JP2009058329A - 着磁ヨーク、磁石着磁方法、磁石、位置検出装置、及び、振れ補正装置 - Google Patents

着磁ヨーク、磁石着磁方法、磁石、位置検出装置、及び、振れ補正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】NS境界部位の両側に磁束密度が直線的に増加する位置検出用の磁石を着磁するための着磁ヨークを提供する。
【解決手段】磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁極45aを得るために、所定幅Wの磁気ギャップ部1cを挟んだ両側に磁性体に当接させる当接面1a,1bを有する一対の着磁片1a,1bを備えた着磁ヨーク1Aにおいて、一対の着磁片1a,1bは、それぞれの当接面1a,1bが磁気ギャップ部1cの一端よりも突出しており、磁気ギャップ部1cの一端と、それぞれの当接面1a,1bとの間を接続するテーパ面1a,1bを有することを特徴とする着磁ヨーク1Aを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対のN極とS極とを着磁した磁石と、磁束密度の変化を電圧に変換するホール素子とのうち一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付けて、固定部材に対して移動部材の位置を検出する際に、移動部材の位置検出に適用できる着磁ヨーク、磁石着磁方法、磁石、位置検出装置、及び、この移動部材の位置検出を応用した振れ補正装置に関するものである。
一般的に、磁気センサの1種であるホール素子(Hall effect element)は、磁石からの磁界の強弱や磁極を判別する際にホール効果を利用しており、ホール素子の入力端子にバイアス電流を流したときに、これと直角に磁石からの磁束が与えられると、ホール素子の出力端子間に磁束密度に比例した起電力が発生することから、移動部材の位置検出などに用いられている。
この際、一対のN極とS極とを着磁した磁石と、磁束密度の変化を電圧に変換するホール素子とのうち一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付けて、固定部材に対して移動部材の位置を検出する位置検出構造は、各種の装置に適用されている。
この種の位置検出装置の一例として、ホール素子等の磁気検出手段により、相対的に移動する着磁部材の位置を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−136207号公報。
図18は従来の位置検出装置において、磁石とホール素子との位置関係を示した図である。
従来の位置検出装置は、上記した特許文献1(特開平8−136207号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
上記した特許文献1に開示された従来の位置検出装置は、光学機器の振れ補正装置(図示せず)に適用されており、ここでは、図18に示した如く、隣接して配置されたN極とS極との間に幅ZWを有する無磁極領域101aを設けた磁石101と、初期時に磁石101内に設けた無磁極領域101aの中心部位に対向して設置したホール素子102とのうち一方を固定部材(図示せず)側に取り付け、且つ、他方を移動部材(図示せず)側に取り付けた際に、磁石101の無磁極領域101aによりホール素子102の出力の直線的変化部分の範囲を広げる旨が記載されている。
ところで、上記した従来の位置検出装置において、磁石101内のN極とS極との間に幅ZWを有する無磁極領域101aを設けることで、ホール素子102の直線的変化部分の範囲をある程度広げることができ、移動部材(図示せず)に対してリニアな移動量(距離,角度)が得られるので移動部材の位置検出に大変都合が良いものの、磁石101内のN極とS極との間に設けた無磁極領域101aの幅ZWにも限界があり、この無磁極領域101aの幅ZWを広く取りすぎると、下記の図19(c)で説明するようにホール素子102の出力の直線性が崩れてしまうという問題が生じてしまう。従って、移動部材の移動幅が広い場合に、ホール素子102の出力が直線的に変化する直線区間を充分に広げることができず、上記した従来の位置検出装置の技術的思想をそのまま適用することができないという問題があった。
図19は従来の位置検出装置において、磁石内に無磁極領域を設ける際に無磁極領域の幅によってホール素子の出力の直線性が変化する状態を模式的に示した図であり、(a)は磁石内のNS境界部位に無磁極領域を設けない場合を示し、(b)は磁石内のNS境界部位に設けた無磁極領域の幅が所定幅である場合を示し、(c)は磁石内のNS境界部位に設けた無磁極領域の幅が上記した所定値を超えた幅の場合を示した図である。
ここで、図19(a)〜(c)を用いて、磁石内のNS境界部位に無磁極領域を設ける際に、無磁極領域の幅によって変化するホール素子の出力の直線性について説明する。
図19(a)〜(c)に示した如く、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して磁石101を得るための着磁ヨーク103は、一対の着磁片103a,103bが磁気ギャップ部103cを挟んで対称に形成されており、着磁ヨーク103に巻回した励磁用コイル104に電流を流すと矢印方向の磁界が発生するので、バックヨーク105上に固着した着磁前の磁石101の表面に着磁ヨーク103の一対の着磁片103a,103bの先端に形成した当接面103a,103bを当接させてコイル104に通電することで、磁性体がN極とS極とに2極に着磁されて磁石101が得られる。
そして、着磁した磁石101内のNS境界部位に対向してホール素子102を設置した後に、磁石101又はホール素子102のうち一方を矢印方向に移動させると、ホール素子102の出力は磁石101の磁束密度に略比例した出力が得られ、この際に、磁石101の内のNS境界部位の近傍で磁束密度が略直線的に変化する直線領域が得られると共に、この直線領域の外側は傾斜がゆるくなり、やがて正弦波状あるいは台形状に傾斜が減衰している。
この際、図19(a)に示した形態は、着磁ヨーク103の磁気ギャップ部103cが狭いギャップ幅GWに設定されているので、着磁後に磁石101内のNS境界部位に無磁極領域が形成されず、これにより磁石101内のNS境界部位に対向して設置したホール素子102の出力は狭い直線区間LKが得られる。
一方、図19(b)に示した形態は、磁石101内のNS境界部位に対向して設置したホール素子102の出力に対してある程度の区間幅を持った直線区間LKが得られるように、着磁ヨーク103の磁気ギャップ部103cを所定のギャップ幅GWに設定しているので、着磁後に磁石101内のNS境界部位に無磁極領域101aが所定の幅ZWに形成されている。
更に、図19(c)に示した形態は、着磁ヨーク103の磁気ギャップ部103cが上記した所定のギャップ幅GWを超えた広いギャップ幅GWに設定されているので、着磁後に磁石101内のNS境界部位に無磁極領域101aが上記した所定の幅ZWよりも広い幅ZWに形成されるものの、幅広い磁気ギャップ部103cのところで着磁がしにくい状態となるために、磁石101内のNS境界部位に対向して設置したホール素子102の出力は図示のように非直線的に変化するので、直線性が崩れてしまう。従って、磁石101内のNS境界部位に無磁極領域101aを幅広く形成してもホール素子102の出力は幅広い直線区間が得られない。
そこで、一対のN極とS極とを着磁した磁石と、磁束密度の変化を電圧に変換するホール素子とのうち一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付けて、固定部材に対して移動部材の位置を検出する際に、簡単な構造形態によりホール素子の出力の直線区間を広げて移動部材の位置検出に適用できる着磁ヨーク、磁石着磁方法、磁石、位置検出装置、及び、この移動部材の位置検出を応用した振れ補正装置が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁極を得るために、所定幅の磁気ギャップ部を挟んだ両側に前記磁性体に当接させる当接面を有する一対の着磁片を備えた着磁ヨークにおいて、
前記一対の着磁片は、それぞれの前記当接面が前記磁気ギャップ部の一端よりも突出しており、前記磁気ギャップ部の一端と、それぞれの前記当接面との間を接続するテーパ面を有することを特徴とする着磁ヨークである。
また、第2の発明は、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁極を得るために、所定幅の第1磁気ギャップ部を挟んだ両側に前記磁性体に当接させる第1当接面を有する一対の第1着磁片を備えた第1着磁ヨーク部と、
前記磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して駆動用磁極を得るために、所定幅の第2磁気ギャップ部を挟んだ両側に前記磁性体に当接させる第2当接面を有する一対の第2着磁片を備えた少なくとも一以上の第2着磁ヨーク部とを有する着磁ヨークであって、
前記一対の第1着磁片は、それぞれの前記第1当接面が前記第1磁気ギャップ部の一端よりも突出しており、前記第1磁気ギャップ部の一端と、それぞれの前記第1当接面との間を接続するテーパ面を有し、
前記一対の第2着磁片は、それぞれの前記第2当接面が前記第2磁気ギャップ部の一端に連接されていることを特徴とする着磁ヨークである。
また、第3の発明は、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁石を得る磁石着磁方法において、
前記位置検出用磁石のNS境界部位の両側に形成した一対の中間領域において、磁束密度が、前記NS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように、且つ、前記一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた一対の外側領域内で最大となるように着磁したことを特徴とする磁石着磁方法である。
また、第4の発明は、磁石内に位置検出用磁極と少なくとも一以上の駆動用磁極とを有し、前記位置検出用磁極に対して一対のN極とS極とを着磁し、且つ、前記少なくとも一以上の駆動用磁極に対してそれぞれ一対のN極とS極とを着磁する磁石着磁方法であって、
前記位置検出用磁極のNS境界部位の両側に形成した一対の中間領域を、磁束密度が該一対の中間領域よりも前記NS境界部位から離れて外側に形成した一対の第1外側領域側に向かって直線的に増加するように、且つ、前記一対の第1外側領域内で前記磁束密度が最大となるように着磁すると共に、前記駆動用磁極のNS境界部位の両側に形成した一対の第2外側領域内で前記磁束密度が最大となるように着磁したことを特徴とする磁石着磁方法である。
また、第5の発明は、一対のN極とS極とを着磁した位置検出用磁極を有した磁石であって、
前記位置検出用磁極は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域と、該一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた位置において前記磁束密度が最大となるように着磁された一対の外側領域とを備えたことを特徴とする磁石である。
また、第6の発明は、一対のN極とS極とを着磁した位置検出用磁極と、一対のN極とS極とを着磁した少なくとも一以上の駆動用磁極とを一体に有した磁石であって、
前記位置検出用磁極は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域と、該一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた位置において前記磁束密度が最大となるように着磁された一対の第1外側領域とを備え、
前記駆動用磁極は、NS境界部位の両側に磁束密度が最大となるように着磁された一対の第2外側領域とを備えたことを特徴とする磁石である。
また、第7の発明は、一対のN極とS極とを着磁した磁石と、磁束密度の変化を電圧に変換するホール素子とのうち一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付けて、前記固定部材に対して前記移動部材の位置を検出する位置検出装置において、
前記磁石は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域と、該一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた位置において前記磁束密度が最大となるように着磁された一対の外側領域とを備え、
前記ホール素子は、前記移動部材が移動していない基準位置にあるときに、前記磁石のNS境界部位に間隔を離して対向させたことを特徴とする位置検出装置である。
更に、第8の発明は、撮影レンズの光軸上に配置されたプリズム保持枠体と、手振れや振動などによって生じる振れ量に応じて前記プリズム保持枠体内で複数の頂角プリズムのうちのいくつかを電磁力により前記光軸と直交する面内でそれぞれ所定の角度範囲内に亘って回動させる振れ補正装置において、
前記頂角プリズムを保持して前記プリズム保持枠体内を回動する少なくとも一以上の回動筒体と、
前記回動筒体に取り付けられ、磁束密度が一対のN極とS極とのNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された位置検出用磁極と、一対のN極とS極とを着磁した複数の駆動用磁極とを一体に有した磁石と、
前記回動筒体が回動していない基準位置にあるときに、前記位置検出用磁極のNS境界部位に対向するように前記プリズム保持枠体内に取り付けられたホール素子と、
前記複数の駆動用磁極と対向して前記プリズム保持枠体内に取り付けられた複数のコイルとを備えたことを特徴とする振れ補正装置である。
上記した第1の発明の着磁ヨークによると、とくに、位置検出用磁極を得るための着磁ヨークの一対の着磁片中で磁気ギャップ部の両側に形成した一対のテーパ面により、位置検出用磁極のNS境界部位の両側に磁束密度が直線的に増加するように着磁することができる。
また、上記した第2の発明の着磁ヨークによると、位置検出用磁極を得るための第1着磁ヨーク部と、駆動用磁極を得るための少なくとも一以上の第2着磁ヨーク部とを有して一体化する際に、とくに、第1着磁ヨーク部の一対の第1着磁片中で磁気ギャップ部の両側に形成した一対のテーパ面により、位置検出用磁極のNS境界部位の両側に磁束密度が直線的に増加するように着磁することができると共に、少なくとも一以上の第2着磁ヨーク部により少なくとも一以上の駆動用磁極を着磁することができる。
また、上記した第3の発明の磁石着磁方法によると、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁石を得る際に、とくに、位置検出用磁石のNS境界部位の両側に形成した一対の中間領域において、磁束密度が、NS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように、且つ、一対の中間領域よりも更にNS境界部位から離れた一対の外側領域内で最大となるように着磁したために、性能の良い位置検出用磁石を提供することができる。
また、上記した第4の発明の磁石着磁方法によると、磁石内に位置検出用磁極と少なくとも一以上の駆動用磁極とを有し、位置検出用磁極に対してそれぞれ一対のN極とS極とを着磁し、且つ、少なくとも一以上の駆動用磁極に対して一対のN極とS極とを着磁する際に、とくに、位置検出用磁極のNS境界部位の両側に形成した一対の中間領域を、磁束密度が一対の中間領域よりもNS境界部位から離れて外側に形成した一対の第1外側領域側に向かって直線的に増加するように着磁しために、磁石内に性能の良い位置検出用磁極を着磁することができると共に、少なくとも一以上の駆動用磁極を着磁することができる。
また、上記した第5の発明の磁石によると、とくに、一対のN極とS極とを着磁した位置検出用磁極は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するようにNS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域を備えているので、性能の良い位置検出用の磁石を提供することができる。
また、上記した第6の発明の磁石によると、一対のN極とS極とを着磁した位置検出用磁極と、一対のN極とS極とを着磁した少なくとも一以上の駆動用磁極とを一体化した際に、とくに、位置検出用磁極は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するようにNS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域を備えているので、磁石内に性能の良い位置検出用磁極を形成することができると共に、少なくとも一以上の駆動用磁極を形成することができる。
また、上記した第7の発明の位置検出装置によると、一対のN極とS極とを着磁した磁石と、磁束密度の変化を電圧に変換するホール素子とのうち一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付けて、固定部材に対して相対的に移動自在な移動部材の位置を検出する際に、とくに、磁石はNS境界部位から離れるに従って磁束密度が直線的に増加するように着磁されているので、移動部材が移動したときにホール素子の出力は磁石の磁束密度に略比例しているので、幅広い直線区間が得られるために、移動部材の移動範囲を大きく設定しても、移動部材の位置を確実に検出することができる。
更に、上記した第8の発明の振れ補正装置によると、手振れや振動などによって生じる振れ量に応じてプリズム保持枠体内で複数の頂角プリズムのうちのいくつかを電磁力により光軸と直交する面内でそれぞれ所定の角度範囲内に亘って回動させる際に、とくに、頂角プリズムを保持してプリズム保持枠体内を回動する少なくとも一以上の回動筒体に、磁束密度が一対のN極とS極とのNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するようにNS境界部位の両側に着磁された位置検出用磁極と、一対のN極とS極とを着磁した複数の駆動用磁極とを一体に有した磁石を取り付けたために、位置検出用磁極とホール素子とによって頂角プリズムを保持して回動する回動筒体の回動範囲を大きく設定してもこの回動筒体の回動位置を正確に検出することができると共に、複数の駆動用磁極と複数のコイルとによって回動筒体を所定の角度範囲に亘って回動させることができる。
以下に本発明に係る着磁ヨーク、磁石着磁方法、磁石、位置検出装置、及び、振れ補正装置の一実施例について図1〜図17を参照して、実施例1,実施例2の順に詳細に説明する。
図1は本発明に係る実施例1の着磁ヨーク、磁石着磁方法、位置検出用兼駆動用の磁石を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石の位置検出用磁極を着磁する状態を示した断面図であり、(b)は磁石の駆動用磁極を着磁する状態を示した断面図であり、(c)は(a)と(b)とを合体させたY−Y矢視図であり、(d)は位置検出用兼駆動用の磁石を示した平面図であり、(e)は位置検出用磁極の磁束密度を示した図であり、(f)は駆動用磁極の磁束密度を示した図、
図2は本発明に係る実施例1の位置検出装置を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石とホール素子とを示した平面図であり、(b)はホール素子を固定部材側に取り付け且つ磁石を移動部材側に取り付けた状態を示した正面図であり、(c)はホール素子の出力を示した図である。
尚、図1及び図2中において、位置検出用兼駆動用の磁石45及びホール素子24は、後述する実施例1の振れ補正装置30(図3)に適用されるために同一の符番を付して説明する。
図1(a)〜(d)に示した如く、本発明に係る実施例1の位置検出用兼駆動用の磁石45は、幅寸法W、奥行き寸法V、厚み寸法Tで湾曲面を有して外形が矩形状に形成されており、この磁石(以下、湾曲状磁石と記す)45の湾曲面の奥行き方向に沿って位置検出用磁極45aと駆動用磁極45bとが着磁され、且つ、両磁極45a,45bは湾曲面の幅方向に沿ってN極とS極とで2極にそれぞれ着磁されていると共に、位置検出用磁極45aの湾曲面にホール素子24(図2)を対向させるために湾曲面対向型として構成されている。
ここで、磁性体に対してN極とS極とを着磁して上記した位置検出用兼駆動用の湾曲状磁石45を得るための着磁ヨーク1は、図1(a)に示した位置検出用着磁ヨーク部1Aと、図1(b)に示した駆動用着磁ヨーク部1Bとが湾曲状磁石45の奥行き方向に沿うように形成されているものの、両ヨーク部1A,1Bは図1(c)に示したように一体化されているので、両ヨーク部1A,1Bにより磁性体に対して位置検出用磁極45aと駆動用磁極45bとを同時に着磁して位置検出用兼駆動用の湾曲状磁石45を得ることができるようになっている。
尚、位置検出用着磁ヨーク部1Aと、駆動用着磁ヨーク部1Bとを用いて磁性体に対して位置検出用磁極45aと駆動用磁極45bとを別々に着磁して位置検出用兼駆動用の湾曲状磁石45を得ることも可能であるものの、この場合には着磁工程が増えるために、両磁極45a,45bを同時に着磁する方が好ましいことは明らかである。
具体的に説明すると、着磁ヨーク1の位置検出用着磁ヨーク部1Aは、図1(a),(d)に示したように、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して湾曲状磁石45の位置検出用磁極45aを得るために、幅狭い所定幅GWの磁気ギャップ部1cを挟んだ両側に磁性体に当接させる当接面1a,1bを有する一対の着磁片1a,1bを略左右対称に備えており、且つ、一対の着磁片1a,1bは、それぞれの当接面1a,1bが磁気ギャップ部1cの一端よりも突出しており、磁気ギャップ部1cの一端と、それぞれの当接面1a,1bとの間を接続するテーパ面1a,1bを有している。
従って、位置検出用着磁ヨーク部1Aの一対の着磁片1a,1bは、磁気ギャップ部1cの両側に湾曲状磁石45の湾曲表面と対向するように形成された一対のテーパ面1a,1bと、一対のテーパ面1a,1bの外側に形成されて湾曲状磁石45の湾曲表面に当接する一対の当接面1a,1bとからなり、一対のテーパ面1a,1bと湾曲状磁石45の湾曲表面との間に生じる隙間が磁気ギャップ部1cの両側から一対の当接面1a,1b側に向かって徐々に狭くなるように一対のテーパ面1a,1bを傾斜させているので、磁気ギャップ部1cの近傍で隙間が最大となる一方、一対の当接面1a,1bで隙間が最小となり零になっている。この際、位置検出用着磁ヨーク部1Aには励磁用コイル2が巻回されている。
一方、着磁ヨーク1の駆動用着磁ヨーク部1Bは、図1(b),(d)に示したように、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して駆動用磁極45bを得るために、幅狭い所定幅GWの磁気ギャップ部1fを挟んだ両側に磁性体に当接させる当接面1d,1eを有する一対の着磁片1d,1eを略左右対称に備えており、且つ、一対の着磁片1d,1eは、それぞれの当接面1d,1eが磁気ギャップ部1fの一端に連接されている。
これにより、駆動用着磁ヨーク部1Bの一対の着磁片1d,1eと湾曲状磁石45の湾曲表面との間に生じる隙間が最小となり零である。この際、駆動用着磁ヨーク部1Bにも、位置検出用着磁ヨーク部1Aに巻回した励磁用コイル2が巻かれている。
更に、湾曲状磁石45の裏面は曲面状のバックヨーク3に固着され、更に、バックヨーク3は移動部材となる回動筒体4に固着されている。
ここで、図1(a)〜(c)に示したように、着磁ヨーク1の位置検出用着磁ヨーク部1Aに形成した一対の着磁片1a,1bの当接面1a,1bと、着磁ヨーク1の駆動用着磁ヨーク部1Bに形成した一対の着磁片1d,1eの当接面1d,1eとを、湾曲状磁石45の湾曲表面にそれぞれ当接させて、励磁用コイル2に電流を流すと、それぞれ矢印方向に磁界が発生するので、図1(d)に示したように、湾曲状磁石45には、位置検出用磁極45aと、駆動用磁極45bとが奥行き方向に沿って着磁される。
この際、湾曲状磁石45の位置検出用磁極45aは、位置検出用着磁ヨーク部1Aの磁気ギャップ部1cと対向するNS境界部位に無磁極領域45aが幅狭く形成されている。
また、前述したように、位置検出用着磁ヨーク部1Aの一対のテーパ面1a,1bは湾曲状磁石45の湾曲表面との間に生じる隙間が磁気ギャップ部1cの両側から一対の当接面1a,1b側に向かって徐々に狭くなるように傾斜しているので、湾曲状磁石45の位置検出用磁極45a中で位置検出用着磁ヨーク部1Aの一対のテーパ面1a,1bと対向して形成した一対の中間領域45a,45aの磁束密度(磁界強度)は、一対の中間領域45a,45aよりも外側で位置検出用着磁ヨーク部1Aの一対の当接面1a,1bが当接する一対の外側領域45a,45aに向かって直線的に徐々に増加するように着磁され、且つ、一対の外側領域45a,45a内で最大磁束密度(最大磁界強度)が得られるように着磁されている。
上記を言い換えると、湾曲状磁石45の位置検出用磁極45aは、磁束密度が一対のN極とS極とのNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するようにNS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域45a,45aと、一対の中間領域45a,45aよりも更にNS境界部位から離れた位置において磁束密度が最大となるように着磁された一対の外側領域45a,45aとを備えていることになる。
これにより、湾曲状磁石45の位置検出用磁極45aの磁束密度は、図1(d),(e)に示したように、中間領域45a〜無磁極領域45a〜中間領域45aの大幅な区間で磁束密度が略直線的に変化し、この直線区間が大きく得られていると共に、外側領域45a,45a側は曲線状に変化している。
一方、湾曲状磁石45の駆動用磁極45bは、図1(d),(f)に示したように、駆動用着磁ヨーク部1Bの磁気ギャップ部1fと対向するNS境界部位に無磁極領域45bが幅狭く形成されていると共に、磁気ギャップ部1fの両側に形成した一対の着磁片1a,1bの当接面1a,1bが当接する一対の外側領域45b,45b内で最大磁束密度(最大磁界強度)が得られるように着磁されて、図1(f)に示したように磁束密度が略正弦波状に得られている。
尚、実施例1では、位置検出用磁極45aと駆動用磁極45bとを合わせて湾曲状磁石45を形成した例を説明したが、位置検出用磁極45aだけを有する位置検出用の磁石(図示せず)を形成する場合には図1(a)に示した位置検出用着磁ヨーク部1Aだけを適用すれば良い。
次に、図2(a),(b)に示した如く、実施例1の位置検出装置5は、上記のように着磁した湾曲状磁石45をバックヨーク3を介して回動筒体4に取り付けると共に、回動筒体4が回動しないで基準位置に至っている時に、ホール素子24を湾曲状磁石45の位置検出用磁極45aの無磁極領域45aの湾曲面に対して間隔を離して対向するようにプリント配線基板6に半田付けして、このプリント配線基板6を固定部材7に固定しているので、実施例1の位置検出装置5は湾曲面対向型として構成されている。
尚、湾曲状磁石45の駆動用磁極45bの作用については、後述する実施例1の振れ補正装置30(図3)で説明する。
そして、回動筒体4が矢印方向に回動すると、ホール素子24の出力が図2(c)に示したように得られ、このホール素子24の出力は先に図1(e)で示した位置検出用磁極45aの磁束密度に略比例しているので、幅広い直線区間LKが得られる。これにより、回動筒体4の回動範囲を大きく設定しても、回動筒体4の回動位置を確実に検出することができる。
尚、この実施例1では、ホール素子24を固定し、湾曲状磁石45を移動させているが、これに限ることなく、いずれか一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付ければ良い。
尚また、湾曲状磁石45に代えて平坦状磁石(図示せず)に位置検出用磁極を平坦に形成して、移動部材を固定部材に対して直線的に移動させても、同様の結果が得られる。
次に、前記したようにNS境界部位の両側から外側に向かって磁束密度が徐々に増加するように位置検出用磁極を着磁し、且つ、NS境界部位の両側に駆動用磁極を着磁した湾曲状磁石を回動筒体に取り付けて構成した本発明に係る実施例1の振れ補正装置について図3〜図9を用いて説明する。
図3は本発明に係る実施例1の振れ補正装置を適用したビデオカメラの全体構成を示した構成図、
図4(a),(b),(c)は本発明に係る実施例1の振れ補正装置内に設けた固定頂角プリズムと、第1回動頂角プリズムと、第2回動頂角プリズムとを説明するための正面図,側面画,斜視図、
図5(a),(b)は本発明に係る実施例1の振れ補正装置内に設けた固定頂角プリズムと、第1回動頂角プリズムと、第2回動頂角プリズムとによる光束偏向の動作原理を説明するための図、
図6は本発明に係る実施例1の振れ補正装置を分解して示した分解斜視図、
図7(a),(b),(c)は本発明に係る実施例1の振れ補正装置を示したY−Y断面図、X−X断面図、正面図、
図8は本発明に係る実施例1の振れ補正装置において、前枠体と第1回動筒体との間に挟持された複数のボールを前枠体側に押し付ける力について説明するための断面図、
図9は本発明に係る実施例1の振れ補正装置において、第1回動頂角プリズムを取り付けた第1回動筒体の回動動作を説明するための図であり、(a)は初期状態を示し、(b)は回動時を示した図である。
図3に示したビデオカメラ10Aでは、本発明に係る実施例1の振れ補正装置30がレンズ鏡筒11の前方部位に取り付けられている。この振れ補正装置30では、プリズム保持枠体31が前枠体32と後枠体33とに2分割されて一体的に合体されており、このプリズム保持枠体31内には被写体側に固定した固定頂角プリズム34と、ビデオカメラ10Aの横振れ量(又は縦振れ量)に応じて電磁力により光軸K(=中心軸)と直交する面内で所定の角度範囲に亘って回動する第1回動頂角プリズム35と、ビデオカメラ10Aの縦振れ量(又は横振れ量)に応じて電磁力により光軸Kと直交する面内で所定の角度範囲に亘って回動する第2回動頂角プリズム36とが上記順に内蔵されている。
この際、第1,第2回動頂角プリズム35,36は、いずれか一方をビデオカメラ10Aの横振れ量に応じて回動させ、且つ、他方をビデオカメラ10Aの縦振れ量に応じて回動させれば良いものである。尚、この実施例1では、横振れ量に応じて第1回動頂角プリズム35を回動させ、縦振れ量に応じて第2回動頂角プリズム36を回動させる場合について以下説明する。
また、レンズ鏡筒11内には、光軸Kに沿って被写体を撮影する前玉レンズ(群)12と、この前玉レンズ(群)12により撮影した被写体像を変倍(ズーミング)するために光軸方向に移動自在な変倍レンズ(群)13と、被写体像の光量を調整するために開閉自在なアイリス14と、被写体像のピントを調整するために光軸方向に移動自在なフォーカスレンズ(群)15と、被写体像を光電変換する固体撮像素子16とが被写体側から上記順に配置されている。この際、実施例1の振れ補正装置30と、レンズ鏡筒11内の各部材12〜16とは、光軸を一致させている。
また、ビデオカメラ10A内には、全体を制御する制御部21と、光軸Kと直交したY軸(第1軸)に対して左右方向に横振れした時の横振れ量(第1振れ量)を検出する横振れ量検出器(第1振れ量検出器)22と、光軸K及びY軸(第1軸)と直交したX軸(第2軸)に対して上下方向に縦振れした時の縦振れ量(第2振れ量)を検出する縦振れ量検出器(第2振れ量検出器)23と、振れ補正装置30内で横振れ量に応じて回動する第1回動頂角プリズム35の回動角度を検出する第1の角度センサ24と、振れ補正装置30内で縦振れ量に応じて回動する第2回動頂角プリズム36の回動角度を検出する第2の角度センサ25と、振れ補正装置30内に設けた第1,第2回動頂角プリズム35,36をそれぞれ所定の角度範囲に亘って回動させる回動頂角プリズム駆動回路26と、が設けられている。
この際、横振れ量検出器22及び縦振れ量検出器23は、ジャイロ等の周知の角速度センサにより構成され、且つ、ビデオカメラ10Aの横方向(X軸方向)と縦方向(Y軸方向)とに検出面を向けて設けられており、横振れと縦振れとにそれぞれ起因した各角速度を検出して、各角速度に対応した横振れ量及び縦振れ量を制御部21に入力している。
また、第1,第2の角度センサ24,25は、先に説明したように、磁束密度の変化を電圧に変換するホール素子をそれぞれ用いており、第1,第2回動頂角プリズム35,36側にそれぞれ取り付けた湾曲状磁石45,55の位置検出用磁極45a,55a(図6)の各磁束密度を各ホール素子24,25で検出して、各検出結果を制御部21に入力することで、第1,第2回動頂角プリズム35,36の各回動位置の制御が行われているので、初期時に第1,第2回動頂角プリズム35,36をそれぞれの基準位置(初期位置)に至らしめることができるようになっている。
また、回動頂角プリズム駆動回路26は、横振れ量及び縦振れ量に応じて後述するコイル配線基板48,58(図7)に各コイル駆動電流を供給している。
ここで、図4(a),(b)に示した如く、実施例1の振れ補正装置30内に設けた固定頂角プリズム34及び第1回動頂角プリズム35並びに第2回動頂角プリズム36は、共に透明な光学ガラス又は透明な樹脂材を用いて外形が円形状に形成されており、且つ、頂角方向が共に薄い厚みに形成されている一方、頂角方向に対して光軸Kを介した反対側が厚い厚みに形成された光束偏向用光学部材である。
この際、図4(c)に示した如く、被写体側から見た時に、固定設置される固定頂角プリズム34の頂角方向は、常に右斜め下方(例えば−45°の方向)に向くように設定されている。
また、光軸Kを中心にして回動する第1回動頂角プリズム35の頂角方向は、初期時に光軸Kと直交したY軸(第1軸)上で上向きに向くように設定され、且つ、第1回動頂角プリズム35は横振れ量に応じてY軸(第1軸)に対して左右±方向に所定の角度範囲に亘って回動するようになっている。
更に、光軸Kを中心にして回動する第2回動頂角プリズム36の頂角方向は、初期時に光軸K及びY軸(第1軸)と直交したX軸(第2軸)上で図示手前方向に向くように設定され、且つ、第2回動頂角プリズム36は縦振れ量に応じてX軸(第2軸)に対して上下±方向に所定の角度範囲に亘って回動するようになっている。
ここで、固定頂角プリズム34と、第1回動頂角プリズム35と、第2回動頂角プリズム36とによる光束偏向の動作原理を図5(a),(b)を用いて説明する。
図5(a)に示した如く、固定頂角プリズム34と、第1回動頂角プリズム35と、第2回動頂角プリズム36とが初期状態の時に、vectorθ,vectorθ,vectorθはそれぞれ固定頂角プリズム35の頂角方向と、第1回動頂角プリズム35の頂角方向と、第2回動頂角プリズム36の頂角方向とに対応した各像シフトベクトルを示している。
この初期状態では、vectorθとvectorθの合成ベクトルvectorθ1+2をvectorθが打ち消すように固定頂角プリズム34及び第1,第2回動頂角プリズム35,36の各頂角方向が設定されているので、これにより各頂角プリズム34,35,36の3枚で平行平板と等価となる。従って、被写体からの光線の入射角と、頂角プリズムから出射する光線の出射角とが同一で光線は屈折しないので、入射光軸上にある被写体の像Aは移動せずにそのまま出射される。
次に、図5(b)は、初期状態から横振れ量に応じて第1回動頂角プリズム35を例えば+α回動させ、且つ、縦振れ量に応じて第2回動頂角プリズム36を例えば+α回動させた状態を示している。
この回動時には、第1回動頂角プリズム35は像シフトベクトルがvectorθからvectorθ’に移動し、且つ、第2回動頂角プリズム36は像シフトベクトルがvectorθからvectorθ’に移動するので、vectorθ’とvectorθ’の合成ベクトルvectorθ’1+2は、図5(a)に示したvectorθに対して一直線上になく、光線が屈折する。
この際、第1回動頂角プリズム35のベクトル変化分vectorθと、第2回動頂角プリズム36のベクトル変化分vectorθとを平行移動して合成すると合成ベクトルvectorθが得られ、この合成ベクトルvectorθの成分をθX,θYとすると、被写体の像AがXY座標の第1象限中で被写体の像A’に移動することになる。この状態を図5(b)の右側に拡大して表示している。
上記のように、第1回動頂角プリズム35を横振れ量に応じてY軸(第1軸)に対して左右±方向に所定の角度範囲に亘って回動させ、第2回動頂角プリズム36を縦振れ量に応じてX軸(第2軸)に対して上下±方向に所定の角度範囲に亘って回動させれば、被写体の像AはXY座標の第1〜第4象限内を適宜移動できるので、ビデオカメラ10Aに横振れ及び縦振れが生じても被写体の像Aが横振れ方向及び縦振れ方向と相殺する方向に移動して横振れ及び縦振れをキャンセルすることができるので、良好な被写体像が得られる。
次に、本発明に係る実施例1の振れ補正装置30の具体的な構成について図6及び図7(a)〜(c)を用いて説明する。
図6及び図7(a),(b)に示した如く、本発明に係る実施例1の振れ補正装置30では、黒色樹脂材を用いてプリズム保持枠体31が前枠体32と後枠体33とで2分割して形成されており、両者32,33の突き合わせ面同士を蓋合わせして複数のネジなどによりプリズム保持枠体31として一体的に締結されている。
上記した前枠体32は、前面32a側に被写体からの光を通過させるための光通過孔32bが長方形状に貫通して形成されていると共に、この内部に肉抜きした円形状凹部32c{図7(a),(b)}が形成されている。
また、上記した後枠体33は、後面33a側に前枠体32を通過した光を透過させるための光通過孔33bが丸孔状に貫通して形成されていると共に、この内部に肉抜きした円形状凹部33cが形成されている。
また、前枠体32の円形状凹部32c内には、固定頂角プリズム34が被写体側に向かって固定されていると共に、この固定頂角プリズム34と対向して第1回動頂角プリズム35を一体的に取り付けた第1回動筒体41が光軸Kを中心にして所定の角度範囲に亘って回動可能に設けられている。
更に、後枠体33の円形状凹部33c内には、前枠体32内に回動可能に設けた第1回動頂角プリズム35と対向して第2回動頂角プリズム36を一体的に取り付けた第2回動筒体51が光軸Kを中心にして所定の角度範囲に亘って回動可能に設けられている。
この際、被写体側から第1,第2回動頂角プリズム35,36を見た時に、第1回動頂角プリズム35の頂角方向は、図4(c)及び図7(a)に示したように初期時にY軸(第1軸)上で上向きに向かい、一方、第2回動頂角プリズム36の頂角方向は、図4(c)に示したように初期時にX軸(第2軸)上で図示手前に向かっており、X−Xで断面した図7(b)では下向きに図示される。
ここで、図7(b)に示した如く、前枠体32側では、前枠体32の円形状凹部32c内でこの円形状凹部32cの内周面と連結し且つ光軸Kと直交して形成した前側内面32dと、第1回動頂角プリズム35を取り付けた第1回動筒体41のうちで上記した前側内面32dと対向する前面41aとに、リテーナ42に支持した少なくとも3個以上のボール43が転動するためのリング状溝32d1(図8のみに図示),41a1(図8のみに図示)がそれぞれ形成されており、複数のボール43は前枠体32の円形状凹部32cの前側内面32dと第1回動筒体41の前面41aとの間に挟持されているので、複数のボール43に案内されて第1回動筒体41が光軸K回りに回動できるようになっている。
また、第1回動筒体41は、図6に示したように、左右の外周面41bが円弧状に左右対称に形成され、且つ、左右の外周面41bの上下に切り欠き部41cが上下対称に形成されている。
そして、図6及び図7(b)に示した如く、第1回動筒体41のうちでX軸(第2軸)と交差する左右の外周面41bには、一対のバックヨーク44が左右対称に凹枠状に固着されており、これら一対のバックヨーク44内に一対の湾曲状磁石45がそれぞれ固着されている。
この際、一対の湾曲状磁石45は、図6に示したように、位置検出用磁極45aと、駆動用磁極45bとが、先に図1(a)を用いて説明した着磁ヨ−ク1の位置検出用着磁ヨーク部1Aと、先に図1(b)を用いて説明した着磁ヨ−ク1の駆動用着磁ヨーク部1Bとにより奥行き方向に沿って形成されていると共に、図6及び図7(b),(c)並び図8に示した如く、一対の湾曲状磁石45のうちで一方の湾曲状磁石45の位置検出用磁極45aに対向してホール素子を用いた第1の角度センサ24がプリント配線基板27に取り付けられて、このプリント配線基板27が下記するリング状コイル配線基板59に接続されている。
一方、前枠体32の円形状凹部32c内で光軸Kと同心に形成した内周面の左右には、一対のバックヨーク46が左右対称に円弧状に固着され、これら一対のバックヨーク46上の内周面に駆動コイル47を有する一対のコイル配線基板48がそれぞれ固着されている共に、一対のコイル配線基板48は後枠体33の後面33a側に設けたリング状コイル配線基板59に接続されている。
そして、第1回動筒体41の左右の外周面41bに固着した一対のバックヨーク44及び一対の湾曲状磁石45の駆動用磁極45b(図6)は、前枠体32内に形成した円形状凹部32cの内周面の左右に固着した一対のバックヨーク46及び一対の駆動コイル47と僅かに間隔を離して対向しているので、電磁力発生手段が湾曲面対向型として構成されている。
この際、図8に拡大して示した如く、前枠体32内に形成した円形状凹部32cの内周面の左右に固着した一対のバックヨーク46のうちで前枠体32の前面32aから遠い位置にある後端部位は、第1回動筒体41の左右の外周面41bに固着した一対のバックヨーク44の後端部位よりも前枠体32の前面32a側に寸法Lだけ近い位置にある。
この構成において、第1回動筒体41の左右の外周面41bに一対のバックヨーク44を介して固着した一対の湾曲状磁石45の駆動用磁極45b(図6)による各磁力線Jは、一対のバックヨーク44の後端部位から出て一対のコイル配線基板48を貫通した後に、前枠体32の円形状凹部32cの内周面の左右に固着した一対のバックヨーク46の後端部位に入るので、各一対のバックヨーク44,46を引き付ける方向、言い換えると、寸法Lを小さくする方向に磁気吸引作用が働き、前枠体32と第1回動筒体41との間に挟持された複数のボール43を前枠体32の円形状凹部32cの前側内面32d側に力Fで押し、この力Fにより第1回動筒体41が複数のボール43を介して前枠体32の円形状凹部32cの前側内面32dに押し付けられながら光軸Kを中心に回転可能になると共に、外周側に向かう各磁力線Jにより第1回動筒体41が光軸Kに対して良好に調心される。
この際、ボール43を押し付ける力Fは、前枠体32を仮に重力方向と反対方向に向けた場合でも第1回動筒体41が重力により前枠体32の円形状凹部32cの前側内面32dから離れて落下しないように湾曲状磁石45の駆動用磁極45b(図6)の強さが設定されている。
また、図9(a)に示した如く、第1回動筒体41の左右の外周面41bに一対のバックヨーク44を介して固着した一対の湾曲状磁石45は、円周を4等分した左右の領域内で円周方向に沿う両端部がN極とS極とにそれぞれ着磁されている。一方、第1回動筒体41の左右の外周面41bと隣り合う上下は切り欠き部41cが形成されているためにバックヨーク及び磁石は固着されていない。
この際、駆動コイル47と湾曲状磁石45の駆動用磁極45b(図6)との間で発生する電磁力により第1回動筒体41を所定の角度範囲に亘って回動させるために、駆動コイル47の円周方向両端部への光軸に対する角度βが、N極とS極とを組とした湾曲状磁石45の円周方向両端部への光軸に対する角度βの略半分に設定されており、この際、駆動コイル47は基準位置(初期位置)に至っている湾曲状磁石45の駆動用磁極45b(図6)の中央部位(NS境界部位)と対向している。
更に、前枠体32内に形成した円形状凹部32cの内周面の左右に固着した一対のバックヨーク46の円周方向両端部への光軸に対する角度βが、上記した角度βよりも大きく設定されているものの、この角度βは後述する後枠体33側に設けた一対のバックヨーク56と衝突しない範囲の角度である。
従って、第1回動筒体41を回動させる際の所定の角度範囲は、(β−β)となり、即ち、X軸又はY軸を中心にすると±(β−β)/2となり、この実施例1ではX軸又はY軸を中心にして第1回動筒体41が±12°程度回動できるように上記した角度β,β,βがそれぞれ設定されている。
そして、図9(b)に示したように、横振れ量に応じてコイル配線基板48内の一対の駆動コイル47に電流を印加すると、一対の駆動コイル47と一対の湾曲状磁石45の駆動用磁極45b(図6)との間で発生する電磁力により第1回動筒体41が横振れ量に応じて例えば+αだけ回動するので、第1回動筒体41と一体に第1回動頂角プリズム35も回動する。
更に、一対の湾曲状磁石45のうちで一方の湾曲状磁石45の位置検出用磁極45a(図6)に対向してホール素子を用いた第1の角度センサ24は、図9(a)に示した如く、第1回動筒体41が回動していない基準位置にある初期状態時に、位置検出用磁極45a(図6)の中央部位(NS境界部位)と対向している。
この後、図9(b)に示した如く、第1回動筒体41が回動した時に、第1の角度センサ24は、先に図1(d)で説明したように、湾曲状磁石45の位置検出用磁極45aの磁束密度がNS境界部位の両側から外側に向かって徐々に増加するように着磁された中間領域45a,45aに対向するので、第1の角度センサ24の出力が直線的に変化する直線区間が大幅に得られるために、第1回動筒体41が大きな角度に亘って回動しても、第1回動筒体41の回動角度を確実に検出することができる。
再び、図6及び図7(a),(b)に戻り、後枠体33側は上記した前枠体32側と略同じ構造形態で形成されている。
即ち、後枠体33側では、後枠体33の円形状凹部33c内でこの円形状凹部33cの内周面と連結し且つ光軸Kと直交して形成した後側内面33dと、第2回動頂角プリズム36を取り付けた第2回動筒体51のうちで上記した後側内面33dと対向する後面51aとに、リテーナ52に支持した少なくとも3個以上のボール53が転動するためのリング状溝(符号番号図示せず)がそれぞれ形成されており、複数のボール53は後枠体33の円形状凹部33cの後側内面33dと第2回動筒体51の後面51aとの間に挟持されているので、複数のボール53に案内されて第2回動筒体51が光軸K回りに回動できるようになっている。
また、第2回動筒体51は、図6に示したように、上下の外周面51bが円弧状に上下対称に形成され、且つ、上下の外周面51bの左右に切り欠き部51cが左右対称に形成されている。
そして、図6及び図7(a)に示した如く、第2回動筒体51のうちでY軸と交差する上下の外周面51bには、一対のバックヨーク54が上下対称に凹枠状に固着されており、これら一対のバックヨーク54内に一対の湾曲状磁石55がそれぞれ固着されている。
この際、図6に示した如く、一対の湾曲状磁石55も、前記した一対の湾曲状磁石45と同様に、位置検出用磁極55aと、駆動用磁極55bとが、先に図1(a)を用いて説明した着磁ヨ−ク1の位置検出用着磁ヨーク部1Aと、先に図1(b)を用いて説明した着磁ヨ−ク1の駆動用着磁ヨーク部1Bとにより奥行き方向に沿って形成されていると共に、図6及び図7(a),(c)に示した如く、一対の湾曲状磁石55のうちで一方の湾曲状磁石55の位置検出用磁極55aに対向してホール素子を用いた第2の角度センサ25がプリント配線基板28に取り付けられて、このプリント配線基板28がリング状コイル配線基板59に接続されている。
一方、後枠体33の円形状凹部33c内で光軸Kと同心に形成した内周面の上下には、一対のバックヨーク56が上下対称に円弧状に固着され、これら一対のバックヨーク56上の内周面に駆動コイル57を有する一対のコイル配線基板58がそれぞれ固着されている共に、一対のコイル配線基板58は後枠体33の後面33a側に設けたリング状コイル配線基板59に接続されている。
そして、第2回動筒体51の上下の外周面51bに固着した一対のバックヨーク54及び一対の湾曲状磁石55の駆動用磁極55b(図6)は、後枠体33内に形成した円形状凹部33cの内周面の上下に固着した一対のバックヨーク56及び一対の駆動コイル57と僅かに間隔を離して対向しているので、電磁力発生手段が湾曲面対向型として構成されている。
従って、後枠体33側は、先に図8を用いて説明した前枠体32側と同様に、後枠体33内に形成した円形状凹部33cの内周面の上下に固着した一対のバックヨーク56のうちで後枠体33の後面32aから遠い位置にある前端部位は、第2回動筒体51の上下の外周面51bに固着した一対のバックヨーク54の前端部位よりも後枠体33の後面33a側に寸法L(図示せず)だけ近い位置にある。
この構成において、第2回動筒体51の上下の外周面51bに一対のバックヨーク54を介して固着した一対の湾曲状磁石55の駆動用磁極55b(図6)による各磁力線は、一対のバックヨーク54の前端部位から出て一対のコイル配線基板58を貫通した後に、後枠体33内に形成した円形状凹部33cの内周面の上下に固着した一対のバックヨーク56の前端部位に入るので、各一対のバックヨ−ク54,56を引き付ける方向、言い換えると、寸法L(図示せず)を小さくする方向に磁気吸引作用が働き、後枠体33と第2回動筒体51との間に挟持された複数のボール53を後枠体33の円形状凹部33cの後側内面33d側に力F(図示せず)で押し、この力F(図示せず)により第2回動筒体51が複数のボール53を介して後枠体33の円形状凹部33cの後側内面33dに押し付けられながら光軸Kを中心に回転可能になると共に、外周側に向かう各磁力線Jにより第2回動筒体51が光軸Kに対して良好に調心される。
また、後枠体33側では、第2回動筒体51の上下の外周面51bに固着した一対のバックヨーク54及び一対の湾曲状磁石55の駆動用磁極55b(図6)と、後枠体33内に形成した円形状凹部33cの内周面の上下に固着した一対のバックヨーク56及び一対の駆動コイル57が、先に説明した図9(a),(b)に対して上下配置のみが異なるだけであるので、縦振れ量に応じて第2回動筒体51と一体に第2回動頂角プリズム36を回動させることができる。
更に、磁束密度がNS境界部位の両側から外側に向かって徐々に増加するように着磁された湾曲状磁石55の位置検出用磁極55a(図6)と、ホール素子を用いた第2の角度センサ25とにより第2回動筒体51の回動範囲を大きく設定しても、第2回動筒体51の回動位置を確実に検出することができる。
上記のように構成した実施例1の振れ補正装置30によると、一対の駆動コイル47に印加する電流を横振れ量に応じて可変して一対の湾曲状磁石45の駆動用磁極45bとの間で電磁力を発生させ、且つ、一対の駆動コイル57に印加する電流を縦振れ量に応じて可変して一対の湾曲状磁石55の駆動用磁極55bとの間で電磁力を発生させ、第1回動筒体41に取り付けた第1回動頂角プリズム35と、第2回動筒体51に取り付けた第2回動頂角プリズム36とを、横振れ量及び縦振れ量に応じて生じる各電磁力によりそれぞれ所定の角度範囲に亘って回動させているので、横振れ及び縦振れが生じても被写体の像A(図5)が横振れ方向及び縦振れ方向と相殺する方向に移動して横振れ及び縦振れをキャンセルすることができるので、良好な被写体像が得られると共に、簡単が構造で小型化が可能な振れ補正装置30を提供できる。
図10は本発明に係る実施例2の着磁ヨーク、磁石着磁方法、位置検出用兼駆動用の磁石を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石の位置検出用磁極を着磁する状態を示した正面図であり、(b)は磁石の駆動用磁極を着磁する状態を示した正面図であり、(c)は位置検出用兼駆動用の磁石を示した平面図であり、(d)は位置検出用磁極の磁束密度及び駆動用磁極の磁束密度を示した図、
図11は本発明に係る実施例2の位置検出装置を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石とホール素子とを示した正面図であり、(b)はホール素子を固定部材側に取り付け且つ磁石を移動部材側に取り付けた状態を示した側面図であり、(c)はホール素子の出力を示した波形図、
図12(a),(b)は本発明に係る実施例2の位置検出用兼駆動用の磁石を一部変形させた第1,第2変形例をそれぞれ示した正面図である。
尚、図10及び図11中において、位置検出用兼駆動用の磁石75及びホール素子24は、後述する実施例2の振れ補正装置60(図13)に適用されるために同一の符番を付して説明する。
図10(a)〜(c)に示した如く、本発明に係る実施例2の位置検出用兼駆動用の磁石75は、外径寸法φD、内径寸法φd、厚み寸法Tでリング状の面(以下、リング面と記す)に形成されており、この磁石(以下、リング状磁石と記す)75のリング面の円周方向に沿って領域を例えば4分割して、一つの領域に位置検出用磁極75a、残りの三つの領域に駆動用磁極75bが着磁され、且つ、両磁極75a,75bは領域ごとに円周方向に沿ってN極とS極とで2極にそれぞれ着磁されていると共に、位置検出用磁極75aのリング面にホール素子24(図11)を対向させるためにリング面対向型として構成されている。
ここで、磁性体に対してN極とS極とを着磁して上記した位置検出用兼駆動用のリング状磁石75を得るための着磁ヨーク91は、図10(a)に示した位置検出用着磁ヨーク部91Aと、図10(b)に示した駆動用着磁ヨーク部91Bとがリング状のリング状磁石75の円周方向に沿うように形成されているものの、両ヨーク部91A,91Bはここでの図示を省略するもののリング状に一体化されているので、両ヨーク部91A,91Bにより磁性体に対して位置検出用磁極75aと駆動用磁極75bとを同時に着磁して位置検出用兼駆動用のリング状磁石75を得ることができるようになっている。
尚、位置検出用着磁ヨーク部91Aと、駆動用着磁ヨーク部91Bとを用いて磁性体に対して位置検出用磁極75aと駆動用磁極75bとを別々に着磁して位置検出用兼駆動用のリング状磁石75を得ることも可能であるものの、この場合には着磁工程が増えるために、両磁極75a,75bを同時に着磁する方が好ましいことは明らかである。
具体的に説明すると、着磁ヨーク91の位置検出用着磁ヨーク部91Aは、リング状磁石75を円周方向に沿って4分割したうちの一つの領域内に位置検出用磁極75aを着磁できるように設けられており、図10(a),(c)に示したように、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁してリング状磁石75の位置検出用磁極75aを得るために、幅狭い所定幅GWの磁気ギャップ部91cを挟んだ両側に磁性体に当接させる当接面91a,91bを有する一対の着磁片91a,91bを略左右対称に備えており、且つ、一対の着磁片91a,91bは、それぞれの当接面91a,91bが磁気ギャップ部91cの一端よりも突出しており、磁気ギャップ部91cの一端と、それぞれの当接面91a,91bとの間を接続するテーパ面91a,91bを有している。
従って、位置検出用着磁ヨーク部91Aの一対の着磁片91a,91bは、磁気ギャップ部91cの両側にリング状磁石75のリング面の表面と対向するように形成された一対のテーパ面91a,91bと、一対のテーパ面91a,91bの外側に形成されてリング状磁石75のリング面の表面に当接する一対の当接面91a,91bとからなり、一対のテーパ面91a,91bとリング状磁石75のリング面の表面との間に生じる隙間が磁気ギャップ部91cの両側から一対の当接面91a,91b側に向かって徐々に狭くなるように一対のテーパ面91a,91bを傾斜させているので、磁気ギャップ部91cの近傍で隙間が最大となる一方、一対の当接面91a,91bで隙間が最小となり零になっている。この際、位置検出用着磁ヨーク部91Aには励磁用コイル92が巻回されている。
一方、着磁ヨーク91の駆動用着磁ヨーク部91Bは、リング状磁石75を円周方向に沿って4分割したうちの三つの連接した領域内に三つの駆動用磁極75bをそれぞれ着磁できるように設けられているが、図10(b)では三つの駆動用磁極75bのうちの一つの駆動用磁極75bを着磁する場合を示しており、図10(b),(c)に示したように、磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して一つの駆動用磁極75bを得るために、幅狭い所定幅GWの磁気ギャップ部91fを挟んだ両側に磁性体に当接させる当接面91d,91eを有する一対の着磁片91d,91eを略左右対称に備えており、且つ、一対の着磁片91d,91eは、それぞれの当接面91d,91eが磁気ギャップ部91fの一端に連接されている。
これにより、駆動用着磁ヨーク部91Bの一対の着磁片91d,91eとリング状磁石75のリング面の表面との間に生じる隙間が最小となり零である。この際、駆動用着磁ヨーク部91Bにも、位置検出用着磁ヨーク部91Aに巻回した励磁用コイル92が巻かれている。
更に、リング状磁石75の裏面はリング状のバックヨーク93に固着されている。
ここで、図10(a)〜(c)に示したように、着磁ヨーク91の位置検出用着磁ヨーク部91Aに形成した一対の着磁片1a,1bの当接面1a,1bと、着磁ヨーク91の駆動用着磁ヨーク部91Bに形成した合計三つの一対の着磁片1d,1eの当接面1d,1eとを、リング状磁石75のリング面にそれぞれ当接させて、励磁用コイル2に電流を流すと、それぞれ磁界が発生するので、図10(d)に示したように、リング状磁石75には、位置検出用磁極75aと、三つの駆動用磁極75bとが円周方向に沿って着磁されている。
この際、リング状磁石75の位置検出用磁極75aは、位置検出用着磁ヨーク部91Aの磁気ギャップ部91cと対向するNS境界部位に無磁極領域75aが幅狭く形成されている。
また、前述したように、位置検出用着磁ヨーク部91Aの一対のテーパ面91a,91bはリング状磁石75のリング面との間に生じる隙間が磁気ギャップ部91cの両側から一対の当接面91a,91b側に向かって徐々に狭くなるように傾斜しているので、リング状磁石75の位置検出用磁極75a中で位置検出用着磁ヨーク部91Aの一対のテーパ面91a,91bと対向して形成した一対の中間領域75a,75aの磁束密度(磁界強度)は、一対の中間領域75a,75aよりも外側で位置検出用着磁ヨーク部91Aの一対の当接面91a,91bが当接する一対の外側領域75a,75aに向かって直線的に徐々に増加するように着磁され、且つ、一対の外側領域75a,75a内で最大磁束密度(最大磁界強度)が得られるように着磁されている。
上記を言い換えると、リング状磁石75の位置検出用磁極75aは、磁束密度が一対のN極とS極とのNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するようにNS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域75a,75aと、一対の中間領域75a,75aよりも更にNS境界部位から離れた位置において磁束密度が最大となるように着磁された一対の外側領域75a,75aとを備えていることになる。
これにより、リング状磁石75の位置検出用磁極75aの磁束密度は、図10(c),(d)に示したよう、中間領域75a〜無磁極領域75a〜中間領域75aの大幅な区間で磁束密度が略直線的に変化し、この直線区間が大きく得られていると共に、外側領域75a,75a側は曲線状に変化している。
一方、リング状磁石75の駆動用磁極75bは、図10(c),(d)に示したよう、駆動用着磁ヨーク部91Bの磁気ギャップ部91fと対向するNS境界部位に無磁極領域75bが幅狭く形成されていると共に、駆動用着磁ヨーク部91Bの磁気ギャップ部91fの両側に形成した一対の着磁片91a,91bの当接面91a,91bが当接する一対の外側領域75b,75b内で最大磁束密度(最大磁界強度)が得られるように着磁されて、図10(d)に示したように磁束密度が略台形状に得られている。
尚、実施例2では、位置検出用磁極75aと駆動用磁極75bとを合わせてリング状磁石75を形成した例を説明したが、位置検出用磁極75aだけを有する位置検出用の磁石(図示せず)を形成する場合には図10(a)に示した位置検出用着磁ヨーク部91Aだけを適用すれば良い。
次に、図11(a),(b)に示した如く、実施例2の位置検出装置95は、上記のように着磁したリング状磁石75をバックヨーク93を介して移動部材となる回動筒体94に取り付けると共に、回動筒体94が回動しないで基準位置(初期位置)に至っている時に、ホール素子24をリング状磁石75の位置検出用磁極75aの無磁極領域75aのリング面に対して間隔を離して対向するようにプリント配線基板96に半田付けして、このプリント配線基板96を固定部材97に固定しているので、実施例2の位置検出装置95はリング面対向型として構成されている。
尚、リング状磁石75の駆動用磁極75bの作用については、後述する実施例2の振れ補正装置60(図13)で説明する。
そして、回動筒体94が矢印方向に回動すると、ホール素子24の出力が図11(c)に示したように得られ、このホール素子24の出力は先に図10(c)で示した位置検出用磁極75aの磁束密度に略比例しているので、幅広い直線区間LKが得られる。これにより、回動筒体94の回動範囲を大きく設定しても、回動筒体94の回動位置を確実に検出することができる。
尚、この実施例2では、ホール素子24を固定し、リング状磁石75を移動させているが、これに限ることなく、いずれか一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付ければ良い。
次に、実施例2のリング状磁石75を一部変形させた変形例について図12(a),(b)を用いて簡略に説明する。
図12(a)に示した実施例2の第1変形例では、リング状に形成したリング状磁石75Aを円周方向に沿って領域を例えば4分割した際に、四つの領域のうちの一つの領域に対して径方向に沿って2分し、この一つの領域内で外周側に位置検出用領域75cをこの領域の円周方向の幅と同じ幅で形成し、且つ、内周側に駆動用領域75dをこの領域の円周方向の幅と同じ幅で形成したものであり、これにより一つの位置検出用領域75cと一つの駆動用領域75d及び三つの駆動用領域75bが形成されているので、リング状のリング状磁石75Aの全周に亘って駆動領域を設けることができるために、回動筒体94(図11)を回動させたときに安定な駆動力が得られる。
また、図12(b)に示した実施例2の第2変形例では、リング状に形成したリング状磁石75Bを円周方向に沿って領域を例えば4分割した際に、四つの領域のうちの一つの領域に対して径方向に沿って2分し、この一つの領域内で外周側に位置検出用領域75eをこの領域の円周方向の幅より狭く形成し、且つ、内周側に駆動用領域75fをこの領域の円周方向の幅と同じ幅で形成したものであり、これにより一つの位置検出用領域75eと一つの駆動用領域75f及び三つの駆動用領域75bが形成されているので、リング状のリング状磁石75Bの全周に亘って駆動領域を設けることができるために、回動筒体94(図11)を回動させたときに安定な駆動力が得られる。
次に、前記したようにNS境界部位の両側から外側に向かって磁束密度が徐々に増加するように位置検出用磁極を着磁し、且つ、NS境界部位の両側に駆動用磁極を着磁したリング状磁石を回動筒体に取り付けて構成した本発明に係る実施例2の振れ補正装置について図13〜図17を用いて説明する。
図13は本発明に係る実施例2の振れ補正装置を適用したビデオカメラの全体構成を示した構成図、
図14は本発明に係る実施例2の振れ補正装置を分解して示した分解斜視図、
図15(a),(b)は本発明に係る実施例2の振れ補正装置を示したY−Y断面図、正面図、
図16は本発明に係る実施例2の振れ補正装置において、前枠体と第1回動筒体との間に挟持された複数のボールを前枠体側に押し付ける力について説明するための断面図、
図17は本発明に係る実施例2の振れ補正装置において、第1回動頂角プリズムを取り付けた第1回動筒体の回動動作を説明するための図であり、(a)は初期状態を示し、(b)は回動時を示した図である。
図13に示したビデオカメラ10Bでは、本発明に係る実施例2の振れ補正装置60がレンズ鏡筒11の前方部位に取り付けられている。この振れ補正装置60では、プリズム保持枠体61が前枠体62と中枠体63と後枠体64とに3分割されて一体的に合体されており、このプリズム保持枠体61内には実施例1と同様に、被写体側に固定した固定頂角プリズム34と、ビデオカメラ10Bの横振れ量(又は縦振れ量)に応じて電磁力により光軸K(=中心軸)と直交する面内で所定の角度範囲に亘って回動する第1回動頂角プリズム35と、ビデオカメラ10Bの縦振れ量(又は横振れ量)に応じて電磁力により光軸Kと直交する面内で所定の角度範囲に亘って回動する第2回動頂角プリズム36とが上記順に内蔵されている。
この際、固定頂角プリズム34及び第1,第2回動頂角プリズム35,36は、先に図4(a)〜(c)を用いて説明した実施例1と同様に、各頂角方向が設定されている。
また、第1,第2回動頂角プリズム35,36は、実施例1と同様に、いずれか一方をビデオカメラ10Bの横振れ量に応じて回動させ、且つ、他方をビデオカメラ10Bの縦振れ量に応じて回動させれば良いものである。尚、この実施例2でも、横振れ量に応じて第1回動頂角プリズム35を回動させ、縦振れ量に応じて第2回動頂角プリズム36を回動させる場合について以下説明する。
また、レンズ鏡筒11内には、実施例1と同様に、前玉レンズ(群)12と、変倍レンズ(群)13と、アイリス14と、フォーカスレンズ(群)15と、被写体像を光電変換する固体撮像素子16とが被写体側から上記順に配置されている。この際、実施例2の振れ補正装置60と、レンズ鏡筒11内の各部材12〜16とは、光軸を一致させている。
また、ビデオカメラ10B内には、実施例1と同様に、制御部21と、横振れ量検出器22と、縦振れ量検出器23と、第1の角度センサ24と、第2の角度センサ25と、回動頂角プリズム駆動回路26とが設けられている。
次に、本発明に係る実施例2の振れ補正装置60の具体的な構成について図14及び図15(a),(b)を用いて説明する。尚、実施例2の振れ補正装置60においても、光軸Kと直交するY軸を第1軸、光軸K及びY軸と直交するX軸を第2軸とする。
図14及び図15(a),(b)に示した如く、本発明に係る実施例2の振れ補正装置60では、黒色樹脂材を用いてプリズム保持枠体61が前枠体62と中枠体63と後枠体64とで3分割して形成されており、各枠体62,63,64の突き合わせ面同士を蓋合わせして複数のネジなどによりプリズム保持枠体61として一体的に締結されている。
上記した前枠体62は、前面62a側に被写体からの光を通過させるための光通過孔62bが長方形状に貫通して形成されていると共に、この内部に肉抜きした円形状凹部62cが形成されている。
また、上記した中枠体63は、内部にプリズム保持枠体61の内周面の一部となる大径の丸孔63aが貫通して形成されている。
また、上記した後枠体64は、後面64a側に前枠体62及び中枠体63を通過した光を透過させるための光通過孔64bが丸孔状に貫通して形成されていると共に、この内部に肉抜きした円形状凹部64c{図15(a)}が形成されている。
また、前枠体62の円形状凹部62c内には、固定頂角プリズム34が被写体側に固定されている。
また、前枠体62の円形状凹部62c内及び中枠体63の丸孔63a内には、固定頂角プリズム34と対向して第1回動頂角プリズム35を一体的に取り付けた第1回動筒体71が光軸Kを中心にして所定の角度範囲に亘って回動可能に設けられている。
更に、中枠体63の丸孔63a内及び後枠体64の円形状凹部64c内には、第1回動頂角プリズム35と対向して第2回動頂角プリズム36を一体的に取り付けた第2回動筒体81が光軸Kを中心にして所定の角度範囲に亘って回動可能に設けられている。
この際、被写体側から第1,第2回動頂角プリズム35,36を見た時に、第1回動頂角プリズム35の頂角方向は、図4(c)及び図15(a)に示したように初期時にY軸(第1軸)上で上向きに向かい、一方、第2回動頂角プリズム36の頂角方向は、図4(c)に示したように初期時にX軸(第2軸)上で図示手前に向かっている。
ここで、前枠体62側では、前枠体62の円形状凹部62c内でこの円形状凹部62cの内周面と連結し且つ光軸Kと直交して形成した前側内面62dと、第1回動頂角プリズム35を取り付けた第1回動筒体71のうちで上記した前側内面62dと対向する前面71aとに、リテーナ72に支持した少なくとも3個以上のボール73が転動するためのリング状溝62d1(図16のみに図示),71a1(図16のみに図示)がそれぞれ形成されており、複数のボール73は前枠体62の円形状凹部62cの前側内面62dと第1回動筒体71の前面71aとの間に挟持されているので、複数のボール73に案内されて第1回動筒体71が光軸K回りに回動できるようになっている。
また、第1回動筒体71は、後面71b(図14,図16)側の外周部位に沿ってリング状バックヨーク74が光軸Kと直交するように固着されており、且つ、このリング状バックヨーク74にリング状磁石75が前枠体62の円形状凹部62c側に向かって固着されている。
この際、リング状磁石75は、図15(b)に示したように、一つの位置検出用磁極75aと、三つの駆動用磁極75bとが、先に図10(a)を用いて説明した着磁ヨ−ク91の位置検出用着磁ヨーク部91Aと、先に図10(b)を用いて説明した着磁ヨ−ク91の駆動用着磁ヨーク部91Bとにより円周方向に沿って形成されていると共に、リング状磁石75の位置検出用磁極75aに対向してホール素子を用いた第1の角度センサ24がリング状コイル配線基板78に取り付けられている。
一方、前枠体62の円形状凹部62c内で前側内面62d側に位置する内周面の後端部位には、リング状磁石75の外周径よりも寸法2×H(図16のみ図示)だけ大径に形成された鍔付きリング状バックヨーク76が光軸Kと直交するように固着され、且つ、この鍔付きリング状バックヨーク76上に45°の間隔で複数の駆動コイル77を有するリング状コイル配線基板78が各駆動コイル77を直列(シリーズ)にプリント配線した状態でリング状磁石75の駆動用磁極75b側に向かって固着されている共に、このリング状コイル配線基板78から突出させた結線用パターン部78aが中枠体63の外部に向かって露出している。
更に、第1回動筒体71の前面71aの背面に、リング状バックヨーク79が光軸Kと直交するように固着されており、このリング状バックヨーク79はこれと一体に第1回動筒体71に固着したリング状バックヨーク74への磁気ループを形成している。
そして、第1回動筒体71の後面71b側に固着したリング状バックヨーク74及びリング状磁石75の駆動用磁極75bは、前枠体62内に形成した円形状凹部62cの内周面の後端部位に固着した鍔付きリング状バックヨーク76及び複数の駆動コイル77と僅かに間隔を離して対向していると共に、第1回動筒体71の前面71aの背面に固着したリング状バックヨーク79は複数の駆動コイル77と僅かに間隔を離して対向しているので、電磁力発生手段がリング面対向型として構成されている。
この際、図16に拡大して示した如く、第1回動筒体71の後面71b側にリング状バックヨーク74を介して固着したリング状磁石75の駆動用磁極75b(図15)による磁力線Jは、リング状コイル配線基板78を貫通した後、前枠体62内に形成した円形状凹部62cの内周面の後端部位に固着され且つリング状磁石75よりも大径な鍔付きリング状バックヨーク76に入るので、両バックヨ−ク74,76を引き付ける方向、言い換えると、両バックヨ−ク74,76の間隔を狭める方向に磁気吸引作用が働き、前枠体62と第1回動筒体71との間に挟持された複数のボール73を前枠体62の円形状凹部62cの前側内面62d側に力Fで押し、この力Fにより第1回動筒体71が前枠体62の円形状凹部62cの前側内面62dに押し付けられながら光軸Kを中心に回転可能になると共に、外周側に向かう磁力線Jにより第1回動筒体71が光軸Kに対して良好に調心される。
この際、ボール73を押し付ける力Fは、前枠体62を仮に重力方向と反対方向に向けた場合でも第1回動筒体71が重力により前枠体62の円形状凹部62cの前側内面62dから離れて落下しないようリング状磁石75の強さが設定されているものの、リング状磁石75の強さが強すぎる場合には第1回動筒体71の前面71aの背面に固着したリング状バックヨーク79の外周径寸法の設定により磁界の強さを調整している。
また、図17(a)に示した如く、第1回動筒体71の後面71b(図16)側にリング状バックヨーク74を介して固着したリング状磁石75の駆動用磁極75bは、N極とS極とが円周方向に沿ってそれぞれ45°間隔で6極に着磁されている一方、前枠体62内に形成した円形状凹部62cの内周面の後端部位に鍔付きリング状バックヨーク76を介して固着したリング状コイル配線基板78に設けられた合計で7個の駆動コイル77もそれぞれ45°間隔で配置されている。
尚、この実施例2において、リング状磁石75を一部変更して、先に図12(a),(b)を用いて説明したと同様に、リング状磁石75を円周方向に沿って領域を例えば4分割した際に、四つの領域のうちの一つの領域に対して径方向に沿って2分し、この一つの領域内で外周側に位置検出用領域を形成し、且つ、内周側に駆動用領域を形成した場合に、駆動用領域は45°間隔で8極に着磁されるので、第1回動筒体71を回動させるときに安定な駆動力が得られる。
従って、この実施例2においても、実施例1と同様に、駆動コイル77とリング状磁石75の駆動用磁極75bとの間で発生する電磁力により第1回動筒体71を所定の角度範囲に亘って回動させるために、複数の駆動コイル77中で一つの駆動コイル77の円周方向両端部への光軸に対する角度が、リング状磁石75中でN極とS極とを組とした一組(2極)の磁石75の円周方向両端部への光軸に対する角度の略半分に設定されており、具体的には図示したように一つの駆動コイル77の円周方向両端部への光軸に対する角度は略45°であり、N極とS極とを組とした一組(2極)の磁石75の円周方向両端部への光軸に対する角度は略90°である。
言い換えると、複数の駆動コイル77が直列(シリーズ)に結線され、且つ、リング状磁石75が偶数極に着磁された状態で、複数の駆動コイル77中で一つの駆動コイル77の円周方向両端部への光軸に対する角度は、リング状磁石75中でN極又はS極に着磁された一つ(1極)の磁石75の円周方向両端部への光軸に対する角度と略同じになるものである。
この際、一つの駆動コイル77がN極とS極とを組とした一組(2極)の磁石75の着磁エリア中で隣り合うN極とS極との間のクロスポインまで着てしまうと回動トルクが発生しないので復帰できなくなるために、円周方向への着磁角度以内であり、実際には駆動コイル77自身も取り付け角度のバラツキがあるために、クロスポイント付近は磁束密度が立ち上がる部分で発生トルクが完全でないことから、第1回動筒体71を回動させる際の所定の角度範囲は、N極又はS極に着磁された一つ(1極)の磁石75の円周方向への角度の2/3程度となり、N極又はS極に着磁された一つ(1極)の磁石75の円周方向への取り付け角度が45°の場合には所定の角度範囲が30°となり、即ち、X軸又はY軸を中心にすると±15°程度になる。
尚、第1回動筒体71の後面71b(図16)側にリング状バックヨーク74を介して固着されるリング状磁石75の着磁極数はこの実施例2では6極に設定したが、これに限ることなく、リング状磁石75の着磁極数は偶数極であれば良く、リング状磁石75の着磁極数を4,6,8,12,……にそれぞれ設定すれば、上記から所定の回動範囲は60°,40°,30°,20°,……となる。
そして、図17(b)に示したように、横振れ量に応じてコイル配線基板78内の7個の駆動コイル77に電流を印加すると、7個の駆動コイル77と6極に着磁されたリング状磁石75との間で発生する電磁力により第1回動筒体71(図16)が横振れ量に応じて例えば+αだけ回動するので、第1回動筒体71(図16)と一体に第1回動頂角プリズム35(図16)も回動する。
更に、リング状磁石75の位置検出用磁極75aに対向してホール素子を用いた第1の角度センサ24は、図17(a)に示した如く、第1回動筒体71(図16)が回動していない基準位置にある初期状態時に、幅狭い無磁極領域75aに対向している。
この後、図17(b)に示した如く、第1回動筒体71(図16)が回動した時に、第1の角度センサ24は、リング状磁石75の位置検出用磁極75aの磁束密度がNS境界部位の両側から外側に向かって徐々に増加するように着磁された中間領域75a,(75a)に対向するので、第1の角度センサ24の出力が直線的に変化する直線区間が大幅に得られるために、第1回動筒体71が大きな角度に亘って回動しても、第1回動筒体71の回動角度を確実に検出することができる。
再び、図14及び図15(a),(b)に戻り、後枠体64側は上記した前枠体62側と略同じ構造形態で形成されている。
即ち、後枠体64側では、後枠体64の円形状凹部64c内でこの円形状凹部64cの内周面と連結し且つ光軸Kと直交して形成した後側内面64dと、第2回動頂角プリズム36を取り付けた第2回動筒体81のうちで上記した後側内面64dと対向して後面81bより引っ込んだ円形凹面81cとに、リテーナ82に支持した少なくとも3個以上のボール83が転動するためのリング状溝(符号番号図示せず)がそれぞれ形成されており、複数のボール83は後枠体64の円形状凹部64cの後側内面64dと第2回動筒体81の円形凹面81cとの間に挟持されているので、複数のボール83に案内されて第2回動筒体81が光軸K回りに回動できるようになっている。
また、第2回動筒体81は、前面81a(図14)側の外周部位に沿ってリング状バックヨーク84が光軸Kと直交するように固着されており、且つ、このリング状バックヨーク84に6極に着磁されたリング状磁石85が後枠体64の円形状凹部64c側に向かって固着されている。
この際、リング状磁石85も、リング状磁石75と同様に、一つの位置検出用磁極(85a…図示せず)と、三つの駆動用磁極(85b…図示せず)とが円周方向に沿って形成されていると共に、リング状磁石85の位置検出用磁極に対向してホール素子を用いた第2の角度センサ25(図13)がリング状コイル配線基板88に取り付けられている。
一方、後枠体64の円形状凹部64c内で後側内面64d側に位置する内周面の前端部位には、先に図16を用いて説明した鍔付きリング状バックヨーク76と同様に、リング状磁石85の外周径よりも寸法2×H(図示せず)だけ大径に形成された鍔付きリング状バックヨーク86が光軸Kと直交するように固着され、且つ、この鍔付きリング状バックヨーク86上に45°の間隔で7個の駆動コイル87を有するリング状コイル配線基板88が各駆動コイル87を直列(シリーズ)にプリント配線した状態でリング状磁石85側に向かって固着されている共に、このリング状コイル配線基板88から突出させた結線用パターン部(88a…図示せず)が中枠体63の外部に向かって露出している。
更に、第2回動筒体81の後面81bの背面に、リング状バックヨーク89が光軸Kと直交するように固着されており、このリング状バックヨーク89はこれと一体に第2回動筒体81に固着したリング状バックヨーク84への磁気ループを形成している。
そして、第2回動筒体81の前面81a側に固着したリング状バックヨーク84及びリング状磁石85の駆動用磁極は、後枠体64内に形成した円形状凹部64cの内周面の前端部位に固着した鍔付きリング状バックヨーク86及び複数の駆動コイル87と僅かに間隔を離して対向していると共に、第2回動筒体81の後面81bの背面に固着したリング状バックヨーク89は複数の駆動コイル87と僅かに間隔を離して対向しているので、電磁力発生手段がリング面対向型として構成されている。
従って、後枠体64側では、先に図16を用いて説明した前枠体62側と同様に、第2回動筒体81の前面81a側にリング状バックヨーク84を介して固着したリング状磁石85の駆動用磁極による磁力線が、後枠体64内に形成した円形状凹部64cの内周面の前端部位に固着され且つリング状磁石85よりも大径な鍔付きリング状バックヨーク86に入るので、両バックヨ−ク84,86を引き付ける方向、言い換えると、両バックヨ−ク84,86の間隔を狭める方向に磁気吸引作用が働き、後枠体64と第2回動筒体81との間に挟持された複数のボール83を後枠体64の円形状凹部64cの後側内面64dに力F(図示せず)で押し、この力F(図示せず)により第2回動筒体81が後枠体64の円形状凹部64cの後側内面64dに押し付けられながら光軸Kを中心に回転可能になると共に、外周側に向かう磁力線により第2回動筒体81が光軸Kに対して良好に調心される。
また、後枠体64側において、リング状磁石85の駆動用磁極と複数の駆動コイル87との配置関係は、先に説明した図17(a),(b)用いて説明した前枠体62側と同じであるので、縦振れ量に応じて第2回動筒体81を回動させることができる。
更に、磁束密度がNS境界部位の両側から外側に向かって徐々に増加するように着磁されたリング状磁石85の位置検出用磁極(85a…図示せず)と、ホール素子を用いた第2の角度センサ25とにより第2回動筒体81の回動範囲を大きく設定しても、第2回動筒体81の回動位置を確実に検出することができる。
上記のように構成した実施例2の振れ補正装置60によると、複数の駆動コイル77に印加する電流を横振れ量に応じて可変してリング状磁石75の駆動用磁極75bとの間で電磁力を発生させ、且つ、複数の駆動コイル87に印加する電流を縦振れ量に応じて可変してリング状磁石85の駆動用磁極(85b…図示せず)との間で電磁力を発生させ、第1回動筒体71に取り付けた第1回動頂角プリズム35と、第2回動筒体81に取り付けた第2回動頂角プリズム36とを、横振れ量及び縦振れ量に応じて生じる各電磁力によりそれぞれ所定の角度範囲に亘って回動させているので、横振れ及び縦振れが生じても被写体の像A(図5)が横振れ方向及び縦振れ方向と相殺する方向に移動して横振れ及び縦振れをキャンセルすることができるので、良好な被写体像が得られると共に、簡単が構造で小型化が可能な振れ補正装置60を提供できる。
本発明に係る実施例1の着磁ヨーク、磁石着磁方法、位置検出用兼駆動用の磁石を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石の位置検出用磁極を着磁する状態を示した断面図であり、(b)は磁石の駆動用磁極を着磁する状態を示した断面図であり、(c)は(a)と(b)とを合体させたY−Y矢視図であり、(d)は位置検出用兼駆動用の磁石を示した平面図であり、(e)は位置検出用磁極の磁束密度を示した図であり、(f)は駆動用磁極の磁束密度を示した図である。 本発明に係る実施例1の位置検出装置を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石とホール素子とを示した平面図であり、(b)はホール素子を固定部材側に取り付け且つ磁石を移動部材側に取り付けた状態を示した正面図であり、(c)はホール素子の出力を示した図である。 本発明に係る実施例1の振れ補正装置を適用したビデオカメラの全体構成を示した構成図である。 (a),(b),(c)は本発明に係る実施例1の振れ補正装置内に設けた固定頂角プリズムと、第1回動頂角プリズムと、第2回動頂角プリズムとを説明するための正面図,側面画,斜視図である。 (a),(b)は本発明に係る実施例1の振れ補正装置内に設けた固定頂角プリズムと、第1回動頂角プリズムと、第2回動頂角プリズムとによる光束偏向の動作原理を説明するための図である。 本発明に係る実施例1の振れ補正装置を分解して示した分解斜視図である。 (a),(b),(c)は本発明に係る実施例1の振れ補正装置を示したY−Y断面図、X−X断面図、正面図である。 本発明に係る実施例1の振れ補正装置において、前枠体と第1回動筒体との間に挟持された複数のボールを前枠体側に押し付ける力について説明するための断面図である。 本発明に係る実施例1の振れ補正装置において、第1回動頂角プリズムを取り付けた第1回動筒体の回動動作を説明するための図であり、(a)は初期状態を示し、(b)は回動時を示した図である。 本発明に係る実施例2の着磁ヨーク、磁石着磁方法、位置検出用兼駆動用の磁石を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石の位置検出用磁極を着磁する状態を示した正面図であり、(b)は磁石の駆動用磁極を着磁する状態を示した正面図であり、(c)は位置検出用兼駆動用の磁石を示した平面図であり、(d)は位置検出用磁極の磁束密度及び駆動用磁極の磁束密度を示した図である。 本発明に係る実施例2の位置検出装置を説明するために模式的に示した図であり、(a)は磁石とホール素子とを示した正面図であり、(b)はホール素子を固定部材側に取り付け且つ磁石を移動部材側に取り付けた状態を示した側面図であり、(c)はホール素子の出力を示した波形図である。 (a),(b)は本発明に係る実施例2の位置検出用兼駆動用の磁石を一部変形させた第1,第2変形例をそれぞれ示した正面図である。 本発明に係る実施例2の振れ補正装置を適用したビデオカメラの全体構成を示した構成図である。 本発明に係る実施例2の振れ補正装置を分解して示した分解斜視図である。 (a),(b)は本発明に係る実施例2の振れ補正装置を示したY−Y断面図、正面図である。 本発明に係る実施例2の振れ補正装置において、前枠体と第1回動筒体との間に挟持された複数のボールを前枠体側に押し付ける力について説明するための断面図である。 本発明に係る実施例2の振れ補正装置において、第1回動頂角プリズムを取り付けた第1回動筒体の回動動作を説明するための図であり、(a)は初期状態を示し、(b)は回動時を示した図である。 従来の位置検出装置において、磁石とホール素子との位置関係を示した図である。 従来の位置検出装置において、磁石内に無磁極領域を設ける際に無磁極領域の幅によってホール素子の出力の直線性が変化する状態を模式的に示した図であり、(a)は磁石内のNS境界部位に無磁極領域を設けない場合を示し、(b)は磁石内のNS境界部位に設けた無磁極領域の幅が所定幅である場合を示し、(c)は磁石内のNS境界部位に設けた無磁極領域の幅が上記した所定値を超えた幅の場合を示した図である。
符号の説明
1…実施例1の着磁ヨーク、
1A…位置検出用着磁ヨーク部、
1a,1b…一対の着磁片、1a,1b…一対のテーパ面、
1a,1b…一対の当接面、1c…磁気ギャップ部、
1B…駆動用着磁ヨーク部、
1d,1e…一対の着磁片、1d,1e…一対の当接面、1f…磁気ギャップ部、
2…励磁用コイル、3…バックヨーク、4…回動筒体、
5…実施例1の位置検出装置、6…プリント配線基板、7…固定部材、
10A,10B…ビデオカメラ、
11…レンズ鏡筒、12…前玉レンズ(群)、13…変倍レンズ(群)、14…アイリス、
15…フォーカスレンズ(群)、16…固体撮像素子、
21…制御部、
22…第1振れ量検出器(横振れ量検出器)、
23…第2振れ量検出器(縦振れ量検出器)、
24…ホール素子(第1の角度センサ)、25…ホール素子(第2の角度センサ)、
26…回動頂角プリズム駆動回路、
30…実施例1の振れ補正装置、
31…プリズム保持枠体、
32…前枠体、32a…前面、32b…光通過孔、32c…円形状凹部、
32d…前側内面、32d1…リング状溝、
33…後枠体、33a…後面、33b…光通過孔、33c…円形状凹部、
33d…後側内面、
34…固定頂角プリズム、
35…第1回動頂角プリズム、36…第2回動頂角プリズム、
41…第1回動筒体、
41a…前面、41a1…リング状溝、41b…外周面、41c…切り欠き部、
42…リテーナ、43…ボール、44…バックヨーク、
45…磁石(湾曲状磁石)、45a…位置検出用磁極、
45a…無磁極領域、45a,45a…中間領域、45a,45a…外側領域、
45b…駆動用磁極、45b…無磁極領域、45b,45b…外側領域、
46…バックヨーク、47…コイル、48…コイル配線基板、
51…第2回動筒体、
51a…後面、51b…外周面、51c…切り欠き部、
52…リテーナ、53…ボール、54…バックヨーク、55…磁石(湾曲状磁石)、
56…バックヨーク、57…駆動コイル、58…コイル配線基板、
59…リング状コイル配線基板、
60…実施例2の振れ補正装置、
61…プリズム保持枠体、
62…前枠体、62a…前面、62b…光通過孔、62c…円形状凹部、
62d…前側内面、62d1…リング状溝、
63…中枠体、63a…丸孔、
64…後枠体、64a…後面、64b…光通過孔、64c…円形状凹部、
64d…後側内面、
71…第1回動筒体、
71a…前面、71a1…リング状溝、71b…後面、
72…リテーナ、73…ボール、
74…リング状バックヨーク、
75…磁石(リング状磁石)、75a…位置検出用磁極、
75a…無磁極領域、75a,75a…中間領域、75a,75a…外側領域、
75b…駆動用磁極、75b…無磁極領域、75b,75b…外側領域、
76…鍔付きリング状バックヨーク、77…駆動コイル、78…リングコイル配線基板、
79…リング状バックヨーク、
81…第2回動筒体、
81a…前面、81b…後面、82…リテーナ、83…ボール、
84…リング状バックヨーク、85…磁石(リング状磁石)、
86…鍔付きリング状バックヨーク、87…コイル、88…コイル配線基板、
89…リング状バックヨーク、
91…実施例2の着磁ヨーク、
91A…位置検出用着磁ヨーク部、
91a,91b…一対の着磁片、91a,91b…一対のテーパ面、
91a,91b…一対の当接面、91c…磁気ギャップ部、
91B…駆動用着磁ヨーク部、
91d,91e…一対の着磁片、91d,91e…一対の当接面、
91f…磁気ギャップ部、
92…励磁用コイル、93…バックヨーク、94…回動筒体、
95…実施例1の位置検出装置、96…プリント配線基板、97…固定部材、
Y軸…第1軸、X軸…第2軸。

Claims (8)

  1. 磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁極を得るために、所定幅の磁気ギャップ部を挟んだ両側に前記磁性体に当接させる当接面を有する一対の着磁片を備えた着磁ヨークにおいて、
    前記一対の着磁片は、それぞれの前記当接面が前記磁気ギャップ部の一端よりも突出しており、前記磁気ギャップ部の一端と、それぞれの前記当接面との間を接続するテーパ面を有することを特徴とする着磁ヨーク。
  2. 磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁極を得るために、所定幅の第1磁気ギャップ部を挟んだ両側に前記磁性体に当接させる第1当接面を有する一対の第1着磁片を備えた第1着磁ヨーク部と、
    前記磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して駆動用磁極を得るために、所定幅の第2磁気ギャップ部を挟んだ両側に前記磁性体に当接させる第2当接面を有する一対の第2着磁片を備えた少なくとも一以上の第2着磁ヨーク部とを有する着磁ヨークであって、
    前記一対の第1着磁片は、それぞれの前記第1当接面が前記第1磁気ギャップ部の一端よりも突出しており、前記第1磁気ギャップ部の一端と、それぞれの前記第1当接面との間を接続するテーパ面を有し、
    前記一対の第2着磁片は、それぞれの前記第2当接面が前記第2磁気ギャップ部の一端に連接されていることを特徴とする着磁ヨーク。
  3. 磁性体に対して一対のN極とS極とを着磁して位置検出用磁石を得る磁石着磁方法において、
    前記位置検出用磁石のNS境界部位の両側に形成した一対の中間領域において、磁束密度が、前記NS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように、且つ、前記一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた一対の外側領域内で最大となるように着磁したことを特徴とする磁石着磁方法。
  4. 磁石内に位置検出用磁極と少なくとも一以上の駆動用磁極とを有し、前記位置検出用磁極に対して一対のN極とS極とを着磁し、且つ、前記少なくとも一以上の駆動用磁極に対してそれぞれ一対のN極とS極とを着磁する磁石着磁方法であって、
    前記位置検出用磁極のNS境界部位の両側に形成した一対の中間領域を、磁束密度が該一対の中間領域よりも前記NS境界部位から離れて外側に形成した一対の第1外側領域側に向かって直線的に増加するように、且つ、前記一対の第1外側領域内で前記磁束密度が最大となるように着磁すると共に、前記駆動用磁極のNS境界部位の両側に形成した一対の第2外側領域内で前記磁束密度が最大となるように着磁したことを特徴とする磁石着磁方法。
  5. 一対のN極とS極とを着磁した位置検出用磁極を有した磁石であって、
    前記位置検出用磁極は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域と、該一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた位置において前記磁束密度が最大となるように着磁された一対の外側領域とを備えたことを特徴とする磁石。
  6. 一対のN極とS極とを着磁した位置検出用磁極と、一対のN極とS極とを着磁した少なくとも一以上の駆動用磁極とを一体に有した磁石であって、
    前記位置検出用磁極は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域と、該一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた位置において前記磁束密度が最大となるように着磁された一対の第1外側領域とを備え、
    前記駆動用磁極は、NS境界部位の両側に磁束密度が最大となるように着磁された一対の第2外側領域とを備えたことを特徴とする磁石。
  7. 一対のN極とS極とを着磁した磁石と、磁束密度の変化を電圧に変換するホール素子とのうち一方を固定部材側に取り付け、且つ、他方を移動部材側に取り付けて、前記固定部材に対して前記移動部材の位置を検出する位置検出装置において、
    前記磁石は、磁束密度がNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された一対の中間領域と、該一対の中間領域よりも更に前記NS境界部位から離れた位置において前記磁束密度が最大となるように着磁された一対の外側領域とを備え、
    前記ホール素子は、前記移動部材が移動していない基準位置にあるときに、前記磁石のNS境界部位に間隔を離して対向させたことを特徴とする位置検出装置。
  8. 撮影レンズの光軸上に配置されたプリズム保持枠体と、手振れや振動などによって生じる振れ量に応じて前記プリズム保持枠体内で複数の頂角プリズムのうちのいくつかを電磁力により前記光軸と直交する面内でそれぞれ所定の角度範囲内に亘って回動させる振れ補正装置において、
    前記頂角プリズムを保持して前記プリズム保持枠体内を回動する少なくとも一以上の回動筒体と、
    前記回動筒体に取り付けられ、磁束密度が一対のN極とS極とのNS境界部位から離れるに従って直線的に増加するように該NS境界部位の両側に着磁された位置検出用磁極と、一対のN極とS極とを着磁した複数の駆動用磁極とを一体に有した磁石と、
    前記回動筒体が回動していない基準位置にあるときに、前記位置検出用磁極のNS境界部位に対向するように前記プリズム保持枠体内に取り付けられたホール素子と、
    前記複数の駆動用磁極と対向して前記プリズム保持枠体内に取り付けられた複数のコイルとを備えたことを特徴とする振れ補正装置。
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