配列される。各冷却液噴射孔341は、冷却液流路34に繋がっている。図5及び図6に示すとおり、本実施形態では、複数の冷却液噴射孔341は、冷却区域32内において、バー本体31の周方向及び軸方向に配列されている。ただし、複数の冷却液噴射孔341は、少なくともバー本体31の周方向にのみ配列されていてもよい。
図7は、図5中の接触抑止区域33内の線分B−Bにおける、マンドレルバー3の軸方向に垂直な断面図である。図7を参照して、冷却区域32内での断面図(図6)と同様に、接触抑止区域33内の断面図においても、ガス流路35は、冷却液流路34と並んで、バー本体31の中心部に配置される。複数の圧縮ガス噴射孔351は、バー本体31の周方向に配列されている。複数の圧縮ガス噴射孔351は、バー本体31の周方向に等間隔に配列されていてもよいし、不規則に配列されていてもよい。好ましくは、圧縮ガス噴射孔351は、バー本体31の周方向に等間隔に配列される。各圧縮ガス噴射孔351は、ガス流路35に繋がっている。図5及び図7に示すとおり、本実施形態では、複数の圧縮ガス噴射孔351は、接触抑止区域33内において、バー本体31の周方向及び軸方向に配列されている。ただし、複数の圧縮ガス噴射孔351は、少なくともバー本体31の周方向にのみ配列されていてもよい。
[排液機構について]
図5に戻って、マンドレルバー3はさらに、バー本体31内に排液流路37を備えてもよい。排液流路37は、バー本体31内に、バー本体31の軸方向に沿って延びている。排液流路37は、バー本体31の後端面(プラグ2と接続された前端面と反対側の端面)まで延びている。図8は、冷却区域32内の線分C−Cにおける、マンドレルバーの軸方向に垂直な断面図である。図8を参照して、排液流路37は、バー本体31の中央部に形成されており、冷却液流路34及びガス流路35を内部に収納にしている。しかしながら、排液流路37は、冷却液流路34及びガス流路35を内部に収納しなくてもよい。
マンドレルバー3はさらに、冷却区域32内に1又は複数の排液孔371を含む。排液孔371が複数形成されている場合、図8に示すとおり、複数の排液孔371は、バー本体31の周方向に配列されてもよいし、図示しないが、バー本体31の軸方向に配列されていてもよい。排液流路37及び排液孔371を含む排液機構は、穿孔圧延時及び延伸圧延時において、冷却区域32を通過中の中空素管の内面部分に向けて噴射された冷却液の一部を回収する。
なお、本実施形態の穿孔機10のマンドレルバー3は、排液流路37及び排液孔371を有していなくてもよい。
[穿孔機10を用いた継目無金属管の製造方法について]
上述の構成を有する穿孔機10は、穿孔圧延又は延伸圧延時において、マンドレルバー3の冷却区域32内の中空素管50の内面部分を冷却液で冷却し、かつ、接触抑止区域33では、冷却液が中空素管50の内面部分に接触するのを抑制する。要するに、穿孔機10は、冷却区域32にて冷却液を用いて中空素管50の内面部分を積極的に冷却するものの、冷却区域32の後方では、冷却液が中空素管50の内面部分になるべく接触しないようにする。これにより、中空素管50の長手方向の各位置での冷却時間のばらつき(冷却時間の長短)を抑制し、穿孔圧延後又は延伸圧延後の中空素管の前端部と後端部での温度差を低減する。以下、この点について詳述する。
図9は、穿孔機10の出側における、穿孔圧延又は延伸圧延中の中空素管50、プラグ及びマンドレルバー3の縦断面図である。
図9を参照して、穿孔圧延中又は延伸圧延中、マンドレルバー3の内面冷却機構340は、冷却液を、冷却区域32内の冷却液噴射孔341からバー本体31の外部に噴射する。そのため、穿孔圧延中及び延伸圧延中の中空素管の内面のうち、冷却区域32内の内面部分は、冷却液により冷却される。ここで、冷却区域32内の中空素管50の内面部分とは、中空素管50の径方向に見て(マンドレルバー3の軸方向に垂直な方向に見て)、冷却区域32と重複する中空素管50の内面部分を意味する。
さらに、穿孔圧延中又は延伸圧延中において、マンドレルバー3の内面堰止機構350は、圧縮ガスを、接触抑止区域33内の圧縮ガス噴射孔351から、バー本体31の外部に噴射する。冷却区域32の冷却液噴射孔341から噴射された冷却液が冷却区域32よりも後方に流れた場合、この圧縮ガスの噴射により、その冷却液は吹き飛ばされる。その結果、接触抑止区域33内において、冷却液が中空素管の内面部分と接触するのを抑制できる。
接触抑止区域33において複数の圧縮ガス噴射孔351から噴射される圧縮ガスはさらに、冷却区域32内の冷却液が冷却区域32よりも後方に進入するのを堰き止める。具体的には、図10に示すとおり、接触抑止区域33では、圧縮ガス噴射孔351から噴射した圧縮ガスCGが、マンドレルバー3の外面と中空素管50の内面との隙間に充満する。この充満された圧縮ガスCGが、冷却区域32から噴射された冷却液の接触抑止区域33への進入を堰き止める。その結果、図11に示すとおり、冷却区域32において、マンドレルバー3の外面と中空素管50の内面との隙間に、冷却液CLが溜まる。好ましくは、マンドレルバー3の外面と中空素管50の内面との隙間に、冷却液CLが充満する。冷却液CLが冷却区域32に溜まった状態で、冷却液噴射孔341から冷却液CLが継続して噴射されるため、溜まった冷却液CLは対流する。そのため、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、冷却区域32内の中空素管50の内面部分が冷却される。
以上のとおり、本実施形態の穿孔機10では、穿孔圧延中又は延伸圧延中において、マンドレルバー3の冷却区域32で中空素管50の内面部分を冷却し、接触抑止区域33では、冷却液が中空素管50の内面部分と接触するのを抑制する。
ここで、図12に示すとおり、マンドレルバー3が内面冷却機構340を備えるものの、内面堰止機構350を備えない場合を想定する。この場合、内面堰止機構350がないため、冷却液CLが冷却区域32よりも後方の接触抑止区域33まで流れ出る。流れ出た冷却液CLは特に、マンドレルバー3の下方であって、中空素管50の内面上に溜まり易くなる。穿孔圧延又は延伸圧延が進むにつれ、プラグ2の後方に伸びる中空素管50の長さは増大するため、冷却液CLが溜まる範囲も変化する。そのため、穿孔圧延中又は延伸圧延中の中空素管50の長手方向の各位置での冷却液CLによる冷却時間が一定となりにくく、長手方向に冷却むらが発生する。その結果、中空素管50の前端部(圧延初期にプラグ2を通過する端部)が過剰に冷却され、中空素管50の後端部(圧延終了時にプラグ2を通過する端部)よりも過剰に温度が低くなる場合がある。
これに対して、本実施形態の穿孔機10では、図9に示すとおり、接触抑止区域33において内面堰止機構350を備える。そして、内面堰止機構350の圧縮ガス噴射孔351から噴射した圧縮ガスCGにより、接触抑止区域33に進入する冷却液CLを吹き飛ばしたり、冷却液の接触抑止区域33への進入を堰き止めたりする。これにより、穿孔圧延中又は延伸圧延中の中空素管50の内面は、冷却区域32において冷却液CLで冷却され、冷却区域32よりも後方の区域(接触抑止区域33)では冷却液CLの接触が抑制される。その結果、穿孔圧延中又は延伸圧延中の中空素管50の長手方向の各位置での冷却液CLによる冷却時間が一定となりやすく、穿孔圧延後又は延伸圧延後の中空素管50の前端部と後端部との温度差を抑制できる。そのため、長手方向に均一な組織の継目無金属管が得られやすくなる。
なお、図9に示すとおり、マンドレルバー3は、前端部の冷却区域32において、排液孔371を備える。そのため、図13に示すとおり、穿孔圧延中又は延伸圧延中において、中空素管50の内面を冷却した冷却液CLの一部は、排液孔371を通じて排液流路37に排出される。排液流路37内に排出された冷却液CLは、排液流路37を流れて、中空素管50に接触することなく、マンドレルバー3の外部に排出される。なお、排出されて減った分の冷却液CLは、冷却液噴射孔341から新たに補充される。このように、マンドレルバーが排液孔371を備えていれば、冷却液CLが循環するため、冷却区域32での中空素管50の内面の冷却が促進される。排液孔371は、冷却区域32内のいずれの位置に配置されてもよい。冷却液CLの対流を促進するためには、排液孔371は、冷却区域32の軸方向の中央部よりもプラグ2寄りに配置されるのが好ましい。
なお、排液孔371及び排液流路37はなくてもよい。しかしながら、排液孔371及び排液流路37が形成されていれば、上記効果を得ることができる。
[第2の実施の形態]
マンドレルバー3の内面冷却機構の冷却液噴射孔341の向きは、特に限定されない。図14は、図6と異なる、図2の実施形態による穿孔機における、図5中の冷却区域32内の線分A−Aでのマンドレルバー3の軸方向に垂直な断面図である。図14を参照して、冷却液噴射孔341は、噴射ノズルN34の先端に形成されており、冷却液流路34と繋がっている。図15は、図14に示すバー本体31を表面から見た場合の冷却液噴射孔341の拡大図である。図14及び図15を参照して、中空素管50の進行方向に見て、複数の冷却液噴射孔341は、バー本体31の周方向に向いている。そして、図15に示すとおり、バー本体31の径方向に見て(つまり、バー本体31の側面視において)、噴射ノズルN34の先端に開口している冷却液噴射孔341の噴射方向F34は、バー本体31の軸方向X31に対して角度αで交差しており、かつ、バー本体31の後方に向いている。
図16は、図7と異なる、図5中の接触抑止区域33内の線分B−Bにおける、マンドレルバー3の軸方向に垂直な断面図である。図16を参照して、圧縮ガス噴射孔351は、噴射ノズルN35の先端に形成されており、ガス流路35と繋がっている。図17は、マンドレルバー3のバー本体31を表面から見た場合の圧縮ガス噴射孔351の拡大図である。図16及び図17を参照して、中空素管50の進行方向に見て、複数の圧縮ガス噴射孔351は、バー本体31の周方向に向いている。そして、図17を参照して、バー本体31の径方向に見て(つまり、バー本体31の側面視において)、噴射ノズルN35の先端に開口している圧縮ガス噴射孔351の噴射方向F35は、バー本体31の軸方向X31に対して角度αで交差しており、かつ、バー本体31の後方に向いている。
[旋回流の形成]
図18を参照して、第2の実施形態による本実施形態の穿孔機10では、中空素管50の進行方向に見て、内面冷却機構340が冷却液噴射孔341から冷却液をバー本体31の周方向に噴射する。これにより、冷却区域32内のバー本体31と中空素管50の内面との間に充填している冷却液をバー本体31の周方向に旋回させて、旋回流SF34を発生させる。旋回流SF34は、バー本体31周りを旋回しながら、バー本体31の後方に流れる。旋回流SF34により、バー本体31の周方向において、冷却液の流動のばらつきを抑制することができる。その結果、中空素管50の内面において、周方向での冷却むらを抑制することができる。
本実施形態ではさらに、中空素管50の進行方向に見て、内面堰止機構350が圧縮ガス噴射孔351から圧縮ガスをバー本体31の周方向に噴射する。これにより、接触抑止区域33内のバー本体31と中空素管50の内面との間に充填している圧縮ガスをバー本体31の周方向に旋回させて、旋回流SF35を発生させる。旋回流SF35は、バー本体31周りを旋回しながら、バー本体31の後方に流れる。旋回流SF35により、旋回流SF34を構成している冷却液が冷却区域32から接触抑止区域33に進入した場合、圧縮ガスで構成される旋回流SF35により速やかにバー本体31の後方に吹き飛ばされる。そのため、接触抑止区域33内において、中空素管50の内面に冷却液が接触するのを抑制することができる。
図19は、穿孔機10をバー本体31の軸方向から見た場合の、冷却液による旋回流SF34、及び、圧縮ガスによる旋回流SF35を説明するための穿孔機10の断面図である。図19に示すとおり、中空素管50の進行方向に見て、内面冷却機構340の複数の冷却液噴射孔341から噴射された冷却液の旋回流SF34は、右回り又は左回りである。また、内面堰止機構350の複数の圧縮ガス噴射孔から噴射された圧縮ガスの旋回流SF35は、右回り又は左回りである。
好ましくは、図19に示すとおり、圧縮ガスの旋回流SF35の旋回方向は、内面冷却機構340による冷却液の旋回流SF34の旋回方向と同じである。この場合、冷却区域32と接触抑止区域33との境界において、流体(冷却液、圧縮ガス)の衝突による乱流の発生を抑制することができる。そのため、冷却液が冷却区域32及び接触抑止区域33の境界で滞留するのを抑制でき、接触抑止区域33に進入する冷却液を、旋回流SF35により速やかにバー本体31の後方に吹き飛ばすことができる。その結果、冷却区域32内の中空素管50の内面の周方向の冷却むらを抑制しつつ、さらに、冷却区域32よりも後方の中空素管50の内面部分に冷却液が接触するのを抑制することができる。
図18を参照して、内面冷却機構340が、バー本体31の軸方向に配列される複数の環状配置冷却液噴射孔群345を含んでもよい。この場合、各環状配置冷却液噴射孔群345は、バー本体31の周方向に配列される複数の冷却液噴射孔341を含む。ここで、バー本体31の軸方向において、冷却液の旋回流SF34がバー本体31の周りを1周するまでに進む距離を、1旋回周期距離DF34と定義する。このとき、バー本体31の軸方向における、隣り合う環状配置冷却液噴射孔群345の間の距離は、1旋回周期距離DF34と同じであるのが好ましい。ここで、「1旋回周期距離DF34と同じ」とは、隣り合う環状配置冷却液噴射孔群345の間の距離が、1旋回周期距離DF34±50%以内であることを意味する。好ましくは、隣り合う環状配置冷却液噴射孔群345の間の距離は、1旋回周期距離DF34±20%であり、さらに好ましくは、1旋回周期距離DF34±10%である。
この場合、旋回流SF34が1旋回周期距離DF34まで進んだときに、次段の環状配置冷却液噴射孔群345から新たな冷却液が供給される。そのため、旋回流SF34が1旋回周期距離DF34に到達する以前に次段の環状配置冷却液噴射孔群345から新たな冷却液が供給される場合と比較して、旋回流SF34において乱流が発生しにくい。そのため、中空素管50の内面周方向の冷却むらをさらに抑制することができる。
図18を参照して、内面冷却機構340と同様に、内面堰止機構350が、バー本体31の軸方向に配列される複数の環状配置ガス噴射孔群355を含んでもよい。各環状配置ガス噴射孔群355は、バー本体31の周方向に配列される複数の圧縮ガス噴射孔351を含む。ここで、バー本体31の軸方向において、圧縮ガスの旋回流SF35がバー本体31の周りを1周するまでに進む距離を1旋回周期距離DF35と定義する。このとき、バー本体31の軸方向X31における、隣り合う環状配置ガス噴射孔群355の間の距離は、1旋回周期距離DF35と同じであるのが好ましい。ここで、「1旋回周期距離DF35と同じ」とは、隣り合う環状配置ガス噴射孔群355の間の距離が、1旋回周期距離DF35±50%以内であることを意味する。好ましくは、隣り合う環状配置ガス噴射孔群355の間の距離は、1旋回周期距離DF35±20%であり、さらに好ましくは、1旋回周期距離DF35±10%である。
この場合、旋回流SF35が1旋回周期距離DF35まで進んだときに、次段の環状配置ガス噴射孔群355から新たな圧縮ガスが供給される。そのため、旋回流SF35が1旋回周期距離DF35に到達する以前に次段の環状配置ガス噴射孔群355から新たな圧縮ガスが供給される場合と比較して、旋回流SF35において乱流が発生しにくい。この場合、旋回流SF35により、冷却区域32から後方に流れた冷却液を、より速やかにバー本体31の後方に吹き飛ばすことができ、冷却区域32のより後方の中空素管50の内面に冷却液が接触するのをさらに抑制することができる。
上述の実施の形態では、図19に示すように、内面堰止機構350が発生させる圧縮ガスの旋回流SF35を、内面冷却機構340が発生させる冷却液の旋回流SF34の旋回方向と同じ方向とした。しかしながら、内面堰止機構350が発生させる圧縮ガスの旋回流SF35を、内面冷却機構340が発生させる冷却液の旋回流SF34の旋回方向と異なる方向(逆方向)にしてもよい。
また、内面堰止機構350が発生させる圧縮ガスの旋回流SF35を、内面冷却機構340が発生させる冷却液の旋回流SF34の旋回方向と同じ方向であっても、図15に示す冷却液噴射孔341の冷却液の噴射方向F34とバー本体31の軸方向X31とがなす角度αが、図17に示す圧縮ガス噴射孔351の圧縮ガスの噴射方向F35とバー本体31の軸方向X31とがなす角度αと異なる角度であってもよい。
また、上述の実施形態では、内面冷却機構340が冷却液の旋回流SF34を発生させ、内面堰止機構350が圧縮ガスの旋回流SF35を発生させるが、第2の実施形態の穿孔機10では、少なくとも、内面冷却機構340が冷却液の旋回流SF34を発生させれば上記効果をある程度得られる。つまり、第2の実施形態による穿孔機10は、内面冷却機構340が冷却液の旋回流SF34を発生させ、内面堰止機構350が圧縮ガスを噴射するものの、旋回流SF35を発生させなくてもよい。たとえば、内面堰止機構350は、圧縮ガスをバー本体31の径方向に噴射する。この場合、内面堰止機構350は旋回流SF35を形成しない。しかしながら、この場合であっても、内面冷却機構340は旋回流SF34を発生させるため、冷却区域32において、中空素管50の内面周方向の冷却むらをある程度抑えることができる。
上述の実施の形態では、バー本体31を側面から見た場合(つまり、バー本体31の軸方向に垂直な方向から見た場合)、内面冷却機構340の冷却液噴射孔341の噴射方向F34は、バー本体31の軸方向X31に対して交差し、かつ、バー本体31の後方に向いている。しかしながら、図20に示すとおり、冷却液噴射孔341の噴射方向F34は、バー本体31の軸方向X31に直交し、バー本体31の後方に向いていなくてもよい。この場合においても、旋回流SF34をある程度発生させることができる。ただし、内面冷却機構340の冷却液噴射孔341の噴射方向F34は、バー本体31の軸方向X31に対して交差し、かつ、バー本体31の後方に向いている方が好ましい。冷却液がバー本体31の後方に向かって進みやすいからである。
[第3の実施形態]
内面堰止機構350は、圧縮ガス以外の方法で冷却液の接触抑止区域33への進入を抑制してもよい。
図21は、第3の実施形態の穿孔機により素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの傾斜ロール近傍での縦断面図である。図21を参照して、本実施形態では、マンドレルバー3は、ガス流路35を備えず、ガス供給装置8からガスの供給を受けない。さらに、内面堰止機構350は、複数の圧縮ガス噴射孔351に代えて、内面堰止部材352を備える。
内面堰止部材352は、冷却区域32の後端に隣接して配置される。内面堰止部材352は、バー本体31の周方向に延びる、したがって、マンドレルバー3を軸方向から見た場合、内面堰止部材352の外縁は円形状である。マンドレルバー3を軸方向に垂直な方向から見たとき、内面堰止部材352の高さH352は、プラグ2の最大半径から、内面堰止部材352が配置された位置でのマンドレルバーの半径を差し引いた差分値H2-3未満である。つまり、内面堰止部材の高さは、プラグの最大半径と、内面堰止部材が配置された位置におけるバー本体の半径との差分値よりも低い。そのため、内面堰止部材は、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、プラグを通過した中空素管の内面に接触しないし、中空素管の内面を圧下しない。好ましくは、内面堰止部材352の高さH352は、差分値H2-3の1/2以上である。
内面堰止部材352の素材はたとえば、グラスウールである。内面堰止部材352の素材はグラスウールに限定されない。穿孔圧延又は延伸圧延時の中空素管50の内面温度よりも高い融点を有する素材であれば足りる。好ましくは、内面堰止部材352の素材の融点は1100℃以上である。
本実施形態の穿孔機のその他の構成は、第1の実施形態の穿孔機10と同じである。
図21に示すとおり、本実施形態の穿孔機においても、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、内面堰止部材352が冷却液CLの接触抑止区域33への進入を抑制し、冷却区域32内の冷却液CLを物理的に堰き止める。そのため、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、図21に示すマンドレルバー3がガス流路35を含み、内面堰止機構350が、複数の圧縮ガス噴射孔351と、内面堰止部材352とを備えてもよい。
[第4の実施形態]
第1〜第3の実施形態では、穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50の内面のうち、冷却区域32上の内面部分を冷却する。本実施形態ではさらに、冷却区域32の中空素管50の外面部分を冷却する。
図22は、第4の実施形態の穿孔機により素材を穿孔圧延又は延伸圧延したときの傾斜ロール近傍での縦断面図である。
図22を参照して、穿孔機10は、図9に示す穿孔機10と比較してさらに、外面冷却機構400を備える。外面冷却機構400は、プラグ2の後方に配置され、マンドレルバー3の周りに配置される。
図22を参照して、外面冷却機構400は、穿孔圧延又は延伸圧延時において、冷却区域32内を進行中の中空素管50の外面部分に向けて冷却流体を噴射して、冷却区域32内の中空素管50を冷却する。
図23は、中空素管50の進行方向に見た場合の、外面冷却機構400を示す図(つまり、外面冷却機構400の正面図)である。図22及び図23を参照して、外面冷却機構400は、外面冷却上部材400Uと、外面冷却下部材400Dと、外面冷却左部材400Lと、外面冷却右部材400Rとを備える。
[外面冷却上部材400Uの構成]
外面冷却上部材400Uは、マンドレルバー3の上方に配置される。外面冷却上部材400Uは、本体402と、複数の冷却流体上部噴射孔401Uとを含む。本体402は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、冷却流体CF(図22参照)を通す1又は複数の冷却流体経路を内部に有する。本例では、複数の冷却流体上部噴射孔401Uは、複数の冷却流体上部噴射ノズル403Uの先端に形成されている。しかしながら、冷却流体上部噴射孔401Uは、本体402に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の冷却流体上部噴射ノズル403Uが本体402に接続されている。
複数の冷却流体上部噴射孔401Uは、マンドレルバー3に向いている。穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、複数の冷却流体上部噴射孔401Uは、中空素管50の外面に向いている。複数の冷却流体上部噴射孔401Uは、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の冷却流体上部噴射孔401Uは、マンドレルバー3の周りに、等間隔に配置される。図22を参照して、好ましくは、複数の冷却流体上部噴射孔401Uは、マンドレルバー3の軸方向にも複数配列されている。
[外面冷却下部材400Dの構成]
図23を参照して、外面冷却下部材400Dは、マンドレルバー3の下方に配置される。外面冷却下部材400Dは、本体402と、複数の冷却流体下部噴射孔401Dとを含む。本体402は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、冷却流体CFを通す1又は複数の冷却流体経路を内部に有する。本例では、複数の冷却流体下部噴射孔401Dは、複数の冷却流体下部噴射ノズル403Dの先端に形成されている。しかしながら、冷却流体下部噴射孔401Dは、本体402に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の冷却流体下部噴射ノズル403Dが本体402に接続されている。
複数の冷却流体下部噴射孔401Dは、マンドレルバー3に向いている。穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、複数の冷却流体下部噴射孔401Dは、中空素管50の外面に向いている。複数の冷却流体下部噴射孔401Dは、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の冷却流体下部噴射孔401Dは、マンドレルバー3の周りに、等間隔に配置される。図22を参照して、好ましくは、複数の冷却流体下部噴射孔401Dは、マンドレルバー3の軸方向にも複数配列されている。
[外面冷却左部材400Lの構成]
図23を参照して、外面冷却左部材400Lは、マンドレルバー3の左方に配置される。外面冷却左部材400Lは、本体402と、複数の冷却流体左部噴射孔401Lとを含む。本体402は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、冷却流体CFを通す1又は複数の冷却流体経路を内部に有する。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の冷却流体左部噴射ノズル403Lが本体402に接続されており、複数の冷却流体左部噴射孔401Lは、複数の冷却流体左部噴射ノズル403Lの先端に形成されている。しかしながら、冷却流体左部噴射孔401Lは、本体402に直接形成されていてもよい。
複数の冷却流体左部噴射孔401Lは、マンドレルバー3に向いている。穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、複数の冷却流体左部噴射孔401Lは、中空素管50の外面に向いている。複数の冷却流体左部噴射孔401Lは、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の冷却流体左部噴射孔401Lは、マンドレルバー3の周りに、等間隔に配置される。好ましくは、複数の冷却流体左部噴射孔401Lは、マンドレルバー3の軸方向にも複数配列されている。
[外面冷却右部材400Rの構成]
図23を参照して、外面冷却右部材400Rは、マンドレルバー3の右方に配置される。外面冷却右部材400Rは、本体402と、複数の冷却流体右部噴射孔401Rとを含む。本体402は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、冷却流体CFを通す1又は複数の冷却流体経路を内部に有する。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の冷却流体右部噴射ノズル403Rが本体402に接続されており、複数の冷却流体右部噴射孔401Rは、複数の冷却流体右部噴射ノズル403Rの先端に形成されている。しかしながら、冷却流体右部噴射孔401Rは、本体402に直接形成されていてもよい。
複数の冷却流体右部噴射孔401Rは、マンドレルバー3に向いている。穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、複数の冷却流体右部噴射孔401Rは、中空素管50の外面に向いている。複数の冷却流体右部噴射孔401Rは、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の冷却流体右部噴射孔401Rは、マンドレルバー3の周りに、等間隔に配置される。好ましくは、複数の冷却流体右部噴射孔401Rは、マンドレルバー3の軸方向にも複数配列されている。
なお、図23では、外面冷却上部材400Uと、外面冷却下部材400Dと、外面冷却左部材400Lと、外面冷却右部材Rとが互いに独立した別部材である。しかしながら、図24に示すとおり、外面冷却上部材400Uと、外面冷却下部材400Dと、外面冷却左部材400Lと、外面冷却右部材400Rとが、繋がっていてもよい。
また、外面冷却上部材400U、外面冷却下部材400D、外面冷却左部材400L、外面冷却右部材400Rのいずれかが、複数の部材で構成されていてもよいし、隣り合う外面冷却部材の一部が繋がっていてもよい。図25では、外面冷却左部材400Lが2つの部材(400LU、400LD)で構成されている。そして、外面冷却左部材400Lの上部材400LUが外面冷却上部材400Uと繋がっており、外面冷却左部材400Lの下部材400LDが外面冷却下部材400Dと繋がっている。また、外面冷却右部材400Rが2つの部材(400RU、400RD)で構成されている。そして、外面冷却右部材400Rの上部材400RUが外面冷却上部材400Uと繋がっており、外面冷却右部材400Rの下部材400RDが外面冷却下部材400Dと繋がっている。
要するに、各外面冷却部材(外面冷却上部材400U、外面冷却下部材400D、外面冷却左部材400L、外面冷却右部材400R)が複数の部材を備えていてもよいし、一部又は全部が他の外面冷却部材と一体的に形成されていてもよい。外面冷却上部材400Uが中空素管50の外面の上部に向けて冷却流体CFを噴射し、外面冷却下部材400Dが中空素管50の外面の下部に向けて冷却流体CFを噴射し、外面冷却左部材400Lが中空素管50の外面の左部に向けて冷却流体CFを噴射し、外面冷却右部材400Rが中空素管50の外面の右部に向けて冷却流体CFを噴射すれば、各外面冷却部材(外面冷却上部材400U、外面冷却下部材400D、外面冷却左部材400L、外面冷却右部材400R)の構成は特に限定されない。
[外面冷却機構400の動作]
以上の構成を有する外面冷却機構400は、穿孔機10により穿孔圧延又は延伸圧延され、傾斜ロール1を通過した中空素管50のうち、冷却区域32内を通過中の中空素管50の外面の上部、下部、左部及び右部に向けて冷却流体CFを噴射して、特定長さL32の冷却区域32内で中空素管50を冷却する。より具体的には、中空素管50の進行方向に見て、外面冷却上部材400Uが、冷却区域32内の中空素管50の外面の上部に向けて冷却流体CFを噴射して、外面冷却下部材400Dが、冷却区域32内の中空素管50の外面の下部に向けて冷却流体CFを噴射して、外面冷却左部材400Lが、冷却区域32内の中空素管50の外面の左部に向けて冷却流体CFを噴射して、外面冷却右部材400Rが、冷却区域32内の中空素管50の外面の右部に向けて冷却流体CFを噴射して、冷却区域32内の中空素管50の外面全体(外面の上部、下部、左部及び右部)を冷却する。これにより、外面冷却機構400は、中空素管50の前端部と後端部とで温度差が大きくなるのを抑制し、中空素管50の軸方向での温度ばらつきを抑える。以下、穿孔機10が穿孔圧延又は延伸圧延を実施するときの、外面冷却機構400の動作を説明する。
穿孔機10は素材20を穿孔圧延又は延伸圧延して、中空素管50を製造する。穿孔機10がピアサである場合、穿孔機10は素材20である丸ビレットを穿孔圧延して、中空素管50を形成する。穿孔機10がエロンゲータである場合、穿孔機10は素材20である中空素管を延伸圧延して、中空素管50を形成する。
穿孔機10が穿孔圧延又は延伸圧延を実施するとき、図22を参照して、外面冷却機構400は、流体供給源800から冷却流体CFの供給を受ける。ここで、冷却流体CFは上述のとおり、ガス及び/又は液体である。冷却流体CFはガスだけであってもよいし、液体だけであってもよい。冷却流体CFはガス及び液体の混合流体であってもよい。
流体供給源800は、冷却流体CFの貯留槽801と、冷却流体CFを供給する供給機構802とを備える。冷却流体CFがガスである場合、供給機構802はたとえば、供給を開始又は停止するための弁803と、流体(ガス)を供給する流体駆動源(ガスの圧力調整装置)804とを備える。冷却流体CFが液体である場合、供給機構802はたとえば、供給を開始又は停止するための弁803と、流体(液体)を供給する流体駆動源(ポンプ)804とを備える。冷却流体CFがガス及び液体の場合、供給機構802は、ガスを供給する機構と、液体を供給する機構とを備える。流体供給源800は、上記構成に限定されない。冷却流体を外面冷却機構400に供給可能であれば、その構成は限定されず、周知の構成でよい。
流体供給源800から外面冷却機構400に供給された冷却流体CFは、外面冷却機構400の外面冷却上部材400Uの本体402内の冷却流体経路を通り、各冷却流体上部噴射孔401Uに至る。冷却流体CFはさらに、外面冷却下部材400Dの本体402内の冷却流体経路を通り、各冷却流体下部噴射孔401Dに至る。冷却流体CFはさらに、外面冷却左部材400Lの本体402内の冷却流体経路を通り、各冷却流体左部噴射孔401Lに至る。冷却流体CFはさらに、外面冷却右部材400Rの本体402内の冷却流体経路を通り、各冷却流体右部噴射孔401Rに至る。そして、外面冷却機構400は、穿孔圧延又は延伸圧延されてプラグ2の後端を通過して冷却区域32に進入した中空素管50の外面の上部、下部、左部及び右部に向けて冷却流体CFを噴射して、中空素管50を冷却する。
このとき、図22に示すとおり、外面冷却機構400は、マンドレルバー3の軸方向に特定長さを有する冷却区域32の範囲内において、中空素管50の外面の上部、下部、左部及び右部に向けて冷却流体CFを噴射して中空素管50を冷却する。冷却区域32は、外面冷却機構400により冷却流体CFが噴射される範囲を意味する。冷却区域32は、中空素管50の進行方向に見て(穿孔機10を前方から後方に向かって見て)、マンドレルバー3の全周を囲む範囲である。つまり、冷却区域32は、マンドレルバー3の軸方向に延びる、円筒状の範囲となる。
冷却区域32は、1本の素材20を穿孔圧延又は延伸圧延中に、その範囲が変更されることを予定しない。つまり、1本の素材20の穿孔圧延又は延伸圧延中において、冷却区域32は、実質的に一定である。冷却区域32は、内面冷却機構340の複数の冷却液噴射孔341の配置位置により実質的に決定される。外面冷却機構400が複数の冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、冷却流体右部噴射孔401R)を備える場合、複数の冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、冷却流体右部噴射孔401R)は、冷却区域32内に配置される。
以上のとおり、本実施形態では、穿孔機10は、プラグ2の後方のマンドレルバー3の周りに配置された外面冷却機構400を用いて、プラグ2の後方に配置され、特定長さL32を有する冷却区域32において、内面冷却機構340が中空素管50の内面を冷却する。さらに、中空素管50の進行方向に見て、外面冷却機構400が、中空素管50の外面の上部、下部、左部及び右部に向けて冷却流体CFを噴射して、冷却区域32内の中空素管50を冷却する。このとき、冷却区域32を進行中の中空素管50の外面部分(上部、下部、左部及び右部)が冷却流体CFと接触して、中空素管50が冷却される。一方で、冷却区域32の範囲外(冷却区域32の前方、及び、冷却区域32の後方)では、中空素管50の外面部分は冷却流体CFと接触しにくい。なぜなら、外面冷却機構400から噴射された冷却流体CFの大半は、冷却区域32の中空素管50の外面部分と接触した後、重力に従って、そのまま下方に流れ落ちるためである。そのため、内面冷却機構340及び外面冷却機構400により中空素管50の冷却区域32内の内面及び外面が冷却され、冷却区域32以外の領域の中空素管50の内面及び外面に冷却液CL及び冷却流体CFが接触するのを抑制できる。その結果、冷却後の中空素管50の軸方向の温度差を抑制でき、特に中空素管50の前端部と後端部との温度差を低減できる。
[第4の実施形態での継目無金属管の製造方法]
第4の実施形態では、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、内面冷却機構340が冷却区域32内の中空素管50の内面部分を冷却するとともに、外面冷却機構400が冷却区域内の中空素管50の外面部分を冷却する。そのため、穿孔圧延又は延伸圧延が完了した直後(すなわち、プラグ2を通過した直後)の中空素管50の冷却を促進できる。特に、厚肉(たとえば肉厚が30mm以上)の継目無金属管を製造する場合に、有効な効果が得られる。
上述の冷却工程では、圧延工程(穿孔圧延又は延伸圧延)中に、内面冷却機構340が冷却区域32内の中空素管50の内面部分を冷却するとともに、冷却区域32内を進行中の中空素管50の外面のうち、中空素管50の進行方向に見て、中空素管の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射して、冷却区域32内の中空素管50を冷却する。これにより、上述のとおり、冷却後の中空素管50の軸方向の温度ばらつきを低減でき、中空素管50の前端部及び後端部の温度差を低減できる。
なお、図22〜図25では、外面冷却機構400は、複数の冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)から冷却流体CFを噴射して、冷却区域32の中空素管50の外面部分を冷却するが、冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)の形状は特に限定されない。冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)は円形状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、矩形状であってもよい。たとえば、冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)は、マンドレルバー3の軸方向に延びる楕円形状又は矩形状であってもよいし、マンドレルバー3の周方向に延びる楕円形状又は矩形状であってもよい。複数の冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)が冷却流体CFを噴射して、冷却区域32の範囲内での中空素管50の外面部分を冷却できれば、複数の冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)の形状は特に限定されない。
また、図22では、冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)は、マンドレルバー3の軸方向に複数配列されているが、冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)は、マンドレルバー3の軸方向に複数配列されていなくてもよい。また、図23〜図25では、冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)は、マンドレルバー3の周りに等間隔に配列されているが、冷却流体噴射孔401(冷却流体上部噴射孔401U、冷却流体下部噴射孔401D、冷却流体左部噴射孔401L、及び、冷却流体右部噴射孔401R)のマンドレルバー3周りの配列は、等間隔でなくてもよい。
[第5の実施形態]
図26は、第5の実施形態による穿孔機10の傾斜ロール1出側の構成を示す図である。図26を参照して、第5の実施形態による穿孔機10は、第4の実施形態による穿孔機10と比較して、新たに、前方堰止機構600を備える。第5の実施形態による穿孔機10のその他の構成は、第4の実施形態による穿孔機10と同じである。
[前方堰止機構600]
前方堰止機構600は、プラグ2の後方であって外面冷却機構400よりも前方においてマンドレルバー3の周りに配置される。前方堰止機構600は、外面冷却機構400が冷却区域32において中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射して冷却区域32内の中空素管を冷却しているとき、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える。
図27は、前方堰止機構600を中空素管50の進行方向に見た図(傾斜ロール1の入側から出側に向かって見た図)である。図26及び図27を参照して、前方堰止機構600は、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りに配置される。そして、穿孔圧延又は延伸圧延中において、前方堰止機構600は、図27に示すとおり、穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50の周りに配置される。
図27を参照して、前方堰止機構600は、中空素管50の進行方向に見て、前方堰止上部材600Uと、前方堰止下部材600Dと、前方堰止左部材600Lと、前方堰止右部材600Rとを備える。
[前方堰止上部材600Uの構成]
前方堰止上部材600Uは、マンドレルバー3の上方に配置される。前方堰止上部材600Uは、本体602と、複数の前方堰止流体上部噴射孔601Uとを含む。本体602は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、前方堰止流体FF(図26参照)を通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の前方堰止流体上部噴射孔601Uは、複数の前方堰止流体上部噴射ノズル603Uの先端に形成されている。しかしながら、前方堰止流体上部噴射孔601Uは、本体602に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の前方堰止流体上部噴射ノズル603Uが本体602に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、前方堰止上部材600Uの複数の前方堰止流体上部噴射孔601Uは、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向いている。複数の前方堰止流体上部噴射孔601Uは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の前方堰止流体上部噴射孔601Uは、マンドレルバーの周りに等間隔に配列されている。複数の前方堰止流体上部噴射孔601Uはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、前方堰止上部材600Uは、複数の前方堰止流体上部噴射孔601Uから、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部に、冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[前方堰止下部材600Dの構成]
前方堰止下部材600Dは、マンドレルバー3の下方に配置される。前方堰止下部材600Dは、本体602と、複数の前方堰止流体下部噴射孔601Dとを含む。本体602は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、前方堰止流体FFを通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の前方堰止流体下部噴射孔601Dは、複数の前方堰止流体下部噴射ノズル603Dの先端に形成されている。しかしながら、前方堰止流体下部噴射孔601Dは、本体602に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の前方堰止流体下部噴射ノズル603Dが本体602に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、前方堰止下部材600Dの複数の前方堰止流体下部噴射孔601Dは、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向いている。複数の前方堰止流体下部噴射孔601Dは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の前方堰止流体下部噴射孔601Dは、マンドレルバーの周りに等間隔に配列されている。複数の前方堰止流体下部噴射孔601Dはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、前方堰止下部材600Dは、複数の前方堰止流体下部噴射孔601Dから、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の下部に、冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[前方堰止左部材600Lの構成]
前方堰止左部材600Lは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の左方に配置される。前方堰止左部材600Lは、本体602と、複数の前方堰止流体左部噴射孔601Lとを含む。本体602は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、前方堰止流体FFを通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の前方堰止流体左部噴射孔601Lは、複数の前方堰止流体左部噴射ノズル603Lの先端に形成されている。しかしながら、前方堰止流体左部噴射孔601Lは、本体602に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の前方堰止流体左部噴射ノズル603Lが本体602に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、前方堰止左部材600Lの複数の前方堰止流体左部噴射孔601Lは、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向いている。複数の前方堰止流体左部噴射孔601Lは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の前方堰止流体左部噴射孔601Lは、マンドレルバーの周りに等間隔に配列されている。複数の前方堰止流体左部噴射孔601Lはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、前方堰止左部材600Lは、複数の前方堰止流体左部噴射孔601Lから、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の左部に、冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[前方堰止右部材600Rの構成]
前方堰止右部材600Rは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の右方に配置される。前方堰止右部材600Rは、本体602と、複数の前方堰止流体右部噴射孔601Rとを含む。本体602は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、前方堰止流体FFを通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の前方堰止流体右部噴射孔601Rは、複数の前方堰止流体右部噴射ノズル603Rの先端に形成されている。しかしながら、前方堰止流体右部噴射孔601Rは、本体602に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の前方堰止流体右部噴射ノズル603Rが本体602に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が外面冷却機構400内を通過するとき、前方堰止右部材600Rの複数の前方堰止流体右部噴射孔601Rは、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向いている。複数の前方堰止流体右部噴射孔601Rは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の前方堰止流体右部噴射孔601Rは、マンドレルバーの周りに等間隔に配列されている。複数の前方堰止流体右部噴射孔601Rはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、前方堰止右部材600Rは、複数の前方堰止流体右部噴射孔601Rから、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の右部に、冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[前方堰止機構600の動作]
穿孔圧延又は延伸圧延中において、外面冷却機構400は、穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50の外面のうち、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に冷却流体CFを噴射して、中空素管50を冷却する。このとき、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に噴射された冷却流体CFが、中空素管50の外面部分に接触した後、外面部分の前方に流れて、冷却区域32の前方の中空素管50の外面部分に接触する場合が生じ得る。このような冷却流体CFの冷却区域32以外の他の外面部分への接触の発生頻度が高くなれば、中空素管50の軸方向の温度分布にばらつきが生じ得る。
そこで、本実施形態では、穿孔圧延又は延伸圧延時において、前方堰止機構600が、冷却区域32中の中空素管50の外面部分と接触した後に外面上を流れる冷却流体CFが、冷却区域32の前方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制する。
前方堰止機構600は、外面冷却機構400が冷却区域32内において、中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射して、冷却区域32内の中空素管を冷却しているとき、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部と、下部と、左部と、右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える。具体的には、中空素管50の進行方向に見て、前方堰止上部材600Uが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止下部材600Dが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の下部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止左部材600Lが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の左部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止右部材600Rが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の右部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。これらの前方堰止流体FFの堰は、冷却流体CFが、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域32の前方に流れようとするのを堰き止める。そのため、冷却流体CFが冷却区域32の前方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制でき、中空素管50の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
図28は、前方堰止上部材600Uの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。図29は、前方堰止下部材600Dの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。図30は、前方堰止左部材600Lの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。図31は、前方堰止右部材600Rの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。
図28を参照して、好ましくは、前方堰止上部材600Uは、前方堰止流体上部噴射孔601Uから冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって斜め後方に前方堰止流体FFを噴射する。図29を参照して、好ましくは、前方堰止下部材600Dは、前方堰止流体下部噴射孔601Dから冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって斜め後方に前方堰止流体FFを噴射する。図30を参照して、好ましくは、前方堰止左部材600Lは、前方堰止流体左部噴射孔601Lから冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって斜め後方に前方堰止流体FFを噴射する。図31を参照して、好ましくは、前方堰止右部材600Rは、前方堰止流体右部噴射孔601Rから冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって斜め後方に前方堰止流体FFを噴射する。
図28〜図31では、前方堰止上部材600Uは、中空素管50の上方から中空素管50の外面の上部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体FFの堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止下部材600Dは、中空素管50の下方から中空素管50の外面の下部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体FFの堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止左部材600Lは、中空素管50の左方から中空素管50の外面の左部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体FFの堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止右部材600Rは、中空素管50の右方から中空素管50の外面の右部に向かって斜め後方に延びる前方堰止流体FFの堰(防護壁)を形成する。これらの堰は、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域32の前方に飛び出そうとする冷却流体CFを堰き止める。さらに、堰を構成する前方堰止流体FFは、冷却区域32の入側近傍の中空素管50の外面部分と接触した後、図28〜図31に示すとおり、冷却区域32内に跳ね返りやすく、冷却区域32内に流れやすい。そのため、堰を構成する前方堰止流体FFが、前方堰止流体FFが、冷却区域32よりも前方の中空素管50の外面部分と接触するのを抑制できる。
なお、各前方堰止部材(前方堰止上部材600U、前方堰止下部材600D、前方堰止左部材600L、前方堰止右部材600R)は、各前方堰止流体上部噴射孔(601U、601D、601L、601R)から冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の上部、下部、左部、右部に向かって斜め後方に前方堰止流体FFを噴射しなくてもよい。たとえば、前方堰止上部材600Uは、前方堰止流体上部噴射孔601Uから、マンドレルバー3の径方向に前方堰止流体FFを噴射してもよい。前方堰止下部材600Dは、前方堰止流体下部噴射孔601Dから、マンドレルバー3の径方向に前方堰止流体FFを噴射してもよい。前方堰止左部材600Lは、前方堰止流体左部噴射孔601Lから、マンドレルバー3の径方向に前方堰止流体FFを噴射してもよい。前方堰止右部材600Rは、前方堰止流体右部噴射孔601Rから、マンドレルバー3の径方向に前方堰止流体FFを噴射してもよい。
前方堰止流体FFは、ガス及び/又は液体である。つまり、前方堰止流体FFとして、ガスを用いてもよいし、液体を用いてもよいし、ガスと液体との両方を用いてもよい。ここで、ガスはたとえば空気や不活性ガスである。不活性ガスはたとえば、アルゴンガスや窒素ガスである。前方堰止流体FFとしてガスを利用する場合、空気のみを利用してもよいし、不活性ガスのみを利用してもよいし、空気と不活性ガスとの両方を利用してもよい。また、不活性ガスとして、不活性ガスの1種のみ(たとえばアルゴンガスのみ、窒素ガスのみ)を利用してもよいし、複数の不活性ガスを混合して利用してもよい。前方堰止流体FFとして液体を利用する場合、液体はたとえば、水や油であり、好ましくは、水である。
前方堰止流体FFは、冷却流体CFと同じ流体であってもよいし、異なる流体であってもよい。前方堰止機構600は、図示しない流体供給源から、前方堰止流体FFの供給を受ける。流体供給源の構成は、たとえば、流体供給源800と同じである。流体供給源から供給された前方堰止流体FFは、前方堰止機構600の本体602内の流体経路を通って、前方堰止流体噴射孔(前方堰止流体上部噴射孔601U、前方堰止流体下部噴射孔601D、前方堰止流体左部噴射孔601L、前方堰止流体右部噴射孔601R)から噴射される。
なお、前方堰止機構600の構成は、図26〜図31に限定されない。たとえば、図27では、前方堰止上部材600Uと、前方堰止下部材600Dと、前方堰止左部材600Lと、前方堰止右部材600Rとが互いに独立した別部材である。しかしながら、図32に示すとおり、前方堰止上部材600Uと、前方堰止下部材600Dと、前方堰止左部材600Lと、前方堰止右部材600Rとが、一体的に繋がっていてもよい。
また、前方堰止上部材600U、前方堰止下部材600D、前方堰止左部材600L、前方堰止右部材600Rのいずれかが、複数の部材で構成されていてもよいし、隣り合う前方堰止部材の一部が繋がっていてもよい。図33では、前方堰止左部材600Lが2つの部材(600LU、600LD)で構成されている。そして、前方堰止左部材600Lの上部材600LUが前方堰止上部材600Uと繋がっており、前方堰止左部材600Lの下部材600LDが前方堰止下部材600Dと繋がっている。また、前方堰止右部材600Rが2つの部材(600RU、600RD)で構成されている。そして、前方堰止右部材600Rの上部材600RUが前方堰止上部材600Uと繋がっており、前方堰止右部材600Rの下部材600RDが前方堰止下部材600Dと繋がっている。
要するに、各前方堰止部材(前方堰止上部材600U、前方堰止下部材600D、前方堰止左部材600L、前方堰止右部材600R)が複数の部材を備えていてもよいし、一部又は全部が他の前方堰止部材と一体的に形成されていてもよい。前方堰止上部材600Uが冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって前方堰止流体FFを噴射し、前方堰止下部材600Dが冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって前方堰止流体FFを噴射し、前方堰止左部材600Lが冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって前方堰止流体FFを噴射し、前方堰止右部材600Rが冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって前方堰止流体FFを噴射し、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面に冷却流体CFが流れるのを堰き止めれば、各前方堰止部材(前方堰止上部材600U、前方堰止下部材600D、前方堰止左部材600L、前方堰止右部材600R)の構成は特に限定されない。
また、図34に示すとおり、前方堰止機構600は、前方堰止上部材600Uと、前方堰止左部材600Lと、前方堰止右部材600Rとを備え、前方堰止下部材600Dを備えなくてもよい。外面冷却機構400から冷却区域32内の中空素管50の外面の下部に向かって噴射された冷却流体CFは、中空素管50の外面の下部に接触した後、重力に従って、そのまま中空素管50の下方に落下しやすい。そのため、外面冷却機構400から冷却区域32内の中空素管50の外面の下部に向かって噴射された冷却流体CFは、冷却区域32の前方の中空素管の外面の下部に流れにくい。したがって、前方堰止機構600は、前方堰止下部材600Dを備えていなくてもよい。前方堰止機構600はまた、図35に示すとおり、前方堰止上部材600Uと、前方堰止左部材600Lと、前方堰止右部材600Rとを備え、前方堰止下部材600Dを備えておらず、前方堰止左部材600Lは、マンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていてもよく、前方堰止右部材600Rは、マンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていてもよい。中空素管50の外面のうち、マンドレルバー3の中心軸よりも下に位置する外面部分に接触した冷却流体CFは、重力に従って、そのまま中空素管50の下方に落下しやすい。そのため、前方堰止左部材600Lは、少なくともマンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていればよく、前方堰止右部材600Rは、少なくともマンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていればよい。
前方堰止機構600はさらに、図26〜図35と異なる構成であってもよい。たとえば、図36及び図37に示すとおり、前方堰止機構600は、複数の堰止部材604を用いたものであってもよい。この場合、図36に示すとおり、前方堰止機構600は、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りに配置される複数の堰止部材604を備える。複数の堰止部材604はたとえば、図36に示すようなロールである。堰止部材604がロールの場合、図36及び図37に示すとおり、堰止部材604のロール表面が中空素管50の外面に接触するように、堰止部材604のロール表面が湾曲している方が好ましい。堰止部材604は、図示しない移動機構により、マンドレルバー3の径方向に移動可能である。移動機構はたとえばシリンダである。シリンダは油圧式であっても、空圧式であっても、電動式であってもよい。
穿孔圧延及び延伸圧延時において、中空素管50が前方堰止機構600を通過したとき、複数の堰止部材604が中空素管50の外面に向かって、径方向に移動する。そして、複数の堰止部材604の内面が中空素管50の外面近傍に配置される(図37)。これにより、外面冷却機構400が冷却区域32内の中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射しているとき、複数の堰止部材604が、堰(防護壁)を形成する。そのため、前方堰止機構600は、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める。
このように、前方堰止機構600は、前方堰止流体FFを使用しない構成であってもよい。前方堰止機構600は、外面冷却機構400が中空素管50を冷却しているとき、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備えていれば、その構成は特に限定されない。
[第6の実施形態]
図38は、第6の実施形態による穿孔機10の傾斜ロール1出側の構成を示す図である。図38を参照して、第6の実施形態による穿孔機10は、第1の実施形態による穿孔機10と比較して、新たに、後方堰止機構500を備える。第6の実施形態による穿孔機10のその他の構成は、第4の実施形態による穿孔機10と同じである。
[後方堰止機構500]
後方堰止機構500は、外面冷却機構400の後方においてマンドレルバー3の周りに配置される。後方堰止機構500は、外面冷却機構400が冷却区域32において中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射して冷却区域32内の中空素管50を冷却しているとき、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部と、外面の左部と外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える。
図39は、後方堰止機構500を中空素管50の進行方向に見た図(傾斜ロール1の入側から出側に向かって見た図)である。図38及び図39を参照して、後方堰止機構500は、中空素管50の進行方向に見て、外面冷却機構400の後方であって、マンドレルバー3の周りに配置される。そして、穿孔圧延又は延伸圧延中において、後方堰止機構500は、図39に示すとおり、穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50の周りに配置される。
図39を参照して、後方堰止機構500は、中空素管50の進行方向に見て、後方堰止上部材500Uと、後方堰止下部材500Dと、後方堰止左部材500Lと、後方堰止右部材500Rとを備える。
[後方堰止上部材500Uの構成]
後方堰止上部材500Uは、マンドレルバー3の上方に配置される。後方堰止上部材500Uは、本体502と、複数の後方堰止流体上部噴射孔501Uとを含む。本体502は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、後方堰止流体BF(図38参照)を通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の後方堰止流体上部噴射孔501Uは、複数の後方堰止流体上部噴射ノズル503Uの先端に形成されている。しかしながら、後方堰止流体上部噴射孔501Uは、本体502に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の後方堰止流体上部噴射ノズル503Uが本体502に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が後方堰止機構500内を通過するとき、後方堰止上部材500Uの複数の後方堰止流体上部噴射孔501Uは、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向いている。複数の後方堰止流体上部噴射孔501Uは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の後方堰止流体上部噴射孔501Uは、マンドレルバー3の周りに等間隔に配列されている。複数の後方堰止流体上部噴射孔501Uはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、後方堰止上部材500Uは、複数の後方堰止流体上部噴射孔501Uから、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部に冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[後方堰止下部材500Dの構成]
後方堰止下部材500Dは、マンドレルバー3の下方に配置される。後方堰止下部材500Dは、本体502と、複数の後方堰止流体下部噴射孔501Dとを含む。本体502は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、後方堰止流体BFを通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の後方堰止流体下部噴射孔501Dは、複数の後方堰止流体下部噴射ノズル503Dの先端に形成されている。しかしながら、後方堰止流体下部噴射孔501Dは、本体502に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の後方堰止流体下部噴射ノズル503Dが本体502に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が後方堰止機構500内を通過するとき、後方堰止下部材500Dの複数の後方堰止流体下部噴射孔501Dは、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向いている。複数の後方堰止流体下部噴射孔501Dは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の後方堰止流体下部噴射孔501Dは、マンドレルバー3の周りに等間隔に配列されている。複数の後方堰止流体下部噴射孔501Dはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、後方堰止下部材500Dは、複数の後方堰止流体下部噴射孔501Dから、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の下部に冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[後方堰止左部材500Lの構成]
後方堰止左部材500Lは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の左方に配置される。後方堰止左部材500Lは、本体502と、複数の後方堰止流体左部噴射孔501Lとを含む。本体502は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、後方堰止流体BFを通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の後方堰止流体左部噴射孔501Lは、複数の後方堰止流体左部噴射ノズル503Lの先端に形成されている。しかしながら、後方堰止流体左部噴射孔501Lは、本体502に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の後方堰止流体左部噴射ノズル503Lが本体502に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が後方堰止機構500内を通過するとき、後方堰止左部材500Lの複数の後方堰止流体左部噴射孔501Lは、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向いている。複数の後方堰止流体左部噴射孔501Lは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の後方堰止流体左部噴射孔501Lは、マンドレルバー3の周りに等間隔に配列されている。複数の後方堰止流体左部噴射孔501Lはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、後方堰止左部材500Lは、複数の後方堰止流体左部噴射孔501Lから、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の左部に冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[後方堰止右部材500Rの構成]
後方堰止右部材500Rは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の右方に配置される。後方堰止右部材500Rは、本体502と、複数の後方堰止流体右部噴射孔501Rとを含む。本体502は、マンドレルバー3の円周方向に湾曲した管状又は板状の筐体であって、後方堰止流体BFを通す1又は複数の流体経路を内部に有する。本例では、複数の後方堰止流体右部噴射孔501Rは、複数の後方堰止流体右部噴射ノズル503Rの先端に形成されている。しかしながら、後方堰止流体右部噴射孔501Rは、本体502に直接形成されていてもよい。本例では、マンドレルバー3の周りに配列された複数の後方堰止流体右部噴射ノズル503Rが本体502に接続されている。
穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50が後方堰止機構500内を通過するとき、後方堰止右部材500Rの複数の後方堰止流体右部噴射孔501Rは、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向いている。複数の後方堰止流体右部噴射孔501Rは、中空素管50の進行方向に見て、マンドレルバー3の周りであって、マンドレルバー3の周方向に配列されている。好ましくは、複数の後方堰止流体右部噴射孔501Rは、マンドレルバー3の周りに等間隔に配列されている。複数の後方堰止流体右部噴射孔501Rはさらに、マンドレルバー3の軸方向にも並んで配列されていてもよい。
穿孔圧延又は延伸圧延時において、外面冷却機構400が冷却区域32で中空素管50を冷却しているとき、後方堰止右部材500Rは、複数の後方堰止流体右部噴射孔501Rから、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の右部に、冷却流体CFが流れるのを堰き止める。
[後方堰止機構500の動作]
穿孔圧延又は延伸圧延中において、外面冷却機構400は、穿孔圧延又は延伸圧延された中空素管50の外面のうち、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に冷却流体CFを噴射して、中空素管50を冷却する。このとき、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に噴射された冷却流体CFが、中空素管50の外面部分に接触した後、外面部分の後方に流れて、冷却区域32の後方の中空素管50の外面部分に接触する場合が生じ得る。このような冷却流体CFの冷却区域32以外の他の外面部分への接触の発生頻度が高くなれば、中空素管50の軸方向の温度分布にばらつきが生じ得る。
そこで、本実施形態では、穿孔圧延又は延伸圧延時において、後方堰止機構500が、冷却区域32中の中空素管50の外面部分と接触した後に外面上を流れる冷却流体CFが、冷却区域32の後方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制する。
後方堰止機構500は、外面冷却機構400が冷却区域32内において、中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射して、冷却区域32内の中空素管を冷却しているとき、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部と、下部と、左部と、右部とに冷却流体CFが流れるのを堰き止める機構を備える。具体的には、中空素管50の進行方向に見て、後方堰止上部材500Uが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向けて後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止下部材500Dが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の下部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止左部材500Lが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の左部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止右部材500Rが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の右部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。これらの後方堰止流体BFの堰は、冷却流体CFが、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域32の後方に流れようとするのを堰き止める。そのため、冷却流体CFが冷却区域32の後方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制でき、中空素管50の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
図40は、後方堰止上部材500Uの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。図41は、後方堰止下部材500Dの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。図42は、後方堰止左部材500Lの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。図43は、後方堰止右部材500Rの、中空素管50の進行方向に平行な断面図である。
図40を参照して、好ましくは、後方堰止上部材500Uは、後方堰止流体上部噴射孔501Uから冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって斜め前方に後方堰止流体BFを噴射する。図41を参照して、好ましくは、後方堰止下部材500Dは、後方堰止流体下部噴射孔501Dから冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって斜め前方に後方堰止流体BFを噴射する。図42を参照して、好ましくは、後方堰止左部材500Lは、後方堰止流体左部噴射孔501Lから冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって斜め前方に後方堰止流体BFを噴射する。図43を参照して、好ましくは、後方堰止右部材500Rは、後方堰止流体右部噴射孔501Rから冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって斜め前方に後方堰止流体BFを噴射する。
図40〜図43では、後方堰止上部材500Uは、中空素管50の上方から中空素管50の外面の上部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体BFの堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止下部材500Dは、中空素管50の下方から中空素管50の外面の下部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体BFの堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止左部材500Lは、中空素管50の左方から中空素管50の外面の左部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体BFの堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止右部材500Rは、中空素管50の右方から中空素管50の外面の右部に向かって斜め前方に延びる後方堰止流体BFの堰(防護壁)を形成する。これらの堰は、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域32の後方に飛び出そうとする冷却流体CFを堰き止める。さらに、堰を構成する後方堰止流体BFは、冷却区域32の出側近傍の中空素管50の外面部分と接触した後、図40〜図43に示すとおり、冷却区域32内に跳ね返りやすく、冷却区域32内に流れやすい。そのため、堰を構成する後方堰止流体BFが、冷却区域32よりも後方の中空素管50の外面部分と接触するのを抑制できる。
なお、各後方堰止部材(後方堰止上部材500U、後方堰止下部材500D、後方堰止左部材500L、後方堰止右部材500R)は、各後方堰止流体噴射孔(後方堰止流体上部噴射孔501U、後方堰止流体下部噴射孔501D、後方堰止流体左部噴射孔501L、後方堰止流体右部噴射孔501R)から冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の上部、下部、左部、右部に向かって斜め前方に後方堰止流体BFを噴射しなくてもよい。たとえば、後方堰止上部材500Uは、後方堰止流体上部噴射孔501Uから、マンドレルバー3の径方向に後方堰止流体BFを噴射してもよい。後方堰止下部材500Dは、後方堰止流体下部噴射孔501Dから、マンドレルバー3の径方向に後方堰止流体BFを噴射してもよい。後方堰止左部材500Lは、後方堰止流体左部噴射孔501Lから、マンドレルバー3の径方向に後方堰止流体BFを噴射してもよい。後方堰止右部材500Rは、後方堰止流体右部噴射孔501Rから、マンドレルバー3の径方向に後方堰止流体BFを噴射してもよい。
後方堰止流体BFは、ガス及び/又は液体である。つまり、後方堰止流体BFとして、ガスを用いてもよいし、液体を用いてもよいし、ガスと液体との両方を用いてもよい。ここで、ガスはたとえば空気や不活性ガスである。不活性ガスはたとえば、アルゴンガスや窒素ガスである。後方堰止流体BFとしてガスを利用する場合、空気のみを利用してもよいし、不活性ガスのみを利用してもよいし、空気と不活性ガスとの両方を利用してもよい。また、不活性ガスとして、不活性ガスの1種のみ(たとえばアルゴンガスのみ、窒素ガスのみ)を利用してもよいし、複数の不活性ガスを混合して利用してもよい。後方堰止流体BFとして液体を利用する場合、液体はたとえば、水や油であり、好ましくは、水である。
後方堰止流体BFの種類は、冷却流体CF及び/又は前方堰止流体FFと同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。後方堰止機構500は、図示しない流体供給源から、後方堰止流体BFの供給を受ける。流体供給源の構成は、たとえば、流体供給源800と同じである。流体供給源から供給された後方堰止流体BFは、後方堰止機構500の本体502内の流体経路を通って、各後方堰止流体噴射孔(後方堰止流体上部噴射孔501U、後方堰止流体下部噴射孔501D、後方堰止流体左部噴射孔501L、後方堰止流体右部噴射孔501R)から噴射される。
なお、後方堰止機構500の構成は、図38〜図43に限定されない。たとえば、図39では、後方堰止上部材500Uと、後方堰止下部材500Dと、後方堰止左部材500Lと、後方堰止右部材500Rとが互いに独立した別部材である。しかしながら、図44に示すとおり、後方堰止上部材500Uと、後方堰止下部材500Dと、後方堰止左部材500Lと、後方堰止右部材500Rとが、一体的に繋がっていてもよい。
また、後方堰止上部材500U、後方堰止下部材500D、後方堰止左部材500L、後方堰止右部材500Rのいずれかが、複数の部材で構成されていてもよいし、隣り合う後方堰止部材の一部が繋がっていてもよい。図45では、後方堰止左部材500Lが2つの部材(500LU、500LD)で構成されている。そして、後方堰止左部材500Lの上部材500LUが後方堰止上部材500Uと繋がっており、後方堰止左部材500Lの下部材500LDが後方堰止下部材500Dと繋がっている。また、後方堰止右部材500Rが2つの部材(500RU、500RD)で構成されている。そして、後方堰止右部材500Rの上部材500RUが後方堰止上部材500Uと繋がっており、後方堰止右部材500Rの下部材500RDが後方堰止下部材500Dと繋がっている。
要するに、各後方堰止部材(後方堰止上部材500U、後方堰止下部材500D、後方堰止左部材500L、後方堰止右部材500R)が複数の部材を備えていてもよいし、一部又は全部が他の後方堰止部材と一体的に形成されていてもよい。後方堰止上部材500Uが冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって後方堰止流体BFを噴射し、後方堰止下部材500Dが冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって後方堰止流体BFを噴射し、後方堰止左部材500Lが冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって後方堰止流体BFを噴射し、後方堰止右部材500Rが冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって後方堰止流体BFを噴射し、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面に冷却流体CFが流れるのを堰き止めれば、各後方堰止部材(後方堰止上部材500U、後方堰止下部材500D、後方堰止左部材500L、後方堰止右部材500R)の構成は特に限定されない。
また、図46に示すとおり、後方堰止機構500は、後方堰止上部材500Uと、後方堰止左部材500Lと、後方堰止右部材500Rとを備え、後方堰止下部材500Dを備えなくてもよい。外面冷却機構400から冷却区域32内の中空素管50の外面の下部に向かって噴射された冷却流体CFは、中空素管50の外面の下部に接触した後、重力に従って、そのまま中空素管50の下方に落下しやすい。そのため、外面冷却機構400から冷却区域32内の中空素管50の外面の下部に向かって噴射された冷却流体CFは、冷却区域32の後方の中空素管の外面の下部に流れにくい。したがって、後方堰止機構500は、後方堰止下部材500Dを備えていなくてもよい。後方堰止機構500はまた、図47に示すとおり、後方堰止上部材500Uと、後方堰止左部材500Lと、後方堰止右部材500Rとを備え、後方堰止下部材500Dを備えておらず、後方堰止左部材500Lは、マンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていてもよく、後方堰止右部材500Rは、マンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていてもよい。中空素管50の外面のうち、マンドレルバー3の中心軸よりも下に位置する外面部分に接触した冷却流体CFは、重力に従って、そのまま中空素管50の下方に落下しやすい。そのため、後方堰止左部材500Lは、少なくともマンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていればよく、後方堰止右部材500Rは、少なくともマンドレルバー3の中心軸よりも上に配置されていればよい。
後方堰止機構500はさらに、図38〜図47と異なる構成であってもよい。たとえば、図48及び図49に示すとおり、後方堰止機構500は、複数の堰止部材を用いたものであってもよい。この場合、図48に示すとおり、後方堰止機構500は、マンドレルバー3の周りに配置される複数の堰止部材504を備える。複数の堰止部材504はたとえば、図48に示すようなロールである。堰止部材504がロールの場合、図48及び図49に示すとおり、堰止部材504のロール表面が中空素管50の外面に接触するように、堰止部材504のロール表面が湾曲している方が好ましい。堰止部材504は、図示しない移動機構により、マンドレルバー3の径方向に移動可能である。移動機構はたとえばシリンダである。シリンダは油圧式であっても、空圧式であっても、電動式であってもよい。
穿孔圧延及び延伸圧延時において、中空素管50が後方堰止機構500を通過したとき、複数の堰止部材504が中空素管50の外面に向かって、径方向に移動する。そして、図49に示すとおり、複数の堰止部材504の内面が中空素管50の外面近傍に配置される。これにより、外面冷却機構400が冷却区域32内の中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射しているとき、複数の堰止部材504が、堰(防護壁)を形成する。そのため、後方堰止機構500は、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める。
このように、後方堰止機構500は、後方堰止流体BFを使用しない構成であってもよい。後方堰止機構500は、外面冷却機構400が中空素管50を冷却しているとき、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備えていれば、その構成は特に限定されない。
[第7の実施形態]
図50は、第7の実施形態による穿孔機10の傾斜ロール1出側近傍の構成を示す図である。図50を参照して、第7の実施形態による穿孔機10は、第4の実施形態による穿孔機10と比較して、新たに、前方堰止機構600と、後方堰止機構500とを備える。つまり、第7の実施形態による穿孔機10は、第5の実施形態及び第6の実施形態を組合わせた構成を有する。
本実施形態の前方堰止機構600の構成は、第5の実施形態における前方堰止機構600の構成と同じである。また、本実施形態の後方堰止機構500の構成は、第6の実施形態における後方堰止機構500の構成と同じである。
本実施形態による穿孔機10は、前方堰止機構600及び後方堰止機構500により、穿孔圧延又は延伸圧延時において、冷却区域32中の中空素管50の外面部分と接触した後、外面部分上を流れる冷却流体CFが冷却区域32の前方及び後方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制する。なお、穿孔圧延又は延伸圧延時において、内面冷却機構340が、冷却区域32内において、中空素管50の内面を冷却する。
具体的には、前方堰止機構600は、外面冷却機構400が冷却区域32内において、中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射して、冷却区域32内の中空素管を冷却しているとき、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部と、下部と、左部と、右部とに冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える。具体的には、中空素管50の進行方向に見て、前方堰止上部材600Uが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の上部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止下部材600Dが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の下部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止左部材600Lが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の左部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、前方堰止右部材600Rが、冷却区域32の入側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって前方堰止流体FFを噴射して、冷却区域32に進入する前の中空素管50の外面の右部に前方堰止流体FFによる堰(防護壁)を形成する。これらの前方堰止流体FFの堰は、冷却流体CFが、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域の前方に流れようとするのを堰き止める。そのため、冷却流体CFが冷却区域32の前方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制でき、中空素管50の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
さらに、後方堰止機構500は、外面冷却機構400が冷却区域32内において、中空素管50の外面の上部と、外面の下部と、外面の左部と、外面の右部とに向けて冷却流体CFを噴射して、冷却区域32内の中空素管を冷却しているとき、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部と、下部と、左部と、右部とに冷却流体CFが流れるのを堰き止める機構を備える。具体的には、中空素管50の進行方向に見て、後方堰止上部材500Uが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の上部に向けて後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の上部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止下部材500Dが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の下部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の下部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止左部材500Lが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の左部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の左部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。同様に、後方堰止右部材500Rが、冷却区域32の出側近傍に位置する中空素管50の外面の右部に向かって後方堰止流体BFを噴射して、冷却区域32から出た後の中空素管50の外面の右部に後方堰止流体BFによる堰(防護壁)を形成する。これらの後方堰止流体BFの堰は、冷却流体CFが、冷却区域32内の中空素管50の外面部分に接触して跳ね返り、冷却区域32の後方に流れようとするのを堰き止める。そのため、冷却流体CFが冷却区域32の後方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制でき、中空素管50の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。
さらに、穿孔圧延又は延伸圧延時において、内面冷却機構340が、冷却区域32内において、中空素管50の内面を冷却しつつ、内面堰止機構350が、内面冷却機構340から噴射した冷却液が冷却区域32から出た中空素管50の内面に接触するのを抑制する。
以上の構成により、本実施形態による穿孔機10では、内面冷却機構340により冷却区域32内の中空素管50の内面を冷却しつつ、外面冷却機構400により冷却区域32内の中空素管50の外面を冷却する。さらに、内面堰止機構350により、冷却液CLが冷却区域32から出た後の中空素管50の内面に接触するのを抑制しつつ、前方堰止機構600及び後方堰止機構500により、冷却流体CFが冷却区域32の前方及び後方の中空素管50の外面部分に接触するのを抑制することができる。そのため、中空素管50の軸方向での温度ばらつきをさらに低減できる。そのため、穿孔圧延又は延伸圧延が完了した直後(すなわち、プラグ2を通過した直後)の中空素管50の冷却を促進できる。特に、厚肉(たとえば肉厚が30mm以上)の継目無金属管を製造する場合に、有効な効果が得られる。
なお、第7の実施形態の穿孔機10において、前方堰止機構600が図36及び図37に示す構成であってもよいし、後方堰止機構500が図48及び図49に示す構成であってもよい。
以上のとおり、上述の第1〜第7の実施形態の穿孔機は、穿孔圧延又は延伸圧延後の中空素管の先端部及び後端部の温度差を抑制し、長手方向に均一な組織が得やすくなる。また、上述の実施形態の穿孔機は、たとえば、1000℃程度での穿孔圧延を実施した場合、穿孔圧延直後の中空素管を上記内面冷却機構340で10秒冷却することで、800℃程度まで中空素管温度を下げることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
上述の実施の形態では、内面冷却機構340及び内面堰止機構350により、穿孔圧延時及び延伸圧延時の冷却区域32でのマンドレルバー3と中空素管50の内面との隙間に冷却液を充満させる。しかしながら、冷却区域32の上記隙間に、冷却液を必ずしも充満させなくてもよい。冷却液により冷却区域32中の中空素管50の内面が冷却され、かつ、内面堰止機構350により冷却液が冷却区域32の後方に流れるのを抑制することができれば、冷却区域32の上記隙間に冷却液が充満していなくても、本実施形態の効果はある程度得られる。
外径430mm、肉厚30mmの鋼管を1000℃に加熱した。加熱後、鋼管を3秒間放冷した。その後、図38に示すマンドレルバー3、外面冷却機構400及び後方堰止機構500を用いて、鋼管の内面及び外面を10秒間水冷して、肉厚中心温度が800℃になる場合の、鋼管の外面側及び内面側に必要な水量密度をシミュレーションにより求めた。
求めた結果を図51に示す。図51に示すように、鋼管の外面側と内面側との水量密度の関係を、鋼種や鋼管の外径、厚さに応じて予め求めておき、その結果に基づいて水量密度を設定することにより、所望の冷却を行うことができることがわかった。
外径406mm、肉厚30mm、長さ2mの鋼管を準備した。鋼管の長手方向中央位置に熱電対を埋め込んだ。熱電対は肉厚中央位置に配置した。鋼管を950℃で2時間加熱した。加熱された鋼管に対して、図4に示すマンドレルバー3を用いて、鋼管の内面を冷却した。このとき、鋼管の搬送速度を6m/分とした。この場合、鋼管内面のうち、熱電対が埋め込まれた位置(測定位置)が冷却区域32に入ってから通過するまでの時間は10秒間であった。鋼管の搬送中、内面冷却機構340により冷却区域32から冷却水を噴射するとともに、内面堰止機構350により接触抑止区域33から圧縮空気を噴射して、測定位置の熱伝達率を測定した。
測定結果を図52に示す。図52を参照して、熱伝達率が上昇している期間は、測定位置が冷却液により冷却されていたことを意味する。上述では、冷却液による測定位置の冷却時間は10秒に設定したが、測定結果では、測定位置が12秒間冷却されていた。つまり、ほぼ設定時間通りの冷却時間とすることができた。このことは、後方堰止機構500が冷却区域32より後方の鋼管内面部分に冷却液が接触するのを十分に抑制していたことを意味する。
図53に示す、外径406mm、肉厚30mm、長さ2000mmの鋼管900を準備した。鋼管900の軸方向(長手方向)の中央位置であって、鋼管900の軸方向に垂直な断面において、鋼管900の頂上から時計回りに0°の肉厚中央位置(PT)、90°の肉厚中央位置(PS)、180°の肉厚中央位置(PB)に、熱電対を埋め込んだ。
図54及び図55に示すとおり、マンドレルバー3を模擬した、模擬マンドレルバー3A(図54)、及び模擬マンドレルバー3B(図55)を準備した。図54を参照して、模擬マンドレルバー3Aは、バー本体31Aの冷却区域32に複数の環状配置冷却液噴射孔群345を備え、接触抑止区域33に複数の環状配置ガス噴射孔群355を備えた。各環状配置冷却液噴射孔群345は、周方向に30°ピッチで配置された複数の冷却液噴射孔341を備えた。各冷却液噴射孔341の噴射方向F34は、バー本体31Aの径方向であった。各環状配置ガス噴射孔群355は、周方向に30°ピッチで配置された複数の圧縮ガス噴射孔351を備えた。各圧縮ガス噴射孔351の噴射方向F35は、バー本体31Aの径方向であった。なお、模擬マンドレルバー3Aの前端には、プラグ2を模擬した円板状の断熱材300を取り付けた。断熱材300の直径は、鋼管900の内径に相当した。
図55を参照して、模擬マンドレルバー3Bは、バー本体31Bの冷却区域32に複数の環状配置冷却液噴射孔群345を備え、接触抑止区域33に複数の環状配置ガス噴射孔群355を備えた。環状配置冷却液噴射孔群345は、周方向に30°ピッチで配置された複数の冷却液噴射孔341を備えた。模擬マンドレルバー3Bでは、冷却液噴射孔341はノズルの先端に設けられた。各冷却液噴射孔341の噴射方向F34のバー本体31Bの軸方向に対する角度は79°であり、図55に示すとおり、模擬マンドレルバー3Bを軸方向の前から後ろに向かって見たとき、噴射方向F34は反時計回りの方向であった。環状配置ガス噴射孔群355は、周方向に30°ピッチで配置された複数の圧縮ガス噴射孔351を備えた。模擬マンドレルバー3Bでは、圧縮ガス噴射孔351はノズルの先端に設けられた。各圧縮ガス噴射孔351の噴射方向F35のバー本体31Bの軸方向に対する角度は79°であり、図55に示すとおり、模擬マンドレルバー3Bを軸方向の前から後ろ向かって見たとき、噴射方向F35は反時計回りの方向であった。なお、模擬マンドレルバー3Bの前端には、プラグ2を模擬した円板状の断熱材300を取り付けた。断熱材300の直径は、鋼管900の内径に相当した。
熱電対を埋め込んだ鋼管を加熱炉で950℃に加熱した。鋼管900を加熱炉から抽出し、模擬マンドレルバー3Aを用いて、鋼管900の内面の水冷を実施した。このとき、図56に示すとおり、模擬マンドレルバー3Aを固定して、鋼管900を搬送速度6mpmで、模擬マンドレルバー3Aを通過させた。このとき、図56に示すとおり、プラグ2を模擬した断熱材300が鋼管900の内部を密閉するようにした。鋼管900が模擬マンドレルバー3Aを通過している間の、PT位置、PS位置、及びPB位置での温度(℃)を熱電対により測定した。なお、冷却区域32での冷却液噴射孔341の冷却時の噴射量(流量)は600L/minとして、冷却中の冷却区域32において、鋼管900の内面とバー本体31Aとの間に冷却液を充満させた。なお、接触抑止区域での圧縮ガス噴射孔351の圧縮ガスの噴射量(流量)は4000L/minであった。冷却時間(鋼管900が冷却区域32を通過する時間)は12秒であった。模擬マンドレルバー3Aでの鋼管900の全長の水冷を完了した後、PT位置、PS位置、及びPB位置での平均熱伝達係数(W/m2/k)を算出した。得られた3つの平均熱伝達係数のうち、平均熱伝達係数の最大値の、平均熱伝達係数の最小値に対する比を求めた。
さらに、模擬マンドレルバー3Bを用いて、模擬マンドレルバー3Aと同じ水冷試験を実施した。具体的には、熱電対を埋め込んだ鋼管900を加熱炉で950℃に加熱した。鋼管900を加熱炉から抽出し、模擬マンドレルバー3Bを用いて、水冷を開始した。このとき、模擬マンドレルバー3Aと同様に、模擬マンドレルバー3Bを固定して、鋼管900を搬送速度6mpmで、模擬マンドレルバー3Bを通過させた。このとき、プラグ2を模擬した断熱材300が鋼管900の内部を密閉するようにした。鋼管900が模擬マンドレルバー3Bを通過している間の、PT位置、PS位置、及びPB位置での温度(℃)熱電対により測定した。冷却区域32での冷却液噴射孔341の冷却時の噴射量(流量)は600L/minとし、接触抑止区域33での圧縮ガス噴射孔351の圧縮ガスの噴射量(流量)を8300L/minとした。冷却時間(鋼管900が冷却区域32を通過する時間)は10秒であった。模擬マンドレルバー3Bでの鋼管全長の水冷を完了した後、PT位置、PS位置、及びPB位置での平均熱伝達係数(W/m2/k)を算出した。得られた3つの平均熱伝達係数のうち、平均熱伝達係数の最大値の、平均熱伝達係数の最小値に対する比を求めた。
[試験結果]
図57は、模擬マンドレルバー3Aでの経過時間(秒)とPT位置、PS位置、及びPB位置での温度(℃)との関係を示す図である。図58は、模擬マンドレルバー3Bでの経過時間(秒)とPT位置、PS位置、及びPB位置での温度(℃)との関係を示す図である。
図57及び図58を参照して、冷却期間中のPT位置、PS位置、及びPB位置での温度ばらつきは、旋回流を発生させる模擬マンドレルバー3Bの方が、模擬マンドレルバー3Aよりも小さかった。
また、模擬マンドレルバー3AでのPT位置、PS位置及びPB位置での平均熱伝達係数の最大値は6000W/m2/kであり、最小値は1580W/m2/kであり、平均熱伝達係数の最大値/最小値は3.8であった。これに対して、旋回流を発生させた模擬マンドレルバー3BでのPT位置、PS位置及びPB位置での平均熱伝達係数の最大値は4000W/m2/kであり、最小値は2000W/m2/kであり、平均熱伝達係数の最大値/最小値は2.0であった。したがって、旋回流を発生させる模擬マンドレルバー3Bの方が、模擬マンドレルバー3Aよりも、鋼管の内面を周方向に均一に冷却できた。
1 傾斜ロール
2 プラグ
3 マンドレルバー
7 冷却液供給装置
8 ガス供給装置
10 穿孔機
20 素材
31 バー本体
32 冷却区域
33 接触抑止区域
50 中空素管
340 内面冷却機構
350 内面堰止機構
400 外面冷却機構
500 後方堰止機構
600 前方堰止機構

Claims (29)

  1. 素材を穿孔圧延又は延伸圧延して中空素管を製造する穿孔機であって、
    前記素材が通過するパスライン周りに配置される複数の傾斜ロールと、
    複数の前記傾斜ロールの間の前記パスラインに配置されるプラグと、
    前記プラグの後端から前記パスラインに沿って前記プラグの後方に延びるマンドレルバーとを備え、
    前記マンドレルバーは、
    バー本体と、
    前記バー本体内に形成されており、内部に冷却液が通る冷却液流路と、
    前記バー本体のうち、前記マンドレルバーの軸方向に特定長さを有し、前記マンドレルバーの前端部に位置する冷却区域内に配置され、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、前記冷却液流路から供給された前記冷却液を前記バー本体の外部に噴射して、前記冷却区域内を進行中の前記中空素管の内面を冷却する内面冷却機構と、
    前記冷却区域に隣接して前記冷却区域の後方に配置され、穿孔圧延時又は延伸圧延時において、前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液が前記冷却区域から出た後の前記中空素管の内面と接触するのを抑制する内面堰止機構とを含む、
    穿孔機。
  2. 請求項1に記載の穿孔機であって、
    前記内面堰止機構は、
    前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液を堰き止めて、前記冷却液を、前記冷却区域内の前記バー本体と前記中空素管の内面との間に溜める、
    穿孔機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の穿孔機であって、
    前記マンドレルバーはさらに、
    前記バー本体内に形成されており、圧縮ガスが通る圧縮ガス流路を含み、
    前記内面堰止機構は、
    穿孔圧延時又は延伸圧延時において、前記圧縮ガス流路から供給された前記圧縮ガスを前記バー本体の外部に噴射することにより、前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液が前記冷却区域から出た後の前記中空素管の内面と接触するのを抑制する、
    穿孔機。
  4. 請求項3に記載の穿孔機であって、
    前記内面堰止機構は、
    前記バー本体の外部に噴射された前記圧縮ガスにより、前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液を堰き止めて、前記冷却液を、前記冷却区域内における前記バー本体と前記中空素管の内面との間に溜める、
    穿孔機。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の穿孔機であって、
    前記内面堰止機構は、
    前記冷却区域に隣接して前記冷却区域の後方に配置され、前記バー本体の周方向に延びている内面堰止部材を含み、
    前記内面堰止部材の高さは、前記プラグの最大半径と、前記内面堰止部材が配置された位置における前記バー本体の半径との差分値よりも低い、
    穿孔機。
  6. 請求項5に記載の穿孔機であって、
    前記内面堰止機構は、
    前記内面堰止部材により、前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液を堰き止めて、前記冷却液を、前記冷却区域内の前記バー本体と前記中空素管の内面との間に溜める、
    穿孔機。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の穿孔機であって、
    前記マンドレルバーはさらに、
    前記バー本体内に形成されており、前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液が流れる排液流路と、
    前記バー本体のうち、前記冷却区域内に配置され、前記排液流路と繋がっており、前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液を回収する1又は複数の排液孔とを含む、
    穿孔機。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の穿孔機であって、
    前記内面冷却機構は、
    前記冷却区域内において、前記バー本体の周方向、又は、周方向及び軸方向に配列され、前記冷却液を噴射する複数の冷却液噴射孔を含む、
    穿孔機。
  9. 請求項8に記載の穿孔機であって、
    前記中空素管の進行方向に見て、複数の前記冷却液噴射孔は、前記バー本体の周方向に向いており、
    前記内面冷却機構は、
    複数の前記冷却液噴射孔から前記冷却液を前記バー本体の周方向に噴射することにより、前記冷却区域内の前記冷却液を前記バー本体の周りに旋回させる、
    穿孔機。
  10. 請求項9に記載の穿孔機であって、
    複数の前記冷却液噴射孔は、前記バー本体の周方向かつ前記バー本体の後方に向いており、
    前記内面冷却機構は、
    複数の前記冷却液噴射孔から前記冷却液を前記バー本体の周方向かつ前記バー本体の後方に向かって噴射することにより、前記冷却区域内の前記冷却液を前記バー本体の周りに旋回させる、
    穿孔機。
  11. 請求項3又は請求項4に記載の穿孔機であって、
    前記内面冷却機構は、
    前記冷却区域内において、前記バー本体の周方向、又は、周方向及び軸方向に配列され、前記冷却液を噴射する複数の冷却液噴射孔を含み、
    前記内面堰止機構は、
    前記冷却区域に隣接して前記冷却区域の後方に配置される接触抑止区域において、前記バー本体の周方向、又は周方向及び軸方向に配列され、前記圧縮ガスを噴射する複数の圧縮ガス噴射孔を含む、
    穿孔機。
  12. 請求項11に記載の穿孔機であって、
    前記中空素管の進行方向に見て、複数の前記圧縮ガス噴射孔は、前記バー本体の周方向に向いており、
    前記内面堰止機構は、
    前記圧縮ガス噴射孔から前記圧縮ガスを前記バー本体の周方向に噴射することにより、前記接触抑止区域内の前記圧縮ガスを前記バー本体の周りに旋回させる、
    穿孔機。
  13. 請求項12に記載の穿孔機であって、
    複数の前記圧縮ガス噴射孔は、前記バー本体の周方向かつ前記バー本体の後方に向いており、
    前記内面堰止機構は、
    前記圧縮ガス噴射孔から前記圧縮ガスを前記バー本体の周方向かつ前記バー本体の後方に向かって噴射することにより、前記接触抑止区域内の前記圧縮ガスを前記バー本体の周りに旋回させる、
    穿孔機。
  14. 請求項13に記載の穿孔機であって、
    前記中空素管の進行方向に見て、複数の前記冷却液噴射孔から噴射された前記冷却液の旋回方向は、右回り又は左回りであり、
    前記中空素管の進行方向に見て、複数の前記圧縮ガス噴射孔から噴射された前記圧縮ガスの旋回方向は、右回り又は左回りであり、
    前記内面堰止機構は、前記圧縮ガスの旋回方向が前記冷却液の旋回方向と同じになるように、前記圧縮ガスを噴射する、
    穿孔機。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の穿孔機であって、
    前記内面冷却機構は、
    前記バー本体の前記冷却区域において、前記バー本体の軸方向に配列される複数の環状配置冷却液噴射孔群を含み、
    前記環状配置冷却液噴射孔群は、
    前記バー本体の軸方向における同じ位置で周方向に配列される複数の前記冷却液噴射孔を含み、
    前記内面冷却機構は、
    前記冷却液の旋回流が前記バー本体を1周するまでに進む前記バー本体の軸方向距離を1旋回周期距離と定義したとき、前記バー本体の軸方向における、隣り合う前記環状配置冷却液噴射孔群の間の距離は、前記1旋回周期距離と同じである、
    穿孔機。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の穿孔機であってさらに、
    前記プラグの後方の前記マンドレルバーの周りに配置される外面冷却機構を備え、
    前記外面冷却機構は、前記冷却区域内を進行中の前記中空素管の外面のうち、前記中空素管の進行方向に見て、前記外面の上部と、前記外面の下部と、前記外面の左部と、前記外面の右部とに向けて冷却流体を噴射して前記冷却区域内の前記中空素管を冷却する、
    穿孔機。
  17. 請求項16に記載の穿孔機であって、
    前記外面冷却機構は、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの上方に配置され、前記冷却区域内の前記中空素管の前記外面の上部に向けて前記冷却流体を噴射する複数の冷却流体上部噴射孔を含む外面冷却上部材と、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの下方に配置され、前記冷却区域内の前記中空素管の前記外面の下部に向けて前記冷却流体を噴射する複数の冷却流体下部噴射孔を含む外面冷却下部材と、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの左方に配置され、前記冷却区域内の前記中空素管の前記外面の左部に向けて前記冷却流体を噴射する複数の冷却流体左部噴射孔を含む外面冷却左部材と、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの右方に配置され、前記冷却区域内の前記中空素管の前記外面の右部に向けて前記冷却流体を噴射する複数の冷却流体右部噴射孔を含む外面冷却右部材とを含む、
    穿孔機。
  18. 請求項16又は請求項17に記載の穿孔機であってさらに、
    前記プラグの後方であって前記外面冷却機構の前方の前記マンドレルバーの周りに配置される前方堰止機構を備え、
    前記前方堰止機構は、前記外面冷却機構が前記中空素管の前記外面の上部と、前記外面の下部と、前記外面の左部と、前記外面の右部とに向けて前記冷却流体を噴射して前記冷却区域内の前記中空素管を冷却しているとき、前記冷却区域に進入する前の前記中空素管の前記外面の上部と、前記外面の下部と、前記外面の左部と、前記外面の右部とに前記冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える、
    穿孔機。
  19. 請求項18に記載の穿孔機であって、
    前記前方堰止機構は、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの上方に配置され、前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の上部に向かって前方堰止流体を噴射して、前記冷却区域に進入する前の前記中空素管の前記外面の上部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体上部噴射孔を含む前方堰止上部材と、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの左方に配置され、前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の左部に向かって前記前方堰止流体を噴射して、前記冷却区域に進入する前の前記中空素管の前記外面の左部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体左部噴射孔を含む前方堰止左部材と、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの右方に配置され、前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の右部に向かって前記前方堰止流体を噴射して、前記冷却区域に進入する前の前記中空素管の前記外面の右部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体右部噴射孔を含む前方堰止右部材とを備える、
    穿孔機。
  20. 請求項19に記載の穿孔機であって、
    前記前方堰止上部材は、複数の前記前方堰止流体上部噴射孔から前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の上部に向かって斜め後方に前記前方堰止流体を噴射し、
    前記前方堰止左部材は、複数の前記前方堰止流体左部噴射孔から前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の左部に向かって斜め後方に前記前方堰止流体を噴射し、
    前記前方堰止右部材は、複数の前記前方堰止流体右部噴射孔から前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の右部に向かって斜め後方に前記前方堰止流体を噴射する、
    穿孔機。
  21. 請求項19又は請求項20に記載の穿孔機であって、
    前記前方堰止機構はさらに、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの下方に配置され、前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の下部に向かって前記前方堰止流体を噴射して、前記冷却区域に進入する前の前記中空素管の前記外面の下部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の前方堰止流体下部噴射孔を含む前方堰止下部材を備える、
    穿孔機。
  22. 請求項21に記載の穿孔機であって、
    前記前方堰止下部材は、複数の前記前方堰止流体下部噴射孔から前記冷却区域の入側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の下部に向かって斜め後方に前記前方堰止流体を噴射する、
    穿孔機。
  23. 請求項16〜請求項22のいずれか1項に記載の穿孔機であってさらに、
    前記外面冷却機構の後方の前記マンドレルバーの周りに配置される後方堰止機構を備え、
    前記後方堰止機構は、前記外面冷却機構が前記中空素管の前記外面の上部と、前記外面の下部と、前記外面の左部と、前記外面の右部とに向けて前記冷却流体を噴射して前記中空素管を冷却しているとき、前記冷却区域から出た後の前記中空素管の前記外面の上部と、前記外面の下部と、前記外面の左部と、前記外面の右部とに前記冷却流体が流れるのを堰き止める機構を備える、
    穿孔機。
  24. 請求項23に記載の穿孔機であって、
    前記後方堰止機構は、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの上方に配置され、前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の上部に向かって後方堰止流体を噴射して、前記冷却区域から出た後の前記中空素管の前記外面の上部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体上部噴射孔を含む後方堰止上部材と、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの左方に配置され、前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の左部に向かって前記後方堰止流体を噴射して、前記冷却区域から出た後の前記中空素管の前記外面の左部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体左部噴射孔を含む後方堰止左部材と、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの右方に配置され、前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の右部に向かって前記後方堰止流体を噴射して、前記冷却区域から出た後の前記中空素管の前記外面の右部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体右部噴射孔を含む後方堰止右部材とを備える、
    穿孔機。
  25. 請求項24に記載の穿孔機であって、
    前記後方堰止上部材は、複数の前記後方堰止流体上部噴射孔から前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の上部に向かって斜め前方に前記後方堰止流体を噴射し、
    前記後方堰止左部材は、複数の前記後方堰止流体左部噴射孔から前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の左部に向かって斜め前方に前記後方堰止流体を噴射し、
    前記後方堰止右部材は、複数の前記後方堰止流体右部噴射孔から前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の右部に向かって斜め前方に前記後方堰止流体を噴射する、
    穿孔機。
  26. 請求項24又は請求項25に記載の穿孔機であって、
    前記後方堰止機構はさらに、
    前記中空素管の進行方向に見て、前記マンドレルバーの下方に配置され、前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の下部に向かって前記後方堰止流体を噴射して、前記冷却区域を出た後の前記中空素管の前記外面の下部に前記冷却流体が流れるのを堰き止める複数の後方堰止流体下部噴射孔を含む後方堰止下部材を備える、
    穿孔機。
  27. 請求項26に記載の穿孔機であって、
    前記後方堰止下部材は、複数の前記後方堰止流体下部噴射孔から前記冷却区域の出側近傍に位置する前記中空素管の前記外面の下部に向かって斜め前方に前記後方堰止流体を噴射する、
    穿孔機。
  28. 請求項1〜請求項27のいずれか1項に記載のマンドレルバー。
  29. 請求項1〜請求項27のいずれか1項に記載の穿孔機を用いた継目無金属管の製造方法であって、
    前記穿孔機を用いて前記素材を穿孔圧延又は延伸圧延して、中空素管を製造する圧延工程と、
    前記圧延工程中において、前記内面冷却機構により前記冷却液を前記バー本体の外部に噴射して、前記冷却区域内の前記中空素管の内面を冷却し、かつ、前記冷却区域に隣接して前記冷却区域の後方に配置された内面堰止機構により、前記バー本体の外部に噴射された前記冷却液が前記冷却区域から出た後の前記中空素管の内面に接触するのを抑制する工程とを備える、
    継目無金属管の製造方法。
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