JP2009058793A - 液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用集積回路装置および電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用集積回路装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 OC液晶装置におけるベンド転移拡大シーケンスを、特別な高耐圧回路を用いずに、通常動作時と同様の駆動方式を用いて無理なく実現すること。
【解決手段】 ベンド転移拡大シーケンス実行時には、画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させると共に、例えば帰線期間において保持容量線の電位を変化させ、保持容量と液晶容量のカップリングを利用して電荷の移動を生じさせて、液晶の両端電圧を拡大し、強い縦電界を無理なく生じさせる。
【選択図】 図17

Description

本発明は、液晶装置(特にOCB液晶を使用した液晶装置)、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用集積回路装置(液晶ドライバIC)および電子機器に関する。
液晶テレビジョンや液晶プロジェクタに代表される液晶装置の分野では、静止画はもとより動画の画質向上が求められており、液晶装置の応答速度を高くすることが不可欠である。近年では、応答速度の速いOCB(Optical Compensated Bend)液晶装置が注目されている。
OCB液晶を用いた液晶装置(以下、OCB液晶装置という)は、初期状態と表示動作状態とで液晶分子の配向が変化するようになっている。初期状態では液晶分子の配向が2枚の基板間でスプレイ状に開くように規制され(スプレイ配向)、表示動作状態では液晶分子の配向が2枚の基板間で弓なりに曲がるように規制される(ベンド配向)。
OCB液晶装置で画像表示や光変調を行う場合には、ベンド配向の状態で駆動電圧を印加する。ベンド配向の状態では、電圧を印加したときに液晶分子の配向が切り替わる時間がTNモードやSTNモードの場合に比べて短くなり、液晶層の光透過率を短時間で変化させることができ、高速応答が可能となる。
OCB液晶は、電圧が印加されていない状態では、スプレイ配向状態であり、例えば高電圧を印加することによりベンド配向状態となる。OCB液晶表示装置で、表示動作時には、液晶分子をベンド配向にする必要があり、液晶分子の配向をスプレイ状態からベンド配向状態へ変化させるためには、初期シーケンスを実行する必要がある。
初期シーケンスには、ベンド転移核形成シーケンスとベンド転移拡大シーケンスが含まれる。すなわち、まず、ベンド転移のための核(ベンド転移核)を形成し(ベンド転移核形成)、次に、その転移を周囲に伝搬させる(ベンド転移拡大)。
この初期シーケンスが完全に行われないと、表示不良の原因となる。OCB液晶装置の初期シーケンスの一例は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開−号公報 特開2001−83479号公報
ベンド転移拡大のためには、OCB液晶分子に強い電界を与える必要がある。本発明の発明者の実験によれば、ベンド転移拡大用の電圧が高電圧であればあるほど、ベンド転移拡大期間を短縮できることが明らかとなっている。
例えば、汎用のデータ線ドライバは最大で5V程度しか出力できないが、これを、例えば7Vの駆動にすることができれば、より短時間でベンド転移拡大シーケンスを終了させることができることになる。
この場合、通常動作時の駆動電圧(5V)よりも高い電圧(7V)を発生させるためには、高耐圧のデータ線ドライバを追加する必要がある。
しかし、ベンド転移拡大のためだけに新たに高耐圧のデータ線ドライバ設けることは、液晶ドライバICの構成を複雑化させ、かつ、このことはコスト高に直結する。
また、OCB液晶装置の初期シーケンス(ベンド転移核形成シーケンスおよびベンド転移拡大シーケンス)を実行する場合、一般には、高電圧の印加や、複雑な駆動シーケンスが必要とされており、OCB液晶装置の利便性を向上させる観点からは、ベンド転移核形成ならびにベンド転移拡大の一連の処理を通じて、無理のない合理的な方法の実現が望まれる。
特に、初期シーケンス時において、特別な高電圧を用いる必要がなければ、液晶ドライバの負担を格段に減らすことができる。また、OCB液晶装置の通常動作時の駆動態様と同様の駆動態様(通常動作時の駆動を踏襲した、特別な高電圧や複雑な処理を伴わない駆動方式)を採用できれば、駆動方式の一貫性を担保でき、液晶ドライバの負担を軽減でき、コスト削減が可能である。また、初期シーケンスのために通常動作時とはまったく異なる特別な処理を行う必要がなくなり、OCB液晶装置の使い勝手も向上する。
なお、上述の特許文献1では、横電界を用いて転移核を効率的に形成する技術が開示されているが、ベンド転移核を形成した後、どのように、無理なく転移を拡大するのかについての言及はない。
本発明はこのような考察に基づいてなされたものである。本発明の少なくとも一つの実施態様によれば、OCB液晶装置の速やかなベンド転移拡大を、特別な高耐圧ドライバを追加することなく実現できる。また、本発明の少なくとも一つの他の実施態様によれば、OCB液晶装置の初期シーケンス(ベンド転移核形成シーケンスおよびベンド転移拡大シーケンスを含む)において、特別な高電圧の印加や複雑な駆動シーケンスが一切不要であり、ベンド転移核形成ならびにベンド転移拡大の一連の処理を通じて、無理のない合理的なOCB液晶装置の駆動方法が実現される。すなわち、初期シーケンスを過大な高電圧を用いずに実現することができ、また、通常動作時と同様の順次駆動(例えば、線順次駆動や複数順次駆動)を用いて実現することが可能である。
(1)本発明の液晶装置の一態様では、対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、を有し、初期シーケンスを実行することによって前記液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させて表示または光変調を行う液晶装置であって、前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するとともに一端が保持容量線と接続された保持容量を含む画素回路と、前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極と、前記走査線、前記データ線、前記対向電極ならびに前記保持容量線を駆動するドライバと、前記表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を、前記ドライバに供給する制御部とを含み、前記初期シーケンスは、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスとを含み、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させると共に、前記保持容量線の電位を変化させて、前記保持容量と前記画素電極との間で電荷の移動を生じさせ、これによって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大する。
本態様では、ベンド転移拡大シーケンス実行時において、保持容量と液晶容量(画素電極と対向電極とによって挟持された液晶により構成される実質的な容量)とのカップリング(容量カップリング)による電荷移動を利用して、画素電極と対向電極間の電位差を拡大する(すなわち、容量カップリングを用いて、ベンド転移拡大電圧を昇圧する)。よって、特別な高耐圧データ線ドライバを用いなくても、既存のデータ線ドライバ(例えば、最大5V駆動の汎用データ線ドライバ)を用いて、通常駆動時よりも高い電圧(例えば7V)を発生させることができる。これによって、ベンド転移拡大期間を無理なく短縮することができ、回路の複雑化やコストアップが生じない。容量カップリングによる昇圧を行う場合には、保持容量の一端に接続された保持容量線の電位を変化させる。これによって、保持容量から液晶容量への電荷の移動、あるいは、液晶容量から保持容量への電荷の移動が生じ、これに伴い、液晶容量の印加電圧が昇圧(すなわち、画素電極と対向電極との間の電位差が拡大)される。
(2)本発明の液晶装置の他の態様では、前記液晶は、OCB(Optical Compensated Bend)液晶であることを特徴とする。
OCB液晶を用いる点を明らかとしたものである。
(3)本発明の液晶装置の他の態様では、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、書き込み期間において、前記画素回路に所定電圧を書き込み、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させ、前記書き込み期間に続く帰線期間において、前記保持容量と前記画素電極との間の電荷の移動によって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大し、かつ、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時における前記書き込み期間を、通常表示時おける書き込み期間よりも短くし、これによって、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時における前記帰線期間を、前記通常表示時における帰線期間よりも長くする。
容量カップリングを利用した電位差拡大(昇圧)を帰線期間に行い、かつ、ベンド転移拡大シーケンス実行時における帰線期間を、通常表示時における帰線期間よりも長く設定する。このことは、ベンド転移拡大シーケンス実行時における書き込み時間を、通常表示時における書き込み期間よりも短くすることによって実現される。ベンド転移拡大シーケンス実行時の書き込み期間には、例えば、通常5Vの電圧を液晶に印加しているところを、帰線期間には例えば、昇圧された7Vの電圧を液晶に印加されている。帰線期間を拡大することによって、昇圧された電圧(例えば7V)の電圧を印加する時間が長くなり、強い電界をより長く液晶分子に印加することができる。よって、ベンド転移拡大期間を、より短縮することができる。
(4)本発明の液晶装置の他の態様では、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時において、前記走査線を順次駆動する。
通常動作時と同様の順次駆動方式によって初期シーケンスを実現するものである。初期シーケンス時においても、通常動作時の駆動を踏襲した、特別な高電圧や複雑な処理を伴わない駆動方式を用いるため、駆動方式の一貫性を担保できる。よって、液晶ドライバの負担を軽減でき、コスト削減が可能となる。また、初期シーケンスのために通常動作時とはまったく異なる特別な処理を行う必要がなくなり、OCB液晶装置の使い勝手も向上する。
(5)本発明の液晶装置の他の態様では、順次駆動方式として、1本の走査線を順に駆動する線順次駆動方式を採用する。
液晶駆動に一般的に使用される線順次駆動方式を、ベンド転移拡大シーケンス実行時において採用するものである。通常動作時と初期シーケンス時の駆動方式の一貫性を担保することができる。通常動作時において水平ライン反転駆動(1水平ライン毎に駆動電圧の極性を反転する駆動)が可能である場合、ベンド転移拡大シーケンス実行時おいても水平ライン反転駆動を採用することができる。
(6)本発明の液晶装置の他の態様では、順次駆動方式として、同時に選択される複数本の走査線を単位として、順に前記走査線を駆動する複数本順次駆動方式を採用する。
通常動作時において複数本順次駆動が可能である場合、初期シーケンスにおいても複数本順次駆動を採用するができる点を明らかとしたものである。この場合、通常動作時と初期シーケンス時の駆動方式の一貫性を担保することができる。この場合、複数本の水平ラインを単位としたライン反転駆動を採用してもよい。
(7)本発明の液晶装置の他の態様では、順次駆動方式として、全部の走査線を同時に駆動する面順次駆動方式を採用する。
通常動作時において面順次駆動が可能である場合、初期シーケンスにおいても面順次駆動を採用することができる点を明らかとしたものである。この場合、通常動作時と初期シーケンス時の駆動方式の一貫性を担保することができる。この場合、フレーム毎に駆動電圧の極性を反転するフレーム反転駆動を採用してもよい。
(8)本発明の液晶装置の他の態様では、前記ベンド転移拡大シーケンスを、複数のフレーム期間にわたって繰り返し実行すると共に、前記ベンド転移拡大シーケンス実行期間は、前記ベンド転移核形成シーケンス実行期間よりも長く設定される。
ベンド転移核拡大シーケンスを複数のフレーム期間にわたって繰り返して実行することによって、各画素に所定電圧を所定時間以上、印加することができ、ベンド転移拡大を確実に実現させることができる。また、ベンド転移拡大のためには、ベンド転移核形成よりも多くのエネルギが必要であるため、ベンド転移拡大シーケンス実行期間は、ベンド転移核形成シーケンス実行期間よりも長く設定する。
(9)本発明の液晶装置の他の態様では、前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、前記画素電極と前記走査線との間の電位差によって横電界を発生させる。
ベンド転移核形成時には、OCB液晶に、局所的な強い横電界を印加することによってディスクリネーション(液晶分子の配向が不連続となる欠陥領域:ディスクリネーションラインという)が発生し、そのディスクリネーションがベンド転移核となる。本態様では、ベンド転移核形成時には、画素電極と走査線との間の局所的な強い横電界によって液晶分子にディスクリネーションを生じさせる。よって、特別な高耐圧回路を設けることなく、ベンド転移核を確実に形成することができる。
(10)本発明の液晶装置の他の態様では、前記ベンド転移核形成シーケンス実行時において、前記走査線(X)に第1極性の第1電圧を与え、前記データ線(Y)に、前記第1極性とは反対の極性である第2極性の第2電圧を与え、これによって、前記画素電極と前記走査線との間に、前記第1電圧と前記第2電圧の差に相当する電位差を生じさせて横電界を発生させる。
ベンド転移核形成シーケンス実行時において、例えば、走査線に正の第1電圧、画素電極に負の第2電圧を与えることによって、結果的に両電圧の差に相当する電位差(すなわち、第1電圧+第2電圧)による強い横電界を生じさせ、これによって、ベンド転移核を確実かつ速やかに形成するものである。各電圧の絶対値はそれほど大きくなくても、極性を異ならせることによって大きな電位差を発生させることができ、ベンド転移核形成シーケンス時においても、特別な高耐圧回路を設けることなく、強い横電界を発生することが可能となる。上述のとおり、ベンド転移拡大シーケンス実行時には、容量カップリングによる昇圧を行うことによって強い縦電界を無理なく生じさせることができる。本態様によれば、ベンド転移核形成ならびにベンド転移拡大を通じて、無理なく高電界を生じさせることができる。よって、回路構成を複雑化させずに、確実かつ速やかな初期転移を実現することができる。
(11)本発明の液晶装置の駆動方法の一態様では、対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するための、保持容量線にその一端が接続された保持容量を含む画素回路と、前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極と、を有し、初期シーケンスを実行することによって前記液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させて表示または光変調を行う液晶装置の駆動方法であって、前記初期シーケンスは、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスとを含み、前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、前記画素電極と前記走査線との間の電位差によって横電界を発生させ、前記横電界を用いてベンド転移核を形成し、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させると共に、前記保持容量線の電位を変化させて、前記保持容量と前記画素電極との間で電荷の移動を生じさせ、これによって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大する。
ベンド転移核形成時には画素電極と走査線間の電位差による横電界によってディスクリネーションを生じさせ、次に、ベンド転移拡大時には、画素電極と対向電極間の電位差による縦電界によってベンド転移を拡大し、このとき、容量カップリングによる昇圧を行うことによって強い縦電界を無理なく生じさせることができ、ベンド転移拡大期間を短縮することができる。これにより、ベンド転移核形成ならびにベンド転移拡大の一連の処理を通じて、無理のない合理的な新規な液晶駆動方法が実現される。すなわち、ベンド転移核形成およびベンド転移拡大の各シーケンスは、走査線、データ線ならびに対向電極の各々に印加する電圧のレベルおよび電圧印加タイミングを制御するという、一般的な液晶駆動方式によって実現でき、初期シーケンスのために特別な回路を設ける必要はない。よって、液晶ドライバを簡素化でき、液晶装置の低コスト化が達成される。また、OCB液晶装置の通常動作時の駆動態様と同様の駆動態様(通常動作時の駆動を踏襲した、特別な高電圧や複雑な処理を伴わない駆動方式:例えば線順次駆動)を採用することができ、駆動方式の一貫性を担保でき、液晶ドライバの負担を軽減でき、コスト削減が可能である。また、初期シーケンスのために通常動作時とはまったく異なる特別な処理を行う必要がなくなり、OCB液晶装置の使い勝手も向上する。
(12)本発明の液晶装置の駆動方法の他の態様では、前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、前記走査線に第1極性の第1電圧を与え、前記データ線に、前記第1極性とは反対の極性である第2極性の第2電圧を与え、これによって、前記画素電極と前記走査線との間に、前記第1電圧と前記第2電圧の差に相当する電位差を生じさせて横電界を発生させ、かつ、前記対向電極に、前記第2極性の第2電圧を与え、これによって、前記対向電極と前記画素電極との間の電位差を無くして縦電界が生じないようにし、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、書き込み期間において、前記データ線および前記対向電極の各々に異なる電圧を与えて、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させ、前記書き込み期間に続く帰線期間において、前記保持容量線の電位を変化させて、前記保持容量と前記画素電極との間で電荷の移動を生じさせ、これによって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大する。
本態様の液晶装置の駆動方法では、ベンド転移核形成時の横電界発生に際し、走査線と画素電極の各々に印加する電圧の極性を逆にして電位差を無理なく拡大する点、横電界をかけるときは、画素電極と対向電極間の電位差をなくして縦電界が生じないようにする点、ならびに、ベンド転移拡大時における帰線期間において、容量カップリングを用いて、画素電極と対向電極間の電位差の拡大(昇圧)を行う点、を明らかとしている。横電界発生時における電位極性を逆にする効果ならびに縦電界発生時における昇圧を行うことの効果は上記のとおりである。横電界発生時において、縦電界を零にするのが好ましいは以下の理由による。すなわち、余分な縦電界を発生させれば、その分だけ、横電界の発生のために使用できるエネルギが減少してしまう。また、縦電界がベンド転移核形成に、何らかの悪影響を与える可能性も否定できない。よって、横電界によるベンド転移核形成時には、縦電界を0にして、可能な限り高い電界を局所的に発生させることに集中するのが好ましい。但し、本発明はこの点に限定されるものではない。例えば、実際には、何らかの駆動上の理由によって、若干の縦電界が発生することもあり得る。また、デバイスの段差によって走査線と画素電極とが略水平に位置しないとき、走査線と画素電極間に電位差を与えれば、必然的に縦電界成分が発生する。これを打ち消すために、意図的に逆方向の縦電荷を生じさせるという場合も考えられる。このような場合も本発明の技術的範囲に含まれる。但し、横電界発生時において、同時に縦電界が生じる場合があるとしても、あくまで局所的な横電界が主であり、縦電界強度が横電界強度を上回ることはない。
(13)本発明の他の態様の液晶装置の駆動方法では、前記初期シーケンスでは、前記走査線を順次駆動すると共に、前記ベンド転移核形成シーケンスを、所定の複数のフレーム期間にわたって繰り返し実行すると共に、前記ベンド転移拡大シーケンスを、所定の複数のフレーム期間にわたって繰り返し実行し、かつ、前記ベンド転移拡大シーケンスが繰り返し行われる期間を、前記ベンド転移核形成シーケンスが繰り返し行われる期間よりも長く設定する。
順次駆動の採用によって、通常動作時と初期シーケンス時における駆動方式の一貫性を保つことができる。初期シーケンスを複数のフレーム期間にわたって繰り返すことによって、各画素に所定電圧を所定時間以上、印加することができ、これによって、ベンド転移核形成および拡大を確実に実現させることができる。また、ベンド転移拡大には、より多くのエネルギ供給が必要であるため、ベンド転移拡大シーケンスが繰り返し行われる期間を、ベンド転移核形成シーケンスが繰り返し行われる期間よりも長く設定する。
(14)本発明の液晶駆動用集積回路装置の一態様では、前記走査線、前記データ線と、前記対向電極と、前記保持容量線を駆動するドライバと、前記表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を、前記ドライバに供給する制御部と、を有し、本発明の液晶装置の駆動方法を実行する。
これによって、特別な高耐圧を必要とせず、簡素化された回路構成をもち、かつローコストのOCB液晶駆動用ICが実現される。
(15)本発明の電子機器は、本発明の液晶装置を有する。
本発明の液晶装置は、簡素化された構成をもち、OCB液晶の初期転移を無理なく、効率的に実現できる。よって、本発明の液晶装置を搭載する電子機器も、小型かつローコストという利点を享受することができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る液晶装置の第1実施形態について説明する。本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと略する)をスイッチング素子として用いたTFTアクティブマトリックス方式のOCB液晶装置の例を挙げて説明する。
(OCB液晶装置の初期シーケンスの概要)
まず、OCB液晶装置の動作の概要を説明する。図1は、OCB液晶装置における電源投入時から画素表示までのシーケンスの概要を示す図である。
図示されるように、電源投入時には、アレイ基板1上に積層された配向膜2と、対向基板3と積層して設けられた配向膜4との間に介在する液晶層を構成する液晶分子51の配向がスプレイ配向状態(状態S10)になっている。
そして、電源投入を行った後、初期シーケンスSAが実行される。すなわち、まず、ベンド転移核形成シーケンスSA1においてベンド転移核を形成し、ベンド転移拡大シーケンスSA2において、ベンド転移核形成ステップSA1で形成されたベンド転移核を拡大させる。液晶装置の液晶分子51がすべてベンド配向状態(状態S20)となり、これによって、画像表示(あるいは画像データに応じた光変調)が可能となる。
すなわち、電極間の電圧をVoffとVonとの間で切り換えることによって、例えば白表示および黒表示が行われる。
次に、本発明のOCB液晶装置における初期シーケンスSAについて具体的に説明する。図2(A)〜図2(D)は、本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスでの液晶分子の配向状態を示す図である。
OCB液晶装置では、電源投入時、すなわち、その初期状態においては、図2(A)に示すように液晶分子の配向がスプレイ配向状態になっており、表示動作時には図2(D)に示すように液晶分子の配向がベンド配向状態になっている。
以下に図2(A)から図2(D)に至る過程について説明する。なお、各図においては、ベンド配向への転移経過を解かりやすくするために液晶分子の配向状態を簡略して図示している。
図示されるように、初期シーケンスSAには、横電界によるベンド転移核形成シーケンスSA1と、縦電界によるベンド転移拡大シーケンスSA2とが含まれる。
OCB液晶装置においては、画素電極と対向電極との間、画素電極と走査線との間にそれぞれ電圧が印加されない状態(あるいは非選択電圧印加時)には、図2(A)に示すように液晶分子51はスプレイ配向状態(状態S10)となっている。
そして、電源が投入されてから、走査線に電圧が印加されると、画素電極と走査線の電位が異なるため、画素電極とこれに対向する走査線との間に横電界が生じることとなる。このとき、画素電極と対向電極の電位が同じになるようにして縦電界は発生させないようにするのが好ましい。但し、これに限定されるものではない。
したがって、図2(B)に示すように、横電界によって配向不良に起因するディスクリネーションライン(液晶分子の配向が不連続となる欠陥領域)が発生する。すなわち、液晶分子51の一部の液晶分子NBが図2(B)に示すようにNBがベンド転移核となり、液晶分子がベンド転移核形成状態(状態SC1)となる。
次に、画素電極と対向電極との間に電位差を生じさせることにより、画素電極と対向電極との間に縦電界が発生する。これによって、横電界の影響を受けて配向した液晶分子NBをベンド転移核として、それらの液晶分子NBの周りにベンド配向が伝搬することで、図2(C)に示すように、液晶分子がベンド転移拡大状態(状態SC2)となる。
そして、このベンド転移拡大が進行して、すべての液晶素子51に伝搬することにより、図2(D)に示すように、液晶分子がベンド配向状態(状態S20)となる。
このように、本発明においては、初期シーケンスSAにおいて、電圧印加時における、走査線と画素電極間に生じる横電界によりベンド転移核を発生させ(ベンド転移核形成シーケンスSA1)、次いで、画素電極と対向電極との間に生じる縦電界によって前記ベンド転移核を拡大させる(ベンド転移拡大シーケンスSA2)ことで、画像表示領域全体がベンド配向を維持した状態で画像表示を行うようにしている。
次に、本発明のOCB液晶装置における初期シーケンスの概要について説明する。図3は、本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスの概要を説明するための図である。
図3の上側に示されるように、まず、電源をオンする(ステップSP)。これによって本発明のOCB液晶装置は初期シーケンスSAを実行する。
初期シーケンスSAとしては、ベンド転移核形成シーケンスSA1とベンド転移拡大シーケンスSA2とがある。
ベンド転移核形成シーケンスSA1においては、走査線と画素電極間の横電界を生じさせる(F1)。このとき、好ましくは、画素電極と対向電極の間には縦電界を生じさせないようにする(F2)。
すなわち、ベンド転移核形成のためには、走査線と画素電極との間に電位差を与えて局所的な強い横電界を発生させる必要があるが、このとき、余分な縦電界を発生させれば、その分だけ、横電界の発生のために使用できるエネルギが減少してしまう。また、縦電界がベンド転移核形成に、何らかの悪影響を与える可能性も否定できない。よって、横電界によるベンド転移核形成時には、縦電界を0にして、可能な限り高い電界を局所的に発生させることに集中するのが好ましい。
但し、本発明が、この点に限定されるものではない。例えば、実際には、何らかの駆動上の理由によって、若干の縦電界が発生することもあり得る。また、デバイスの段差によって走査線と画素電極とが略水平に位置しないとき、走査線と画素電極間に電位差を与えれば、必然的に縦電界成分が発生する。これを打ち消すために、意図的に逆方向の縦電荷を生じさせるという場合も考えられる。このような場合も、本発明の技術的範囲に含まれる。但し、横電界発生時において、同時に縦電界が生じる場合があるとしても、あくまで局所的な横電界が主であり、縦電界強度が横電界強度を上回ることはない。
また、好ましくはデータの書き込みについては順次駆動を行う(F3)。このとき、線順次、複数本線順次、面順次の各駆動方式を採用することができる。
線順次駆動方式は、1本の走査線に接続された各画素回路に対して順に画像データの書き込みを行う駆動方式である。
複数順次方式は、複数本の走査線を同時にアクティブにし、それらの複数本の走査線に接続される画素回路に対して同時に画像データ書き込みを行い、この動作を順に行う駆動方式である。n本の走査線を同時に駆動する方式をとれば、画像データの書き込み速度はn倍になる。よって、1フレーム期間が固定されているとすれば、各画素に電圧を印加する時間をn倍にすることができるという利点がある。
また、面順次方式は、全走査線を同時にアクティブにして、一括して画像データ書き込みを行う方式である。一般的な駆動方式とはいえないが、例えば、液晶装置の検査のために面順次駆動が可能となっている場合があり、この場合には、初期シーケンス時に面順次駆動を活用することができる。
また、走査線と画素電極間の横電界を発生させる際に、走査線と画素電極の各々に与える電圧の極性を異ならせることによって、電位差を拡大することが好ましい(F4)。例えば、画素電極に正の第1電圧を印加し、走査線には負の第2電圧を印加する。第1電圧および第2電圧の絶対値はそれほど大きくなくても、電位極性が異なることから、電位差は、第1電圧と第2電圧の和に拡大される。よって、特別な高電圧を発生させなくても、ベンド転移核形成に必要な強い横電界を無理なく生じさせることができる。
また、上述の動作を複数フレームにわたって、同様の駆動を繰り返すのが好ましい(F6)。このときの繰り返し期間Tcfは、例えば、100msにすることができる。
また、走査線と画素電極が互いに近接するレイアウトとし、断面構造上、略水平位置になるように段差を調整することが好ましい(F5)。この場合、強い横電界を容易に発生することが可能となる。
次に、ベンド転移拡大シーケンスSA2が行われる。これによって、ベンド転移核形成シーケンスSA1により形成されたベンド転移核は周辺にまですみやかに拡大される。
ベンド転移拡大シーケンスSA2においては、まず、画素電極と対向電極との間に電位差を生じさせて、画素電極と対向電極との間に縦電界を発生させる(F10)。そして、好ましくは、順次駆動を行う(F11)。
そして、データ書き込みが終了した後の帰線期間において、容量結合を利用して画素電極と対向電極間の電位差を拡大(昇圧)する(F12)。すなわち、コモン線の電位と保持容量線の電位を個別に制御し、帰線期間中に保持容量線の電位を制御することで、例えば、カップリングされた保持容量と液晶容量との間で電荷を移動させることによって、画素電極と対向電極間の電位差を拡大(昇圧)する。すなわち、保持容量にチャージされた電荷を画素電極側に移動させ、あるいは、逆に、液晶容量側から保持容量に電荷を移動させることによって、画素電極と対向電極間の電位差を例えば5Vから7Vへと無理なく拡大(昇圧)することができる。
データの書き込みについては、線順次、複数本順次、面順次は問わず、いずれの順次駆動も選択することができる。そして、好ましくは、複数のフレーム期間にわたって、同様の駆動を繰り返す(F13)。このとき、繰り返し期間Tenは、前述のベンド転移核形成シーケンスSA1における操作F6の繰り返し期間Tcfよりも大きくし、例えば、500msにすることができる。
以上の操作により、ベンド転移核形成シーケンスにおいて発生したベンド転移核の拡大を促進させるベンド転移拡大シーケンスが行われ、以後、画像表示シーケンス(SB)に移行する。
(液晶装置の構成例)
図4は、本発明の液晶装置の構成例を示す図である。図示されるように、OCB液晶装置502は、電子機器(例えば携帯端末)500に搭載されている。
電源スイッチ510は、電子機器500の電源オン/オフを切り換えるスイッチである。メイン制御回路520は、映像信号と電源スイッチ510からの出力を受けて各部へクロック信号clk、データ信号data、電源オン/オフの状態等の情報を持つステータス信号Statusを送出する。
メイン制御回路520から送出されたデータ信号dataはバックライト530に入力されるとともに、制御部540における画像処理回路544にも入力され、この画像処理回路544にはクロック信号clkおよびステータス信号statusが供給される。
画像処理回路544において、液晶装置502の動作を制御する制御信号を生成し、この制御信号がタイミング制御回路542に入力されて液晶装置502におけるさまざまな動作タイミングが制御されてYデータ信号Ydata、Yクロック信号Yclk、Xデータ信号XdataおよびXクロック信号Xclkが生成される。
タイミング制御回路542から出力されたYクロック信号YclkおよびYデータ信号Ydataが走査線ドライバ560に入力されることによって、走査線ドライバ560はYクロック信号YclkおよびYデータ信号Ydataに基づいて走査線X1〜X6を順次選択する。上述のとおり、線順次駆動方式や複数本順次駆動方式等を採用できる。
一方、タイミング制御回路542から出力されたXクロック信号XclkおよびXデータ信号Xdataがデータ線ドライバ570に入力されることによって、データ線ドライバ570はXクロック信号XclkおよびXデータ信号Xdataに基づいてデータ線Y1〜Y6を順次選択する。
このようにして選択された走査線Xに対し、データ(Y1〜Y6)を選択することで各画素回路Gにデータが書き込まれる。ここで、データ線ドライバ570では、他にメイン制御回路520から送出されたステータス信号statusを受信し、電源スイッチ510の状態を認識できるようになっている。
このようにして、液晶装置502における各画素回路が選択されて、画像データの書き込みが行われる。上述のとおり、画像データの書き込みは、線順次、複数本線順次、面順次のいずれの方法を用いても行うことができる。
一方、電源回路550により、走査線ドライバ560、データ線ドライバ570、コモンドライバ580、容量線ドライバ581の電源オン/オフが制御されており、データ書き込み時にはそれぞれがオンするように制御されている。
よって、電源が投入されると、電源回路550もオンし、走査線ドライバ560、データ線ドライバ570、コモンドライバ580、容量線ドライバ581がオンして、各ブロックへ所定の電圧を供給することにより、初期シーケンスSAを行い、次いで、画像表示シーケンスSBを行うことで、画素アレイ(画像表示部)590に画像が表示される。
(液晶駆動用ICの構成例)
次に、本発明の液晶装置の画素回路への画像データの書き込みを制御する液晶駆動IC(液晶駆動用集積回路装置)の構成例について説明する。
図5は、液晶駆動用ICの構成例を示す図である。液晶駆動用IC650は、図4の液晶装置502内に搭載される。すなわち、液晶駆動用IC650には、図4の液晶装置502における画素アレイ590以外の回路部分が集積される。
液晶駆動IC650は、電源回路652と、情報記憶用メモリとしてのRAM654と、アクティブマトリックス基板600外、すなわち、電子機器におけるメイン制御回路520からの信号を受ける制御部653と、制御部653からの信号を受けて液晶装置側へ信号を送出する走査線ドライバ651と、データ線ドライバ656と、コモンドライバ655と、容量線ドライバ657を備える。データ線ドライバ656,コモンドライバ655,容量線ドライバ657をもつことによって、データ線(Y)、コモン線(Lcom)および保持容量線(LR:単に容量線という場合がある)の各々の電位を個別に制御することができる。
制御部653はゲートアレイGAであって、画像データをデータ線ドライバ656に供給し、また、各ドライバ(651,656,655,657)に制御信号を与えて各ドライバの動作を制御する。
具体的には、例えば、以下のような制御が行われる。すなわち、通常動作時には、電源回路652から、走査線に対して−5V、データ線に対しては−5V、コモン線に対しては−5V、容量線に対しては−5Vの電圧を供給し、ベンド転移核形成シーケンスにおいては、電源回路652から走査線に対して11V、データ線に対しては−5Vを供給することで、選択された走査線およびデータ線と接続された画素に対して16Vの電圧を印加することでデータ書き込みを行い、走査線と画素電極との間に横電界を発生させて、ベンド転移核形成を促進する。
また、ベンド転移拡大シーケンスにおいては、電源回路652は、走査線に対して−5Vまたは11V,データ線に対して2Vまたは5V、コモン線に対して0Vまたは7V、容量線に対して0Vまたは7Vの電圧を印加することで、画素電極と対向電極との間に5Vを印加して縦電界を発生させた後、帰線期間に、液晶の容量カップリングにより5Vの縦電界を7Vに昇圧して、ベンド転移核形成シーケンスにおいて発生したベンド転移核の拡大を促進させてベンド配向状態となるようにさせる。
通常動作において使用する、走査線を選択するための走査線ドライバ、データ線を選択するためのデータ線ドライバを、コモン線を制御するためのコモンドライバ、容量線を制御するための容量線ドライバを用いて印加電圧を制御することで初期シーケンスを行うことができる。
(液晶駆動用ICにおける使用電圧について)
図5に示されるように、各走査線に供給される電圧は、例えば、−5V〜11Vであり、各データ線に供給される電圧は−5V〜7V程度であり、コモン線および容量線に供給する電圧はそれぞれ−5V〜7V程度である。すなわち、最大で11V程度の電圧を扱うことができればよく、特別な高電圧は不要であり、ICの実現が容易であると共に、液晶駆動用ICの低コスト化に有利である。
(横電界によるベンド転移核形成を実現するための画素構成)
図6は、本発明の液晶装置の画素部の構成の一例を示す図である。
図示されるように、マトリックス状に配置された複数の画素には、画素電極9がそれぞれ形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うスイッチング素子であるTFT素子Mが形成されている。TFT素子Mのソースには、データ線Y1〜Ynが電気的に接続されている。各データ線Y1〜Ynには画像信号が供給される。なお画像信号は、各データ線(Y1〜Yn)に対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線(Y1〜Yn)に対してグループ毎に供給してもよい。
TFT素子Mのゲートには、走査線X1〜X3が電気的に接続されている。走査線X1〜X3には、所定のタイミングでパルス的に走査信号が供給される。なお、走査信号は、各走査線X1〜X3に対してこの順に線順次で印加される。また、TFT素子Mのドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。このTFT素子M、保持容量C、画素電極9により画素回路(G1a〜G1n、G2a〜G2n、Gna〜Gnn)が構成されている。そして、走査線(X1〜X3)から供給された走査信号により、スイッチング素子であるTFT素子Mを一定期間だけオン状態にすると、データ線(Y1〜Y4)から供給された画像信号が、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号は、画素電極9と後述する対向電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号がリークするのを防止するため、画素電極9と容量線(LR1〜LR3)との間に保持容量Cが形成され、液晶容量と並列に接続されている。このように、液晶に電圧が印加されると、その電圧レベルにより液晶分子のベンド配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
初期シーケンスSAのための電圧印加を行う際にも、画像表示動作の場合と同様に、データ線に初期シーケンス用信号を供給し、走査線に走査信号を供給して表示領域内の複数の画素を駆動する。
初期シーケンスにおけるベンド転移核形成のための強い横電界は、走査線と画素電極を近接して配置することによって実現される。以下、走査線と画素電極とを極めて近接して配置したデバイス構造の例について説明する。
(近接して配置された走査線および画素電極付近の断面構造例)
図7は、近接して配置された走査線および画素電極付近のデバイスの断面構造例を示す図である。
図示されるように、TFT領域Z1において、ガラスや石英などの透光性材料からなる基板700上に、層間絶縁膜702を介して、ポリシリコンなどからなる導電膜によりソース・ドレイン領域704が形成されている。ソース・ドレイン領域704上に層間絶縁膜706が形成されるとともに、ソース・ドレイン領域704はスルーホールにより層間絶縁膜706上に形成された第一メタル配線層710と接続されている。
そして、ソース・ドレイン領域704の上方かつ中央部の第一メタル配線層710はTFTスイッチング素子のゲート電極となる。さらに第一メタル配線層710上に層間絶縁膜708が形成され、この層間絶縁膜708上に第二メタル配線層(走査線)712が形成されているとともに、層間絶縁膜708にスルーホールが設けられて、第一メタル配線層710と前記第二メタル配線層712は接続されている。すなわち、第一メタル配線層710上の第二メタル配線層712は、走査線となる。さらに第二メタル配線層712上に層間絶縁膜714が形成されているとともに層間絶縁膜714上にITO(インジウム錫酸化物)などの透明導電材料からなる画素電極715が形成され、スルーホールを介して第二メタル配線層712と接続されている。
また、ドレインと電気的に接続された第二メタル配線層712は画素電極715と電気的に接続されている配線である。第二メタル配線層712、層間絶縁膜714、画素電極715で、保持容量Cが形成されている。
保持容量領域Z2においては、基板700上に、層間絶縁膜702を介して、ポリシリコンなどからなる導電膜704が形成されている。この導電膜704はソース・ドレイン領域形成時に同時に形成されるものであって、TFT領域Z1における配線層との段差をなくすために設けられた層である。
そして、TFT領域Z1と同様に、導電膜704上に層間絶縁膜706が形成され、層間絶縁膜706上に第一メタル配線層710が形成されている。さらに第一メタル配線層710上に層間絶縁膜708が形成され、この層間絶縁膜708上に第二メタル配線層712(容量線LR)が形成されるとともに、層間絶縁膜708にスルーホールが設けられて、第一メタル配線層710と前記第二メタル配線層712は接続されている。
さらに第二メタル配線層712(容量線LR)上に第一メタル配線層710が形成されるとともに第一メタル配線層710上に画素電極715が形成され、第二メタル配線層712と画素電極715との間で保持容量Cが形成されている。
走査線領域Z3において、基板700上に層間絶縁膜702が形成され、さらに第一メタル配線層(走査線)710が形成される。そして、第一メタル配線層(走査線)710上に導電膜704が形成され、さらに導電膜704上に第二メタル配線層(走査線)712が形成されており、スルーホールによって第一メタル配線層710と接続されている。そして、第二メタル配線層(走査線)712上には層間絶縁膜714が形成されている。
そして、TFT領域Z1、走査線領域Z3においては層間絶縁膜714上、保持容量領域Z2においては画素電極715上、すなわち、アレイ基板上には、カラーフィルタ基板が形成され、アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に挟持されたOCB液晶716を有する。
カラーフィルタ基板においては、ITO膜718上にオーバーコート層720が形成され、さらにカラーフィルタ層722、次いでブラックマトリックス層724が形成されている。
ここで、図7において、保持容量領域Z2と走査線領域Z3との間の領域においては、画素電極715と、走査線領域Z3における第二メタル配線層712は、略同一の高さ位置において相互の距離が極めて短くなるように配置されている。よって、前記画素電極715の端部J1と、前記第二メタル配線層712の端部J2とのベンド転移核形成のための強い横電界EHを効率的に発生させることができる。
また、画素電極715とITO膜(対向電極)718間に電位差を生じさせれば、ベンド転移核拡大に必要な縦電界EVを発生させることができる。
(横電界を利用したベンド転移核形成のための駆動方式の具体例)
図8〜図13を用いて、横電界を利用したベンド転移核形成のための駆動方式の具体例について説明する。
図8はベンド転移核形成シーケンスにおける具体的な駆動方式の一例を説明するための図である。ここでは、m行n列のマトリクス状に配置された画素を、線順次駆動する場合を想定する。なお、各画素に記載されている数字は、走査線と画素電極間の電位差を表している。
図示されるように、まず、1行目の画素列に対して16Vの横電界が印加される。同様の動作が各行の画素列に対して行われる。m行目の画素列に対する横電界の印加が終了すると、1フレーム期間が終了する。
以後、合計で6フレーム期間(1フレーム期間が1/60秒とすると、100ms)にわたって同様の動作を繰り返す。
これによって、各画素に、所定電圧による横電界が所定時間以上印加されることになり、これによって、ディスクリネーション(ベンド転移核)が確実に形成される。
(ベンド転移核形成シーケンス例1)
図9は、ベンド転移核形成シーケンス例1を説明するためのタイミング図である。ベンド転移核形成シーケンス例1では、選択されている走査線(アクティブレベルの走査線)と画素電極との間の電位差を用いて、ベンド転移核形成のための横電界を発生させる。以下、具体的に説明する。
1フレーム中の書き込み期間(時刻t1〜t5)においてはデータ線(奇数)およびデータ線(偶数)Y1〜Ynには−5Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、対向電極、保持容量線にも同様に−5Vの電圧が印加される。
最初の1水平帰線期間(1H)が開始される時刻t1において走査線X1が選択され、走査線X1には11Vの電圧が印加されることで、走査線と画素電極との間の電位差は16V(=11V+5V)となる。走査線と画素電極の電位極性を逆にしているため、電圧の絶対値自体はそれほど大きくなくても、各々の電圧の和の電位差が生じることになり、よって、強い横電界を無理なく発生させることができる。
そして、次の1水平帰線期間(1H)が開始される時刻t2においては、走査線X2を選択するため、走査線X1の電圧は−5Vにされるとともに、走査線X2の電圧は11Vとされる。同様の動作が繰り返されて、m番目の水平帰線期間において走査線Xmが選択されて走査線Xmに11Vの電圧が印加されることによって、全走査線に対する1回目の電圧印加が終了する。
このとき、データ線Y1〜Ynの電位は−5Vであるとともに、対向電極電位が−5Vであるから、画素電極と対向電極との間の電位差は0であり、すなわち、縦電界は発生しない。したがって、図7で説明したような複雑かつ強い横電界のみを液晶層(OCB液晶)に印加することができ、これによって、ベンド転移核を確実に形成することができる。
時刻t5〜t6までは帰線期間である。時刻t6に1フレームを終了する。そして、この一連の操作を6フレーム分(100ms分)繰り返し行うことでベンド転移核形成シーケンスが終了する。
このベンド転移核形成シーケンス例1における画素回路の横電界および縦電界の様子を図10に示す。図10(A),図10(B)は、図9に示されるベンド転移核形成シーケンス例1における画素回路の横電界および縦電界の様子を示す図である。
図10においては、ゲートが走査線Xと接続され、ソースがデータ線Yと、ドレインが保持容量Cおよび画素電極9と接続されたN型のTFTスイッチング素子Mと、保持容量Cと並列に接続された液晶LCを有する画素回路が示されている。
図10(B)は、TFTスイッチング素子Mがオフのときの電界を示している。すなわち、図10(B)では、走査線Xの電位が−5V、データ線電位が−5VとなりTFTスイッチング素子Mがオフする。また、コモン線Lcomの電位が−5Vとされる。よって、横電界および縦電界は共に0である。
次に、図10(A)に示すように、初期シーケンスにおいて、ベンド転移核形成シーケンスで書き込み期間に入ると、走査線Xが選択され、走査線Xには11Vの電位が印加されるとともに、データ線Yには−5Vの電位が印加される。すると、TFTスイッチング素子Mがオンし、TFTスイッチング素子Mのドレインの電位、すなわち画素電極9の電位は−5Vとなり、走査線Xの電位と画素電極9との間で16V(11V+5V)の横電界が発生する。
このとき、画素電極9の電位が−5Vであってコモン線Lcomの電位が−5Vであるから、画素電極9と容量線LRとの間に電位差はなく、よって、画素電極9と対向電極11との間の縦電界は0Vとなる。
このように、本シーケンス例1では、16Vの電位差による強い横電界を、無理なく発生させることができる。
(ベンド転移核形成シーケンス例2)
次に、ベンド転移核形成シーケンス例2について説明する。ベンド転移核形成シーケンス例2では、選択されている走査線(アクティブレベルの走査線)を用いた横電界発生のみならず、非選択の走査線(非アクティブレベルの走査線)も利用して横電界を発生させる。走査線は、選択期間よりも非選択期間の方が長いため、本例のシーケンスによれば、横電界を、OCB液晶に長く印加することができる。よって、ベンド転移核の形成を早めることができる。
図11は、ベンド転移核形成シーケンス例2の駆動を実現するための駆動方法の一例を説明するためのタイミング図である。シーケンス例1と同様に、走査線Xは、線順次駆動されて、1水平期間毎に各走査線に、順に11V(選択電圧)が印加される。一方、非選択の走査線は−5Vに維持される。
データ線Y、対向電極11(コモン)、容量線LRは、共に7Vに維持される。ここで、例えば、走査線X1(1ライン目の走査線)に着目する。
走査線X1の選択期間(時刻t11〜時刻t12)においては、走査線X1には11Vが印加され、TFTスイッチング素子Mがオンして画素電極9の電圧は7Vとなる。よって、走査線X1と画素電極9との間の電位差は4Vであり、この電位差によって横電界が生じる。
次に、走査線X1が非選択である期間(時刻t12〜時刻t13)に着目する。このとき、走査線X1は−5VとなってTFTスイッチング素子Mはオフする。但し、保持容量Cによって画素電極9の電圧は7Vに維持される。よって、非選択の走査線X1と画素電極9との間の電位差は−12Vとなり、これによって強い横電界が発生する。以上の動作は他の走査線(X2〜Xm)についても共通である。
このように、シーケンス例2では、走査線Xの非選択期間(選択期間よりも相当に長い期間)において、例えば−12Vの大きな電位差による強い横電界を継続的にOCB液晶に印加することができる。よって、OCB液晶に供給するエネルギの総量が大きくなり、このことはベンド転移核形成の効率的形成に寄与する。
また、走査線Xが選択されているときも、例えば4Vの電位差による横電界がOCB液晶に印加される。つまり、走査線Xの非選択時、選択時を問わず、常時、横電界が印加されることになる。よって、ベンド転移核形成の効率的形成が可能となる。
以上の1フレーム期間の動作を、例えば合計で6フレーム期間(全体で100ms)にわたって繰り返す。これによって、ベンド転移核を確実に形成することができる。
以上の1フレーム期間の動作を、例えば合計で6フレーム期間(全体で100ms)にわたって繰り返す。これによって、ベンド転移核を確実に形成することができる。
このベンド転移核形成シーケンス例2における画素回路の横電界および縦電界の様子を図12に示す。
図12(A),図12(B)は、図11に示されるベンド転移核形成シーケンス例2における画素回路の横電界および縦電界の様子を示す図である。
図12(A)に示すように、初期シーケンスにおいて、ベンド転移核形成シーケンスで書き込み期間に入ると、走査線Xが選択され、走査線Xには11Vの電位が印加されるとともに、データ線Yには7Vの電位が印加される。すると、TFTスイッチング素子Mがオンし、TFTスイッチング素子Mのドレインの電位、すなわち画素電極9の電位は7Vとなり、走査線Xの電位と画素電極9との間で4V(11V−7V)の電位差による横電界が発生する。
このとき、画素電極9の電位が7Vであり、コモン線Lcomの電位も7Vであるから、画素電極9と容量線LRとの間に電位差はなく、よって、画素電極9と対向電極11との間の縦電界は0Vとなる。
図12(B)は、TFTスイッチング素子Mがオフのときの電界を示している。すなわち、図12(B)では、走査線Xの電位が−5V、データ線電位が5VとなりTFTスイッチング素子Mがオフする。但し、保持容量Cに電荷が蓄積されているため、画素電極9の電位は7Vに維持される。
よって、走査線Xと画素電極9との間の電位差は−12V(=−5−7)となり、この大きな電位差による強い横電界が発生し、この横電界が、走査線の非選択期間中、OCB液晶に印加されることになる。
また、コモン線Lcomの電位は7Vである。よって、画素電極9と対向電極11との間の電位差は0Vであり、縦電界は発生しない。
このように、本シーケンス例2では、長い走査線の非選択期間を有効に利用し、強い横電界をOCB液晶に長く印加することができる。また、走査線の選択時においても横電界をOCB液晶に印加できるため、ベンド核形成シーケンス時において、OCB液晶に局所的な横電界を常時、印加することができる。よって、効率的なベンド転移核形成が実現される。
以上は線順次駆動の例であるが、図13(A)に示すようにm本(ここではm=2)の走査線を同時に駆動する複数本順次駆動を採用してもよい。図13(A)の例では、2ラインを同時に駆動している。すなわち、通常動作時において複数本順次駆動が可能である場合、初期シーケンスにおいても複数本順次駆動を採用するができる。この場合、通常動作時と初期シーケンス時の駆動方式の一貫性を担保することができる。
また、図13(B)に示すように、面順次駆動(全ライン駆動)を採用してもよい。すなわち、通常動作時において面順次駆動が可能である場合、初期シーケンスにおいても面順次駆動を採用することができる点を明らかとしたものである。この場合、通常動作時と初期シーケンス時の駆動方式の一貫性を担保することができる。
(容量カップリングを利用したベンド転移拡大のための線順次駆動方式の具体例)
図14は、ベンド転移拡大シーケンスにおける具体的な一例を説明するための図である。
ベンド転移核拡大シーケンスでは、基本シーケンスとして2フレームを要する。ここでは1フレーム目と2フレーム目において、液晶に印加する電圧の極性を反転するフレーム反転駆動を実行するものとする(但し、これに限定されるものではない)。また、駆動方式としては、線順次駆動を採用するものとして説明する。
図14の基本シーケンス(1フレーム目)では、1本の走査線を順に選択して、データ線を、例えば5Vとすることによって画素電極を5Vとし、一方、対向電極を0Vとし、これによって液晶に+5Vの縦電界を与える。これは、ノーマリホワイトの液晶の場合、全画素に同時に黒データを書き込むことに相当する。
表示期間(書き込み期間)TAにおいて、1本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、図14に示すように、全画素に+5Vが印加される状態となる。そして、帰線期間TBにおいて、保持容量線LRに一括で7Vが印加される。保持容量Cと駅液晶(液晶容量)LCとは一端が共通接続されてカップリングしているため、保持容量線LRの電位が変化すると、保持容量Cにチャージされていた電荷が液晶(液晶容量)LC側に移動する現象(あるいは、その逆に、液晶LC側から保持容量C側に電荷が移動する現象)が生じて画素電極9の電位が昇圧され、全画素に+7Vが印加される状態となる。
続いて、基本シーケンス(2フレーム目)では、同様に、表示期間TAにおいて、1本の走査線を順に選択して、データ線を、例えば2Vとすることによって画素電極を2Vとし、一方、対向電極を7Vとし、これによって液晶に−5Vの電界が印加される(すなわち、画素電極と対向電極との電位差自体は5Vのままで変化しないが、フレーム毎の極性反転によってフレーム毎に縦電界の向きが反転する)。
表示期間(書き込み期間:TA)において、1本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、図14に示すように、全画素に−5Vが印加される状態となる。そして、帰線期間(TB)において、保持容量線LRに一括で7Vが印加され、容量カップリングによる電荷移動によって画素電極9の電位が昇圧され、全画素に−7Vが印加される状態となる。
このような2フレームを一組とする基本シーケンスを15回繰り返す。すなわち、合計で30フレーム期間にわたって液晶に7Vの電圧の印加を継続する。1フレームを1/60秒とすれば、7Vの縦電界の印加が500ms継続されることになる。なお、上述の説明においては、「帰線期間」は、「垂直帰線期間」を意味しているが、これに限定されるものではなく、「水平帰線期間」に容量カップリングによる昇圧を行ってもよく、また、「水平帰線期間」と「垂直帰線期間」の双方において容量カップリングによる昇圧を行ってもよい。
図15は、図14に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図である。
時刻t20〜t25(1フレーム目の期間T10)においては、正極性の駆動を行う。データ線には5Vの電圧が印加されるとともに、対向電極の電圧は0Vとなる。
時刻t20〜t24(書込期間)においては、線順次方式で走査線が順に選択される。走査線が選択された時、走査線の電位は11Vとなり、非選択時には−5Vとなる。走査線が選択されてTFTがオンすると、データ線には5Vが印加されているから、画素電極の電位が+5Vとなり、画素電極と対向電極との電位差は+5Vになり、これによって+5Vの縦電界が液晶に加えられる。このとき、保持容量線には0Vが印加されて同時に保持容量に5Vがチャージされる。
時刻t24〜t25(帰線期間)においては、保持容量線の電圧が7Vとなる。走査線が非選択となりTFTがオフすると、容量カップリングによる電荷移動が生じ、画素電極9の電位が+7Vに昇圧され、画素電極と対向電極との電位差は+7Vになり、これによって+7Vの縦電界が液晶に加えられる。
時刻t25〜t30(2フレーム目の期間T20)においては、負極性の駆動を行う。データ線には2Vの電圧が印加され、対向電極には5Vの電圧が印加される。
時刻t25〜t28(書込期間)においては、データ線と対向電極との間の電位差は1フレーム目と同様に5Vであるが、2フレーム目の場合、対向電極の電位が高いことから−5Vの縦電界(電位差が5Vで向きが反対の縦電界)が液晶に加えられることになる。このとき、保持容量線には7Vが印加されて同時に保持容量には(2V−7V)で−5Vがチャージされる。
時刻t28〜t39(帰線期間)においては、保持容量線の電圧が0Vとなり、データ線と対向電極との間の電位差は、容量カップリングにより1フレーム目と同様に7Vであるが、2フレーム目の場合、対向電極の電位が高いことから−7Vの縦電界(電位差が7Vで向きが反対の縦電界)が液晶に加えられることになる。
以上の一連の動作を、正極側15フレーム分ならびに負極側15フレーム分(合計で500ms)、繰り返し行うことでベンド転移拡大シーケンスが終了する。
図16(A),図16(B)は、図14および図15に示されるベンド転移拡大シーケンス実行時における、容量結合による画素電極の電位の昇圧の原理(正極性の場合)を説明するための図である。
図16(A)に示すように、正極性の駆動の場合は、書き込み期間には、走査線Xが11Vであり、データ線Yが5Vであり、画素電極9が5Vであり、対向電極11および容量線LRがそれぞれ0Vである。液晶LCには5Vの縦電界が印加されるとともに、保持容量Cにおける一端に5Vの電荷Qaがチャージされる。
図16(B)に示すように、帰線期間には、走査線Xが−5Vであり、データ線が5Vであり、対向電極11は0Vであり、保持容量線LRが7Vである。すなわち、帰線期間において、保持容量線LRの電位は0Vから7Vに変化する。これに伴い、保持容量Cの電荷Qbがディスチャージされて液晶LCの一端に移動するから、画素電極9の電位は5Vから7Vに昇圧され、よって、液晶LCには7Vの縦電界が印加されることになる。
図17(A),図17(B)は、ベンド転移拡大シーケンス実行時における、容量結合による画素電極の電位の昇圧の原理(負極性の場合)を説明するための図である。
図17(A)に示すように、負極性の駆動の場合は、走査線Xが11Vであり、データ線Yが2Vであり、画素電極9が2Vであり、対向電極11および保持容量線LRがそれぞれ7Vである。液晶LCには、−5Vの縦電界が印加されるとともに、保持容量Cには−5Vに相当する電荷がチャージされる。
図17(B)に示すように、帰線期間には、走査線Xが−5Vであり、データ線Yが2Vであり、対向電極11は7Vであり、容量線LRが0Vである。つまり、帰線期間において、保持容量線LRの電位が7Vから0Vに変化する。
この保持容量線LRの電位変化に伴い、液晶(液晶容量)LCの蓄積電荷Qcが保持容量Cの一端に移動し、画素電極9の電位は2Vから0Vに下がる。よって、液晶LCの両端の電圧は−7Vとなり、−5Vから−7Vに拡大されたことになる。したがって−7V相当の縦電界が液晶LCに印加される。
なお、ベンド拡大シーケンス時において、書き込み期間には、走査線は11Vであり、画素電極は5Vまたは2Vであるから、横電界も発生するが、ベンド転移拡大処理は主として強い縦電界によって実現されるため、この場合の横電界は無視してもよい。
(容量カップリングを利用したベンド転移拡大のための水平ライン反転駆動方式の例)
図18は、ベンド転移拡大シーケンスにおける具体的な水平ライン反転駆動方式の一例を説明するための図である。
ベンド転移核拡大シーケンスでは、基本シーケンスとして2フレームを要する。ここでは奇数番目の走査線と接続された液晶に印加する電圧の極性と、偶数番目の走査線と接続された液晶に印加する電圧の極性を反転させるとともに、1フレーム目と2フレーム目において、液晶に印加する電圧の極性を反転するフレーム反転駆動を実行するものとする(但し、これに限定されるものではない)。また、駆動方式としては、水平ライン反転駆動を採用するものとして説明する。
図18の基本シーケンス(1フレーム目)では、1本の走査線を順に選択するが、奇数番目の走査線を選択したときに、データ線を例えば5Vとすることによって画素電極を5Vとし、一方、対向電極を0Vとし、これによって液晶に+5Vの縦電界を与える。また、偶数番目の走査線を選択したときに、データ線を例えば2Vとすることによって画素電極を2Vとし、一方、対向電極を7Vとし、これによって液晶に−5Vの縦電界を与える。これは、ノーマリホワイトの液晶の場合、全画素に同時に黒データを書き込むことに相当する。
書込期間(TA)において、1本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、図18に示すように、奇数番目の走査線を選択したときにデータ線と接続された全画素に+5V、偶数番目の走査線を選択したときにデータ線と接続された全画素に−5Vが印加される状態となる。そして、帰線期間(TB)において、奇数番目の保持容量線LRに一括で7Vが印加されるとともに、偶数番目の保持容量線LRに一括で0Vが印加されることで、保持容量にチャージされていた電荷が移動して容量カップリングが生じて画素電極の電位が昇圧され、奇数番目の保持容量線LRと接続された全画素に+7V、偶数番目の保持容量線LRと接続された全画素に−7Vが印加される状態となる。
続いて、基本シーケンス(2フレーム目)では、同様に、書込期間(TA)において、1本の走査線を順に選択して、奇数番目のデータ線を、例えば2Vとすることによって画素電極を2Vとし、一方、対向電極を7Vとし、これによって液晶に−5Vの電界が印加される(すなわち、画素電極と対向電極との電位差自体は5Vのままで変化しないが、フレーム毎の極性反転によってフレーム毎に縦電界の向きが反転する)。偶数番目のデータ線を、例えば5Vとすることによって画素電極を5Vとし、一方対向電極を0Vとし、これによって液晶に5Vの電界が印加される。
書込み期間(TA)において、1本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、図18に示すように、奇数番目の走査線を選択したときにデータ線と接続された全画素に−5V、偶数番目の走査線を選択したときにデータ線と接続された全画素に5Vが印加される状態となる。そして、帰線期間(TB)において、奇数番目の保持容量線LRに一括で0Vが印加されるとともに、偶数番目の保持容量線LRに一括で7Vが印加されることで、保持容量にチャージされていた電荷が移動して容量カップリングによって画素電極9の電位が昇圧され、奇数番目の保持容量線LRと接続された全画素に−7V、偶数番目の保持容量線LRと接続された全画素に7Vが印加される状態となる。
このような2フレームを一組とする基本シーケンスを15回繰り返す。すなわち、合計で30フレーム期間にわたって液晶に7V(もしくは−7V)の印加を継続する。1フレームを1/60秒とすれば、7V(もしくは−7V)の縦電界の印加が500ms継続されることになる。
図19は、図18に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図である。
時刻t40〜t45(1フレーム目)においては、奇数番目の走査線を選択したときにデータ線は正極駆動、偶数番目の走査線を選択したときにデータ線は負極駆動を行っている。奇数番目の走査線を選択したときにデータ線には5Vの電圧が印加されるとともに、対向電極の電圧は0Vとなる。偶数番目の走査線を選択したときにデータ線には2Vの電圧が印加されるとともに対向電極の電圧は7Vとなる。
時刻t40〜t44(書き込み期間)においては、水平ライン反転方式で走査線が順に選択される。走査線が選択された時、走査線の電位は11Vとなり、非選択時には−5Vとなる。奇数番目の走査線が選択されてTFTがオンすると、データ線には5Vが印加されているとともに、画素電極の電位が+5Vとなり、対向電極には0Vが印加されているから、画素電極と対向電極との電位差は+5Vになり、これによって+5Vの縦電界が液晶に加えられる。偶数番目の走査線が選択されてTFTがオンすると、データ線には2Vが印加されているとともに、画素電極の電位が2Vとなり、対向電極には7Vが印加されているから、画素電極と対向電極との電位差は−5Vの縦電界が液晶に加えられる。この期間においては、奇数番目の保持容量線の電位は0Vであるから、同時に保持容量には5V分の電荷がチャージされる。
時刻t44〜t45(帰線期間)においては、奇数番目の保持容量線の電圧が7Vとなる。奇数番目の走査線が非選択となりTFTがオフすると、保持容量にチャージされていた電荷が移動して容量カップリングが生じ、画素電極の電位が+7Vに昇圧され、画素電極と対向電極との電位差は+7Vになり、これによって+7Vの縦電界が液晶に加えられる。また、偶数番目の保持容量線の電圧が0Vとなる。偶数番目の走査線も非選択となりTFTがオフすると、保持容量にチャージされていた電荷が移動して容量カップリングが生じ、画素電極の電位が−7Vに昇圧され、画素電極と対向電極との電位差は−7Vになり、これによって−7Vの縦電界が液晶に加えられる。
時刻t45〜t50(2フレーム目)においては、奇数番目の走査線を選択したときのデータ線は負極性駆動、偶数番目の走査線を選択したときのデータ線は正極性駆動を行っている。奇数番目の走査線を選択したときのデータ線には2Vの電圧が印加されるとともに、対向電極には7Vの電圧が印加される。偶数番目の走査線を選択したときのデータ線には5Vの電圧が印加されるとともに、対向電極には0Vの電圧が印加される。
時刻t45〜t48(書込期間)においては、奇数番目の走査線を選択したときのデータ線と対向電極との間の電位差は1フレーム目と同様に5Vであるが、2フレーム目の場合、対向電極の電位が高いことから−5Vの縦電界(電位差が5Vで向きが反対の縦電界)が液晶に加えられることになる。偶数番目の走査線を選択したときのデータ線と対向電極との間の電位差は5Vであり5Vの縦電界が液晶に加えられることになる。この期間には、奇数番目の走査線に対しては、奇数番目の保持容量線に7Vが印加されることで、同時に保持容量に−5V分の電荷がチャージされる。また、偶数番目の走査線に対しては、偶数番目の保持容量線に0Vが印加されることで、同時に保持容量に5V分の電荷がチャージされる。
時刻t48〜t50(帰線期間)においては、奇数番目の保持容量線の電圧が0V、偶数番目の保持容量線の電圧が7Vとなり、データ線と対向電極との間の電位差は、保持容量においてチャージされた電荷が移動して容量カップリングが生じ、奇数番目の走査線を選択したときのデータ線については、−7Vの縦電界(電位差が7Vで向きが反対の縦電界)、偶数番目の走査線を選択したときのデータ線については、7Vの縦電界が液晶に加えられることになる。
以上の一連の動作を、正極側15フレーム分ならびに負極側15フレーム分(合計で500ms)、繰り返し行うことでベンド転移拡大シーケンスが終了する。
(第2の実施形態)
図20(A)は、本発明のOCB液晶装置を各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図、図20(B)は図20(A)のH−H’線に沿う断面図である。
なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
図20(A),図20(B)に示すように、本発明の液晶装置100は、アレイ基板10(第1基板)と対向基板20(第2基板)とがシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶層50が封入されている。液晶層50は、正の誘電率異方性を有する液晶から構成されており、後述するように初期状態ではスプレイ配向、表示動作時にはベンド配向を呈するものとなっている。シール材52の形成領域の内側の領域に、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)53が形成されている。シール材52外側の周辺回路領域には、データ線ドライバ101および外部回路実装端子102がアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する二辺に沿って走査線ドライバ104が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線ドライバ104の間を接続するための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20の角部においては、アレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。また、図20(B)に示すように、アレイ基板10の内側には画素電極9が形成されていて、アレイ基板10に対向配置された対向基板20の内側には対向電極21が形成されている。
(第3の実施形態)
強い横電界を発生させるための画素レイアウトは、図6に示すものに限定されるものではなく、他の種々の手法を採用することができる。
図21は、横電界を効率的に発生させるためのレイアウトの他の例を示す図である。図21においては、略正方形上の画素電極9の各辺の略中央部に凹部が形成されている。
これに近接して配線されて走査線X1は凹部に変形した配線とされている。このため、画素電極の上下左右位置に変形した転移励起用の横電界印加部を形成することとなる。
よって、上下電極間に高電圧が印加されて液晶層がスプレイ配向状態となり周囲よりひずみのエネルギが高くなり、この液晶分子配向状態方向に横電界印加部からほぼ直角に横電界が印加されるため、スプレイ配向における下基板側の液晶分子がねじれる力を受け、転移核の発生が起き易くなる。
(第4の実施形態)
図22は、本発明の液晶装置の画素部の構成例を示す図である。図22では、走査線と画素電極間に強い横電界を効率的に発生させるために、画素列を意図的に直線的に配置せず、また、走査線に関しては、曲折部を有するレイアウトを採用している。
図示されるように、マトリックス状に配置された複数の画素には、画素電極9がそれぞれ形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うスイッチング素子であるTFT素子Mが形成されている。TFT素子Mのソースには、データ線(Y1〜Yn)が電気的に接続されている。各データ線(Y1〜Yn)には画像信号が供給される。なお画像信号は、各データ線(Y1〜Yn)に対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線(Y1〜Yn)に対してグループ毎に供給してもよい。
TFT素子Mのゲートには、走査線(X1〜X3)が電気的に接続されている。走査線(X1〜X3)には、所定のタイミングでパルス的に走査信号が供給される。なお、走査信号は、各走査線(X1〜X3)に対してこの順に線順次で印加される。また、TFT素子Mのドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。このTFT素子M、保持容量C、画素電極9により画素回路(G1a〜G1n、G2a〜G2n、Gna〜Gnn)が構成されている。そして、走査線X1〜X3から供給された走査信号により、スイッチング素子であるTFT素子Mを一定期間だけオン状態にすると、データ線(Y1〜Yn)から供給された画像信号が、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号は、画素電極9と後述する対向電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号がリークするのを防止するため、画素電極9と容量線LR1〜LR3との間に保持容量Cが形成され、液晶容量と並列に接続されている。このように、液晶に電圧が印加されると、その電圧レベルにより液晶分子のベンド配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
初期シーケンスSAのための電圧印加を行う際にも、画像表示動作の場合と同様に、データ線に初期シーケンス用信号を供給し、走査線に走査信号を供給して表示領域内の複数の画素を駆動する。
図23(A),図23(B)は、図22に示される画素部の一部を抜き出して示す図である。図23(A)に示すように、図23(A)の液晶装置では、アレイ基板の内面上に、複数の画素電極9がデータ線(Y1〜Y3)の延在方向に沿って配置された第1画素電極列9a(奇数段目の画素電極列)と、第1画素電極列9aに走査線(X1〜X2)の延在方向で隣り合う第2画素電極列9b(偶数段目の画素電極列)と、が走査線(X1〜X2)の延在方向に交互に複数設けられている。
第1画素電極列9aに対して第2画素電極列9bはデータ線(Y1〜Y3)の延在方向に所定距離だけずれて配置されている。
各走査線(X1〜X2)は、画素電極の配置に沿ってデータ線(Y1〜Y3)の延在方向に曲折しながら延びている。そのため、各走査線(X1〜X2)の延在方向には複数の曲折部が設けられる。曲折部とは、本線を画素電極(9a,9b)の角部に沿って略直角に曲折された部分のことを言う。ここで曲折部は、走査線(Y1〜Y3)の両側に位置する画素電極の角部にそれぞれ対向配置されている。詳述すると、曲折部には、第1画素電極列9aの画素電極9aにおける2つの角部に対向する曲折部と、第2画素電極列の画素電極9bにおける2つの角部に対向する曲折部とがある。なお、上記曲折部は、直角に曲折した部分に限られず、鈍角、鋭角や、曲線状に曲折した部分であってもよい。
ここで、走査線(X1〜X2)は、自身の延在方向に沿う直線部と、これら直線部と直線部とを連結する連結部と、から構成されており、各直線部の位置がデータ線(Y1〜Y3)の延在方向(走査線に交差する方向)において連結部を介して交互にずれている。
先に述べた第1画素電極列の画素電極9aにおける曲折部は直線部と連結部とによって構成され、第2画素電極列の画素電極9bにおける曲折部は直線部と連結部とによって構成されている。このように、走査線(X1〜X2)の延在方向には2つの曲折部が、それぞれ2つずつ交互に存在するようになっており、対向する画素電極9の角部との間に生じる電界により液晶の配向を促す機能を有している。
このような構成を備えた図23の液晶装置は、画素電極と対向電極との間に電圧が印加されない状態(あるいは非選択電圧印加時)で、スプレイ配向状態(初期配向状態)となっている。そして、図23(B)に示すように、画素電極9aに電圧を印加したときに画素電極9bと走査線X1の電位が異なるため、画素電極9aの角部とこれら角部に対向する走査線X1の曲折部との間に横電界E1が生じることになる。すなわち、画素電極9の走査線方向に交差する横電界E1とデータ線方向に交差する横電界E2とが生じることになる。
配向膜のラビング方向は、図23(B)の矢印0方向に沿う。このような初期配向状態で先に述べた条件の下電圧が印加されると、横電界E1に沿うべく時計回りRT1にツイストする液晶分子51aと、横電界E2に沿うべく反時計回りRT2にツイストする液晶分子51bとが発生する。このような横電界E1,E2に沿って配向する液晶分子によって、画素電極9a,9bの角部とこれに対向する走査線X1の曲折部との近傍において配向不良に起因するディスクリネーションラインが発生する。これにより、横電界(E1,E2)の影響を受けて配向した液晶分子を核として、それらの液晶分子の周りにベンド配向が伝搬することになる。
なお、画素電極の角部と走査線X1の曲折部との近傍において、所望とするベンド配向に沿わない方向に生じる横電界(E1、E2)の影響を受けて配向している液晶分子が存在していても、非表示領域は上述したように図示されない遮光層を設けているので、画素表示に影響することはない。
このように、図23の液晶装置では、第1画素電極列9aと第2画素電極列9bとを互いの画素電極9の位置がデータ線(Y1〜Y3)の延在方向に所定距離だけ交互にずれるように配置し、非表示領域に形成される走査線(X1〜X2)に、画素電極(9a,9b)の配置に沿ってクランク上に曲折する複数の曲折部を設ける構成とした。そして、これら走査線(X1〜X2)における複数の曲折部を当該走査線(X1〜X2)の両側に位置する画素電極の少なくとも2つの角部に対向させることによって、電圧印加時における画素電極と曲折部との間で横電界E2を複雑に発生させることができる。
このようにして、各画素領域ZPにおいて複数(本実施の形態においては2つ)のベンド転移核の発生ポイントを設けることにより、走査線(X1〜X2)を曲折させていない従来の液晶装置に比べて、電圧印加時の画像表示領域内における液晶分子51全体をスプレイ配向からベンド配向へ配向転移を円滑に行うことができる。したがって、液晶層の光透過率を短時間で変化させることができ、高速応答が可能となるので残像などが発生することもなく良好な表示を行うことができる。なお、図23(B)のP−P’に沿うデバイスの断面構造は、図7に示すとおりである。
但し、以上説明した構成は、強い横電界を発生させるための構成の一例であり、これに限定されるものではない。
(第5の実施の形態)
次に本発明のOCB液晶装置を用いた電子機器について説明する。本実施の形態では携帯電話を例に挙げて説明する。
図24は、携帯電話の全体構成を示す斜視図である。携帯電話1300は、筐体1306、複数の操作ボタンが設けられた操作部1302、画像や動画、文字などを表示する表示部を主体として構成されている。表示部には、上記第1〜3の実施形態に係る液晶装置100が搭載される。
上述のとおり、本発明の実施形態の液晶装置は、簡素化された構成をもち、OCB液晶の初期転移を無理なく、効率的に実現でき、小型かつローコストという利点をもつ。よって、本発明の実施形態にかかる液晶装置を搭載する携帯端末1300も、小型かつローコストという利点を享受することができる。
(第6の実施形態)
次に、本実施の形態では、情報端末(例えば、パーソナルコンピュータ)を例に挙げて説明する。図25は、本発明の液晶装置を搭載した情報端末(PDA,パーソナルコンピュータ,ワードプロセッサ等)の斜視図である。
情報端末1200は、上部筐体1206および下部筐体1204と、キーボード等の入力部1202と、本発明のOCB液晶装置を用いた表示パネル100と、を有する。この情報端末においても、上述の携帯端末と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態について詳述したが、本発明の新規事項および効果から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。
以上説明したように、本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。但し、以下の効果が同時に得られるとは限らず、以下の効果の列挙が本発明を不当に限定する根拠とされてはならない。
(1)容量カップリングを利用した液晶の両端電圧の拡大(昇圧)によって、OCB液晶装置の速やかなベンド転移拡大を、特別な高耐圧ドライバを追加することなく実現することができる。
(2)OCB液晶装置の初期シーケンス(ベンド転移核形成シーケンスおよびベンド転移拡大シーケンスを含む)において、特別な高電圧の印加や複雑な駆動シーケンスが一切不要であり、ベンド転移核形成ならびにベンド転移拡大の一連の処理を通じて、無理のない合理的なOCB液晶装置の駆動方法が実現される。すなわち、初期シーケンスを過大な高電圧を用いずに実現することができ、また、通常動作時と同様の順次駆動(例えば、線順次駆動や複数順次駆動)を用いて実現することが可能である。
(3)OCB液晶装置の駆動方式として、通常動作時の駆動を踏襲した、特別な高電圧や複雑な処理を伴わない駆動方式を採用することによって、駆動方式の一貫性を担保でき、液晶ドライバの負担を軽減でき、コスト削減が可能である。また、初期シーケンスのために通常動作時とはまったく異なる特別な処理を行う必要がなくなり、OCB液晶装置の使い勝手も向上する。
(4)走査線と画素電極間の横電界を利用してベンド転移核を形成し、次に、画素電極と対向電極間の縦電界を利用するとともに保持容量を用いた液晶の容量結合を利用してベンド転移拡大を行うシンプルな駆動方式であるため、実現が容易である。
(5)例えば、11V程度の耐圧のトランジスタを用いて回路を構成できる。すなわち、液晶ドライバとして特別な高耐圧素子が不要であり、ドライバICの製造に際して、占有面積が増大や製造プロセスの複雑化、コストアップといった問題は生じない。
(6)ベンド転移核形成のための横電界を発生させる際に、縦電界を0にするのが好ましく、この場合には、複雑な強い横電界のみによってディスクリネーション(ベンド転移核)を効率的に発生させることができる。
(7)横電界を発生させる際に、走査線と画素電極の各々に極性の異なる電圧を印加することによって、両電圧の和の電位差を生じさせて強い横電界を無理なく生じさせることができる。
(8)走査線、データ線、コモン(対向電極)、容量線(保持容量)に供給するタイミングと供給する電圧のレベルを切り換えることによって、初期シーケンスを効率的に実行でき、特別な専用のドライバ等は不要である。
(9)初期シーケンスを、過大な高電圧を用いずに実現することができ、また、通常動作時と同様の順次駆動(例えば、線順次駆動や複数順次駆動)を用いて実現することができ、よって、液晶駆動回路が簡素化され、OCB液晶装置の低コスト化を達成することができる。
(10)本発明によって、ベンド転移核形成ならびにベンド転移拡大の一連の処理を通じて、無理のない合理的な駆動方式を確立できる。
(11)本発明は、OCB液晶装置の使い勝手を高めるため、OCB液晶装置の量産化、社会への普及促進に貢献する。
本発明は、例えば、OCB液晶(これに限定されるものではなく、同様な転移シーケンスが必要などのような液晶にも適用が可能である)におけるベンド転移拡大を、特別な高耐圧回路を用いることなく速やかに行うことができ、かつ、特別な駆動方式を使用せずに、通常動作時と同様の順次駆動等を用いて初期シーケンスを実現することができるという効果を奏し、したがって、液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用IC(集積回路装置)および電子機器として有用である。
OCB液晶装置における電源投入時から画素表示までのシーケンスの概要を示す図 図2(A)〜図2(D)は、本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスでの液晶分子の配向状態を示す図 本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスの概要を説明するための図 本発明の液晶装置の構成例を示す図 液晶駆動用ICの構成例を示す図 本発明の液晶装置の画素部の構成の一例を示す図 近接して配置された走査線および画素電極付近のデバイスの断面構造例を示す図 ベンド転移核形成シーケンスにおける具体的な駆動方式の一例を説明するための図 図8に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図 図10(A),図10(B)は、図8および図9に示されるベンド転移核形成シーケンス実行時における画素回路の横電界および縦電界の様子を示す図 ベンド転移核形成シーケンス例2の駆動を実現するための駆動方法の一例を説明するためのタイミング図 図12(A),図12(B)は、図11に示されるベンド転移核形成シーケンス例2の実行時における画素回路の横電界および縦電界の様子を示す図 図13(A),図13(B)はベンド転移核形成時の駆動方式の他の例(複数本順次駆動、面順次駆動)を示す図 ベンド転移拡大シーケンスにおける具体的な線順次駆動方式の一例を説明するための図 図14に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図 図16(A),図16(B)は、図14および図15に示されるベンド転移拡大シーケンス実行時における、容量結合による画素電極の電位の昇圧の原理(正極性の場合)を説明するための図 図17(A),図17(B)は、ベンド転移拡大シーケンス実行時における、容量結合による画素電極の電位の昇圧の原理(負極性の場合)を説明するための図 ベンド転移拡大シーケンスにおける具体的な水平ライン反転駆動方式の一例を説明するための図 図18に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図 図20(A),図20(B)は、本発明のOCB液晶装置の一例の平面図および断面図 横電界を効率的に発生させるためのレイアウトの他の例を示す図 横電界を効率的に発生させるためのレイアウトのさらに他の例を示す図 図23(A),図23(B)は、図22に示される画素部の一部を抜き出して示す図 本発明の液晶装置を搭載した携帯電話の全体構成を示す斜視図 本発明の液晶装置を搭載した情報端末の斜視図
符号の説明
1、10 アレイ基板,2、4 配向膜、9 画素電極、
3 対向基板(カラーフィルタ基板)11 対向電極、LR 容量線、LC 液晶、
51、S10 スプレイ配向状態、S20 ベンド配向状態、SA 初期シーケンス、
SA1 ベンド転移核形成、SA2 ベンド転移拡大(縦電界)、
SB 画像表示シーケンス、NB ベンド転移核、SC1 横電界、SC2 縦電界、
SP 電源オン、500 電子機器(携帯端末)、510 電源スイッチ、
520 メイン制御回路、530 バックライト、540 制御部、
542 タイミング制御回路、544 画像処理回路、550 電源回路、
560 走査線ドライバ、570 データ線ドライバ、580 コモンドライバ、
581 容量線ドライバ、590 画素アレイ、X1〜X6 走査線、
Y1〜Y6 データ線、Lcom コモン線、600 アクティブマトリックス基板、
650 液晶駆動IC、651 走査線ドライバ、652 電源回路、653 制御部、
654 RAM、655 コモンドライバ、656 データ線ドライバ、
657 容量線ドライバ、TA1,TA2 外部端子、700 基板、
704 ソース・ドレイン領域、702、706、708、714 層間絶縁膜、
710 第一メタル配線層、712 第二メタル配線層、716 液晶層、
718 ITO膜、720 オーバーコート層、722 カラーフィルタ、
724 ブラックマトリックス、Z1 TFT領域、Z2 保持容量領域、
Z3 走査線領域、10 TFTアレイ基板、20 対向基板、21 対向電極、
100 液晶装置、52 シール材、50 液晶層、53 遮光膜、
101 データ線ドライバ、102 外部回路実装端子、104 走査線ドライバ、
105 配線、106 基板間導通材、1300 携帯電話、1302 操作部、
1306 筐体、1200 携帯情報端末、1202 入力部、1204 下部筐体、
1206 上部筐体

Claims (15)

  1. 対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、を有し、初期シーケンスを実行することによって前記液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させて表示または光変調を行う液晶装置であって、
    前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、
    前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するとともに一端が保持容量線と接続された保持容量を含む画素回路と、
    前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極と、
    前記走査線、前記データ線、前記対向電極ならびに前記保持容量線を駆動するドライバと、
    前記表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を、前記ドライバに供給する制御部と
    を含み、
    前記初期シーケンスは、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスとを含み、
    前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させると共に、前記保持容量線の電位を変化させて、前記保持容量と前記画素電極との間で電荷の移動を生じさせ、これによって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大する
    ことを特徴とする液晶装置。
  2. 請求項1記載の液晶装置であって、
    前記液晶は、OCB(Optical Compensated Bend)液晶であることを特徴とする液晶装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液晶装置であって、
    前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、
    書き込み期間において、前記画素回路に所定電圧を書き込み、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させ、
    前記書き込み期間に続く帰線期間において、前記保持容量と前記画素電極との間の電荷の移動によって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大し、
    かつ、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時における前記書き込み期間を、通常表示時おける書き込み期間よりも短くし、これによって、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時における前記帰線期間を、前記通常表示時における帰線期間よりも長くする
    ことを特徴とする液晶装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液晶装置であって、
    前記ベンド転移拡大シーケンス実行時において、前記走査線を順次駆動することを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項4記載の液晶装置であって、
    順次駆動方式として、1本の走査線を順に駆動する線順次駆動方式を採用することを特徴とする液晶装置。
  6. 請求項4記載の液晶装置であって、
    順次駆動方式として、同時に選択される複数本の走査線を単位として、順に前記走査線を駆動する複数本順次駆動方式を採用することを特徴とする液晶装置。
  7. 請求項4記載の液晶装置であって、
    順次駆動方式として、全部の走査線を同時に駆動する面順次駆動方式を採用することを特徴とする液晶装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の液晶装置であって、
    前記ベンド転移拡大シーケンスを、複数のフレーム期間にわたって繰り返し実行すると共に、
    前記ベンド転移拡大シーケンス実行期間は、前記ベンド転移核形成シーケンス実行期間よりも長く設定される
    ことを特徴とする液晶装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の液晶装置であって、
    前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、前記画素電極と前記走査線との間の電位差によって横電界を発生させる
    ことを特徴とする液晶装置。
  10. 請求項9記載の液晶装置であって、
    前記ベンド転移核形成シーケンス実行時において、
    前記走査線に第1極性の第1電圧を与え、前記データ線に、前記第1極性とは反対の極性である第2極性の第2電圧を与え、これによって、前記画素電極と前記走査線との間に、前記第1電圧と前記第2電圧の差に相当する電位差を生じさせて横電界を発生させる
    ことを特徴とする液晶装置。
  11. 対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するための、保持容量線にその一端が接続された保持容量を含む画素回路と、前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極とを有し、初期シーケンスを実行することによって前記液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させて表示または光変調を行う液晶装置の駆動方法であって、
    前記初期シーケンスは、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスとを含み、前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、前記画素電極と前記走査線との間の電位差によって横電界を発生させ、前記横電界を用いてベンド転移核を形成し、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させると共に、前記保持容量線の電位を変化させて、前記保持容量と前記画素電極との間で電荷の移動を生じさせ、これによって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大する
    ことを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  12. 請求項11記載の液晶装置の駆動方法であって、
    前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、
    前記走査線に第1極性の第1電圧を与え、前記データ線に、前記第1極性とは反対の極性である第2極性の第2電圧を与え、これによって、前記画素電極と前記走査線との間に、前記第1電圧と前記第2電圧の差に相当する電位差を生じさせて横電界を発生させ、
    かつ、前記対向電極に、前記第2極性の第2電圧を与え、これによって、前記対向電極と前記画素電極との間の電位差を無くして縦電界が生じないようにし、
    前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、
    書き込み期間において、前記データ線および前記対向電極の各々に異なる電圧を与えて、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させた、前記書き込み期間に続く帰線期間において、前記保持容量線の電位を変化させて、前記保持容量と前記画素電極との間で電荷の移動を生じさせ、これによって前記画素電極と前記対向電極との間の電位差を拡大する
    ことを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  13. 請求項11または請求項12記載の液晶装置の駆動方法であって、
    前記初期シーケンスでは、前記走査線(X)を順次駆動すると共に、
    前記ベンド転移核形成シーケンスを、所定の複数のフレーム期間にわたって繰り返し実行すると共に、
    前記ベンド転移拡大シーケンスを、所定の複数のフレーム期間にわたって繰り返し実行し、
    かつ、前記ベンド転移拡大シーケンスが繰り返し行われる期間を、前記ベンド転移核形成シーケンスが繰り返し行われる期間よりも長く設定する
    ことを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  14. 走査線、データ線と、対向電極と、保持容量線を駆動する少なくとも一つのドライバと、
    表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を、前記ドライバに供給する制御部とを有し、
    請求項11〜請求項13のいずれかに記載の液晶装置の駆動方法を実行する液晶駆動用集積回路装置。
  15. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の液晶装置を有することを特徴とする電子機器。
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