JP2009058286A - 磁粉濃度測定装置及び磁粉濃度測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁粉液の磁粉濃度を、瞬時かつ正確に定量的に確認、評価できるようにする。
【解決手段】同一抵抗値の第1及び第2の抵抗器の直列回路と同一インダクタンス値の第1及び第2のコイルの直列回路とを並列に接続し、この第1の抵抗器及びこの第1のコイルの接続中点とこの第2の抵抗器及びこの第2のコイルの接続中点との間に所定周波数の交流電圧を供給する。そして、この第1及び第2の抵抗器の接続中点とこの第1及び第2のコイルの接続中点との間に得られるこの所定周波数の交流電圧の実効値を算出するようにする。そして、この第1又は第2のコイル中に磁粉液を挿入したときに、この磁粉液の磁粉濃度に応じた実効値を得る。こうして得られた実効値を、既知の磁粉液の磁粉濃度とこの実効値との関係に照らして、磁粉濃度が未知の磁粉液の磁粉濃度を得る。
【選択図】図1
【解決手段】同一抵抗値の第1及び第2の抵抗器の直列回路と同一インダクタンス値の第1及び第2のコイルの直列回路とを並列に接続し、この第1の抵抗器及びこの第1のコイルの接続中点とこの第2の抵抗器及びこの第2のコイルの接続中点との間に所定周波数の交流電圧を供給する。そして、この第1及び第2の抵抗器の接続中点とこの第1及び第2のコイルの接続中点との間に得られるこの所定周波数の交流電圧の実効値を算出するようにする。そして、この第1又は第2のコイル中に磁粉液を挿入したときに、この磁粉液の磁粉濃度に応じた実効値を得る。こうして得られた実効値を、既知の磁粉液の磁粉濃度とこの実効値との関係に照らして、磁粉濃度が未知の磁粉液の磁粉濃度を得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄鋼材、鉄鋼部品等の被検査物の欠陥を磁粉探傷するための磁粉液中に分散する磁粉の濃度を測定するようにした磁粉濃度測定装置及び磁粉濃度測定方法に関する。
一般に、鉄鋼材、鉄鋼部品等の被検査物の傷等の欠陥を検査するのに湿式磁粉探傷試験法が使用されている。
この湿式磁粉探傷試験法は、鉄鋼材、鉄鋼部品等の被検査物を磁化し、欠陥部に発生する漏洩磁束による磁極に磁粉液を散布し、この磁極による磁粉の付着を利用して欠陥を検出する方法である。
この磁粉液は、2〜10μm程度の磁粉(鉄粉)と水又は白灯油と必要に応じた分散剤とからなるものである。
この湿式磁粉探傷試験法においては、この磁粉液の磁粉の分散濃度(磁粉濃度)は、被検査物の欠陥の検出即ち、被検査物から得られる磁粉模様及びそれから得られる情報を左右する大きな要素である。
従来、この磁粉液の磁粉濃度測定方法としては、磁粉を分散した磁粉液をよく撹拌し、この磁粉液の規定量(100ml)を沈殿管に採取し、この沈殿管をスタンドに立てかけて、30分間経過後、この沈殿管の底部に沈殿した磁粉の量を目視で測定する方法がある。
また、特許文献1には、標準試験片に数種の濃度既知の磁粉液を適用して、数種の磁粉模様を予め形成させておき、一方この標準試験片に濃度未知の測定しようとする磁粉液を適用して磁粉模様を形成させ、上述磁粉模様を目視で比較し、濃度未知の磁粉液の濃度を測定するものが開示されている。
特開平7−113787号公報
然しながら、磁粉液中の磁粉の粒径が2〜10μm程度の場合には、磁粉液を注入した沈殿管をスタンドに立てかけて、30分間経過しても、分散させた磁粉の一部しか沈殿しないので、磁粉量を正確に測定することができないという問題があった。更に、磁粉濃度測定に時間がかかりすぎる不都合があった。
また、特許文献1に開示された方法では、目視による測定であり、検査する人により差が生じるため、正確な磁粉濃度の測定は困難であった。
本発明は、斯かる点に鑑み、この磁粉液の磁粉濃度を、瞬時に定量的に確認、評価できるようにすることを目的とする。
本発明の磁粉濃度測定装置は、同一抵抗値の第1及び第2の抵抗器の直列回路と同一インダクタンス値の第1及び第2のコイルの直列回路とを並列に接続し、この第1の抵抗器及びこの第1のコイルの接続中点とこの第2の抵抗器及びこの第2のコイルの接続中点との間に所定周波数の交流電圧を供給し、この第1及び第2の抵抗器の接続中点とこの第1及び第2のコイルの接続中点との間に得られるこの所定周波数の交流電圧の実効値を算出するようにし、この第1又は第2のコイル中に磁粉液を挿入したときに、この磁粉液の磁粉濃度に応じた実効値を得るようにした実効値演算手段と、この実効値演算手段により得られる、磁粉濃度が既知の磁粉液の磁粉濃度と実効値との関係を予め記憶したメモリとを有し、未知の磁粉濃度の磁粉液を第1又は第2のコイル中に挿入し、実効値演算手段に得られる実効値を、メモリを参照して磁粉濃度に換算し表示するようにしたものである。
本発明によれば、実効値演算手段の第1又は第2のコイル中に未知の磁粉濃度の磁粉液を挿入するだけで、瞬時に、この磁粉濃度に応じた実効値を得ることができ、この実効値をメモリを参照して磁粉濃度に換算して表示するので、未知の磁粉液の磁粉濃度を、瞬時に定量的に確認、評価できる。
以下、図面を参照して、本発明の磁粉濃度測定装置及び磁粉濃度測定方法を実施するための実施形態の例(以下、「本例」という。)につき説明する。
図1は、本例による磁粉濃度測定装置の構成を示し、この図1においては、同一の抵抗値を有する抵抗器1及び2の直列回路に、同一のインダクタンス値を有するコイル3及び4の直列回路を並列に接続する。
本例においては、このコイル3及び4は空芯コイルで構成されており、図2に示すように、空芯コイル3の空芯内に、例えば合成樹脂製の測定容器5を挿入できるようになっている。この合成樹脂製の測定容器5内には、磁粉濃度が測定される、例えば100mlの磁粉液5aが注入されている。
また、本例においては、抵抗器1及びコイル3の接続中点と抵抗器2及びコイル4の接続中点との間に、所定周波数例えば5kHzの最大及び最小電圧間の差電圧値が一定の交流電圧信号6を供給する。
また、抵抗器1及び2の接続中点とコイル3及び4の接続中点との間の交流電圧信号をバンドパスフィルタ7の入力側に供給する。この場合、抵抗器1及び2とコイル3及び4とは、ブリッジ回路を構成しており、コイル3内に磁粉液5aを挿入しないときは、このバンドパスフィルタ7の入力側に供給される交流電圧信号の電圧は零である。また、コイル3内に磁粉液5aを挿入したときは、コイル3のインダクタンス値がこの磁粉液5aの磁粉濃度に応じて変化するので、このバンドパスフィルタ7の入力側に、この磁粉液5aの磁粉濃度に応じた電圧の交流電圧信号が供給される。
このバンドパスフィルタ7の通過周波数帯域は、交流電圧信号6の所定周波数、例えば5kHzを中心とする狭い帯域のものでよい。そして、このバンドパスフィルタ7の出力信号を所定レベルに増幅する増幅回路8を介して、所定周波数例えば5kHzの実効値(直流電圧)を得る演算回路9に供給する。
この演算回路9の出力側に得られる磁粉液5aの磁粉濃度に応じた電圧の実効値を、アナログ信号をデジタル信号に変換するA−Dコンバータ10を介してマイクロコンピュータ等より成るCPU(中央処理装置)11に供給する。
このCPU11においては、既にメモリ12に記憶されている、例えば図3に示すような、既知の磁粉濃度の磁粉液と実効値(直流電圧)との関係を参照して、検出実効値に応じた磁粉濃度に換算し、その磁粉濃度を定量的に表示装置13に表示するようにする。
本例においては、メモリ12に既知の磁粉濃度の磁粉液と実効値(直流電圧)との関係を次のようにして記憶する。
まず、図1に示すような、抵抗器1及び2、コイル3及び4、交流電圧信号6、バンドパスフィルタ7、増幅回路8及び演算回路9より成る実効値演算手段を用意する。
図3に示すような、曲線aの関係にある磁粉液として、マークテック(株)製のLY―10(磁粉)を使用する例を説明する。このLY10は、蛍光磁粉であり、粒度が3〜7μmであって、水分散専用のものである。
本例においては、既知の磁粉濃度の磁粉液のサンプルとして、0.050g/100ml、0.100g/100ml、0.200g/100ml、0.300g/100ml、0.400g/100mlの磁粉液を用意する。
これら磁粉液のサンプルを、それぞれ例えば100mlの測定容器5に100ml注入する。次に、図1に示した実効値演算手段で、それぞれの測定容器5を順次空芯コイル3の空芯内に挿入し、それぞれの実効値、例えば1.0V、2.0V、3.5V、5.2V、7.0Vを得る。そして、この既知の磁粉濃度の磁粉液と実効値との関係を、図3の曲線aに示すような関係として、メモリ12にテーブルとして記憶するようにする。
この場合、この曲線aより、換算係数Aを定めるようにしても良い。即ち、
磁粉濃度=A×実効値(実効電圧)
を算出して、換算係数Aを定める。このLY―10を磁粉として使用したときは、換算係数A=0.056528となる。
磁粉濃度=A×実効値(実効電圧)
を算出して、換算係数Aを定める。このLY―10を磁粉として使用したときは、換算係数A=0.056528となる。
次に、磁粉として、このLY―10を使用した未知の磁粉液の磁粉濃度を測定する場合につき説明する。
このときは、この未知の磁粉液を例えば100mlの測定容器5に100ml注入し、この未知の磁粉液5aが注入された測定容器5を、図1に示す磁粉濃度測定装置の空芯コイル3の空芯内に挿入する。
そして、演算回路9の出力側に得られる実効値(直流電圧)をCPU11に供給し、このCPU11において、メモリ12に記憶された参照値に基づいて未知の磁粉液の磁粉濃度を決定する。ここで、上記測定された実効値は、メモリ12に記憶してある図3の曲線aに示すようなLY―10を磁粉とした磁粉濃度が既知である磁粉液の、実効値と磁粉濃度との関係を参照して決定され、表示装置13に定量的(例えば0.200g/100ml)に表示される。
この場合、CPU11において、先に定めた、このLY―10の換算係数A=0.056528を、この得られる実効値(直流電圧)に乗算し、得られる磁粉濃度を表示装置13に表示するようにしても良い。
本例によれば、図1に示す磁粉濃度測定装置の空芯コイル3の空芯内に未知の磁粉濃度の磁粉液を例えば100ml注入した測定容器5を挿入するだけで、瞬時に、この磁粉濃度に応じた実効値を得ることができる。そして、この実効値をCPU11で磁粉濃度に換算して表示装置13に表示するので、未知の磁粉液の磁粉濃度を、瞬時に定量的に確認、評価できる。
また、磁粉として、図3の曲線b及びcの関係にあるマークテック(株)製のLY―20P及びLY―50を使用する場合も、同様にして、メモリ12に、既知の磁粉液の磁粉濃度と実効値との関係を記憶するようにする。
このLY―20P及びLY―50は蛍光磁粉で、粒度が3〜7μmであり、LY―20Pは、高輝度で水分散専用であるが、LY―50は一般用汎用品で油分散専用である。
未知の磁粉濃度の磁粉液の磁粉として、LY―20P又はLY―50を使用したときも、上述と同様な方法で、磁粉濃度を測定することができる。すなわち、図3の曲線b又はcの関係にあるメモリ12に記憶した磁粉濃度と実効値との関係を参照して、測定した実効値から未知の磁粉液の磁粉濃度を決定し、表示装置13に定量的(例えば0.200g/100ml)に表示する。
このLY―20Pの換算係数Aは、図3の曲線bより算出すると、0.059357となり、LY―50の換算係数Aは、図3の曲線cより算出すると、0.054425となる。
なお、上述例では、磁粉液5aを例えば100mlの測定容器5に注入し、この測定容器5を空芯コイル3(4)の空芯内に挿入するように述べたが、この代わりに、磁粉液5aを循環して、繰り返し使用するようにしたこきに、図4に示すように、この磁粉液5aの循環パイプ15の適当な位置が、この空芯コイル3(4)の空芯内を通過するようにしても良い。
この場合、この空芯コイル3(4)に対応する循環パイプ15の部分の磁粉液5aの量が、例えば100mlとなるようにする。
このときは、循環パイプ15が測定容器5と同様の作用をし、上述と同様にして、磁粉液の磁粉濃度を測定できることは容易に理解できよう。
なお、本発明は、上述した実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。
1、2…抵抗器、3、4…コイル(空芯コイル)、5…測定容器、6…交流電圧信号、7…バンドパスフィルタ、8…増幅回路、9…演算回路、10…A−Dコンバータ、11…CPU、12…メモリ、13…表示装置、15…循環パイプ
Claims (3)
- 同一抵抗値の第1及び第2の抵抗器の直列回路と同一インダクタンス値の第1及び第2のコイルの直列回路とを並列に接続し、前記第1の抵抗器及び前記第1のコイルの接続中点と前記第2の抵抗器及び前記第2のコイルの接続中点との間に所定周波数の交流電圧を供給し、前記第1及び第2の抵抗器の接続中点と前記第1及び第2のコイルの接続中点との間に得られる前記所定周波数の交流電圧の実効値を算出するようにし、前記第1又は第2のコイル中に磁粉液を挿入したときに、前記磁粉液の磁粉濃度に応じた実効値を得るようにした実効値演算手段と、
前記実効値演算手段により得られる、磁粉濃度が既知の磁粉液の磁粉濃度と前記実効値との関係を予め記憶したメモリとを有し、
未知の磁粉濃度の磁粉液を前記第1又は第2のコイル中に挿入し、前記実効値演算手段に得られる実効値を、前記メモリを参照して磁粉濃度に換算し表示するようにしたことを特徴とする磁粉濃度測定装置。 - 請求項1記載の磁粉濃度測定装置おいて、
前記所定周波数は、5kHzであることを特徴とする磁粉濃度測定装置。 - 同一抵抗値の第1及び第2の抵抗器の直列回路と同一インダクタンス値の第1及び第2のコイルの直列回路とを並列に接続し、前記第1の抵抗器及び前記第1のコイルの接続中点と前記第2の抵抗器及び前記第2のコイルの接続中点との間に所定周波数の交流電圧を供給し、前記第1及び第2の抵抗器の接続中点と前記第1及び第2のコイルの接続中点との間に得られる前記所定周波数の交流電圧の実効値を算出するようにし、前記第1又は第2のコイル中に磁粉液を挿入したときに、前記磁粉液の磁粉濃度に応じた実効値を得るようにし、
磁粉濃度が既知の磁粉液を用いて測定した磁粉濃度と前記実効値との関係を予めメモリに記憶しておき、
未知の磁粉濃度の磁粉液を前記第1又は第2のコイル中に挿入して得られる、前記未知の磁粉液の実効値を、前記メモリに記憶されている実効値に基づいて、磁粉濃度に換算するようにしたことを特徴とする磁粉濃度測定方法。
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