JP2009060454A - 映像信号処理装置と映像表示装置およびサンプリング位相調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンプリング位相を容易に最適化できるようにする。
【解決手段】A/D変換部12は、アナログ映像信号SVaをサンプリングクロックCKsでサンプリングしてディジタル映像信号DVaに変換する。位相判別データ生成部16は、映像信号DVaの輝度レベルから位相判別データPDを生成する。制御部30は、映像信号SVaの供給が開始されたとき、位相判別データPDが最適な位相状態を示すようにクロック生成部14で生成されるサンプリングクロックCKsの位相を設定する。その後、位相判別データPDが予め設定されている閾値を超えたことでサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、サンプリングクロックCKsの位相を再設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】A/D変換部12は、アナログ映像信号SVaをサンプリングクロックCKsでサンプリングしてディジタル映像信号DVaに変換する。位相判別データ生成部16は、映像信号DVaの輝度レベルから位相判別データPDを生成する。制御部30は、映像信号SVaの供給が開始されたとき、位相判別データPDが最適な位相状態を示すようにクロック生成部14で生成されるサンプリングクロックCKsの位相を設定する。その後、位相判別データPDが予め設定されている閾値を超えたことでサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、サンプリングクロックCKsの位相を再設定する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、映像信号処理装置と映像表示装置およびサンプリング位相調整方法に関する。詳しくは、アナログ映像信号の供給が開始されてA/D変換部のサンプリング位相が設定されたのち、アナログ映像信号がサンプリング位相の設定に適した信号となったときサンプリング位相を再設定することで、正しいディジタル信号を得られるようにするものである。
映像信号処理装置では、高精細で高画質の映像表示を行うことができるように、ディジタル映像信号を用いて種々の信号処理が行われている。このような映像信号処理装置では、DVI−I(Digital Visual Interface Integrated)方式、DVI−D(Digital Visual Interface Digital)方式、HDMI(High Definition Multimedia Interface)方式等のディジタル信号が入力できるように構成されている。また、アナログ映像信号を出力する外部機器も接続できるように、アナログ入力端子が設けられている。このアナログ入力端子に入力されたアナログ映像信号は、A/D変換部でディジタル映像信号に変換されて、このディジタル映像信号を用いて種々の信号処理が行われる。
ここで、最初の処理であるA/D変換処理は非常に重要な処理であり、A/D変換処理が正確に行われないと、それ以降のディジタル信号処理で高画質処理等を行っても、表示される映像は高品質なものにはならない。このため、A/D変換処理でアナログ映像信号をディジタル映像信号に正しく変換するため、アナログ映像信号が供給されたときサンプリング位相の設定が行われている。
図5は、従来のサンプリング位相設定動作を示すフローチャートである。アナログ入力端子に入力されたアナログ映像信号を選択した場合、ステップST31で映像信号処理装置は周波数計測を行う。この周波数計測において、映像信号処理装置はアナログ映像信号の同期信号から水平周波数や垂直周波数等を計測する。
ステップST32で映像信号処理装置は信号判別を行い、判別された信号に応じてサンプリングクロックの周波数設定を行う。すなわち、映像信号処理装置は、ステップST31の周波数計測結果に基づき、どのような方式のアナログ映像信号が入力されたかを判別して、判別されたアナログ映像信号に応じた周波数のサンプリングクロックを生成して、このサンプリングクロックでアナログ映像信号のサンプリングを行い、ディジタル映像信号を生成する。
ステップST33で映像信号処理装置はサンプリング位相設定処理を行う。すなわち、映像信号処理装置は、A/D変換を行うことにより得られたディジタル映像信号を用いて位相判別データを生成する。この位相判別データは、A/D変換処理におけるサンプリング位相が最適な状態であるか否かを判別するためのデータである。さらに、映像信号処理装置は、位相判別データが最適な位相状態を示すようにサンプリング位相を設定する。例えば、引用文献1の発明では、隣接する画素間のディジタル映像信号の差分を位相判別データとして用いて、この位相判別データが最大となるようにサンプリング位相を設定することが行われている。
ところで、図5に示すようにしてサンプリング位相の設定を行う場合、アナログ入力端子に入力されたアナログ映像信号が低周波成分のみであるとき、設定されたサンプリング位相は最適な状態とならないおそれがある。例えば図6に示すように輝度変化が滑らかで隣接画素間のレベル差の少ない映像のアナログ映像信号や、全面単色の映像のアナログ映像信号であるとき、サンプリング位相を変化させても位相判別データの変化が少ないため、設定されたサンプリング位相は最適な状態となっていない場合が生じてしまう。
図7は、A/D変換動作とサンプリング位相の関係を示している。図7の(A)は、輝度変化が滑らかで隣接画素間のレベル差の少ない映像のアナログ映像信号を示しており、図7の(B)に示すサンプリングクロックの立ち上がりでサンプリングを行うと、ディジタル映像信号は図7の(C)に示すものとなる。また、図7の(B)よりもサンプリングクロックを遅延させて例えば図7の(D)に示すものとした場合、ディジタル映像信号は図7の(E)に示すものとなる。ここで、隣接する画素間の信号レベル差は、図7の(C)と図7の(E)の場合で大きな差を生じていない。このため、隣接する画素間のディジタル映像信号の差分を位相判別データとして用いた場合、設定されたサンプリング位相は最適な状態となっていない場合が生じる。さらに、設定されたサンプリング位相が最適な状態でないと、アナログ映像信号が高周波成分を多く含むものとなったとき、例えば図8に示すように細かい文字や線が描かれている映像のアナログ映像信号に切り替わったとき、細かい文字や線はボケを生じて表示されてしまう。
そこで、この発明では、アナログ映像信号をサンプリングクロックでサンプリングしてディジタル映像信号に変換する際に、サンプリング位相を容易に最適化できるようにするものである。
この発明の概念は、サンプリング位相を設定してアナログ映像信号をディジタル映像信号に変換したのち、アナログ映像信号の映像がサンプリング位相の設定に適した映像となったとき、サンプリング位相の再設定を行うようにすることで、サンプリング位相を容易に最適化できるようにするものである。
この発明に係る映像信号処理装置は、アナログ映像信号をサンプリングクロックでサンプリングしてディジタル映像信号に変換するA/D変換部と、サンプリングクロックを生成するクロック生成部と、A/D変換部から出力されるディジタル映像信号の輝度レベルから位相判別データを生成する位相判別データ生成部と、位相判別データが最適な位相状態を示すようにクロック生成部で生成されるサンプリングクロックの位相を設定する制御部とを有し、制御部は、アナログ映像信号の供給が開始されたとき、サンプリングクロックの位相を設定して、その後、位相判別データが予め設定されている閾値を超えたことでサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、サンプリングクロックの位相を再設定するものである。
また、この発明に係る映像表示装置は、アナログ映像信号をディジタル映像信号に変換して、該ディジタル映像信号の信号処理を行い、信号処理後のディジタル映像信号に基づいて映像表示を行う映像表示装置において、アナログ映像信号をサンプリングクロックでサンプリングしてディジタル映像信号に変換するA/D変換部と、サンプリングクロックを生成するクロック生成部と、A/D変換部から出力されるディジタル映像信号の輝度レベルから位相判別データを生成する位相判別データ生成部と、位相判別データが最適な位相状態を示すようにクロック生成部で生成されるサンプリングクロックの位相を設定する制御部とを有し、制御部は、アナログ映像信号の供給が開始されたとき、サンプリングクロックの位相を設定して、その後、位相判別データが予め設定されている閾値を超えたことでサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、位相判別データが最適な位相状態であることを示すようにクロック生成部で生成されるサンプリングクロックの位相を再設定するものである。
さらに、この発明に係るサンプリング位相調整方法は、アナログ映像信号をサンプリングクロックでサンプリングしてディジタル映像信号に変換するA/D変換部のサンプリング位相調整方法において、A/D変換部から出力されるディジタル映像信号の輝度レベルから位相判別データを生成する工程と、位相判別データが最適な位相状態を示すようにクロック生成部で生成されるサンプリングクロックの位相を設定する制御工程を設け、制御工程では、アナログ映像信号の供給が開始されたとき、サンプリングクロックの位相を設定して、その後、位相判別データが予め設定されている閾値を超えたことでサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、サンプリングクロックの位相を再設定するものである。
この発明によれば、アナログ映像信号の供給が開始されたとき、サンプリングクロックの位相を設定して、その後、位相判別データが予め設定されている閾値を超えたことでサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、サンプリングクロックの位相を再設定するものである。
このため、サンプリングクロックの位相を設定した後に映像がサンプリング位相の設定に適した映像となったとき、サンプリング位相の再設定が行われて、サンプリング位相を容易に最適化できる。
以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1は映像表示装置の構成を示している。映像表示装置10の入力端子11は、外部機器から供給されたアナログ映像信号SVaやアナログ映像信号SVaの同期信号SYを入力するためのものであり、A/D変換部12と周波数計測部13が接続されている。
A/D変換部12は、後述するクロック生成部14から供給されたサンプリングクロックCKsで、外部機器から供給されたアナログ映像信号SVaをサンプリングしてディジタル映像信号DVaに変換する。このディジタル映像信号DVaは位相判別データ生成部16と信号切換部21に供給される。
周波数計測部13は、同期信号SYから水平周波数と垂直周波数等を計測して、計測結果MFを後述する制御部30に供給する。
クロック生成部14は、制御部30からの制御信号CTに基づいてサンプリングクロックCKsの生成を行い、生成したサンプリングクロックCKsをA/D変換部12に供給する。また、クロック生成部14は、制御部30からの制御信号CTに基づいてサンプリングクロックCKsの位相調整を行う。
ディジタル入力インタフェース部15は、DVI−I方式、DVI−D方式、HDMI方式等のディジタル信号を入力するためのインタフェースである。ディジタル入力インタフェース部15は、供給された種々の方式のディジタル信号のデフォーマットを行い、得られたディジタル映像信号DVbを信号切換部21に供給する。
位相判別データ生成部16は、ディジタル映像信号DVaから位相判別データPDを生成して制御部30に供給する。この位相判別データPDは、A/D変換部12においてアナログ映像信号SVaをサンプリングしてディジタル映像信号DVaに変換したときのサンプリング位相が、最適な状態であるときと最適でない状態でデータ値が異なるデータである。
図2は、A/D変換動作とサンプリング位相の関係を示している。図2の(A)は、アナログ映像信号SVaを示している。なお、アナログ映像信号SVaは例えば黒画素と白画素が交互に設けられた映像の信号とする。
サンプリング位相が図2の(B)に示すように最適となっていない場合(なお、サンプリング位相はローレベル「L」からハイレベル「H」の立ち上がりのタイミングとする)、ディジタル映像信号DVaは図2の(C)に示すものとなる。また、サンプリング位相が図2の(D)に示すように最適となっている場合、ディジタル映像信号DVaは図2の(E)に示すものとなる。すなわち、サンプリング位相が最適でないときには、隣接する画素間の信号レベル差LBが小さくなってしまう。また、ディジタル映像信号DVaの信号レベルの最大値が小さくなったり、最小値が大きくなったりする。したがって、位相判別データPDとして、例えば隣接する画素間の信号レベル差を用いるものとすれば、信号レベル差が最大となるようにサンプリングクロックの位相を調整することで、サンプリング位相を最適化できる。なお、隣接する画素間の信号レベル差を用いる場合、予め指定した位置の2つの画素間の信号レベル差のみを用いるものとすると、映像によっては信号レベル差を生じない場合がある。したがって、隣接する画素間の信号レベル差を1ライン分累積して位相判別データPDとしたり、予め指定した領域に含まれる画素について、隣接する画素間の信号レベル差を累積して位相判別データPDとすることで、サンプリング位相の状態を正しく示す位相判別データPDを生成できる。
また、位相判別データPDとして例えば信号レベルの最大値や最小値を用いるものとしてもよい。この場合、最大値が最大となるようにあるいは最小値が最小となるようにサンプリングクロックの位相を調整することで、サンプリング位相を最適化できる。
信号切換部21は、A/D変換部12から供給されたディジタル映像信号DVa、あるいはディジタル入力インタフェース部15から供給されたディジタル映像信号DVbのいずれかを選択して、ディジタル映像信号DVcとしてオンスクリーン表示処理部22に供給する。
オンスクリーン表示処理部22は、後述する制御部30からの制御信号CTに基づき、オンスクリーン表示信号を生成する。さらに、オンスクリーン表示信号と信号切換部21から供給されたディジタル映像信号DVcを合成して、ディジタル映像信号DVcに基づく映像にオンスクリーン表示信号に基づく映像を合成した映像のディジタル映像信号DVdを生成して信号処理部23に供給する。
信号処理部23は、オンスクリーン表示処理部22から供給されたディジタル映像信号DVdを用いてインタレース/プログレッシブ変換(I/P変換)処理や画素数変換処理等を必要に応じて行う。さらに、処理後の映像信号に対してシャープネス補正や色合い補正、ホワイトバランス補正、ノイズ除去等の画質改善処理を行い、ディジタル映像信号DVeとして映像出力処理部24に供給する。
映像出力処理部24には、例えばLCD(Liquid Crystal Display),PDP(Plasma Display Panel),EL(Electro Luminescence),陰極線管などの表示デバイスを用いて構成された表示部25が接続されている。映像出力処理部24は、ディジタル映像信号DVeに基づき、表示デバイスを駆動するための表示駆動信号DRvを生成して表示部25に供給する。このため、入力端子11に供給されたアナログ映像信号に基づく映像や、ディジタル入力インタフェース部15に供給されたDVI−I方式等のディジタル信号に基づく映像表示を行うことができる。
制御部30にはユーザインタフェース部31や記憶部32が接続されている。ユーザインタフェース部31はユーザ操作に応じた操作信号PSを制御部30に供給するものであり、例えば操作キーやリモートコントロール信号受信部等で構成されている。
記憶部32は、A/D変換部12におけるサンプリング位相を最適化するために用いられるデータを記憶する。
制御部30は、上述の各部と接続されている。制御部30は、ユーザインタフェース部31からの操作信号PSに基づき、制御信号CTを生成して各部に供給することで、映像表示装置の動作がユーザ操作に応じた動作となるように制御する。例えば、ユーザインタフェース部31から供給された操作信号PSによって、入力切換操作が行われたことが示されたとき、制御部30は、選択された信号に基づく映像表示が行われるように信号切換部21の動作を制御する。
また、制御部30は、入力端子11にアナログ映像信号SVaが供給されたとき、あるいはアナログ映像信号SVaに基づく映像表示を行うように信号切換部21を制御したとき、周波数計測部13から供給された計測結果MFと位相判別データ生成部16から供給された位相判別データPDに基づきクロック生成部14の動作を制御して、クロック生成部14からA/D変換部12に供給されるサンプリングクロックCKsの周波数設定や位相設定を行う。さらに、制御部30は、位相判別データPDに基づきアナログ映像信号SVaがサンプリング位相の設定に適した信号であることを判別したとき、サンプリング位相の再設定動作を行う。
次に、サンプリング位相の設定動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
制御部30は、入力端子11にアナログ映像信号SVaが供給されたとき、サンプリング位相の設定動作を開始する。例えば、周波数計測部13に同期信号SYが供給されて、周波数の計測が行われたことを制御部30で検出したときサンプリング位相の設定動作を開始する。
ステップST1で制御部30は、周波数計測部13から周波数計測結果MFを取得してステップST2に進む。
ステップST2で制御部30は、アナログ映像信号SVaの信号判別を行う。すなわち、制御部30は、ステップST1で取得した計測結果MFで示された水平周波数や垂直周波数からアナログ映像信号SVaの判別を行い、この判別結果に基づいてクロック生成部14を制御して、アナログ映像信号SVaに対応した周波数のサンプリングクロックCKsをA/D変換部12に供給させる。
ステップST3で制御部30は、サンプリング位相設定処理を行う。このサンプリング位相設定処理において、制御部30は、位相判別データ生成部16から位相判別データPDの取得と、クロック生成部14を制御してサンプリングクロックCKsの位相の可変処理を行い、位相判別データPDが最適なサンプリング位相であることを示す状態となるサンプリングクロックCKsの位相を判別して、この判別した位相にサンプリングクロックCKsを設定して、サンプリング位相設定処理を終了する。
ステップST4で制御部30は、アナログ映像信号SVaに基づいた映像表示を行う。例えば、制御部30は、A/D変換部12から出力されたディジタル映像信号DVaを信号切換部21で選択するように制御している場合、サンプリング位相設定処理が完了するまで映像出力処理部24から表示駆動信号DRvの出力を停止される。その後、サンプリング位相設定処理が完了してステップST4に進んだとき、映像出力処理部24から表示駆動信号DRvを出力させる。
ステップST5で制御部30は、位相判別データPDを取得してステップST6に進む。
ステップST6で制御部30は、位相判別データPDが閾値を超えているか否かを判別する。制御部30は、位相判別データPDが閾値を超えたことでサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたときステップST7に進み、位相判別データPDが閾値を超えておらずサンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されていないときはステップST5に戻る。この閾値は予め設定しておく、あるいは後述するように動的に変化させる。
例えば位相判別データPDとして隣接する画素間の信号レベル差や信号レベルの最大値を用いる場合、位相判別データPDが閾値を超えて大きくなったときはサンプリングクロックの位相をさらに最適化できるものとしてステップST7に進む。また、位相判別データPDとして信号レベルの最小値を用いる場合、位相判別データPDが閾値を超えて小さくなったときはサンプリングクロックの位相をさらに最適化できるものとしてステップST7に進む。
ステップST7で制御部30は、位相判別データPDは最初に取得した値を超えているか否かを判別する。制御部30は、位相判別データが最初に取得した値を超えていると判別したときステップST8に進み、位相判別データが最初に取得した値を超えていると判別されないときにステップST5に戻る。
ステップST8で制御部30は、サンプリング位相の再設定を行うように設定されているか否か判別する。制御部30は、ユーザによってあるいは初期設定によってサンプリング位相の再設定を行うように設定されているときにはステップST9に進み、サンプリング位相の再設定を行うように設定されていないときはサンプリング位相の設定動作を終了する。
ステップST9で制御部30は、サンプリング位相の再設定をユーザ指示に応じて行うか否かを判別する。制御部30は、ユーザによってあるいは初期設定によってサンプリング位相の再設定をユーザの指示に応じて行うように設定されているときにはステップST10に進み、ユーザの指示を必要とすることなく自動的にサンプリング位相の再設定を行うように設定されているときにはステップST13に進む。
ステップST10で制御部30は、サンプリング位相の再設定を行うか否かをユーザに選択させるための選択メニュー表示を行いステップST11に進む。例えば制御部30は、オンスクリーン表示処理部22を制御して「位相調整はしましたが、より最適な信号で再設定を行いますか?」等の表示を行い、サンプリング位相の再設定を行うか否かをユーザに選択させる。
ステップST11で制御部30は、サンプリング位相の再設定を行うか否かを判別する。制御部30は、ユーザによってサンプリング位相の再設定を行う指示がなされたときは選択メニュー表示を消去してステップST12に進み、サンプリング位相の再設定を行う指示がなされないときは選択メニュー表示を消去して、サンプリング位相の設定動作を終了する。
ステップST12で制御部30は、サンプリング位相の再設定回数がユーザによってあるいは初期設定によって予め設定されているM回目以下であるか否かを判別する。制御部30は、サンプリング位相の再設定回数がM回目以下であるときステップST14に進み、サンプリング位相の再設定回数がM回を超えるときサンプリング位相の設定動作を終了する。
ステップST9で自動的にサンプリング位相の再設定を行うように設定されていると判別されてステップST13に進むと、ステップST13で制御部30は、サンプリング位相の再設定回数がユーザによってあるいは初期設定によって予め設定されているN回目以下であるか否かを判別する。制御部30は、サンプリング位相の再設定回数がN回目以下であるときステップST14に進み、サンプリング位相の再設定回数がN回を超えるときサンプリング位相の設定動作を終了する。
ステップST14で制御部30は、ステップST3と同様にしてサンプリング位相設定処理を行いステップST5に戻る。
このようなサンプリング位相の設定動作を行うものとすれば、アナログ映像信号SVaの供給が開始されて最初にサンプリング位相設定処理が行われたとき、例えば図6に示すような輝度変化が滑らかで隣接画素間のレベル差が少ない映像であったために、サンプリング位相が最適な状態に設定されないときでも、その後アナログ映像信号SVaの映像が図8に示すように細かい文字や線が描画されている映像となって位相判別データPDが閾値を超えると、ユーザの指示に応じてあるいは自動的にサンプリング位相の再設定が行われる。このため、サンプリング位相が最適化されて細かい文字や線がボケを生じて表示されてしまうことを防止できる。
また、サンプリング位相の再設定の回数は、ユーザの指示に応じて行う場合にはM回以下、自動的に行うときはN回以下に制限することができるので、メニュー表示が頻繁に表示されたりサンプリング位相の再設定が頻繁に行われてしまうことを防止できる。また、「M」「N」の値をユーザが設定可能とすれば、サンプリング位相の再設定の回数を自由に設定できる。さらに、「M=0」「N=0」とすれば、従来と同じ動作も可能となる。
また、上述のサンプリング位相の設定動作では、入力端子11にアナログ映像信号SVaが供給されたとき、図3に示すサンプリング位相設定動作を開始するものとしたが、操作信号PSによって入力切換操作が行われたことを制御部30が判別して、信号切換部21でディジタル映像信号DVaを選択するように制御を行ったとき、サンプリング位相の設定動作を行うものとしてもよい。ここで、入力端子11にアナログ映像信号SVaが供給されたときにサンプリング位相の設定動作を開始すれば、例えば入力切換操作を行って、ディジタル映像信号DVbに基づく映像表示からアナログ映像信号SVaに基づく映像表示に切り換えたとき、細かい文字や線がボケを生じて表示されてしまうことを防止できる。また、入力切換操作を行って、アナログ映像信号SVaに基づく映像表示を行うときにサンプリング位相の設定動作を開始すれば、表示されている映像が最適となるようにサンプリング位相を設定できる。
さらに、アナログ映像信号SVaに基づく映像表示が行われているときに、ユーザの支持に応じてサンプリング位相の再設定を行うものとすれば、ディジタル映像信号DVbに基づく映像表示が行われているときに、メニュー表示が行われてしまうことを防止できる。
ところで、閾値が予め指定された値に固定されている場合、映像によっては位相判別データPDが閾値を超えることがなく、サンプリング位相の再設定を行うことができない場合が生じてしまうおそれもある。そこで、過去に入力されたアナログ映像信号SVaの位相判別データPDに基づいて閾値の設定および更新を行うことで、閾値を好ましい値に動的に変化させて、サンプリング位相の再設定を行えるようにしてもよい。
図4は閾値の設定動作を示すフローチャートである。ステップST21で制御部30は、図3のステップST5で取得した位相判別データPDが例えば隣接画素間のレベル差の累積値やディジタル映像信号DVaの信号レベルを示すとき最大値を保持する。 ステップST22で制御部30は、アナログ映像信号SVaの供給が終了したとき、ステップST21で保持した位相判別データPDの最大値を記憶部32に記憶する。
ステップST23で制御部30は、記憶部32に記憶されている位相判別データPDの最大値から閾値を決定する。この閾値の決定では、前回、アナログ映像信号SVaが入力されたときの位相判別データPDの最大値を閾値に設定したり、最大値に係数K(Kは1未満の値)を乗算して乗算結果を閾値に設定してもよい。また、記憶部32にアナログ映像信号SVaが複数回入力されたときの各回の位相判別データPDの最大値が記憶されているとき、この複数回の最大値の統計処理例えば平均値や分散等を求めて、平均値を閾値に設定するものとしたり、分散の状態に応じて平均値を補正して閾値に設定するものとする。なお、位相判別データPDがディジタル映像信号DVaの信号レベルを示すときは、アナログ映像信号SVaが複数回入力されたときの各回の位相判別データPDの最小値を記憶して、この記憶されている複数の最小値から閾値を設定する。
このようにすれば、過去に入力されたアナログ映像信号SVaに応じて閾値が動的に変化されることから、閾値はユーザ毎の使用状態に応じた値を示すものとなり、予め指定した値に固定する場合に比べて最適化することができる。
なお、上述の実施の形態では、映像表示装置について説明したが、表示部25を有しない映像信号処理装置にも適用できることは勿論である。
10・・・映像表示装置、11・・・入力端子、12・・・A/D変換部、13・・・周波数計測部、14・・・クロック生成部、15・・・ディジタル入力インタフェース部、16・・・位相判別データ生成部、21・・・信号切換部、22・・・オンスクリーン表示処理部、23・・・信号処理部、24・・・映像出力処理部、25・・・表示部、30・・・制御部、31・・・ユーザインタフェース部、32・・・記憶部
Claims (6)
- アナログ映像信号をサンプリングクロックでサンプリングしてディジタル映像信号に変換するA/D変換部と、
前記サンプリングクロックを生成するクロック生成部と、
前記A/D変換部から出力されるディジタル映像信号の輝度レベルから位相判別データを生成する位相判別データ生成部と、
前記位相判別データが最適な位相状態を示すように前記クロック生成部で生成される前記サンプリングクロックの位相を設定する制御部とを有し、
前記制御部は、前記アナログ映像信号の供給が開始されたとき、前記サンプリングクロックの位相を設定して、その後、前記位相判別データが予め設定されている閾値を超えたことで前記サンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、前記サンプリングクロックの位相を再設定する
ことを特徴とする映像信号処理装置。 - 前記制御部は、前記サンプリングクロックの位相の再設定が所定回数を超えたとき、前記位相判別データが予め設定されている閾値を超えても、前記サンプリングクロックの位相の再設定を行わないものとする
ことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。 - 前記位相判別データが予め設定されている閾値を超えたとき、前記サンプリングクロックの位相を再設定するか否かの選択メニューを表示する表示部を設け、
前記制御部は、前記表示部で選択メニューの表示が行われて、ユーザから再設定の指示がなされたとき、前記サンプリングクロックの位相を再設定する
ことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。 - 前記制御部は、前記アナログ映像信号の入力期間中に前記位相判別データ生成部で生成された位相判別データの最大値を記憶するものとして、次に前記アナログ映像信号が入力されたとき、前記記憶されている位相判別データの最大値から前記閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。 - アナログ映像信号をディジタル映像信号に変換して、該ディジタル映像信号の信号処理を行い、信号処理後の前記ディジタル映像信号に基づいて映像表示を行う映像表示装置において、
前記アナログ映像信号をサンプリングクロックでサンプリングして前記ディジタル映像信号に変換するA/D変換部と、
前記サンプリングクロックを生成するクロック生成部と、
前記A/D変換部から出力されるディジタル映像信号の輝度レベルから位相判別データを生成する位相判別データ生成部と、
前記位相判別データが最適な位相状態を示すように前記クロック生成部で生成される前記サンプリングクロックの位相を設定する制御部とを有し、
前記制御部は、前記アナログ映像信号の供給が開始されたとき、前記サンプリングクロックの位相を設定して、その後、前記位相判別データが予め設定されている閾値を超えたことで前記サンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、前記位相判別データが最適な位相状態であることを示すように前記クロック生成部で生成される前記サンプリングクロックの位相を再設定する
ことを特徴とする映像表示装置。 - アナログ映像信号をサンプリングクロックでサンプリングしてディジタル映像信号に変換するA/D変換部のサンプリング位相調整方法において、
前記A/D変換部から出力されるディジタル映像信号の輝度レベルから位相判別データを生成する工程と、
前記位相判別データが最適な位相状態を示すように前記クロック生成部で生成される前記サンプリングクロックの位相を設定する制御工程を設け、
前記制御工程では、前記アナログ映像信号の供給が開始されたとき、前記サンプリングクロックの位相を設定して、その後、前記位相判別データが予め設定されている閾値を超えたことで前記サンプリングクロックの位相をさらに最適化できることが示されたとき、前記サンプリングクロックの位相を再設定する
ことを特徴とするサンプリング位相調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007226838A JP2009060454A (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | 映像信号処理装置と映像表示装置およびサンプリング位相調整方法 |
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JP2007226838A JP2009060454A (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | 映像信号処理装置と映像表示装置およびサンプリング位相調整方法 |
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Cited By (1)
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CN111193959A (zh) * | 2018-11-15 | 2020-05-22 | 西安诺瓦星云科技股份有限公司 | 模拟视频信号处理方法和模拟视频处理装置 |
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2007
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Cited By (2)
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CN111193959A (zh) * | 2018-11-15 | 2020-05-22 | 西安诺瓦星云科技股份有限公司 | 模拟视频信号处理方法和模拟视频处理装置 |
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