JP2009058317A - 自動分析装置 - Google Patents

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【課題】
試薬ボトルチェンジを自動で簡易に行う。
【解決手段】
自動分析装置において、ボトル内容液を使用している試薬ボトルと使用を開始していない試薬ボトルとを重量差から溶液液面の高低差が得られる機構に搭載したとき、軽量の試薬ボトルの位置エネルギーが高まり、そのボトルの溶液が排出されやすいことから、ボトル重量に応じた天秤,バネ圧、あるいは空気圧によるボトル位置の高低がなされる機構と、溶液液面の高いボトルから順次溶液が使用される機構と、を備え、最も軽量なボトルを選択し、そのボトルの溶液が十分に減少するまで使用継続し、そのボトルの溶液がなくなったか十分に減少したとき、次に溶液の充填されたボトルからの溶液の使用を開始する機構を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動分析装置の試薬分注機構に係り、特に同一試薬を複数容器にて搭載する場合、残量の少ない容器から使い切ることができる機能を備えた自動分析装置に関する。
自動分析装置、特に免疫分析装置においては、抗原または抗体の検出測定方法として、競合法あるいはサンドイッチ法等が知られている。これは、抗原抗体反応を反応容器内で行い、この抗原抗体と複合体を形成するコンジュゲートに予め標識された蛍光色素や酵素を検出する方法である。この方法では、抗原抗体と複合体を形成したコンジュゲートのみを反応容器内に残し、複合体を形成していないコンジュゲートは反応室内から除去され、この除去操作を一般にB/F(バウンド/フリー)分離と称される。高感度の分析を実現する酵素として、ペルオキシダーゼ,アルカリフォスファターゼ,グルコースオキシダーゼなどが知られている。
測定を効率的に行うために、通常、項目によらず共通して使用される発光液,pH調整液あるいは磁性粒子の懸濁液等の試薬は、各々1つのボトルから分注され反応に供される。複数項目をまたいで共通して使用されることから消費量も多く、各々試薬を複数ボトル搭載し、1つのボトルが空になるか溶液量が十分に低減した場合、自動のボトルチェンジを行い、中断することなく分析を行うことを可能にしている装置が多い。自動のボトルチェンジが行えることは、分析途中に使用者による試薬交換が不要である、分析を途中で中断することがないなど、使用者のワークロードを低減し効率的に迅速な分析を行うためには重要な性能である。高感度の分析を実現するは発光発色剤(基質)として、ルミノール誘導体,4−メチルウンベルフェリルリン酸,アダマンチルジオキセタンフェニルリン酸などが知られている。
このような免疫測定装置において、残使用可能量の指標に従い流路を電磁弁などの弁で切り替えることによりボトルチェンジを行ってきた。この自動ボトルチェンジのために、開閉弁あるいは電磁弁,スイッチバルブといったものが使用され、3以上の多数の流路を1つのバルブで切り替えるものも作製されている。通常、自動分析装置におけるボトルチェンジは、2ないし3本のボトルで行われ、空あるいは規定の分析数分を使用した後に未使用のボトル溶液を使い始めるのが一般的であり、2あるいは3ボトルから、同時に規定割合の溶液と採取混合するといった使用は少ない。このような免疫測定装置が例えば特許文献1に記載されている。
特開2006−292641号公報
本発明は、簡易かつ低コストにボトルチェンジを行う機能を備えた自動分析装置を提供することを目的とする。
本発明は、試薬分注を簡易な機構で行うため、同一の試薬溶液を複数ボトル搭載するとき、ボトル重量に応じた天秤,バネ圧、あるいは空気圧によるボトル位置の高低がなされる機構と溶液液面の高いボトルから順次溶液が使用される機構とを備え、最も軽量なボトルを選択し液面を高く置き、溶液の位置エネルギーを高めることによりその溶液が優先的に低位置に流動し使用され、また、十分に減少するか、無くなったとき、溶液の充填された別のボトルからの溶液の使用を開始し、そのボトルが軽量になることにより位置的な優位性が高まり、前述のボトルと同様に十分に減少するかなくなるまで溶液が使用される。
本発明の自動分析装置によれば、複数のボトルからのチューブを電磁弁につなぎ、複数のうち1つのボトルを選択し、モーターポンプあるいはシリンジポンプで送液する機構を有することなく、複数のボトルを順序だてて使用することができ、機構の簡易化と送液効率を計ることができるだけではなく、ポンプ材料に使用される可溶成分の分析への影響を低減し、また、チューブ連結個所の液漏れあるいは乾燥塩の析出,電磁弁等での金属成分あるいは樹脂成分の溶出、さらには、カビや雑菌の発生が回避でき、高い分析性能を実現することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は免疫測定装置の主要構成図である。検体レーン101上の検体は、第1分注ピペット112によって反応ディスク105上の反応容器に分注される。第1分注ピペットは同時に第1試薬ディスク外周102上の磁気ビーズも分取し、ポジション(1)にある反応容器30に分注する。反応ディスクは温調され、所定時間毎に回転する。一定時間後に反応容器がポジション(2)に到達すると、グリッパ107が反応容器をB/F分離ユニットに運び、1回目のB/F分離が行われる。
1回目のB/F分離が終了した反応容器は、再びグリッパによりポジション(2)に戻った反応容器がポジション(3)まで動くと、第2試薬ディスク104のコンジュゲートが第2分注ピペット114により反応容器に分注される。反応ディスクでの反応の後、この反応容器がポジション(4)に来ると、再びグリッパによりB/F分離装ユニットに運ばれ、B/F分離後にポジション(4)に戻る。その後、第3分注ピペット110により第1試薬ディスク内周103に置かれた基質が反応容器中に分注され、光学検出装置106により蛍光測定される。なお、113,115,111はそれぞれ第1分注ピペット,第2分注ピペット,第3分注ピペットの可動範囲を示している。
図2は免疫分析の一般的な方法を示す。抗体あるいは抗原固相磁性粒子と第1分注ピペットにより採取された検体とが反応容器30に規定量混合され、反応ディスク105で37℃前後に加温されながら一定時間反応する。その後、反応容器16はB/F分離ユニットに移動しマグネット19で磁性粒子が集磁される。シリンジ15で上清を吸引し、次にシリンジにて洗浄液を供給、さらに集磁し、前述の上清吸引,洗浄液供給,集磁を数回繰り返す。このとき、磁性粒子とその表面に結合した検体由来の抗原あるいは抗体のみが反応容器に残る。
次に第2分注ピペット114で、酵素標識抗体あるいは抗原(コンジュゲート)を分注する。その後、反応容器16は移動しマグネット19で磁性粒子が集磁される。シリンジ15で上清を吸引し、次にシリンジにて洗浄液が供給され、さらに集磁し、前述の上清吸引,洗浄液供給,集磁を数回繰り返す。このとき、磁性粒子とその表面に結合した抗原あるいは抗体、さらには、その抗原あるいは抗体に結合した酵素標識抗体あるいは抗原が反応容器に残る。
次に反応容器を光学検出ユニットに移動し、第3分注ピペット110で基質(発光発色液)を規定量分注し、反応容器に残存した酵素と基質の反応による発光あるいは発色を光電子増倍管(PMT)で捉え、酵素量さらには検体中に含まれていた抗原あるいは抗体量を検量線より算出する。
図3の分析項目に共通する基質試薬等の分注方法を示す。試薬ボトル11は複数あり、同一の試薬組成である。ボトル中の溶液にはチューブ12が浸っており、複数ボトルからのチューブは1ヵ所あるいは複数箇所で合流し最終的に1本になる。ボトル中の試薬溶液はシリンジ15により吸引され、試薬貯留槽13に送液される。このとき、電磁弁14は貯留槽とシリンジを開放する方向となっている。さらに、シリンジ内に溶液を吸引する。
次に電磁弁をシリンジ15と反応容器16を開放する方向に切り替え、シリンジプランジャーを押すことにより、一定量の溶液を反応容器に分注する。
図4左図においては、試薬ボトルの溶液が用いられ、一方のボトルが軽量となった場合、2本のボトルは天秤に搭載されており、軽量であるボトルAがボトルBの重みにより高い位置に移動する。高い位置に液面が移動することにより位置エネルギーを得、試薬貯留槽13へはボトルAの溶液が送液される。
ボトルAの溶液がなくなるか、規定数の分析を終了し十分少量となったときには、ボトルBからの溶液供給が開始される。ボトルBの溶液がなくなるか規定数の分析を終了する前にボトルAを取り出し、その位置に別の新しいボトル(例えばボトルC)を設置することが望ましい。重量はボトルBを上回り、ボトルBは高い位置に移動し継続して試薬の供給はボトルBから行われる。
図4右図では、ボトルはバネと台座の上に搭載され、ボトル重量の相対的な軽重からボトル内の溶液液面の高低差が得られ、左図と同様の軽量であるボトルAがボトルBより高い位置に移動する。高い位置に液面が移動することにより位置エネルギーを得、試薬貯留槽13へはボトルAの溶液が送液される。
ボトル内の溶液液面に高低を与える機構は、天秤,バネ,ゴム,シーソー等を利用したもの、あるいは、空気圧,油圧等を利用した機構等、搭載されたボトル重量により位置あるいは形状が可逆的に変化するものであればなんでも良い。
このように、ボトルは使用中であれば他の未使用のボトルに比較して高い位置にあり、他のボトルが使用済みに容器であれば、溶液のあるボトルからの試薬供給がなされる。
なお、ボトルはボトル内のチューブを短くしキャップの個所が下方向にあっても良く、また、横置きされていても良い。また、ボトル内部の空気等の移動のため、気体移動路となる別のチューブを設けても良い。
自動分析装置の構成図である。(実施例1) 自動ボトルチェンジユニットの構成図である。(実施例1) 免疫測定のフローチャートである。(実施例1) 天秤(左図)あるいはバネ(右図)により、1本のボトルの位置が高まることによるボトルチェンジがなされるユニットの構成図である。(実施例1)
符号の説明
11 試薬ボトル
12 チューブ
13 試薬貯留槽
14 電磁弁
15 シリンジ
16 反応容器
17 光電子増倍管(PMT)
30 反応容器
101 検体レーン
102 第1試薬ディスク外周
103 第1試薬ディスク内周
104 第2試薬ディスク
105 反応ディスク
106 光学検出ユニット
107 グリッパ
110 第3分注ピペット
111 第3分注ピペット可動範囲
112 第1分注ピペット
113 第1分注ピペット可動範囲
114 第2分注ピペット
115 第2分注ピペット可動範囲
A 試薬ボトル
B 試薬ボトル(A,Bは同一組成の試薬)

Claims (2)

  1. 同一の液体を収容する液体容器を複数架設可能な液体容器設置位置と、
    該複数の液体容器設置位置に架設された液体容器の重量差に基づき、重量の小さい液体容器から先に前記液体容器から液体を吸引するように制御する制御機構を備えたことを特徴とする自動分析装置。
  2. 請求項1記載の自動分析装置において、
    前記重量差に基づき、重量の小さい液体容器から先に前記液体容器から液体を吸引する機構は、天秤,バネ圧,空気圧のいずれかにより重量が小さい液体容器が高い位置に位置付けられる機構と、
    高い位置に位置付けられた液体容器から順次使用される機構と、
    を備えたことを特徴とする自動分析装置。
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